JP2000052984A - 鉄道車両用衝撃吸収台枠構造 - Google Patents

鉄道車両用衝撃吸収台枠構造

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JP2000052984A
JP2000052984A JP22020898A JP22020898A JP2000052984A JP 2000052984 A JP2000052984 A JP 2000052984A JP 22020898 A JP22020898 A JP 22020898A JP 22020898 A JP22020898 A JP 22020898A JP 2000052984 A JP2000052984 A JP 2000052984A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壊れ易く且つ衝撃エネルギー吸収量の多い構
造を車両台枠の一部に組み込むことにより、衝突時の衝
撃力を緩和し、乗客保護を図ることができ、しかも曲げ
変形防止パネルを併用することで各エネルギー吸収梁の
長さを比較的長くして変形ストロークを大きくした鉄道
車両用衝撃吸収台枠構造の提供。 【解決手段】 鉄道車両用台枠1の前端部に、車両の幅
方向に沿う2つの横梁もしくは端梁21,23が車両の
長手方向に離間して平行に配置され、この横梁もしくは
端梁間に、車両前頭部からの所定値以上の衝撃力の付加
により、壁面座屈して衝撃エネルギーを吸収するエネル
ギー吸収梁61が設けられ、このエネルギー吸収梁の周
側面に沿って補強パネル90が設けられてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、衝突時の衝撃を
緩和する鉄道車両用衝撃吸収台枠構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用台枠は、垂直荷重・車端圧
縮荷重・ねじり荷重等の設計荷重に対して、発生応力を
仕様強度以下に抑えて、塑性変形することがないように
設計されている。しかも、剛性の観点から、それら荷重
作用時の変形が規定範囲内の変位量以下となるように設
計されている。これらは、強度・剛性を中心においた設
計であり、台枠を初めとする車両構体設計時には常識と
なっている。いわゆる「頑丈であれば許される」ところ
の、構造物の古典的な設計思想である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近の車両
仕様、特に低床式連節車両に代表される市内電車等の軽
車両の仕様においては衝突事故に遭遇する可能性が比較
的高いために、従来のような「壊れない」設計ではな
く、衝突等の必要時に「壊れ易い」構造が要求されるよ
うになってきた。これは、従来の「壊れない」構造で
は、衝突時に構体前頭部の破損する程度が少ない反面、
車両は前頭部を破壊することなく急峻な停車ないしは跳
ね返りを起こすために、車内の乗客に作用する加速度・
減速度が極めて大きくなるので、乗客に与えるダメージ
が大きくなる欠点があることを鑑みて提唱されてきたも
のといえる。すなわち、「頑丈なだけ」の構造では、衝
突等の際に、前頭部の構造が壊れにくいために、構造物
の塑性ひずみエネルギーとして吸収できる衝撃エネルギ
ー量が極めて少なくなるので、衝撃を緩衝することはほ
とんど困難であることに起因する。
【0004】本発明は、上記従来構造の衝突時の欠点を
反省し、部分的に「壊れ易い」構造を車両台枠に組み込
むことにより、衝突時の衝撃力を緩和し、乗客保護を図
ることのできる鉄道車両用衝撃吸収台枠構造を提供する
ことを目的とする。しかも、この構造は、後述の理由に
より、所定の垂直荷重・車端圧縮荷重・ねじり荷重・車
