JPH1129711A - レーザー光線の照射でマーキング可能な樹脂組成物 - Google Patents

レーザー光線の照射でマーキング可能な樹脂組成物

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JPH1129711A
JPH1129711A JP9183339A JP18333997A JPH1129711A JP H1129711 A JPH1129711 A JP H1129711A JP 9183339 A JP9183339 A JP 9183339A JP 18333997 A JP18333997 A JP 18333997A JP H1129711 A JPH1129711 A JP H1129711A
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    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー光線の照射で鮮明なマーキングを与
えることのできる樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 モリブデン化合物あるいはそれと塩基性
無機フィラーを含有する樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光線の照射
でマーキング可能な樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体、抵抗体、コンデンサー、IC、
トランジスタ、コネクタ、スイッチ、リレー、プリント
板の如き種々の電気・電子部品や製品には識別記号、品
種番号、商品番号等が付与されている。従来、このよう
な識別番号等の表示には、かかる表示をなすべき対象物
の表面に熱硬化型または紫外線硬化型のエポキシ樹脂等
を主たる成分とする捺印インクが使用されてきた。しか
しながら、かかる捺印インクは表示をなすべき対象物の
素材あるいはその表面に塗装された塗料との接着性やな
じみが必ずしも十分でなく、また対象物によっては形状
が複雑すぎるためインクの捺印が不可能なものもある。
また、最近になって、捺印行程の自動化および省力化の
ためにレーザー光線による捺印が多用されるようになっ
てきた。レーザー光線の照射による捺印とは、レーザー
光線による熱を利用して対象物の表面を削り取って光を
乱反射させるかあるいは対象物の表面に化学変化を起し
て発色させることを利用するものである。
【0003】特開昭58−210937号公報には、熱
源で飛散、消色または変色をする顔料もしくは染料また
はこの両者の0.1重量%以上、および熱源で飛散、消
色または変色をしない顔料もしくは染料またはこの両者
の0.3重量%以上とが混合配合されることを特徴とす
る熱刻印に適した染顔料配合合成樹脂組成物が開示され
ている。この組成物にレーザー光線を照射すると、熱源
で飛散、消色または変色をする顔料もしくは染料が飛
散、消色または変色し、熱源で飛散、消色または変色し
ない顔料もしくは染料の色を浮き出たせることができ
る。
【0004】特開平1−222994号公報には、含リ
ン酸無機物を含有してなることを特徴とするレーザーマ
ーキング用材料が開示されている。また、特開平1−2
22995号公報には、含ホウ酸無機物を含有すること
を特徴とするレーザーマーキング用材料が開示されてい
る。また、特開平4−198366号公報には、酸化ビ
スマスを含有する黒色にレーザーマーキング可能な樹脂
組成物が開示されている。これらのマーキング用材料
は、レーザー光線を照射したとき、照射部分と未照射部
分とに明瞭なコントラストを生じることが上記それぞれ
の公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、レーザー光
線の照射でマーキング可能な樹脂組成物を提供すること
にある。本発明の他の目的は、レーザー光線の照射によ
るマーキングがその上に透明ワニスをコートした際に
も、鮮明なコントラストを維持することができる、レー
ザー光線の照射でマーキング可能な樹脂組成物を提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は、レーザー光
線を照射する前の樹脂組成物が黒色以外の色であり、そ
してレーザー光線の照射により発現した黒色が樹脂組成
物のそれらの色と鮮明なコントラストを生じる、レーザ
ー光線の照射で黒色にマーキング可能な樹脂組成物を提
供することにある。
【0006】本発明のさらに他の目的は、レーザー光線
の照射により黒色を発現する物質がレーザー光線を照射
する前の樹脂組成物に含有され、該樹脂組成物中におい
て無色、白色あるいはそれに近い色を示しそれ故所望の
種々の色に調整することができる、レーザー光線の照射
で黒色にマーキング可能な樹脂組成物を提供することに
ある。本発明のさらに他の目的は、レーザー光線の照射
で黒色を発現する物質が人体への毒性が無いかあるいは
非常に小さく問題とならない、レーザー光線の照射で黒
色にマーキング可能な樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】本発明のさらに他の目的は、レーザー光線
の照射で黒色にマーキング可能な、難燃性の優れた樹脂
組成物を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、レーザー光線の照射で黒色を与える化合物を含有
し、そして該化合物が比較的低コストであるが故に比較
的安価である、レーザー光線の照射で、黒色にマーキン
グ可能な樹脂組成物を提供することにある。本発明のさ
らに他の目的および利点は、以下の説明から明らかとな
ろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1にモリブデン化合物を含
有することを特徴とするレーザー光線の照射でマーキン
グ可能な樹脂組成物によって達成される。また、本発明
によれば、同様に、第2に、モリブデン化合物および塩
基性無機フィラーを含有することを特徴とするレーザー
光線の照射でマーキング可能な樹脂組成物によって有利
に達成される。本発明の樹脂組成物に含有されるモリブ
デン化合物は、モリブデンの如何なる化合物であっても
よく、例えばモリブデン化合物がモリブデンの酸化物、
水酸化物、炭化物フッ化物、珪化物、カルボニル化合物
およびモノブデン酸塩を挙げることができる。これらは
1種または2種以上組合せて使用することができる。
【0009】上記モリブデン化合物としては、例えばモ
リブデンカルボニル、モリブデン酸六アンモニウム四水
和物、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アンモニウム、
モリブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウム、モリ
ブデン酸珪素、モリブデン酸ソーダ、モリブデン酸チタ
ン、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム
二水和物、モリブデン酸鉛、モリブデン酸バリウム、モ
リブデン白、モリブデンヘキサカルボニル、モリブデ
ン、三酸化モリブデン、三酸化モリブデン一水和物、炭
化モリブデン、モリホワイト、珪化モリブデン、フッ化
モリブデン、二塩化二酸化モリブデン(IV)を挙げる
ことができる。これらのモリブデン化合物は、平均粒径
が約10μm以下の微粒子として使用するのが有利であ
り、平均粒径が約3μm以下の微粒子として用いるのが
より好ましい。一般に、平均粒径が小さいほど、同じ含
有量では、レーザー光線の照射で発現する黒色のコント
ラストは一層明瞭となる傾向が見られる。
【0010】本発明の樹脂組成物は、後述する如く、種
々の形態をとることができるが、いずれの場合にあって
も、固形分に基づいて、好ましくは1〜40重量%、よ
り好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜20
重量%で、モリブデン化合物を含有することができる。
モリブデン化合物の含有量が1重量%未満では、明瞭な
黒色が得られ難くまた40重量%を超えると樹脂組成物
としての諸物性が低下し易くなる傾向が大となる。
【0011】本発明の樹脂組成物は、好ましくは、上記
したモリブデン化合物に加えてさらに塩基性無機フィラ
ーを含有することができる。塩基性無機フィラーとして
は、pH8以上、より好ましくは9〜10の無機化合
物、例えばアルカリ土類金属を含有する塩基性無機化合
物が好ましく用いられる。それらのうちでも、カルシウ
ムおよびマグネシウムの少なくともいずれか一方を含有
する塩基性無機化合物が特に好ましい。なお、pHは試
料と純水とを等重量でホモジナイザーで1分間攪拌し、
1時間放置した物の上澄み液をpHメータにて測定した
値である。
【0012】かかる塩基性無機化合物としては、例えば
ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、マイカ、塩基性炭
酸マグネシウム、タルク、ハイドロタルサイト、酸化カ
ルシウムと酸化マグネシウムのダブルカーボネート等を
好ましいものとして挙げることができる。塩基性無機フ
ィラーとしては、平均粒径が30μm以下、より好まし
くは15μm以下の微粒子として用いるのが有利であ
る。
【0013】塩基性無機フィラーは、モリブデン化合物
1重量部当り、好ましくは0.1〜5重量部、より好ま
しくは0.3〜3重量部の割合で使用するのが有利であ
る。塩基性無機フィラーを含有することにより、レーザ
ー照射により樹脂組成物中に生成する黒色酸化モリブデ
ン(樹脂組成物にレーザー光照射前に含有されるモリブ
デン化合物が酸化モリブデンの場合にはなおさらのこ
と)が酸性が強いことによって引き起こされる不具合、
例えば電子部品の絶縁封止用外装材としては適切さを欠
くようなことなどを排除することができる。
【0014】本発明の樹脂組成物におけるマトリックス
樹脂としては、例えば熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹
脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン
樹脂;塩化ビニル樹脂;ポリスチレン樹脂;アクリル樹
脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレートの如き芳香族ポリ
エステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリオキシメチ
レン樹脂の如きポリアセタール樹脂;ポリフェニレンス
ルフィド樹脂;ポリε−カプロアミド、ポリヘキサメチ
レンアジパミドの如きポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂
等を好ましいものとして挙げることができる。また、熱
硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂;フェノール
樹脂;ウレア樹脂;ジアリルフタレート樹脂;ポリエス
テル樹脂;ウレタン樹脂;アクリル樹脂;シリコン樹脂
等を好ましいものとして挙げることができる。
【0015】本発明の樹脂組成物は、このような樹脂を
マトリックスとして、その中に上記の如きモリブデン化
合物あるいはそれと塩基性無機フィラーとを、好ましく
