JPH0757551A - 絶縁電線 - Google Patents
絶縁電線Info
- Publication number
- JPH0757551A JPH0757551A JP21527993A JP21527993A JPH0757551A JP H0757551 A JPH0757551 A JP H0757551A JP 21527993 A JP21527993 A JP 21527993A JP 21527993 A JP21527993 A JP 21527993A JP H0757551 A JPH0757551 A JP H0757551A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- functional group
- weight
- ultraviolet
- conductor
- Prior art date
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- Pending
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- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 絶縁電線の半田付け温度を低温化し、導体上
に樹脂の炭化物が残らないようにする。また、巻付けに
おいて割れや亀裂等が発生しないようにする。 【構成】 絶縁被覆が一分子当たりに占める官能基の比
率が1%から20%以内である光重合性オリゴマ(プレ
ポリマ)と、光重合開始剤とを含む紫外線硬化型樹脂組
成物の硬化物からなる絶縁電線である。
に樹脂の炭化物が残らないようにする。また、巻付けに
おいて割れや亀裂等が発生しないようにする。 【構成】 絶縁被覆が一分子当たりに占める官能基の比
率が1%から20%以内である光重合性オリゴマ(プレ
ポリマ)と、光重合開始剤とを含む紫外線硬化型樹脂組
成物の硬化物からなる絶縁電線である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁電線に関し、特
に、紫外線架橋樹脂組成物を被覆材料として用いた絶縁
電線に関するものである。
に、紫外線架橋樹脂組成物を被覆材料として用いた絶縁
電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄い被膜の電線を製造する方法として、
例えばエナメル線を製造する場合のように、液状材料を
塗布し硬化させる方法がよく知られている。上記液状材
料としては、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型等
の材料があり、例として挙げたエナメル線の多くは、熱
硬化型の材料(熱硬化型ワニス)が使用されている。こ
の熱硬化型ワニスには、エポキシ系、シリコーン系、ポ
リウレタン系、ポリエステル系、ポリアミドイド系、ポ
リイミド系、ポリエステルイミド系、ホルマール系等が
ある。これらの中で、ウレタン系の熱硬化型ワニスを用
いたエナメル線は、他のエナメル線に無い特徴として、
被膜を剥がさず、更にフラックスを使用しないでそのま
ま半田付けができることが挙げられる。
例えばエナメル線を製造する場合のように、液状材料を
塗布し硬化させる方法がよく知られている。上記液状材
料としては、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型等
の材料があり、例として挙げたエナメル線の多くは、熱
硬化型の材料(熱硬化型ワニス)が使用されている。こ
の熱硬化型ワニスには、エポキシ系、シリコーン系、ポ
リウレタン系、ポリエステル系、ポリアミドイド系、ポ
リイミド系、ポリエステルイミド系、ホルマール系等が
ある。これらの中で、ウレタン系の熱硬化型ワニスを用
いたエナメル線は、他のエナメル線に無い特徴として、
被膜を剥がさず、更にフラックスを使用しないでそのま
ま半田付けができることが挙げられる。
【0003】ところで、近年、コンピュータ、オーディ
オ、自動車、航空機をはじめ人工衛星等の小型化・軽量
化に伴い、これらに用いられる電線・ケーブルも細径・
薄肉化される傾向にある。一般に、このような傾向に対
しては、電線・ケーブルの被膜を薄肉化することにより
対処している。
オ、自動車、航空機をはじめ人工衛星等の小型化・軽量
化に伴い、これらに用いられる電線・ケーブルも細径・
薄肉化される傾向にある。一般に、このような傾向に対
しては、電線・ケーブルの被膜を薄肉化することにより
対処している。
【0004】その対処法の一つとして、押出方式による
ものがある。ただ、押出方式による薄肉化は、被膜が薄
くなればなるほど被覆材料と導体との温度差により生じ
るひずみの影響を受け易く、かつ、伸びの低下を引き起
こす原因となるという欠点がある。このため導体に予熱
を与えてこれを防止しているが、その一方で、導体が細
くなると予熱による強度の低下と、押出時の材料の圧力
等により、断線し易くなるという弊害もある。
ものがある。ただ、押出方式による薄肉化は、被膜が薄
くなればなるほど被覆材料と導体との温度差により生じ
るひずみの影響を受け易く、かつ、伸びの低下を引き起
こす原因となるという欠点がある。このため導体に予熱
を与えてこれを防止しているが、その一方で、導体が細
くなると予熱による強度の低下と、押出時の材料の圧力
等により、断線し易くなるという弊害もある。
【0005】一方、エナメル線は、被覆厚が薄く、電線
として電子機器に使用できれば非常に有効である。しか
し、上述した熱硬化型の材料を用いるエナメル線の被覆
は、塗布焼付工程を通常5回以上繰り返し行う必要があ
ること、その多くの材料の50%以上を有機溶剤が占め
るため、大掛かりな安全設備が必要なこと、焼付による
ためポリエチレンやポリ塩化ビニル等のように着色が容
易でないこと、更に、剥離性に劣るという問題点があ
る。
として電子機器に使用できれば非常に有効である。しか
し、上述した熱硬化型の材料を用いるエナメル線の被覆
は、塗布焼付工程を通常5回以上繰り返し行う必要があ
ること、その多くの材料の50%以上を有機溶剤が占め
るため、大掛かりな安全設備が必要なこと、焼付による
ためポリエチレンやポリ塩化ビニル等のように着色が容
易でないこと、更に、剥離性に劣るという問題点があ
る。
【0006】そこで、薄肉被覆の手段として注目されて
いるのが、無溶剤でかつ液状の紫外線架橋型樹脂組成物
である。これは、例えば、光ファイバの被覆材として利
