JPH1129867A - スパッタリング方法及びそれを用いた光起電力素子の製造方法 - Google Patents

スパッタリング方法及びそれを用いた光起電力素子の製造方法

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JPH1129867A
JPH1129867A JP10132065A JP13206598A JPH1129867A JP H1129867 A JPH1129867 A JP H1129867A JP 10132065 A JP10132065 A JP 10132065A JP 13206598 A JP13206598 A JP 13206598A JP H1129867 A JPH1129867 A JP H1129867A
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tunnel
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target
film
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JP10132065A
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Hideo Tamura
秀男 田村
Akira Sakai
明 酒井
Masahiro Kanai
正博 金井
Yasushi Fujioka
靖 藤岡
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネトロンスパッタ装置をRoll to Roll装
置に適用した場合、帯状基板の場所によってスパッタリ
ング時間が異なることになり、帯状基板の搬送方向の膜
厚分布が悪くなるという問題を解決する。 【解決手段】 ターゲットの上に複数のトンネル状磁束
を形成し、該ターゲットと帯状基板との間に電界を形成
し、該帯状基板を搬送しつつ、同時に前記トンネル状磁
束を少なくとも前記基板の搬送方向に往復運動させるス
パッタリング方法であって、基板の搬送速度v、トンネ
ル状磁束の磁界と前記電界とが直交する点同士の、前記
基板の搬送方向の間隔L、トンネル状磁束の往復運動の
周期Tについて、L/v=(n+1/2)T (ただしz−1
/16<n<z+1/16、zは0以上の整数)となるように制
御することを特徴とするスパッタリング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯状基板を移動さ
せながら該基板上に連続的に成膜するスパッタ方法及び
それを用いた光起電力素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネトロンスパッタリング方式は、プ
ラズマ収束用マグネットから発生した磁束が、トンネル
状に形成されターゲット表面で電離した電子及びスパッ
タリングによって生じた二次電子を捕らえるため、ター
ゲット表面での電子密度が高くなり、これらの電子と中
性ガス分子との衝突確率が高くなってプラズマ密度を高
くすることができる。そのため、スパッタリング成膜速
度が速く、しかも高エネルギーを持っている二次電子を
ターゲット表面近傍に磁界で閉じ込めるため、膜形成を
行おうとする基板の熱による損傷もないという特徴を持
っている。しかしその反面、プラズマ密度が局所的に高
くなっているため、その部分でターゲット表面のスパッ
タリングによる侵食が大きくなってしまう。そのためタ
ーゲットを均一に使用することができずにターゲットの
利用効率が低くなってしまうという問題がある。
【0003】このターゲット上の侵食が大きな領域を広
くしてターゲットの利用効率を上げる方法として、磁
場を発生させるマグネットアセンブリを機械的に動かす
方法、電磁石を組み合わせて有効な磁束密度分布を制
御してプラズマ位置を動かす方法、マグネットアセン
ブリを工夫しターゲット近傍の磁束分布を改善しプラズ
マ領域を拡大する方法、等が知られている。
【0004】特公平3-51788号には、ターゲットの裏面
にプラズマ収束用のマグネットを備え、さらにターゲッ
トとマグネットの間にパーマロイ等に代表されるフラッ
クスガイドを置き、このフラックスガイドを揺動させる
ことにより磁束が集中する場所を移動することが記載さ
れている。
【0005】次にマグネットアセンブリ自体を機械的に
動かすマグネトロンスパッタ装置の構造の一例の断面図
を図8に示す。ターゲット1はターゲット冷却板2の上に
密着するように設置され、冷却板2の裏側(ターゲット
1とは反対の側)には永久磁石3、4と永久磁石支持体5
により構成されたマグネットアセンブリ6が配置されて
いる。隣り合う永久磁石3及び4の冷却板2側は互いに逆
の極性となっていて、マグネットアセンブリ6より出た
磁力線は点線で示すようにターゲット1表面を通り再び
マグネットアセンブリ6に戻りトンネル状磁束が閉ルー
プ形に形成されている。そして、ターゲット1の利用効
率を高めるためにマグネットアセンブリ6を円運動させ
(移動手段は不図示)トンネル状磁束を揺動させるよう
にしている。そして、ターゲット1に負の直流電位また
