JP4852624B2 - 衝突緩和装置を備えた軌条車輌 - Google Patents

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Description

この発明は、鉄道車両や路面電車、モノレール車両、新都市交通のような軌条車両であって、エネルギー吸収材を有する衝突緩和装置を備えた軌条車両に関する。
鉄道車両で代表される軌条車両では、運行中に予期しない物体と衝突する場合がある。鉄道車両の過去の衝突事例における衝突対象物は、道路車両、樹木、他の鉄道車両などの大型のものから、石、雪塊や対向車両の部品などの小型のものまで多種多様である。
ここで、鉄道車両が大きな物体と衝突した場合を考える。大きな物体と衝突した場合、この物体との衝突により鉄道車両には大きな衝撃が作用することになる。この衝撃から、鉄道車両に搭乗している乗員・乗客を保護するために、車両構造物の一部を積極的に変形させることにより衝突のエネルギーを吸収する概念が存在する。即ち、輸送機器の構造物に、乗員・乗客が搭乗しており物体との衝突時に輸送機器の構造物が潰れないことを目的とした空間(以後、「サバイバルゾーン」と呼ぶ)と、物体との衝突時に輸送機器の構造物を積極的に変形させて衝突のエネルギーを吸収する空間(以後、「クラッシャブルゾーン」と呼ぶ)とを分離して設けるという概念である。
先頭車両や最後尾車両のように、車体の長手方向の端部である運端台の先端部に飛来物防御板を設け、当該飛来物防御板に開けた窓にエネルギー吸収部材を貫通させて、エネルギー吸収部材を運転台内から飛来物防御板の先まで延びる形態に配置した軌条車両における衝突緩和装置が提案されている(特許文献1参照)。高吸収容量のエネルギー吸収部材を、車体に設けられる運転台のスペースを利用して効率良く配置することを図っている。衝突緩和装置の圧壊方向は車体の長手方向に揃えられており、エネルギー吸収部材が小刻みな座屈を繰り返して圧壊することで、衝突時のエネルギーを吸収することを可能にしている。また、飛来物防御板を含むクラッシャブルゾーンの梁部材を強固に設置し、サバイバルゾーンに連結させることができる。
特開2007−302081号公報
衝突緩和装置は、鉄やアルミニウム等の金属材料、或いはそれらを組み合わせた材料からなる筒状体で構成されたエネルギー吸収構造を備えており、エネルギー吸収体は筒状体の軸線を車両の長手方向に揃えて配置されている。そして、鉄道車両が衝突した際に、衝突緩和装置を構成するエネルギー吸収体は、その軸方向の弾性変形域を経て、塑性変形域において圧壊を開始し、この圧壊する過程で衝突エネルギーを吸収することによって鉄道車両へ衝撃を緩和する。
ここで、変形を開始する荷重は、式(1)で表すことができる。
F=σ×A・・・・・式(1)
ここで、
F:圧懐荷重
σ:降伏応力
A:エネルギー吸収剤の最も小さな断面における断面積
上記式(1)から、全てエネルギー吸収部材の長手方向に直交する断面積Aが全ての部位で同一である場合、全ての部位において圧壊荷重Fは同一となる。このため、このようなエネルギー吸収材に対して衝突時に荷重が作用した場合、変形開始箇所を特定することが困難になり圧壊モードを制御できなくなるだけではなく、圧壊開始時のピーク荷重が大きくなり搭乗員の安全性を損なう恐れがあった。
そこで、エネルギー吸収部材の長手方向に直交する断面積を制御することにより、鉄道車両に観察されるピーク荷重(加速度)を小さくする点において解決すべき課題がある。
この発明の目的は、衝突した直後のエネルギー吸収部材が圧縮荷重を受けて弾性変形をしているうちにエネルギー吸収部材の圧壊を開始・促進することで、衝突の際のピーク荷重を小さくして、乗客や搭乗員に及ぶ衝撃力(加速度)を低減することができる衝突緩和装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明は、衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収体を有する衝突緩和装置を備えた軌条車両であって、前記エネルギー吸収体の長手方向に直交する断面積は、前記エネルギー吸収体の先端部から鉄道車両側の基端部に向けて、断面積が徐々に大きくなる部位を備えたこと、を特徴としている。即ち、本発明は、前記エネルギー吸収体は中空構造を内部に有す筒状体であるとともに、その軸方向を前記軌条車両の長手方向に揃えて配置されており、前記エネルギー吸収体は、その長手方向の一方の端部が前記軌条車両に固定されており、当該一方の端部から他方の端部に向けて延びていて且つ前記エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が一定の部位を備えており、当該断面積が一定の部位に連続しているとともに前記エネルギー吸収体の他方の端部にまで延びていて且つ前記エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が減少する部位を備えており、前記エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が減少する前記部位は、前記エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が一定の部位の端部分を幅方向両側で斜めに切り落とし、斜めに切り落とすことで形成された開口部を当該部位に固定される塞ぎ板によって覆うことによって形成されていることを特徴としている。
