JPH11301832A - 浮揚装置 - Google Patents

浮揚装置

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JPH11301832A
JPH11301832A JP11169998A JP11169998A JPH11301832A JP H11301832 A JPH11301832 A JP H11301832A JP 11169998 A JP11169998 A JP 11169998A JP 11169998 A JP11169998 A JP 11169998A JP H11301832 A JPH11301832 A JP H11301832A
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JP
Japan
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acoustic
levitation
energy
sound
acoustic resonance
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Application number
JP11169998A
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English (en)
Inventor
Seiichiro Suzuki
成一郎 鈴木
Akihira Morishita
明平 森下
Koji Kawachi
幸二 河内
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来は、使用電力が少なく、構成が簡易であ
り、浮揚距離の大きな、発生騒音の小さい音響波による
物体の浮揚装置がなかった。 【解決手段】音響共鳴管1を用いて、容易に入手できる
音響エネルギ発生手段2からの音響エネルギを増幅させ
る。音響共鳴管1の上部には浮揚エネルギ供給板4が取
り付けられており、音響共鳴管1からの音響エネルギに
より、この板4が振動をして被浮揚物体6との間に放射
圧を発生させて浮揚力を得る。共鳴管1の低次の共鳴周
波数を用いた音響エネルギであるために非常に大きな浮
揚力を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響エネルギを用
いて、物体を浮揚させる浮揚装置に係り、特に、薄板で
大面積の材料、例えば半導体工学におけるウェハや、L
CDや、ステータコイルなどの鉄芯材料などを扱う装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】薄板形状の大面積構造物を搬送するため
には搬送時の破壊を抑制するための工夫が必要である。
例えば、多くの支持点を設けた治具上に構造物を設置し
て、水平方向に搬送したり、垂直方向に支持して厚さ方
向には撓まないようにする等の構造が多くとられてい
る。
【0003】しかしながら、多くの支持点を設けた治具
を用いた場合には、治具が構造物に接触する部位に過大
な応力が発生し、その接触点にて薄板の破壊、損傷など
が生じる恐れがある。接触部位に過大な応力が発生する
と、例えば、構造物が半導体ウェハである場合には、ウ
ェハ上の集積回路に格子欠陥が発生する可能性が高くな
る。そのために、接触部位には集積回路などが形成され
た製品を用いることができず、歩留まりが悪化するとい
う欠点を有していた。
【0004】また、構造物を、垂直方向に支持する場合
においても支持用の治具が必要となり、前述した様に、
支持部位に過大な応力が発生するという欠点を有してい
た。上述した欠点を克服するために、材料を面全体で支
持する浮揚装置が提案されている。
【0005】以下に、従来の浮揚装置の構成、動作に付
いて説明する。接触部位における応力発生を抑制するた
めに、従来は、構造体の面全体を支持する専用の筐体を
設け、その筐体を浮揚させる手段を用いていた。また、
浮揚手段としては、(1)筐体側から基板に向けて空気
を噴出させて、その噴出力と重力とを釣り合わせた手法
や、(2)筐体に磁気回路を設けて磁力により筐体を浮
上させる手法が用いられていた。
【0006】しかしながら、上述したいずれの手法にお
いても、搬送物(構造物)を浮揚させる浮揚エネルギを
得るための専用の回路を、搬送物自体、もしくは搬送物
を載せる治具自体に搭載させる必要があり、さらには、
それらの回路を駆動させるために必要となる空気供給
源、もしくは電源等も必要となってくる。また、それら
の回路等を構成されるために、浮揚体(搬送物)自体の
重量が大きくなり、また、浮揚させるために、高出力の
エネルギ源が、更に必要となる悪循環を招いていた。以
上のような問題点を有する浮揚搬送技術に対して、超音
波エネルギにより浮揚させて搬送させる技術がある。
【0007】上羽等は、超音波振動子を取り付けた振動
板を、19kHzの超音波により直接音響加振させ、振
動板上に置かれた薄板搬送物体を浮揚させることを、
「音波浮揚を利用した非接触物質搬送」(電子情報通信
学会技術研究報告、US93−67(1919−1
1))において示している。
【0008】さらには、振動板に、搬送方向に進行波を
発生させて薄板構造物を移動させることを、「音波浮揚
を利用した非接触物質搬送−搬送法に関する基本的検討
−」(日本音響学会講演論文集、平成6年10月31日
発行、橋本、小池、上羽)において示している。
【0009】さらには、特開平7−242317号「物
体浮揚装置を具備した物体搬送装置」、等多数の特許に
より示されている。しかしながら、上記した様な技術に
対しては、以下のような問題を有していた。