用されているものであり、中でもウレタンアクリレート
系の材料が多く使用されている。この紫外線架橋樹脂組
成物は、紫外線を利用したラジカル重合、イオン重合、
カチオン重合等の方法により硬化させるものであり、特
に、ラジカル重合による方法が知られている。
いるのが、無溶剤でかつ液状の紫外線架橋型樹脂組成物
である。これは、例えば、光ファイバの被覆材として利
用されているものであり、中でもウレタンアクリレート
系の材料が多く使用されている。この紫外線架橋樹脂組
成物は、紫外線を利用したラジカル重合、イオン重合、
カチオン重合等の方法により硬化させるものであり、特
に、ラジカル重合による方法が知られている。
【0007】この紫外線架橋型樹脂組成物は、液状であ
ることから薄肉被覆が容易でかつ硬化速度が速く、生産
性に大きな効果を持つ。また、無溶剤であるため、エナ
メル線に用いられている熱硬化型ワニスに比べ安全性が
高く、1回ないし数回の塗布により任意の膜厚を得るこ
とができる。更に、無色透明な樹脂組成物とすることが
できるため、熱硬化型ワニスに比べ、着色が容易である
という利点を持つ。特に、ウレタンアクリレート系の材
料は、強靱性と可撓性に優れ、電線の被覆材料として好
適である。
ることから薄肉被覆が容易でかつ硬化速度が速く、生産
性に大きな効果を持つ。また、無溶剤であるため、エナ
メル線に用いられている熱硬化型ワニスに比べ安全性が
高く、1回ないし数回の塗布により任意の膜厚を得るこ
とができる。更に、無色透明な樹脂組成物とすることが
できるため、熱硬化型ワニスに比べ、着色が容易である
という利点を持つ。特に、ウレタンアクリレート系の材
料は、強靱性と可撓性に優れ、電線の被覆材料として好
適である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
紫外線架橋型のウレタンアクリレート系材料を用いた絶
縁電線は、半田付け温度が極めて高いため、導体が細い
ものにあっては、断線や基材への影響が問題となり不都
合であった。また、導体上に樹脂のかす(炭化物)が残
り易いため、適正な半田付けができないという問題があ
った。
紫外線架橋型のウレタンアクリレート系材料を用いた絶
縁電線は、半田付け温度が極めて高いため、導体が細い
ものにあっては、断線や基材への影響が問題となり不都
合であった。また、導体上に樹脂のかす(炭化物)が残
り易いため、適正な半田付けができないという問題があ
った。
【0009】更に、こうした液状樹脂組成物を重合架橋
反応により硬化させた被膜は重合時に収縮を伴うことが
多く、巻付時に割れや亀裂が発生し易いという問題があ
った。
反応により硬化させた被膜は重合時に収縮を伴うことが
多く、巻付時に割れや亀裂が発生し易いという問題があ
った。
【0010】したがって、本発明の目的は、紫外線架橋
樹脂組成物の半田付け温度を低温化し、導体上に樹脂の
炭化物が残らないようにした絶縁電線を提供すること、
更に巻付において割れや亀裂等が発生しない絶縁電線を
提供することにある。
樹脂組成物の半田付け温度を低温化し、導体上に樹脂の
炭化物が残らないようにした絶縁電線を提供すること、
更に巻付において割れや亀裂等が発生しない絶縁電線を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者達は、上
記のような課題を解決するため、紫外線架橋樹脂組成物
について、種々の研究を行った。その結果、紫外線架橋
樹脂組成物中の光重合性オリゴマの官能基の比率をある
特定量にし、使用するモノマの量や、モノマの官能基
数、官能基構造を選択し、組み合わせることにより、半
田付けのときに導体上に炭化物が付着せず、半田付け温
度を低温化でき、更に、巻付において割れや亀裂の発生
を防止できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
記のような課題を解決するため、紫外線架橋樹脂組成物
について、種々の研究を行った。その結果、紫外線架橋
樹脂組成物中の光重合性オリゴマの官能基の比率をある
特定量にし、使用するモノマの量や、モノマの官能基
数、官能基構造を選択し、組み合わせることにより、半
田付けのときに導体上に炭化物が付着せず、半田付け温
度を低温化でき、更に、巻付において割れや亀裂の発生
を防止できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0012】すなわち、本発明は、導体の外周に絶縁被
覆を施した絶縁電線において、前記絶縁被覆が、光重合
性オリゴマ(プレポリマ)の一分子当たりに占める官能
基の比率が、1%から20%以内である光重合性オリゴ
マ(プレポリマ)と、光重合開始剤とから構成される紫
外線架橋樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする
絶縁電線である。
覆を施した絶縁電線において、前記絶縁被覆が、光重合
性オリゴマ(プレポリマ)の一分子当たりに占める官能
基の比率が、1%から20%以内である光重合性オリゴ
マ(プレポリマ)と、光重合開始剤とから構成される紫
外線架橋樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする
絶縁電線である。
【0013】上記光重合性オリゴマ(プレポリマ)は、
例えば、エポキシアクリレート系、エポキシ化油アクリ
レート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルウレ
タンアクリレート系、ポリエーテルウレタンアクリレー
ト系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアク
リレート系、ビニルアクリレート系、シリコーンアクリ
レート系、ポリブタジエンアクリレート系、ポリカーボ
ネートジアクリレート系、不飽和ポリエステル系、ポリ
エン/ポリチオール系等の各種オリゴマであって、重合
性不飽和二重結合を有する官能基、例えば、アクリロイ
ル基(CH2 =CHCO−)、メタクリロイル基(CH
2 =C(CH3 )CO−)、アリル基(CH2 =CHC
H−)、ビニル基(CH2 =CH−)等を2個以上有す
るものである。また、オリゴマはフッ素置換されたもの
でも良く、二種以上のオリゴマを組み合わせても良い。
例えば、エポキシアクリレート系、エポキシ化油アクリ
レート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルウレ
タンアクリレート系、ポリエーテルウレタンアクリレー
