JPH0817257A - 紫外線硬化発泡絶縁電線及びその製造方法 - Google Patents

紫外線硬化発泡絶縁電線及びその製造方法

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JPH0817257A
JPH0817257A JP15223594A JP15223594A JPH0817257A JP H0817257 A JPH0817257 A JP H0817257A JP 15223594 A JP15223594 A JP 15223594A JP 15223594 A JP15223594 A JP 15223594A JP H0817257 A JPH0817257 A JP H0817257A
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organic peroxide
ultraviolet
pts
foamed
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JP15223594A
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Yoshihisa Kato
善久 加藤
Hideyuki Suzuki
秀幸 鈴木
Norio Takahata
紀雄 高畑
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易かつ高速に製造でき、良好な外観を有す
る紫外線硬化発泡絶縁電線を提供する。 【構成】 導体上に絶縁層を有する絶縁電線において、
前記絶縁層を、紫外線硬化樹脂組成物と紫外線照射によ
って分解しガスを発生する光分解化合物と有機過酸化物
とからなる樹脂組成物で形成したことを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線硬化発泡絶縁電線
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、通信機器類や精密電子機器類は小
型化あるいは高密度実装化の傾向が著しく、その要請に
対応するために、ケーブル心線もますます細径化される
傾向にあり、外径が 0.5mm以下といった細径の絶縁電線
も使用されるようになった。
【0003】一方、コンピュータなどにおいては、伝送
信号の一層の高速化を求める傾向が顕著であり、これに
使用される上記細径絶縁電線の絶縁体層を薄くかつ高発
泡化し、可能な限り低誘電率化することにより伝送信号
の高速化を図ったいわゆるハイスピードワイヤーへの要
望が高まっている。
【0004】コンピュータ等の信号伝送用電線・ケーブ
ルに発泡絶縁体を被覆する方法として、予め発泡させた
フィルムを導体上に巻き付ける方法もとられているが、
発泡絶縁体被覆の形成には押出方式が用いられる場合が
多い。
【0005】このような絶縁体の発泡手段としては、ガ
スにより発泡させる物理的なガス発泡法と化学反応を利
用した化学発泡法が知られている。
【0006】前者のガス発泡法には、液体フロンのよう
な揮発性発泡用液体を溶融樹脂中に強制注入させ、その
気化圧により発泡させる方法、あるいは押出機中の溶融
樹脂中に直接気泡形成用ガスを圧入させることにより一
様に分布した細胞状の微細な独立気泡体を樹脂中に発生
させる方法などがある。
【0007】後者の化学発泡法は、樹脂中に発泡剤を分
散混合した状態で成形し、その後熱を加えることにより
発泡剤を化学的に反応分解させることによりガスを発生
させ、発泡させるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したガス発泡の前
者の方法は、樹脂を一旦溶融させその中に揮発性発泡用
液体を強制注入するものであり、強い圧力を必要とする
場合が多い。また、このような液化ガスは気化圧が強
く、微細な発泡構造体を得ることが難しい上、良好な製