端持ち上げ荷重時等に対しては「壊れない」構造である
必要がある。その上、耐衝撃荷重の異なる各種の車両に
対し、容易に対応できるものである必要がある。
【0005】ところで、出願人は先に、上記課題を解決
するため、複数本のエネルギー吸収梁を車両前頭部に直
並列に設けて、衝撃力が付加された場合にはそのエネル
ギー吸収梁が壁面座屈することにより衝撃エネルギーを
吸収する構成の衝撃吸収台枠構造について特許出願を済
ませている(特願平10−108044号)。この構成
の場合、エネルギー吸収量はエネルギー吸収梁の長さす
なわち変形ストロークによって決まる一方、エネルギー
吸収梁の長さをあまり長くすると壁面座屈を起こす前に
折れ曲がり座屈を起こしてしまう不都合がある。このた
め、前記先の出願に係る発明では、比較的短いエネルギ
ー吸収梁を横梁を介して直列に接続することにより変形
ストロークを確保していたが、より簡単な構造で、変形
ストロークを長くできる衝撃吸収台枠構造が要望され
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の鉄道車
両用衝撃吸収台枠構造では、鉄道車両用台枠の前端部
に、車両の幅方向に沿う2つの横梁もしくは端梁が車両
の長手方向に離間して平行に配置され、前記横梁もしく
は端梁間に、車両前頭部からの所定値以上の衝撃力の付
加により、壁面座屈して衝撃エネルギーを吸収するエネ
ルギー吸収梁が設けられ、このエネルギー吸収梁の周側
面に沿って折れ曲がり座屈を防止する為の補強パネルが
設けられてなることを特徴とする。また、好ましくは、
この構成に加えて、前記補強パネルが、アルミハニカム
パネルからなることを特徴とする鉄道車両用衝撃吸収台
枠構造である。さらに好ましくは、この構成に加えて、
前記エネルギー吸収梁は、壁面座屈するきっかけとなる
局部変形が予め付与された部材からなり、この部材が複
数本、前記横梁もしくは端梁間に並列配置されてなるこ
とを特徴とする鉄道車両用衝撃吸収台枠構造である。な
お、本発明は、大型車両や高速車両をも含んだ全ての車
両に適用可能であるが、衝突事故に遭遇する可能性が比
較的高い市内電車として使用され、且つ背が低いため衝
突時の危険性の高い低床式車両に適用すれば、一層効果
的と言える。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の鉄道車両用衝撃吸収台枠
構造は、鉄道車両用台枠の前端部に配置された横梁もし
くは端梁間に、車両長手方向に沿う衝撃エネルギー吸収
梁を複数本、直並列配置結合して設けたことを特徴とす
る。そして、特に、アルミハニカムパネル等からなる補
強パネルをエネルギー吸収梁の上下左右の周側面に沿っ
て設けることにより、エネルギー吸収梁の長さを長くし
ても、エネルギー吸収梁の折れ曲がり座屈を防止しつ
つ、壁面座屈による変形ストロークを長手方向に十分と
れることを特徴とする。このため、本発明によれば、エ
ネルギー吸収梁の長手方向の直列結合が不要或いは著し
く少なくすることができる。エネルギー吸収梁は、金属
あるいは樹脂材料等の適切な剛性と降伏強さ及び展性を
持った材料により構成される。そして、衝突事故時等の
過大な衝撃エネルギーが付加された場合、その衝撃エネ
ルギーは主にそのエネルギー吸収梁の壁面座屈による塑
性ひずみエネルギーにより吸収されることを特徴とす
る。つまり、本発明では、車両前頭部のある範囲を破壊
領域として設定し、わざと「壊れ易い」構造とすること
により、そこから後部を「壊れない」構造で且つ「加速
度・減速度の低い」領域とした。衝撃エネルギーは「壊
れ易い」領域のエネルギー吸収梁が変形するときの塑性
ひずみエネルギーにより吸収されるので、そのひずみエ
ネルギーを大きく取れるような構造にすれば、後部の加
速度・減速度を低く抑えることができるのである。
