JP2007326551A - 衝突エネルギー吸収装置及びそれを備えた軌条車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突時にエネルギー吸収体の全体座屈を防止してエネルギー吸収体を安定的且つ効率良く圧壊させて、特に鉄道車両等の軌条車両に適用した場合に車体本体や乗客等への負担を軽減可能な衝突エネルギー吸収装置及びそれを備えた軌条車両を提供する。
【解決手段】衝突エネルギー吸収装置50(50a)は、衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収する複数のエネルギー吸収体51〜53を備えている。エネルギー吸収体51〜53は、衝突時に車体の前後方向である圧壊方向に小刻みな座屈を生じながら圧壊するが、圧壊方向の移動は案内筒59を介して、車体に設けられたスライドガイドであるガイド筒板60に案内される。したがって、エネルギー吸収体51〜53は全体座屈を生じることなく、安定的に且つ効率良く圧壊されていき、衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
【選択図】図8

Description

この発明は、特に、鉄道車両やモノレール車両のような軌条車両に適用され、障害物等に衝突したときに受ける衝撃を緩和するために備えられる衝突エネルギー吸収装置及びそれを備えた軌条車両に関する。
鉄道車両に代表される軌条車両では、運行中に予期しない物体との衝突が生じる可能性がある。鉄道車両を例として過去の衝突事例を挙げると、予期せず衝突する物体としては、道路車両、樹木や鉄道車両などの大型のものから、石、雪塊や対向車両の部品といった小型のものまでその種類はさまざまである。
ここで、鉄道車両が大きな物体と衝突した場合を考える。大きな物体と衝突した場合、この物体との衝突により鉄道車両には大きな衝撃が作用することになる。この衝撃から、鉄道車両に搭乗している乗員・乗客を保護するために、鉄道車両の構造物の一部を積極的に変形させることにより衝突のエネルギーを吸収する概念が存在する。即ち、鉄道車両の構造物に、乗員・乗客が搭乗しており物体との衝突時に鉄道車両の構造物が潰れないことを目的とした空間(以後、「サバイバルゾーン」と呼ぶ)と、物体との衝突時に鉄道車両の構造物を積極的に変形させて衝突のエネルギーを吸収する空間(以後、「クラッシャブルゾーン」と呼ぶ)とを分離して設けるという概念である。
続いて、鉄道車両が小さな物体と衝突した場合を考える。即ち、対向列車が走行風により巻上げた石や雪塊、対向車両の部品などが先頭部前面に衝突する場合などである。このような小型の飛来物と衝突した場合、飛来物に対して車両のほうが圧倒的に大きな質量を持つので、車体には大きな衝撃は作用しない。しかし、飛来物が車体構造を貫通し、搭乗している運転手や乗客に被害を与える可能性が考えられる。そこで、小さな飛来物との衝突に関しては、上述したようにエネルギーを吸収するのではなく、運転手が搭乗する空間の車両端部側に強固な構造物を配し、飛来物の侵入を防ぐ構造が用いられる。搭乗する運転手の生命を守ることを目的として、飛来物が運転室内に侵入しないように配置する防御板を飛来物防御板と呼ぶ。
鉄道車両の車体は、台枠、二つの側構体、屋根構体及び二つの妻構体から構成されている。前記台枠には、中梁や側梁が取り付けられており、強固な剛性を備えている。台枠の下部には、配線や配管が取り付けられている。軌条車両、特に編成された鉄道車両においては、複数の車両を連結しているので、衝突した場合には、編成車両内の車体と車体との衝突をも考慮する必要がある。鉄道車両の台枠は、強固に製作されている。このため、編成車両の先頭又は後尾に位置する車両(以下、両方の場合を含めて「先頭車両」という。)の衝突によって、編成車両内の車体同士が衝突するときには、台枠同士が衝突する。台枠同士が衝突しても、台枠は強固なために潰れることはなく、衝撃を緩和できない。
そこで、先頭車両は勿論のこと、編成車両の連結された各車体同士の間においても、衝突エネルギー吸収装置を備えた鉄道車両が提案されている。前記衝突エネルギー吸収装置は、座屈を起こさせることにより衝突エネルギーを吸収して、乗客への衝突の影響を緩和させる装置である。先頭車両について、その先頭部に、前記衝突エネルギー吸収装置を設けて、衝突時に生じる衝撃エネルギーをその変形によって吸収する鉄道車両の構造が提案されている(特許文献1)。この衝突エネルギー吸収装置(緩和装置)は、衝撃力の作用方向に対して垂直な面内に三角形を有するエレメントやハニカムパネル等から構成されている。前記緩和装置は、衝撃力の作用方向に対して並列に、また衝撃力の作用方向に沿って複数に配置される。
本出願人は、衝突時の衝撃を座屈変形によって吸収する衝撃緩和機構を備えた軌条車両を提案している(特許文献2)。前記衝撃緩和機構は、並行する二枚の板材をトラスで連結した、四角筒状の断面形状を有し、所謂、ダブルスキンの中空形材で形成されており、軸方向に所定の長さ寸法を有している。
更に、前記軌条車両の少なくとも台枠において、車体長手方向の両端を構成する部材の材料として、台枠の長手方向の中央側の部材の材料に比べて柔らかい材料で構成することを提案している。この軌条車両においては、車体の形状を殆ど変更することなく、突然の車両衝突事故等に際しても、乗客・乗員への衝撃の影響を可能な限り減少・緩和し、安全性の向上を図っている。
また、本出願人は、四角筒状の形式を有する衝撃吸収構造体の角部の剛性が他の部分と比較して高くなりすぎていることに注目した。そして、前記衝撃吸収構造体の四角筒状の角部において、稜線近傍のトラスを設けない構造に改良した。衝撃吸収構造体の角部の剛性を他の部分よりも低下させることにより、衝突時のピーク荷重を低下させて衝撃吸収特性を向上することを提案している(特許文献3)。
また、本出願人は、四枚の板材を溶接等によって接合した上記のような四角筒状の形式を有する衝撃吸収構造体を提案している(特許文献4)。前記衝撃吸収構造体は、四角筒状の内部の空間内に複数枚の補強用の板材を長手方向に間隔を置いて溶接して取り付けた構造となっている。前記衝撃吸収構造体が座屈することで衝撃を吸収する。四角筒状の前記衝撃吸収構造体が座屈して衝撃を吸収するときに、補強用の板材が過大な変形を伴う座屈を防ぎ、エネルギー吸収特性の向上を図っている。
更に、本出願人は、四枚のアルミニウム合金製の中空形材を、同じ添加剤を用いる溶接等によって角部になる部分で接合して四角筒状の形式を有する衝撃吸収構造体を提案している(特許文献5)。各中空形材においては、外板と内とがトラスで結合される。中空形材と溶接部とが同じアルミニウム合金材で形成されているので、衝撃時に各部が均一に圧縮変形することで、衝撃吸収特性の向上を図っている。
更に、また、本出願人は、少なくとも台枠において、車体長手方向に沿った部材同士を摩擦攪拌溶接で接合することにより、摩擦攪拌処理の部分の金属組織が微細になってエネルギー吸収値が高くなり、衝突エネルギーに対して弱いとされる溶接部分での衝撃吸収性を向上することを図っている(特許文献6)。