【0010】薄板構造体に音響波を与えるためには超音
波励振手段を用いている。しかし、この超音波励振手段
である超音波振動子を駆動させる発振器には、非常に大
きな電力を出力できる装置が必要である。この電力の大
容量化に併せて電気系統も強化させる必要があるために
周辺装置が大型化するという問題点を有していた。
【0011】また、超音波振動子、および発振器は、比
較的特殊用途に用いられることから価格が高くなるとい
う欠点もある。一方、音響波による浮揚量は、被浮揚物
体に音圧を与える振動体の振幅に比例する。超音波帯域
のように周波数が高くなると振動体の振幅が小さくな
り、浮揚量が小さくなる。それに伴って、浮揚物体や振
動体には極めて高い平面度が要求されるという欠点も有
していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
様な構成をした従来の浮揚装置では、超音波を用いて被
搬送体を浮揚させて搬送させており、そのため、超音波
振動子を駆動させる発振器には大きな電力が必要となる
という問題が生じていた。同時に電気系統も強化する必
要がある。したがって、浮揚装置以外の周辺装置の補強
が必要となり、浮揚装置本体よりも周辺装置の充実のた
めに、手間とコストとを要する。
【0013】さらに、浮揚のための振動体と、被浮揚体
とには、高い平面度が要求されるという問題も生じてい
た。そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、共鳴による音響エネルギを用いて構造体を浮
揚させるため、低電力で動作でき、放射騒音を低減し、
また浮揚装置を含めた周辺装置の構成を簡易に、また構
造物の高精度の平面度を不必要とする浮揚装置の提供を
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の浮揚装置は、音響共鳴手段と、前記音響
共鳴手段に設けられ、前記音響共鳴手段に、所定の波長
を持った音を供給する音源と、前記音響共鳴手段に設け
られ、前記音響共鳴手段による音響エネルギが、所定の
物体に供給し、前記物体を浮揚させる浮揚エネルギ供給
手段とから構成される。
【0015】また、本発明の浮揚装置は、音響共鳴手段
と、前記音響共鳴手段に設けられ、前記音響共鳴手段
に、所定の波長を持った音を供給する音源と、前記音響
共鳴手段に設けられ、前記音響共鳴手段による音響エネ
ルギが、所定の物体に供給し、前記物体を浮揚させる浮
揚エネルギ供給手段とを有する浮揚装置を複数設け、隣
接する前記浮揚エネルギ供給手段が、互いに接続されて
いる。
【0016】また、本発明の浮揚装置は、可聴音により
音響浮揚を実現するもので、有効に音響エネルギを所定
の方向に放射させるために音響管の共鳴現象を用いる。
可聴音の放射には、通常の聴覚装置に用いられる信号処
理系、増幅系および拡声系を用いるので非常に容易に浮
揚制御系を低コストで実現させることができる。
【0017】さらに、搬送方向を制御する目的と、制御
時に発生する音を遮音する目的とでダクト筐体を設ける
ことにより搬送制御が可能となり、さらには騒音低減と
防塵とが可能となる。
【0018】前記音響エネルギ発生手段は、例えば音楽
鑑賞器材に一般に広く用いられている装置をそのまま使
うことができるので非常にコスト効率が良くなる。騒音
の低減は、搬送を兼ねたシールドダクトを用いることに
よりなされる。
【0019】被搬送物体の取り出し、挿入などのために
必要となる開口窓部からの放射音は、能動的な音響制御
装置による干渉音の制御により、顕著な低減効果を得る
ことができる。浮揚のための音響エネルギ発生手段と、
搬送のための音響エネルギ発生手段とを完全に分離させ
ることにより位置決め制御が可能となり、さらには回転
や曲線追跡も可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の構成を図
面を参照しながら説明する。図1は、本発明の浮揚装置
の第1実施例の斜視図である。音響共鳴管(音響共鳴手
段)1は、中空円筒形状である。スピーカ等により構成
されており、音響共鳴管1に音響エネルギを供給する音
源2は、音響共鳴管1の側面の所定の位置に設けられ
る。また、音響共鳴管1の一端には、共鳴強調用底板3
が設けられる。音響共鳴管1の他端には、共鳴強調用底
板3に対向するように、浮揚エネルギ供給板4が設けら
れる。浮揚エネルギ供給板4上には、たとえばウェハな
どの浮揚体6が配置可能である。
【0021】音源2には、通常の動電型スピーカを使用
することが一番適当であるが、動電型スピーカでなくと
も、音響エネルギを音響共鳴管1内に入力できれば、例
えばピストン−シリンダ系のような空気圧縮機であって
もよい。
【0022】また、音源2には、不図示の増幅器が接続
されている。さらに、増幅器には不図示の信号発生器が
接続されている。このような構成からなる第1実施例の
動作について説明する。
【0023】信号発生器からの信号が、増幅器に入力さ
れる。入力された信号は、増幅器により増幅信号処理が
なされた後、所望のエネルギ量を持った音響エネルギと
して音源2から音響共鳴管1内に放射される。
【0024】音響共鳴管1は、音源2から放射された、
所定の波長を持った音の音響エネルギを、共鳴によって
増幅する。より具体的には、音響共鳴管1内に入力され
た音源2により生成された音響波は、共鳴強調用底板3
と浮揚エネルギ供給板4との間で多重反射を起こす。音
響共鳴管1内には、音源2から浮揚のための音響エネル
ギが連続的に入力されるので、それまでに入力された音
響波が多重反射をしている波と位相を合わせることによ
り、音響共鳴管1内の音響エネルギを増幅することが可
能となる。
【0025】そして、音響共鳴管1内に新たに入力され