品外観を得ることも困難である。さらに、液化ガスの注
入速度が遅いために高速化が難しく、生産性に劣るとい
う問題もある。
【0009】また、押出機中で直接ガスを圧入する方法
は、安全面などで特別な設備や技術を必要とする。
【0010】一方、化学発泡の場合には、前述したよう
に予め樹脂中に発泡剤を混練し分散混合しておく必要が
あり、この発泡剤を成形加工後に熱により反応分解させ
て生じたガスにより発泡を行わせるものである。従っ
て、この際の樹脂の成形加工温度は、発泡剤が成形加工
中に分解しないようにするために当該発泡剤の分解温度
より低く保持させねばならないという問題があり、使用
する発泡剤そのものが大幅に制約されるという問題があ
る。
【0011】さらに、押出被覆方式の場合には、素線の
径が細くなると、プレッシャーにより断線が起こりやす
く高速化が難しくなるという別の問題もあり、先に説明
した導体の細径化という今日的要請に対応しにくいとい
う問題もある。
【0012】本発明の目的は、前記した従来技術の課題
を解消し、容易かつ高速に製造でき、良好な外観を有す
る紫外線硬化発泡絶縁電線及びその製造方法を提供しよ
うとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の紫外線硬化発泡絶縁電線は、導体上に絶縁
層を有する絶縁電線において、前記絶縁層を、紫外線硬
化樹脂組成物と紫外線照射によって分解しガスを発生す
る光分解化合物と有機過酸化物とからなる樹脂組成物で
形成したものである(請求項1)。その有機過酸化物の
含有量は 0.1重量%以上であることが好ましい(請求項
2)。また、有機過酸化物の分解温度は100℃以下であ
ることが好ましい(請求項3)。
【0014】また、本発明の紫外線硬化発泡絶縁電線の
製造方法は、導体上に、光重合性オリゴマ,光重合性モ
ノマ,光開始剤よりなる紫外線硬化樹脂組成物と紫外線
照射によって分解しガスを発生する光分解化合物と有機
過酸化物とからなる樹脂組成物を被覆し、これを紫外線
照射によって発泡硬化させた後、加熱処理するものであ
る(請求項4)。また導体を予め有機過酸化物の分解温
度以上に加熱処理することが好ましい(請求項5)。
【0015】本発明に使用する紫外線硬化樹脂組成物
は、薄肉被覆が容易な液状で、基本的には光重合性オリ
ゴマ,光重合性モノマ,光開始剤などからなる。光重合
性オリゴマ(プレポリマ)とは、例えば、エポキシアク
リレート系,エポキシ化油アクリレート系,ウレタンア
クリレート系,ポリエステルウレタンアクリレート系,
ポリエーテルウレタンアクリレート系,ポリエステルア
クリレート系,ポリエーテルアクリレート系,ビニルア
クリレート系,シリコーンアクリレート系,ポリブタジ
エンアクリレート系,ポリスチレンエチルメタクリレー
ト系,ポリカーボネートジカルボネート系,不飽和ポリ
エステル系,ポリエン/チオール系など各種オリゴマで
あって、不飽和二重結合を有する官能基、例えばアクリ
ロイル基,メタクリロイル基,アリル基,ビニル基を2
個以上有するものである。オリゴマはフッ素置換された
ものでもよく、2種以上のオリゴマを組み合わせてもよ
い。
【0016】光重合性モノマとは、分子中にアクリロイ
ル基,メタクリロイル基,ビニル基,アリル基などの官
能基を1個または2個以上有する公知の化合物を用いる
ことができる。
【0017】光重合開始剤とは、光重合性オリゴマやモ
ノマの重合反応を開始させる働きをもつもので、紫外線
を受けフリーラジカルを生成する役割を持つ。紫外線架
橋のためにはこのフリーラジカルが必要で、光重合開始
剤は紫外線照射により特定波長を吸収して電子的励起状
態となりラジカルを発生し易い物質である。例えば、ベ
ンゾインエーテル系,ケタール系,アセトフェノン系,
ベンゾフェノン系,チオキサントン系などがあり目的に
応じて種々の光重合開始剤を用いることができる。
【0018】紫外線照射によって分解しガスを発生する
光分解化合物とは、紫外線照射により分解し気体を生ず