は高周波電位を印加し(電源等は不図示)、プラズマを
生起させることによりターゲット材をスパッタリングす
る。
【0006】また光起電力素子等に用いる機能性堆積膜
を帯状基板上に連続的に形成する方法として、各々の半
導体層形成用の独立した成膜室を設け、各成膜室にて各
々の半導体層の形成を行う方法が提案されている。米国
特許第4,400,409号特許明細書には、ロール・ツー・ロ
ール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD装
置が開示されている。この装置によれば、複数のグロー
放電領域を設け、所望の幅の、十分に長い可撓性の基板
を、該基板が前記各グロー放電領域を順次貫通する経路
に沿って配置し、前記各グロー放電領域において必要と
される導電型の半導体層を堆積しつつ、前記基板をその
長手方向に連続的に搬送せしめることによって、半導体
接合を有する素子を連続作製することができるとされて
いる。なお、該明細書においては、各半導体層作製時に
用いるドーパントガス等が他のグロー放電領域へ拡散、
混入するのを防止するためにガスゲートが用いられてい
る。具体的には、前記各グロー放電領域同士を、スリッ
ト状の分離通路によって相互に分離し、さらに該分離通
路に例えばAr,H2等の分離用ガスを導入する手段が採
用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
マグネトロンスパッタ装置をRoll to Roll装置に適用し
た場合、帯状基板の搬送速度は一定であるのに対し、マ
グネットアセンブリを円運動させているため、帯状基板
の搬送方向におけるトンネル状磁束の移動速度は正弦波
のようになり、正の速度や負の速度を繰り返すようにな
ってしまう。そのため、帯状基板の場所によってスパッ
タリング時間が異なることになり、帯状基板の搬送方向
の膜厚分布が悪くなるといった問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はターゲットの上
に複数のトンネル状磁束を形成し、該ターゲットと帯状
基板との間に電界を形成し、該帯状基板を搬送しつつ、
同時に前記トンネル状磁束を少なくとも前記基板の搬送
方向に往復運動させるスパッタリング方法であって、基
板の搬送速度v、トンネル状磁束の磁界と前記電界とが
直交する点同士の、前記基板の搬送方向の間隔L、トン
ネル状磁束の往復運動の周期Tについて、L/v=(n
+1/2)T (ただしz−1/16<n<z+1/16、zは0以
上の整数)となるように制御することを特徴とするスパ
ッタリング方法を提供する。
【0009】また本発明は、ターゲットの上に複数の閉
ループ形状のトンネル状磁束を形成し、該ターゲットと
帯状基板との間に電界を形成し、該帯状基板を搬送しつ
つ、同時に前記トンネル状磁束を少なくとも前記基板の
搬送方向に往復運動させるスパッタリング方法であっ
て、基板の搬送速度v、複数の閉ループが配置される間
隔をp、トンネル状磁束の往復運動の周期Tについて、
p/v=(n+1/m1)T(ただしz−1/(8m1)<n<z
+1/(8m1)、zは0以上の整数、m1はムラを打ち消し合
う閉ループの数)となるように制御することを特徴とす
るスパッタリング方法とする。
【0010】ターゲットの上にトンネル状磁束を形成
し、該ターゲットと帯状基板との間に電界を形成し、該
帯状基板を搬送しつつ、同時に前記トンネル状磁束を少
なくとも前記基板の搬送方向に往復運動させるスパッタ
リング方法であって、前記ターゲットが複数存在し、互
いに独立して往復運動し、基板の搬送速度v、互いに独
立に往復運動する複数のターゲットの往復運動中心点間
隔をd、トンネル状磁束の往復運動の周期Tについて、
d/v=(n+1/m2)T (ただしz−1/(8m2)<n<z
+1/(8m2)、zは0以上の整数、m2はムラを打ち消し合
うターゲットの数)となるように制御することを特徴と
するスパッタリング方法とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図2は本発明のターゲットの一例を
示す模式的な斜視図であり、図1は図2のターゲットの
C〜C'断面を含むカソードユニットの一例を示す摸式
断面図である。帯状基板10に対向して、ターゲット1が
ターゲット冷却板2の上に密着して設置され、冷却板2
の裏側には永久磁石3及び4と永久磁石支持体5により構
成されたマグネットアセンブリ6が配置されている。本
例では支持体5の周りに同じ極が上に向いた磁石3を配
置し、支持体5の中央部に逆の極性の磁石4を配する。
磁石は永久磁石でも電磁石でもよい。磁石は支持体5の
上に隙間なく設けられていてもよい。永久磁石3と永久
磁石4の冷却板2側の極性は互いに異なっているため、
マグネットアセンブリ6より出た磁力線は、点線で示す
ようにターゲット1表面を通り再びマグネットアセンブ
リ6に戻りトンネル状磁束7が閉ループ形に形成されて
いる。そして、ターゲット1の利用効率を高めるために
マグネットアセンブリ6を円運動させ(移動手段は不図
示)トンネル状磁束がターゲット上を移動するようにし
ている。そして、ターゲット1に負の直流電位または高
周波電位を印加する(電源等は不図示)ことにより、基
