JPH11299442A - 機能性オカラ乳の製造方法 - Google Patents
機能性オカラ乳の製造方法Info
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- JPH11299442A JPH11299442A JP11040481A JP4048199A JPH11299442A JP H11299442 A JPH11299442 A JP H11299442A JP 11040481 A JP11040481 A JP 11040481A JP 4048199 A JP4048199 A JP 4048199A JP H11299442 A JPH11299442 A JP H11299442A
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Abstract
などの大豆食品の製造工程で大量に排出される豆粕(オ
カラ)の有効利用を計り、美味しく機能性に優れた豆乳
(機能性オカラ乳)を高い経済性のもとに、廃棄物を生
成することなく製造する。 【解決手段】豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過
程において生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊
酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加えな
がら酵素反応を施して、食物繊維を多く含む機能性オカ
ラ乳を製造する。また、前記植物組織崩壊酵素反応を施
し、蛋白架橋結合酵素を添加して酵素反応を施すことも
好ましい。さらに、得られた機能性オカラ乳に豆乳を加
配混合することも好ましい。オカラに代えて、生呉又は
煮呉に対して、同様の酵素反応と機械的微粉砕処理を同
時に施すこともできる。
Description
優れた食品である豆腐、豆乳などの大豆食品の製造工程
で大量に排出される豆粕(オカラ)の有効利用を計り、
美味しく機能性に優れた豆乳(機能性オカラ乳)を高い
経済性のもとに、廃棄物を生成することなく製造する発
明の提供に関するものである。
豆腐、豆乳などの大豆食品の製造過程では副産物として
大量の豆粕(オカラ)が排出される。このオカラの廃棄
処分は、大きな環境問題と経済問題を抱え深刻なものと
なっており、オカラの種々な分野への利用が検討されて
いる。そこで、オカラを廃棄せずに豆腐原料として利用
する発明も提案されている(例えば、特開平5−376
1号公報)が、同発明では製造工程が複雑で工程数が多
く、冷凍保存、使用時の解凍工程を必要とし、長時間及
び高コストを要する等の問題がある。このほかの酵素処
理によるもの、又は微粉末化処理によるもの、これ等を
併用するものなど数多くの豆腐の製造方法があるが、得
られる製品の食味、食感、香味、色沢、粘弾性が劣って
いて、実用化及び商業的ベースでの普及性がない。その
他、オカラの利用については、種々の分野で提案がなさ
れているが、いずれも実用性に乏しいものが多い。本発
明は豆腐製造時の副産物として大量に生成するオカラ廃
棄物を廃棄しないで有効利用し、併せて保健性の高い機
能性オカラ乳を製造しようとするものである。
するもので、下記構成の機能性オカラ乳の製造方法であ
る。なお、本発明明細書で用いる用語としての、「丸大
豆」は皮付き全粒の大豆を意味し、「皮むき大豆」は丸
大豆を脱皮、脱胚軸したものを意味し、「粉末大豆」は
前記各大豆を粉砕して得られたものを意味する。また、
「機能性オカラ乳」はオカラを含む原料に液中で機械的
微粉砕処理を加えながら酵素反応処理して得られた豆乳
を意味し、「機能性全オカラ乳」は機能性オカラ乳に大
豆食品の製造過程で生成する豆乳を加配混合したものを
意味し、さらに「機能性豆腐」はこれらの機能性オカラ
乳を使用して製造された豆腐を意味する。 (1)豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過程にお
いて生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊酵素を
添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加えながら酵
素反応を施し、食物繊維を多く含む機能性オカラ乳を生
成することを特徴とする機能性オカラ乳の製造方法。 (2)豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過程にお
いて生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊酵素を
添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加えながら酵
素反応を施し、次いで蛋白架橋結合酵素を添加して酵素
反応を施して、食物繊維を多く含む機能性オカラ乳を生
成することを特徴とする機能性オカラ乳の製造方法。 (3)豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過程にお
いて生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊酵素と
蛋白分解酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理
を加えながら酵素反応を施して、食物繊維を多く含む機
能性オカラ乳を生成することを特徴とする機能性オカラ
乳の製造方法。 (4)豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過程にお
いて生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊酵素と
蛋白分解酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理
を加えながら酵素反応を施した後、蛋白架橋結合酵素を
添加して酵素反応を施して、食物繊維を多く含む機能性
オカラ乳を生成することを特徴とする機能性オカラ乳の
製造方法。
する過程において生成するオカラに対して、水と植物組