る音と、既に多重反射を起こしている音響波との位相を
合わせるためには、音響共鳴管1の軸方向の長さLによ
って決定される共鳴周波数によって、音源2を駆動させ
る。その時の共鳴周波数fnは以下の式(1)のように
して決定される。
【0026】fn=c*n/2*L …(1) ただし、nは自然数であり、cは音速(m/s)であ
る。通常は、周波数が高くなるほど周辺環境に吸収され
るエネルギ量が多くなるので、n=1の基本周波数で駆
動する方がエネルギ放射効率がよい。ただし、n=1の
場合は、概ね音響共鳴管1の軸方向に対して中央部位
が、節となるモード形態を形成している。そのため音源
2の設置位置は、音響共鳴管1の中央部位以外の例え
ば、共鳴強調用底板3の近傍や、共鳴強調用底板3に直
接取り付けることが好ましい。
【0027】また、駆動周波数としては、式(1)で決
定される周波数で必ずしも駆動しなくとも良い場合があ
る。それは、音源2に動電型スピーカを用いた時には、
動電型スピーカの膜面の質量mと、その膜面を支持する
剛性kにより決定されるf0周波数と呼ばれる共振の基
本周波数とを利用した駆動によっても、同様に音響エネ
ルギを有効に音響共鳴管1内に発生させることができ
る。ここで、このf0周波数とは、以下の式(2)によ
り表すことができる。
【0028】
【数1】
【0029】一般的に、f0周波数は、音響共鳴管1の
最低次の共鳴周波数に比べて低い50〜100Hzの帯域
に設定されることが多い。そして、このような低い帯域
で、式(1)で決定される最低次の共鳴周波数よりも更
に低い周波数で音響共鳴管1に音響加振を加えると、音
響共鳴管1内の媒体があたかも一体となった大きな呼吸
運動を発生させる。したがって大きな振幅を音響エネル
ギ供給板2に与えることができる。
【0030】さらには、音源2の振動の固有周波数と一
致させることも音響エネルギを増幅させる手段として有
効である。音響共鳴管1により増幅された音響エネルギ
は、音源2を加振する。本発明の基本原理は、従来の発
明で示した文献でも述べているように、振動する板と、
被搬送体との間で生じる放射圧により発生する浮揚力を
用いて浮揚させることである。
【0031】したがって、音源2は、できるだけ大きな
振幅で動いて放射圧が発生することが望ましい。そのた
めには浮揚エネルギ供給板4は、厚さが1ミリ以下の薄
板であり、かつ平面度のよい平滑な材料を選択する必要
がある。
【0032】さらには、共鳴強調用底板3は、音響共鳴
管1内の音響エネルギが散逸しないように、頑丈で、か
つ完全反射の状態を実現できる板を用いる。音響共鳴管
1内の音響エネルギにより駆動周波数で振動している浮
揚エネルギ供給板4上には被浮揚物体6 が載せられてい
る。そして、振動している浮揚エネルギ供給板4と被浮
揚物体6との間に放射圧により発生する浮揚力が作用す
ることにより浮揚する。この時には放射圧が被浮揚物体
6に一様に作用する必要があるために、両者の平面度は
良好である必要がある。放射圧を被浮揚物体6に一様に
作用させるためには周波数の選定にも注意する必要があ
る。すなわち、図12に示されるように、例えば浮揚面
(浮揚エネルギ供給板4)に、互いに逆相となる音圧が
作用するモードに対しては、図13に示すように、被浮
揚体6も逆相に動くために放射圧の位相も逆相となる。
その結果として、浮揚力が打ち消し合ってしまう。この
現象は、周波数が高くなるほど発生する度合いが高くな
る。したがって、有効な浮揚力を得るためには、音響共
鳴管1の断面方向の音響モードが駆動する周波数範囲で
は発生しないように音響共鳴管1の断面寸法を決定す
る。
【0033】このように形状を設定することにより、多
くの音響モードが発生することによる拡散音場状態を避
けることができ、より有効に音響エネルギを発生させ、
効率よく音響エネルギを増幅することができる。
【0034】その結果、浮揚体6に対して十分な浮揚力
を得ることができる。具体的には断面が矩形の音響共鳴
管1に対しては、その長手方向の寸法をbとすると断面
方向の音響モードが発生する周波数fbは、以下に示す
式(3)のように設定できる。
【0035】fb=c/2b …(3) また、音響共鳴管1の断面が円形である場合には、その
半径をrとすれば断面方向の音響モードが発生する周波
数frは、以下に示す式(4)のように表せる。
【0036】fr=0.298・c/r …(4) ここでcは音速である。以上の式(3)、(4)によっ
て決定される周波数よりも低い周波数を、浮揚エネルギ
供給板4を駆動する周波数として設定する方がより高い
浮揚距離を得ることができ、性能向上をはかることがで
きる。
【0037】なお、図1では共鳴強調用底板3が取り付
けられているが、開放状態であってもインピーダンス不
整合による多重反射の発生は可能であるので、共鳴強調
用底板3は外した状態であっても同様の効果を得ること
ができる。
【0038】次に、本発明の第2実施例の構成に付い
て、図2を参照して説明する。尚、以下の各実施例にお
いて、第1実施例と同一構成要素は同一符号を付し、重
複する説明は省略する。
【0039】第2実施例の特徴は、音響共鳴管1内にセ
ンサ10を設け、所望の音響エネルギを発生させること
である。図2は、浮揚装置の第2実施例の構成図であ
る。
【0040】音響共鳴管1内にセンサ10を設ける。セ
ンサ10によって検知された信号は、センサ10に接続
される内部監視装置11に送られる。内部監視装置11
からの信号により、内部監視装置11に接続される音響
信号出力装置12が音響エネルギ発生手段2に所望の信
号を送信する。
【0041】また、浮揚体6上方には、距離センサ13
が配置される。距離センサは13は、不図示の固定手段