特開平7−186951号公報 特許第3725043号公報 特開2005−75255号公報 特開2005−75256号公報 特開2005−75293号公報 特許第3725057号公報
衝突エネルギー吸収装置及びそれを備えた軌条車両において、当該衝突エネルギー吸収装置の衝突によって生じる変形(歪)と力(応力)の積が、吸収エネルギー(仕事)に相当する。衝突エネルギー吸収装置を構成するエネルギー吸収体が細長い場合には、エネルギー吸収体は、衝突時に衝撃荷重の作用によって中間部分で折れるように屈曲する全体座屈を生じやすいという問題がある。エネルギー吸収体が全体座屈をしたときにはエネルギーの吸収が十分ではない。特に、鉄道車両のような軌条車両に適用される場合には、乗客や乗務員に大きな衝撃を及ぼし、好ましくない。そこで、衝突時にエネルギー吸収体の全体座屈を防止してエネルギー吸収体を安定的且つ効率良く圧壊させて、十分に衝突エネルギー吸収を行う点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、衝突時に衝突エネルギー吸収装置を構成するエネルギー吸収体の全体座屈を防止してエネルギー吸収体を安定的且つ効率良く圧壊させることができる衝突エネルギー吸収装置、特に鉄道車両のような軌条車両に適用される場合に、乗客や乗務員或いは車体本体への負担を軽減することができる衝突エネルギー吸収装置及びそれを備えた軌条車両を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明による衝突エネルギー吸収装置は、衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収体を備えており、前記エネルギー吸収体がその圧壊時に生じる圧壊方向への変位をスライドガイドによって案内したこと、を特徴としている。また、この発明による衝突エネルギー吸収装置を備えた軌条車両は、衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収体を有する衝突エネルギー吸収装置を備えており、前記エネルギー吸収体がその圧壊時に生じる圧壊方向への変位を車体に設けられたスライドガイドによって案内したこと、を特徴としている。更に、この発明による衝突エネルギー吸収装置を備えた軌条車両は、編成車両の先頭又は後尾に位置する軌条車両であって、前記軌条車両の先頭領域の車体幅方向の両側位置に、それぞれ衝突エネルギー吸収装置を備え、前記衝突エネルギー吸収装置は、その圧壊方向を前記軌条車両の車体長手方向に揃えた複数のエネルギー吸収体を有しており、前記複数のエネルギー吸収体は連結部材によって互いに連結されており、前記連結部材が前記先頭領域においてスライドガイドによって案内されていること、を特徴としている。
この衝突エネルギー吸収装置によれば、エネルギー吸収体による衝突エネルギー吸収作動時に、エネルギー吸収体の圧壊方向の変位をスライドガイドで案内している。このため、エネルギー吸収体は全体座屈を生じることなく、安定的に且つ効率良く小刻みな座屈によって圧壊することになる。したがって、前記エネルギー吸収体は衝突エネルギーを十分に吸収することが可能である。また、この発明による衝突エネルギー吸収装置を備えた軌条車両によれば、軌条車両の衝突時にはエネルギー吸収体が衝突エネルギーを吸収作動するが、このときにエネルギー吸収体の圧壊方向の変位が車体に設けられたスライドガイドで案内されるので、エネルギー吸収体は全体座屈を生じることなく安定的に且つ効率良く小刻みな座屈によって圧壊する。したがって、エネルギー吸収体は衝突エネルギーを十分に吸収することができる。また、軌条車両が編成車両の先頭又は後尾に位置する先頭車両であるときには、衝突時の衝撃が大きい可能性が高いが、複数のエネルギー吸収体を互いに連結する連結部材が先頭領域においてスライドガイドによって車両本体の構成部分に対して案内されているので、先頭車両において、エネルギー吸収体がスライドガイドの案内作用によって全体座屈を生じることがなく蛇腹状に小刻みに座屈を繰り返して衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。
この発明は、上記のように構成されているので、衝突エネルギー吸収装置を構成するエネルギー吸収体は、圧壊方向の変位がスライドガイドで案内され、エネルギー吸収体は全体座屈を生じることなく、安定的に且つ効率良く圧壊していく。したがって、衝突エネルギーはエネルギー吸収体によって十分に吸収され、特に、鉄道車両等の先頭車両のような軌条車両に適用される場合には、衝撃時における乗客や乗務員或いは車体本体への負担(衝撃力)を軽減することができる。
図1〜図7には、第一の実施形態として、本発明による衝突エネルギー吸収装置及びそれが適用されている軌条車両としての中間車両の一例が示されている。中間車両については、衝突エネルギー吸収装置が取り付けられている端部構造が図示されている。
本発明による衝突エネルギー吸収装置は、鉄道車両の先頭車両のみならず、列車編成の中間車両においても、それらの端部に適用可能である。編成車両は前後の先頭車と所要数の中間車とからなる。例えば、先頭車両(最後尾車両の場合も含む)が障害物や他の車両等と衝突した時には、先頭車両と隣接する中間車両との間のみならず、隣り合う中間車両の端部間同士で次々に衝突が生じる。衝突エネルギー吸収装置を、先頭車両の端部及び中間車両の各端部に適用しておくことで、列車編成のどこで衝突が生じてもその時の衝撃、或いは中間車両間で副次的に生じ得る衝突を本衝突エネルギー吸収装置によってそれぞれ吸収することができる。
図1〜図3に示される実施形態は、先頭車両の中間車両寄りの車端部構造体3a及び中間車両同士の車端部構造体3bに適用されている衝突エネルギー吸収装置1を示している。車端部構造体(特に、3b)には、編成上、車体間での乗り移り用の貫通路3gの両脇側に設けられたスペース3cに運転席3dを備える場合がある。運転者用のスペース3cを形成するため、スペース3cを取り囲むように周囲にはフレーム3fが配置されており、前面には乗務員等を小石等の飛来物から保護するために飛来物遮蔽板3e(ハッチングを付した部分)が配置されている。遮蔽板3eは左右の主板部分を下辺部分で接続して構成されており、下辺部分にはエネルギー吸収体11,11,12,12が貫通する孔3i,3i,3j,3jが形成されている。車端部構造体3a,3bは、妻構体とほぼ同様な機能を有する。車端部構造体3a,3bは、溶接等の適宜の固定手段によって車体本体の妻部分に取り付けられている。この車端部構造体3aを車内側から見た場合、その床面3hは、台枠4上の床面4bと実質的にフラットであって連続した構造となっている。