織崩壊酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を
加えながら酵素反応を施した後、次いで前記大豆食品の
製造過程で生成する豆乳と蛋白架橋結合酵素を添加混合
して酵素反応を施して、食物繊維を多く含む機能性全オ
カラ乳を生成することを特徴とする機能性オカラ乳の製
造方法。 (6)豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過程にお
いて生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊酵素を
添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加えながら酵
素反応を施し、次いで蛋白架橋結合酵素を添加して酵素
反応を施した後、それに前記大豆食品の製造過程で生成
する豆乳を添加混合して、食物繊維を多く含む機能性全
オカラ乳を生成することを特徴とする機能性オカラ乳の
製造方法。 (7)大豆に水浸漬工程、磨砕工程及び加熱工程を順次
施して、煮呉を得た後、該煮呉に対して、前項1〜4の
いずれか1項に記載の酵素反応を施す、すなわち煮呉
に、 .植物組織崩壊酵素を添加し、これに液中で機械的微
粉砕処理を加えながら酵素反応を施すか、.植物組織
崩壊酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加
えながら酵素反応を施し、次いで蛋白架橋結合酵素を添
加して酵素反応を施すか、.植物組織崩壊酵素と蛋白
分解酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加
えながら酵素反応を施すか、、植物組織崩壊酵素と蛋
白分解酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を
加えながら酵素反応を施した後、蛋白架橋結合酵素を添
加して酵素反応を施すか、することを特徴とする機能性
オカラ乳の製造方法。 (8)前項(7項)の酵素反応及び機械的微粉砕処理
を、前項の煮呉に代えて、大豆に水浸漬工程、磨砕工程
を施して得られた呉汁(生呉)に対して適用し、必要に
応じて加熱、冷却することを特徴とする機能性オカラ乳
の製造方法。
素の添加量が0.1〜1.0重量%、反応温度が20〜
60℃、反応時間は30〜90分であり、(2)蛋白架
橋結合酵素の添加量が、0.1〜2.0重量%、酵素反
応温度が20℃〜50℃、酵素反応時間は70〜10分
間であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項
に記載の機能性オカラ乳の製造方法。 (10)機械的微粉砕処理が、オカラを100μm以下
に微粉砕するものであることを特徴とする前項1〜9の
いずれか1項に記載の機能性オカラ乳の製造方法。 (11)機械的微粉砕処理が、コロイドミルを用いて行
われることを特徴とする前項10に記載の機能性オカラ
乳の製造方法。 (12)蛋白架橋結合酵素が、トランスグルタミナーゼ
であることを特徴とする前項2,4〜11のいずれか1
項に記載の機能性オカラ乳の製造方法。 (13)植物組織崩壊酵素が、ペクチン、プロトペクチ
ン、ヘミセルロース、又はセルロースから選ばれる1種
又は2種以上を低分子に分解・溶解する酵素であること
を特徴とする前項1〜12のいずれか1項に記載の機能
性オカラ乳の製造方法。 (14)前項1〜13のいずれか1項に記載のオカラと
水と各種酵素の原料混合物を収容する原料液収容タンク
とオカラを100μm以下に微粉砕する液中微粉砕処理
装置を備えてなり、かつ前記液中微粉砕処理装置はオカ
ラの微粉砕処理と酵素反応が同時に施される構造のもの
であることを特徴とする機能性オカラ乳製造装置。 (15)前項1〜13のいずれか1項に記載のオカラ、
水、各種酵素及び豆乳の原料混合物を収容する原料液収
容タンクとオカラを100μm以下に微粉砕する液中微
粉砕処理装置とを備えてなり、かつ前記液中微粉砕処理
装置はオカラの微粉砕処理と酵素反応が同時に施される
構造のものであることを特徴とする機能性オカラ乳製造
装置。 (16)液中微粉砕処理装置が原料液収容タンクの出口
に連接されて設けられたコロイドミルであることを特徴
とする前項14又は15に記載の機能性オカラ乳製造装
置。
って説明する。本発明の実施の形態としては、図3に示
す固液分離方式と図4に示す煮呉方式と、さらに図5に
示す生呉方式の3種類があり、以下の実施例1〜4,7
〜9は固液分離方式を、実施例5,6、10は煮呉方式
を、実施例11は生呉方式を採用するものである。な
お、本発明方法で使用される「植物組織崩壊酵素」(植
物細胞壁分解酵素と同義)は、植物繊維組織を低分子の
繊維に分解する公知の酵素であって、オカラに含まれる
セルロース、ヘミセルロース、分岐したペクチン質など
の分子構造の長い不溶性植物繊維を低分子のものに分解
する酵素であるペクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラ
ーゼ等である。丸大豆は多くの細胞によって形式されて
いるが、.種実の外皮は、ペクチンとヘミセルロース
で構成されており、その硬い外皮(ペクチン+ヘミセル
ロースの複合体)は、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼに
よって分解され、.内皮は、セルロースが多く粗繊維
で、子葉は硬い組織で多数の細胞で形式されており、各
細胞はプロトペクチンで相互に接着されている。このペ
クチン質によって構成されている細胞中層に沿ってペク
チナーゼ、ヘミセルラーゼが細胞をバラバラに単細胞化
して露出させ、内皮と細胞壁をセルラーゼによって分解
し、内容物も分離することができる。また、植物崩壊酵
素は、プロテアーゼ、リパーゼなどを微量に夾雑含有し
ており、不溶解物中に存在する微塵(みじん)と呼ばれ
る不溶解性の蛋白を分解して食感を良くし、細胞膜も分
解して内部の蛋白質も可溶性の蛋白質となして、機能性
オカラ乳や機能性豆腐の成分として有効利用することが
できる。
ラ乳、機能性全オカラ乳)の製造では、プロテアーゼを
加えて蛋白質を分解し、食味の向上を計ることができ