るものであればよく、特に限定するものではないが、紫
外線硬化樹脂組成物に溶解するものが好ましい。これは
溶解しないと、微細な均一発泡が得られないことや局部
的にガスが多く発生し、部分的な膨れや外観あれなどの
問題が起こることがあるからである。
【0019】光分解化合物としては、たとえばアジド基
またはジアゾ基をもつ化合物などが挙げられる。
【0020】アジド基をもつ化合物としては、p-アジド
ベンズアルデヒド,p-アジドアセトフェノン,p-アジド
安息香酸,p-アジドベンズアルデヒド-2- スルホン酸ナ
トリウム,p-アジドベンザルアセトフェノン,4,4-ジア
ジドカルコン,2,6-ビス(4'-アジドベンザル)シクロヘ
キサノン,2,6-ビス(4'-アジドベンザル)4-メチルシク
ロヘキサノン,1,3-ビス(4'-アジドベンザル)-2-プロパ
ノン,p-アジドベンザルアセトン,p-アジドベンザルア
セトン-2- スルホン酸ナトリウム,1,3-ビス(4'-アジド
シンナミリデン)-2-プロパノン,1,3-ビス(4'-アジドベ
ンザル)-2-プロパノン2'- スルホン酸,4,4'- ジアジド
スチルベン-2,2'-ジスルホン酸,4,4'- ジアジドスチル
ベン-2,2'-ジスルホン酸ナトリウム,1,3-ビス(4'-アジ
ドベンザル)-2-プロパノン2;2'- ジスルホン酸,1,3-ビ
ス(4'-アジドベンザル)-2-プロパノン2;2'- ジスルホ
ン酸ナトリウム,2,6-ビス(4'-アジドベンザル)シクロ
ヘキサノン-2;2'-ジスルホン酸,2,6-ビス(4'-アジドベ
ンザル)シクロヘキサノン-2;2- ジスルホン酸ナトリウ
ム,2,6-ビス(4'-アジドベンザル)メチルシクロヘキサ
ノン-2;2- ジスルホン酸,2,6-ビス(4'-アジドベンザ
ル)メチルシクロヘキサノン-2;2- ジスルホン酸ナトリ
ウム,1-アジドピレン,3-スルホニルアジド安息香酸,
4-スルホニルアジド安息香酸,2,6-ジクロル-4- ニトロ
アジドベンゼン,アジドジフェニルアミンなどが挙げら
れる。
【0021】ジアゾ基をもつ化合物としては、p-ジアゾ
ジフェニルアミン,1,2-ナフトキノン-2- ジアジド-5-
スルホン酸イソブチルエステル,2,3,4-トリオキシベン
ゾフェノン3,4-ビス(ナフトキノン-1,2- ジアジド-5-
スルホン酸)エステル,2-(ナフトキノン-1,2- ジアジ
ド-5- スルホニルオキシ)-7-オキシナフタリン,ナフト
キノン1,2-ジアジド-5- スルファニリド,ナフトキノン
-1,2- ジアジド-5- スルホン酸ノボラックエステルなど
が挙げられる。
【0022】これらを1種または2種以上組み合わせて
用いることができる。
【0023】紫外線硬化樹脂組成物に含有される有機過
酸化物とは、過酸化水素の誘導体で、過酸化水素の水素
原子1個または2個を、有機の遊離基で置換した構造を
しており、その分子内に過酸化結合をもつものであれば
よく、熱により容易に分解しフリーラジカルを発生し硬
化反応を行うものであればよい。
【0024】有機過酸化物としては、たとえばケトンパ
ーオキサイド類,パーオキシケタール類,ハドロパーオ
キサイド類,ジアルキルパーオキサイド類,ジアシルパ
ーオキサイド類,パーオキシルエステル類,パーオキシ
ルカーボネート類,パーオキシモノカーボネート類など
が挙げられる。
【0025】有機過酸化物の含有量は0.1 重量%以上と
することが好ましい。これより少ないと加熱硬化作用が
遅く、加熱処理時間を長くする必要がある。好ましくは
5重量%以下がよく、これより多く添加すると紫外線照
射発泡硬化樹脂組成物の発泡効率や電気特性などの低下
への影響が大きいことがあるからである。
【0026】有機過酸化物の分解温度は 100℃以下とす
ることが好ましい。これは加熱処理時間の短縮および処
理温度をなるべく低くし樹脂組成物の熱による変色など
を抑制するためである。また、紫外線硬化前の加熱処理
