JPH11301476A - 鉄道車両用衝撃吸収台枠構造 - Google Patents

鉄道車両用衝撃吸収台枠構造

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JPH11301476A
JPH11301476A JP10804498A JP10804498A JPH11301476A JP H11301476 A JPH11301476 A JP H11301476A JP 10804498 A JP10804498 A JP 10804498A JP 10804498 A JP10804498 A JP 10804498A JP H11301476 A JPH11301476 A JP H11301476A
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beams
vehicle
underframe
cross
energy
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JP10804498A
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Jun Kajima
純 鹿島
Kozo Ueda
浩三 植田
Yoshihiko Miura
吉彦 三浦
Tomohide Saito
智英 斎藤
Shiyougo Okochi
正悟 大河内
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Kinki Sharyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分的に壊れ易い構造を車両台枠に組み込む
ことにより、衝突時の衝撃力を緩和し、乗客保護を図る
ことができる鉄道車両用衝撃吸収台枠構造の提供。 【解決手段】 鉄道車両用台枠1の前端部に、車両の幅
方向に沿う2つの横梁もしくは端梁21,23が車両の
長手方向に離間して並行に配置され、この横梁間に、車
両前頭部からの所定値以上の衝撃力の付加により、壁面
座屈して衝撃エネルギーを吸収するエネルギー吸収梁6
1が設けられ、このエネルギー吸収梁の本数と配置によ
って、前記衝撃エネルギーの所定値の変更に対応可能と
されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、衝突時の衝撃を
緩和する鉄道車両用衝撃吸収台枠構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用台枠は、垂直荷重・車端圧
縮荷重・ねじり荷重等の設計荷重に対して、発生応力を
仕様強度以下に抑えて、塑性変形することがないように
設計されている。しかも、剛性の観点から、それら荷重
作用時の変形が規定範囲内の変位量以下となるように設
計されている。これらは、強度・剛性を中心においた設
計であり、台枠を初めとする車両構体設計時には常識と
なっている。いわゆる「頑丈であれば許される」ところ
の、構造物の古典的な設計思想である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近の車両
仕様、特に低床式連節車両に代表される市内電車等の軽
車両の仕様においては衝突事故に遭遇する可能性が高い
ために、従来のような「壊れない」設計ではなく、衝突
等の必要時に「壊れ易い」構造が要求されるようになっ
てきた。これは、従来の「壊れない」構造では、衝突時
に構体前頭部の破損する程度が少ない反面、車両は前頭
部を破壊することなく急峻な停車ないしは跳ね返りを起
こすために、車内の乗客に作用する加速度・減速度が極
めて大きくなるので、乗客に与えるダメージが大きくな
る欠点があることを鑑みて提唱されてきたものといえ
る。すなわち、「頑丈なだけ」の構造では、衝突等の際
に、前頭部の構造が壊れにくいために、構造物の塑性ひ
ずみエネルギーとして吸収できる衝撃エネルギー量が極
めて少なくなるので、衝撃を緩衝することはほとんど困
難であることに起因する。
【0004】本発明は、上記従来構造の衝突時の欠点を