によって位置が固定されている。距離センサ13は、距
離センサ13と浮揚体6との距離を測定する。
【0042】このような構成からなる第2実施例の動作
について説明する。浮揚距離は、浮揚エネルギ供給板4
から供給されるエネルギに依存する。したがって浮揚距
離を一定に保ちたい場合には、音響エネルギを監視し
て、供給される信号を随時制御する必要がある。
【0043】具体的には、センサ10により測定される
音響共鳴管1内の音響エネルギを測定する。測定された
音響エネルギが所望の値の範囲内にあれば、音響エネル
ギ発生手段の出力を維持する。音響エネルギが所望の値
の範囲外にあるときには、センサ10によって検知され
た信号を内部監視装置11に送る。内部監視装置11に
は、距離センサ13によって測定された距離センサ13
と浮揚体6との距離に対応する信号が供給される。
【0044】センサ10と距離センサ13とから送られ
る信号によって、内部監視装置11では、音響共鳴管1
内に供給すべき音響エネルギの出力を演算し決定する。
演算された音響エネルギを信号として、音響信号出力装
置12に送信し、音響信号出力装置12により音源2か
らの音響出力を制御する。
【0045】制御については、好ましくは、浮揚体6の
浮揚距離を常に一定に保つような制御がなされる。例え
ば、距離センサ10から得られる浮揚距離が所望の値よ
りも大きな時には、内部監視装置11は、音響信号出力
装置12からの出力信号が小さくなるように制御する。
その時には、音響共鳴管1内の音響状態をセンサ10に
より、常に、若しくは所定の間隔にて監視して、安定な
浮揚状態が得られるようにする。
【0046】以上述べたような第2実施例では、音響共
鳴管1内部の音響エネルギの状態を監視することによ
り、浮揚体6の浮揚距離を所望の値に一定に保つことが
できる。
【0047】また、音響共鳴管1内の音響状態が一定で
あれば、基本的に浮揚体の浮揚量は一定であるため、浮
揚量が安定した信頼性の高い浮揚装置とすることができ
る。次に、本発明の第3実施例の構成に付いて、図3を
参照して説明する。
【0048】第3実施例の特徴は、複数の浮揚装置を所
定の方向に並べて配置し、浮揚体6を連続して浮揚し、
搬送することである。図3は、浮揚装置の第3実施例の
斜視図である。
【0049】複数の浮揚装置(例えば、4つの音響共鳴
管1a、1b、1c、1dとして示す)を、所定の方
向、例えば搬送経路に従って配置する。各浮揚装置の浮
揚エネルギ供給板4の代わりに、搬送エネルギ供給板5
を配置する。搬送エネルギ供給板5は、浮揚体6が搬送
される搬送路となる。搬送エネルギ供給板5には、各浮
揚装置間にセンサ20、21を設ける。センサ20、2
1によって測定された信号は、エネルギ流制御装置22
に供給される。エネルギ流制御装置22は、浮揚装置の
音響エネルギ発生手段に接続される。
【0050】このような構成からなる第3実施例の動作
について説明する。各音響共鳴管1a(1b、1c、1
d)は、浮揚体6が、各音響共鳴管1a(1b、1c、
1d)上の搬送エネルギ供給板5を通過するごとに、搬
送方向に進行波が発生するように駆動する。
【0051】搬送方向に進行波を発生するためには、以
下のような制御を行う。ここで、例えば音響共鳴管1a
上に、搬送体6が置かれて搬送エネルギ供給板5を振動
し、搬送体6が搬送されるときの振動エネルギ流の流れ
を、図14を参照して説明する。
【0052】音響共鳴管1aから図中右方向に流れ出る
音響エネルギの流れを72、左方向に流れ出る音響エネ
ルギの流れを73とする。同様に、音響共鳴管1bから
図中右方向に流れ出る音響エネルギの流れを75、左方
向に流れ出る音響エネルギの流れを74とする。
【0053】この時、搬送エネルギ供給板5の端部に
は、端部により多重反射する音響エネルギ成分70およ
び71が発生する。搬送エネルギ供給板5に設けられた
センサ20と21とによって、音響共鳴管1a、1b間
のエネルギ流が測定される。図中左方向に流れる音響エ
ネルギ流78、または図中右方向に流れる音響エネルギ
流79のどちらか一方のみが発生するように、センサ2
0、21により測定された信号をもとに、エネルギ流制
御装置22が動作する(図3参照)。
【0054】この時、図14におけるエネルギ流70お
よび71の矢印先端から伸びる点線矢印部、つまりは、
搬送エネルギ供給板5の端部の反射成分は、音響共鳴管
1によりエネルギが吸い込まれる。これにより、エネル
ギ流は73から76へ流れ込むだけの成分を発生して、
その結果、79だけの進行波成分を発生させる。
【0055】エネルギ流75と77とを用いることによ
り、78に示す進行波成分を発生させることができる。
音響共鳴管1bを音響共鳴管1aからの振動波の流れ
を、吸音材の様に吸収するように制御することにより、
搬送方向に従った音響エネルギ(搬送のための音響エネ
ルギ)を供給することができる。
【0056】音響共鳴管1aと1bとの間には、二本の
センサ20、21とによって、搬送エネルギ供給板5の
振動エネルギ流を計測している。センサ20、21は、
例えば加速度ピックアップなどを用いている。振動エネ
ルギ流は、振動インテンシティの計測手法を用いてい
る。
【0057】そして、音響共鳴管1間の振動インテンシ
ティをセンサ20、21によって観測して、測定結果が
搬送方向に沿った流れになるようにエネルギ流制御装置
22から信号を供給するように適応制御器で制御させ
る。
【0058】以上述べた様に第3実施例では、上述した
制御を順次、各浮揚装置に適用することにより、搬送体
6の浮揚と、搬送(移動)とを同時に制御することがで
きる。
【0059】また、振動インテンシティを用いて、搬送
動作を制御することが可能であるのは、音響共鳴管1の