る。なお、分離した蛋白粒は粒径約5μmで、105
℃、5分間の加熱によって生の蛋白質のサブユニットが
ほぐれて蛋白質が絡み合ってSS結合し、それに凝固剤
を加えて加熱凝固させると豆腐ができる。
質、ペプチドに作用して、ペプチド結合の加水分解を触
媒する酵素であり、逆反応(ペプチド合成)のプラステ
イン反応も触媒する。プロテアーゼは、その作用からエ
ンドペクチナーゼ(プロテイスナーゼ)とエキソペプチ
ダーゼ(ペプチダーゼ)の2種類に大別することができ
る。エンドペプチダーゼは蛋白質、ポリペプチドに作用
して大まかに分解し、低分子ペプチドを生成する酵素を
いう。エキソペプチダーゼはペプチドに作用して、アミ
ノ酸を生成する。日本では古くから味噌、醤油、清酒醸
造に麹菌の生産するプロテアーゼが利用され、その中の
エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼをその目的に
応じて使い分けされている。プロテアーゼには、パパイ
ン、プロラインなどの植物起源のもの、パンクレアチ
ン、レンニンなどの動物起源のもの、及び微生物(か
び、細菌、酵母)起源のものがある。動植物起源の酵素
については、酵素生産を目的として動物が飼育栽培され
ていないため、今後は安定かつ安価な微生物起源のプロ
テアーゼに期待される。
グルタミナーゼが挙げられ、微粉砕処理したオカラ自体
の結着とオカラと他の食材をも結着することができ、蛋
白を共有結合の形成で架橋重合させる機能をもってい
る。その結果、蛋白のネットワークが強化されて、良好
な食感(コシ=粘り+弾力を付加する)を与えると共に
優れた保水性を付与し、大豆臭、オカラ臭もマスキング
する効果を発揮する。この蛋白架橋結合酵素、トランス
グルタミナーゼは、蛋白質やペプチド中のアミノ酸であ
る「グルタミン」残基と「リジン」残基を強力に架橋結
合“G−L結合”する反応を触媒する酵素であり、製品
としては微生物由来のもの、モルモット等哺乳動物由来
のもの、魚類由来のもの、ジーンクローニングによって
得られるもの等があるが、特に微生物由来のものが経済
的に好ましく使用される。なお、アミラーゼは糖質を分
解して液化、糖化を進め、食味を向上する。
機械的微粉砕処理(液中微粉砕処理)を付加することに
より、固形物オカラの表面積の増大とそれに伴う酵素と
の接触面積の増大によって、酵素反応効率を格段に高め
て反応時間を大幅に短縮させ、かつ固形物オカラ組織の
微細化による製品(機能性オカラ乳)の食感の優良化が
はかられる。液中微粉砕処理装置としては、回転円筒式
ミル(ポットミル、チューブミル、コニカルミル等の転
動タイプのミル)、振動ボールミル(粉砕容器を高速で
振動し、容器内のボール同志を衝突させる方式のボール
ミル)、遠心式ボールミル(粉砕容器に自転と公転を与
え、容器内のボールに遠心力を加えて、ボールと容器壁
との間に摩擦力を生じさせる方式のボールミル:例えば
遊星ボールミル、ハイスウィングミル、プラネタリーミ
ル)、媒体撹拌式ミル(粉砕容器内に挿入したアジテー
タを高速で回転させることによって、容器内のボールを
激しく撹拌し、ボール間に剪断摩擦力を生じさせる方式
のミル)、コロイドミル(高速に回転するローターとケ
ーシングの間でスラリーに剪断力を与える方式のミル)
等が挙げられるが、本発明で特に好ましく採用されるミ
ルは、分散能力が高く、砕料を均等サイズに微粉砕でき
るコロイドミルである。
物オカラに対して液中で機械的微粉砕処理と酵素反応処
理とを同時に施す装置(以下、「バイオミルリアクタ
ー」という)は、図1にその一部断面正面図を示すもの
であり、同バイオミルリアクターを使用して、オカラに
機械的磨砕力と酵素反応を同時に付与することができ
る。図1において、1はバイオミルリアクター、2は原
料液収容タンク、3はタンク2の下底部の出口に連接し
て設けられたコロイドミル、4はコロイドミル3から導
出される処理済液(スラリー)の導出管路、5はスラリ
ー導出管路4の途中に分岐して設けられたスラリー排出
管、6は開閉バルブ、7は導出管路4の末端に設けられ
たタンク2へのスラリー供給口、8は冷却管、9はモー
ター、10は機枠である。そして、本バイオミルリアク
ター装置1の要部(A)のコロイドミル3の詳細構造
は、図2にその一部断面拡大正面図を示すもので、円錐
台型の内部空間を有するステータ31とその内部に僅か
な間隙33(通常100μm以下)を隔てて回転自在に
配設された円錐台型のロータ32とを備え、かつロータ
32の表面には、傾斜、例えば約60°に配設された、
曲率半径の大きな突条刃321が突設されており、また
ロータ32の上部には複数のスクリュー323と下部に
も複数のスクリュー323’が突設されている。前記ス
テーター31の内壁面は平滑面でもよいが、小さな多数
の凹凸面を設けた粗面であることも好ましい。また、ス
テータの内壁面には、突条刃321に交叉する方向の突
条刃を設けることも好ましく、それにより一層剪断作用
が高められる。なお、ロータ32は下方に配置されたモ
ーター9のシャフト91により一定方向(矢印方向)に
回転され、上部のタンク2中の酵素とオカラの混合液を
下方に吸引して導入する。そして、傾斜した多数の突条
刃321・・・間に形成される湾曲した長溝322・・
により、前記混合液は吸引され、ステータ31とロータ
32の突条刃321との間の僅かな間隙部を介してオカ
ラが磨砕され機械的に微粉砕(通常100μm以下に)
される。さらに本発明では、ロータ32の下部に設けた
複数のスクリュー323’で微粉砕処理されたスラリー
を導出管路4側へ吸引供給している。この場合、ロータ
32は円錐台型のため、回転と同時にロータ32の上下
で遠心力に差が生じ、突条刃321が一種のプロペラの
作用をなし、スラリーを下方へ導出することができる。
また、その下部に設けた複数のスクリュー323’によ
って、そのスラリーの流動を加速することができる。
記スクリュー323’・・を設けずとも、スラリーの導
出管路4の途中に液体ポンプを設けて、タンク2中の混
合液をコロイドミル3に吸引供給することもできる。冷
却管8は、導出管路4の周囲に二重管として配設されて
おり、導出管路4中のスラリーの温度コントロールをす