は均一に分散された状態で含有する。また、本発明の樹
脂組成物は、モリブデン化合物以外に、レーザー光線の
照射で分解して樹脂組成物にマーキングを与えることの
できる公知の化合物をさらに含有することができる。か
かる化合物としては、例えば酸化ビスマスを挙げること
ができる。酸化ビスマスとしては、例えばBi23、B
24、Bi25あるいはこれらの混合物もしくはこれ
らの混合物に相当する酸化物を挙げることができる。こ
れらのうち、Bi23が特に好ましい。
【0016】酸化ビスマスは、モリブデン化合物と同様
に、平均粒子10μm以下、より好ましくは3μm以下
の微粒子として好適に用いられる。酸化ビスマスを併用
する場合、酸化ビスマスはモリブデン化合物1重量部当
り0.2〜2重量部の割合で好適に用いられる。本発明
の樹脂組成物は種々の形態で用いることができる。例え
ば成形材料としてあるいは塗装材料として用いることが
できる。成形材料としては、種々の成形品の材料となし
うるのが、例えば各種電子部品の成形材料として、また
テレビジョンやCDプレイヤーの如き家電製品のハウジ
ングの成形材料として好適に用いられる。これらの電子
部品やハウジングのの適当な箇所にレーザー光線を照射
することにより、それらの電子部品やハウジングに明瞭
なコントラストを持つ黒色で品番等の識別番号を捺印す
ることが可能である。
【0017】塗料材料としての本発明の樹脂組成物は、
例えば刷毛、スプレー、ロールコートあるいは粉体塗装
の如きそれ自体公知の塗装技術により、塗装対象物の表
面に塗布される。乾燥された塗被膜あるいは乾燥後場合
により焼付けされた塗被膜は同様にレーザー光線の照射
を受けることにより、その表面上に明瞭なコントラスト
で黒色の識別番号、文字、図形等を形成される。塗装の
対象物としては、例えばコンデンサ、抵抗器、バリス
タ、サミスタ、HIC、インダクタの如き電子部品を挙
げることができる。本発明の樹脂組成物は着色のため種
々の顔料あるいは染料を含有することができる。かかる
顔料あるいは染料としては、レーザー光線の照射を受け
た際飛散あるいは分散するものが好ましい。かかる顔料
あるいは染料としては、例えばナフトール染料、インダ
ンスレン染料、フタロシアニン染料等を挙げることがで
きる。また、本発明の樹脂組成物は、その他必要によ
り、種々の添加剤例えば光安定剤、熱安定剤、難燃剤、
離型剤、滑剤あるいは充填剤を含有することができる。
【0018】本発明の樹脂組成物を照射するレーザー光
線としては、種々のレーザー光線を使用しうる。とりわ
け、炭酸ガスレーザーあるいはYAGレーザー等が好ま
しく用いられる。以下実施例により本発明をさらに詳述
する。実施例中、特にことわりのない限り、部は重量部
である。また、発色性、耐湿特性、難燃性およびpHは
以下のようにして測定され、定義される。
【0019】発色性は、肉眼判定により次のように3段
階に分けて表示した。 × 発色しない △ 黒色の発色 ○ 非常に鮮明な黒色の発色
【0020】耐湿特性 耐湿試験方法(ディスクタイプセラコン、定格電圧3k
V品使用) 1)リード間絶縁抵抗変化率 PCT 121℃ 2気圧に100時間放置し、初期から
の絶縁抵抗値変化率を測定。 2)耐湿負荷試験 60℃ 95%の雰囲気に定格電圧の1.5倍の電圧をか
けながら1000時間放置し、電流がリーク(10m
A)した時点でNGとする。耐湿測定は、これらの結果
から次のように3段階に分けて表示した。 △ 初期特性、すなわち初期絶縁抵抗値を維持し且つ電
流リークのない試験片の数が9〜12個(全数15個)
のもの。 ○ 同数が13〜14個のもの。 ◎ 同数が15個のもの。
【0021】難燃性 UL−94 V−0の水準にあるものを○印、それより
低水準のものを×印とした。
【0022】実施例1 表1に記載の各成分を150℃で1分間、十分に混練し
たのち、数μm〜150μm程度の粒径の粉体にし、流
動浸漬法でディスクタイプセラコン(定格電圧3KV
品)に約500μmの厚さに塗布し、150℃で1時間
加熱して熱硬化させた。得られた硬化物に炭酸ガスレー
ザー光線を照射した。結果を表1に示した。
【0023】実施例2〜5および比較例1、2 表1に記載の各成分を実施例1と同様にして熱硬化物と
し、炭酸ガスレーザー光線を照射した。結果を表1に示
した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、レーザー光線の
照射により鮮明なマーキングを与えることができた。特
に難燃性をそこなうことなく優れた信頼性を与えること
ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モリブデン化合物を含有することを特徴
    とするレーザー光線の照射でマーキング可能な樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 モリブデン化合物および塩基性無機フィ
    ラーを含有することを特徴とするレーザー光線の照射で
    マーキング可能な樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 モリブデン化合物がモリブデンの酸化
    物、水酸化物、炭化物フッ化物、珪化物、カルボニル化
    合物およびモノブデン酸塩よりなる群から選ばれる少な
    くとも1種の化合物である、請求項1または2による樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 塩基性無機フィラーがカルシウムおよび
    マグネシウムの少なくともいずれか一方を含有する請求
    項2による樹脂組成物。
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