JPH08287742A - 高速信号伝達用超細径多心ケーブル - Google Patents

高速信号伝達用超細径多心ケーブル

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JPH08287742A
JPH08287742A JP8286695A JP8286695A JPH08287742A JP H08287742 A JPH08287742 A JP H08287742A JP 8286695 A JP8286695 A JP 8286695A JP 8286695 A JP8286695 A JP 8286695A JP H08287742 A JPH08287742 A JP H08287742A
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JP
Japan
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resin composition
curable resin
ultraviolet curable
speed signal
ultraviolet
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Application number
JP8286695A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Kato
善久 加藤
Hideyuki Suzuki
秀幸 鈴木
Hiroshi Komuro
浩 小室
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は生産性が高く、かつ、電気特
性、取扱性、信頼性等に優れた新規な高速信号伝達用超
細径多心ケーブルを提供することにある。 【構成】 本発明は導体径50μm以下の素線1上に実
効比誘電率3以下の低誘電率紫外線硬化樹脂組成物層2
を被覆してなる極細絶縁電線3を複数本撚合わせ、その
周囲に、紫外線硬化樹脂組成物または紫外線及び熱硬化
併用樹脂組成物からなる被覆層4を備えたことを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器、医療機器等
に用いられる高速信号伝達用超細径多心ケーブルに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、通信機器類や精密電子機器類は小
型化及び高密度実装化の傾向が著しく、これに伴ってケ
ーブル心線もますます細径化される傾向にあり、実際に
0.5mm以下といった細径の絶縁電線も使用されるよ
うになってきた。また、細径と共に、多くの情報信号伝
達のため、こうした絶縁電線を複数本組合せ、熱可塑性
樹脂などからなるケーブルシースでケーブル化した細径
ケーブルも多く使用されている。
【0003】また、コンピュータなどにおいては、伝送
信号の一層の高速化を求める傾向が顕著であり、これに
使用される上記細径絶縁電線の絶縁層を薄く且つ高発泡
化し、可能な限り低誘電率化することにより伝送信号の
高速化を図った信号伝送用電線、いわゆるハイスピード
ワイヤへの要望が高まっている。この信号伝送用電線ケ
ーブルに発泡絶縁体を被覆する方法としては、予め発泡
させたフィルムを導体上に巻き付ける方法や、発泡絶縁
体を押出被覆して方式が一般的に用いられており、この
ような絶縁体の発泡手段としては、ガスにより発泡させ
る物理的なガス発泡法と化学反応を利用した化学発泡法
が知られている。そして、前者のガス発泡法には、液体
フロンのような揮発性発泡用液体を溶融樹脂中に強制注
入させ、その気化圧により発泡させる方法、或いは押出
機中の溶融樹脂中に直接気泡形成用ガスを圧入させるこ
とにより一様に分布した細胞中の微細な独立気泡体を樹
脂中に発生させる方法などがある。また、後者の化学発
泡法は、樹脂中に発泡剤を分散混合した状態で成形し、
その後熱を加えることにより発泡剤を化学的に反応分解
させることによりガスを発生させ、発泡させるものであ
る。
【0004】一方、医療分野においては、手術に先立
ち、カテーテルを用い、センサーを生体内に導入し、生
体内の情報を得ることが行われているが、こうした生体
内の情報を一度に多く得るためには、センサーの小型化
やそれに用いるリード線の細径化、高密度化が益々必要
とされている。また、脳などの生体深部の情報を得るた
めには、センサーの小型化はもとよりセンサーから得ら
れる情報を伝達するリード線は極めて細いものが必要と
される。更に、生命に関わる場合には、極力速く情報を
得ることが重要であり、高速信号伝達も必要とされてき
ている。
【0005】このような、薄い皮膜の電線を製造する方
法としては、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型な
どの材料があり、例として挙げたエナメル線の多くは、
熱硬化型ワニスなどの熱硬化型の材料が使用されてい
る。この熱硬化型ワニスには、エポキシ系、シリコーン
系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、
ポリイミド系、ポリエステルイミド系、ホマール系など
がある。
【0006】また、ポリオレフィン系樹脂やフッ素系樹
脂などの熱可塑性樹脂をベースとした押出方式による薄