反省し、部分的に「壊れ易い」構造を車両台枠に組み込
むことにより、衝突時の衝撃力を緩和し、乗客保護を図
ることのできる鉄道車両用衝撃吸収台枠構造を提供する
ことを目的とする。しかも、この構造は、後述の理由に
より、所定の垂直荷重・車端圧縮荷重・ねじり荷重・車
端持ち上げ荷重時等に対しては「壊れない」構造である
必要がある。その上、耐衝撃荷重の異なる各種の車両に
対し、容易に対応できるものである必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の鉄道車両用衝撃吸収台枠構造は、鉄道車両
用台枠の前端部に、車両の幅方向に沿う2つの横梁もし
くは端梁が車両の長手方向に離間して並行に配置され、
前記横梁もしくは端梁間に、車両前頭部からの所定値以
上の衝撃力の付加により、壁面座屈して衝撃エネルギー
を吸収するエネルギー吸収梁が設けられ、このエネルギ
ー吸収梁の本数と配置によって、前記衝撃エネルギーの
所定値の変更に対応可能とされてなることを特徴とす
る。また、好ましくは、この構成に加えて、前記エネル
ギー吸収梁は、壁面座屈するきっかけとなる局部変形が
予め付与された部材からなり、この部材が複数本、前記
横梁もしくは端梁間に直並列配置されてなることを特徴
とする鉄道車両用衝撃吸収台枠構造である。さらに好ま
しくは、この構成に加えて、前記2つの横梁もしくは端
梁の左右両端部同士は、開断面を有する側梁によって連
設されてなることを特徴とする鉄道車両用衝撃吸収台枠
構造である。なお、本発明は、大型車両や高速車両をも
含んだ全ての車両に適用可能であるが、衝突事故に遭遇
する可能性が比較的高い市内電車として使用され、且つ
背が低いため衝突時の危険性の高い低床式車両に適用す
れば、一層効果的と言える。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の鉄道車両用衝撃吸収台枠
構造は、鉄道車両用台枠の前端部に配置された横梁もし
くは端梁間に、車両長手方向に沿う衝撃エネルギー吸収
梁を複数本、直並列配置結合して設けたことを特徴とす
る。エネルギー吸収梁は、金属あるいは樹脂材料等の適
切な剛性と降伏強さ及び展性を持った材料により構成さ
れる。そして、衝突事故時等の過大な衝撃エネルギーが
付加された場合、その衝撃エネルギーは主にそのエネル
ギー吸収梁の壁面座屈による塑性ひずみエネルギーによ
り吸収されることを特徴とする。つまり、本発明では、
車両前頭部のある範囲を破壊領域として設定し、わざと
「壊れ易い」構造とすることにより、そこから後部を
「壊れない」構造で且つ「加速度・減速度の低い」領域
とした。衝撃エネルギーは「壊れ易い」領域のエネルギ
ー吸収梁が変形するときの塑性ひずみエネルギーにより
吸収されるので、そのひずみエネルギーを大きく取れる
ような構造にすれば、後部の加速度・減速度を低く抑え
ることができるのである。
【0007】一般に物体の塑性変形ひずみエネルギー
は、作用荷重と変形ストロークの積で与えられる。従っ
て、吸収エネルギーを大きくするためには、作用荷重
(一定ではない)か変形ストロークを大きくすればよい
ことになる。しかし、作用荷重を大きくすることは作用
反作用の法則により、後部台枠へ大きな力を伝達してし
まうことになり、後部の保護の観点から不可能である。
特に、瞬間的に大きなピークを持つような作用荷重は後
部に悪影響を及ぼす。そこで、効率的に吸収エネルギー
を大きくするためには、できるだけ均一でしかも後部台
枠の強度臨界値に近い一定の作用荷重に抑えて、大きな
塑性変形ストロークを確保できるような構造を導入する
ことが効果的である。このようなことから、本発明は、
ほぼ一定の作用荷重で大きな塑性変形ストロークを得る
ことができる衝撃エネルギー吸収梁を複数本、直並列に
配置したことを特徴とする台枠構造である。
【0008】ところが、一般に、車両に「衝突時に壊れ
易い」構造を導入する際には、衝突とは別の「壊れては
いけない」荷重条件も同時に満足させなければならない
場合が大半である。すなわち、衝突時に「壊れ易い」こ
とと、別の荷重条件下等では「こわれてはいけない」こ
ととの双方を両立させなければならず、このことが「壊