この例では、衝突エネルギー吸収装置1は、車体の台枠4の端板4aにおいて車体幅方向の外側に各一つずつ取り付けられた大型のエネルギー吸収体11,11と、車体幅方向の中央寄りに各一つずつが車体幅方向に隔置して取り付けられた小型のエネルギー吸収体12,12を備えている。各エネルギー吸収体11,12は、その長手方向を車体長手方向に沿って延びる態様で配置されている。各エネルギー吸収体11,12の先端部側は、車体全体の長手方向の最も車端側に配置されている。各エネルギー吸収体11,12の基端部側とは、その車体長手方向の中央寄りの位置を指している。更に、エネルギー吸収体11とエネルギー吸収体12とは、車体長手方向に対して交差する方向に並べて配置されている。即ち、エネルギー吸収体11とエネルギー吸収体12とは、車体幅方向に並べて互いにほぼ平行に配置されている。各エネルギー吸収体11,12は、具体的には、各吸収体の中心を各車体間において同じ高さ位置に合わせて、且つ車体幅方向に関して左右対称な位置に配置されている。各エネルギー吸収体11,12は、先端側が端板11a,12aで覆われているとともに、それらの基端部側に備わる端板11b,12bをボルト・ナット等の固着具13によって台枠4の端板4aに固定することによって車体(台枠4)に取り付けられている。前記固着具13は、他の形式の締め付け手段でもよく、また溶接で行ってもよい。エネルギー吸収体11,12は、大型のものと小型のものを示したが、これに限らずすべて同型のものでもよく、或いは大型のものと小型のもので車体幅方向の内外で逆に配置してもよく、更には、より多くの異なる型のものを組み合わせてもよいことは明らかである。
図3に示す実施形態において、大型のエネルギー吸収体11は小型のエネルギー吸収体12よりも直径及び長さにおいて大きな寸法を有している。小型のエネルギー吸収体12は、台枠4の端板4aに取り付けたときに、エネルギー吸収体12の先端部が車体の端部(飛来物遮蔽板3eの端面)と略同じ位置を占めるような長さを有している。一方、大型のエネルギー吸収体11は、小型のエネルギー吸収体12よりも長さΔLだけ長い構造となっている。これらエネルギー吸収体11,12は、台枠4の端板4aに取り付けた状態で、図2にそれぞれが重なって示され、また、図3に並べて示すように配置されている。大型のエネルギー吸収体11は、車体の端部から僅か(例えば、100mm程度)に突出している。衝突により、台枠4に大きな衝撃力がかかっても、前記したように台枠4は強固であるので、その荷重に耐えることができる。このように、複数のエネルギー吸収体の圧壊方向先端部は、すべての先端部の位置が異なる必要はないが、軌条車両の長手方向に分散した位置に置かれている。
したがって、衝突時にはその衝撃が車体間に及んで隣り合う車両の車端部構造体3a,3bのそれぞれに対向して衝突エネルギー吸収装置1,1が設けられている場合には、それら衝突エネルギー吸収装置1,1が作動する。各車体に設置されたエネルギー吸収体11,12のそれぞれの先端位置のずれ(ΔL)によって、隣り合う車両間において、大型のエネルギー吸収体11,11同士が先に衝突して圧壊し始める。その後、僅かな時間差を置いて小型のエネルギー吸収体12,12同士が衝突して、遅れて圧壊が始まる。エネルギー吸収体11,12の圧壊について説明する。例えば、図3に示すエネルギー吸収体11の具体的な圧壊の例が図12に示されている。衝突発生時の車両の姿勢は軌条が直線状であるか曲線状等であるかによって厳密には同じではないが、隣り合う車両が衝突する場合は車両の長手方向にほぼ沿った方向に衝突すると考えてよい。そうした場合、エネルギー吸収体11,12は、各吸収体11,12を構成する筒状体が軸方向に微小な座屈を繰り返して、軸線を維持しながらほぼ真っ直ぐに潰れる形態で破壊していく。圧壊した後の形態は、例えば、縮んだ蛇腹構造の形態となっている。即ち、エネルギー吸収体11,12は、長さ方向の全体が二つに折れ曲がって、くの字状に座屈する変形、即ち、全体座屈ではなく、蛇腹構造を呈した変形をすることから、衝突エネルギーを十分吸収することができる。
両タイプのエネルギー吸収体11,12の僅かな圧壊開始時期のずれによって、ピーク荷重が分散されるので、衝突エネルギー吸収装置1,1の圧壊ピーク荷重が低減され、車体本体や乗客等への負担を軽減することができる。ピーク荷重の分散の様子が図13に一例としてグラフに示されている。図13に示されているように、従来のエネルギー吸収体の配置では、エネルギー吸収体が複数あっても、先端が揃っているために潰れ開始が同時であり、その結果、圧壊開始当初に非常に高いピーク荷重が発生する(グラフb参照)。これに対して、本実施形態のように、両エネルギー吸収体11,12の長さの違いに起因した先端部の位置の差ΔLに応じた圧壊開始時期のずれによって、ピーク荷重が生じる時期にずれが生じる。その結果、先に作動したエネルギー吸収体11による荷重がピークを付けた後に一端荷重が低下し、その後、後に作動するエネルギー吸収体12による荷重がピークを付ける。一度に両方のエネルギー吸収体11,12が作動するときと比べて、本実施形態では、全体としてのピーク荷重の高さを抑えることができる(グラフa参照)。
図示の例では、エネルギー吸収体11,12は、断面のサイズが異なるが、内部の構造は互いに相似形である。図11を参照して、一つの種類の衝突エネルギー吸収装置1を構成するエネルギー吸収体11(12)について説明する。各エネルギー吸収体11(12)は、断面が八角形の中空構造70を有しており、例えばアルミニウム合金の押出し形材で製造されている。即ち、その断面は、八角形の外側壁部71と、外側壁部71と相似形を呈する八角形の内側壁部72と、両壁部71,72の八角形の壁部の頂点部分を連結する複数の径方向壁部73とを有している。内側壁部72内には、断面八角形の内部空間が形成され、外側壁部71と内側壁部72との間には、径方向壁部73で仕切られた断面台形の内部空間が環状に並んで形成されている。各エネルギー吸収体11(12)の八角形の内部空間は空間14(15)となっており、座屈防止材16(17)を挿入可能な収容空間となっている。なお、図11に示す例ではエネルギー吸収体11(12)は断面八角形の中空構造70としたが、断面形状についてはこれに限らず、断面四角筒、円筒等の適宜の中空断面形状とすることができ、内外の筒壁間を複数のリブによって、例えばトラス構造のように、連結して構成することができる。エネルギー吸収体11(12)の外径寸法D1は180〜210mmであり、内側壁部72の内径寸法D2は120mm程度である。
図3に示すように、各エネルギー吸収体11,12の八角形の内側の空間14,15にはそれぞれ座屈防止材16,17が挿入されている。(ここで、座屈防止材は、エネルギー吸収体の全体座屈を防止する部材であって、全体座屈防止材との意味で用いているが、便宜上、以下、単に「座屈防止材」と記載する。)座屈防止材16,17は、エネルギー吸収体11,12の変形が軸方向に蛇腹状に圧壊していく変形となるように規制する。即ち、座屈防止材16,17をエネルギー吸収体11,12の中に挿入することによって、エネルギー吸収体11,12が変形し始めるときに、中間部分が大きく折れるような変形、即ち、前記全体座屈を生じてエネルギー吸収体としての機能が早期に損なわれるのを防止している。
