JP2003002192A - 車 両 - Google Patents
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Abstract
吸収機構を提供する。 【解決手段】車体の台枠203は複数の中空形材20を
接合して構成している。車体の長手方向が中空形材20
の押し出し方向である。車体の先頭部には衝突エネルギ
吸収装置100がある。これは、バンパー110と、中
空形材20の中空部に挿入した拡大部材120とからな
る。車両が衝突すると、バンパー110が押され、拡大
部材120を中空部に押し込む。このとき、拡大部材1
20の突出部124,124は2つの面板21,22を
接続する接続板23を押し広げる。この際、エネルギを
吸収する。
Description
突時に発生するエネルギを吸収する構造に関するもので
ある。例えば、アルミニウム合金製中空押出形材を用い
て製作された鉄道車両,軌条車両やバス等の車両に好適
である。
に加わる圧縮力により専用の部材を変形させ、衝突時に
加わるエネルギを部材が変形に要するエネルギに変換し
て吸収するものが多く用いられている。部材を変形させ
る力としては、衝突時の圧縮力をそのまま利用するも
の、あるいは、衝突時の圧縮力を利用して押し広げ力に
変換して利用する形態が知られている。
させる例として、ハニカムパネルを用いた例が特開20
00−6806号公報に、中空の丸棒を用いた例が特開
平6−211133号公報に示されている。
を変形させる例としては、丸いパイプを押し広げる問題
に関して、Integrated Design and Manufacturing inMe
chanical Engineering 98におけるTheoretical and num
erical study of acoupler for crashworthy design of
a TGV power carという題でJ. S. Kooら3名により発
表されている。2枚の平行な面板とそれらをつなぐ複数
のトラス状のリブで構成された中空形材を用いて衝突エ
ネルギを吸収する例は、特開平4−95565号に示さ
れている。
る構造を検討する場合、衝突時に発生する加速度の最大
値(いわゆる、衝撃)を低下させてスムーズに衝突を開
始させることと、小さな寸法でより多くのエネルギを吸
収する2点が重要である。
押出形材の構造により決定される。パイプや角材などの
閉空間を有する部材は、平板と比較して圧縮荷重に対す
る変形抵抗が大きい。中空押出形材は、トラスとリブで
構成された閉空間の集合体であるので、圧縮荷重に対す
る変形抵抗はきわめて大きくなる。圧縮荷重に対する変
形抵抗の増大は衝突発生後最初に部材が変形を開始する
際に生じる加速度の最大値を増大させるので、乗客に対
する損傷の度合いを増大させる。
て連続的に変形を誘起させることが必要である。エネル
ギ吸収後に部材が変形する量を大きく取れ、かつ、比較
的大きな部材でエネルギを吸収する場合には、当該部材
を全体的に変形させてエネルギを吸収することが考えら
れる。たとえば、特開平11−59415号に記載の構
造では、中梁を全体的に変形させることによりエネルギ
を吸収している。一方、比較的小さな部材を用いてエネ
ルギを吸収させる場合や、エネルギを吸収させるための
変形領域を小さくしたい場合には、特開平6−2111
33号のように、部材を局部的に変形させると同時に、
同一の部材における局部変形を多数回誘起するようにし
て、トータルで吸収エネルギ量を増加させている。
中空押出形材そのものを大きく変形させてエネルギを吸
収すると、客室内に変形の影響を与えることになるの
で、安全上許容できない。このため、特開平6−211
133号のように、中空押出形材を部分的に変形させ
て、その変形を数多く誘起することにより吸収するエネ
ルギを増加させる必要がある。
させるためには、局部的な変形を安定して、しかも連続
的に誘起させることが重要である。このためには、衝突
によりある部分で変形が生じた場合でも、構造全体の位
置関係が一定の関係に保たれ、次の変形が誘起されやす
くすることが必要である。これは、最初の変形が終了し