ト系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアク
リレート系、ビニルアクリレート系、シリコーンアクリ
レート系、ポリブタジエンアクリレート系、ポリカーボ
ネートジアクリレート系、不飽和ポリエステル系、ポリ
エン/ポリチオール系等の各種オリゴマであって、重合
性不飽和二重結合を有する官能基、例えば、アクリロイ
ル基(CH2 =CHCO−)、メタクリロイル基(CH
2 =C(CH3 )CO−)、アリル基(CH2 =CHC
H−)、ビニル基(CH2 =CH−)等を2個以上有す
るものである。また、オリゴマはフッ素置換されたもの
でも良く、二種以上のオリゴマを組み合わせても良い。
【0014】本明細書において、光重合性オリゴマの一
分子当りの官能基比率(%)は、該オリゴマの平均分子
量をM、該オリゴマの一分子に含有される重合性不飽和
二重結合を持った官能基の分子量をm、その官能基が該
オリゴマの分子に含有される平均の数をn個として、
(m×n)×(100/M)で示される。光重合性オリ
ゴマの一分子当たりの官能基比率を1%から20%以内
としたのは、官能基比率が1%未満のオリゴマをベース
とすると、硬化性や機械的強度等が著しく低下するから
である。また、官能基比率が20%を越えるオリゴマを
ベースとすると架橋密度が大きく、半田付性が著しく低
下するほか、可撓性がなく、巻付時に割れや亀裂が発生
する等の問題点があるからである。この光重合性オリゴ
マが組成物に占める割合としては、40%から90%程
度が望ましい。
分子当りの官能基比率(%)は、該オリゴマの平均分子
量をM、該オリゴマの一分子に含有される重合性不飽和
二重結合を持った官能基の分子量をm、その官能基が該
オリゴマの分子に含有される平均の数をn個として、
(m×n)×(100/M)で示される。光重合性オリ
ゴマの一分子当たりの官能基比率を1%から20%以内
としたのは、官能基比率が1%未満のオリゴマをベース
とすると、硬化性や機械的強度等が著しく低下するから
である。また、官能基比率が20%を越えるオリゴマを
ベースとすると架橋密度が大きく、半田付性が著しく低
下するほか、可撓性がなく、巻付時に割れや亀裂が発生
する等の問題点があるからである。この光重合性オリゴ
マが組成物に占める割合としては、40%から90%程
度が望ましい。
【0015】光重合開始剤は、特に限定するものではな
く、公知のものを用いればよい。例えば、アセトフェノ
ン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソ
ン系等のものがある。アセトフェノン系のものには、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルホリノプロパン−1等があり、ベンゾフェノ
ン系のものには、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等がある。ま
た、ベンゾフェノン系のものには、ベンゾフェノン、ベ
ンゾイル安息香酸メチル、3,3’−ジメチル−4−メ
トキシベンゾフェノン等があり、チオキサンソン系のも
のには、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジ
クロロチオサキサンソン等がある。
く、公知のものを用いればよい。例えば、アセトフェノ
ン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソ
ン系等のものがある。アセトフェノン系のものには、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルホリノプロパン−1等があり、ベンゾフェノ
ン系のものには、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等がある。ま
た、ベンゾフェノン系のものには、ベンゾフェノン、ベ
ンゾイル安息香酸メチル、3,3’−ジメチル−4−メ
トキシベンゾフェノン等があり、チオキサンソン系のも
のには、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジ
クロロチオサキサンソン等がある。
【0016】また、本発明では、紫外線架橋樹脂組成物
の光重合性オリゴマとして、前述した官能基の中でもメ
タクリロイル基を含むものを使用することが好ましい。
の光重合性オリゴマとして、前述した官能基の中でもメ
タクリロイル基を含むものを使用することが好ましい。
【0017】官能基としてメタクリロイル基を選択する
のは、半田付け時の高温度下において、紫外線照射によ
り架橋構造を形成した官能基部でラジカル切断が生じ易
いからである。したがって、架橋構造が短時間で壊れて
低分子化し、導体から被膜が容易に剥がれる。このよう
に、本発明の光重合性オリゴマの官能基をメタクリロイ
ル基とすることにより、半田付け温度の低温化が容易に
なる。
のは、半田付け時の高温度下において、紫外線照射によ
り架橋構造を形成した官能基部でラジカル切断が生じ易
いからである。したがって、架橋構造が短時間で壊れて
低分子化し、導体から被膜が容易に剥がれる。このよう
に、本発明の光重合性オリゴマの官能基をメタクリロイ
ル基とすることにより、半田付け温度の低温化が容易に
なる。
【0018】更に、本発明では、紫外線架橋樹脂組成物
が、メタクリロイル基である単官能モノマを更に含むこ
とが好ましい。
が、メタクリロイル基である単官能モノマを更に含むこ
とが好ましい。
【0019】光重合性オリゴマに、官能基がメタクリロ
イル基である単官能モノマを加えると、半田付け温度の
低温化が更に容易になるほか、硬化収縮率を抑えること
ができ、巻付時の割れや亀裂の発生を抑えることができ
る。なお、官能基がメタクリロイル基の単官能モノマと
は、官能基がメタクリロイル基を有するものであればよ
く、特に限定するものではない。好ましくは芳香族又は
環状脂肪族末端構造を有するものが良い。
イル基である単官能モノマを加えると、半田付け温度の
低温化が更に容易になるほか、硬化収縮率を抑えること
ができ、巻付時の割れや亀裂の発生を抑えることができ
る。なお、官能基がメタクリロイル基の単官能モノマと
は、官能基がメタクリロイル基を有するものであればよ
く、特に限定するものではない。好ましくは芳香族又は
環状脂肪族末端構造を有するものが良い。
【0020】芳香族又は環状脂肪族末端構造を有し、官
能基がメタクリロイル基である単官能モノマとしては、