による硬化反応を行う場合、熱による硬化反応開始より
樹脂組成物の粘度の低下による膜厚の変動を受けやすい
ためである。ただし、こうした制約のないものについて
はこの限りではない。なお好ましくは分解温度が40℃以
上のものが望ましい。これより分解温度が低いと樹脂組
成物の保存安定性が著しく悪くなることや樹脂組成物の
粘度の安定化において加温処理時に硬化反応が生じるな
どの問題がある。
【0027】加熱硬化を行うのは、紫外線照射により分
解してガスを発生する光分解化合物は、逆に紫外線を吸
収するため紫外線硬化樹脂組成物の硬化反応を阻害しや
すいことや色がついたものが多く紫外線の透過を低下さ
せ内部まで十分硬化させるのに多くの照射量を必要とす
るなど生産効率の低下の問題があること、硬化物中の未
反応物の残存モノマが残りやすく臭いの問題が生じるた
めで、加熱硬化を組み合わせることで十分な硬化物が得
られ、機械的特性や電気特性などの向上する点で有効な
ためである。
【0028】導体を有機過酸化物の分解温度以上に加熱
するのは、樹脂組成物になるべく均一な熱を加えること
で、硬化反応を均一に行い材料特性の安定化、硬化反応
の向上などが図れるからである。
【0029】本発明の導体を構成する金属は、銅,アル
ミニウム,鉄,銀,白金等のいずれでもよく、これらの
合金、更に、これらに錫,亜鉛等を加えた合金であって
もよい。また、金属導体は、単線でも、撚線でもよく、
撚線を一括メッキしたものでもよい。
【0030】また、前記本発明の実施に際しては、樹脂
組成物に所望により以下のものを1種または2種以上組
み合わせて含有させるようにしてもよい。
【0031】すなわち、光開始助剤,接着防止剤,チク
ソ付与剤,充填剤,可塑剤,非反応性ポリマー,着色
剤,難燃剤,難燃助剤,軟化防止剤,離型剤,乾燥剤,
分散剤,湿潤剤,沈澱防止剤,増粘剤,帯電防止剤,静
電防止剤,防かび剤,防鼠剤,防蟻剤,艶消し剤,ブロ
ッキング防止剤,皮張り防止剤等を組み合わせて用いる
ことができる。
【0032】したがって、紫外線硬化樹脂組成物に光分
解化合物及び有機過酸化物を含有することで、光分解化
合物が紫外線硬化樹脂組成物を有効に発泡させる作用を
すると共に、有機過酸化物が機械的強度を向上させる作
用をするので、容易に高発泡を形成すると共に機械的強
度に優れた樹脂組成物が得られる。この樹脂組成物は薄
肉被覆が容易な液状であるので、薄肉発泡細径電線を容
易にしかも高速に製造することが可能となる。よって、
容易かつ高速に製造でき、良好な外観を有し、かつ機械
的強度に優れた発泡の均一な薄肉の細径発泡絶縁電線が
得られる(請求項1)。
【0033】また、有機過酸化物の含有量を0.1 重量%
以上とすることで、加熱硬化作用が遅くなることや加熱
処理時間が長くなることを抑制することが可能となる
(請求項2)。さらに、有機過酸化物の分解温度を 100
℃以下とすることで、加熱処理時間の短縮および処理温
度を低くすることができ、樹脂組成物の熱による変色な
どを抑制することが可能となる(請求項3)。
【0034】また、導体上に紫外線硬化樹脂組成物と光
分解化合物と有機過酸化物とからなる樹脂組成物を被覆
し、これを紫外線照射によって発泡硬化させた後、加熱
処理することで、十分な硬化物が得られ、機械的特性や
電気特性などの向上した発泡絶縁電線を製造することが
可能となる(請求項4)。さらに、導体を予め有機過酸
化物の分解温度以上に加熱処理することで、材料特性の
安定化、硬化反応の向上などを図れる(請求項5)。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0036】下記それぞれの実施例1〜4,比較例1〜
3における電線は図1及び図2に示す電線製造装置によ
り製造される。図1及び図2に示す電線製造装置は、送
出機1からの導体2を、先ず塗布槽3に導き、そこで導
体2上に紫外線硬化樹脂発泡組成物などを被覆する。次
に、紫外線照射炉4、加熱炉5及び加熱炉(又は紫外線