板及びターゲットに垂直な電界が形成される。このよう
にしてプラズマを生起させターゲット材をスパッタリン
グする。
【0012】図2は、ターゲット表面の磁束形状を示
す。ターゲット1の上に、閉ループ形をしたトンネル状
磁束7が形成されている。
【0013】ここで帯状基板10は搬送速度vで搬送さ
れ、マグネットアセンブリ6の移動によるトンネル状磁
束は周期Tで円運動している。また、トンネル状磁束の
磁界と電極により印加される電力による電界が直交する
部分における帯状基板の搬送方向の間隔をLとする。
【0014】マグネットアセンブリ6は円運動している
ため、帯状基板の搬送方向におけるトンネル状磁束の移
動速度は図3のように正弦波のようになっており、正の
速度(基板搬送方向に向かう向き)や負の速度を繰り返
すようになっている。つまり帯状基板の長手方向に対し
て往復運動している。
【0015】そのため、トンネル状磁束の磁界と、ター
ゲットと基板との間に形成される電界とが直交する点同
士の、前記基板の搬送方向の間隔を、前記帯状基板が移
動した時に、前記トンネル状磁束の往復運動の速度の向
きが反転するようにすればよい。これを図1で説明する
と、帯状基板10が図1のA領域を通過するときの帯状基
板の搬送方向におけるトンネル状磁束の移動速度と、B
領域(トンネル状磁束の磁界と、ターゲットと基板の間
に形成される電界とが直交する点同士の間隔Lだけ離れ
た点)を通過するときの帯状基板の搬送方向におけるト
ンネル状磁束の移動速度とがほぼ打ち消すことになる。
【0016】すなわちある時間にA領域にあった基板は
L/v時間後に、距離Lだけ離れたB領域に移動する。
この時、トンネル状磁束の往復運動(図3)の位相がA領
域での位相に対しておおよそ1/2周期ずれていればよ
い。式で表すと、L/v=(n+1/2)T (ただしnは0
以上の整数)となるように制御すればよい。これによ
り、帯状基板の搬送方向における帯状基板とトンネル状
磁束との相対速度が、ターゲット上全体を通過したあと
を考えると一定となり、帯状基板のどこでもスパッタリ
ング時間がいつもほぼ同じになる。前述の条件におい
て、z−1/16<n<z+1/16(ただしzは0以上の整
数)の範囲内で均一な膜を形成することができる。すな
わち半周期から±16分の1周期のずれの範囲内とするこ
とが望ましい。
【0017】なお、本例では基板の幅はマグネットアセ
ンブリの幅と比べて、充分小さいので、幅方向でのムラ
は生じない。
【0018】(第2の実施形態)図9はカソードユニット
の別の例を示す模式的な斜視図で、トンネル状磁束が2
つ形成されるような構成である。このような場合、ター
ゲット1の表面には例えば図10に示すように、トンネル
状磁束の閉ループが2個形成される。かかる構成によ
り、ターゲットの侵蝕をより均一化し利用効率を増大す
る。
【0019】具体的には、図9のA領域(トンネル状の
磁束の磁界と電極により印加される電力による電界が直
交する部分)を通過するときの帯状基板の搬送方向にお
けるトンネル状の磁束の移動速度と、C領域(トンネル
状の磁束の磁界と電極により印加される電力による電界
が直交する部分)を通過するときの帯状基板の搬送方向
におけるトンネル状の磁束の移動速度とがお互い打ち消
すようにする。すなわち2個の閉ループ形をしたトンネ
ル状の磁束を帯状基板の搬送方向に配置される間隔をp
としたとき、2個のトンネル状の磁束がターゲット上を
往復運動するときの周期Tが半周期ずれるように、p/
v=(n+1/2)T (ただしnは0以上の整数)となる
ように制御すればよい。
【0020】また、さらに2個の閉ループ形をしたトン
ネル状の磁束は、同一形状で間隔pで配置されているた
め、B領域(トンネル状の磁束の磁界と電極により印加
される電力による電界が直交する部分)を通過するとき
の帯状基板の搬送方向におけるトンネル状の磁束の移動
速度と、D領域(トンネル状の磁束の磁界と電極により
印加される電力による電界が直交する部分)を通過する
ときの帯状基板の搬送方向におけるトンネル状の磁束の
移動速度ともお互い打ち消すようになっている。これに
より、帯状基板の搬送方向における帯状基板とトンネル
状の磁束との相対速度が、ターゲット上全体を通過した
ときを考えると一定となり、スパッタリング時間がいつ
も同じになる。
【0021】2個の閉ループ形トンネル状磁束において
も、1個の場合と同様に、A領域とB領域、C領域とD
領域とが互いに打ち消し合うようにしてもよい。
【0022】本例では各真空容器内には2個の閉ループ
形状をしたトンネル状磁束を配置したが、ひとつのカソ
ードユニット内で閉ループ形状のトンネル状磁束を3個
使用した時は、互いの揺動周期が1/3周期ずれるよう
に制御する。これにより、1個目のトンネル状磁束によ
って発生した膜厚ムラを2個目と3個目のトンネル状磁
束による膜厚ムラで打ち消すようになり、帯状基板の長
手方向の膜厚分布が改善される。
【0023】さらに、閉ループ形状をしたトンネル状磁
束を4個使用した時は、互いの揺動周期が1/4周期ず
れるように制御する。これにより、1個目のトンネル状
磁束によって発生した膜厚ムラを3個目のトンネル状磁
束による膜厚ムラで、2個目の膜厚ムラを4個目の膜厚