【0008】一般に物体の塑性変形ひずみエネルギー
は、作用荷重と変形ストロークの積で与えられる。従っ
て、吸収エネルギーを大きくするためには、作用荷重
(一定ではない)か変形ストロークを大きくすればよい
ことになる。しかし、作用荷重を大きくすることは作用
反作用の法則により、後部台枠へ大きな力を伝達してし
まうことになり、後部の保護の観点から不可能である。
特に、瞬間的に大きなピークを持つような作用荷重は後
部に悪影響を及ぼす。そこで、効率的に吸収エネルギー
を大きくするためには、できるだけ均一でしかも後部台
枠の強度臨界値に近い一定の作用荷重に抑えて、大きな
塑性変形ストロークを確保できるような構造を導入する
ことが効果的である。このようなことから、本発明は、
ほぼ一定の作用荷重で大きな塑性変形ストロークを得る
ことができる衝撃エネルギー吸収梁を複数本、直並列に
配置したことを特徴とする台枠構造である。
【0009】ところが、一般に、車両に「衝突時に壊れ
易い」構造を導入する際には、衝突とは別の「壊れては
いけない」荷重条件も同時に満足させなければならない
場合が大半である。すなわち、衝突時に「壊れ易い」こ
とと、別の荷重条件下等では「こわれてはいけない」こ
ととの双方を両立させなければならず、このことが「壊
れ易い」設計を従来から困難にしている。前記「別の荷
重条件」としては、例えば垂直荷重や車端圧縮荷重、ね
じり荷重、或いは脱線復旧時の車端持ち上げ荷重条件が
ある。本発明は、上記衝突時の「壊れ易さ」と、所定の
垂直荷重・車端圧縮荷重・ねじり荷重・車端持ち上げ荷
重時等の「頑丈さ」とを両立させた鉄道車両用衝撃吸収
台枠構造を提供するものである。
【0010】衝撃エネルギー吸収梁は、鋼、ステンレス
鋼、アルミニウム合金、樹脂材料等でできたものであ
り、通常、車両メーカーで製作されるか、又は専門メー
カーから供給される。エネルギー吸収梁は、軸圧縮荷重
作用時にオイラー座屈(折れ曲がり座屈)を起こさず
に、ほぼ一定の軸圧縮荷重下で部材の壁面座屈を繰り返
しつつどんどん圧縮ストロークを発生する特性を持つよ
うに設計されている。すなわち、壁面座屈を繰り返し発
生するのに必要な軸圧縮荷重値が設計上の希望値に等し
くなるように、その断面が決定される。
【0011】また、エネルギー吸収梁は、元長が長いほ
ど圧縮ストロークが長くなるので、圧縮時の塑性ひずみ
エネルギーを大きくとるためには元長を長くすればよい
と考えられる。しかしながら、エネルギー吸収梁は、あ
る長さよりも長くなると、壁面座屈を起こす前に折れ曲
がり座屈を起こしてしまい、一定の作用荷重も長い変形
ストロークもどちらも得られなくなってしまう。そこ
で、本発明では、この折れ曲がり座屈を防止するため
に、アルミハニカムパネル等からなる補強パネルをエネ
ルギー吸収梁の上下左右の周側面に沿って設けてエネル
ギー吸収梁の補強を図った点に特徴を有する。これによ
り、エネルギー吸収梁に折れ曲がり座屈を発生させるこ
となく壁面座屈による軸圧縮変形を起こし続けて、十分
な圧縮ストロークを得ることができる。
【0012】ところで、エネルギー吸収梁を配置する範
囲は、車両衝突時には長手方向に大きく圧縮変形するの
で、「壊れ易い」範囲となる。この「壊れ易い」範囲
は、室内配置の都合上(客室を壊れ易い範囲にはできな
い)通常それほど長くはとれないから、短い長さで吸収
エネルギーを大きくするために、本発明では車幅方向に
エネルギー吸収梁を複数列並列に配置することを特徴と
する。つまり、エネルギー吸収梁を横梁間に並列に複数
列配置することにより、必要な衝撃吸収エネルギーに相
当するだけのひずみエネルギーを確保している。そし
て、各列では、必要があれば、エネルギー吸収梁を長手
方向に直列配置することも可能である。その場合、中間