例えば、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシク
ロペンタニルメタクリレート、フェノキシポリエチレン
グリコールメタクリレート、フェノキシ(ポリ)プロピ
レングリコールモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロ
フルフリルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシ
エチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、
ジシクロペンテニルメタクリレート、カプロラクトン変
性テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレンオ
キシド変性フタル酸メタクリレート等の公知のメタクリ
ル系単官能モノマが使用できる。官能基がメタクリロイ
ル基である単官能モノマは、1種又は2種以上組み合わ
せて用いることができる。
能基がメタクリロイル基である単官能モノマとしては、
例えば、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシク
ロペンタニルメタクリレート、フェノキシポリエチレン
グリコールメタクリレート、フェノキシ(ポリ)プロピ
レングリコールモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロ
フルフリルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシ
エチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、
ジシクロペンテニルメタクリレート、カプロラクトン変
性テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレンオ
キシド変性フタル酸メタクリレート等の公知のメタクリ
ル系単官能モノマが使用できる。官能基がメタクリロイ
ル基である単官能モノマは、1種又は2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0021】官能基がメタクリロイル基である単官能モ
ノマの添加量については、特に限定するものではなく、
目的に応じて使用することができるが、上記光重合性オ
リゴマ(プレポリマ)と該単官能モノマを含有する組成
物に該モノマを含有させる比率は、光重合性オリゴマ
(プレポリマ)と該単官能モノマとの合計の重量に対す
る光重合性オリゴマ(プレポリマ)の割合が40から9
0重量%であることが好ましい。光重合性オリゴマ(プ
レポリマ)が90%より多いと、粘度が高すぎて塗布作
業性に劣る等の問題があり、また40重量%より少ない
と、硬化被膜が脆く、可撓性に劣り、巻付時に割れや亀
裂が生じ易いという問題がある。
ノマの添加量については、特に限定するものではなく、
目的に応じて使用することができるが、上記光重合性オ
リゴマ(プレポリマ)と該単官能モノマを含有する組成
物に該モノマを含有させる比率は、光重合性オリゴマ
(プレポリマ)と該単官能モノマとの合計の重量に対す
る光重合性オリゴマ(プレポリマ)の割合が40から9
0重量%であることが好ましい。光重合性オリゴマ(プ
レポリマ)が90%より多いと、粘度が高すぎて塗布作
業性に劣る等の問題があり、また40重量%より少ない
と、硬化被膜が脆く、可撓性に劣り、巻付時に割れや亀
裂が生じ易いという問題がある。
【0022】上記本発明の絶縁電線の導体を構成する金
属は、銅、アルミニウム、鉄、銀、白金等のいずれでも
良く、これらの合金、更に、これらに錫、亜鉛等を加え
た合金であっても良い。また、金属導体は、単線でも、
撚線でもよく、撚線を一括メッキしたものでも良い。
属は、銅、アルミニウム、鉄、銀、白金等のいずれでも
良く、これらの合金、更に、これらに錫、亜鉛等を加え
た合金であっても良い。また、金属導体は、単線でも、
撚線でもよく、撚線を一括メッキしたものでも良い。
【0023】また、上記本発明の実施に際しては、樹脂
組成物に必要に応じて以下のものを組み合わせて使用す
ることができる。すなわち、光重合助剤、接着防止剤、
チクソ付与剤、充填剤、可塑剤、非反応性ポリマー、着
色剤、難燃剤、難燃助剤、軟化防止剤、離型剤、乾燥
剤、分散剤、湿潤剤、沈澱防止剤、増粘剤、帯電防止
剤、静電防止剤、防かび剤、防鼠剤、防蟻剤、艶消し
剤、ブロッキング防止剤、皮張防止剤等である。
組成物に必要に応じて以下のものを組み合わせて使用す
ることができる。すなわち、光重合助剤、接着防止剤、
チクソ付与剤、充填剤、可塑剤、非反応性ポリマー、着
色剤、難燃剤、難燃助剤、軟化防止剤、離型剤、乾燥
剤、分散剤、湿潤剤、沈澱防止剤、増粘剤、帯電防止
剤、静電防止剤、防かび剤、防鼠剤、防蟻剤、艶消し
剤、ブロッキング防止剤、皮張防止剤等である。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1から図5には、本発明の実施例に係る絶縁電線の断
面構造が示されている。図1における絶縁電線は、導体
1と、導体1を被覆した紫外線架橋樹脂組成物の硬化物
より成る絶縁層(以下、単に「絶縁層」という。)2と
からなり、図2における絶縁電線は、複数の導体1と、
複数の導体1をまとめて被覆した絶縁層2とからなるも
のである。また、図3における絶縁電線は、複数の導体
1と、複数の導体1をまとめて被覆した一括メッキ層4
と、一括メッキ層4上から被覆した絶縁層2とからな
り、図4における絶縁電線は、複数の導体1と、複数の
導体1を個々に被覆する絶縁層2と、これらをまとめて
被覆したシース3とからなるものである。更に、図5に
おける絶縁電線は、複数の導体1と、複数の導体1をま
とめて被覆した絶縁層2とからなるものを複数組み合わ
せ、これらの全体を被覆したシース3からなるものであ
る。
図1から図5には、本発明の実施例に係る絶縁電線の断
面構造が示されている。図1における絶縁電線は、導体
1と、導体1を被覆した紫外線架橋樹脂組成物の硬化物
より成る絶縁層(以下、単に「絶縁層」という。)2と
からなり、図2における絶縁電線は、複数の導体1と、
複数の導体1をまとめて被覆した絶縁層2とからなるも
のである。また、図3における絶縁電線は、複数の導体
1と、複数の導体1をまとめて被覆した一括メッキ層4
と、一括メッキ層4上から被覆した絶縁層2とからな
り、図4における絶縁電線は、複数の導体1と、複数の
導体1を個々に被覆する絶縁層2と、これらをまとめて