この衝突緩和装置を備えた軌条車両によれば、衝突時に衝突緩和装置を構成するエネルギー吸収体が圧縮荷重を受けた際に、エネルギー吸収体の長手方向の垂直断面積の小さい部位(衝突面に近い部位)から弾性変形域を経て、崩壊を開始する。その後、順次、エネルギー吸収体の長手方向の垂直断面積が大きい部位が連続的に崩壊する。この崩壊の連鎖の作用によって、エネルギー吸収体全体が圧壊するので、衝突の際のピーク荷重が大きくなることを回避することができる。
また、エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が減少する部位は、エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が一定の部位の端部分を幅方向両側で斜めに切り落として形成しており、そして斜めに切り落とすことで形成された開口部を当該部位に固定される塞ぎ板によって覆っているので、当該垂直断面積が減少する部位の製作が容易であり、且つエネルギー吸収体を箱状に構成して、エネルギー吸収体の内部へ雨水等が浸入することを防止することができる。更に、垂直断面積が減少する部位でも箱状に構成されるので、垂直断面積が減少する部位において極端な剛性低下を招くことを回避し、垂直断面積が大きい部位に至るまでの剛性を確保することができる。しかも、断面積の減少割合が一定の連続的であるので、当該部位の圧壊が不安定になることがなく、荷重の低い状態で開始された圧壊が垂直断面積が大きい部位の圧壊までスムーズに促進される。
この発明である衝突緩和装置を備えた軌条車両は、上記のように構成されているので、衝突時に衝突緩和装置を構成するエネルギー吸収体が圧縮荷重を受けた際に、エネルギー吸収体の長手方向の垂直断面積の小さい部位(衝突面に近い部位)から弾性変形域を経て、垂直断面積が大きい部位へと順に崩壊を開始する。したがって、エネルギー吸収材の圧壊については、不安定になることがなく、荷重の低い状態で開始された圧壊は垂直断面積が大きい部位の圧壊までスムーズに促進されて、衝突の際に生じるピーク荷重が大きくならず、その分、乗客や搭乗員に及ぶ衝撃を緩和させることができる。
さらに、衝突の際に生じるピーク荷重を小さくできるので、衝突緩和装置が備えられる鉄道車両構体(例えば、台枠など)の部位の強度を小さくできるため、構造の簡素化と軽量化を促進することができる。
図1はこの発明による衝突緩和装置を備えた鉄道車両の要部を模式的に示す斜視図である。 図2は本発明による別の衝突緩和装置を備えた鉄道車両の要部を模式的に示す斜視図である。 図3は図2に示す衝突緩和装置のA−A断面図である。 図4は図2に示す衝突緩和装置のB−B断面図である。 図5はこの発明による衝突緩和装置の衝突時のピーク荷重の低減効果を示すグラフである。 図6はこの発明の更に別の衝突緩和装置の例(上面図)である。 図7は鉄道車両の一例を模式的に示す斜視図である。 図8は、この発明による衝突緩和装置が車端部構造体に適用されている軌条車両の第一の実施形態を示す正面図である。 図9は、図8に示す衝突緩和装置の一部を含む車端部構造体の垂直断面図(図8のC−C断面)である。 図10は、図8に示す衝突緩和装置の一部を示す水平断面図(図8のD−D断面)である。 図11は、この発明による軌条車両の第二の実施形態としての先頭車両について、その正面右半分を示す底断面図(図12のY−Y断面)である。 図12は、図11に示す先頭車両の一部の縦断面図(図11のZ−Z断面)である。 図13は、図11に示す先頭車両の一部の横断面図(図12のX−X断面)である。 図14は、エネルギー吸収体の一例を示す正面図である。 図15は、エネルギー吸収体が圧壊した状態の一例を示す断面図である。 図16は、エネルギー吸収体の長手方向の先端を分散配置した場合のピーク荷重の低減効果を説明するグラフである。
以下に、添付した図面に基づいて、この発明による衝突緩和装置を備えた軌条車両の実施例を説明する。まず、図7を参照して鉄道車両構体の構造を説明する。図7は鉄道車両の一例を模式的に示す斜視図である。鉄道車両構体1は、屋根を形成する屋根構体2、車体長手方向に対して両端を閉鎖する面を形成する妻構体3、車体長手方向に対して左右の面を形成する側構体4、及び床面を形成する台枠5から構成されている。台枠5は長手方向の圧縮荷重に対して剛性が大きい。側構体4には窓や出入口の開口が形成されている。このような基本構造を持つ鉄道車両構体1は、衝突時に乗員・乗客の生命を保護するサバイバルゾーン10と、衝突時に生じるエネルギーを吸収するクラッシャブルゾーン11(11a,11b)とによって構成されている。サバイバルゾーン10のクラッシャブルゾーン11寄りの端部には、屋根構体2、側構体4及び台枠5の各端部で囲まれる開口部20が形成されている。また、クラッシャブルゾーン11には、列車を運転するために運転士等の乗務員が搭乗する運転台25が配置されている。
クラッシャブルゾーン11は、車両の長手方向の両端部に設置され、サバイバルゾーン10を車両の長手方向に挟み込むように配置されている。本図では運転台25を有する車両を用いて構造を説明したが、運転台25を有さない車両でも、クラッシャブルゾーン11とサバイバルゾーン10の相対的な配置は変わらない。クラッシャブルゾーン11aには、運転台25の進行方向端部に、面内の向きを進行方向直角方向とした平板状の飛来物防御板50が配置されている。クラッシャブルゾーン11aには、また、それぞれがエネルギー吸収機能を有する2つの衝突緩和装置100,100が飛来物防御板50を貫通して且つ車幅方向に隔置して配置されている。