る。なお、81は水又は温水等の熱媒体導入部、82は
その導出部であり、スラリーの液温が低い場合は、温水
等の熱媒体を流通させて加温することもできる。なお、
本発明では、冷却管8を導出管路4上に設けたが、冷却
器を前記タンク2の内部に、あるいは外周面に接触させ
て(ジャケットとして)設けてもよい。
を分岐させ、その分岐部に開閉バルブ6を設けてあり、
一定時間反応が完了した時点で、バルブ6を開き前記ス
クリュー323’又は前記ポンプを作動させることによ
り、スラリーを管路外に取り出すことができる。なお、
開閉バルブ6は、手動開閉式であってもよく、また電磁
開閉式を採用してもよい。
略説明する。原料液収容タンク2は、例えば厚さ1.5
mmのSUS304材にて、外径が1m、高さが1mで
上部を上方が解放した円筒状で下部が逆円錐状に形成し
たものである。なおその材質、容量は限定されなく、通
常、同タンク中部には任意形状の撹拌器が設置される。
また、コロイドミル3のステータ31及びロータ32は
強度及び硬度の高い材料(金属、セラミックス等)で構
成され、さらに導出管路4の導管は、金属又は合成樹脂
で構成される。以上の構成のバイオミルリアクターのタ
ンク2に、例えばまず、13kgのオカラを投入し、ま
た同量の水を加え撹拌器を回転させながら、タンク2中
に配設されたヒータ(図示せず)又は冷却エレメント
(図示せず)あるいは冷却管により、若しくはタンク内
に冷水又は温水を供給してタンク2内の混合液を適温に
温度調整し、植物組織崩壊酵素130gを添加する。そ
の結果、タンク2内でオカラと水と酵素類が混合されて
混合液が生成され、下方のコロイドミル3へ送られる。
前記磨砕部(ステータ31面とロータ32面の対面部)
において、固形物オカラが微粉砕されて、突条刃321
(一種のプロペラ)の推力によりコロイドミル3を通り
抜ける。コロイドミル3を通り抜けたスラリー(オカラ
混合液)は、導出管路4を経て冷却管8で液温45℃前
後に冷却され、さらにスラリー供給口7から再びタンク
2に循環供給される。本装置を約45分間稼働して植物
組織崩壊酵素反応(一次酵素反応)を施した後、蛋白架
橋結合酵素(トランスグルタミナーゼ:例えば「アクテ
ィバTG−M」(商品名:味の素社製のトランスグルタ
ミナーゼ)143gを添加して約45℃の温度で15分
間撹拌を繰り返し、蛋白架橋結合酵素反応(二次酵素反
応)を施して蛋白を架橋結合した、固形物粒度が約50
〜100μmの機能性オカラ乳26,000mlを製造
した。
置を使用することにより、固形物オカラの微粉砕と酵素
分解反応を同時に行うことによって、オカラの表面積が
増大され、かつオカラ粒に常に活性な界面が生成される
ため、酵素反応が幾何級数的に促進される。その結果、
短時間で固形物オカラが微細化され、食物繊維を多く含
む機能性オカラ乳が得られることとなる。
バイオリアクターを用いる場合、通常のオカラのpHは
6.8であるため、植物組織崩壊酵素を用いて酵素反応
を行うときは、その反応に適当なpH4.0に調整する
ための酸(クエン酸、乳酸等)を加えなければならな
く、またその酵素反応を終えるとアルカリ(例えば炭酸
水素ナトリウム)を加えて元のpHに戻す工程の付加が
必要となり、そうしたpH調整作業とそれに伴う味覚の
劣化等の問題がある。しかしながら、本装置を用いれば
pH調整剤を用いずとも短時間で反応が行えるため、薬
剤及び工程の削減によるコスト低減がはかれるばかりで
なく、無添加であるから食味が損なわれず安全性が保た
れる利点がある。
具体的に説明する。 実施例1:本例は、図3に示す固液分離方式による機能
性オカラ乳の製造例である。まず、原料大豆10kgを
水26,000mlに入れ、13時間浸漬した。次い
で、これに、22,000mlの冷水を加えながら機械
的に磨砕し、105℃で5分間加熱した後、固液分離を
行って豆乳45,000mlと豆粕(オカラ)13.0
kgを製造した。得られたオカラを図1に示すバイオミ
ルリアクター1の原料液収容タンク2に入れ、それに水
13,000mlを加えて温度45℃に調整し、その後
それに植物組織崩壊酵素、「マセロチームA」(商品
名:ヤクルト薬品工業社製のペクチナーゼを主剤とする
酵素製剤)65gと、「セルラーゼオノズカ3S」(商
品名:ヤクルト薬品工業社製のセルラーゼを主剤とする
酵素製剤)65gを添加混合して混合懸濁物を調製し
た。この混合懸濁物を45℃に温度保持し、前記各酵素
による酵素反応とコロイドミルによる機械的微粉砕処理
を同時に施し(一次酵素反応)、かつ原料液収容タンク
2とコロイドミル3(機械的磨砕装置)の間を撹拌循環
させながら45分間作用させ、次いで75℃で5分間加
熱して酵素を失活させ、冷却して機能性オカラ乳(Br
ix8.0,pH6.8)26,000mlを製造し
た。その機能性オカラ乳は、バイオミルリアクター1下
部のコロイドミル3から導出されるスラリーの導出管路
4より分岐した排出管5から、開閉バルブ6を開いて取
り出された。取り出しされた機能性オカラ乳は、固形物
の直径が50〜100μmで、香り、食味、食感の点に
おいて、従来法で得られたオカラを使用しない豆乳と殆
ど変わらなく、むしろ若干甘味を有する優良なものであ
るとの結果を得た。
式による機能性オカラ乳の製造例である。まず、原料大
豆10kgを水25,000mlに入れ、13時間浸漬
した。次いで、これに、22,000mlの冷水を加え
ながら機械的に磨砕し、105℃で5分間加熱した後、
固液分離を行って豆乳45,000mlと豆粕(オカ
ラ)12.0kgを製造した。得られたオカラを図1に
示すバイオミルリアクター1の原料液収容タンク2に入
れ、それに水18,000mlを加えて温度50℃に調
整し、その後それに植物組織崩壊酵素「マセロチーム
A」60g、「セルラーゼAアマノ」(商品名:アマノ
製薬社製のヘミセルラーゼ酵素製剤)90g、及び「ユ
ニアーゼBM−8」(商品名:ヤクルト薬品工業社製の
アミラーゼを含有する酵素製剤)40gを添加混合して
混合懸濁物を調製した。この混合懸濁物を50℃に温度
保持し、前記各酵素による酵素反応とコロイドミルによ
る機械的微粉砕処理を同時に施し、かつ原料液収容タン
ク2とコロイドミル3の間を撹拌循環させながら40分
間作用させて、機能性オカラ乳(Brix7,pH6.