被覆したシース3とからなるものである。更に、図5に
おける絶縁電線は、複数の導体1と、複数の導体1をま
とめて被覆した絶縁層2とからなるものを複数組み合わ
せ、これらの全体を被覆したシース3からなるものであ
る。
【0025】発明者達は、表1に示す組成物を配合し、
以下に説明する10種類(実施例1から7及び比較例1
から3)の絶縁電線を得た。同時に、表1は、実施例1
から4及び比較例1、2の絶縁電線の特性を示してい
る。
以下に説明する10種類(実施例1から7及び比較例1
から3)の絶縁電線を得た。同時に、表1は、実施例1
から4及び比較例1、2の絶縁電線の特性を示してい
る。
【表1】
【0026】[実施例1]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−122A(新中村化学(株)製、分子量100
0、官能基比率10.9%)100重量部と、官能基が
メタクリロイル基の単官能モノマであるイソボルニルメ
タクリレート100重量部と、光重合開始剤の2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10重量部か
らなる紫外線架橋樹脂組成物を、外径0.13mmの裸
軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫外線照
射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁電線を得
た。
マU−122A(新中村化学(株)製、分子量100
0、官能基比率10.9%)100重量部と、官能基が
メタクリロイル基の単官能モノマであるイソボルニルメ
タクリレート100重量部と、光重合開始剤の2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10重量部か
らなる紫外線架橋樹脂組成物を、外径0.13mmの裸
軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫外線照
射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁電線を得
た。
【0027】[実施例2]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−122M(新中村化学(株)製、分子量104
0、官能基比率13.3%)100重量部と、官能基が
メタクリロイル基の単官能モノマである1.6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート50重量部及びイソボルニ
ルメタクリレート50重量部と、光重合開始剤の2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン15重量部
からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13mmの裸
軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫外線照
射炉を通して硬化させ、絶縁厚16μmの絶縁電線を得
た。
マU−122M(新中村化学(株)製、分子量104
0、官能基比率13.3%)100重量部と、官能基が
メタクリロイル基の単官能モノマである1.6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート50重量部及びイソボルニ
ルメタクリレート50重量部と、光重合開始剤の2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン15重量部
からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13mmの裸
軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫外線照
射炉を通して硬化させ、絶縁厚16μmの絶縁電線を得
た。
【0028】[実施例3]ウレタンメタクリレートオリ
ゴマU−122M(新中村化学(株)製)100重量部
と、官能基がメタクリロイル基の単官能モノマであるジ
シクロペンタニルメタクリレート100重量部と、光重
合開始剤の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン10重量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径
0.13mmの裸軟銅線導体(1/0.13)上に被覆
した後、紫外線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μ
mの絶縁電線を得た。
ゴマU−122M(新中村化学(株)製)100重量部
と、官能基がメタクリロイル基の単官能モノマであるジ
シクロペンタニルメタクリレート100重量部と、光重
合開始剤の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン10重量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径
0.13mmの裸軟銅線導体(1/0.13)上に被覆
した後、紫外線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μ
mの絶縁電線を得た。
【0029】[実施例4]ウレタンメタクリレートオリ
ゴマEB8400(ダイセル・ユーシービー製、分子量
4900、官能基比率2.2%)100重量部と、官能
基がメタクリロイル基の単官能モノマであるジシクロペ
ンタニルメタクリレート80重量部及びネオペンチルグ
リコールジアクリレート20重量部と、光重合開始剤の
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10
重量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を、外径0.13
mmの裸軟導線導体(1/0.13)上に被覆した後、
紫外線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁
電線を得た。
ゴマEB8400(ダイセル・ユーシービー製、分子量
4900、官能基比率2.2%)100重量部と、官能
基がメタクリロイル基の単官能モノマであるジシクロペ
ンタニルメタクリレート80重量部及びネオペンチルグ
リコールジアクリレート20重量部と、光重合開始剤の