ムラで打ち消すようになり、帯状基板の長手方向の膜厚
分布が改善される。また、互いの揺動周期が1/2周期
ずれるようにすると、1個目の膜厚ムラは2個目の膜厚
ムラで、3個目の膜厚ムラは4個目の膜厚ムラで打ち消
すことができ、膜厚分布が改善される。
【0024】一般に、ひとつのカソードユニット内に閉
ループ形状のトンネル状磁束を複数個設ける場合には以
下の条件を満たすようにすればよい。すなわち、帯状基
板の搬送速度をv、同一カソードユニット内で互いにむ
らを打ち消し合う閉ループ形状のトンネル状磁束の数を
1、該閉ループ形状のトンネル状磁束が帯状基板の長
手方向に配置されるピッチをp、該閉ループ形状のトン
ネル状磁束の揺動周期をTとしたとき、p/v=T(n
+1/m1)T (nは0以上の整数 )となるようにするこ
とが好ましいが、nは必ずしも整数でなくてもよく、z
−1/(8m1)<n<z+1/(8m1)(zは0以上の整数)の範
囲内で均一な膜を形成することができる。
【0025】図4は本発明のスパッタリング装置の1例
を示す模式的な断面図である。本装置では、送り出し用
真空容器11、成膜用真空容器12、巻き取り用真空容器13
がガスゲート14で接続され排気口15より排気ポンプ(不
図示)で真空に排気されている。帯状基板10は送り出し
用ボビン16に巻かれており搬送ローラー17により搬送方
向が変更されて成膜用真空容器12へ搬送される(矢印の
方向)。次に成膜用真空容器12内において、帯状基板10
はランプヒーター18により所定の成膜温度まで加熱さ
れ、成膜室19a、19bで各種のターゲットを装備したカソ
ードユニット9a,9bにより成膜等の処理が行われる。カ
ソードユニット9a,9bは図1又は図9に示す構造で、いず
れもターゲット表面に同等なトンネル状磁束を形成する
もので、前述の如く揺動可能になっている。帯状基板10
は、巻き取り用真空容器13内で搬送ローラー17により搬
送方向が変更されて巻き取り用ボビン20により巻き取ら
れる。ここでガスゲート14において掃気用ガス供給管21
より掃気用ガスが流されており各真空容器間に他の真空
容器からガスが混入するのを防いでいる。
【0026】なお、本明細書では磁場を発生させるマグ
ネットアセンブリを機械的に円運動させているが本発明
はこれらに何ら限定したものではなく、トンネル状の閉
ループ形の磁束がターゲット上を基板搬送方向にある周
期で移動しているものであれば全て含まれる。例えば基
板搬送方向に往復運動する形態でもよい。
【0027】(第3の実施形態)図11は本発明のスパッ
タリング装置の別の例を示す模式的な断面図である。真
空容器12a、及び12bの内部にはそれぞれ、成膜室19a、1
9b及び19c、19dが設けられ、その内部にはカソードユニ
ット9a、9b、及び9c、9dが設けられている。成膜室19
a、19bでは同一の膜が成膜される。19c、19dも同様であ
る。カソードユニット9a、9b、及び9c、9dは帯状基板の
長手方向にそれぞれピッチdで配置されている。カソー
ドユニット9a,9b及び9c、9dは図1又は図9に示す構造
で、互いに独立に円運動可能になっている。
【0028】マグネットアセンブリ5は円運動している
ため、帯状基板の長手方向のトンネル状磁束の移動速度
は図3のように正弦波のようになっており、正の速度や
負の速度を繰り返すようになっている。つまり帯状基板
の長手方向に対して往復運動している。そのため、帯状
基板10のある点が、カソードユニット9aから9bに移動し
た時に、前記該カソードユニットで形成されるトンネル
状磁束の往復運動の向きが反転するようにすればよい。
【0029】つまり、帯状基板10が1個目のカソードユ
ニット9aを通過したときに帯状基板の長手方向に周期的
な膜厚ムラが発生し、それを2個目のカソードユニット
9bを通過したときの帯状基板の長手方向に膜厚ムラで打
ち消すように、すなわちカソードユニット9a及び9bの揺
動周期Tが半周期ずれるように、d/v=(n+1/2)T
(nは0以上の整数)となるように、速度制御装置30aに
よって制御する。カソードユニット9c、9dについても同
様に速度制御装置30bによって制御する。その他の構成
は図4の装置と同様である。
【0030】本例では各真空容器内には2個のカソード
ユニットを配置したが、ひとつの真空容器内でカソード
ユニットを3個使用した時は、互いの揺動周期が1/3
周期ずれるように制御する。これにより、1個目のカソ
ードユニットによって発生した膜厚ムラを2個目と3個
目のカソードユニットによる膜厚ムラで打ち消すように
なり、帯状基板の長手方向の膜厚分布が改善される。
【0031】さらに、カソードユニットを4個使用した
時は、互いの揺動周期が1/4周期ずれるように制御す
る。これにより、1個目のカソードユニットによって発
生した膜厚ムラを3個目のカソードユニットによる膜厚
ムラで打ち消す事ができる。同様に、2個目の膜厚ムラ
を4個目の膜厚ムラで打ち消すことができる。また、互
いの揺動周期が1/2周期ずれるようにすると、1個目
の膜厚ムラは2個目の膜厚ムラで、3個目の膜厚ムラは
4個目の膜厚ムラで打ち消すように制御される為、帯状
基板の長手方向の膜厚分布が改善される。
【0032】一般に、ひとつの真空容器内にカソードユ