7)30,000mlを製造した。続いて、得られた機
能性オカラ乳に、「アクティバTG−M」(商品名:味
の素社製のトランスグルタミナーゼ(蛋白質やペプチド
中のアミノ酸である「グルタミン」残基と「リジン」残
基を強力に架橋結合“G−L結合”する酵素)含有製
剤)150gを添加混合し、50℃で10分間にわたっ
て酵素反応(二次酵素反応)を行って、ペースト状生成
物(機能性オカラ乳)を製造した。その機能性オカラ乳
は、バイオミルリアクター1下部のコロイドミル3から
導出されるスラリーの導出管路4より分岐した排出管5
から、開閉バルブ6を開いて取り出された。
の直径が50〜100μmで、香り、食味、食感の点に
おいて、従来法で得られた豆乳と殆ど変わらなく、むし
ろ若干甘味を有する優良なものであるとのパネラーテス
ト結果を得た。 表1にその結果を示す。
より得られた豆乳とを比較分析したところ、表2に示す
ごとく、従来法で得られた豆乳には含有されていない、
食物繊維、不溶性ペクチン、可溶性ペクチンを多量に含
有しており、また糖質、オリゴ糖も多く含有しているこ
とが解った。
式による機能性オカラ乳の製造例である。まず、原料大
豆10kgを水26,000mlに入れ、13時間浸漬
した。次いで、これに、22,000mlの冷水を加え
ながら機械的に磨砕し、105℃で5分間加熱した後、
固液分離を行って豆乳45,000mlと豆粕(オカ
ラ)13.0kgを製造した。得られたオカラを図1に
示すバイオミルリアクター1の原料液収容タンク2に入
れ、それに水13,000mlを加えて温度45℃に調
整し、その後それに植物組織崩壊酵素、「マセロチーム
A」65gと、「セルラーゼオノズカ3S」65gと、
蛋白分解酵素「プロテアーゼRアマノ」(商品名:天野
製薬社製)26を添加混合して混合懸濁物を調製した。
この混合懸濁物を45℃に温度保持し、前記各酵素によ
る酵素反応とコロイドミルによる機械的微粉砕処理を同
時に施し、かつ原料液収容タンク2とコロイドミル3
(機械的磨砕装置)の間を撹拌循環させながら45分間
作用させ、次いで75℃で5分間加熱して酵素を失活さ
せ、冷却して機能性オカラ乳(Brix8.0,pH
6.8)26,000mlを製造した。その機能性オカ
ラ乳は、バイオミルリアクター1下部のコロイドミル3
から導出されるスラリーの導出管路4より分岐した排出
管5から、開閉バルブ6を開いて取り出された。取り出
しされた機能性オカラ乳は、固形物の直径が50〜10
0μmで、香り、食味、食感の点において、従来法で得
られたオカラを使用しない豆乳と殆ど変わらなく、むし
ろ若干甘味を有する優良なものであるとの結果を得た。
00mlに入れ13時間浸漬した。次いで、これに2
3,000mlの冷水を加えながら機械的に磨砕し、1
05℃で5分間加熱した後、固液分離を行って豆乳4
5,000mlと豆粕(オカラ)13kgを製造した。
得られたオカラを「バイオミルリアクター」(商品名:
澤産業株式会社製のコロイドミルを組み込んだバイオミ
ルリアクター)に投入し、さらに水17,000mlを
加えて温度50℃に調整し、その後これに大豆の植物組
織を分解する「マセロチームA」(商品名:ヤクルト薬
品工業社製のペクチナーゼ酵素製材)60g、「セルラ
ーゼオノズカ3S」(商品名:ヤクルト薬品工業社製の
セルラーゼ酵素製材)90gと「プロテアーゼRアマ
ノ」(商品名:天野製薬社製のプロテアーゼ酵素製材)
30gを添加混合して混合懸濁物を調整した。この混合
懸濁物を50℃に保持し、酵素による酵素反応とコロイ
ドミルによる機械的微粉砕処理を同時に施し、機械的粉
砕装置間を撹拌循環させながら45分間作用させて、機
能性オカラ乳(Brix7,0、pH6,8)30,0
00mlを製造した。続いて、得られた機能性オカラ乳
に「アクティバTG−M」(商品名:(商品名:味の素
社製のトランスグルタミナーゼ含有製材)180gを添
加混合し、50℃13分間にわたって酵素反応(二次酵
素反応)を行って機能性オカラ乳(Brix7,0、p
H6,8)30,000mlを製造した。
よる機能性オカラ乳の製造例である。原料大豆1kgを
水2,500mlに13時間浸漬した。次いで、それ
に、1,500mlの冷水を加えながら機械的に磨砕
し、105℃で5分間加熱して煮呉とした後、この煮呉
をバイオリアクター(酵素反応装置)に入れて温度を5
0℃に調整し、その後これに「マセロチームA」10
g、「セルラーゼオノズカ3S」15g、及び「ユニア
ーゼBM−8」4gを加えて混合懸濁液を製造した。こ
の混合懸濁液を機械的磨砕装置を備えたバイオリアクタ
ーに入れ、50℃で前記各酵素による酵素反応力と機械
的磨砕力とを作用(一次酵素反応)させ、かつバイオリ
アクターと機械的磨砕装置の間を撹拌循環させながら4
0分間作用させて、煮呉ペースト(Brix15,pH
6.8)5,000mlを製造した。続いて、得られた
煮呉ペーストに2,500mlの水と「アクティバTG
−M」40gを添加混合し、50℃で10分間にわたっ
て酵素反応(二次酵素反応)を行って、大豆の全組織を
使用して得られた機能性全オカラ乳7,500ml(B
rix11,pH6.8)を製造した。
る機能性オカラ乳の製造例である。原料大豆1kgを水
2,500mlに13時間浸漬した。次いで、それに、
1,500mlの冷水を加えながら機械的に磨砕し、1
05℃で5分間加熱して煮呉とした後、この煮呉をバイ
オリアクター(酵素反応装置)に入れて温度を50℃に
調整し、その後これに「マセロチームA」10g、「セ
ルラーゼオノズカ3S」15g、及び「ユニアーゼBM
−8」4gを加えて混合懸濁液を製造した。この混合懸
濁液を機械的磨砕装置を備えたバイオリアクターに入
れ、50℃で前記各酵素による酵素反応力と機械的磨砕
力とを作用(一次酵素反応)させ、かつバイオリアクタ
ーと機械的磨砕装置の間を撹拌循環させながら40分間
作用させて、煮呉ペースト(Brix15,pH6.