れ易い」設計を従来から困難にしている。前記「別の荷
重条件」としては、例えば垂直荷重や車端圧縮荷重、ね
じり荷重、或いは脱線復旧時の車端持ち上げ荷重条件が
ある。本発明は、上記衝突時の「壊れ易さ」と、所定の
垂直荷重・車端圧縮荷重・ねじり荷重・車端持ち上げ荷
重時等の「頑丈さ」とを両立させた鉄道車両用衝撃吸収
台枠構造を提供するものである。
【0009】衝撃エネルギー吸収梁は、鋼、ステンレス
鋼、アルミニウム合金、樹脂材料等でできたものであ
り、通常、車両メーカーで製作されるか、又は専門メー
カーから供給される。エネルギー吸収梁は、軸圧縮荷重
作用時にオイラー座屈(折れ曲がり座屈)を起こさず
に、ほぼ一定の軸圧縮荷重下で部材の壁面座屈を繰り返
しつつどんどん圧縮ストロークを発生する特性を持つよ
うに設計されている。すなわち、壁面座屈を繰り返し発
生するのに必要な軸圧縮荷重値が設計上の希望値に等し
くなるように、その断面が決定される。
【0010】また、エネルギー吸収梁は、元長が長いほ
ど圧縮ストロークが長くなるので、圧縮時の塑性ひずみ
エネルギーを大きくとるためには元長を長くすればよい
と考えられる。しかしながら、エネルギー吸収梁は、あ
る長さよりも長くなると、壁面座屈を起こす前に折れ曲
がり座屈を起こしてしまい、一定の作用荷重も長い変形
ストロークもどちらも得られなくなってしまう。そこ
で、本発明では、この折れ曲がり座屈を防止するため
に、エネルギー吸収梁の元長を短く分割した点にも特徴
を有する。すなわち、横梁もしくは端梁間に他の横梁を
設置する等により、台枠の横梁の間隔をエネルギー吸収
梁の折れ曲がり座屈の臨界長さよりも短くなるようにし
て、各横梁間に長手方向に一直線になるようにエネルギ
ー吸収梁を連続的に直列に配置するのである。これによ
り、エネルギー吸収梁に折れ曲がり座屈を発生させるこ
となく壁面座屈による軸圧縮変形を起こし続けて、必要
な圧縮ストロークを得ることができる。
【0011】ところで、エネルギー吸収梁を配置する範
囲は、車両衝突時には長手方向に大きく圧縮変形するの
で、「壊れ易い」範囲となる。この「壊れ易い」範囲
は、室内配置の都合上(客室を壊れ易い範囲にはできな
い)通常それほど長くはとれないから、短い長さで吸収
エネルギーを大きくするために、本発明では車幅方向に
エネルギー吸収梁を複数列並列に配置することを特徴と
する。つまり、エネルギー吸収梁を横梁間に並列に複数
列配置することにより、必要な衝撃吸収エネルギーに相
当するだけのひずみエネルギーを確保している。そし
て、各列では、エネルギー吸収梁を長手方向にいくらで
も必要なだけ連続的に直列配置して使用されるのであ
る。なお、車両台枠には、縦通部材として、エネルギー
吸収梁以外に、構体側面下端に側梁があるが、一般に側
梁はチャンネル断面(開断面)を有しているため、横梁
間隔がエネルギー吸収梁と側梁とで等しい場合、側梁は
エネルギー吸収梁よりも小さい軸圧縮荷重で折れ曲がり
座屈を起こすので、側梁がエネルギー吸収梁の変形を阻
止するようなことにはならない。
【0012】一方、このエネルギー吸収梁は、衝突とは
別の「壊れてはいけない」荷重条件も同時に満足させな
ければならない。この荷重条件(例えば垂直荷重や所定
の車端圧縮荷重、ねじり荷重、或いは脱線復旧時の車端
持ち上げ荷重条件等)の下では通常、エネルギー吸収梁
に衝突時と同じ方向の軸圧縮力以外に曲げモーメントが
作用する。前者(軸圧縮力)の大きさは、当然衝突時の
軸圧縮荷重よりは小さい。このため、エネルギー吸収梁
の壁面座屈開始軸圧縮力を、「壊れてはいけない」軸圧
縮荷重以上で、且つ「壊れなければならない」軸圧縮荷
重以下に設定することで両方の条件をクリアできる。ま
た、後者(曲げモーメント)に対しては、このエネルギ
ー吸収梁の断面設計の際に、必要十分な曲げ剛性を十分
確保できる。このため、「壊れてはいけない」荷重条件
によって、エネルギー吸収梁に作用する曲げモーメント
による降伏破壊や折れ曲がり座屈は起こらないような断
面形状に設計されている。
【0013】本発明は、以上のように、衝突時の「壊れ
易さ」と、所定の垂直荷重・車端圧縮荷重・ねじり荷重
・車端持ち上げ荷重時等の「頑丈さ」を両立させた構造
