JPH11297142A - 発泡絶縁電線の製造方法及び発泡絶縁電線 - Google Patents

発泡絶縁電線の製造方法及び発泡絶縁電線

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JPH11297142A
JPH11297142A JP9168098A JP9168098A JPH11297142A JP H11297142 A JPH11297142 A JP H11297142A JP 9168098 A JP9168098 A JP 9168098A JP 9168098 A JP9168098 A JP 9168098A JP H11297142 A JPH11297142 A JP H11297142A
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Hideyuki Suzuki
秀幸 鈴木
Yoshihisa Kato
善久 加藤
Yukio Suzuki
幸夫 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、製造時には発泡に最適の粘度
を維持できると共に発泡ガスが抜けにくく、その結果製
造された発泡絶縁電線の絶縁層は均一な発泡絶縁層から
成る発泡絶縁電線の製造方法及び発泡絶縁電線を提供す
ることにある。 【解決手段】本発明は、導線上に、紫外線架橋性の液状
無溶剤ワニス、紫外線発泡性発泡剤、低温用架橋開始
剤、高温用架橋開始剤を含む発泡組成物を塗布すること
により発泡組成物塗布導線とした後、該発泡組成物塗布
導線を前記低温用架橋開始剤の分解開始温度以上の温度
で一次加熱硬化させ、次に該発泡組成物塗布導線に紫外
線を照射することにより発泡絶縁電線とし、然る後該発
泡絶縁電線を前記高温用架橋開始剤の分解開始温度以上
の温度で二次加熱硬化させることを特徴とする発泡絶縁
電線の製造方法及びその得られた発泡絶縁電線にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡絶縁電線の製造
方法及び発泡絶縁電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通信機器、精密電子機器、医療機器等で
は小形化、高密度実装化の傾向が年々高まってきてい
る。このような背景のもとにこれらの機器に使用される
電線、ケーブルにおいても細径化の要求が強まってきて
いる。例えば、最近の絶縁電線では仕上がり外径が0.
5mm以下のものが多用されるようになってきている。
【0003】ところで絶縁電線の製造方法として広く実
用されている方法は押出機へ導線を連続的に送り込みな
がらその導線上へ絶縁材料を押し出し被覆する方法であ
る。しかしこの絶縁材料の押し出し被覆では仕上がり外
径が0.5mm以下のものを製造することが困難である。
これはこのような仕上がり外径が0.5mm以下の絶縁電
線では導線が細く、その結果導線が絶縁材料の押し出し
圧力や巻取張力等により断線し易く、また絶縁材料の被
覆厚さが薄いために薄肉に押し出しするのが技術的に難
しいためである。
【0004】これに対してエナメル線の製造は導線上に
エナメル塗料を塗布、焼き付けする方法であるから絶縁
材料の厚さが薄肉の絶縁電線を製造することが容易であ
る。しかしエナメル線の製造ではエナメル塗料を塗布、
焼き付けすることからエナメル塗料中に含まれる有機溶
剤の蒸発により環境を汚染する懸念がある。しかもエナ
メル線用樹脂は低誘電率材料であるとか、発泡絶縁体と
することが困難等の難点がある。
【0005】他方、無溶剤ワニス、例えば紫外線硬化樹
脂は液状の無溶剤のワニスであり且つ紫外線照射で硬化
することから薄肉塗装ができ、また有機溶剤の蒸発によ
る環境汚染の懸念がなく、更に高誘電率材料もあり、そ
の上絶縁層の発泡することも容易である。