照射炉)を順次介して、紫外線、加熱処理により組成物
を発泡硬化させてから、引取、巻取機7に巻き取らせる
もので、例えば、図3に示すような発泡層(絶縁層)8
を有する絶縁電線などが製造されるようになっている。
【0037】また、発泡度は、次式によって計算した数
値である。
【0038】
【数1】
【0039】ここで、φ1 は光分解化合物を添加しない
で硬化させたときの絶縁体外径、φ2 は光分解化合物を
添加して発泡硬化させた絶縁体外径を示す。
【0040】尚、φ1 の外径は 135μm(被覆厚30μ
m)となるように調整した。
【0041】さらに、耐つぶれ性については、図4に示
す装置を用い任意の荷重を加えたときの変形を評価の指
標とした。荷重は 150gを用いた。図4中、9は荷重、
10はダイヤルゲージ、11は軸、12は発泡電線、1
3は台座、14は恒温槽を示す。
【0042】[実施例1]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−122M(新中村化学工業(株)製) 100重量
部、ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業
(株)製)50重量部、光開始剤の2,2-ジメトキシ-2- フ
ェニルアセトフェノン 7.5重量部、光分解化合物の2,6-
ビス(4'-アジドベンザル)4-メチルシクロヘキサノン 2
重量部からなる紫外線硬化樹脂発泡組成物に、有機過酸
化物のt-ブチルパーオキシ(2- エチルヘキサネート)
(分解温度80℃) 0.5 重量部を添加した樹脂組成物を加
圧塗布槽でスズメッキ軟銅より線導体0.075(7/0.025)上
に被覆した後、これを紫外線照射炉を通して発泡硬化さ
せ、さらに加熱炉を通して加熱処理し、被覆厚60± 5μ
mの電線を得、この発泡度を測定したところ、60± 5%
を得た。また、この発泡電線の耐つぶれ性変形率は10%
であった。
【0043】[実施例2]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−122M 100重量部、ジシクロペンタニルメタク
リレート50重量部、光開始剤の2,2-ジメトキシ-2- フェ
ニルアセトフェノン 7.5重量部、光分解化合物の2,6-ビ
ス(4'-アジドベンザル)2-プロパノン 2重量部からなる
紫外線硬化樹脂発泡組成物に、有機過酸化物のデカノー
ルパーオキサイド(分解温度60℃) 0.5重量部を添加し
た樹脂組成物を加圧塗布槽でスズメッキ軟銅より線導体
0.075(7/0.025)上に被覆した後、これを紫外線照射炉を
通して発泡硬化させ、さらに加熱炉を通して加熱処理
し、被覆厚54± 4μmの電線を得、この発泡度を測定し
たところ、55± 5%を得た。また、この発泡電線の耐つ
ぶれ性変形率は 7%であった。
【0044】[実施例3]ポリブタジエンアクリレート
オリゴマ(日本曹達(株)製TEAI−1000) 100
重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート50重量部、
光開始剤の2,2-ジメトキシ-2- フェニルアセトフェノン
7.5重量部、光分解化合物のt-アジドベンザルジハイド
3重量部からなる紫外線硬化樹脂発泡組成物に、有機過
酸化物のp-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
(分解温度80℃) 1.0重量部を添加した樹脂組成物を加
圧塗布槽でスズメッキ軟銅より線導体0.075(7/0.025)上
に被覆した後、これを紫外線照射炉を通して発泡硬化さ
せ、さらに加熱炉を通して加熱処理し、被覆厚50± 3μ
mの電線を得、この発泡度を測定したところ、50± 5%
を得た。また、この発泡電線の耐つぶれ性変形率は10%
であった。
【0045】[実施例4]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−122M 100重量部、ジシクロペンタニルメタク
