JPH11300877A - 金属複合板 - Google Patents

金属複合板

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JPH11300877A
JPH11300877A JP10115302A JP11530298A JPH11300877A JP H11300877 A JPH11300877 A JP H11300877A JP 10115302 A JP10115302 A JP 10115302A JP 11530298 A JP11530298 A JP 11530298A JP H11300877 A JPH11300877 A JP H11300877A
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metal
composite plate
metal composite
adhesive
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JP10115302A
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Katsumi Makino
克己 牧野
Kosuke Haraga
康介 原賀
Tadayoshi Murakami
忠禧 村上
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、軽量化を図りつつ、耐熱性及び耐
火性を向上させることを目的とするものである。 【解決手段】 金属リン酸塩系又はアルカリ金属珪酸塩
系の無機接着剤1と無機混合物2とを含む板状の無機結
合体3の両面に、無機接着剤1の接着力により不燃性の
第1及び第2の金属板4,5を接着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばエレベー
タのかご室パネル、乗場及びかごの戸、建築用パネル、
車両用パネル、船舶用パネル、又は航空機用パネルなど
に使用される金属複合板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特許第2634508号公
報には、エレベータ用成形板として、ステンレス鋼粉、
メラミン樹脂及びセラミック粉の混合物が2枚のアルミ
ニウム薄板の間に介在されているものが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のエ
レベータ用成形板においては、金属薄板間の介在物が主
に不燃性材料で構成されているため、耐熱性及び耐火性
に優れており、かつ軽量化の点でも優れてはいるもの
の、不燃性の金属粉やセラミック粉を成形するためのマ
トリックスとして、メラミン樹脂等の合成樹脂が10〜
20%程度使用されているため、耐熱性及び耐火性には
限界があった。これに対し、今後は、より高いレベルの
耐熱性及び耐火性が要求される傾向にあり、この要求に
対応していくために耐火性及び耐火性をさらに向上させ
る必要があった。
【0004】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、耐熱性及び耐
火性をさらに向上させることができる金属複合板を得る
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る金
属複合板は、金属リン酸塩系又はアルカリ金属珪酸塩系
の無機接着剤を含む板状の無機結合体、及び無機接着剤
により無機結合体の両面に接着されている不燃性の第1
及び第2の金属板を備えたものである。
【0006】請求項2の発明に係る金属複合板は、粒子
状の無機混合物を含む無機結合体を用いたものである。
【0007】請求項3の発明に係る金属複合板は、中空
粒子状の無機混合物を用いたものである。
【0008】請求項4の発明に係る金属複合板は、無機
混合物として、アルミニウム粒子、セラミックバルー
ン、シラスバルーン及びガラスバルーンのうちの少なく
ともいずれか1種の無機物を用いたものである。
【0009】請求項5の発明に係る金属複合板は、無機
繊維を含む無機結合体を用いたものである。
【0010】請求項6の発明に係る金属複合板は、無機
接着剤の水溶液を加熱し脱水させることにより硬化させ
た無機結合体を用い、第1及び第2の金属板の少なくと
もいずれか一方に、排水用の貫通孔を設けたものであ
る。
【0011】請求項7の発明に係る金属複合板は、第1
及び第2の金属板の無機結合体に接触する面に、防錆処
理を施したものである。
【0012】請求項8の発明に係る金属複合板は、無機
結合体に発泡剤による気泡を形成したものである。
【0013】請求項9の発明に係る金属複合板は、無機
接着剤を含み成形硬化された板状の無機成形体を有する