【0006】このような訳で導線上に紫外線硬化樹脂を
塗装、硬化させた薄肉発泡絶縁電線が注目されている。
【0007】紫外線硬化樹脂を塗装、硬化させた薄肉発
泡絶縁電線の製造方法としては次のような方法が公知で
ある。
【0008】(1)中空球配合法(特開昭3−6741
7号公報、特開昭3−71521号公報、外) (2)熱膨張性バルーン配合法(特開昭4−22014
号公報) (3)窒素や空気の気泡混入方法(特開昭3−2671
72号公報) (4)熱分解発泡剤配合法(特開昭4−264316号
公報) (5)光分解発泡剤配合法(特開昭7−45145号公
報)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の方法では
次のような難点があった。
【0010】(1)中空球配合法 この方法では紫外線硬化樹脂に中空球を配合するため、
この中空球が薄肉の障害となる。
【0011】(2)熱膨張性バルーン配合法 この方法では熱膨張性バルーンを配合した紫外線硬化樹
脂を導線上に塗装してから加熱発砲させるが、加熱した
薄肉絶縁層から発生したガスが抜け易く、その結果均一
な発泡が得られない。
【0012】(3)窒素や空気の気泡混入方法 この方法では窒素や空気を混入した紫外線硬化樹脂を導
線上に塗装してから加熱発泡させるが、加熱した薄肉絶
縁層から窒素や空気が抜け易く、その結果均一な発泡が
得られない。
【0013】(4)熱分解発泡剤配合法 この方法では熱分解発泡剤を配合した紫外線硬化樹脂を
導線上に塗装してから加熱発泡させるが、加熱した薄肉
絶縁層から発生したガスが抜け易く、その結果均一な発
泡が得られない。
【0014】(5)光分解発泡剤配合法 光分解発泡剤は光照射で発泡することから高温に加熱す
る必要がなく、その結果薄肉絶縁層からガスが抜けな
く、それにより均一な発泡の薄肉絶縁層が得られる。し
かしこの方法では加熱しないことから硬化速度が遅いと
いう難点がある。また、上記(1)〜(4)の方法では
加熱が伴うことから紫外線硬化樹脂の粘度が小さくな
り、その結果導体上に塗布してから液ダレ現象を起こし
て均一な厚さに仕上げられないという難点がある。その
上上記(1)〜(4)の方法では加熱が伴うことから紫
外線硬化樹脂を液状状態から硬化状態の全過程にわたり
発泡に適した粘度に維持することが至難のことであっ
た。
【0015】本発明はかかる点に立って為されたもので
あって、その目的とするところは前記した従来技術の欠
点を解消し、製造時には発泡に最適の粘度を維持できる
と共に発泡ガスが抜けにくく、その結果製造された発泡
絶縁電線の絶縁層は均一な発泡絶縁層から成る発泡絶縁
電線の製造方法及び発泡絶縁電線を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、導線上に、紫外線架橋性の液状無溶剤ワニス、紫
外線発泡性発泡剤、低温用架橋開始剤、高温用架橋開始
剤を含む発泡組成物を塗布することにより発泡組成物塗
布導線とした後、該発泡組成物塗布導線を前記低温用架
橋開始剤の分解開始温度以上の温度で一次加熱硬化さ
せ、次に該発泡組成物塗布導線に紫外線を照射すること
により発泡絶縁電線とし、然る後該発泡絶縁電線を前記
高温用架橋開始剤の分解開始温度以上の温度で二次加熱
硬化させることを特徴とする発泡絶縁電線の製造方法及
びその得られた発泡絶縁電線にある。
【0017】本発明において高温用架橋開始剤はその反
応開始温度が低温用架橋開始剤の反応開始温度より少な
くとも30℃以上高いものであることが好ましい。
【0018】本発明において低温用架橋開始剤と高温用
架橋開始剤との配合比率は、低温用架橋開始剤の公知の
活性係数F1 、高温用架橋開始剤の公知の活性係数
2 、配合した低温用架橋開始剤の活性度K1 =F1 ×
低温用架橋開始剤の配合量(モル)、配合した高温用架