ニットを複数個設ける場合には以下の条件を満たすよう
にすればよい。すなわち、帯状基板の搬送速度をv、該
帯状基板の長手方向のむらを打ち消し合うカソードユニ
ットの数をm2、該カソードユニットが帯状基板の長手
方向に配置されるピッチをd、該カソードユニットの揺
動周期をTとしたとき、d/v=(n+1/m2)T(nは0
以上の整数)となるようにすることが好ましいが、nは
必ずしも整数でなくてもよく、z−1/(8m2)<n<z+1
/(8m2)(zは0以上の整数)の範囲内で均一な膜を形成
することができる。
【0033】
【実施例】本発明の実施例を図を用いて説明するが、本
発明はこれらの実施例によって何等限定されるものでは
ない。
【0034】(実施例1)本発明の図4の装置で、カソー
ドユニット9a,9bとして図1に示すようなカソード
ユニット9を用い、図2に示すような閉ループのトンネ
ル状磁束を用いて、光起電力素子用のバックリフレクタ
ーとして下部電極および光反射層のAg薄膜、ZnO薄
膜を成膜し、その後半導体素子を積層し光起電力素子を
製造した。
【0035】帯状基板10として、SUS430BA(幅120mm×
長さ100m×厚さ0.13mm)を用い十分に脱脂及び洗浄を行
い、図4のように張って、たるみの無い程度に張力調整
を行った。そこで各真空容器11、12、13の排気口15より
排気ポンプ(不図示)で排気した。次にランプヒーター18
により成膜温度である400℃を設定温度として加熱し掃
気用ガス供給管21より掃気用ガスとしてArを導入し
た。各成膜室19a、19bに不図示の原料ガス供給管から
スパッタリング用ガスとしてArを各々50sccmの流速で
導入し、主弁(不図示)を閉じながらコンダクタンスを小
さくし2.0×10-3Torrの成膜圧力に保持した。
【0036】そして基板を搬送するとともにAgターゲ
ットを搭載したカソードユニット9aおよびZnOター
ゲットを搭載したカソードユニット9bに外部からの直
流電源(不図示)により負の直流電位を印加し放電を生起
させ、スパッタリングによりAg薄膜およびZnO薄膜
を順次積層させた。その後基板は巻き取り用ボビン12に
より巻き取られバックリフレクター膜付基板が完成し
た。
【0037】ここで、帯状基板の搬送速度vを200mm/
分、マグネットアセンブリが円運動するときの周期を1
分、トンネル状磁束の磁界と電極により印加される電力
による電界が直交する部分における帯状基板の搬送方向
の間隔Lを100mmとした。搬送速度を検知しフィードバ
ックをかけて、その搬送速度にあったマグネットの揺動
周期Tを L/v=(n+1/2)T(n=0)となるよう
に自動コントロールした。基板搬送速度は1%以内の振れ
幅で一定の搬送速度を保った。
【0038】本発明の装置を用い上記方法で得られたバ
ックリフレクター膜を堆積した帯状基板をロール・ツー
・ロール装置から取り出し、5cm×5cmの大きさに切り離
し、シングルチャンバーの真空CVD装置にセットし、CVD
法により表1に示す条件でn型非単結晶シリコン半導体
膜,i型非単結晶シリコン半導体膜,p型非単結晶シリコン
半導体膜を順次積層させることにより半導体層を形成
し、半導体素子を完成した。
【0039】
【表1】
【0040】次にシングルチャンバーの真空蒸着装置に
図5のような直径6mmの穴902が25個あるステンレス製の
マスク901と一緒にセットし、真空蒸着法により表2に示
す条件で穴902に対応する半導体膜上にITO透明導電
膜(インジウム錫酸化物)を堆積し、図6の模式断面図
に示す光起電力素子を作製した。
【0041】
【表2】
【0042】図6において、10は帯状基板、911はバッ
クリフレクター膜、912はAg薄膜、913はZnO薄膜、
921は半導体層、922はn型非単結晶シリコン半導体膜、9
23はi型非単結晶シリコン半導体膜、924はp型非単結晶
シリコン半導体膜、931はITO透明導電膜である。
【0043】この方法により作製した光起電力素子を評
価したところ、帯状基板の搬送方向の短絡電流(Js
c)のばらつきはほとんど無かった。また、バックリフ
レクター膜のみにおいて、ZnO膜の膜厚のばらつきに
よる光の干渉色も無かった。
【0044】上述と同様の方法で、マグネットアセンブ
リの揺動周期TをL/v=(n+1/2)T(n=0)から
ずらした場合を実験した。その結果を図12に示す。n
=0±1/16の範囲内では短絡電流のばらつきはほと
んどなく、光の干渉色の発生もほとんどなかった。この
範囲を超えると、最大で短絡電流が4%程度ばらつきが
見られた。また、膜厚も不均一となり、光の干渉色が周
期的に発生していた。
【0045】(実施例2)実施例1のAg薄膜の代わり
に、ターゲット1にAlを用いてAl薄膜を形成するほ
かは、実施例1と同様にしてZnO薄膜を成膜し、その
後半導体素子を積層し光起電力素子を製造した。ただ
し、Alの形成温度は室温、ZnOの形成温度(設定温
度)は150℃とした。
【0046】この方法により作製した光起電力素子を評
価したところ、帯状基板の搬送方向の短絡電流(Js
c)のばらつきはほとんど無かった。また、バックリフ
レクター膜のみにおいて、ZnO膜の膜厚のばらつきに
よる光の干渉色も無かった。