無機結合体を用い、無機成形体の両面に無機接着剤を介
して第1及び第2の金属板を接着したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による金
属複合板の断面図である。図において、無機接着剤1と
無機混合物2とが混合されている板状の無機結合体3の
両面には、無機接着剤1の接着力により不燃性の第1及
び第2の金属板4,5が接着されている。第1の金属板
4には、製造時に排水のために使用される多数の貫通孔
4aが設けられている。
【0015】上記の無機接着剤1としては、金属リン酸
塩系又はアルカリ金属珪酸塩系のものが使用される。具
体的には、例えば金属リン酸塩又はアルカリ金属珪酸塩
の水溶液に無機混合物2を混合し、さらに硬化剤を添加
して、所定の温度に加熱し脱水させることにより、無機
接着剤1が硬化し、成形された無機結合体3が得られ、
硬化時に第1及び第2の金属板4,5が接着される。
【0016】金属リン酸塩の水溶液を使用する場合、硬
化剤として、金属酸化物、金属水酸化物、珪酸塩又は硼
酸塩等が使用される。また、アルカリ金属珪酸塩の水溶
液を使用する場合は、硬化剤として、金属酸化物、金属
水酸化物、珪化物、珪弗化物、リン酸塩又は硼酸塩等が
使用される。
【0017】さらに具体的な例を挙げれば、第一リン酸
アルミニウム塩水溶液又は第一リン酸マグネシウム塩水
溶液を用いた場合の硬化剤として、Al(OH)3(水
和アルミニウム)、CaO・SiO2(ウォラストナイ
ト)、2ZnO・SiCa(ウィレマイト)、CaO・
2Al23(アルミニウム−カルシウム複合酸化物)な
どが使用される。
【0018】無機接着剤1は、上記のような硬化剤を添
加しなくても加熱により硬化するが、硬化剤を用いるこ
とにより、硬化温度を低下させたり、耐水性を向上させ
たりすることができる。
【0019】一方、無機結合体3に含まれる無機混合物
2としては、例えばアルミニウム粒子、セラミックバル
ーン、シラスバルーン(霧島火山の中空火山灰)又はガ
ラスバルーン、若しくはこれらの混合物が使用される。
また、無機混合物2の混合率は、硬化後の無機結合体3
に対して70〜30重量%程度である。
【0020】さらに、第1及び第2の金属板4,5とし
ては、アルミ合金薄板、ステンレス鋼薄板又は鋼板薄板
などが使用される。第1及び第2の金属板4,5の表面
には、表面アルマイト鏡面仕上げ、鏡面仕上げ、カラー
塗装仕上げ、表面アルマイトカラー塗装仕上げなどが必
要に応じて施される。また、例えば第一リン酸アルミニ
ウム塩など、腐食性を有する無機接着剤1を用いる場合
には、第1及び第2の金属板4,5の無機結合体3と接
触する面にアルマイト加工やめっき加工などの防錆加工
が施される。
【0021】次に、上記の金属複合板の製造方法の一例
について説明する。まず、第一リン酸アルミニウム塩水
溶液にアルミニウム粒子を混合し、さらに硬化剤を添加
して、80〜120℃の温度で加熱しある程度まで乾燥
させることにより、粘着性を有するシート状の未成形物
を製造する。次に、この未成形物の両面に第1及び第2
の金属板4,5、例えばアルミニウム合金薄板を接合す
る。このとき、第1の金属板4には、直径0.5〜3m
m程度の多数の貫通孔4aを予め設けておく。また、ア
ルミニウム合金薄板の両面には、アルマイト加工を施し
ておく。
【0022】このような積層体を加圧成形するととも
に、120〜200℃の温度で養生させる。これによ
り、貫通孔4aから水分が抜け、無機接着剤1の脱水硬
化がさらに進行し、無機結合体3の両面に第1及び第2
の金属板4,5が強固に接着される。この後、全体を冷
却することにより、金属複合板が出来上がる。
【0023】このような金属複合板では、有機材料を使
用することなく、無機結合体3の両面に第1及び第2の
金属板4,5を強固に接着することができるため、耐熱
性及び耐火性を著しく向上させることができ、また加熱
加圧成形時に有機ガスが発生するのを防止でき、さらに
経年劣化を防止して長寿命化を図ることができる。さら
に、防音性及び機械強度も向上させることができる。
【0024】また、無機結合体3には無機混合物2が混
合されているので、無機混合物2の種類や混合率を適宜
選択することにより、全体の軽量化を図ることができる
とともに、全体を安価に構成することができ、また脱水
硬化による無機結合体3の収縮率を低下させることがで
きる。
【0025】さらに、第1の金属板4に貫通孔4aを設
けたことにより、無機接着剤1の脱水硬化をスムーズに
進行させることができる。さらにまた、第1及び第2の
金属板4,5にアルマイト加工等の防錆加工を施したの
で、第1及び第2の金属板4,5の腐食を防止して、長
寿命化を図ることができる。
【0026】なお、実施の形態1では第1の金属板4の
みに貫通孔4aを設けたが、第1及び第2の金属板4,
5の両方に設けてもよい。