図1から図4に示される衝突緩和装置100は、軌条車両の端部に設けられる装置であり、図7に示される鉄道車両(一例)のように、先頭車両や最後尾車両の先端端部のみならず、列車編成の中間車両においても、それらの端部に適用可能である。編成車両は前後の先頭車と所要数の中間車とからなる。例えば、先頭車両(最後尾車両の場合も含む)が障害物や他の車両等と衝突した時には、先頭車両と隣接する中間車両との間のみならず、隣り合う中間車両の端部間同士で次々に衝突が生じる。衝突エネルギー吸収装置を、先頭車両の端部及び中間車両の各端部に適用しておくことで、列車編成のどこで衝突が生じてもその時の衝撃、或いは中間車両間で副次的に生じ得る衝突を本衝突緩和装置100によってそれぞれ吸収することができる。
衝突緩和装置100は、圧壊することにより衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収体120を備えている。エネルギー吸収体120は、図示のように細長い筒状の構造を有しており、好ましくは剛性の高い各車両の台枠5の端部に対してその長手方向を車両の長手方向に揃え且つその基端部を固定することで、車体に片持ち状に支持されている。図示されている衝突緩和装置100は1本のエネルギー吸収体120から構成されているが、図7に示すように車両の幅方向に複数本のエネルギー吸収体120を並べて配置し、複数の衝突緩和装置100が広い範囲で且つエネルギー吸収量を多くして衝突の衝撃を緩和することが好ましい。
図1に示すように、衝突緩和装置100を構成するエネルギー吸収体120は、中空構造を内部に有す筒状体(詳細は後述する)であって、長手方向の一方の端部が車両の台枠5に対して片持ち状、即ち、横置きされた状態で固定されている。そして、エネルギー吸収体120は、台枠5の方向からエネルギー吸収体の先端に向けて、その長手方向の垂直断面積が一定の部位(基端部、図1、2のL2の範囲)と垂直断面積が小さくなる部位(先端部、図1、2のL1の範囲)から構成される。エネルギー吸収体120の長手方向の垂直断面積が小さくなる部位には、塞ぎ板130、及び、端部塞ぎ板135が溶接などで固定されており、エネルギー吸収体120を箱状に構成することにより剛性を確保するとともに、エネルギー吸収体120の内部へ雨水等が浸入することを防止している。
上述したように、エネルギー吸収体120は鉄道車両構体(例えば、台枠5)に片持ちの形態で固定されるため、その長手方向の垂直断面積が一定の部位(図1、2のL2の範囲;以下「本体部L1」と称する)を鉄道車両構体の方へ向けて配置することが好ましい。また、エネルギー吸収体120の長手方向の垂直断面積が小さくなる部位(図1、2のL1の範囲;以下「先端部L1」と称する)は、図示されるように連続的に変化してもよいし、段階状(ステップ状)に変化させてもよい。
図2に、本発明による別の衝突緩和装置を備えた鉄道車両の要部を模式的に示す斜視図を示す。図2に示される衝突緩和装置100を構成するエネルギー吸収体120は、基本的に図1に示されるエネルギー吸収体120と同じであるが、先端部L1の範囲において、エネルギー吸収体120の先端部の4側面を塞ぎ板130で覆い、エネルギー吸収体120の先端部L1の端面(長手方向に垂直面)を端部塞ぎ板135で覆っている。これらの施工は、エネルギー吸収体120のエネルギー吸収量には大きく影響しないが、エネルギー吸収体を鉄道車両構体に備えた際の意匠性を高める必要があるとき等に有効である。
図3に図2に示す衝突緩和装置のA−A断面図を示し、図4に図2に示す衝突緩和装置のB−B断面図を示す。図3に示されるように、エネルギー吸収体120の筒体の各面は、対向する2枚の面板(外側)122と面板(内側)124を接続板126で連結する中空形材からなる。筒体の4面を中空形材で構成することにより、鉄道車両が衝突した際の圧縮荷重がエネルギー吸収体120の軸方向に一致せず、エネルギー吸収体120と鉄道車両構体(例えば、台枠5)との接合部に曲げモーメントが作用したとしても、中空形材の面外剛性は比較的大きいため、エネルギー吸収体120が簡単に倒壊することを回避できる。さらに、エネルギー吸収体120の各面は、面板(外側)122、面板(内側)124、接続板126から構成されており、衝突エネルギーを吸収する過程でこれら3つ板部が崩壊するので、より多くの衝突エネルギーを吸収することができる。これら倒壊を回避する効果とより多くの衝突エネルギーを吸収できる効果は、後述する各実施例にも当てはまる。
また、図4に示すように、エネルギー吸収体120の先端部L1の部位は、中空形材と塞ぎ板130(図示しない。端部塞ぎ板135を含む。)からなるが、エネルギー吸収体120の長手方向の垂直断面積が小さくなる部位とは領域Wで示される一点鎖線で囲まれる範囲を示す。先端部L1の部位は、図示のように上下の各部分では対向する2枚の面板(外側)122と面板(内側)124を接続板126で連結する中空形材から成っているが、左右においてこれら中空形材を互いに連結する部分は設けられていない。衝突時に吸収される衝突エネルギーの大部分は、領域Wの部位に位置するエネルギー吸収体120の圧壊によるもので、塞ぎ板130の崩壊(破損)に伴うエネルギー吸収量は比較的小さい。上述した構成のため、衝突の際に生じるピーク荷重を小さくできるので、エネルギー吸収体120からなる衝突緩和装置100が備えられる鉄道車両構体(例えば、台枠5等)の部位の強度を小さくできるため、構造の簡素化と軽量化を促進することができる。