橋開始剤の活性度K2 =F2 ×高温用架橋開始剤の配合
量(モル)、活性比率R=K1 /K2 としたとき、 活性比率R=0.05〜1.00 のようになっていることが好ましい。
【0019】本発明において発泡絶縁層は、紫外線発泡
性発泡剤がアジト系光発泡剤、低温用架橋開始剤がアゾ
ビス系開始剤、高温用架橋開始剤が過酸化物系開始剤か
ら成ることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の発泡絶縁電線の製
造方法及び発泡絶縁電線の実施の形態について説明す
る。
【0021】本発明において紫外線架橋性の液状無溶剤
ワニスは基本的に重合性オリゴマ、重合性モノマ、架橋
開始剤等から成る。
【0022】重合性オリゴマ、重合性モノマ、架橋開始
剤としては次のようなものがある。
【0023】a.重合性オリゴマ 重合性オリゴマは不飽和二重結合を有する官能基、例え
ばアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニ
ル基等を2個以上有するオリゴマである。
【0024】この重合性オリゴマの具体例としてはエポ
キシアクリレート系オリゴマ、エポキシ化油アクリレー
ト系オリゴマ、ウレタンアクリレート系オリゴマ、ポリ
エステルウレタンアクリレート系オリゴマ、ポリエーテ
ルアクリレート系オリゴマ、ビニルアクリレート系オリ
ゴマ、シリコーンアクリレート系オリゴマ、ポリブタジ
エンアクリレート系オリゴマ、ポリスチレンエチルメタ
クリレート系オリゴマ、ポリカーボネートジカルボネー
ト系オリゴマ、不飽和ポリエステル系オリゴマ、ポリエ
ン/チオール系オリゴマ等がある。これらは単独又は2
種以上を混合したものでもよい。このオリゴマはその水
素原子をふっ素原子で置換したものでもよい。
【0025】b.重合性モノマ また、重合性モノマとはアクリロイル基、メタクリロイ
ル基、アリル基、ビニル基等を1個又は2個以上有する
モノマである。
【0026】c.架橋開始剤 架橋開始剤は加熱すると分解してフリーラジカルを生成
し、その生成したフリーラジカルが重合性オリゴマや重
合性モノマの重合反応を開始するようになるものであ
る。
【0027】このような架橋開始剤としてはベンゾイン
エーテル系化合物、ケータメ系化合物、アセトフェノン
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系
化合物、アゾビス系化合物、過酸化物等がある。
【0028】本発明においては架橋開始剤は2種配合す
るが、これら2種の架橋開始剤の反応開始温度は30℃
以上、より望ましくは50℃以上離れていることが適切
である。このように反応開始温度が離れた2種の架橋開
始剤を配合することにより低温架橋と高温架橋とを分離
することができる。
【0029】架橋開始剤の配合量は特に規定するもので
ないが、一般には重合性オリゴマと重合性モノマとの1
00重量部に対して、2種の架橋開始剤の合計量を0.
1〜10.0重量部、望ましくは1.0〜5.0重量部
配合する。これは2種の架橋開始剤の合計量が0.1重
量部以下では架橋しない部分も生じ、その結果架橋ムラ
が発生するためである。逆に、10.0重量部以上配合
するとラジカルの停止反応が優先して進行し、その結果
架橋ムラが発生するためである。
【0030】また、本発明において低温用架橋開始剤と
高温用架橋開始剤の比率はベースの紫外線架橋性液状無
溶剤ワニスの粘度、配合する発泡剤の種類と配合量等に
より異なるが、一般には低温用架橋開始剤と高温用架橋
開始剤は次のようになることが好ましい。
【0031】いま、低温用架橋開始剤の公知の活性係数
1 、高温用架橋開始剤の公知の活性係数F2 、配合し
た低温用架橋開始剤の活性度K1 =F1 ×低温用架橋開
始剤の配合量(モル)、配合した高温用架橋開始剤の活
性度K2 =F2 ×高温用架橋開始剤の配合量(モル)、