【0027】実施の形態2.また、無機結合体3に混合
される無機混合物2として、例えば図2に示すように、
中空粒子状のセラミックバルーンやシラスバルーンなど
を用いることにより、全体をさらに軽量化することがで
きる。
【0028】実施の形態3.さらに、図3に示すよう
に、無機混合物2を混合せずに、無機接着剤1のみによ
り無機結合体3を構成することも可能である。
【0029】実施の形態4.次に、図4はこの発明の実
施の形態4による金属複合板の断面図である。この例で
は、金属リン酸塩の水溶液、又はアルカリ金属珪酸塩の
水溶液に、無機混合物2を混合し、さらに硬化剤及び発
泡剤を添加して、無機結合体3を加熱硬化させたもので
あり、無機結合体3内には発泡剤による多数の気泡6が
形成されている。これにより、全体がさらに軽量化され
ている。
【0030】実施の形態5.次に、図5はこの発明の実
施の形態5による金属複合板の断面図である。この例で
は、無機接着剤1と無機混合物2とを有し予め所定の形
状に成形硬化された板状の無機成形体7と、この無機成
形体7の両面の無機接着剤1aとにより無機結合体3が
構成されており、無機成形体7の両面の無機接着剤1a
により第1及び第2の金属板4,5が無機結合体3に接
着されている。また、第1及び第2の金属板4,5の両
方に貫通孔4a,5aが設けられている。
【0031】このような金属複合板では、無機成形体7
を予め成形しておくことができるため、金属板4,5を
接合した後の全体としての厚さの収縮を小さくすること
ができ、製品寸法を安定させることができる。
【0032】実施の形態6.次に、図6はこの発明の実
施の形態6による金属複合板の断面図である。この例で
は、無機結合体3が無機接着剤1、無機混合物2及び無
機繊維8を含んでいるものである。無機繊維8として
は、ガラス繊維等が使用される。このような金属複合板
では、無機結合体3に無機繊維8が含まれているため、
機械的な強度をさらに向上させることができる。
【0033】なお、無機繊維8は、単に無機結合体3内
に混合しても、また無機フェルトに無機接着剤1を含浸
させるような方法で混合してもよい。
【0034】次に、図7はこの発明の金属複合板を用い
たエレベータのかご室パネルの断面図である。図におい
て、所定の形状に成形された金属複合板11の裏面に
は、不燃性金属からなる補強部材12が無機接着剤1を
介して強固に接着されている。ここで使用されている無
機接着剤1は、上記の実施の形態1〜6で示したものと
同様のものである。
【0035】また、図8はこの発明の金属複合板を用い
た車両用パネルの断面図である。それぞれ所定の形状に
成形された金属複合板13,14の間には、不燃性金属
からなる複数の補強部材15が介在されており、これに
より金属複合板13,14間には空間部16が形成され
ている。金属複合板13,14と補強部材15とは、無
機接着剤1により強固に接着されている。
【0036】図7及び図8に示したように、この発明の
金属複合板をパネルの基材として用い、不燃性の金属か
らなる補強部材12,15を無機接着剤1で接着するこ
とにより、パネル全体の耐熱性及び耐火性を著しく向上
させることができる。また、補強部材12,15を用い
ることにより、パネル全体として大幅な軽量化を図るこ
とができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
金属複合板は、金属リン酸塩系又はアルカリ金属珪酸塩
系の無機接着剤を含む板状の無機結合体、及び無機接着
剤により無機結合体の両面に接着されている不燃性の第
1及び第2の金属板を備えたので、有機材料を使用する
ことなく、無機結合体の両面に第1及び第2の金属板を
強固に接着することができ、耐熱性及び耐火性を著しく
向上させることができ、また加熱加圧成形時に有機ガス
が発生するのを防止でき、さらに経年劣化を防止して長
寿命化を図ることができる。さらに、防音性及び機械強
度も向上させることができる。
【0038】請求項2の発明の金属複合板は、粒子状の
無機混合物を含む無機結合体を用いたので、無機混合物
の種類及び混合率を適宜選択することにより、全体の軽
量化を図ることができる。また、製造時の収縮率を低下
させることができる。
【0039】請求項3の発明の金属複合板は、中空粒子
状の無機混合物を用いたので、全体をさらに軽量化する
ことができる。
【0040】請求項4の発明の金属複合板は、無機混合
物として、アルミニウム粒子、セラミックバルーン、シ
ラスバルーン及びガラスバルーンのうちの少なくともい
ずれか1種の無機物を用いたので、全体を軽量化するこ
とができるとともに、安価に構成することができる。
【0041】請求項5の発明の金属複合板は、無機繊維
を含む無機結合体を用いたので、機械的な強度を向上さ
せることができる。