【0047】上述と同様の方法で、マグネットアセンブ
リの揺動周期TをL/v=(n+1/2)T(n=0)から
ずらした場合を実験した。その結果実施例1と同様、n
=0±1/16の範囲内では短絡電流のばらつきはほと
んどなく、光の干渉色の発生もほとんどなかった。この
範囲を超えると、最大で短絡電流が3%程度ばらつきが見
られた。また、膜厚も不均一となり、光の干渉色が周期
的に発生していた。
【0048】(実施例3)実施例1と同様にしてAg薄
膜、ZnO薄膜を成膜し、その後図7の装置を用い半導
体素子を連続的に積層し光起電力素子を製造した。
【0049】まずバックリフレクター膜を実施例1と同
一条件で図4の装置を用い作製し、その後バックリフレ
クター膜が積層された帯状基板を図4の装置より取り出
し、図7の装置に取り付けた。
【0050】図7はロール・ツー・ロール方式のCVD装
置である。
【0051】送り出し用真空容器71、n型半導体層成膜
用真空容器72、i型半導体層成膜用真空容器73、p型半導
体層成膜用真空容器74、巻き取り用真空容器75はガスゲ
ート76で接続され排気口77より排気ポンプ(不図示)で
真空に排気されている。バックリフレクター膜が積層さ
れた帯状基板70は送り出し用ボビン78に巻かれており搬
送ローラー79により搬送方向が変更されてn型半導体層
成膜用真空容器72、i型半導体層成膜用真空容器73、p型
半導体層成膜用真空容器74へ搬送される(矢印の方
向)。そして各真空容器内で成膜等の処理が行われた帯
状基板70は搬送ローラー79により搬送方向が変更されて
巻き取り用ボビン80により巻き取られる。ここでガスゲ
ート76において掃気用ガス供給管81より掃気用ガスが流
されており各真空容器間でガスが混入するのを防いでい
る。
【0052】そして、各真空容器71乃至75の排気口77よ
り排気ポンプ(不図示)で排気しながら、各成膜用真空容
器でランプヒーター82により所定の温度まで加熱され、
成膜用ガス導入口83より成膜用ガスが、また掃気用ガス
供給管81より掃気用ガスとしてH2ガスがそれぞれ導入さ
れている。そして放電電極84に13.56MHzのRF電力が印加
され、またマイクロ波導入手段85より2.45GHzのマイク
ロ波が導入されそれぞれグロー放電を生起させてCVD法
により各層を成膜した。各層の成膜条件を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】本発明の装置を用い上記方法で得られた非
単結晶シリコン膜を堆積した帯状基板70をロール・ツー
・ロール装置から取り出し5cm×5cmの大きさに切り離し
実施例1と同一条件でITO透明導電膜を成膜し光起電
力素子を作製した。
【0055】この方法により作製した光起電力素子を評
価したところ、帯状基板の搬送方向の短絡電流(Js
c)のばらつきはほとんど無かった。また、バックリフ
レクター膜のみにおいて、ZnO膜の膜厚のばらつきに
よる光の干渉色も無かった。
【0056】上述と同様の方法で、マグネットアセンブ
リの揺動周期TをL/v=(n+1/2)T(n=0)から
ずらした場合を実験した。その結果は、実施例1同様n
=0±1/16の範囲内では短絡電流のばらつきはほと
んどなく、光の干渉色の発生もほとんどなかった。この
範囲を超えると、最大で短絡電流が4%程度ばらつきが
見られた。また、膜厚も不均一となり、光の干渉色が周
期的に発生していた。
【0057】(実施例4)本発明の図4の装置で、図9
に示すようなカソードユニット9を用い、図10に示す
ような2個の閉ループのトンネル状磁束を用いた他は実
施例1と同様にAg薄膜、ZnO薄膜を成膜し、その後
半導体素子を積層し光起電力素子を製造した。帯状基板
の搬送速度vは200mm/分、マグネットアセンブリが円
運動するときの周期は30秒、2個のトンネル状の磁束を
帯状基板の搬送方向に配置されるピッチpを50mmとし
た。搬送速度を検知しフィードバックをかけて、その搬
送速度にあったマグネットの揺動周期Tを p/v=
(n+1/m1)T(m1=2、n=0)となるように自動コ
ントロールした。
【0058】マグネットアセンブリの揺動周期Tをp/
v=(n+1/m1)T(m1=2、n=0)からずらした場
合も実験した。その結果、n=0±1/16の範囲内で
は短絡電流のばらつきや、光の干渉色の発生はほとんど
なかった。この範囲を超えると、最大で短絡電流が4%
程度ばらつきが見られた。また、膜厚も不均一となり、
光の干渉色が周期的に発生していた。
【0059】(実施例5)実施例4のAg薄膜の代わり
に、ターゲット1にAlを用いてAl薄膜を形成するほ
かは、実施例4と同様にしてZnO薄膜を成膜し、その
後半導体素子を積層し光起電力素子を製造した。ただ
し、Alの形成温度は室温、ZnOの形成温度は150
℃とした。
【0060】この方法により作製した光起電力素子を評
価したところ、帯状基板の搬送方向の短絡電流(Js
c)のばらつきはほとんど無かった。また、バックリフ
レクター膜のみにおいて、ZnO膜の膜厚のばらつきに
よる光の干渉色も無かった。
【0061】上述と同様の方法で、マグネットアセンブ
リの揺動周期Tを p/v=(n+1/m1)T(m1=2、n