肉絶縁電線の検討も古くから行われており、十数μmの
被覆線も使用されている。特に、薄肉被覆の手段として
注目されているのが無溶剤で液状の紫外線架橋型樹脂組
成物であり、光ファイバーの被覆剤として利用され、な
かでもウレタンアクリレート系の材料が多く使用されて
いることが知られている。これらの紫外線架橋樹脂組成
物は、紫外線を利用したラジカル重合、イオン重合、カ
チオン重合などであり、主にラジカル重合により硬化さ
せる方式が良く知られている。このような液状の紫外線
架橋型樹脂組成物では、液状であることから薄肉被覆が
容易で硬化速度が速く生産性に大きな効果を発揮し、ま
た、無溶剤であり、エナメル線に用いられている熱硬化
性ワニスに比べ安全性が高く、任意の膜厚を得るのに1
回ないし数回の塗布により得ることができる。しかも、
無色透明な樹脂組成物とすることで熱硬化性ワニスに比
べ着色が容易である利点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱可塑性樹
脂を用いた押出方式による薄肉化は、皮膜が薄くなれば
なるほど被覆材料と導体の温度差により生ずる歪みが影
響しやすく、且つ、伸びの低下を起こす原因となるとい
う欠点がある。このため、導体に余熱を与えて上記欠点
を防止しているが、その反面、導体が細くなると余熱に
よる強度の低下と、押出時の材料の圧力などにより、断
線し易く、高速化が図れないなどの弊害もある。さら
に、ケーブル化において、数μmからの外層シースを高
速で施すことは極めて難しい問題がある。
【0008】一方、エナメル線は、皮膜厚が薄く電線と
してこうした用途へ適用できれば、非常に有効である
が、上述した熱硬化型の被覆は、塗布焼き付け工程を通
常5回以上繰り返し行う必要があること、その多くの材
料が50%以上を有機溶剤が占める材料のため、大がか
りな安全設備が必要なこと、焼き付けによるためポリエ
チレンやポリ塩化ビニルなどのように着色が容易でな
く、多心化での識別手段として新たな処理を必要とする
こと、更に端末剥離性に劣るという多くの問題がある。
【0009】また、前述したガス発泡の前者の方法は、
樹脂を一旦溶融させてその中に揮発性発泡用液体を強制
注入するものであり、強い圧力を必要とする場合が多
い。また、このような液化ガスは気化圧が強く、微細な
発泡構造体を得ることが難しい上、良好な製品外観を得
ることも困難である。更に、液化ガスの注入速度が遅い
ために、高速化が難しく、生産性に劣るという問題もあ
る。しかも、押出機中での直接ガスを圧入する方法は、
安全性などの特別な設備や技術を必要とする。
【0010】一方、化学発泡の場合には、前述したよう
に予め樹脂中に発泡剤を混練し分散混合しておく必要が
あり、この発泡剤を成形加工後に熱により反応分解させ
て生じたガスにより発泡を行わせるものである。従っ
て、この際の樹脂の成形加工温度は、発泡剤が成形加工
中に分解しないようにするために、この発泡剤の分解温
度より低く保持させねばならないという問題があり、使
用する発泡剤そのものが大幅に制約されるという問題が
ある。
【0011】さらに、押出被覆方式の場合には、素線の
径が細くなると、プレッシャーにより断線が起こりやす
く高速化が難しくなるという別の問題もあり、先に説明
した導体の細径化という今日的要請に対応しにくいとい
う問題もある。
【0012】そこで、本発明は上記課題を解決するため
に案出されたものであり、その目的は生産性が高く、か
つ、電気特性、取扱性、信頼性等に優れた新規な高速信
号伝達用超細径多心ケーブルを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第一の発明は、導体径50μm以下の素線上に実効比
誘電率3以下の低誘電率紫外線硬化樹脂組成物を被覆し
てなる極細絶縁電線を複数本撚合わせ、その周囲に紫外
線硬化樹脂組成物からなる被覆層を備えたものであり、
第二の発明は、導体径50μm以下の素線上に発泡紫外
線硬化樹脂組成物からなる発泡層を被覆して、その実効
比誘電率3以下とした極細絶縁電線を複数本撚合わせ、
その周囲に紫外線硬化樹脂組成物からなる被覆層を備え
たものである。本発明に使用される導体としては、銅、
アルミニウム、鉄、銀、白金等のいずれの金属導体でも
よく、また、これらの合金、あるいはこれらに錫、亜鉛
などを加えた合金、更には、これら導体表面に任意のめ
っきを施したものでも良い。また、これら金属導体は、
単線でも、撚線でも良く、さらに、撚線を一括めっきし
たものでもあっても良い。
【0014】この導体を被覆する低誘電率紫外線硬化樹
脂組成物は、実効比誘電率が3以下のもので基本的に光
重合性オリゴマ、光重合性モノマ、光開始剤等からなる
ものが使用され、多心ケーブルの内層を構成する。先
ず、この光重合性オリゴマ(プレポリマ)としては、例
えば、ふっ素化エポキシアクリレート系、シリコーンア
クリレート系、ポリブタジエンアクリレート系など各種
オリゴマであって不飽和二重結合を有する官能基、例え
ばアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニ
ル基を2個以上有するものであり、さらに、これらを2
種以上のオリゴマを組み合わせてたものでも良い。次
に、光重合性モノマとしては、分子中にアクリロイル
基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の官能基