【0042】請求項6の発明の金属複合板は、無機接着
剤の水溶液を加熱し脱水させることにより硬化させた無
機結合体を用い、第1及び第2の金属板の少なくともい
ずれか一方に、排水用の貫通孔を設けたので、無機結合
体に金属板を容易に接着させることができるとともに、
所定の形状に容易に成形することができる。
【0043】請求項7の発明の金属複合板は、第1及び
第2の金属板の無機結合体に接触する面に防錆処理を施
したので、腐食性を有する無機接着剤を使用する場合に
第1及び第2の金属板の腐食を防止することができ、複
合板全体としての長寿命化を図ることができる。
【0044】請求項8の発明の金属複合板は、無機結合
体に発泡剤による気泡を形成したので、全体をさらに軽
量化することができる。
【0045】請求項9の発明の金属複合板は、無機接着
剤を含み成形硬化された板状の無機成形体を有する無機
結合体を用い、無機成形体の両面に無機接着剤を介して
第1及び第2の金属板を接着したので、金属板を接合し
た後の全体としての厚さの収縮を小さくすることがで
き、製品寸法を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による金属複合板の
断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による金属複合板の
断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による金属複合板の
断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態4による金属複合板の
断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態5による金属複合板の
断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態6による金属複合板の
断面図である。
【図7】 この発明の金属複合板を用いたエレベータの
かご室パネルの断面図である。
【図8】 この発明の金属複合板を用いた車両用パネル
の断面図である。
【符号の説明】
1,1a 無機接着剤、2 無機混合物、3.無機結合
体、4 第1の金属板、4a,5a 貫通孔、5 第2
の金属板、7 無機成形体、8 無機繊維。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属リン酸塩系又はアルカリ金属珪酸塩
    系の無機接着剤を含む板状の無機結合体、及び上記無機
    接着剤により上記無機結合体の両面に接着されている不
    燃性の第1及び第2の金属板を備えていることを特徴と
    する金属複合板。
  2. 【請求項2】 無機結合体は、粒子状の無機混合物を含
    むことを特徴とする請求項1記載の金属複合板。
  3. 【請求項3】 無機混合物は、中空粒子状であることを
    特徴とする請求項2記載の金属複合板。
  4. 【請求項4】 無機混合物は、アルミニウム粒子、セラ
    ミックバルーン、シラスバルーン及びガラスバルーンの
    うちの少なくともいずれか1種の無機物を含むことを特
    徴とする請求項2又は請求項3に記載の金属複合板。
  5. 【請求項5】 無機結合体は、無機繊維を含むことを特
    徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の金
    属複合板。
  6. 【請求項6】 無機結合体は、無機接着剤の水溶液を加
    熱し脱水させることにより硬化されており、第1及び第
    2の金属板の少なくともいずれか一方には、排水用の貫
    通孔が設けられていることを特徴とする請求項1ないし
    請求項5のいずれかに記載の金属複合板。
  7. 【請求項7】 第1及び第2の金属板の無機結合体に接
    触する面に、防錆処理が施されていることを特徴とする
    請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の金属複合
    板。
  8. 【請求項8】 無機結合体には、発泡剤による気泡が形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7
    のいずれかに記載の金属複合板。
  9. 【請求項9】 無機結合体は、無機接着剤を含み成形硬
    化された板状の無機成形体を有し、上記無機成形体の両
    面に無機接着剤を介して第1及び第2の金属板が接着さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のい
    ずれかに記載の金属複合板。
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