=0)からずらした場合を実験した。その結果、n=0
±1/16の範囲内では短絡電流のばらつきや、光の干
渉色の発生はほとんどなかった。この範囲を超えると、
最大で短絡電流が3%程度ばらつきが見られた。また、
膜厚も不均一となり、光の干渉色が周期的に発生してい
た。
【0062】(実施例6)実施例4と同様にしてAg薄
膜、ZnO薄膜を成膜し、その後図7の装置を用い実施
例3と同様にして半導体素子を連続的に積層し光起電力
素子を製造した。
【0063】この方法により作製した光起電力素子を評
価したところ、帯状基板の搬送方向の短絡電流(Js
c)のばらつきはほとんど無かった。また、バックリフ
レクター膜のみにおいて、ZnO膜の膜厚のばらつきに
よる光の干渉色も無かった。
【0064】マグネットアセンブリの揺動周期Tをp/
v=(n+1/m1)T(m1=2、n=0)からずらした場
合も実験した。その結果、n=0±1/16の範囲内で
は短絡電流のばらつきや、光の干渉色の発生はほとんど
なかった。この範囲を超えると、最大で短絡電流が3%
程度ばらつきが見られた。また、膜厚も不均一となり、
光の干渉色が周期的に発生していた。
【0065】(実施例7)図11の装置を用い光起電力素
子用のバックリフレクターとして下部電極および光反射
層のAg薄膜、ZnO薄膜を成膜し、その後半導体素子
を積層し光起電力素子を製造した。
【0066】帯状基板10として、SUS430BA(幅120mm×
長さ100m×厚さ0.13mm)を用い十分に脱脂及び洗浄を行
い、図11のように張ってたるみの無い程度に張力調整
を行った。そこで各真空容器11、12a、12b、13の排気口
15より排気ポンプ(不図示)で排気した。次にランプヒー
ター18により成膜温度である400℃に加熱され掃気用ガ
ス供給管21より掃気用ガスとしてArが導入される。各
成膜室19a、19b、19c、19dにスパッタリング用ガスとし
てArを各々50sccmの流速で導入し、主弁(不図示)を閉
じながらコンダクタンスを小さくし2.0×10-3Torrの成
膜圧力に保持する。そしてAgターゲットを搭載したカ
ソードユニット9a、9bおよびZnOターゲットを搭載し
たカソードユニット9c、9dに外部からの直流電源(不図
示)により負の直流電位を印加し放電を生起させ、スパ
ッタリングによりAg薄膜およびZnO薄膜を随時積層
させて行く。その後巻き取り用ボビン20により巻き取ら
れバックリフレクター膜が完成する。
【0067】ここで、帯状基板の搬送速度vは400mm/
分、同一材料のターゲットを搭載した2個のカソードユ
ニット9a、9b(9c,9d)の帯状基板の長手方向に配置さ
れるピッチdが450mm、カソードユニットのスパッタリ
ング速度分布形状が往復移動しているときの周期Tは15
秒で、p/v=(n+1/m2)T(m2=2、n=4)を満た
すように、制御装置30a及び30bにより制御されている。
【0068】本発明の装置を用い上記方法で得られたバ
ックリフレクター膜を堆積した帯状基板をロール・ツー
・ロール装置から取り出し、実施例1と同様にして図6
の模式断面図に示す光起電力素子を作製した。
【0069】この方法により作製した光起電力素子を評
価したところ、帯状基板の長手方向の短絡電流(Js
c)のばらつきはほとんど無かった。また、バックリフ
レクター膜のみにおいて、ZnO膜の膜厚のばらつきに
よる光の干渉色も無かった。
【0070】マグネットアセンブリの揺動周期Tをp/
v=(n+1/m2)T(m2=2、n=4)からずらした場合
も実験した。その結果、n=4±1/16の範囲内では
短絡電流のばらつきや、光の干渉色の発生はほとんどな
かった。この範囲を超えると、最大で短絡電流が4%程
度ばらつきが見られた。また、膜厚も不均一となり、光
の干渉色が周期的に発生していた。
【0071】(実施例8)実施例7のAg薄膜の代わり
に、ターゲット1にAlを用いてAl薄膜を形成するほ
かは、実施例7と同様にしてZnO薄膜を成膜し、その
後半導体素子を積層し光起電力素子を製造した。ただ
し、Alの形成温度は室温、ZnOの形成温度は150
℃とした。
【0072】この方法により作製した光起電力素子を評
価したところ、帯状基板の搬送方向の短絡電流(Js
c)のばらつきはほとんど無かった。また、バックリフ
レクター膜のみにおいて、ZnO膜の膜厚のばらつきに
よる光の干渉色も無かった。
【0073】マグネットアセンブリの揺動周期Tをp/
v=(n+1/m2)T(m2=2、n=4)からずらした場合
も実験した。その結果、n=4±1/16の範囲内では
短絡電流のばらつきや、光の干渉色の発生はほとんどな
かった。この範囲を超えると、最大で短絡電流が3%程
度ばらつきが見られた。また、膜厚も不均一となり、光
の干渉色が周期的に発生していた。
【0074】(実施例9)実施例7と同様にしてAg薄
膜、ZnO薄膜を成膜し、その後図7の装置を用い実施
例3と同様にして半導体素子を連続的に積層し光起電力
素子を製造した。
【0075】この方法により作製した光起電力素子を評
価したところ、帯状基板の搬送方向の短絡電流(Js
c)のばらつきはほとんど無かった。また、バックリフ
レクター膜のみにおいて、ZnO膜の膜厚のばらつきに
よる光の干渉色も無かった。