座屈防止材16,17は、アルミ合金製の円柱体とすることができ、その長さは適宜選択することができる。アルミ合金製に代えて、繊維強化プラスチック(FRP)のような材料で製造することができる。即ち、座屈防止材16,17は、エネルギー吸収体11,12よりもある程度高い曲げ剛性を持っているが、鉄等の金属製品ほどの曲げ剛性でなくてもよく、エネルギー吸収体11,12が圧壊するときに蛇腹状に潰れていくように規制できる曲げ剛性であればよい。また、座屈防止材16,17は、必要な剛性が得られれば、中実体であっても、内部が空洞になった筒状体であってもよい。更に、図3に示されるエネルギー吸収体11に設けられる座屈防止材16の長さは、エネルギー吸収体12に設けられる座屈防止材17の長さ(エネルギー吸収体12の長さよりも長い)よりも短く設定されているが、これに限ることなく長さについては適宜選択することができる。後述の記載で明らかになろう。
図3に示すエネルギー吸収体11において、座屈防止材16は、長さ方向の中間位置に配置されている。エネルギー吸収体11の長さが長くなる場合には、継ぎ板14a,14bを隅肉溶接等の手段によって継ぎ足して(エネルギー吸収体11を継ぎ板14a,14bで多数に仕切る。)設けることができる。エネルギー吸収体11内に設けられる座屈防止材16は端部側の継ぎ板14a、又は、基端部側の継ぎ板14bのいずれか一方に固定されており、継ぎ板14a,14bの他方には座屈防止材16が通ることができるように孔14cが形成されている。座屈防止材16は、内側壁部72及び孔14cとの間で適当な隙間を以って配置されており、エネルギー吸収体11が圧縮されたときには、座屈防止材16がエネルギー吸収体11に対して軸方向に移動し、エネルギー吸収体11を蛇腹状に変形させる。また、座屈防止材16と内側壁部72との隙間は、内側壁部72が内側に蛇腹状に変形する際にその妨げとならない間隔を確保している。即ち、図11に示すように、座屈防止材16(17)と内側壁部72との間には寸法D3で示すように、約15mmの隙間が形成されており、両側で30mmの余裕が設けられている。座屈防止材16の継ぎ板14b側端部は、継ぎ板14bの孔14cに挿入されていても良い。このように座屈防止材16の端部が継ぎ板14bの孔14cに挿入された構造であれば、孔14cが座屈防止材16のガイドとなるため、座屈防止材16がスムーズに車体長手方向に移動することができる。このような構造において、図12に示すように、エネルギー吸収体11に衝突に伴う衝撃が掛かった場合、エネルギー吸収体11が座屈変形を始める。そして、エネルギー吸収体11の長手方向中央部分で、くの字状に変形して全体座屈をしようとしても座屈防止材16がその変形を防止して、エネルギー吸収体11の全体を蛇腹状に変形させることができる。
図3において、エネルギー吸収体12の内側の空間15に1本の座屈防止材17が挿入されており、端板12aに溶接によって固定されている。座屈防止材17の後端は台枠の端板4aに設けた孔4cを貫通して配置されている。これによって、エネルギー吸収体12に衝撃が掛って座屈変形する際、座屈防止材17は、エネルギー吸収体12に対して軸方向に移動し、エネルギー吸収体12の全体座屈を防止して、蛇腹状の圧壊変形を行わせる。
台枠の端板4aの孔4cは、継ぎ板14bの孔14cと同様に座屈防止材17のガイドとなり、エネルギー吸収体12の蛇腹状の変形を円滑に行わせることができる。また、エネルギー吸収体12の内側壁部72と座屈防止材17との隙間は、内側壁部72の蛇腹状の変形を許容する間隔を確保することが望ましい。以上のように座屈防止材17は、それ自体はエネルギーの吸収には殆ど寄与しないが、エネルギー吸収体12を蛇腹状に変形させる機能を備えている。
座屈防止材と継ぎ板との組合せに係る種々の変形例が、図4〜図7に示されている。即ち、図4は、エネルギー吸収体22の長さがエネルギー吸収体21よりも短い場合を示している。エネルギー吸収体21,22は、それぞれ、図3に示すエネルギー吸収体11,12の変形例であって、それぞれ座屈防止材が前後二つの座屈防止材26a,26b、27a,27bに分割されている。各エネルギー吸収体21,22は、その前後の各吸収体部分21a,21b,22a,22bを継ぎ板18,19に押し当てて溶接等によって一体物として構成されている。その他の構成は、図3に示すエネルギー吸収体11と同様であるので、再度の説明を省略する。座屈防止材26a,26b(27a,27b)は、長手方向外側の端部、即ち、座屈防止材26a(27a)はエネルギー吸収体21(22)の先端側の端板11a(12a)に、そして、座屈防止材26b(27b)はエネルギー吸収体21(22)の基端側の端板11b(12b)に溶接によって固定されている。座屈防止材26a,26b(27b)の継ぎ板18(19)側の端部は、エネルギー吸収体21(22)に対してフリーな状態にある。このようにしておくことで、座屈防止材26a,26b(27a,27b)は各吸収体部分21a,21b(22a,22b)に対する取り付け位置が変わることはなく、変形によるエネルギー吸収には殆ど寄与しないが、エネルギー吸収体21(22)の全体座屈を防止してエネルギー吸収体21(22)の圧壊によるエネルギー吸収を可能にしている。すなわち、衝突時においては、エネルギー吸収体21に掛かる衝撃が該エネルギー吸収体の軸方向に一致しているとは限らない。衝撃方向がエネルギー吸収体の軸方向に対してずれている場合、前記軸方向に対して直角方向の分力が働くことになる。この状態では、エネルギー吸収体21は、端板11a、端板11bとの接合部分で折れ曲がる変形を起こす可能性がある。そこで、端板11a及び端板11bに座屈防止材26a,26bを設置して、前記折れ曲り変形を防止して、エネルギー吸収体21の蛇腹状の変形を円滑に行える構造としている。
図5は、追加の継ぎ板が設けられたエネルギー吸収体31,32を示している。エネルギー吸収体31,32においては、それぞれ継ぎ板38a,38b,38c、39a,39b,39cが、全体の長さを四等分する25%、50%、75%の位置に設けられている。具体的には、エネルギー吸収体31,32はそれぞれ4分割され、分割された各エネルギー吸収体部分31a〜31d,32a〜32dが継ぎ板38a〜38c、39a〜39cに突き合わせて全周を外方からの隅肉溶接によって固定されている。追加のものも含めて継ぎ板は、厚さ10mm程度のアルミニウム合金から作られている。なお、エネルギー吸収体31の継ぎ板38a〜38cの位置は、隣接するエネルギー吸収体32の継ぎ板39a〜39cの位置に対して、吸収体32の方が後退している。即ち、各吸収体部分32a〜32dのそれぞれの長さは各吸収体部分31a〜31dのそれぞれに対してΔL/4だけ短い。継ぎ板の配置位置は、正確に等分割する位置に設ける必要はなく、エネルギー吸収体31,32の分割位置がずれていれば、適宜の分割位置に配置してよい。各吸収体部分31a〜31dは、その車体長手方向の長さが幅方向の寸法とほぼ同等となっているため、各吸収体単体の折れ曲り変形が起こり難い構造となっている。したがって、エネルギー吸収体31は、全体座屈を起こし難く、蛇腹状の変形を円滑に行い十分なエネルギーの吸収を行える。
