JPH11296917A - 光ディスク原盤の製造方法および原盤製造装置 - Google Patents

光ディスク原盤の製造方法および原盤製造装置

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JPH11296917A
JPH11296917A JP9455598A JP9455598A JPH11296917A JP H11296917 A JPH11296917 A JP H11296917A JP 9455598 A JP9455598 A JP 9455598A JP 9455598 A JP9455598 A JP 9455598A JP H11296917 A JPH11296917 A JP H11296917A
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sil
optical disk
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JP9455598A
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Yasushi Miyauchi
靖 宮内
Kimio Nakamura
公夫 中村
Minoru Chokai
実 鳥海
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度記録の一つの方法として、SIL(Solid
Immersion Lens)を用いた近接場記録があるが、このよ
うな記録に対応した光ディスク原盤(基板)を作製す
る。 【解決手段】原盤カッティングにおいて、SILの研磨
面(平面部)5に、超解像膜6を形成する。超解像膜6
として、主にフォトクロミック材料を用い、多光子吸
収、光退色性(光消色性)、吸収飽和等を利用する。超
解像膜6と原盤7との間の間隔を近接場領域を保持した
状態(レーザビームの波長をλとしたとき、この間隔は
λ/4以下とする)でレーザビームを照射し、原盤7上
のホトレジスト膜を露光、現像して照射領域のホトレジ
スト膜を溶解除去する。 【効果】SILによる近接場記録と超解像膜による効果
により高密度カッティングが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク原盤の
製造方法および原盤製造装置に係り、特に光学的に細く
絞られたビームで光ディスク原盤をカッテングするに好
適な光ディスク原盤の製造方法および原盤製造装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の大容量化に伴い、光記録を
用いた高密度記録技術の開発が活発に行われている。光
記録では、その限界が光の回折により、記録ビット径が
500nm前後といわれている。この回折限界は光の波長
(λ)に比例し、さらに、レンズの性能指数(NA)に反比
例する。このため、高密度化の1つの方向は、光の波長
を短波長化すること、絞り込みレンズを高NA化すること
にある。
【0003】また、別の方法としては、この回折限界に
よらない光学現象を利用する方法がある。たとえば、米
国特許第 5,121,256号にみられるように、S
IL(Solid Immersion Lens、以下、SILと略称)を用
いて高NA化を実現し、通常の光学レンズを用いたものよ
り小さなスポット径を得ている。
【0004】以下、この従来技術の原理を説明する。ま
ず、SILは屈折率nが大きな透明物質からなる球面レ
ンズを例えば半球面に研磨し作製する。次に絞り込みレ
ンズで絞られたレーザ光の焦点をこの研磨面に合せる。
SILの中に入ったレーザ光の速度は屈折率の分だけ遅
くなり、波長は1/nに短くなっている。つまり、SI
L中での回折限界は通常の1/nと小さくなる。見方を
変えれば対物レンズのNAをn倍に増やせたといってもよ
い。
【0005】この時、SILの内部ではNAを高められて
もレーザ光がSILを抜けて空気中に出ると、再び元の
ビームスポット径に戻ってしまう。しかし、SILの底
面である研磨面と試料(ディスクの記録膜上など)との