リレート50重量部、光開始剤の2,2-ジメトキシ-2- フェ
ニルアセトフェノン 7.5重量部、光分解化合物の2,6-ビ
ス(4'-アジドベンザル)4-メチルシクロヘキサノン 2重
量部からなる紫外線硬化樹脂発泡組成物に、有機過酸化
物のt-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサネート)(分
解温度80℃) 0.5重量部を添加した樹脂組成物を加圧塗
布槽で 100℃に加熱したスズメッキ軟銅より線導体0.07
5(7/0.025)上に被覆した後、これを紫外線照射炉を通し
て発泡硬化させ、さらに加熱炉を通して加熱処理し、被
覆厚65± 6μmの電線を得、この発泡度を測定したとこ
ろ、65± 5%を得た。また、この発泡電線の耐つぶれ性
変形率は10%であった。
【0046】[比較例1]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−122M 100重量部、ジシクロペンタニルメタク
リレート50重量部、光開始剤の2,2-ジメトキシ-2- フェ
ニルアセトフェノン 7.5重量部、光分解化合物の2,6-ビ
ス(4'-アジドベンザル)4-メチルシクロヘキサノン 2重
量部からなる紫外線硬化樹脂発泡組成物を加圧塗布槽で
スズメッキ軟銅より線導体0.075(7/0.025)上に被覆した
後、これを紫外線照射炉を通して発泡硬化させ、さらに
加熱炉を通して加熱処理し被覆厚60± 5μmの電線を
得、この発泡度を測定したところ、60± 5%を得た。ま
た、この発泡電線の耐つぶれ性変形率は25%であった。
【0047】[比較例2]ポリブタジエンアクリレート
オリゴマ(TEAI−1000)100 重量部、ジシクロ
ペンタニルアクリレート50重量部、光開始剤の2,2-ジメ
トキシ-2- フェニルアセトフェノン 7.5重量部、光分解
化合物のp-アジドベンザルジハイド 3重量部からなる紫
外線硬化樹脂発泡組成物を加圧塗布槽でスズメッキ軟銅
より線導体0.075(7/0.025)上に被覆した後、これを紫外
線照射炉を通して発泡硬化させ、さらに加熱炉を通して
加熱処理し被覆厚50± 3μmの電線を得、この発泡度を
測定したところ、50± 5%を得た。また、この発泡電線
の耐つぶれ性変形率は35%であった。
【0048】[比較例3]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−122M 100重量部、ジシクロペンタニルメタク
リレート50重量部、光開始剤の2,2-ジメトキシ-2- フェ
ニルアセトフェノン 7.5重量部、光分解化合物の2,6-ビ
ス(4'-アジドベンザル)2-プロパノン 2重量部からなる
紫外線硬化樹脂発泡組成物に、有機過酸化物のα,α’
−ビス(t-ブチルパーオキシ−m−イソプロパノール)
ベンゼン(分解温度 140℃) 0.5重量部を添加した樹脂
組成物を加圧塗布槽でスズメッキ軟銅より線導体0.075
(7/0.025)上に被覆した後、これを紫外線照射炉を通し
て発泡硬化させ、さらに加熱炉を通して加熱処理し被覆
厚54± 4μmの電線を得、この発泡度を測定したとこ
ろ、55± 5%を得た。また、この発泡電線の耐つぶれ性
変形率は30%であった。
【0049】これらの実施例及び比較例から分る通り、
本発明に係る実施例1〜4ではいずれも高発泡で耐つぶ
れ性に優れた発泡の均一な薄肉細径高発泡電線が得られ
た。これに対して、有機過酸化物が含まれない比較例
1,2及び有機過酸化物が規定のものでない比較例3は
いずれも耐つぶれ性が悪い。
【0050】従って、紫外線硬化樹脂組成物と光分解化
合物とからなる紫外線硬化樹脂発泡組成物に分解温度が
100℃以下である有機過酸化物を少なくとも 0.1重量%
以上添加した樹脂組成物を導体上に塗布した後、これを
紫外線照射によって発泡硬化させ、さらに加熱炉を通し