これにより、継ぎ板39a〜39cの位置は継ぎ板38a〜38cの位置よりも後退しているので、一致させた場合に比較して、最大荷重をずらすことができる。
理想的には、31a→31b→31c→31dの順次圧壊するため、位置をずらしておけばよい。
図6は、エネルギー吸収体の他の例を示す図であって、座屈防止材46a,46b,47a,47bと継ぎ板48,49とを用いたエネルギー吸収体41,42を示している。図6に示す例では、それぞれ継ぎ板48,49が全体の長さを二等分する50%の位置に設けられている。具体的には、エネルギー吸収体41,42はそれぞれ長手方向前後に二分割されており、分割された各吸収体部分41a,41b、42a,42bが継ぎ板48、49に突き合わせて全周を隅肉溶接によって固定されている。継ぎ板48,49は、厚さ10mm程度のアルミニウム合金から作られている。なお、この例においても、継ぎ板48,49の配置位置は、正確に二等分する位置に設ける必要はなく、略二等分する位置でもよく、位置にこだわる必要はない。
図7は、エネルギー吸収体に用いられる座屈防止材46a,46bと継ぎ板48の組合せの一例を示す図である。図7の(b)は図7の(a)の右側面図である。図6に示すエネルギー吸収体41,42は、前後の吸収体部分41a,41b及び42a,42bがそれぞれ継ぎ板48,49に突き合わせて全周に外方から隅肉溶接45が施されている。図7に示すように、継ぎ板48(49)には、座屈防止材46a,46b(47a,47b)がそれぞれ中間位置において外方からの隅肉溶接45で固定されている。このように、座屈防止材46a,46b,47a,47と継ぎ板48,49とをユニット化しておくことにより、保管・運搬・組立等の取扱いが簡単になる。なお、座屈防止材46a,46b,47a,47は全体を円柱形とし、継ぎ板48,49を八角形の板として示したが、これに限らず、座屈防止材46a,46b,47a,47については、断面円形又は円筒形、四角形又は四角筒形であってもよく、継ぎ板48,49についても、円板、四角板等の形状であってもよい。
次に、図8〜図10に基づいて、第二の実施形態として、この発明による衝突エネルギー吸収装置及びそれが適用された軌条車両としての先頭車両について説明する。
先頭車両の先頭部2は前方に凸の曲面状である。先頭車両の後端と中間車両の先端のそれぞれに衝突エネルギー吸収装置が配置されており、先頭部2には障害物等との衝突の際に発生する衝突エネルギーの一部を吸収する衝突エネルギー吸収装置50が配置されている。先頭車両の先頭部2の最先端部分には、連結器10が設けられている。
図8〜図10に示すように、衝突エネルギー吸収装置50(50a)は、先頭車両において、車体本体の長さ方向の所定領域としての先頭領域に車体本体の幅方向に隔置して取り付けられている。具体的には、車体の幅方向に左右の両側に同じ構造の衝突エネルギー吸収装置50a,50bが対称的に配置されている。図示の例では片側のみが示されており他方については図示を省略している。各側の衝突エネルギー吸収装置50a,50bは、上下二段に構成されている。上下の各段には、それぞれ、先端側に衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収する第1エネルギー吸収体51,第2エネルギー吸収体52が配置されている。第1エネルギー吸収体51,第2エネルギー吸収体52は、第一の実施形態の場合と同様に、図11に示すような断面が八角形の中空構造を有する筒状の構造体であり、その筒の軸線が車体長手方向(前後方向且つ走行方向)と平行となる方向に配置されている。したがって、両側の衝突エネルギー吸収装置50a,50bは、全体として車体先端側に向かって合計4本の第1エネルギー吸収体51,第2エネルギー吸収体52を備えている。
上下二段に構成されている第1エネルギー吸収体51及び第2エネルギー吸収体52は、その圧壊方向の一端側、即ち車体長手方向の中央よりの端部において、共通の支持板58に取り付けられている。両エネルギー吸収体51,52は、支持板58の後方端部(車体長手方向中央寄りの端部)では、1本の共通する第3エネルギー吸収体53に接続されている。第3エネルギー吸収体53は、後方部(車体長手方向中央寄りの端部)で車体本体の構造フレーム54を介して台枠4に連結されている。第1〜第3のエネルギー吸収体51〜53は、後方(車体長手方向の中央側)に配置される吸収体ほど、その断面が大きく構成されている。
共通の支持板58は、周囲端縁が全体として略四角筒状になった案内筒59に固定されている。案内筒59の外周面59aは、車両本体に取り付けられたガイド筒板60の内面側60aに摺動可能に嵌合されている。したがって、衝突時には、まず、第1及び第2エネルギー吸収体51,52が変形して圧壊によって所定のエネルギーを吸収した後に、第3エネルギー吸収体53が変形を開始して、共通の支持板58と共に案内筒59がガイド筒板60に案内されつつ車体後方に向かって移動する。なお、第1及び第2エネルギー吸収体の圧壊によって、衝突によるエネルギーを吸収しきった場合には、第3エネルギー吸収体は変形しない。第1エネルギー吸収体51,第2エネルギー吸収体52は、ガイド筒板60の内面側60aによって案内されるので、中間部分(ガイド筒板60の箇所)で座屈することなく、全長に渡って衝突エネルギー吸収作用を発揮させることができる。案内筒59、ガイド筒板60は、この発明におけるスライドガイドを構成している。ガイド筒板60は台枠4の前端において設置されている。ガイド筒板60よりも後方は、運転席である。運転席の前端は飛来物遮蔽板61で覆われている。ガイド筒板60は飛来物防御板61に開いた孔といえる。第1〜第3のエネルギー吸収体51,52,53は、くの字状に全体座屈することなく、衝突エネルギー吸収作用が継続される。
図10に示すように、第1エネルギー吸収体51及び第2エネルギー吸収体52の衝突方向先端位置は、車体端部に配置される衝突エネルギー吸収装置の場合と同様に、複数の位置にずらされている。即ち、第1及び第2のエネルギー吸収体51,52は衝突方向の長さが僅かに異なっており、共通の支持板58に支持された状態では第1エネルギー吸収体51の先端位置が第2エネルギー吸収体52の先端位置よりも僅かΔLだけ(例えば、100mm程度)前方に位置している。これらの先端位置のずれ(ΔL)によって、先頭車両の衝突時には、第1エネルギー吸収体51が第2エネルギー吸収体52よりも先に圧壊され始める。この僅かな圧壊開始時期のずれによってピーク荷重が分散されるので、エネルギー吸収材51〜52の圧壊ピーク荷重が低減され、車体本体や乗客等への負担を軽減することができる。なお、エネルギー吸収体51〜54の構造については、図1〜図7に示したエネルギー吸収体の構造に倣って構成してもよいことは明らかである。
以下、第三の実施形態として、この発明による衝突吸収エネルギー装置及びそれが適用された軌条車両について、図14〜図21に基づいて説明する。この実施形態は、障害物に衝突した際、まず、車端部側梁110が障害物に衝突し、次にエネルギー吸収体が衝突するように構成している。これにより、まず、車端部側梁110を圧壊させて、軌条車両に生じる最大荷重を抑制することを図ったものである。