を提供するものであり、鉄道車両の前頭部衝突時の乗客
の安全性を向上させるものである。
【0014】
【実施例】以下、本発明の鉄道車両用衝撃吸収台枠構造
について、さらに詳細に説明する。図1は、本発明の台
枠構造の一実施例が適用された鉄道車両用衝撃吸収台枠
1を示し、(a)は平面図、(b)はA−A断面図、
(c)はB−B断面図である。この台枠1は、低床式連
節車両の先頭車両用のものであり、その前端部に本発明
の台枠構造が適用されている。台枠1は、矩形状の台枠
本体部11の前端部に、衝突時に破壊領域として作用す
る衝撃吸収部12が設けられてなる。台枠本体部11
は、前後両端部にそれぞれ横梁(第1横梁21、第2横
梁22)が、車両の幅方向に沿って配置され、この横梁
21,22の各左右両端部同士が、車両の長手方向に沿
って配置される2本の側梁31,31によって連設され
てなる。
【0015】台枠本体部11の前端部に左右方向に沿っ
て配置される第1横梁21は、断面コ字形状の部材二本
21a,21aからなり、その開放端部同士が突き合わ
されて接合され、全体として断面正方形状の部材とされ
ている。台枠本体部11の後端部に左右方向に沿って配
置される第2横梁22は、断面コ字形状の部材からな
り、その開放部を前方に向けた状態に配置されている。
台枠本体部11の左右両端部に前後方向に沿って配置さ
れる側梁31,31は、断面コ字形状の部材からなり、
その開放部を左右方向内側に向けた状態で配置される。
そして、側梁31は、前端部を第1横梁21の後端面に
当接されて固定される一方、後端部を第2横梁22のコ
字形状溝内に突入されて固定されて設けられる。
【0016】第1横梁21と第2横梁22との中央部に
は、枕梁29が設けられている。枕梁29は、断面が略
矩形筒状の部材から形成され、その上下各端面は、前後
各端面よりも僅かに前後方向外側に突出してフランジ2
9aを形成されている。そして、枕梁29は、左右両端
部を左右の側梁31,31に固定されて設けられてい
る。第1横梁21と枕梁29との間、及び枕梁29と第
2横梁22との間にはそれぞれ、板状の中梁41,41
が、左右の側梁31,31間の中央部に設けられてい
る。中梁41は、矩形状の板材42の左右両端部に略Z
形状の補助材43,43が連設されてなる。補助材43
は、垂直方向に沿って配置される中央面43aの上端部
43bが、左右方向外側にL字状に屈曲形成される一
方、中央面43aの下端部43cが、左右方向内側にL
字状に屈曲形成されてなり、その中央面43aの上下方
向中央部が前記板材42の左右両端縁に固着されてな
る。そして、中梁41は、前後両端部を第1横梁21、
第2横梁22又は枕梁29に接合されて、台枠本体部1
1の左右方向中央部に固定されて設けられる。
【0017】このようにして、台枠本体部11には、
(第1、第2)横梁21,22、側梁31,31及び中
梁41,41によって矩形状の空間部が4つ形成される
ことになるが、各空間部には斜め梁51や補強横梁52
が設けられる。図示の例では、台枠本体部11の左右前
部に形成された各空間部は、該空間部の前端部の左右方
向中央部から側梁31又は中梁41に向けて斜め梁5
1,51が、後方に行くに従って互いに離間するよう斜
めに架け渡されて設けられると共に、その各後端部にお
いて、側梁31と中梁41とを架け渡すように補助横梁
52が設けられている。一方、左右後方に形成された各
空間部は、前後方向中央部に、側梁31と中梁41とを
架け渡すように補助横梁52が設けられている。なお、
斜め梁51や補強横梁52は、断面コ字形状の同一断面
形状の部材が使用されている。
【0018】衝撃吸収部12は、台枠本体部11の前端
部に、台形状に形成されている。つまり、図示の例で
は、第1横梁21の前方に、第1横梁21と並行に、第
1横梁21よりもやや短い端梁23が左右方向中央部に
配置されており、その端梁23と第1横梁21の左右両
端部同士が側梁32,32によって連設されてなる。端
梁23は、垂直方向に沿って配置される中央面23aの
上下両端部に、それぞれ前後方向外側に突出してフラン
ジ部23bが形成されると共に、中央面23aの中央部
にも、前方に突出してフランジ部23bが形成されてな