基本周波数が可聴音の低い周波数帯域を用いているた
め、波長が長く、制御すべきモードが単純であることに
よる。
【0060】さらに、簡単な構成による動作制御のた
め、制御の容易性がある。また、図3では、搬送方向に
複数個の音響共鳴管1を並べたが、必ずしもこの形に限
定する必要はない。
【0061】次に、本発明の第4実施例の構成に付い
て、図4を参照して説明する。第4実施例の特徴は、複
数の浮揚装置を放射状に配置し、搬送エネルギ供給板5
に伝達される音響エネルギ量を増加させたことである。
【0062】図4は、浮揚装置の第4実施例の斜視図で
ある。複数の浮揚装置(音響共鳴管1a、1b、1c)
が、互いにできるだけ密になるように円形状に配置す
る。各浮揚装置と一体的に搬送エネルギ供給板5が接続
される。
【0063】この様な構成からなる第4実施例の動作に
付いて説明する。各音響共鳴管1a、1b、1c、…で
共鳴によって増幅された音響エネルギは、搬送エネルギ
供給板5に伝達される。音響共鳴管の数に比例した音響
エネルギが搬送エネルギ供給板5に伝えられるため、搬
送エネルギ供給板5は、搬送エネルギ供給板5上に配置
される浮揚体(不図示)を浮揚、または搬送させる。
【0064】以上述べた様な第4実施例では、浮揚体の
重量が大きい場合、または浮揚体と搬送エネルギ供給板
5との浮揚距離を大きくしたい場合には、それぞれの場
合に応じた音響エネルギを、音響共鳴管1を複数配置す
ることによって、生成することができるため、好適であ
る。
【0065】ここで、図中では6つの例を記したが、音
響共鳴管の数量、配置、大きさ(直径、軸方向高さ)
は、適宜変更できることは言うまでもない。次に、本発
明の第5実施例の構成に付いて、図5を参照して説明す
る。
【0066】第5実施例の特徴は、浮揚体6が、浮揚さ
れ搬送する経路に、シールドダクト25を覆い、駆動時
の騒音を低減したことである。図5は、浮揚装置の第5
実施例の斜視図である。
【0067】本発明による浮揚装置では、浮揚エネルギ
供給板4の振動振幅をできるだけ大きくする必要があ
る。そのためには、搬送エネルギ供給板5の板厚が薄く
なり、それに伴い遮音性能が低下して大きな透過音が外
部に放射される。
【0068】この装置外部に放射される音は、可聴音で
あるので騒音として問題となることがある。このような
場合には、シールドダクト25により搬送経路を覆うこ
とにより騒音として外部に放射される音のエネルギを遮
断することができる。
【0069】本発明では、所定の音響エネルギを発生さ
せるために、単一の周波数を用いることから遮音効果を
容易に予想することができる。さらには、音響エネルギ
発生手段2の位置が明確であり、音響エネルギ発生手段
2の架台、若しくは音響共鳴管1への固定を、柔とする
ことにより、固体伝播振動などの二次源による騒音発生
も容易に抑制することができる。
【0070】第5実施例では、浮揚エネルギ供給板4
は、音響共鳴管1の一端に取り付けられており、浮揚の
ための音響エネルギは、複数配置された音響共鳴管1の
それぞれから、浮揚エネルギ供給板4に放射されてい
る。
【0071】シールドダクト25は、特に、音響放射エ
ネルギの著しい浮揚エネルギ供給板4を遮音するように
取り付けられる。浮揚体6は、このシールドダクト25
内で浮揚動作が行われる。
【0072】以上述べた様な第5実施例では、浮揚体6
の搬送経路をシールドダクト25によって覆うことによ
り、浮揚装置の駆動時において発生する騒音を、容易に
抑制(遮音)することができる。また、シールドダクト
25は、搬送経路の形状によって如何様にも形成するこ
とができるため、困難性なく安定した遮音効果を得るこ
とができる。また、浮揚体6へのゴミなどが付着するこ
との抑制や、浮揚体6に外力が加わり破損することを防
止することもできる。
【0073】次に、本発明の第6実施例の構成に付い
て、図6を参照して説明する。第6実施例の特徴は、シ
ールダクト内に浮揚エネルギ供給板26(4)を配設
し、浮揚体6を浮揚、搬送させて、浮揚装置の駆動時に
おける騒音を低減したことである。
【0074】図6は、浮揚装置の第6実施例の斜視図で
ある。第6実施例の浮揚エネルギ供給板4は、浮揚体6
を浮揚させる役割だけではなく、搬送の役割も担ってい
る。したがって、浮揚エネルギ供給板4は、浮揚搬送エ
ネルギ供給板26ともなる。そして、浮揚と搬送とを行
うために、図6の場合には、音響共鳴管1の音響特性
と、シールドダクト内の音響特性との二つを考慮する必
要がある。音響共鳴管1からの音響エネルギは、浮揚エ
ネルギ供給板26を加振する。
【0075】さらには、所定の方向に配置された複数個
の音響共鳴管1からの放射周波数や振幅、そして、位相
を制御することでシールドダクト25内に所望の方向へ
搬送するエネルギ流を発生させることができる。
【0076】浮揚体6の浮揚に使われる共鳴周波数fn
は、上述した式(1)で導かれた式とは異なる。すなわ
ち、音響共鳴管1の一端が閉じて、他端が開いているた
め、次式の式(5)で決定される。
【0077】 fn=C(2n−1)/4L …(5) そして、搬送については、図3と同様の考え方により、
音響共鳴器管1の間に生じるエネルギ流を制御すること
によって可能になる。
【0078】以上のように、第6実施例の構成によれ
ば、シールドダクトとしての効果と、搬送体6が搬送さ
れる搬送方向に音響エネルギを与えるダクトとしての効
果とを、兼用させることができる。つまり、浮揚装置の
駆動時における騒音の低減と共に、音響エネルギの浮揚
体6への伝播手段としても活用できる。
【0079】また、搬送方向(図中矢印)に、エネルギ
流を与えるには、音響共鳴管1を用いる方法の他に、シ
ールドダクト25内に別に設けた音響エネルギ発生手段