たあとに、引き続いて他の部位が同様に変形することを
目的とするものである。具体的に示すと、変形後の形状
は、特開平6−211133号公報の図5に記載がある
ように、側面から見た場合、あたかも蛇腹のような規則
正しい形状になることが望ましい。
る。そこで、蛇腹状の理想的な変形を誘起する場合、あ
る一部の面板あるいはリブの局部的な変形に伴って隣接
した面板あるいはリブもその変形に追随して変形するこ
とが必要である。このためには、衝突エネルギを吸収し
ようとする中空押出形材全体で、局部的な面外変形の波
長が同一になる必要がある。しかし、中空押出形材の形
状は複雑であり、本発明者らによる実験では、面外変形
に関する波長はそろわない。波長が全体としてうまく合
わない場合には、一部のみに変形が集中し、最初に変形
を開始した部位に多大な荷重が作用して破断する。破断
後には一切エネルギを吸収しなくなるばかりでなく、破
断面が乗客や器物を損壊する可能性が高いので、避けな
ければならない。
て、衝突エネルギ吸収機構を提供する。
行な二枚の面板と、当該二枚の面板を接続するものであ
って、複数の配置した接続材とからなる中空形材を有
し、外中空形材の押し出し方向を車両の長手方向とした
軌条車両において、前記中空形材の中空部に配置され、
衝突によって押し込まれて、前記中空形材を変形させる
拡大部材を備えること、によって達成できる。
に適用した場合について、図1から図6により説明す
る。この実施例は鉄道車両の先頭車の車体200に適用
される。車体200は、側面を構成する側構体201,
屋根を構成する屋根構体202,床を構成する台枠20
3等からなる。
3、特に台枠203は、複数の中空押出し形材20を接
合して構成している。車体200の長手方向と中空押出
し形材20の押出方向とは同一である。中空押出し形材
20はアルミニウム合金で製作されている。
2と両者を接続する接続材23とからなる。接続材23
はトラスを構成するように設置している。このため3角
形状の中空部が水平方向(幅方向)に多数ある。
等)は運転席よりも先頭に突出している。この部分は衝
突エネルギ吸収装置100となる。衝突エネルギ吸収装
置100は、前記中空形材20,先端のバンパー11
0,バンパー110に多数設置した拡大部材120とか
らなる。拡大部材120はその先端が中空形材20の中
空部に挿入されている。拡大部材120はバンパー11
0側に行くに従って拡大している。拡大部材120は中
空部に対して一つおきに配置している。130はバンパ
ー110と拡大部材120とを連結する連結部材であ
る。
によって、中空部に接触し、中空部を拡大させる。拡大
部材120の形状は、上方から見たとき、バンパー11
0側が広く、車体の中央側が狭い、いわゆる台形をして
いる。拡大部材120は、車体の長手方向端部から見た
場合には5角形をしている。車体の長手方向端部から見
た5角形の形状は、各断面において寸法は異なるが、相
似形である。拡大部材の底面は水平であり、面板22に
当初から載っている。この底部の幅寸法L1は、一つの
中空部の底部の幅寸法L2よりも小さい。拡大部材12
0の両側面の中間部は外方に突出している。これを突出
部124という。拡大部材120の側面が接続材23に
接触するごとく挿入したとき、接続材23の面よりも突
出する部分を突出部という。
度が大きい物質、例えば鋼鉄により製作されている。
材20の長手方向の端部はチャンネル状の部材140で
閉鎖されている。この部材140内に拡大部材120が
配置されている。断面が円形の連結部材130は部材1
40の円形の穴を貫通している。この穴で連結部材13
0は支持される。この穴はできるだけ小さくする。この
部材140の上下の面は、中空形材20の接続材23を
切削によって除いて、面板21,22によって代用でき
る。また、先頭部分の側面および上面は潰れやすいよう
に設けている。
バンパー110が押され、拡大部材120を中空形材2
0の中空部に押し込む。これによって衝突エネルギが吸
収される。
空形材20と拡大部材120との関係を示す。図2の
(a)(b)(c)は中空部材20および拡大部材12
0の縦断面図である。(a)は衝突前の縦断面を示して