図5に、この発明による衝突緩和装置の衝突時のピーク荷重の低減効果を示すグラフを示す。鉄道車両が衝突物に衝突した時、本発明による衝突緩和装置100のエネルギー吸収体120は、エネルギー吸収体120の全体ではなく、まず、エネルギー吸収体120の先端部L1の部位のみが、速やかに弾性変形域を経て塑性変形域に移行し圧壊を開始する。一方、エネルギー吸収体120の本体部L2、即ち、図3に示す断面形状が連続的に分布(断面積一定)する従来のエネルギー吸収体と同じ構造を有する部分では、エネルギー吸収体全体が弾性変形域を経たのち圧壊を開始する。このため、本発明によるエネルギー吸収体120のピーク荷重P2は、従来のエネルギー吸収体のピーク荷重P1に比較して、ΔPだけ小さくなる。このピーク荷重の低減効果は、鉄道車両が高速で衝突する際にも発揮されるため、高速で営業運行する鉄道車両にも有益である。
図6(a)、(b)に、この発明の更に別のエネルギー吸収体120の例(上面図)を示す。これらの特徴は、エネルギー吸収体120の長手方向に垂直な断面積が変化する先端部L1を備えている上面形状である。先端部L1の上面形状は、(a)に示すように、エネルギー吸収体120の端面をその軸方向に所定の角度で切り落とした形状であってよいし、(b)に示すように、エネルギー吸収体の先端部L1の幅方向の中央部をその基端部に向けて押し込んだ形態であってもよい。また、図6(a)、(b)に示されるエネルギー吸収体120に、図2に示すように端部塞ぎ板135を備えて、外観形状を直方体に構成しても、この発明の衝突時のピーク荷重を低減できる効果を奏することができる。
図8〜図10に示される第一の実施形態は、先頭車両の中間車両寄りの車端部構造体303a及び中間車両同士の車端部構造体303bに適用されている衝突エネルギー吸収装置301を示している。車端部構造体(特に、303b)には、編成上、車体間での乗り移り用の貫通路303gの両脇側に設けられたスペース303cに運転席303dを備える場合がある。運転者用のスペース303cを形成するため、スペース303cを取り囲むように周囲にはフレーム303fが配置されており、前面には乗務員等を小石等の飛来物から保護するために飛来物遮蔽板303e(ハッチングを付した部分)が配置されている。遮蔽板303eは左右の主板部分を下辺部分で接続して構成されており、下辺部分にはエネルギー吸収部材311,311,312,312が貫通する孔303i,303i,303j,303jが形成されている。車端部構造体303a,303bは、妻構体とほぼ同様な機能を有する。車端部構造体303a,303bは、溶接等の適宜の固定手段によって車体本体の妻部分に取り付けられている。車端部構造体303aを車内側から見た場合、その床面303hは、台枠5上の床面304bと実質的にフラットであって連続した構造となっている。
この例では、衝突緩和装置301は、車体の台枠5の端板304aにおいて車体幅方向の外側に各一つずつ取り付けられた大型のエネルギー吸収体311,311と、車体幅方向の中央寄りに各一つずつが車体幅方向に隔置して取り付けられた小型のエネルギー吸収体312,312を備えている。各エネルギー吸収体311,312は、その長手方向を車体長手方向に沿って延びる態様で配置されている。各エネルギー吸収体311,312の先端部側は、車体全体の長手方向の最も車端側に配置されている。各エネルギー吸収体311,312の基端部側とは、その車体長手方向の中央寄りの位置を指している。更に、エネルギー吸収体311とエネルギー吸収体312とは、車体長手方向に対して交差する方向に並べて配置されている。即ち、エネルギー吸収体311とエネルギー吸収体312とは、車体幅方向に並べて互いにほぼ平行に配置されている。各エネルギー吸収体311,312は、具体的には、各吸収体の中心を各車体間において同じ高さ位置に合わせて、且つ車体幅方向に関して左右対称な位置に配置されている。各エネルギー吸収体311,312は、先端側が端部塞ぎ板135a,135bで覆われているとともに、それらの基端部側に備わる端板135cをボルト・ナット等の固着具313によって台枠5の端板304aに固定することによって車体(台枠5)に取り付けられている。固着具313は、他の形式の締め付け手段でもよく、また溶接で行ってもよい。エネルギー吸収体311,312は、大型のものと小型のものを示したが、これに限らずすべて同型のものでもよく、或いは大型のものと小型のもので車体幅方向の内外で逆に配置してもよく、更には、より多くの異なる型のものを組み合わせてもよいことは明らかである。
図10に示す実施形態において、大型のエネルギー吸収体311は小型のエネルギー吸収体312よりも直径及び長さにおいて大きな寸法を有している。小型のエネルギー吸収体312は、台枠5の端板304aに取り付けたときに、エネルギー吸収体312の先端部が車体の端部(飛来物遮蔽板303eの端面)と略同じ位置を占めるような長さを有している。一方、大型のエネルギー吸収体311は、小型のエネルギー吸収体312よりも長さΔLだけ長い構造となっている。これらエネルギー吸収体311,312は、台枠5の端板304aに取り付けた状態で、図9にそれぞれが重なって示され、また、図10に並べて示すように配置されている。大型のエネルギー吸収体311は、車体の端部から僅か(例えば、100mm程度)に突出している。衝突により、台枠5に大きな衝撃力がかかっても、前記したように台枠5は強固であるので、その荷重に耐えることができる。このように、複数のエネルギー吸収体の圧壊方向先端部は、すべての先端部の位置が異なる必要はないが、軌条車両の長手方向に分散した位置に置かれている。