により進行波を発生させることもできる。
【0080】次に、本発明の第7実施例の構成に付い
て、図7を参照して説明する。第7実施例の特徴は、シ
ールドダクト25に搬送方向制御御発生手段28を設
け、進行波を所望の動作状態に制御したことである。
【0081】図7は、浮揚装置の第7実施例の斜視図で
ある。搬送方向制御音響発生手段28が、シールドダク
ト25の一側面に接触して配置される。シールダクト2
5の一側面(音響共鳴管の一端に対する)に形成された
開口窓部49については、後述する。
【0082】シールドダクト25は、幅、長さ方向の寸
法に比べて、高さ方向の寸法が小さければ、低い周波数
帯域、すなわち高さ方向の音響モードが発生するまでの
帯域では、その幅と長さ方向とだけの音響モードを考慮
するだけで良い。
【0083】この様な状態であれば、シールドダクト2
5内に、容易に搬送方向へ流れる進行波を生成させるこ
とができる。進行波とは無反射の状態を実現することで
ある。そのため、例えばシールドダクト25内に吸音材
を貼る。さらには、音響共鳴管1−Cを、搬送方向制御
音響発生手段25からのエネルギ流を取り込んで制御す
ることも可能である。
【0084】このエネルギ流の制御には、シールドダク
ト25内に設けられたセンサ29と、30を用いる。シ
ールドダクト25内には、浮揚体の搬送方向に従った音
響流を発生させる必要がある。検知センサ29と30に
は、例えば、音響マイクロホンを用いると空間を伝播す
る音響流を、音響インテンシティの形で計測することが
できる。
【0085】音響インテンシティは、センサ29、30
によって測定された信号をもとに、搬送エネルギ制御装
置31により演算される。そして、音響インテンシティ
が搬送方向に向かうように、搬送方向制御音響発生手段
28への出力信号を制御する。
【0086】なお、搬送方向制御音響発生器は単一であ
る必要はなく、図7で示されるように複数個設けるとよ
り有効に進行波を制御することができる。その作動原理
の詳細に付いて、以下に説明する。
【0087】図8は、一つの音響発生管40(1)から
発生された音響波が、どのような経路を通って観測面4
1で観測されるのかを示している。矢印42は音響発生
管1からの直接音と、矢印43は図中左端からの反射波
と、矢印44は、図中右端からの反射波とする。破線4
1は、観測点である。
【0088】このような多重反射波によりシールドダク
ト25内の音響特性が生成されるため、通常は、一方向
への進行波を生成させることは困難である。ただし、図
8からも分かる様に、図中左端および図中右端からの反
射波が、少ない時には矢印42で示される一方向進行波
だけであるので一つの音響発生管でも有効に作用する。
【0089】次に、多重反射波を一方向制御波とする構
成が図9である。音響発生管45、46とが複数が設け
られている。音響発生管45へは音響信号が入力され、
同時に、搬送方向制御器31へも入力される。音響発生
管45からの音響波と音響発生管46からの音響波は、
観測面41で合成される。このとき、合成される音響波
は、振幅と位相とを考慮した合成波であり、観測面41
において一方向へ進行する音響波48が生成される。
【0090】搬送方向制御器31に設定される特性G
は、以下のような特性である。すなわち音響発生管45
から観測面41までの伝達関数をH1、音響発生管46
から観測面41までの伝達関数をH2とすれば、 G=−H1/H2 …(6) である。実際の信号処理にはディジタルフィルタの手法
を用いることが可能である。
【0091】シールドダクトにより本浮揚装置を覆う
と、密閉構造であるので被搬送物の扱い例えば取り出し
や清掃などの際に不便になる恐れがある。そこで、図7
で示される開口窓部49を設ける。開口窓部49は、必
要な時だけに作用できるように開閉可能な構造とすれば
開放時の騒音漏洩を最小限にすることができる。
【0092】開口窓部49を利用のたびに開閉するのは
煩雑であり、さらには搬送の動作中に開放すると不快な
騒音が漏洩する可能性もある。その場合には図10(本
発明の第8実施例)で示されるように能動音響信号発生
器51により開口窓部49から漏洩する音響成分と逆相
となる音響成分を発生させて、開口窓部49からの放射
音を低減させる構成にする。
【0093】この様な構成であれば、常時開口されてい
ても開口窓部49からの放射音による騒音を抑制するこ
とができる。具体的には、シールドダクト25内に設け
られた検知センサ50によりシールドダクト内の音響特
性を検知する。その検知信号は、能動信号演算装置52
へ入力され、この能動信号演算装置52は、開口窓部4
9での制御効果を評価する評価センサ53における音響
信号が最小となるように係数を適応制御して更新させ
る。
【0094】浮揚エネルギ供給板は、前述したように音
響エネルギ発生手段に応じた共振周波数で駆動させる方
が、多くのエネルギを効率よく利用することができる。
前述した式(1)から分かる様に共鳴周波数は無限に存
在するが、その周波数と搬送エネルギ供給板の共振周波
数とが一致するように駆動すると、より多くの音響エネ
ルギを得ることができ、さらに大きな浮揚量を得ること
ができる。
【0095】次に、本発明の第9実施例の構成に付い
て、図11を参照して説明する。第9実施例の特徴は、
浮揚させるための音響波を供給する部位と、搬送させる
ための音響波を供給する部位とを、別別にし、浮揚、搬
送動作を安定させたことである。図11は、浮揚装置の
第9実施例の斜視図である。
【0096】搬送エネルギ供給板により浮揚した被浮揚
物体は、進行波の搬送力により搬送されていた。これま
での実施例では、浮揚のための音響波と、搬送のための
音響波とが混合した状態で動作させていたが、本実施例