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10
重量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を、外径0.13
mmの裸軟導線導体(1/0.13)上に被覆した後、
紫外線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁
電線を得た。
【0030】[実施例5]エポキシアクリレートオリゴ
マ3002(共栄社油脂化学工業(株)製、分子量60
0、官能基比率18.2%)100重量部と、官能基が
メタクリロイル基の単官能モノマであるジシクロペンタ
ニルメタクリレート100重量部と、光重合開始剤の
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10
重量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13m
mの裸軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫
外線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁電
線を得た。
マ3002(共栄社油脂化学工業(株)製、分子量60
0、官能基比率18.2%)100重量部と、官能基が
メタクリロイル基の単官能モノマであるジシクロペンタ
ニルメタクリレート100重量部と、光重合開始剤の
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10
重量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13m
mの裸軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫
外線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁電
線を得た。
【0031】[実施例6]エポキシアクリレートオリゴ
マ400EM(共栄社油脂化学工業(株)製、分子量7
00、官能基比率19.8%)100重量部と、官能基
がメタクリロイル基の単官能モノマであるイソボルニル
メタクリレート50重量部と、光重合開始剤の2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン7.5重量部
からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13mmの裸
軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫外線照
射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁電線を得
た。
マ400EM(共栄社油脂化学工業(株)製、分子量7
00、官能基比率19.8%)100重量部と、官能基
がメタクリロイル基の単官能モノマであるイソボルニル
メタクリレート50重量部と、光重合開始剤の2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン7.5重量部
からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13mmの裸
軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫外線照
射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁電線を得
た。
【0032】[実施例7]ポリブタジエンメタクリレー
トオリゴマTE−2000(日本曹達(株)製、数平均
分子量2000±200、官能基比率6〜8%)100
重量部と、官能基がメタクリロイル基の単官能モノマで
あるジシクロペンタニルメタクリレート100重量部
と、光重合開始剤の2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン10重量部からなる紫外線架橋樹脂組成
物を外径0.13mmの裸軟銅線導体(1/0.13)
上に被覆した後、紫外線照射炉を通して硬化させ、絶縁
厚16μmの絶縁電線を得た。
トオリゴマTE−2000(日本曹達(株)製、数平均
分子量2000±200、官能基比率6〜8%)100
重量部と、官能基がメタクリロイル基の単官能モノマで
あるジシクロペンタニルメタクリレート100重量部
と、光重合開始剤の2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン10重量部からなる紫外線架橋樹脂組成
物を外径0.13mmの裸軟銅線導体(1/0.13)
上に被覆した後、紫外線照射炉を通して硬化させ、絶縁
厚16μmの絶縁電線を得た。
【0033】[比較例1]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−340AX(新中村化学(株)製、分子量130
000、官能基比率0.8%)100重量部に、イソボ
ルニルアクリレート(共栄社油脂化学工業(株)製)5
0重量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
(新中村化学(株)製)50重量部及び光重合開始剤の
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10
重量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13m
mの裸軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫
外線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚14μmの絶縁電
線を得た。
マU−340AX(新中村化学(株)製、分子量130
000、官能基比率0.8%)100重量部に、イソボ
ルニルアクリレート(共栄社油脂化学工業(株)製)5
0重量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
(新中村化学(株)製)50重量部及び光重合開始剤の
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10
重量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13m