したがって、衝突時にはその衝撃が車体間に及んで隣り合う車両の車端部構造体303a,303bのそれぞれに対向して衝突エネルギー吸収装置が設けられている場合には、それら衝突緩和装置が作動する。各車体に設置されたエネルギー吸収体311,312のそれぞれの先端位置のずれ(ΔL)によって、隣り合う車両間において、大型のエネルギー吸収体311,311同士が先に衝突して圧壊し始める。その後、僅かな時間差を置いて小型のエネルギー吸収体312,312同士が衝突して、遅れて圧壊が始まる。エネルギー吸収体311,312の圧壊について説明する。例えば、図10に示すエネルギー吸収体311の具体的な圧壊の例が図15(後述する座屈防止材を内蔵した例であるが、圧壊の例として参照)に示されている。衝突発生時の車両の姿勢は軌条が直線状であるか曲線状等であるかによって厳密には同じではないが、隣り合う車両が衝突する場合は車両の長手方向にほぼ沿った方向に衝突すると考えてよい。そうした場合、エネルギー吸収体311,312は、各吸収体311,312を構成する筒状体が軸方向に微小な座屈を繰り返して、軸線を維持しながらほぼ真っ直ぐに潰れる形態で破壊していく。圧壊した後の形態は、例えば、縮んだ蛇腹構造の形態となっている。即ち、エネルギー吸収体311,312は、長さ方向の全体が二つに折れ曲がって、くの字状に座屈する変形、即ち、全体座屈ではなく、蛇腹構造を呈した変形をすることから、衝突エネルギーを十分吸収することができる。
両タイプのエネルギー吸収体311,312の僅かな圧壊開始時期のずれによって、ピーク荷重が分散されるので、衝突エネルギー吸収装置の圧壊ピーク荷重が低減され、車体本体や乗客等への負担を軽減することができる。ピーク荷重の分散の様子が図16に一例としてグラフに示されている。図16に示されているように、従来のエネルギー吸収体の配置では、エネルギー吸収体が複数あっても、先端が揃っているために潰れ開始が同時であり、その結果、圧壊開始当初に非常に高いピーク荷重が発生する(図16の破線のグラフ参照)。これに対して、本実施形態のように、両エネルギー吸収体311,312の長さの違いに起因した先端部の位置の差ΔLに応じた圧壊開始時期のずれによって、ピーク荷重が生じる時期にずれが生じる。その結果、先に作動したエネルギー吸収体311による荷重がピークを付けた後に一端荷重が低下し、その後、後に作動するエネルギー吸収体312による荷重がピークを付ける。一度に両方のエネルギー吸収体311,312が作動するときと比べて、本実施形態では、全体としてのピーク荷重の高さを抑えることができる(図16の実線のグラフ参照)。更に、エネルギー吸収体自身の長手方向の断面積を先端部と本体部(先端部に続く基端部側の部分)において異にすることによって、エネルギー吸収体単体においても、ピーク荷重を低減できる効果を有する。このため、複数のエネルギー吸収体に渡るピーク荷重低減効果と、エネルギー吸収体単体のピーク荷重の低減効果との相乗効果によって、衝突時に鉄道車両に作用するピーク荷重を低減する効果を奏する。上述した構成により、衝突の際に生じるピーク荷重を小さくできるので、エネルギー吸収体311,312からなる衝突緩和装置301が備えられる鉄道車両構体(例えば、台枠など)の部位の強度を小さくできるため、構造の簡素化と軽量化を促進することができる。
図示の例では、エネルギー吸収体311,312は、断面のサイズが異なるが、内部の構造は互いに相似形である。図14を参照して、一つの種類の衝突エネルギー吸収装置を構成するエネルギー吸収体311(312)について説明する。各エネルギー吸収体311(312)は、断面が八角形の中空構造370を有しており、例えばアルミニウム合金の押出し形材で製造されている。即ち、その断面は、八角形の外側壁部371と、外側壁部371と相似形を呈する八角形の内側壁部372と、両壁部371,372の八角形の壁部の頂点部分を連結する複数の径方向壁部373とを有している。内側壁部372内には、断面八角形の内部空間が形成され、外側壁部371と内側壁部372との間には、径方向壁部373で仕切られた断面台形の内部空間が環状に並んで形成されている。各エネルギー吸収体311(312)の八角形の内部空間は空間320,320となっており、座屈防止材316(317)を挿入可能な収容空間となっている。なお、図14に示す例ではエネルギー吸収体311(312)は断面八角形の中空構造370としたが、断面形状についてはこれに限らず、図1から図4に示されるような断面四角筒、円筒等の適宜の中空断面形状とすることができ、内外の筒壁間を複数のリブによって、例えばトラス構造のように、連結して構成することができる。エネルギー吸収体311(312)の外径寸法D1は180〜210mmであり、内側壁部372の内径寸法D2は120mm程度である。
図10に示すように、各エネルギー吸収体311,312の八角形の内側の空間320にはそれぞれ座屈防止材316,317が挿入されている。(ここで、座屈防止材は、エネルギー吸収体の全体座屈を防止する部材であって、全体座屈防止材との意味で用いているが、便宜上、以下、単に「座屈防止材」と記載する。)座屈防止材316,317は、エネルギー吸収体311,312の変形が軸方向に蛇腹状に圧壊していく変形となるように規制する。即ち、座屈防止材316,317をエネルギー吸収体311,312の中に挿入することによって、エネルギー吸収体311,312が変形し始めるときに、中間部分が大きく折れるような変形、即ち、前記全体座屈を生じてエネルギー吸収体としての機能が早期に損なわれるのを抑制している。