では、浮揚のための音響エネルギを発生する部位と、搬
送のための音響エネルギを発生する部位とを分離させ
て、より効率の高い装置を提供できる。
【0097】図11は、浮揚のための音響エネルギを発
生する部位と、搬送のための音響エネルギを発生する部
位とを分離させた構成である。音響共鳴管1は、被搬送
物体が搬送される搬送方向に順次並べられている。その
音響共鳴管1上には、浮揚エネルギ供給板4が取り付け
られ、この部位から浮揚力を得る。
【0098】一方、音響共鳴管1の両脇(搬送方向に対
して直交する方向)には、搬送方向に被搬送物体を搬送
させるための力となる進行波を発生する方向制御筐体6
0が設けられる。方向制御筐体60には、方向制御エネ
ルギ発生手段61が設けられており、進行波を発生させ
る。進行波の発生については反射が少ない状態であれば
一つの方向制御エネルギ発生手段で充分であり、反射の
顕著な場合には複数個を用いることで最適な進行波を生
成できる。
【0099】この様な構成では、浮揚力を得るためだけ
に浮揚エネルギ供給板4は用いられるので、搬送方向を
制御する音響波との間のお互いの干渉による悪影響が少
なくなり、より効率の高い搬送が可能となる。
【0100】ここで、方向制御筐体60には、進行波を
有効に得るための搬送板63が取り付けられているが、
必要に応じて、この部位を開放にしても同様に進行エネ
ルギを得ることができる。
【0101】また、被浮揚物体の停止位置を制御するた
めには、図11で示されるように位置制御用遮蔽板62
を用いる構成とする。例えば、方向制御エネルギ発生手
段61−bだけを駆動した時には、進行波は遮蔽板より
も先には伝播しないために被浮揚物体は、この位置(遮
蔽板)で浮揚したままで停止する。そして方向制御エネ
ルギ発生手段61−bの代わりに方向制御エネルギ発生
手段61−aを駆動すれば、同様にして次の遮蔽板の位
置まで移動させることができる。遮蔽板の位置を適宜変
更させることにより任意の位置で停止させることがで
き、搬送物体に対する処理も可能となる。
【0102】なお、方向制御筐体60は、一つに限らず
に二つを図11で示されるように、音響共鳴管1の両脇
に設置する構成でもよい。さらには、音響共鳴管1の両
脇に置かれた搬送方向制御筐体60内に発生するそれぞ
れの進行波の発生を制御させることにより、被搬送物体
の回転や曲線を追跡することもできる。
【0103】例えば、音響共鳴管1の両脇に置かれた方
向制御エネルギ発生手段61−bと61−cとにおい
て、両者が進行波を発生している時には被搬送物体は、
音響共鳴管1が配置される直線上を進行する。そのとき
に61−cを急に停止させると被搬送物体にはモーメン
トが働いて回転する。また被搬送物体を停止・走行させ
るには方向制御エネルギ発生手段61からの進行波を互
いに逆方向になるように発生させて力をつりあわせても
よい。例えば、方向制御エネルギ発生手段61−bは、
図示される進行波を発生させ、方向制御エネルギ発生手
段61−aは、この進行波の向きとは逆向きに進行波を
発生させる。
【0104】この様な構成にすれば進行波エネルギのつ
りあった位置で被搬送物体を速やかに、かつ正確に停止
させることができる。以上のように進行波の発生を搬送
方向に従って制御することでより複雑な経路を搬送させ
ることが可能となる。
【0105】次に、本発明の第10実施例の構成に付い
て、図15を参照して説明する。第10実施例の特徴
は、音響共鳴管1の形状をホーン状にし、音響エネルギ
を集中させたことである。
【0106】図15は、浮揚装置の第10実施例の斜視
図である。音響共鳴管1は、一端の表面面積が、他端の
表面面積よりも小さくし、表面面積が小さい側に、浮揚
エネルギ供給板4を設ける。つまり、音響共鳴管1の外
観は、ホーン形状である。
【0107】このような構成であれば、音響共鳴管1内
で発生する音響エネルギを、浮揚エネルギ供給板4に効
率よく供給することができ、音響エネルギの利用効率を
向上させることができる。そのため、同じ質量の浮揚体
を浮揚させるためにも、音響共鳴管1の両端の表面面積
が同一である場合に比べて、入力される音響波のエネル
ギを小さくすることができ、スペース、コスト的にも効
率的である。
【0108】次に、本発明の第11実施例の構成に付い
て、図16を参照して説明する。第11実施例の特徴
は、浮揚エネルギ供給板4がスリット状に形成されてい
ることである。
【0109】図16は、浮揚装置の第11実施例の斜視
図である。音響共鳴管1の一端に設けられる浮揚エネル
ギ供給板4は、スリット状に形成されている。つまり所
定の間隔を持って空隙部を有している。
【0110】次に、本発明の第12実施例の構成に付い
て、図17を参照して説明する。第12実施例の特徴
は、音響共鳴管1自体が移動する機構を設けたことであ
る。
【0111】図17は、浮揚装置の第12実施例の斜視
図である。音響共鳴管1自体を移動させる移動機構31
が、音響共鳴管1下部に配置される。移動機構31は、
移動方向を決定するレール部31aと、音響共鳴管1が
レール部31aを移動するための車輪部31bとを有す
る。
【0112】また、音響共鳴管1の少なくとも進行方向
の側面には、音響共鳴管1が他の物体に衝突することを
防止する追突防止部32が設けられる。また、浮揚エネ
ルギ供給板4の外縁部の内、少なくとも進行方向に対し
前縁部と後縁部側とには(慣性力が働く方向)、浮揚体
6が浮揚エネルギ供給板4上部外に移動することを抑制
する、突起状の移動抑制部33が配置される。移動抑制
部33の形状は、浮揚体6よりも若干大きな形状(搬送
方向に対して直行する方向の大きさ)とすることで、搬
送時の衝撃力をできるだけ小さくすることができる。ま
た、移動抑制部33には、ゴムや樹脂などの弾性体から