いる。(b)は衝突後の初期の状態で、拡大部材120
の上部の両側の肩124,124が接続材23,23に
接触している。(c)は衝突エネルギを吸収したあとの
状態を示している。
3に載っているのみであるので、衝突によって拡大部材
120は移動できる。
20が挿入されると、拡大部材120の側面の突出部12
4,124が接続材23,23に接触する。さらに拡大
部材120が移動すると、接続材23,23を隣接する
中空部に向けて拡大させる。
移動すると、接続材23,23を大きく変形させる。
部内に進行することによりリブ23が変形し、衝突エネ
ルギは、そのリブ23が変形するために要するエネルギ
に変換されて吸収される。
まれた領域に存在するので、装置作用時にあっても車内
および車外には部材が突出することがなく、安全であ
る。
変化させることにより、吸収するエネルギの量や最大加
速度を自在に制御することができる。たとえば、吸収す
るエネルギを増大させたい場合には、幅を広くすること
および長さを長くすることが有効である。また、加速度
の最大値を低減するためには、拡大部材120の幅の差
を小さくすることが有効である。
ギを吸収する場合には、当該部材の製作公差や平滑度に
よっては、塑性座屈させるべきものであっても、低い荷
重で弾性座屈してしまう恐れがあったが、上記実施例で
はそのような破壊モードが変化することはなく、安定し
て破壊を誘起することができる。
上述したリブの変形に要するエネルギのみにより、すべ
ての衝突エネルギを吸収する。
材が存在するので、同じバンパーを共有する拡大部材に
力が作用する。このため、局部的に衝突した場合でも、
全体としてエネルギを吸収するので、効率的である。
のみでは吸収しきれない場合、バンパー120が中空形
材20の端部に衝突する。中空形材20の端部の接続材
23は除かれて面板21,22のみになっているので、
圧縮力に対する変形抵抗は中空押出形材と比較して小さ
い。このため、面板21,22が変形することにより衝
突エネルギを吸収する。
図7は両側面を円弧状に突出させたものである。これに
よれば、拡大部材120と接続材23との接触、接続材
23の変形の各段階をより連続的に行うことができる。
このため、衝突時に発生する加速度の最大値を減ずるこ
とができる。
面でなく下方に突出している。バンパー110側の上下
の突出部の間隔は面板21,22の上下の間隔よりも大
きい。これによれば、上下の面板21,22をも変形さ
せるので、吸収するエネルギの量が増大する。
各請求項に記載の文言あるいは課題を解決するための手
段の項に記載の文言に限定されず、当業者がそれから容
易に置き換えられる範囲にも及ぶものである。
た車両が衝突した場合に発生する加速度を減少させ、か
つ多大なエネルギを吸収できるので、車両に乗車中の乗
客に対して安全な構造を提供することができるものであ
る。
斜視図である。
縦断面図である。
る。
る。
る。
00…衝突エネルギ吸収装置、110…バンパー、12
0…拡大部材、124…突出部。
Claims (4)
- 【請求項1】実質的に平行な二枚の面板と、当該二枚の
面板を接続するものであって、複数の配置した接続材と
からなる中空形材を有し、外中空形材の押し出し方向を
車両の長手方向とした車両において、 前記中空形材の中空部に配置され、衝突によって押し込
まれて、前記中空形材を変形させる拡大部材を備えるこ
と、 を特徴とする車両。 - 【請求項2】請求項1の車両において、前記拡大部材は
前記接続材を外側に曲げるものであること、を特徴とす
る車両。 - 【請求項3】請求項1の車両において、 前記中空形材の複数の中空部に対して間欠的に前記中空
部に前記拡大部材を挿入しており、 複数の前記接続材を一つのバンパーに連結しているこ
と、 を特徴とする車両。 - 【請求項4】請求項1の車両において、 前記長手方向の端部の中空形材の前記接続材は除かれて
おり、 該除いた部分の奥側の中空形材を変形させるように、前
記拡大部材を配置していること、 を特徴とする車両。
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