8)5,000mlを製造した。続いて、得られた煮呉
ペーストに2,500mlの水と「アクティバTG−
M」40gと、「トレハオース」(商品名:林原社製の
高純度が含水トレハロース製剤)150gを添加混合
し、50℃で10分間にわたって酵素反応(二次酵素反
応)を行って、大豆の全組織を使用して得られた機能性
全オカラ乳7,500ml(Brix11,pH6.
8)を製造した。
ついて、表1及び表2におけると同様のパネラーテスト
及び分析を行ったところ、実施例2と同等又はそれ以上
の好結果を得た。
00mlに入れ13時間浸漬した。次いで、これに2
3,000mlの冷水を加えながら機械的に磨砕し、1
05℃で5分間加熱した後、固液分離を行って、豆乳4
5,000mlとオカラ13kgを製造した。得られた
オカラをバイオミルリアクターに投入し、さらに水1
7,000mlを加えて温度50℃に調整し、その後こ
れに「マセロチームA」60g、「セルラーゼオノズカ
3S」90g、及び蛋白分解酵素「プロテアーゼRアマ
ノ」30gを添加混合して混合懸濁物とした。この混合
懸濁物を50℃に保持し、酵素による酵素反応とコロイ
ドミルによる機械的微粉砕処理を同時に施し、機械的微
粉砕処理装置間を撹拌循環させながら45分間作用させ
て、機能性オカラ乳(Brix7,pH6.8)30,
000mlを製造した。続いて、得られた機能性オカラ
乳に「アクティバTG−M」180gを添加混合し、5
0℃で13分間にわたって酵素反応(二次酵素反応)を
行って機能性オカラ乳(Brix7.0,pH6.8)
30,000mlを製造した。
00mlに入れ、13時間浸漬した。次いで、これに、
23,000mlの冷水を加えながら機械的に磨砕し、
105℃で5分間加熱した後、固液分離を行って豆乳4
5,000mlと豆粕(オカラ)13kgを製造した。
得られたオカラを「バイオミルリアクター」(商品名:
澤産業株式会社製のコロイドミルを組み込んだバイオリ
アクター)に投入し、さらに水17,000mlを加え
て温度50℃に調整し、その後これに「マセロチーム
A」60g、「セルラーゼAアマノ」90g、及び「ユ
ニアーゼBM−8」40gを加えて混合懸濁物を製造し
た。これを50℃に保持し、機械的磨砕力を付与しなが
ら酵素反応(1次酵素反応)をさせ、かつバイオミルリ
アクター内の酵素反応液を循環させながら40分間作用
させて、オカラ乳30,000ml(Brix7.0,
pH6.7)を取得した。得られたオカラ乳中の固形分
の平均粒径は100〜50μmであった。次いで、得ら
れたオカラ乳に前記豆乳45,000ml(Brix.
13.0,pH6.7)を加えた後、「アクティバ」4
00gを添加し、50℃で10分間にわたって酵素反応
(2次酵素反応)を行って、大豆の全組織を使用して得
られた機能性全オカラ乳75,000ml(Brix.
10.5,pH6.7)を取得した。
カラ)13kgを「バイオミルリアクター」(商品名:
澤産業株式会社製のコロイドミルを組み込んだバイオリ
アクター)に投入し、さらに水13,000mlを加え
て温度50℃に調整し、その後これに「マセロチーム
A」60g、「セルラーゼAアマノ」70g、及び「ユ
ニアーゼBM−8」40gを加えて混合懸濁物を製造し
た。これに、50℃で機械的磨砕力と撹拌・循環を繰り
返しながら酵素反応(1次酵素反応)を40分間作用さ
せた。得られたオカラ乳中の固形分の平均粒径は100
〜50μmであった。その後、得られたオカラ乳に、
「アクティバ」150gを添加し、50℃で12分間に
わたって酵素反応(2次酵素反応)を行って、オカラ乳
26,000ml(Brix8.0,pH6.8)を取
得した。前記取得されたオカラ乳に豆乳44,000m
l(Brix.13.0,pH6.8)を混合し、12
0メッシュのフィルターで濾過して胚軸等の不純物を除
去して、機能性全オカラ乳70,000ml(Bri
x.11.5,pH6.8)を取得した。
よる機能性オカラ乳の製造例である。原料丸大豆を脱皮
・脱胚軸し、圧片とした皮むき大豆10kgを25,0
00mlの水に20分間浸漬した。次いで35,000
mlの冷水を加えながらグラインダで磨砕し105℃で
5分間加熱蒸煮してニゴ(煮呉)とした後、このニゴを
バイオミルリアクターに入れ、温度50℃に調整し、そ
の後これに「マセロチームA」150g、「セルラーゼ
Aアマノ」200g、及び「プロテアーゼRアマノ」7
0gを加えて混合懸濁物を製造した。これに、50℃で
機械的磨砕力と撹拌・循環を繰り返しながら酵素反応
(1次酵素反応)を40分間作用させた。得られたオカ
ラ乳中の固形分の平均粒径は100〜50μmであっ
た。その後、得られたオカラ乳に、「アクティバ」35
0gを添加し、50℃で12分間にわたって酵素反応
(2次酵素反応)を行って、機能性全オカラ乳70,0
00ml(Brix.12.0,pH6.8)を取得し
た。
よる機能性オカラ乳の製造例である。原料丸大豆10k
gを脱皮・脱胚軸した後、微粉砕し、次いでバイオミル
リアクターに入れ、40℃の温水60,000mlと
「マセロチームA」150g、「セルラーゼAアマノ」
200g、及び「ユニアーゼBM−8」40gを加えて
混合懸濁物を製造した。これを50分間1次酵素反応を
施して生呉を生成し、次いで105℃、5分間蒸煮し、
速やかに50℃まで冷却し、「アクティバ」350gを
添加し、50℃で12分間にわたって酵素反応(2次酵
素反応)を行って、機能性全オカラ乳70,000ml
(Brix12.0,pH6.8)を取得した。
は、その色調、香り、食味、食感の点において、従来法
により得られた豆乳と変わらないかそれよりも優良であ
るとのパネラーテスト結果を得た。表3にその結果を示
す。
より得られた豆乳とを比較分析したところ、表4に示す
ごとく、従来法で得られた豆乳には含有されていない、
食物繊維、不溶性ペクチン、可溶性ペクチンを多量に含
有しており、また糖質、オリゴ糖も多く含有しているこ
とが解った。
5,000mlに入れ、13時間浸漬した。次いで、こ
れに、22,000mlの冷水を加えながら機械的に磨
砕し、105℃で5分間加熱した後、固液分離を行って
豆乳45,000mlと豆粕(オカラ)12.0kgを
製造した。得られたオカラをタンクに入れ、それに水3
0,000mlを加えて、pH調整剤の乳酸を添加して
pH4.5、温度50℃に調整し、その後それに植物組
織崩壊酵素「マセロチームA」100gと、「セルラー
ゼオノズカ3S」110gを添加混合して混合懸濁物を
調製した。この混合懸濁物を45℃に温度保持し、18
0分間撹拌させながら酵素反応させた後、調整剤の炭酸
水素ナトリウムを添加してpH7.0に調整して機能性
オカラ乳を取得した。取得した機能性オカラ乳は、固形