なる緩衝材を取り付けてもよい。
【0113】この様な構成からなる第12実施例は、音
響共鳴管1によって浮揚される浮揚体6に搬送力も与え
て搬送させるのではなく、浮揚体6は音響共鳴管1によ
って浮揚されるのみである。浮揚体6は、音響共鳴管1
によって浮揚され、浮揚されたまま音響共鳴管1が移動
機構31によって、装置全体が移動する。
【0114】以上説明した第12実施例では、音響共鳴
管1自体を移動させることにより、搬送経路が複雑な場
合であっても、搬送することが可能になる。また、音響
共鳴管1には、少なくとも浮揚のための音響エネルギ
(音響波)だけを入力すればよくなり、コスト低減や装
置が簡易になる。
【0115】次に、本発明の第13実施例の構成に付い
て、図18を参照して説明する。第13実施例の特徴
は、浮揚エネルギ供給板4と、音響放射手段41とが、
非接触に配置され、浮揚エネルギ供給板4の固有振動数
で音響加振されるものである。
【0116】図18は、浮揚装置の第13実施例の斜視
図である。音響放射手段41と、浮揚エネルギ供給板4
とは、非接触に配置される。音響放射手段41は、例え
ばスピーカである。
【0117】この様な構成からなる第13実施例の動作
に付いて説明する。音響放射手段41から放射された音
響波は、浮揚エネルギ供給板4に放射される。ここで、
音響放射手段41から放射される音響波の振動数は、浮
揚エネルギ供給板4の固有振動数である、音響波が供給
された浮揚エネルギ供給板4は、音響加振される。音響
加振された音響エネルギによって、浮揚エネルギ供給板
4から浮揚体6を浮揚させる。
【0118】以上説明した第13実施例において、音響
放射手段41と、浮揚エネルギ供給板4とを、離間して
配置することにより、非接触にて音響エネルギを供給
し、浮揚体6を浮揚させることができる。
【0119】尚、本発明は上記実施例には限定されず、
その主旨を逸脱しない範囲で種種変形して実施できるこ
とは言うまでもない。例えば、上述した各実施例を適宜
組み合わせて浮揚装置を構成してもよい。
【0120】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、簡易
な構成により被搬送物体を浮揚させ、または搬送させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の浮揚装置の第1実施例の斜視図
【図2】 本発明の浮揚装置の第2実施例の構成図
【図3】 本発明の浮揚装置の第3実施例の斜視図
【図4】 本発明の浮揚装置の第4実施例の斜視図
【図5】 本発明の浮揚装置の第5実施例の斜視図
【図6】 本発明の浮揚装置の第6実施例の斜視図
【図7】 本発明の浮揚装置の第7実施例の斜視図
【図8】 本発明の浮揚装置の音響波の伝達について説
明する図
【図9】 本発明の浮揚装置の多重反射波を一方向制御
波とすることを説明する図
【図10】 本発明の浮揚装置の第8実施例の斜視図
【図11】 本発明の浮揚装置の第9実施例の斜視図
【図12】 浮揚装置に発生する音響モードの説明図
【図13】 浮揚装置に発生する音響モードの説明図
【図14】 浮揚装置に発生する音響モードの別の説明
【図15】 本発明の浮揚装置の第10実施例の斜視図
【図16】 本発明の浮揚装置の第11実施例の斜視図
【図17】 本発明の浮揚装置の第12実施例の斜視図
【図18】 本発明の浮揚装置の第13実施例の斜視図
【符号の説明】
1 音響共鳴管(音響共鳴手段) 2 音源 3 共鳴強調用底板 4 浮揚エネルギ供給板 5 搬送エネルギ供給板 6 浮揚体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響共鳴手段と、前記音響共鳴手段に設け
    られ、前記音響共鳴手段に、所定の波長を持った音を供
    給する音源と、前記音響共鳴手段に設けられ、前記音響
    共鳴手段による音響エネルギが、所定の物体に供給さ
    れ、前記物体を浮揚させる浮揚エネルギ供給手段とから
    構成されることを特徴とする浮揚装置。
  2. 【請求項2】前記音響共鳴手段内の音響エネルギを増加
    せしめる音響エネルギ増幅手段が設けられることを特徴
    とする請求項1記載の浮揚装置。
  3. 【請求項3】前記音響共鳴手段内の音響エネルギを検出
    する音響エネルギ検出手段と、前記物体が、前記浮揚エ
    ネルギ供給手段に対して浮揚する距離を計測する距離検
    出手段と、前記音響エネルギ検出手段からの信号と、前
    記距離検出手段からの信号とをもとに、前記物体の、前
    記浮揚エネルギ供給手段に対する浮揚距離を制御する制
    御手段とを設けることを特徴とする請求項1記載の浮揚
    装置。
  4. 【請求項4】音響共鳴手段と、前記音響共鳴手段に設け
    られ、前記音響共鳴手段に、所定の波長を持った音を供
    給する音源と、前記音響共鳴手段に設けられ、前記音響
    共鳴手段による音響エネルギが、所定の物体に供給さ
    れ、前記物体を浮揚させる浮揚エネルギ供給手段とを有
    する浮揚装置を複数設け、隣接する前記浮揚エネルギ供
    給手段が、互いに接続されることを特徴とする浮揚装
    置。
  5. 【請求項5】互いに接続された前記浮揚エネルギ供給手
    段に、前記音響共鳴手段間の音響エネルギ流を検知する
    音響エネルギ流検出手段と、前記音響エネルギ流検出手
    段からの信号をもとに、前記音響エネルギを制御する音
    響エネルギ制御手段とを設けることを特徴とする請求項
    4記載の浮揚装置。
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