間がλ/4以下と接近した場合(近接場領域と云う)、
入射光の波長λに対して波長が1/nのまま試料に伝播
するため、分解能がn倍になる。すなわち、通常の1/
nの回折限界が得られる。このような方法によって高密
度記録が可能となっている。
【0006】従来から用いられている光記録用基板に
は、原盤カッティング手段により予めプリピットやトラ
ッキング用のグルーブなどが形成されている。ここで上
記のようなSILを用いた高密度記録では、このプリピ
ットやトラッキング用のグルーブの幅を従来よりも狭く
した基板が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記従来技術よりも更なる高密度カッティング
を実現するための光ディスクの原盤製造方法および原盤
製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、光ディスク
の原盤のもととなるガラス円板上に塗布したホトレジス
トなどにプリピットやトラッキング用のグルーブをカッ
ティングする時に、例えば超解像膜を形成したSILを
用いる事により従来よりも更なる高密度カッティングが
可能となる。
【0009】ここでの超解像膜とは、入射してきたビー
ムが超解像膜中を透過し出射するとき、入射してきたビ
ームのスポット径よりも出射したビームスポット径の方
が小さくなる機能を有する薄膜の事をいう。どの程度ビ
ームスポット径が小さくなるかは、用いる超解像膜の種
類によって異なる。
【0010】また、超解像膜はSILの平面部分(たと
えば研磨面など)に形成するが、ビームスポットが照射
される原盤上に直接形成することもできる。本発明の超
解像膜として、主にフォトクロミック材料を用い、多光
子吸収、光退色性(光消色性)、吸収飽和等を利用す
る。
【0011】多光子吸収は、1光子の波長では光吸収が
なく、2光子のネルギー領域(1光子波長の半分の波長)
で光吸収を持つ材料であればよい。2光子吸収の反応は
光強度の2乗で効くため、光変化領域は照射光のスポッ
トサイズを2乗した形状となる。これはまた別な見方を
すれば、波長→光強度に、また吸収→透過に置き換えて
もよい。例えば、弱い光強度では多光子吸収膜の透過率
は変化せず、それよりも十分強い光強度で2光子吸収が
起こり、その領域では透過率が高くなる。このような多
光子吸収膜としては、例えばアクリル樹脂などがある。
【0012】また、光退色性とは、強い光強度の照射部
分では光反応が生じて退色が進み光を透過するが、弱い
光強度の照射部分では退色が進まず光が透過しない膜で
ある。光退色性膜として、水溶性ジアゾニウム塩やフッ
素環系ジアリールエテン分子(FC-124)などがある。
【0013】また、吸収飽和膜として例えばナフタロシ
アニン色素のように、あるしきい値を越える程度のレー
ザ光が照射されると基底状態にある色素が無くなり、そ
れ以上は光を吸収しなくなる性質を持っている材料も使
用可能である。
【0014】以上のように、照射ビームの中心部分の透
過率が高くなるためこの領域だけビームが透過する。そ
の結果、見かけ上ビームスポット径が小さくなっている
ことになる(超解像効果)。
【0015】あるいは、超解像膜として、予め入射ビー
ムの照射位置付近に入射ビーム径よりも小さい穴(ピン
ホールなど)を1個以上形成した膜を用いても同様な効
果が得られる。例えば、入射ビームの中に穴を2個形成
する事により、1回転でグルーブを2本同時にカッティ
ングする事が可能となった。ここで、小さな穴を形成す
る方法では、超解像膜として、薄い板状のものを代用し
てもよい。なお、この種のピンホールを形成する膜とし
ては、ビームが照射されても変化しない膜が用いられ、
例えばアルミ合金等の金属膜が使用できる。
【0016】更に、上記のような超解像膜を第一の超解
像膜として形成したSILを用い、なおかつ第二の超解
像膜を原盤となる試料側にも設けることにより更なる高
密度カッテングが可能となる。ただし、この場合、レー
ザ波長に対する感度は、SILに形成した第一の超解像
膜の方を良くする必要がある。ここでの超解像膜の好ま
しい組み合わせとしては、SIL側に多光子吸収膜を形
成し、試料(原盤)側に光退色性膜を形成する場合であ