部に横梁を介して接続すればよい。なお、車両台枠に
は、縦通部材として、エネルギー吸収梁以外に、構体側
面下端に側梁があるが、一般に側梁はチャンネル断面
(開断面)を有しているため、横梁間隔がエネルギー吸
収梁と側梁とで等しい場合、側梁はエネルギー吸収梁よ
りも小さい軸圧縮荷重で折れ曲がり座屈を起こすので、
側梁がエネルギー吸収梁の変形を阻止するようなことに
はならない。
【0013】一方、このエネルギー吸収梁は、衝突とは
別の「壊れてはいけない」荷重条件も同時に満足させな
ければならない。この荷重条件(例えば垂直荷重や所定
の車端圧縮荷重、ねじり荷重、或いは脱線復旧時の車端
持ち上げ荷重条件等)の下では通常、エネルギー吸収梁
に衝突時と同じ方向の軸圧縮力以外に曲げモーメントが
作用する。前者(軸圧縮力)の大きさは、当然衝突時の
軸圧縮荷重よりは小さい。このため、エネルギー吸収梁
の壁面座屈開始軸圧縮力を、「壊れてはいけない」軸圧
縮荷重以上で、且つ「壊れなければならない」軸圧縮荷
重以下に設定することで両方の条件をクリアできる。ま
た、後者(曲げモーメント)に対しては、このエネルギ
ー吸収梁の断面設計の際に、必要十分な曲げ剛性を十分
確保できる。このため、「壊れてはいけない」荷重条件
によって、エネルギー吸収梁に作用する曲げモーメント
による降伏破壊や折れ曲がり座屈は起こらないような断
面形状に設計されている。
【0014】本発明は、以上のように、衝突時の「壊れ
易さ」と、所定の垂直荷重・車端圧縮荷重・ねじり荷重
・車端持ち上げ荷重時等の「頑丈さ」を両立させた構造
を提供するものであり、鉄道車両の前頭部衝突時の乗客
の安全性を向上させるものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の鉄道車両用衝撃吸収台枠構造
について、さらに詳細に説明する。図1は、本発明の台
枠構造の一実施例が適用された鉄道車両用衝撃吸収台枠
1を示し、(a)は平面図、(b)はA−A断面図、
(c)はB−B断面図である。この台枠1は、低床式連
節車両の先頭車両用のものであり、その前端部に本発明
の台枠構造が適用されている。台枠1は、矩形状の台枠
本体部11の前端部に、衝突時に破壊領域として作用す
る衝撃吸収部12が設けられてなる。台枠本体部11
は、前後両端部にそれぞれ横梁(第1横梁21、第2横
梁22)が、車両の幅方向に沿って配置され、この横梁
21,22の各左右両端部同士が、車両の長手方向に沿
って配置される2本の側梁31,31、及び枕梁29を
介して中梁41,41によって連設されてなる。
【0016】台枠本体部11の前端部に左右方向に沿っ
て配置される第1横梁21は、正方形状の断面を持つ部
材とされている。台枠本体部11の後端部に左右方向に
沿って配置される第2横梁22は、断面コ字形状の部材
からなり、その開放部を前方に向けた状態に配置されて
いる。台枠本体部11の左右両端部に前後方向に沿って
配置される側梁31,31は、断面コ字形状の部材から
なり、その開放部を左右方向内側に向けた状態で配置さ
れる。そして、側梁31は、前端部を第1横梁21の後
端面に当接されて固定される一方、後端部を第2横梁2
2のコ字形状溝内に突入されて固定されて設けられる。
【0017】第1横梁21と第2横梁22との中央部に
は、枕梁29が設けられている。枕梁29は、縦断面が
略矩形筒状に形成され、その上下各端面は、前後各端面
よりも僅かに前後方向外側に突出してフランジ29aを
形成されている。そして、枕梁29は、左右両端部を左
右の側梁31,31に固定されて設けられている。第1
横梁21と枕梁29との間、及び枕梁29と第2横梁2
2との間にはそれぞれ、板状の中梁41,41が、左右
の側梁31,31間の中央部に設けられている。中梁4
1は、矩形状の板材42の左右両端部に略Z形状の補助