を1個又は2個以上有する公知の化合物を用いることが
でき、好ましくは、ふっ素含有モノマやシリコーン系モ
ノマ等との組合せが望ましい。さらに、光重合開始剤と
しては、光重合性オリゴマやモノマの重合反応を開始さ
せる働きを持つもので、紫外線を受け、フリーラジカル
を生成する役割を持つものである。すなわち、紫外線架
橋のためにはこのフリーラジカルが必要で、この光開始
剤は、紫外線照射により特定波長を吸収して電子的励起
状態となり、ラジカルを発生しやすい物質である。例え
ば、ベンゾインエーテル系、ケタール系、アセトフェノ
ン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等があり、
目的に応じて種々の光重合開始剤を用いることができ
る。尚、この低誘電率紫外線硬化樹脂組成物は必要に応
じて熱硬化併用にしても良い。多心ケーブルの外層とな
る紫外線硬化組成物は、特に限定するものではないが、
基本的には上記低誘電率紫外線硬化樹脂組成物と同様、
光重合性オリゴマ、光重合性モノマ、光重合開始剤等か
らなるものであり、紫外線照射によって硬化するもので
あればよい。
【0015】発泡紫外線硬化樹脂組成物とは、紫外線硬
化樹脂組成物と熱分解発泡剤や光分解発泡剤を組み合わ
せることにより得られるもので、特に限定するものでは
ないが、好ましくはこの発泡剤が、紫外線硬化樹脂組成
物に溶解することが望ましい。すなわち、これが溶解し
ないと、微細な均一発泡が得られないことや局部的にガ
スが多く発生し、部分的な膨れや外観荒れなどの問題が
起きやすい。
【0016】第二の発明に用いる熱分解発泡剤とは、熱
により分解し、気体を生ずるもので、例えば、アゾニト
リル系の2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2−メチルプロピオニリル)、1,1’−アゾビス
(シクロヘキサノン−1−カルボニトリル)、1−
[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミ
ド、2−フェニル−4−メトキシ2,4−ジメチルバレ
ロニトリル等、アゾアミジン系の2,2’−アゾビス
(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミジン)ジ
ヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(4−ク
ロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]、
2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロキシフェニル)
−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロライ
ド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニル
メチル)−プロピオンアミジン]ジヒドロクロライド、
2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニ
ル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロライド、2,
2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒ
ドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒド
ロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン等、シ
クロアゾアミジン系の2,2−アゾビス[2−(5−メ
チル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイ
ドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライ
ド、2,2’アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパ
ン]ヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−
(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イ
ル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾ
ビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロク
ロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒド
ロオキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロ
パン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2
−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等、アゾ
アミド系の2,2’−アゾビス{2−メチル−N−
[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシ
エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2
−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エ
チル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−
メチル−N−(ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド]、2,2’アゾビス(2−メチルプロピオンアミ
ド)ジハイドレイト等、アルキルアゾ系の2,2’−ア
ゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)、2,2’
−アゾビス(2−メチルプロパン)等、その他ジメチル
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、
4,4’−アゾビス(4−シアメバレリックアシド)、
2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチル)ピロピオ
ンニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ア
ゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフェニルヒドラ
ジッド、パラトルエンスルホニルアセトンヒドラゾー
ン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジッド)等が挙げられ、これらを1種或いは2種以上組
み合わせて用いることができる。但し、これらは紫外線
硬化樹脂組成物の種類によって溶解性が異なり、紫外線
硬化樹脂に合わせて選択することが望ましい。好ましく
は分解温度が200℃以下で、融点が200℃以下であ
ること、更に好ましくは、分解温度が150℃以下で、
融点が100℃以下のものが望ましい。また、これら熱
分解化合物と熱分解を促進する助剤を併用して、分解温
度を低くしても良い。
【0017】光分解発泡剤としては、例えば以下に示す
アジド基又はジアゾ基を持つ化合物などが挙げられる。
【0018】先ず、このアジド基を持つ化合物として
は、p−アジドベンズアルデヒド、p−アジドアセトフ
ェノン、p−アジド安息香酸、p−アジドベンズアルデ
ヒド−2−スルホン酸ナトリウム、p−アジドベンザル
アセトフェノン、4,4’−ジアジカルコン、2,6−
ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサン、2,6
−ビス(4’−アジドベンザル)4−メチルシクロヘキ
サノン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−
プロパノン、p−アジドベンザルアセトン−2−スルホ
ン酸ナトリウム、1,3−ビス(4’−アジドシンナミ
リデン)−2−プロパノン、1,3−ビス(4’−アジ
ドベンザル)−2−プロパノン2’−スルホン酸、4,
4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、
4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸ナトリウム、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)
−2−プロパノン2;2’−ジスルホン酸、1,3−ビ
ス(4’−アジドベンザル)−2−プロパノン2;2’
−ジスルホン酸ナトリウム、2,6−ビス(4’−アジ
ドベンザル)ジクロヘキサノン−2;2−ジスルホン
酸、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヒキ
サノン−2;2−ジスルホン酸ナトリウム、2,6−ビ
ス(4’−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン−
2;2−ジスルホン酸、2,6−ビス(4’−アジドベ
ンザル)メチルシクロヘキサノン−2;2−ジスルホン
酸ナトリウム、1−アジドピレン、3−スルホニルアジ
ド安息香酸、4−スルホニルアジド安息香酸、2,6ー
ジクロル−4−ニトロベンゼン、アジドジフェニルアミ
ン等が挙げられる。一方、ジアゾ基を持つ化合物として
は、p−ジアゾジフェニルアミン、1,2−ナフトキノ
ン−2−ジアゾ−5−スルホン酸イソブチルエステル、
2,3,4−トリオキシベンゾフェノン3,4−ビス
(ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸)
エステル、2−(ナフトキノン−1,2−ジアジド−5
−スルホニルオキシ)−7−オキシナフタリン、ナフト
キノン1,2−ジアジド−5−スルファニリド、ナフト
キノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸ノボラック
エステル等が挙げられる。そして、これらを1種又は2
種以上組み合わせて用いることができる。尚、これら
は、紫外線硬化樹脂組成物の種類によって溶解性が異な
り、紫外線硬化樹脂組成物に合わせて選択することが望
ましい。
【0019】
【作用】本発明は上述したように、実効比誘電率を3以
下の低誘電率紫外線硬化樹脂組成物を用いることによ
り、信号伝達の高速化が達成される。