物の直径が400〜1500μmであり、香りは特異な
豆臭が残り、食味はうま味がなく、食感はザラ付きが口
当たり、のどごしを悪くし不味であった。
ラ乳は、大豆の全部を原料としているためいわば“まる
ごと健康豆乳”ともいうべきものであり、多量の食物繊
維のほかに、優れた植物性蛋白質、リノール酸、レシチ
ン、イソフラボン配糖体、サポニン、カルシウム、鉄、
カルシウムなどミネラル分を含んでいる。特に、植物細
胞壁分解酵素による処理は、大豆の食物繊維を分断して
低分子化し製品の機能性を高めるものであり、その低分
子化した食物繊維は、血圧低下、コレステロール低下に
役立ち、さらに、消化管の働きを活性化すること、便容
量を増加させて、老廃物を速やかに体外に出すこと、食
事成分の消化吸収を低下させること、腸内圧及び腸圧を
低下させることなど食物繊維が消化管を通過するとき、
消化管やその内容物にいろいろな作用を及ぼすことが知
られている。また、低分子化した食物繊維と並んで機能
性をもっているオリゴ糖(少糖類)も含まれており、腸
内有用菌であるビフィズス菌を繁殖させるスタキオー
ス、ラフイノースなど老化防止する効果が期待され、豆
乳の健康食品としての価値を高めるためのものである
が、食味の点でもオリゴ糖のまろやかな甘味が加わりま
るごと豆乳の食味を高めている。食物繊維はかつて難消
化性のため、不必要なカスと考えられており、それ故に
豆乳はそれを除いたものが製品とされていたが、今日で
は食物繊維の重要性が再確認されていることから、本発
明に係る機能性豆乳は、人工食品添加物が無く、自然食
品として、かつ大豆組織を全部利用することができ副産
物のオカラを殆ど排出しないため廃棄物処理等の環境負
荷を皆無とし、併せてオカラが全量豆乳及びその応用製
品に利用できることから貴重な有価資源として回収でき
る。また、本発明の実施によって、廃棄物処理費用をか
けていたオカラが全量製品化できることか、実施業者に
大きなメリットをもたらすこととなる。
を分解する酵素は、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、セ
ルラーゼ又はアミラーゼの酵素添加量は、0.1〜1.
0重量%、反応温度は20〜60℃、反応時間は30〜
90分間であることが好ましく、これらの酵素反応は付
設されたコロイドミル等の液中微粉砕処理装置による機
械的破砕力と撹拌循環力の併用付与による相乗作用によ
り高能率な酵素反応を可能とする。本発明では、機能性
全オカラ乳の蛋白安定と蛋白架橋結合により粘弾性と食
味・食感を高めるために、トランスグルタミナーゼ添加
による酵素反応と非還元糖質であるトレハロースを加え
ることが好ましいが、トレハロースは1〜5重量%、ト
ランスグルタミナーゼ酵素添加量は0.1〜2.0重量
%、反応温度は20℃〜50℃で反応時間は70〜10
分間で、バイオリアクターの撹拌循環作用により製品豆
乳の食味・食感を高めることができる。
とし利用することができるため環境問題を解決でき、ま
た副産物のオカラを殆ど排出しないため豆乳製造のコス
トを飛躍的に低減できる。また、従来、食物繊維は難消
化性のため不必要なカスと考えられており、それ故に豆
乳はそれを除いたものが製品とされていたが、今日では
食物繊維の重要性が再確認されており、該食物繊維を多
く含む本発明に係る豆乳は機能性オカラ乳として大いに
貢献するものである。特に、植物組織崩壊酵素と蛋白架
橋結合酵素との併用により製造された機能性オカラ乳
は、美味しく、食味、食感に優れ、オカラの混合を感じ
させず、そして食物繊維、大豆オリゴ糖などを多量に含
有する優れた食品となる。
酵素反応処理とを同時に施す装置の一部断面正面図。
乳の製造工程図。
ラ乳の製造工程図。
ラ乳の製造工程図。
3:コロイドミル、4:スラリーの導出管路、 5:ス
ラリー排出管、 6:開閉バルブ、7:スラリー液供給
口、 8:冷却管、 9:モーター、10:
機枠、
Claims (16)
- 【請求項1】豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過
程において生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊
酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加えな
がら酵素反応を施し、食物繊維を多く含む機能性オカラ
乳を生成することを特徴とする機能性オカラ乳の製造方
法。 - 【請求項2】豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過
程において生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊
酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加えな
がら酵素反応を施し、次いで蛋白架橋結合酵素を添加し
て酵素反応を施して、食物繊維を多く含む機能性オカラ
乳を生成することを特徴とする機能性オカラ乳の製造方
法。 - 【請求項3】豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過
程において生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊
酵素と蛋白分解酵素を添加し、これに液中で機械的微粉
砕処理を加えながら酵素反応を施して、食物繊維を多く
含む機能性オカラ乳を生成することを特徴とする機能性
オカラ乳の製造方法。 - 【請求項4】豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過
程において生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊
酵素と蛋白分解酵素を添加し、これに液中で機械的微粉
砕処理を加えながら酵素反応を施した後、蛋白架橋結合
酵素を添加して酵素反応を施して、食物繊維を多く含む
機能性オカラ乳を生成することを特徴とする機能性オカ
ラ乳の製造方法。 - 【請求項5】豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過
程において生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊
酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加えな
がら酵素反応を施した後、次いで前記大豆食品の製造過
程で生成する豆乳と蛋白架橋結合酵素を添加混合して酵
素反応を施して、食物繊維を多く含む機能性全オカラ乳