mの裸軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫
外線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚14μmの絶縁電
線を得た。
【0034】[比較例2]ウレタンアクリレートオリゴ
マU−0107B(新中村化学(株)製、分子量75
0、官能基比率22%)100重量部にイソボルニルメ
タクリレート(共栄社油脂化学工業(株)製)100重
量部及び光重合開始剤の2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン10重量部からなる紫外線架橋樹脂
組成物を外径0.13mmの裸軟銅線導体(1/0.1
3)上に被覆した後、紫外線照射炉を通して硬化させ、
絶縁厚15μmの絶縁電線を得た。
マU−0107B(新中村化学(株)製、分子量75
0、官能基比率22%)100重量部にイソボルニルメ
タクリレート(共栄社油脂化学工業(株)製)100重
量部及び光重合開始剤の2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン10重量部からなる紫外線架橋樹脂
組成物を外径0.13mmの裸軟銅線導体(1/0.1
3)上に被覆した後、紫外線照射炉を通して硬化させ、
絶縁厚15μmの絶縁電線を得た。
【0035】[比較例3]エポキシアクリレートオリゴ
マ80MFA(共栄社油脂化学工業(株)製、分子量3
50、官能基比率31.6%)100重量部にイソボル
ニルメタクリレート50重量部及び光重合開始剤の2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン7.5重
量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13mm
の裸軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫外
線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁電線
を得た。
マ80MFA(共栄社油脂化学工業(株)製、分子量3
50、官能基比率31.6%)100重量部にイソボル
ニルメタクリレート50重量部及び光重合開始剤の2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン7.5重
量部からなる紫外線架橋樹脂組成物を外径0.13mm
の裸軟銅線導体(1/0.13)上に被覆した後、紫外
線照射炉を通して硬化させ、絶縁厚15μmの絶縁電線
を得た。
【0036】以上の実施例1から4と比較例1、2の絶
縁電線の特性につき、以下に検討を行った。
縁電線の特性につき、以下に検討を行った。
【0037】評価方法は以下の通りである。 1.半田付性: 長さ約15cmの試験片を採り、任意
の温度に設定した半田(50Sn)に試験片の先端約4
0mmを1〜2秒浸漬した後、これを取り出し、直ちに
軽く適当な布で拭いたとき、浸漬した部分の上部約10
mmを除き、半田が一様に付く温度を調べた。 2.20%伸長: 作製した絶縁電線を5m採り、全長
の20%の長さを、方端を固定して伸長させ、ピンホー
ル試験により被膜に以上が生じないことを調べた。 3.破壊電圧: 作製した絶縁電線を対よりし、線間の
破壊電圧を調べた。電圧は、500V/sの割合でなる
べく一様な速さで上昇させ測定した。 4.表面硬度: JIS S 6006に規定の鉛筆の
芯を、約60度の角度をもたせて刃形に削り、これを試
験片に約60度の角度で約4.9Nの力で押し、試験片
の長さ方向に規定の片さの芯で1回引っかいたとき、被
膜が破れない最大の硬さを調べた。 5.自己径巻付: 作製した絶縁電線と同一径のマンド
レルに6回巻付(n=3)て、被膜に割れや亀裂が無い
か顕微鏡により拡大し、観察した。
の温度に設定した半田(50Sn)に試験片の先端約4
0mmを1〜2秒浸漬した後、これを取り出し、直ちに
軽く適当な布で拭いたとき、浸漬した部分の上部約10
mmを除き、半田が一様に付く温度を調べた。 2.20%伸長: 作製した絶縁電線を5m採り、全長
の20%の長さを、方端を固定して伸長させ、ピンホー
ル試験により被膜に以上が生じないことを調べた。 3.破壊電圧: 作製した絶縁電線を対よりし、線間の
破壊電圧を調べた。電圧は、500V/sの割合でなる
べく一様な速さで上昇させ測定した。 4.表面硬度: JIS S 6006に規定の鉛筆の
芯を、約60度の角度をもたせて刃形に削り、これを試
験片に約60度の角度で約4.9Nの力で押し、試験片
の長さ方向に規定の片さの芯で1回引っかいたとき、被
膜が破れない最大の硬さを調べた。 5.自己径巻付: 作製した絶縁電線と同一径のマンド
レルに6回巻付(n=3)て、被膜に割れや亀裂が無い
か顕微鏡により拡大し、観察した。
【0038】上記実施例1〜7及び比較例1〜3の絶縁
電線の特性を表1に示す。表1からも明らかなように、
本発明に係る実施例1から4では、いずれも半田付性が
良好でかつ20%伸長、破壊電圧、表面硬化性、自己径
巻付も良好な結果を示している。特に、実施例3及び7
では半田付性が良好で、360℃まで低下させることが
できた。これは、オリゴマ及びモノマがともにメタクリ
ロイル基を含むためである。これに対し、比較例1で
は、半田付性は得られるが、硬化被膜が弱く、巻付時に
被膜が破れたり、硬化性に非常に劣るものであった。ま
た、比較例2及び3のように官能基比率が20%以上と
なると、被膜が硬く割れが入り易く、更に半田付けも4
50℃以上になって実用できないものになった。
電線の特性を表1に示す。表1からも明らかなように、
本発明に係る実施例1から4では、いずれも半田付性が
良好でかつ20%伸長、破壊電圧、表面硬化性、自己径
巻付も良好な結果を示している。特に、実施例3及び7
では半田付性が良好で、360℃まで低下させることが
できた。これは、オリゴマ及びモノマがともにメタクリ
ロイル基を含むためである。これに対し、比較例1で
は、半田付性は得られるが、硬化被膜が弱く、巻付時に
被膜が破れたり、硬化性に非常に劣るものであった。ま
た、比較例2及び3のように官能基比率が20%以上と
なると、被膜が硬く割れが入り易く、更に半田付けも4
50℃以上になって実用できないものになった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る絶縁
電線は、絶縁被覆層の形成に用いる紫外線架橋組成物