【0020】また、この低誘電率紫外線硬化樹脂組成物
を用いた極細電線を複数本撚り合わせた後、その外周に
紫外線硬化樹脂組成物または紫外線及び熱硬化併用樹脂
組成物を被覆することにより、撚り合わせの溝に、この
樹脂組成物を容易に埋め込まれて、外層被覆を薄くする
ことができるため、外観への撚合わせ目の発現が防止さ
れて表面が滑らかとなる上に、電線外観及びチューブ内
への挿入時の取扱性、作業性、機械的強度が向上し、し
かも外傷も防止することができる。更に均一な外層を施
すことで、空気中と水中での多心ケーブルの電気特性の
変動、特に静電容量の変動を抑制することができる。ま
た、内層を上述したような発泡性のものにすれば、更に
優れた電気特性を発揮する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例及び比較例に基
づいて詳述する。
【0022】(実施例1)図1及び表1に示すように、
導体径25±1μm(銀めっき銅合金線)の素線(導
体)1上に、実効比誘電率2.5のポリブタジエンアク
リレートオリゴマ(日本曹達(株):TEAI−300
0)100重量部、ジシクロペンタニルアクリレート5
0重量部、光開始剤の2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン(チバカイギー社製)7.5重量部か
らなる低誘電率紫外線硬化樹脂組成物(内層)2を被覆
し、紫外線照射炉を通して硬化させ絶縁厚10±1μm
の極細絶縁電線3,3を得た。次に、この極細絶縁電線
3,3を2ヶ撚りした外周に、ウレタンアクリレートオ
リゴマU−122M(新中村化学工業(株)製)100
重量部にジシクロロペンタニルメタクリレート(日立化
成工業(株)製:FA−315A)50重量部、光開始
剤の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
7.5重量部からなる紫外線硬化樹脂組成物(外層)4
を被覆し、紫外線照射炉を通して硬化させ外径100±
5μmの高速信号伝達用超極細多心ケーブルを得、その
静電容量(pF/m)と特性インピーダンス(Ω)を測
定し、その評価を行った。
【0023】(実施例2)図1及び表1に示すように、
導体径25±1μm(銀めっき銅合金線)の素線(導
体)1上に、実効比誘電率2.6のフッ素アクリレート
系低誘電率紫外線硬化樹脂組成物(大日本インキ化学工
業(株):537−79)(内層)2を被覆し、紫外線
照射炉を通して硬化させ絶縁厚10±1μmの極細絶縁
電線3,3を得た。次に、この極細絶縁電線3,3を2
ヶ撚りした外周に、ウレタンアクリレートオリゴマU−
122M100重量部にジシクロロペンタニルメタクリ
レート50重量部、光開始剤の2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン7.5重量部からなる紫外線
硬化樹脂組成物(外層)4を被覆し、紫外線照射炉を通
して硬化させ、外径100±5μmの高速信号伝達用超
極細多心ケーブルを得、実施例1と同様に、その静電容
量(pF/m)と特性インピーダンス(Ω)を測定し、
評価を行った。
【0024】(実施例3)図2及び表1に示すように、
導体径25±1μm(銀めっき銅合金線)の素線(導
体)1上に、ウレタンアクリレートオリゴマU−122
M100重量部にジシクロペンタニルメタクリレート5
0重量部、光開始剤の2,2−ジメトキシ2−フェニル
アセトフェノン7.5重量部からなる紫外線硬化樹脂組
成物に溶解する熱分解化合物の2,2’−アゾビス(2
−メチルメチルブチロニトリル)(理論発生ガス量11
6ml/g)3重量部を添加した発泡紫外線硬化樹脂組
成物を被覆し、紫外線照射炉及び加熱炉を組み合わせた
硬化発泡炉を通して25±1μmの発泡層(内層)2’
を施し、実効比誘電率2.2とした極細発泡絶縁電線
3’…を得た。次に、この極細発泡絶縁電線3’…を7
ヶ撚りした後、その外周に、ウレタンアクリレートオリ
ゴマU−122M100重量部にジシクロロペンタニル
メタクリレート50重量部、光開始剤の2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン7.5重量部からな
る紫外線硬化樹脂組成物(外層)4を被覆し、紫外線照
射炉を通して硬化させ外径250±5μmの高速信号伝
達用超極細多心ケーブルを得、実施例1と同様に、その
静電容量(pF/m)と特性インピーダンス (Ω)を
測定し、その評価を行った。
【0025】(実施例4)表1に示すように、導体径2
5±1μm(銀めっき銅合金線)の素線上に、ウレタン
アクリレートオリゴマU−122M100重量部にジシ
クロペンタニルメタクリレート50重量部、光開始剤の
2,2−ジメトキシ2−フェニルアセトフェノン7.5
重量部からなる紫外線硬化樹脂組成物に溶解する熱分解
化合物の2,6’−ビス(4’−アジドベンザル)4−
メチルシクロヘキサノン2重量部を添加した紫外線硬化
樹脂組成物を被覆し、紫外線照射炉を通して硬化発泡さ
せ発泡層(内層)25±5μmを施し、実効比誘電率
2.5とした極細発泡絶縁電線を得た。次に、この極細
発泡絶縁電線を2ヶ撚りした後、その外周にウレタンア
クリレートオリゴマU−122M100重量部にジシク
ロロペンタニルメタクリレート50重量部、光開始剤の
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン7.