る。
【0017】本発明で用いる超解像膜は、ビームが照射
されている間だけ超解像効果が生じていても(可逆
性)、またビーム照射が中止されても中心部の透過率が
高い状態でそのまま残っていてもよい(非可逆性)。ビ
ームが照射されている間だけ超解像効果が生じている方
がカッテングの制御性の点で好ましい。
【0018】SILの中に多光子吸収をする成分のもの
を分散させたり、色素を混入させたりしてビーム形状を
小さくしても良い。
【0019】また、SILに形成する超解像膜の膜厚
は、入射ビームの波長をλ、超解像膜の屈折率をnとす
ると、(λ/2n)程度が好ましい。
【0020】また、場合によっては、超解像膜付きSI
Lと試料との間に潤滑剤を入れてもよい。この時、SI
Lに形成した超解像膜と試料の表面とが潤滑剤で接して
いても良い。潤滑剤としてSILと略同じ屈折率を有す
る材料が好ましい。
【0021】本発明に用いる原盤製造装置は、レーザを
搭載し、レーザから出射されたビームを絞り込みレンズ
によりSILに形成した超解像膜に集光する手段、SI
Lの超解像膜面とカッティングしようとしている試料表
面との間の間隔を制御する手段、記録媒体を回転させる
手段を少なくとも有している。この間隔制御は、超解像
膜の効果を有効に発揮させるために重要であり、レーザ
ビームに代表されるエネルギービームの波長をλとした
とき、λ/4以下の近接場領域を保持させることであ
る。
【0022】ここで、SILの超解像膜面とカッティン
グしようとしている試料表面との間の間隔を制御する1
つの手段としては、浮上型スライダーにSILを取り付
け、試料を一定回転で回転させる事により一定の浮上量
が得られる。また、絞り込みレンズとSILとを一体化
構造とし、同様に浮上スライダーに乗せたり、あるいは
浮上スライダーを用いないで絞り込みレンズと試料との
距離をレーザなどにより正確に制御する(自動焦点制御
など)ことなどにより可能となる。
【0023】また、光源としては、アルゴンレーザに限
らずエキシマレーザやSHGなど短波長のものほど好ま
しい。また、本発明は、ディスク状のみならず、カード
状などの他の形態の記録媒体の原盤カッティングにも適
用可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の光ディスクの原盤製造方
法および製造装置の構成について更に具体的に詳述す
る。 (1)上記本発明の目的を達成することのできる光ディ
スクの原盤製造方法は、エネルギービームをSILを介
して光ディスク原盤上に照射し、プリピットおよびグル
ーブの少なくとも一方を形成する原盤カッティング工程
を有する光ディスク原盤の製造方法であって、前記SI
Lと前記原盤との間に超解像膜を介在させ、かつ前記超
解像膜と前記原盤間の間隔を近接場領域を保持した状態
で前記エネルギービームを照射することを特徴とする。
【0025】そして好ましくは、前記SILの出射面に
超解像膜を形成した超解像膜付きSILを使用すること
である。また、前記超解像膜を前記光ディスク原盤上に
形成して、前記エネルギービームを照射するようにして
もよい。さらには、これら両者を組み合わせ、SILの
出射面に第一の超解像膜を形成し、光ディスク原盤上に
第二の超解像膜を形成する構成としてもよい。
【0026】更に具体的な構成例としては、細く絞られ
たエネルギービームをSILを介して予めホトレジスト
膜が形成された光ディスク原盤上に照射、露光し、現像
することによって前記ホトレジスト膜にプリピットおよ
びグルーブの少なくとも一方を形成する原盤カッティン
グ工程を有する光ディスク原盤の製造方法であって、前
記SILとホトレジスト膜との間に超解像膜を介在させ
て前記エネルギービームを照射、露光することを特徴と
する。
【0027】この場合も、SILの出射面に超解像膜を
形成した超解像膜付きSILを介してエネルギービーム
をホトレジスト膜に照射、露光する構成とすることが望
ましい。また、超解像膜はホトレジスト膜上に形成する
こともでき、さらには前述のようにSILに第一の超解
像膜、ホトレジスト膜上に第二の超解像膜を形成する構
成としてもよい。