に、一分子当たりに占める官能基比率が1%から20%
以内の光重合性オリゴマを用い、必要に応じて官能基に
メタクリロイル基からなる単官能モノマを含ませたの
で、半田付け温度の低温化が可能となり、導体上に樹脂
の炭化物が残らないようにすることができ、更に巻付時
に割れや亀裂の発生が防止できる。
電線は、絶縁被覆層の形成に用いる紫外線架橋組成物
に、一分子当たりに占める官能基比率が1%から20%
以内の光重合性オリゴマを用い、必要に応じて官能基に
メタクリロイル基からなる単官能モノマを含ませたの
で、半田付け温度の低温化が可能となり、導体上に樹脂
の炭化物が残らないようにすることができ、更に巻付時
に割れや亀裂の発生が防止できる。
【図1】本発明の一実施例に係る絶縁電線の構成を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る絶縁電線の構成を示す
断面図である。
断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る絶縁電線の構成を示す
断面図である。
断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る絶縁電線の構成を示す
断面図である。
断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る絶縁電線の構成を示す
断面図である。
断面図である。
1 導体(単線または撚線) 2 絶縁層 3 シース 4 一括メッキ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅 美由樹 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 高畑 紀雄 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 笠井 隆則 群馬県渋川市中村1135番地 電気化学工業 株式会社渋川工場内 (72)発明者 風見 淳一 群馬県渋川市中村1135番地 電気化学工業 株式会社渋川工場内 (72)発明者 小林 正之 群馬県渋川市中村1135番地 電気化学工業 株式会社渋川工場内
Claims (3)
- 【請求項1】 導体上に絶縁被覆を施した絶縁電線にお
いて、 前記絶縁被覆が、一分子当たりに占める官能基の比率が
1%から20%以内である光重合性オリゴマ(プレポリ
マ)と、 光重合開始剤とを含む紫外線架橋樹脂組成物の硬化物か
らなることを特徴とする絶縁電線。 - 【請求項2】 前記紫外線架橋樹脂組成物の光重合性オ
リゴマ(プレポリマ)の官能基が、メタクリロイル基で
あることを特徴とする請求項1記載の絶縁電線。 - 【請求項3】 前記紫外線架橋樹脂組成物が、メタクリ
ロイル基を有する単官能モノマを更に含むことを特徴と
する請求項1及び2記載の絶縁電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21527993A JPH0757551A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21527993A JPH0757551A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 絶縁電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0757551A true JPH0757551A (ja) | 1995-03-03 |
Family
ID=16669690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21527993A Pending JPH0757551A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 絶縁電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0757551A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO1999057733A1 (en) * | 1998-05-07 | 1999-11-11 | Dsm N.V. | Dielectric radiation-curable coating compositions |
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US7109253B1 (en) | 1996-10-31 | 2006-09-19 | Dsm N.V. | Dielectric, radiation-curable coating compositions |
JP2010254891A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Hitachi Chem Co Ltd | 光硬化性樹脂組成物、光硬化性防湿絶縁塗料及びそれを用いた電子部品、フラットパネルディスプレイ |
US8123331B2 (en) | 2007-09-28 | 2012-02-28 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus and information recording medium |
JP2015233414A (ja) * | 2015-09-30 | 2015-12-24 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 回転電機用ステータ及びその製造方法 |
WO2024034026A1 (ja) * | 2022-08-09 | 2024-02-15 | 三菱電機株式会社 | 絶縁ワニス組成物、絶縁ワニス硬化物、コイルおよびコイルの製造方法 |
-
1993
- 1993-08-06 JP JP21527993A patent/JPH0757551A/ja active Pending
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WO2024034026A1 (ja) * | 2022-08-09 | 2024-02-15 | 三菱電機株式会社 | 絶縁ワニス組成物、絶縁ワニス硬化物、コイルおよびコイルの製造方法 |
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