5重量部からなる紫外線硬化樹脂組成物(外層)を被覆
し、紫外線照射炉を通して硬化させ外径170±5μm
の高速信号伝達用超極細多心ケーブルを得、実施例1と
同様に、その静電容量(pF/m)と特性インピーダン
ス(Ω)を測定し、その評価を行った。
【0026】(実施例5)図2及び表1に示すように、
導体径25±1μm(銀めっき銅合金線)の素線(導
体)1上に、実効比誘電率2.5のポリブタジエンアク
リレートオリゴマ100重量部、ジシクロペンタニルア
クリレート50重量部、光開始剤の2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン7.5重量部からなる紫
外線硬化樹脂組成物に溶解する熱分解化合物の2,2’
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(理論発生ガ
ス量116ml/g)3重量部を添加した発泡紫外線硬
化樹脂組成物を被覆し、紫外線照射炉及び加熱炉を組み
合わせた硬化発泡炉を通して発泡層(内層)2’を施
し、実効比誘電率1.8とした極細発泡絶縁電線3’を
得た。その後、この極細発泡絶縁電線3’…を7ヶ撚り
した後、その外周にウレタンアクリレートオリゴマU−
122M100重量部にジシクロペンタニルメタクリレ
ート50重量部、光開始剤の2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン7.5重量部からなる紫外線硬
化樹脂組成物(外層)4を被覆し、紫外線照射炉を通し
て硬化させ外径250±5μmの高速信号伝達用超極細
多心ケーブルを得、実施例1と同様に、その静電容量
(pF/m)と特性インピーダンス(Ω)を測定し、そ
の評価を行った。
【0027】(比較例)表1に示すように、導体径25
±1μm(銀めっき銅合金線)の素線上に、実効比誘電
率2.5のポリブタジエンアクリレートオリゴマ100
重量部、ジシクロペンタニルアクリレート100重量部
及び光開始剤の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン10重量部からなる紫外線架橋型樹脂組成物
を被覆し、紫外線照射炉を通して絶縁厚10±1μmの
極細絶縁電線を得た。その後、この極細絶縁電線を2ヶ
撚りした外周にこれと同じ組成物を被覆し紫外線照射炉
を通して硬化させ、外径100±5μmの超細径ケーブ
ルを得、実施例1と同様に、その静電容量(pF/m)
と特性インピーダンス(Ω)を測定し、その評価を行っ
た。
【0028】
【表1】
【0029】この結果、表1からも明らかなように、実
効比誘電率が3以下である本発明に係る実施例1〜5で
は、いずれも静電容量が50前後以下で、且つ特性イン
ピーダンス値が高かったのに対し、実効比誘電率が3を
越える比較例では静電容量が60を越えると共に、特性
インピーダンス値も低かった。従って、本発明のよう
に、実効比誘電率3以下の低誘電率紫外線硬化樹脂組成
物を被覆してなる極細絶縁電線を複数本より合わせた
後、その外周に紫外線硬化樹脂組成物による被覆層を設
けることにより、電気特性、取扱性、挿入性に優れた高
速信号伝達用超細径多心ケーブルを得ることができる。
また、実施例3〜4に示すように、この紫外線硬化樹脂
組成物に代えて発泡性の紫外線硬化樹脂組成物を用いる
ことにより、さらに優れた電気特性を備えた高速信号伝
達用超細径多心ケーブルを得ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、電気特
性、取扱性、挿入性に優れた高速信号伝達用超細径多心
ケーブルを生産性良く得ることができるため、これを用
いた電子機器、医療機器等の高性能化、小型精密化、低
コスト化に大きく寄与することができる等といった優れ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】極細絶縁電線を2ヶ撚りしてなる高速信号伝達
用超細径多心ケーブルの一実施例を示す横断面図であ
る。
【図2】極細絶縁電線を7ヶ撚りしてなる高速信号伝達
用超細径多心ケーブルの一実施例を示す横断面図であ
る。
【符号の説明】 1 素線(導体) 2 低誘電率紫外線硬化樹脂組成物層(内層) 2’発泡紫外線硬化樹脂組成物層(内層) 3 極細絶縁電線 3’極細発泡絶縁電線 4 被覆層(外層)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体径50μm以下の素線上に実効比誘
    電率3以下の低誘電率紫外線硬化樹脂組成物を被覆して
    なる極細絶縁電線を複数本撚合わせ、その周囲に、紫外
    線硬化樹脂組成物または紫外線及び熱硬化併用樹脂組成
    物からなる被覆層を備えたことを特徴とする高速信号伝
    達用超細径多心ケーブル。
  2. 【請求項2】 導体径50μm以下の素線上に発泡紫外
    線硬化樹脂組成物からなる発泡層を被覆して、その実効
    比誘電率3以下とした極細絶縁電線を複数本撚合わせ、
    その周囲に、紫外線硬化樹脂組成物または紫外線及び熱
    硬化併用樹脂組成物からなる被覆層を備えたことを特徴
    とする高速信号伝達用超細径多心ケーブル。
  3. 【請求項3】 上記低誘電率紫外線硬化樹脂組成物は、
    光重合性オリゴマ、光重合性モノマ、光開始重合剤を主
    成分とすることを特徴とする請求項1記載の高速信号伝
    達用超細径多心ケーブル
JP8286695A 1995-04-07 1995-04-07 高速信号伝達用超細径多心ケーブル Pending JPH08287742A (ja)

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