座屈防止材316,317は、アルミ合金製の円柱体とすることができ、その長さは適宜選択することができる。アルミ合金製に代えて、繊維強化プラスチック(FRP)のような材料で製造することができる。即ち、座屈防止材316,317は、エネルギー吸収体311,312よりもある程度高い曲げ剛性を持っているが、鉄等の金属製品ほどの曲げ剛性でなくてもよく、エネルギー吸収体311,312が圧壊するときに蛇腹状に潰れていくように規制できる曲げ剛性であればよい。また、座屈防止材316,317は、必要な剛性が得られれば、中実体であっても、内部が空洞になった筒状体であってもよい。更に、図10に示されるエネルギー吸収体311に設けられる座屈防止材316の長さは、エネルギー吸収体312に設けられる座屈防止材317の長さ(エネルギー吸収体312の長さよりも長い)よりも短く設定されているが、これに限ることなく長さについては適宜選択することができる。
図10に示すエネルギー吸収体311において、座屈防止材316は、長さ方向の中間位置に配置されている。エネルギー吸収体311の長さが長くなる場合には、継ぎ板314a,314bを隅肉溶接等の手段によって継ぎ足して(エネルギー吸収体311を継ぎ板314a,314bで多数に仕切る。)設けることができる。エネルギー吸収体311内に設けられる座屈防止材316は端部側の継ぎ板314aと基端部側の継ぎ板314bのいずれか一方に固定されており、継ぎ板314a,314bの他方には座屈防止材316が通ることができるように孔314cが形成されている。座屈防止材316は、内側壁部372及び孔314cとの間で適当な隙間を以って配置されており、エネルギー吸収体311が圧縮されたときには、座屈防止材316がエネルギー吸収体311に対して軸方向に移動し、エネルギー吸収体311を蛇腹状に変形させる。また、座屈防止材316と内側壁部372との隙間は、内側壁部372が内側に蛇腹状に変形する際にその妨げとならない間隔を確保している。即ち、図14に示すように、座屈防止材316(317)と内側壁部372との間には寸法D3で示すように、約15mmの隙間が形成されており、両側で30mmの余裕が設けられている。座屈防止材316の継ぎ板314b側端部は、継ぎ板314bの孔314cに挿入されていても良い。このように座屈防止材316の端部が継ぎ板314bの孔314cに挿入された構造であれば、孔314cが座屈防止材316のガイドとなるため、座屈防止材316がスムーズに車体長手方向に移動することができる。このような構造において、図15に示すように、エネルギー吸収体311に衝突に伴う衝撃が掛った場合、エネルギー吸収体311が座屈変形を始める。そして、エネルギー吸収体311の長手方向中央部分で、くの字状に変形して全体座屈をしようとしても座屈防止材316がその変形を防止して、エネルギー吸収体311の全体を蛇腹状に変形させることができる。なお、図15は、圧壊の様子を示す目的のものであり、ピーク荷重を低減するために圧壊を促進する断面積縮小部(エネルギー吸収装置の先端部L1)についての詳述を省略している。先端部L1は、図15の左手側に位置しており、先端部L1を構成する塞ぎ板130が圧壊する様子を示している。このように、ピーク荷重を低減するために圧壊を促進する断面積縮小部(エネルギー吸収装置の先端部L1)は、座屈防止部材16を併設する形式の衝突緩和装置にも適用できるのは、勿論である。
図10において、エネルギー吸収体312の内側の空間320に1本の座屈防止材317が挿入されており、端部塞ぎ板135bに溶接によって固定されている。座屈防止材317の後端は台枠の端板304aに設けた孔304cを貫通して配置されている。これによって、エネルギー吸収体312に衝撃が掛って座屈変形する際、座屈防止材317は、エネルギー吸収体312に対して軸方向に移動し、エネルギー吸収体312の全体座屈を防止して、蛇腹状の圧壊変形を行わせる。
台枠5の端板304aの孔304cは、エネルギー吸収体311における継ぎ板314bの孔314cと同様に座屈防止材317のガイドとなり、エネルギー吸収体312の蛇腹状の変形を円滑に行わせることができる。また、エネルギー吸収体312の内側壁部372と座屈防止材317との隙間(空間320)は、内側壁部372の蛇腹状の変形を許容する間隔を確保することが望ましい。以上のように座屈防止材317は、それ自体はエネルギーの吸収には殆ど寄与しないが、エネルギー吸収体312を蛇腹状に変形させる機能を備えている。
図10に示す実施例において、各エネルギー吸収体311,312の左手側に、ピーク荷重を低減するために圧壊を促進する断面積縮小部(エネルギー吸収装置の先端部L1)を備えている。このため、車両が衝突して各エネルギー吸収体311,312が衝突緩和装置として機能する際には、まず、エネルギー吸収体311の先端部L1が圧壊を開始した後、エネルギー吸収体312の先端部L1が圧壊を開始し、順次、各エネルギー吸収体311,312の基端部が圧壊する。このように、エネルギー吸収体単体においても、ピーク荷重を低減できる効果を有するだけでなく、複数のエネルギー吸収体の先端位置を分散することによるピーク荷重低減効果と相まって、衝突時に鉄道車両に作用するピーク荷重を低減する効果を奏する。
次に、図11〜図12に基づいて、第二の実施形態として、この発明による衝突エネルギー吸収装置及びそれが適用された軌条車両としての先頭車両について説明する。
先頭車両の先頭部302は前方に凸の曲面状である。先頭車両の後端と中間車両の先端のそれぞれに衝突エネルギー吸収装置301が配置されており、先頭部302には障害物等との衝突の際に発生する衝突エネルギーの一部を吸収する衝突エネルギー吸収装置350が配置されている。先頭車両の先頭部302の最先端部分には、連結器310が設けられている。