第三の実施形態は、第一の実施形態に比較して特徴的な構造として、軌条車両の長手方向端部に車端部構造体80を設置した構造となっている。また、車端部構造体80を構成する車端部側梁110,110は、エネルギー吸収体11,12よりも突出して配置した構造を備えている。即ち、一般的に、軌条車両の車体は、台枠、二つの側構体、屋根構体及び二つの妻構体から構成されているところ、第三の実施形態の車体は、前記妻構体に代えて車端部構造体80を設置している。車端部構造体80は、車体本体201の車体長手方向の両端部に着脱自在に設置される。車体本体201は、台枠、二つの側構体及び屋根構体から構成されており、全体がほぼ筒状に構成されている。車端部構造体80は、その下位部分を成す床構造81、その車体幅方向両側部分を成す側壁83、その上位部分を成す天井壁82を一体に構成している。
車端部構造体80の車体長手方向長さは、車体本体201の長さよりも十分に短い。図14、図15に示すように、車端部構造体80は、中間車両としての軌条車両200の端部202に付設される圧壊可能な構造体であり、軌条車両200の車両長さと比較して充分短い短胴構造に構成されている。車端部構造体80は、その断面形状が基本的に車体本体201の断面形状(最外側形状)に倣っていて、車体本体201の台枠上面203と同じ高さ位置になるように床構造81の強度部材が設置されている。また、車体本体201の天井壁204と同じ高さ位置になるように車端部構造体80の天井壁82が構成されている。車端部構造体80の側壁83は、車体本体201の側構体と一致した位置となるように構成されている。なお、側壁83については、車体本体側では、軌条車両200の断面構造に倣って下膨れの輪郭を備えている。
車端部構造体80の内部には、通路開口85から車体本体201に通じる通路86が確保されている。車端部構造体80は、車端側が隣接する車両への通路開口85となり且つその反対側である車体本体201側が全面的に開いており、天井壁82や側壁83によって通路86及び内部スペースを囲む構成となっている。車端部構造体80は、車両の前後方向に設けられた二つのフレーム90,91(胴枠フレーム)を備えている。フレーム90、91は、それぞれ、断面四角形又は断面長四角形の管状部材を屈曲させる或いは個別のフレーム体を繋いで用いることで全体として閉環状に形成されている。このフレーム90、91は、車端部構造体80の車体本体201側及び車両端部側において胴体の周方向に延びるように取り付けられている。両フレーム90,91の間に、床構造81、天井壁82及び側壁83が構成されている。車端部構造体80は、車体本体201に対して強固に連結されている。具体的には、フレーム90に設けられる複数のボルト孔(図示せず)に通して締結用ボルトを設置し、車体本体側に設けられるナットによって、フレーム90と車体本体201の端部フレーム202とがボルト連結される。車端部構造体80の荷重(重量)と引っ張り力についてはボルト、ナットが受け持ち、圧縮方向の荷重はフレーム90と端部フレーム202の面で伝えられる。
天井壁82及び側壁83は、フレーム90とフレーム91とを連結する側骨部材及び垂木等の骨部材100と、この骨部材100の外面に設置される外板部材とから構成されている。骨部材100は、車端部構造体80が衝突時に圧壊する際に、その車体長手方向の強度を調整するための開口部が設置され、車体本体201の損傷を可能な限り少なくするように配慮した構造となっている。骨部材100の開口部は、車端部構造体80の軽量化を図るためにも有効である。
車端部構造体80の床構造81は、車体幅方向両側に配置される各車端部側梁110と、車端部側梁110の内側に設置される補強梁106と、車端部側梁110及び補強梁106の上面に設置される床補強部材96とによって構成されている。床補強部材96は、その上面に断面形状がT型の複数本の補強リブ97を備えており、補強リブ97の上面に床敷物94が設置されている。補強リブ97は、その長手方向を車体幅方向に沿わせるように互いに並行に配置されている。床補強部材96は、車端部側梁110の上面95に設置されている。補強梁106は、断面形状が逆J型を成しており、エネルギー吸収体12の上面及び一方の側面を囲むように設置されている。
車端部構造体80の床構造81とその下部構造93は、車体本体201の台枠4に対応している。台枠4の突き当て端部の領域には、下辺に沿うように延びていて、側面から見て(図15)長い略三角形状の領域に補強部材(補強梁)4dが設けられている。補強部材4dは、車端部構造体80から台枠4の端部への衝撃を伝えるものである。補強部材4dの具体構造は、車体幅方向から見て直線形状で斜め(三角形状)に設置される構造を有する複数の補強フレーム部材を端板4aの車体長手方向に向いた側面と台枠4の下面とに接合して構成されている。なお、この補強フレーム部材の形状は三角形状でなくもよく、略L型を成したものであっても良い。この補強フレーム部材によって、衝突時の衝撃がエネルギー吸収体11,12及び車端部側梁110から端板4aを介して台枠4に伝えられる。言い換えると、補強フレーム部材によって、端板4aの下部を車体本体側から支える構造と成っている。なお、図14に示すように端板4aの連結器設置位置に対応する部分は、逆U型に切り欠かれた形状となっている。また、エネルギー吸収体11,12及び車端部側梁110は、端板4aにほぼ一致した形状の継板99に、それぞれの車体本体側の端部を接合している。車端部構造体80と車体本体201を接合した状態において、前記継板99と端板4aとは重なり合っている。
エネルギー吸収体11の車端側端部は、エネルギー吸収体12の車端側端部よりも突出して配置されており、車端部側梁110の車端側端部はエネルギー吸収体11よりも突出して配置されている。各車端部側梁110は、台枠4を構成する側梁に一致した配置であって、それぞれの断面形状は台枠4の側梁に類似した形状となっている。各車端部側梁110は、車端部構造体80の圧壊変形を考慮した強度を有するように、その板厚等の仕様が選定されている。各車端部側梁110は、車端部構造体80の車体幅方向両端部に配置され、その内側位置に各エネルギー吸収体11が設置されて、各エネルギー吸収体11の内側位置に各エネルギー吸収体12が配置されている。
車端部構造体80の通路開口85は、天井壁82の下方位置に設けられ、その車体幅方向両側に柱部材107を備えて形成されている。各柱部材107は、その断面形状が四角形または長四角形をなした中空の形材によって構成されている。各柱部材107は、例えばアルミ合金製の中空押出し形材で構成されている。各柱部材107と車体幅方向両側のフレーム91との間には、水平方向に沿って配置された複数の横骨部材が設置されている。各柱部材107とフレーム91との間で、各横骨部材の外表面には、外板が設置されている。車端部構造体80には、乗員室(簡易運転室を含む)や機器の設置室および貫通路を構成している。車体の本体201の幅方向の両端に端板4aを介して車端部側梁110,110、エネルギー吸収体11,12を設置している。