活性比率R=K1 /K2 としたとき、 活性比率R=0.05〜1.00 の範囲が好ましい。
【0032】特に、独楽示威範囲は、 活性比率R=0.20〜0.8 である。
【0033】更に、ここにおいて架橋開始剤の活性度は
便覧等に掲載されている公知の値である。
【0034】なお、ここにおいて活性比率Rが0.05
以下では低温用架橋開始剤の活性度が低く、その結果紫
外線架橋性の液状無溶剤ワニスの硬化が進まず粘度上昇
が低く、それによりガス抜けが大きくなる難点がある。
逆に、活性比率Rが1.00以上では低温用架橋開始剤
の活性度が高くなり、その結果紫外線架橋性の液状無溶
剤ワニスの硬化が進み過ぎて粘度上昇が大きく、それに
より発泡の不均一が発生する。
【0035】d.他の配合剤 本発明の紫外線架橋性の液状無溶剤ワニスは基本的に上
記の(a)重合性オリゴマ、(b)重合性モノマ及び
(c)架橋開始剤の3成分から成るが、必要に応じて他
の配合剤も配合することも差し支えない。
【0036】このような配合剤としては架橋開始助剤、
接着防止剤、チクソ付与剤、充填剤、可塑剤、非反応性
ポリマ、着色剤、難燃剤、軟化防止剤、離型剤、湿潤
剤、沈澱防止剤、増粘剤、帯電防止剤、静電防止剤、防
かび剤、防鼠剤、艶消し剤、ブロッキング防止剤、皮張
り防止剤、界面活性剤等がある。
【0037】e.導線 本発明の発泡絶縁電線に用いられる導線の金属としては
銅、アルミ、鉄、銀、白金、金、又はこれらの合金が用
いられる。また、これらの導線は単線又は撚線でもよ
い。更に、この撚線においてはめっきしたものでもよ
い。
【0038】
【実施例】次に、本発明の発泡絶縁電線の製造方法及び
発泡絶縁電線の実施例を比較例と共に説明する。
【0039】(実施例1)ウレタンアクリレート系オリ
ゴマ80重量部、アクリロイル基を有するモノマ20重
量部から成るベース成分100重量部に対して、アジト
系光発泡剤1.4重量部、反応温度65℃のアゾビス系
開始剤1.0重量部、反応温度120℃の過酸化物系開
始剤4.0重量部配合して成る実施例1の紫外線硬化樹
脂組成物を作成した。
【0040】次に、この実施例1の紫外線硬化樹脂組成
物をアプリケータを用いて厚さ100μmの薄膜に形成
した。この形成した薄膜の粘度は800mPa・sであ
った。
【0041】次に、得られた薄膜を80℃で5分一次加
熱した。この一次加熱処理した薄膜の粘度は32,00
0mPa・sに上昇した。
【0042】次に、この一次加熱処理した薄膜に1,5
00mJ/cm2 の紫外線を照射し、発泡させた。薄膜は
発泡により厚さ240μmの発泡薄膜になった。
【0043】最後に、この発泡薄膜を150℃で6分二
次加熱し、硬化させた。
【0044】得られた実施例1の発泡薄膜は均一な発泡
か形成され、その発泡度は58%であった。
【0045】(実施例2)ポリブタジエンメタクリレー
ト系オリゴマを主体とするベース成分100重量部に対
して、アジト系光発泡剤1.2重量部、反応温度65℃
のアゾビス系開始剤1.2重量部、反応温度120℃の
過酸化物系開始剤4.6重量部配合して成る実施例2の
紫外線硬化樹脂組成物を作成した。
【0046】次に、この実施例2の紫外線硬化樹脂組成
物をアプリケータを用いて厚さ100μmの薄膜に形成
した。この形成した薄膜の粘度は450mPa・sであ
った。
【0047】次に、得られた薄膜を80℃で5分一次加
熱した。この一次加熱処理した薄膜の粘度は28,00
0mPa・sに上昇した。
【0048】次に、この一次加熱処理した薄膜に2,4
00mJ/cm2 の紫外線を照射し、発泡させた。薄膜は
発泡により厚さ220μmの発泡薄膜になった。
【0049】最後に、この発泡薄膜を150℃で6分二
次加熱し、硬化させた。
【0050】得られた実施例2の発泡薄膜は均一な発泡
か形成され、その発泡度は54%であった。