図11〜図12に示すように、衝突緩和装置350(350a)は、先頭車両において、車体本体の長さ方向の所定領域としての先頭部302の領域に車体本体の幅方向に隔置して取り付けられている。具体的には、車体の幅方向に左右の両側に同じ構造の衝突緩和装置350a,350bが対称的に配置されている。図示の例では片側のみが示されており他方については図示を省略している。各側の衝突緩和装置350a,350bは、上下二段に構成されている。上下の各段には、それぞれ、先端側に衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収する第1エネルギー吸収体351及び第2エネルギー吸収体352が配置されている。第1エネルギー吸収体51及び第2エネルギー吸収体52は、第一の実施形態の場合と同様に、図14に示すような断面が八角形の中空構造を有する筒状の構造体であり、その筒の軸線が車体長手方向(前後方向且つ走行方向)と平行となる方向に配置されている。したがって、両側の衝突緩和装置350a,350bは、全体として車体先端側に向かって合計4本の第1エネルギー吸収体351と第2エネルギー吸収体352を備えている。
上下二段に構成されている第1エネルギー吸収体351及び第2エネルギー吸収体352は、その圧壊方向の一端側、即ち車体長手方向の中央よりの端部において、共通の支持板358に取り付けられている。両エネルギー吸収体351,352は、支持板358の後方端部(車体長手方向中央寄りの端部)では、1本の共通する第3エネルギー吸収体353に接続されている。第3エネルギー吸収体353は、後方部(車体長手方向中央寄りの端部)で車体本体の構造フレーム354を介して台枠5に連結されている。第1〜第3のエネルギー吸収体351〜353は、後方(車体長手方向の中央側)に配置される吸収体ほど、その断面が大きく構成されている。
共通の支持板358は、周囲端縁が全体として略四角筒状になった案内筒359に固定されている。案内筒359の外周面359aは、車両本体に取り付けられたガイド筒板360の内面側360aに摺動可能に嵌合されている。したがって、衝突時には、まず、第1及び第2エネルギー吸収体351,352が変形して圧壊によって所定のエネルギーを吸収した後に、第3エネルギー吸収体353が変形を開始して、共通の支持板358と共に案内筒359がガイド筒板360に案内されつつ車体後方に向かって移動する。なお、第1及び第2エネルギー吸収体351,352の圧壊によって、衝突によるエネルギーを吸収しきった場合には、第3エネルギー吸収体353は変形しない。第1エネルギー吸収体351及び第2エネルギー吸収体352は、ガイド筒板360の内面側360aによって案内されるので、中間部分(ガイド筒板360の箇所)で座屈することなく、全長に渡って衝突エネルギー吸収作用を発揮させることができる。案内筒359及びガイド筒板360は、この発明におけるスライドガイドを構成している。ガイド筒板360は台枠5(中梁6)の前端において設置されている。ガイド筒板360よりも後方は、運転席である。運転席の前端は飛来物遮蔽板361で覆われている。ガイド筒板360は飛来物防御板361に開いた孔といえる。第1〜第3のエネルギー吸収体351,352,353は、くの字状に全体座屈することなく、衝突エネルギー吸収作用が継続される。
図13に示すように、第1エネルギー吸収体351及び第2エネルギー吸収体352の衝突方向先端位置は、車体端部に配置される衝突緩和装置の場合と同様に、複数の位置にずらされている。即ち、第1及び第2のエネルギー吸収体351,352は衝突方向の長さが僅かに異なっており、共通の支持板358に支持された状態では第1エネルギー吸収体351の先端位置が第2エネルギー吸収体352の先端位置よりも僅かΔLだけ(例えば、100mm程度)前方に位置している。これらの先端位置のずれ(ΔL)によって、先頭車両の衝突時には、第1エネルギー吸収体351が第2エネルギー吸収体352よりも先に圧壊され始める。この僅かな圧壊開始時期のずれによってピーク荷重が分散されるので、エネルギー吸収材351〜352の圧壊ピーク荷重が低減され、車体本体や乗客等への負担を軽減することができる。なお、エネルギー吸収体351〜35の構造については、図8〜図10に示したエネルギー吸収体の構造に倣って構成してもよいことは明らかである。
図13に示す実施例において、各エネルギー吸収体351〜353に衝撃力が作用する。このうち、エネルギー吸収体351と352の先端部には、ピーク荷重を低減するために圧壊を促進する断面積縮小部(塞ぎ板130で覆われたエネルギー吸収装置の先端部L1)が備えられている。このため、車両が衝突して各エネルギー吸収体351,352が衝突緩和装置として機能する際には、まず、エネルギー吸収体352の先端部L1が圧壊を開始した後、エネルギー吸収体351の先端部L1が圧壊を開始し、順次、各エネルギー吸収体352,351の基端部が圧壊する。このように、エネルギー吸収体単体においても、ピーク荷重を低減できる効果を有するだけでなく、エネルギー吸収体の先端位置を分散することによる複数のエネルギー吸収体に渡るピーク荷重低減効果と相まって、衝突時に鉄道車両に作用するピーク荷重を低減する効果を奏する。そして、上述した構成によって、衝突の際に生じるピーク荷重を小さくできるので、エネルギー吸収体351,352からなる衝突緩和装置350が備えられる鉄道車両構体(例えば、車体構造フレームおよび車体構造フレームを支持する台枠)の部位の強度を小さくできるため、構造の簡素化と軽量化を促進することができる。