この実施形態では、ピーク荷重の後に荷重が低下するときの低下量が少ない(低下したときの荷重を座屈後平均荷重という。)というエネルギー吸収体11,12の特性が利用される。即ち、エネルギー吸収体11,12の座屈後平均荷重のレベルが高いので、ここに車端部側梁110に作用する荷重を上乗せすると、全体の荷重が大きくなり過ぎる。そこで、先に、車端部側梁110に圧壊を生じさせ、負担荷重を低下させる。次に、エネルギー吸収体11,12に圧壊を起こさせれば、全体の最大荷重(ピーク荷重)を小さくできる。このように、エネルギー吸収体11,12以外の部材、即ち、車端部側梁110に圧壊を生じさせた後に、エネルギー吸収体11,12の圧壊を起こさせることにより、車端部構造体80の圧壊時におけるピーク荷重を抑制できる。
車端部側梁110及びエネルギー吸収体11,12の最大荷重が生じる時期(タイミング)を逐次ずらし、しかもそのずらせ方として、エネルギー吸収体11,12よりも先に車端部側梁110に圧壊を生じさせることで、衝突荷重を受ける側の最大荷重を抑制しながら、エネルギー吸収量を確保することができる。
図16〜図21のグラフを用いて、第三の実施形態が奏する作用・効果について説明する。エネルギー吸収材11,12がそれぞれ圧壊をするとき、その吸収体11,12が負担できる最大荷重をP1,P2とし、ピーク荷重を発生後に低下したときの荷重を座屈後平均圧壊荷重としてそれぞれP1(ave),P2(ave)とする。また、車端部側梁110が圧壊するときの最大荷重をPbとし、ピーク荷重Pbを過ぎたときの座屈後平均圧壊荷重をPb(ave)とする。
エネルギー吸収体11,12の継ぎ板の配置位置(例えば、図4、図6等)を長手方向にずらすことにより、圧壊のピークもずらすことができる。
図16において、車端部側梁110はエネルギー吸収体11よりも寸法aだけ端部側に突出し、エネルギー吸収体11はエネルギー吸収体12よりも寸法b(第一の実施形態におけるΔLに相当)だけ端部側に突出した配置関係にあるとする。この配置関係にある衝突エネルギー吸収装置における変位に対する荷重の変化が図17に示されている。
本第三の実施形態によれば、車両の衝突時には、先ず各車端部側梁110が圧壊を開始する。車端部側梁110が圧壊をするとき、そのピーク荷重Pbは充分大きい。しかしながら、ピーク荷重Pbを過ぎたときの吸収できる荷重は小さい。これは、エネルギー吸収体11,12は、一般に、ピーク荷重を過ぎたときに吸収できる荷重の低下量を小さくするという設計がされているが、車端部側梁110は、エネルギー吸収体ではないので、ピーク荷重Pbを過ぎると吸収できる荷重は相当分低下してしまう。
図17において、車端部側梁110が吸収できる座屈後平均圧壊荷重Pb(ave)にまで低下した段階で、エネルギー吸収体11,12が、突出順に段階を踏んで圧壊を開始する。ここで、車端部側梁110の座屈後平均圧壊荷重Pb(ave)は、エネルギー吸収体11,12の座屈後平均圧壊荷重P1(ave)又はP2(ave)よりも充分小さい。したがって、座屈後平均圧壊荷重Pb(ave)にエネルギー吸収体11,12がそれぞれ圧壊をするときの最大圧壊荷重P1、P2が順次加算されても、系全体の最大荷重を荷重[Pb(ave)+P1(ave)+P2]を抑えることができる。
この実施形態と比較するための比較例1を説明する。図18に配置関係を示し、図19に吸収荷重の変化を示す。
図18において、両エネルギー吸収体11,12の先端位置が同じであり、車端部側梁110の先端が両エネルギー吸収体11,12の先端よりも寸法aだけ突出している。
図19において、車端部側梁110の受ける荷重が最大荷重Pbを生じた後座屈後平均圧壊荷重をPb(ave)まで低下した状態のときに寸法aに相当する変位量を過ぎた時点で、両エネルギー吸収体11,12の変形が同時に開始する。このときの系全体の最大荷重は[Pb(ave)+P1+P2]となり、その後、座屈後平均圧壊荷重[Pb(ave)+P1(ave)+P2(ave)]まで低下する。先の図17に示す場合の系全体の最大荷重[Pb(ave)+P1(ave)+P2]よりも、[P1−P1(ave)]だけ大きい最大荷重となる。
もう一つの比較例2を説明する。図20に配置関係を示し、図21に吸収荷重の変化を示す。
図20において、エネルギー吸収体11の先端位置がエネルギー吸収体12の先端位置よりも寸法aに相当する量だけ突出しており、エネルギー吸収材12の先端位置は車端部側梁110の先端位置よりも寸法bに相当する量だけ突出している。
図21において、エネルギー吸収体11が最大荷重P1を生じて座屈後平均圧壊荷重がP1(ave)まで低下した状態のときに寸法aに相当する変位量を過ぎた時点で、エネルギー吸収材12の圧壊が開始する。エネルギー吸収体12の最大荷重P2が上乗せされた後、上乗せ量が座屈後平均圧壊荷重P2(ave)まで低下した状態のときに寸法(a+b)に相当する変位量を過ぎた時点で、車端部側梁110の圧壊が開始される。このときの系全体の最大荷重は[Pb+P1(ave)+P2(ave)]となり、その後、座屈後平均圧壊荷重[Pb(ave)+P1(ave)+P2(ave)]まで低下する。図17に示す場合の系全体の最大荷重[Pb(ave)+P1(ave)+P2]よりも、[(Pb−Pb(ave)+P2−P2(ave))だけ大きい最大荷重となる。
このように、図16の配置によれば、エネルギー吸収体11,12よりも先に車端部側梁110に圧壊を生じさせることで、衝突時の最大荷重を抑制することができる。
車端構造体80はユニット化されている。エネルギー吸収体11,12及び車端部側梁110の先端部をずらして配置したことにより、ずらさない場合と比較して最大荷重を低減できる。このため、衝突時に車体本体201に負荷される荷重も低減でき、車体本体201の損傷を抑制することができる。もしくは、車体本体201の強度部材を薄肉化することで軽量化を図る等の設計自由度が増す。車端構造体80が圧壊を受けて使えなくなったとしても、車体本体201は損傷を受けていなか、受けたとしても軽微な損傷で済むことが期待できる。車体本体201については、そのまま又は僅かな修理を施すことで再利用可能となり、新たな車端構造体80を付設することで車両として復旧させることができる。
以上説明した第三の実施態様における構造の発明を要約すると以下のとおりとなる。
(a)軌条車両の車体は、車体本体と該車体本体の長手方向端部に設置される車端部構造体とから構成されており、
前記車体本体は、台枠と、二つの側構体と、屋根構体とから構成されており、
前記二つの側構体は、中空押し出し形材で構成されており、
前記車端部構造体は、前記台枠と連なる床構造を備え、前記二つの側構体に連なる側壁部を備え、且つ、前記屋根構体に連なる天井(屋根)壁を備えており、
前記車端部構造体の側壁部を側壁外板と骨部材とから構成したこと、を特徴としている。