【0051】(実施例3)ふっ素系アクリレート系オリ
ゴマを主体とするベース成分100重量部に対して、ア
ジト系光発泡剤1.2重量部、反応温度65℃のアゾビ
ス系開始剤1.4重量部、反応温度120℃の過酸化物
系開始剤3.8重量部配合して成る実施例3の紫外線硬
化樹脂組成物を作成した。
【0052】次に、この実施例3の紫外線硬化樹脂組成
物をアプリケータを用いて厚さ100μmの薄膜に形成
した。この形成した薄膜の粘度は220mPa・sであ
った。
【0053】次に、得られた薄膜を80℃で5分一次加
熱した。この一次加熱処理した薄膜の粘度は38,00
0mPa・sに上昇した。
【0054】次に、この一次加熱処理した薄膜に2,4
00mJ/cm2 の紫外線を照射し、発泡させた。薄膜は
発泡により厚さ250μmの発泡薄膜になった。
【0055】最後に、この発泡薄膜を150℃で6分二
次加熱し、硬化させた。
【0056】得られた実施例3の発泡薄膜は均一な発泡
か形成され、その発泡度は60%であった。
【0057】(比較例1)ウレタンアクリレート系オリ
ゴマ80重量部、アクリロイル基を有するモノマ20重
量部から成るベース成分100重量部に対して、アジト
系光発泡剤1.4重量部、反応温度65℃のアゾビス系
開始剤1.0重量部配合することにより比較例1の紫外
線硬化樹脂組成物を作成した。
【0058】次に、この比較例1の紫外線硬化樹脂組成
物をアプリケータを用いて厚さ100μmの薄膜に形成
した。この形成した薄膜の粘度は800mPa・sであ
った。
【0059】次に、得られた薄膜を80℃で5分一次加
熱した。この一次加熱処理した薄膜の粘度は32,00
0mPa・sに上昇した。
【0060】次に、この一次加熱処理した薄膜に1,5
00mJ/cm2 の紫外線を照射し、発泡させた。薄膜は
発泡により厚さ240μmの発泡薄膜になった。
【0061】得られた比較例1の発泡薄膜は表面が著し
く粘着し、実用できなかった。
【0062】(比較例2)ウレタンアクリレート系オリ
ゴマ80重量部、アクリロイル基を有するモノマ20重
量部から成るベース成分100重量部に対して、アジト
系光発泡剤1.4重量部、反応温度65℃のアゾビス系
開始剤5.0重量部配合することにより比較例2の紫外
線硬化樹脂組成物を作成した。
【0063】次に、この比較例2の紫外線硬化樹脂組成
物をアプリケータを用いて厚さ100μmの薄膜に形成
した。この形成した薄膜の粘度は800mPa・sであ
った。
【0064】次に、得られた薄膜を80℃で5分一次加
熱した。この一次加熱処理した薄膜は粘度を計れないほ
ど完全に硬化した。
【0065】次に、この一次加熱処理した薄膜に1,5
00mJ/cm2 の紫外線を照射し、発泡させたが、粘度
を計れないほど完全に硬化した薄膜であり、発泡させる
ことが困難であった。
【0066】(比較例3)ウレタンアクリレート系オリ
ゴマ80重量部、アクリロイル基を有するモノマ20重
量部から成るベース成分100重量部に対して、アジト
系光発泡剤1.4重量部、反応温度120℃の過酸化物
系開始剤を4.0重量部配合することにより比較例3の
紫外線硬化樹脂組成物を作成した。
【0067】次に、この比較例3の紫外線硬化樹脂組成
物をアプリケータを用いて厚さ100μmの薄膜に形成
した。この形成した薄膜の粘度は800mPa・sであ
った。
【0068】次に、得られた薄膜に1,500mJ/cm
2 の紫外線を照射し、発泡させたが、粘度が低す過ぎて
ガス抜けし、その結果均一な発泡が不可能であった。
【0069】(比較例4)ウレタンアクリレート系オリ
ゴマ80重量部、アクリロイル基を有するモノマ20重
量部から成るベース成分100重量部に対して、アジト
系光発泡剤1.4重量部、反応温度120℃の過酸化物
系開始剤を4.0重量部配合することにより比較例3の
紫外線硬化樹脂組成物を作成した。