る断面形状を有する部材からなる。一方、側梁32は、
断面コ字形状の部材から形成されている。このようにし
て形成された台形状の衝撃吸収部12には、エネルギー
吸収梁61が仕様に合わせて、適宜の本数、直並列配置
されて設けられる。
【0019】エネルギー吸収梁61としては、例えば図
2に示すようなものが使用される。なお、図2はエネル
ギー吸収梁61を示し、(a)は正面図、(b)は平面
図、(c)はC−C断面図である。また、図3は、衝撃
吸収部12の左右方向中央部における拡大縦断面図であ
る。エネルギー吸収梁61は、長手方向に圧縮された場
合に、オイラー座屈することなく、壁面が蛇腹状に変形
される壁面座屈を行うものが使用される。このような壁
面座屈を行わせる場合、圧縮初期の1つ目の座屈変形を
与えるのに比較的大きな荷重(最大荷重)を必要とする
反面、一旦1つの座屈が行われた場合には、以後は、波
形に荷重が変化しつつも、前記最大荷重よりも小さな荷
重(材料や断面形状等により異なるが、例えば最大荷重
の1/2`1/3 程度の荷重)で壁面座屈を順次行わせて、蛇
腹変形させることができる。また、予め変形のきっかけ
となる局部変形(トリガー)62を付与しておくと、圧
縮初期の最大荷重の減少を図ることができる。そこで、
この実施例のエネルギー吸収梁61は、断面日型のアル
ミニウム合金の押出部材を用い、その日型部材を予め長
手方向に一旦圧縮することにより、予め1ピッチ分の蛇
腹変形を行ってトリガー62を付与したものが使用され
る。なお、エネルギー吸収梁61のトリガー62の位置
は、その形成過程により、それぞれ僅かに異なるが、ほ
ぼ一定箇所に形成することが可能であり、図示の例で
は、日型部材の一端部付近にトリガー62が形成されて
いる。
【0020】この実施例では、上記エネルギー吸収梁6
1が直列に2本連結されたものが、並列に4つ並べられ
て使用される。つまり、端梁23と第1横梁21との中
央部には、第4横梁24が、左右の側梁32,32を架
け渡すよう左右方向に配置されており、この第4横梁2
4と端梁23との間、及び第4横梁24と第1横梁21
との間に、それぞれ4つのエネルギー吸収梁61が設け
られている。第4横梁24は、断面略Z形状の部材から
なる。つまり、垂直方向に沿って配置される中央面24
aの上下両端部24b,24bが、それぞれ互い違いに
前後いずれか一方向にL字状に屈曲形成されてなる。各
エネルギー吸収梁61は、衝撃吸収部12の左右方向中
央部から左右均等に配置され、前後のエネルギー吸収梁
61,61は同心に配置されてなる。具体的には、図1
及び図3に示すように、エネルギー吸収梁61の前後両
端部に設けられた板材63,63が、ボルトによって端
梁23、第4横梁24又は第1横梁21に固定される。
【0021】エネルギー吸収梁61の壁面座屈に要する
1本当たりの荷重は、材料や断面積、断面形状等により
適宜に設定されるが、例えば図示の例では、1本当たり
12トンに設定されている。一方、台枠1(12)が衝
撃に耐えられる最大荷重は車両等により異なるが、市内
電車では通常、約30〜100トン程度に設定される。
この実施例では、左右方向に離間してエネルギー吸収梁
61を4列、並行に配置することにより、約50トン
(12トン/本×4本=48トン)に設定されている。
つまり、45トンでは壊れないが、50トンでは壊れる
仕様とされている。また、前後方向にストロークを確保
するために、各列はそれぞれ2本のエネルギー吸収梁6
1が第4横梁24を介して直列に連結されてなる。この
ように、本発明によれば、エネルギー吸収梁61の本数
と直列・並列の配置を変更することにより、台枠1(1
2)が耐えられる最大衝撃荷重と、衝突時の衝撃エネル
ギーを吸収するために必要な塑性変形ひずみエネルギー
(荷重×変形ストローク)とを調整することができる。
つまり、エネルギー吸収梁61の本数と、直並列の配置
とを変更することにより、各種の車両に対応することが
できる。
【0022】なお、この実施例では、エネルギー吸収梁
61として、アルミニウム合金の押出による日型部材を
使用した例を示したが、エネルギー吸収梁61の材料や