(b)前記(a)において、前記屋根構体を中空押し出し形材で構成し、
前記車端部構造体の天井壁を天井外板と骨部材とから構成したこと、を特徴とする。
(c)前記(b)において、前記台枠を中空押し出し形材で構成し、前記車端部構造体の床部構造を床板と骨部材とから構成したこと、を特徴とする。
(d)前記(a)又は(b)において、車端部構造体の外板を車内側にリブを一体に形成した押し出し形材によって構成したこと、を特徴としている。
(e)前記(c)において、車端部構造体の床板を車内側にリブを一体に形成した押し出し形材によって構成したこと、を特徴としている。
(f)前記(e)において、床板を成すリブは、車体幅方向に沿って配置されていること、を特徴とする。
この発明による軌条車両の第一の実施形態としての中間車両について、その端部を示す正面図である。 図1に示す中間車両の端部のB−Bについての側面断面図である。 図1に示す中間車両の端部に適用された衝突エネルギー吸収装置を図1のA−Aについて切断して示す断面図である。 エネルギー吸収体の更に別の例を示す図である。 エネルギー吸収体の更に別の例を示す図である。 エネルギー吸収体の他の例を示す図である。 エネルギー吸収体に用いられる座屈防止部材と継ぎ板の組合せの一例を示す図である。 この発明による軌条車両の第二の実施形態としての先頭車両について、その正面右半分を示す底断面図であり、図9のY−Y断面図である。 図8に示す先頭車両の一部をZ−Zの断面で示す縦断面図である。 図8に示す先頭車両の一部をX−Xの断面で示す横断面図である。 エネルギー吸収体の一例を示す正面図である。 エネルギー吸収体が圧壊した状態の一例を示す断面図である。 本発明による衝突エネルギー吸収装置のエネルギー吸収時の変位に応じた荷重の変化の様子の一例を示すグラフである。 この発明による軌条車両の第三の実施形態としての中間車両について、その端部を示す正面図である。 図14に示す中間車両の端部の側面図である。 図15に示す端部構造体の平面概略図である。 図16に示す端部構造体の吸収荷重を示すグラフである。 比較例1の配置関係を示す図である。 図18の比較例1に対する吸収荷重を示すグラフである。 比較例2の配置関係を示す図である。 図20の比較例2に対する吸収荷重を示すグラフである。
符号の説明
1:衝突エネルギー吸収装置
2:先頭部 3a:端部
3b:端部 3e:飛来物遮蔽板
3i,3j:孔 4:台枠
4a:端板 4b;床面
4c:孔 4d:補強部材(補強梁)
10:連結器
11,12:エネルギー吸収体 11a,11b,12a,12b:端板
13:固着具 14,15:空間
14a,14b:継ぎ板 16,17:座屈防止材
18,19:継ぎ板 21,22:エネルギー吸収体
21a,21b,22a,22b:吸収体部分
26a,26b、27a,27b:座屈防止材
28a,28b,29a,29b:端板 31,32:エネルギー吸収体
31a〜31d,32a〜32d:吸収体部分
38a,38b,38c、39a,39b,39c:継ぎ板
41,42:エネルギー吸収体 41a,41b、42a,42b:吸収体部分48,49:継ぎ板 50,50a,50b:衝突エネルギー吸収装置51,52,53:エネルギー吸収体 54:構造フレーム
58:共通の支持板 59:案内筒
59a:外周面 60:ガイド筒板
60a:内面側 61:飛来物遮蔽板
70:八角形の外側壁部 71:外側壁部
72:相似形を呈する八角形の内側壁部
73:両壁部の八角形の壁部の頂点部分を連結する径方向壁部
80:車端部構造体 81:床構造
82:天井壁 83:側壁
85:通路開口 86:通路
90,91:胴枠フレーム 93:下部構造
94:床敷物 95:上面
97:補強リブ 100:骨部材
106:補強梁 107:部材
110:車端部側梁
200:軌条車両 201:車体本体
203:台枠上面 204:天井壁
b,ΔL:突出長さ

Claims (9)

  1. 衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収体を有する衝突エネルギー吸収装置を備えた軌条車両において、
    前記エネルギー吸収体がその圧壊時に生じる圧壊方向への変位を車体に設けられたスライドガイドによって案内したこと、
    を特徴とする軌条車両。
  2. 請求項1に記載の軌条車両において、
    前記エネルギー吸収体は中空構造を内部に有する筒状体であり、前記スライドガイドは前記筒状体をその外周面で案内すること、
    を特徴とする軌条車両。
  3. 請求項1に記載の軌条車両において、
    前記スライドガイドは、前記エネルギー吸収体の長手方向中間領域に対応して設けられていること、
    を特徴とする軌条車両。
  4. 請求項1に記載の軌条車両において、
    前記エネルギー吸収体は、並列に配設された複数のエネルギー吸収体部分と前記エネルギー吸収体部分を支持する共通の支持板とを備えており、
    前記スライドガイドは前記共通の支持板の変位を案内すること、
    を特徴とする軌条車両。
  5. 請求項1に記載の軌条車両において、
    前記衝突エネルギー吸収装置は、前記軌条車両としての先頭車両又は後尾車両の先頭領域に配置されていること、
    を特徴とする軌条車両。
  6. 編成車両の先頭又は後尾に位置する軌条車両において、
    前記軌条車両の先頭領域の車体幅方向の両側位置に、それぞれ衝突エネルギー吸収装置を備え、
    前記衝突エネルギー吸収装置は、その圧壊方向を前記軌条車両の車体長手方向に揃えた複数のエネルギー吸収体を有しており、
    前記複数のエネルギー吸収体は連結部材によって互いに連結されており、前記連結部材が前記先頭領域においてスライドガイドによって案内されていること、
    を特徴とする軌条車両。
  7. 請求項6に記載の軌条車両において、
    前記衝突エネルギー吸収装置は、前記圧壊方向を車体長手方向に一致させて、前記軌条車両の台枠の車体長手方向端部に設置されていること、
    を特徴とする軌条車両。
  8. 請求項6に記載の軌条車両において、
    前記連結部材は前記複数のエネルギー吸収体を前記圧壊方向に連結する支持板であり、
    前記支持板の外周には案内筒が取り付けられており、
    前記案内筒はガイド筒板に前記案内筒の筒軸方向を前記ガイド筒板のガイド方向に揃えて嵌合しており、
    前記ガイド筒板は前記ガイド方向を前記軌条車両の前記車体長手方向に揃えて前記先頭領域の車体構成部材に取り付けられていること、
    を特徴とする軌条車両。
  9. 衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収体を備えた衝突エネルギー吸収装置において、
    前記エネルギー吸収体がその圧壊時に生じる圧壊方向への変位をスライドガイドによって案内したこと、
    を特徴とする衝突エネルギー吸収装置。
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