材43,43が連設されてなる。補助材43は、垂直方
向に沿って配置される中央面43aの上端部43bが、
左右方向外側にL字状に屈曲形成される一方、中央面4
3aの下端部43cが、左右方向内側にL字状に屈曲形
成されてなり、その中央面43aの上下方向中央部が前
記板材42の左右両端縁に固着されてなる。そして、中
梁41は、前後両端部を第1横梁21、第2横梁22又
は枕梁29に接合されて、台枠本体部11の左右方向中
央部に固定されて設けられる。
【0018】このようにして、台枠本体部11には、
(第1、第2)横梁21,22、側梁31,31及び中
梁41,41及び枕梁29によって矩形状の空間部が4
つ形成されることになるが、各空間部には斜め梁51や
補強横梁52が設けられる。図示の例では、台枠本体部
11の左右前部に形成された各空間部は、該空間部の前
端部の左右方向中央部から側梁31又は中梁41に向け
て斜め梁51,51が、後方に行くに従って互いに離間
するよう斜めに架け渡されて設けられると共に、その各
後端部において、側梁31と中梁41とを架け渡すよう
に補助横梁52が設けられている。一方、左右後方に形
成された各空間部は、前後方向中央部に、側梁31と中
梁41とを架け渡すように補助横梁52が設けられてい
る。なお、斜め梁51や補強横梁52は、断面コ字形状
の同一断面形状の部材が使用されている。
【0019】衝撃吸収部12は、台枠本体部11の前端
部に、台形状に形成されている。つまり、図示の例で
は、第1横梁21の前方に、第1横梁21と平行に、第
1横梁21よりもやや短い端梁23が左右方向中央部に
配置されており、その端梁23と第1横梁21の左右両
端部同士が側梁32,32によって連設されてなる。端
梁23は、垂直方向に沿って配置される中央面23aの
上下両端部に、それぞれ前後方向外側に突出してフラン
ジ部23bが形成されると共に、中央面23aの中央部
にも、前方に突出してフランジ部23bが形成されてな
る断面形状を有する部材からなる。一方、側梁32は、
断面コ字形状の部材から形成されている。このようにし
て形成された台形状の衝撃吸収部12には、エネルギー
吸収梁61が仕様に合わせて、適宜の本数、直並列配置
されて設けられる。
【0020】エネルギー吸収梁61としては、例えば図
2に示すようなものが使用される。なお、図2はエネル
ギー吸収梁61を示し、(a)は正面図、(b)は平面
図、(c)はC−C断面図である。また、図3は、衝撃
吸収部12の概略縦断面図であり、(a)は衝撃吸収部
12を左右方向に延びる切断線で切断した縦断面図(D
−D断面図)、(b)は衝撃吸収部12を前後方向に延
びる切断線で切断した縦断面図(E−E断面図)であ
る。エネルギー吸収梁61は、長手方向に圧縮された場
合に、オイラー座屈することなく、壁面が蛇腹状に変形
される壁面座屈を行うものが使用される。このような壁
面座屈を行わせる場合、圧縮初期の1つ目の座屈変形を
与えるのに比較的大きな荷重(最大荷重)を必要とする
反面、一旦1つの座屈が行われた場合には、以後は、波
形に荷重が変化しつつも、前記最大荷重よりも小さな荷
重(材料や断面形状等により異なるが、例えば最大荷重
の1/2`1/3 程度の荷重)で壁面座屈を順次行わせて、蛇
腹変形させることができる。また、予め変形のきっかけ
となる局部変形(トリガー)62を付与しておくと、圧
縮初期の最大荷重の減少を図ることができる。そこで、
この実施例のエネルギー吸収梁61は、断面日型のアル
ミニウム合金の押出部材を用い、その日型部材を予め長
手方向に一旦圧縮することにより、予め1ピッチ分の蛇
腹変形を行ってトリガー62を付与したものが使用され
る。なお、エネルギー吸収梁61のトリガー62の位置
は、その形成過程により、それぞれ僅かに異なるが、ほ