を生成することを特徴とする機能性オカラ乳の製造方
法。 - 【請求項6】豆乳及び豆腐などの大豆食品を製造する過
程において生成するオカラに対して、水と植物組織崩壊
酵素を添加し、これに液中で機械的微粉砕処理を加えな
がら酵素反応を施し、次いで蛋白架橋結合酵素を添加し
て酵素反応を施した後、それに前記大豆食品の製造過程
で生成する豆乳を添加混合して、食物繊維を多く含む機
能性全オカラ乳を生成することを特徴とする機能性オカ
ラ乳の製造方法。 - 【請求項7】大豆に水浸漬工程、磨砕工程及び加熱工程
を順次施して、煮呉を得た後、該煮呉に対して、請求項
1〜4のいずれか1項に記載の酵素反応を施すことを特
徴とする機能性オカラ乳の製造方法。 - 【請求項8】大豆に水浸漬工程、磨砕工程を施して得ら
れた呉汁に対して、請求項1〜4のいずれか1項に記載
の酵素反応を施し、加熱、冷却することを特徴とする機
能性オカラ乳の製造方法。 - 【請求項9】酵素反応が、(1)植物組織崩壊酵素の添
加量が0.1〜1.0重量%、反応温度が20〜60
℃、反応時間は30〜90分であり、(2)蛋白架橋結
合酵素の添加量が、0.1〜2.0重量%、酵素反応温
度が20℃〜50℃、酵素反応時間は70〜10分間で
あることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記
載の機能性オカラ乳の製造方法。 - 【請求項10】機械的微粉砕処理が、オカラを100μ
m以下に微粉砕するものであることを特徴とする請求項
1〜9のいずれか1項に記載の機能性オカラ乳の製造方
法。 - 【請求項11】機械的微粉砕処理が、コロイドミルを用
いて行われることを特徴とする請求項10に記載の機能
性オカラ乳の製造方法。 - 【請求項12】蛋白架橋結合酵素が、トランスグルタミ
ナーゼであることを特徴とする請求項2,4〜11のい
ずれか1項に記載の機能性オカラ乳の製造方法。 - 【請求項13】植物組織崩壊酵素が、ペクチン、プロト
ペクチン、ヘミセルロース、セルロースを低分子に分解
・溶解する酵素であることを特徴とする請求項1〜12
のいずれか1項に記載の機能性オカラ乳の製造方法。 - 【請求項14】請求項1〜13のいずれか1項に記載の
オカラと水と各種酵素の原料混合物を収容する原料液収
容タンクとオカラを100μm以下に微粉砕する液中微
粉砕処理装置を備えてなり、かつ前記液中微粉砕処理装
置はオカラの微粉砕処理と酵素反応が同時に施される構
造のものであることを特徴とする機能性オカラ乳製造装
置。 - 【請求項15】請求項1〜13のいずれか1項に記載の
オカラ、水、各種酵素及び豆乳の原料混合物を収容する
原料液収容タンクとオカラを100μm以下に微粉砕す
る液中微粉砕処理装置とを備えてなり、かつ前記液中微
粉砕処理装置はオカラの微粉砕処理と酵素反応が同時に
施される構造のものであることを特徴とする機能性オカ
ラ乳製造装置。 - 【請求項16】液中微粉砕処理装置が原料液収容タンク
の出口に連接されて設けられたコロイドミルであること
を特徴とする請求項14又は15に記載の機能性オカラ
乳製造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11040481A JPH11299442A (ja) | 1998-02-20 | 1999-02-18 | 機能性オカラ乳の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP3931698 | 1998-02-20 | ||
JP10-39316 | 1998-02-20 | ||
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Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005272766A Division JP3931247B2 (ja) | 1998-02-20 | 2005-09-20 | 機能性オカラ乳の製造方法 |
JP2006019674A Division JP2006115860A (ja) | 1998-02-20 | 2006-01-27 | 機能性オカラ乳の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11299442A true JPH11299442A (ja) | 1999-11-02 |
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ID=26378664
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JP11040481A Withdrawn JPH11299442A (ja) | 1998-02-20 | 1999-02-18 | 機能性オカラ乳の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JPH11299442A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005099481A1 (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Yugengaisha Chima | 加工大豆およびその製造方法 |
JP2006527643A (ja) * | 2003-06-17 | 2006-12-07 | 旭▲にん▼ 王 | 粉砕研磨装置、当該装置を備える豆乳機及び製豆乳の方法 |
JP2009514522A (ja) * | 2005-11-07 | 2009-04-09 | ハンミ・エフティ・カンパニー・リミテッド | 高繊維大豆食品およびその製造方法 |
-
1999
- 1999-02-18 JP JP11040481A patent/JPH11299442A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006527643A (ja) * | 2003-06-17 | 2006-12-07 | 旭▲にん▼ 王 | 粉砕研磨装置、当該装置を備える豆乳機及び製豆乳の方法 |
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JP2009514522A (ja) * | 2005-11-07 | 2009-04-09 | ハンミ・エフティ・カンパニー・リミテッド | 高繊維大豆食品およびその製造方法 |
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