1:鉄道車両構体 2:屋根構体
3:妻構体 4:側構体
5:台枠 6:中梁
10:サバイバルゾーン 11a,11b:クラッシャブルゾーン
20:開口部 25:運転台
50:飛来物防御版
100,301:衝突緩和装置 120:エネルギー吸収体
122:面板(外側) 124:面板(内側)
126:接続板 130:塞ぎ板
135,135a,135b:端部塞ぎ板
303a,303b:車端部構造体 303c:スペース
303d:運転台 303e:飛来物防御版
303f:フレーム 303g:貫通路
303h:床面 303i,303j:貫通孔
304a:端板 304b:床面
311,312:エネルギー吸収体 313:締結具
316,317:座屈防止材 320:空間
350(350a,350b):衝突緩和装置
351:第1エネルギー吸収体 352:第2エネルギー吸収体
353:第3エネルギー吸収体 354:車体構造フレーム
358:共通の支持板 359:案内筒
360:ガイド筒板 360a:ガイド筒板360の内面側
361:飛来物遮蔽版
371:外側壁部 372:内側壁部
373:径方向壁部

Claims (7)

  1. 衝突時に圧壊することにより衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収体を有する衝突緩和装置を備えた軌条車両において、
    前記エネルギー吸収体は中空構造を内部に有す筒状体であるとともに、その軸方向を前記軌条車両の長手方向に揃えて配置されており、
    前記エネルギー吸収体は、その長手方向の一方の端部が前記軌条車両に固定されており、当該一方の端部から他方の端部に向けて延びていて且つ前記エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が一定の部位を備えており、当該断面積が一定の部位に連続しているとともに前記エネルギー吸収体の他方の端部にまで延びていて且つ前記エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が減少する部位を備えており、
    前記エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が減少する前記部位は、前記エネルギー吸収体の長手方向に垂直な断面積が一定の部位の端部分を幅方向両側で斜めに切り落とし、斜めに切り落とすことで形成された開口部を当該部位に固定される塞ぎ板によって覆うことによって形成されていること、
    を特徴とする衝突緩和装置を備えた軌条車両。
  2. 請求項1に記載の衝突緩和装置を備えた軌条車両において、
    前記エネルギー吸収体を、その圧壊時に生じる圧壊方向への変位を車体に設けられたスライドガイドによって案内したこと、
    を特徴とする衝突緩和装置を備えた軌条車両。
  3. 請求項1又は2に記載の衝突緩和装置を備えた軌条車両において、
    前記エネルギー吸収体は内部に長手方向に延びるスペースが形成された筒状体であり、 前記スペース内に前記エネルギー吸収体の全体座屈を防止する座屈防止材を配置したこと、
    を特徴とする衝突緩和装置を備えた軌条車両。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の衝突緩和装置を備えた軌条車両において、
    前記衝突緩和装置は複数のエネルギー吸収体から成っており、
    前記複数の各エネルギー吸収体は前記軌条車両の長手方向に対して交差する方向に並べて配置されており、
    前記各エネルギー吸収体はその圧壊方向を前記軌条車両の長手方向に揃えて配置されており、
    前記複数のエネルギー吸収体の前記圧壊方向先端部は前記軌条車両の長手方向に分散した位置に置かれていること、
    を特徴とする衝突緩和装置を備えた軌条車両。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の衝突緩和装置を備えた軌条車両において、
    前記衝突緩和装置は、前記軌条車両としての先頭車両又は後尾車両の先頭部、若しくは編成車両の互いに近接する端部領域に、前記筒状体を前記軌条車両の長手方向に軸線を揃えた状態で配置されていること、
    を特徴とする衝突緩和装置を備えた軌条車両。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の衝突緩和装置を備えた軌条車両において、
    前記軌条車両の車体は、車体本体と、該車体本体の車端部に設置される車端部構造体とを備えており、
    前記車端部構造体は、衝突時に圧壊可能であって、前記車体本体の車端部に取外し可能に付設されており、
    前記エネルギー吸収体は前記車端部構造体の床部下方に配置されていること、
    を特徴とする衝突緩和装置を備えた軌条車両。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の衝突緩和装置を備えた軌条車両において、
    前記エネルギー吸収体の前記筒状体は、外側壁部、当該外側壁部の内側に配置される内側壁部、及び前記外側壁部と前記内側壁部とを連結する複数の径方向壁部とを有する押出し形材から構成されていること、
    を特徴とする衝突緩和装置を備えた軌条車両。
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