【0070】次に、この比較例3の紫外線硬化樹脂組成
物をアプリケータを用いて厚さ100μmの薄膜に形成
した。この形成した薄膜の粘度は800mPa・sであ
った。
【0071】次に、得られた薄膜を150℃で6分一次
加熱した。この一次加熱処理した薄膜は粘度を計れない
ほど完全に硬化した。
【0072】次に、この一次加熱処理した薄膜に1,5
00mJ/cm2 の紫外線を照射し、発泡させたが、粘度
を計れないほど完全に硬化した薄膜であり、発泡させる
ことが困難であった。
【0073】(評価結果)上記の通り比較例1〜4では
均一な発泡の薄膜が得られない。
【0074】これらに対して実施例1〜3では均一な発
泡の薄膜が得られる。
【0075】ここでは薄膜単独について実験したが、導
線上に形成した発泡薄膜、即ち発泡絶縁電線でも同様に
均一な発泡薄膜が得られることは勿論である。
【0076】
【発明の効果】本発明の発泡絶縁電線の製造方法及び発
泡絶縁電線によれば均一な発泡薄膜が得られ、その結果
薄肉、低誘電率、低伝送損失を有する発泡絶縁電線が得
られるものであり、工業上有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導線上に、紫外線架橋性の液状無溶剤ワニ
    ス、紫外線発泡性発泡剤、低温用架橋開始剤、高温用架
    橋開始剤を含む発泡組成物を塗布することにより発泡組
    成物塗布導線とした後、該発泡組成物塗布導線を前記低
    温用架橋開始剤の分解開始温度以上の温度で一次加熱硬
    化させ、次に該発泡組成物塗布導線に紫外線を照射する
    ことにより発泡絶縁電線とし、然る後該発泡絶縁電線を
    前記高温用架橋開始剤の分解開始温度以上の温度で二次
    加熱硬化させることを特徴とする発泡絶縁電線の製造方
    法。
  2. 【請求項2】導線上に発泡絶縁層を設けて成る発泡絶縁
    電線において、該発泡絶縁層は紫外線架橋性の液状無溶
    剤ワニス、紫外線発泡性発泡剤、低温用架橋開始剤、高
    温用架橋開始剤から成る発泡組成物の薄膜を発泡、硬化
    させたものから成ることを特徴とする発泡絶縁電線。
  3. 【請求項3】高温用架橋開始剤はその反応開始温度が低
    温用架橋開始剤の反応開始温度より少なくとも30℃以
    上高いものであることを特徴とする請求項2記載の発泡
    絶縁電線。
  4. 【請求項4】低温用架橋開始剤と高温用架橋開始剤と
    は、低温用架橋開始剤の公知の活性係数F1 、高温用架
    橋開始剤の公知の活性係数F2 、配合した低温用架橋開
    始剤の活性度K1 =F1 ×低温用架橋開始剤の配合量
    (モル)、配合した高温用架橋開始剤の活性度K2 =F
    2 ×高温用架橋開始剤の配合量(モル)、活性比率R=
    1 /K2 としたとき、 活性比率R=0.05〜1.00 のように配合されていることを特徴とする請求項2記載
    の発泡絶縁電線。
  5. 【請求項5】発泡絶縁層の紫外線発泡性発泡剤がアジト
    系光発泡剤、低温用架橋開始剤がアゾビス系開始剤、高
    温用架橋開始剤が過酸化物系開始剤であることを特徴と
    する請求項2記載の発泡絶縁電線。
JP9168098A 1998-04-03 1998-04-03 発泡絶縁電線の製造方法及び発泡絶縁電線 Pending JPH11297142A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010198845A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Hitachi Cable Ltd 多孔質体を用いた絶縁電線及びその製造方法

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