【0076】マグネットアセンブリの揺動周期Tをp/
v=(n+1/m2)T(m2=2、n=4)からずらした場合
も実験した。その結果、n=4±1/16の範囲内では
短絡電流のばらつきや、光の干渉色の発生はほとんどな
かった。この範囲を超えると、最大で短絡電流が4%程
度ばらつきが見られた。また、膜厚も不均一となり、光
の干渉色が周期的に発生していた。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればロ
ール・ツー・ロール方式で機能性堆積膜を堆積する際
に、ターゲットの利用効率が高く、かつ膜厚分布のよい
膜を連続的に形成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカソードユニットの概略図
【図2】ターゲットの上の閉ループ形をしたトンネル状
磁束
【図3】帯状基板の搬送方向におけるトンネル状磁束の
移動速度
【図4】本発明のロール・ツー・ロール方式のスパッタ
リング装置
【図5】ITO透明導電膜用マスク
【図6】本発明のスパッタ方法で形成したバックリフレ
クターを有する光起電力素子の模式断面図
【図7】ロール・ツー・ロール方式のCVD装置
【図8】カソードユニットの概略図
【図9】本発明のカソードユニットの概略図
【図10】ターゲットの上の閉ループ形をしたトンネル
状磁束
【図11】本発明のロール・ツー・ロール方式のスパッ
タリング装置
【図12】短絡電流のばらつきとnの関係を示す図
【符号の説明】
1 ターゲット 2 ターゲット冷却板 3、4 永久磁石 5 永久磁石支持体 6 マグネットアセンブリ 7 トンネル状磁束 9 カソードユニット 10 帯状基板 912 Ag薄膜 913 ZnO薄膜 922 n型非単結晶シリコン半導体膜 923 i型非単結晶シリコン半導体膜 924 p型非単結晶シリコン半導体膜 931 透明導電膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 靖 京都府相楽郡木津町兜台7−14−13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲットの上に複数のトンネル状磁束
    を形成し、該ターゲットと帯状基板との間に電界を形成
    し、該帯状基板を搬送しつつ、同時に前記トンネル状磁
    束を少なくとも前記基板の搬送方向に往復運動させるス
    パッタリング方法であって、基板の搬送速度v、トンネ
    ル状磁束の磁界と前記電界とが直交する点同士の前記基
    板の搬送方向の間隔L、トンネル状磁束の往復運動の周
    期Tについて、L/v=(n+1/2)T (ただしz−1/1
    6<n<z+1/16、zは0以上の整数)となるように制御
    することを特徴とするスパッタリング方法。
  2. 【請求項2】 ターゲットの上に複数の閉ループ形状の
    トンネル状磁束を形成し、該ターゲットと帯状基板との
    間に電界を形成し、該帯状基板を搬送しつつ、同時に前
    記トンネル状磁束を少なくとも前記基板の搬送方向に往
    復運動させるスパッタリング方法であって、基板の搬送
    速度v、複数の閉ループが配置される間隔をp、トンネ
    ル状磁束の往復運動の周期Tについて、p/v=(n+1
    /m1)T (ただしz−1/(8m1)<n<z+1/(8m1)、z
    は0以上の整数、m1はムラを打ち消し合う閉ループの
    数)となるように制御することを特徴とするスパッタリ
    ング方法。
  3. 【請求項3】 ターゲットの上にトンネル状磁束を形成
    し、該ターゲットと帯状基板との間に電界を形成し、該
    帯状基板を搬送しつつ、同時に前記トンネル状磁束を少
    なくとも前記基板の搬送方向に往復運動させるスパッタ
    リング方法であって、前記ターゲットが複数存在し、互
    いに独立して往復運動し、基板の搬送速度v、互いに独
    立に往復運動する複数のターゲットの往復運動中心点間
    隔をd、トンネル状磁束の往復運動の周期Tについて、
    d/v=(n+1/m2)T (ただしz−1/(8m2)<n<z
    +1/(8m2)、zは0以上の整数、m2はムラを打ち消し合
    うターゲットの数)となるように制御することを特徴と
    するスパッタリング方法。
  4. 【請求項4】 トンネル状磁束が、円運動していること
    を特徴とする請求項1乃至3記載のスパッタリング方
    法。
  5. 【請求項5】 トンネル状磁束が前記ターゲット上で閉
    ループを形成していることを特徴とする請求項1又は3
    記載のスパッタリング方法。
  6. 【請求項6】 閉ループが複数形成されていることを特
    徴とする請求項5記載のスパッタリング方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載の方法で金属層及び
    /又は透明導電層を形成する工程と、半導体層を形成す
    る工程とを有することを特徴とする光起電力素子の製造
    方法。
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