て加熱処理すること、又は導体をあらかじめ有機過酸化
物の分解温度以上に加熱処理することで、機械的強度や
耐つぶれ性に優れた発泡の均一な薄肉細径高発泡電線が
得られる。すなわち、紫外線硬化樹脂組成物に光分解化
合物及び有機過酸化物を含有することで、容易に高発泡
を形成すると共に機械的強度に優れた樹脂組成物が得ら
れ、この樹脂組成物は薄肉被覆が容易な液状であるの
で、薄肉発泡細径電線を容易にしかも高速に製造するこ
とができる。よって、容易かつ高速に製造でき、良好な
外観を有し、かつ機械的強度に優れた発泡の均一な薄肉
の細径発泡絶縁電線が得られるので、今日的要請に応え
得る意義は大きなものがある。
【0051】尚、紫外線硬化樹脂組成物と光分解化合物
と有機過酸化物とからなる樹脂組成物は発泡電線に限ら
ず、基材上の発泡層の形成や発泡フィルムなどにも用い
ることができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明してきた通り本発明によれば次
のような優れた効果を奏する。
【0053】(1) 請求項1の構成によれば、容易かつ高
速に製造でき、良好な外観を有し、かつ機械的強度に優
れた発泡の均一な薄肉の細径発泡絶縁電線が得られる。
【0054】(2) 請求項2の構成によれば、加熱硬化作
用が遅くなることや加熱処理時間が長くなることを抑制
できる薄肉の細径発泡絶縁電線が得られる。
【0055】(3) 請求項3の構成によれば、樹脂組成物
の熱による変色などを抑制できる薄肉の細径発泡絶縁電
線が得られる。
【0056】(4) 請求項4の構成によれば、機械的特性
や電気特性などが向上した良好な外観を有する発泡の均
一な薄肉の細径発泡絶縁電線を容易にしかも高速に製造
できる。
【0057】(5) 請求項5の構成によれば、材料特性の
安定化、硬化反応の向上などを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡電線を製造する縦型製造装置の一例を示す
構成図である。
【図2】発泡電線を製造する横型製造装置の一例を示す
構成図である。
【図3】発泡電線の一例を示す図で、その(a)は導体
が単線の場合を示す横断面図、(b)は導体が撚線の場
合を示す横断面図である。
【図4】発泡電線の耐つぶれ性変形率を測定する装置の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 送出機 2 導体 3 塗布槽 4 紫外線照射炉 5 加熱炉 6 紫外線照射炉 7 引取・巻取機 8 発泡層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に絶縁層を有する絶縁電線におい
    て、前記絶縁層を、紫外線硬化樹脂組成物と紫外線照射
    によって分解しガスを発生する光分解化合物と有機過酸
    化物とからなる樹脂組成物で形成したことを特徴とする
    紫外線硬化発泡絶縁電線。
  2. 【請求項2】 前記有機過酸化物の含有量が 0.1重量%
    以上である請求項1記載の紫外線硬化発泡絶縁電線。
  3. 【請求項3】 前記有機過酸化物の分解温度が 100℃以
    下である請求項1又は2記載の紫外線硬化発泡絶縁電
    線。
  4. 【請求項4】 導体上に、光重合性オリゴマ,光重合性
    モノマ,光開始剤よりなる紫外線硬化樹脂組成物と紫外
    線照射によって分解しガスを発生する光分解化合物と有
    機過酸化物とからなる樹脂組成物を被覆し、これを紫外
    線照射によって発泡硬化させた後、加熱処理することを
    特徴とする紫外線硬化発泡絶縁電線の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記導体を有機過酸化物の分解温度以上
    に加熱処理する請求項4記載の製造方法。
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