ぼ一定箇所に形成することが可能であり、図示の例で
は、日型部材の一端部付近にトリガー62が形成されて
いる。
【0021】この実施例では、上記エネルギー吸収梁6
1が並列に4つ並べられて使用される。つまり、端梁2
3と第1横梁21との間を架け渡すように、4つのエネ
ルギー吸収梁61が並列に設けられている。各エネルギ
ー吸収梁61は、衝撃吸収部12の左右方向中央部から
左右均等に配置されている。なお、エネルギー吸収梁6
1は、その前後両端部に設けられた板材63,63がボ
ルトによって端梁23又は第1横梁21に固定されて設
けられている。
【0022】エネルギー吸収梁61の壁面座屈に要する
1本当たりの荷重は、材料や断面積、断面形状等により
適宜に設定されるが、例えば図示の例では、1本当たり
12トンに設定されている。一方、台枠1(12)が衝
撃に耐えられる最大荷重は車両等により異なるが、市内
電車では通常、約30〜100トン程度に設定される。
この実施例では、左右方向に離間してエネルギー吸収梁
61を4列、平行に配置することにより、約50トン
(12トン/本×4本=48トン)に設定されている。
つまり、45トンでは壊れないが、50トンでは壊れる
仕様とされている。このように、本発明によれば、エネ
ルギー吸収梁61の本数と直列・並列の配置を変更する
ことにより、台枠1(12)が耐えられる最大衝撃荷重
と、衝突時の衝撃エネルギーを吸収するために必要な塑
性変形ひずみエネルギー(荷重×変形ストローク)とを
調整することができる。つまり、エネルギー吸収梁61
の本数と、直並列の配置とを変更することにより、各種
の車両に対応することができる。
【0023】本発明では、各エネルギー吸収梁61の長
さを長くすることにより、長手方向の十分な変形ストロ
ークを確保している。これにより、エネルギー吸収梁6
1を長手方向に直列接続する本数を削減でき、図示の例
では長手方向には直列接続していない。エネルギー吸収
梁61の長さを長くしたことにより、壁面座屈する前に
折れ曲がり座屈するおそれがでてくるが、本発明では、
エネルギー吸収梁61の周側面に沿って補強パネル90
を配置することにより、折れ曲がり座屈の発生を防止し
ている。この実施例では、補強パネル90は、ハニカム
構造を持ったアルミニウム製の板(アルミハニカムパネ
ル)からなる。これら各補強パネル90は、エネルギー
吸収梁61の長手(前後)方向には比較的弱いが、折れ
曲がりには強い(例えば図3(b)の上板では、一点鎖
線で示すような撓みが生じ難い)構成である。このた
め、補強パネル90をエネルギー吸収梁61の周囲に配
置することにより、エネルギー吸収梁61の径方向の変
位を防止でき、結果としてエネルギー吸収梁61の折れ
曲がり座屈を防止することができる。
【0024】具体的には、エネルギー吸収梁61の左右
の各側面には長手方向(前後方向)に沿って矩形状の補
強パネル90が重ね合わされて設けられており、また、
略台形状の補強パネル90が衝撃吸収部12の上下両端
面を覆うよう設けられることにより、エネルギー吸収梁
61の上下の各側面に補強パネル90が重ね合わされて
配置されることになる。なお、エネルギー吸収梁61の
左右側面に設けられる左右の補強パネル90,90は、
リベット止め又は接着等によって、エネルギー吸収梁6
1に固定されている。また、衝撃吸収部12の上下に配
置されて、エネルギー吸収梁61の上下側面に設けられ
る上下の補強パネル90,90は、その前後両端部が第
1横梁21や端梁23にねじ止めされて固定される。
【0025】なお、この実施例では、エネルギー吸収梁
61として、アルミニウム合金の押出による日型部材を
使用した例を示したが、エネルギー吸収梁61の材料や
形状等は適宜に変更可能である。例えば、エネルギー吸