形状等は適宜に変更可能である。例えば、エネルギー吸
収梁61の材料は、アルミニウム合金に限らず、鋼、ス
テンレス鋼、樹脂材料等であってもよい。また、エネル
ギー吸収梁61の形状は、長さや断面寸法が変更可能な
ことは勿論、断面形状も日型に限らず、ハット断面等の
他の形状であってもよい。さらに、トリガー62形状
も、適宜に変更可能であり、押し込みやノッチからなる
ものであってもよい。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したとおり、この発明の鉄道車
両用衝撃吸収台枠構造によれば、エネルギー吸収梁を車
両用台枠の横梁間に連続的に複数本、直並列配置したこ
とにより、鉄道車両の衝突時対策として要求される大き
な衝撃吸収エネルギーを確保することができる。また、
従来構造に比較して、車両前頭部の衝突時の衝撃エネル
ギーを著しく軽減することができるから、乗客の安全性
を向上することに役立ち、なおかつ車両通常使用時の荷
重条件には何ら遜色のない台枠構造を提供することがで
きる。さらに、エネルギー吸収梁の縦・横の個数を適宜
に設定するという配列変更により、必要な条件を満足さ
せることができ、各種の車両に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄道車両用衝撃吸収台枠構造の一実施
例が適用された台枠を示し、(a)は平面図、(b)は
A−A断面図、(c)はB−B断面図である。
【図2】図1の台枠に使用されるエネルギー吸収梁の一
例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は
C−C断面図である。
【図3】図1の台枠の衝撃吸収部の左右方向中央部にお
ける拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 鉄道車両用台枠 11 台枠本体部 12 衝撃吸収部 21 第1横梁 23 第3横梁(端梁) 24 第4横梁 29 枕梁 31 側梁 32 側梁 41 中梁 61 エネルギー吸収梁 62 局部変形(トリガー)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 智英 大阪府東大阪市稲田新町3丁目9番60号 近畿車輌株式会社内 (72)発明者 大河内 正悟 大阪府東大阪市稲田新町3丁目9番60号 近畿車輌株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両用台枠の前端部に、車両の幅方
    向に沿う2つの横梁もしくは端梁が車両の長手方向に離
    間して並行に配置され、 前記横梁もしくは端梁間に、車両前頭部からの所定値以
    上の衝撃力の付加により、壁面座屈して衝撃エネルギー
    を吸収するエネルギー吸収梁が設けられ、 このエネルギー吸収梁の本数と配置によって、前記衝撃
    エネルギーの所定値の変更に対応可能とされてなること
    を特徴とする鉄道車両用衝撃吸収台枠構造。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー吸収梁は、壁面座屈する
    きっかけとなる局部変形が予め付与された部材からな
    り、 この部材が複数本、前記横梁もしくは端梁間に直並列配
    置されてなることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両
    用衝撃吸収台枠構造。
  3. 【請求項3】 前記鉄道車両が低床式車両からなること
    を特徴とする請求項2記載の鉄道車両用衝撃吸収台枠構
    造。
JP10804498A 1998-04-17 1998-04-17 鉄道車両用衝撃吸収台枠構造 Pending JPH11301476A (ja)

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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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