収梁61の材料は、アルミニウム合金に限らず、鋼、ス
テンレス鋼、樹脂材料等であってもよい。また、エネル
ギー吸収梁61の形状は、長さや断面寸法が変更可能な
ことは勿論、断面形状も日型に限らず、ハット断面等の
他の形状であってもよい。さらに、トリガー62形状
も、適宜に変更可能であり、押し込みやノッチからなる
ものであってもよい。また、エネルギー吸収梁は、左右
方向に並列に配置するだけでなく、前後方向に直列に複
数本接続して使用することも可能であるが、本発明によ
ればエネルギー吸収梁の変形ストロークを比較的長く取
ることができるので、直列接続すべき本数を著しく削減
することができる。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したとおり、この発明の鉄道車
両用衝撃吸収台枠構造によれば、エネルギー吸収梁を車
両用台枠の横梁間に複数本配置したことにより、鉄道車
両の衝突時対策として要求される大きな衝撃吸収エネル
ギーを確保することができる。しかも、エネルギー吸収
梁の周側面に沿って補強パネルを設けたことにより、折
れ曲がり座屈を有効に防止しつつ、エネルギー吸収梁の
長さを比較的長くすることができ、簡単な構造で変形ス
トロークを十分に取ることができる。また、従来構造に
比較して、車両前頭部の衝突時の衝撃エネルギーを著し
く軽減することができるから、乗客の安全性を向上する
ことに役立ち、なおかつ車両通常使用時の荷重条件には
何ら遜色のない台枠構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄道車両用衝撃吸収台枠構造の一実施
例が適用された台枠を示し、(a)は平面図、(b)は
A−A断面図、(c)はB−B断面図である。
【図2】図1の台枠に使用されるエネルギー吸収梁の一
例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は
C−C断面図である。
【図3】図1の台枠の衝撃吸収部の概略縦断面図であ
り、(a)は衝撃吸収部を左右方向に延びる切断線で切
断した縦断面図(D−D断面図)であり、(b)は衝撃
吸収部を前後方向に延びる切断線で切断した縦断面図
(E−E断面図)である。
【符号の説明】
1 鉄道車両用台枠 11 台枠本体部 12 衝撃吸収部 21 第1横梁 23 端梁(第3横梁) 29 枕梁 31 側梁 32 側梁 41 中梁 61 エネルギー吸収梁 62 局部変形(トリガー) 90 補強パネル(アルミニウムハニカムパネル)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両用台枠の前端部に、車両の幅方
    向に沿う2つの横梁もしくは端梁が車両の長手方向に離
    間して平行に配置され、 前記横梁もしくは端梁間に、車両前頭部からの所定値以
    上の衝撃力の付加により、壁面座屈して衝撃エネルギー
    を吸収するエネルギー吸収梁が設けられ、 このエネルギー吸収梁の周側面に沿って補強パネルが設
    けられてなることを特徴とする鉄道車両用衝撃吸収台枠
    構造。
  2. 【請求項2】 前記補強パネルが、アルミハニカムパネ
    ルからなることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用
    衝撃吸収台枠構造。
  3. 【請求項3】 前記エネルギー吸収梁は、壁面座屈する
    きっかけとなる局部変形が予め付与された部材からな
    り、 この部材が複数本、前記横梁もしくは端梁間に並列配置
    されてなることを特徴とする請求項2記載の鉄道車両用
    衝撃吸収台枠構造。
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