【0028】(2)上記本発明の目的を達成することの
できる光ディスクの原盤製造装置は、光ディスク原盤を
回転する手段と、SILを介して前記光ディスク原盤上
に細く絞られたエネルギービームを照射する手段とを具
備して、前記光ディスク原盤にプリピットおよびグルー
ブの少なくとも一方を形成する光ディスク原盤製造装置
であって、前記光ディスク原盤上に細く絞られたエネル
ギービームを照射する手段を、SILと光ディスク原盤
との間に超解像膜を介在させて前記エネルギービームを
照射する手段で構成することを特徴とする。
【0029】更に具体的には、予めホトレジスト膜が形
成された光ディスク原盤を回転する手段と、SILを介
して前記光ディスク原盤上に細く絞られたエネルギービ
ームを照射する手段とを具備して、前記ホトレジスト膜
にプリピットおよびグルーブの少なくとも一方を形成す
る光ディスク原盤製造装置であって、前記光ディスク原
盤上に細く絞られたエネルギービームを照射する手段
を、SILと光ディスク原盤との間に超解像膜を介在さ
せて前記エネルギービームを照射する手段で構成するこ
とを特徴とする。
【0030】そして好ましくは、前記光ディスク原盤を
回転する手段と、前記光ディスク原盤の回転によって光
ディスク原盤上を浮上するヘッドと、前記ヘッドに少な
くともSILを搭載しエネルギービームを照射する手段
と、前記光ディスク原盤の回転速度を制御してSILと
光ディスク原盤との間隔を所定間隔に制御するヘッド位
置制御手段とを具備することである。
【0031】更には、前記SILの出射面に超解像膜が
形成された超解像膜付きSILと、前記超解像膜と光デ
ィスク原盤との間隔を近接場領域が形成されるように前
記光ディスク原盤の回転速度を制御してヘッドの浮上量
を制御するヘッド位置制御手段とを有していることであ
る。
【0032】超解像膜の膜厚は、屈折率をn、入射ビー
ムの波長をλとしたとき、λ/2nとするのが好まし
い。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にしたがって
具体的に説明する。 〈実施例1〉図1は、本実施例における光ディスクの原
盤カッティングにおけるエネルギービーム照射光学系の
概要を示したものである。SIL(Solid Immersion Len
s)1が取り付けられた浮上型ヘッド2に、アルゴンレー
ザ(波長351nm)から出射され、絞り込みレンズ(開口
数:0.9)3を通ってきたレーザビーム4をSILの
球面のほぼ中央部に入射する。レーザビーム4の焦点は
SILの研磨面5に合うようになっている。なお、浮上
型ヘッド2は、磁気ディスク装置の浮上型ヘッドと同様
の原理構成によるもので、ディスクの回転によって空気
力でヘッド(実際にはスライダーにヘッドが搭載されて
いる)がディスク上に浮上する。
【0034】更にSILの研磨面(平面部)5に、超解
像膜6を形成している。また、この浮上型ヘッド2とデ
ィスク7との間の距離は、約80nmと近づいている(近接
場領域)。この距離は、浮上型ヘッド2の形状やディス
ク7の回転数などで制御されほぼ一定に保たれる。
【0035】図2にヘッド要部の拡大図を示した。ここ
で、SILの研磨面5でのビームスポット径(Φ)は、
以下の式で表される。SILの屈折率をn、レーザ波長
をλ、絞り込みレンズの開口数をNAとすると、
【0036】
【数1】 Φ≒(1/n)×(λ/NA) となる。
【0037】すなわち、通常の1/nの回折限界が得ら
れる。また、球の大半を残しながら一部だけを平面で切
り取った「超半球」の形状にする事により、
【0038】
【数2】 Φ≒λ/n2 とビーム径を更に小さくできる。
【0039】本実施例では、超解像膜6として、多光子
吸収膜を用いた。具体的にはアクリル樹脂を80nm形成し
た。アクリル樹脂は、1光子の波長である351nm付近で
は光吸収がなく、2光子のネルギー領域(1光子波長の
半分の波長)である176nm付近の波長において光吸収を持
つ材料である。
【0040】2光子吸収の反応は光強度の2乗で効くた
め、光変化領域は照射光のスポットサイズを2乗した形
状となる。また、3光子吸収の反応は光強度の3乗で効
くため、光変化領域は照射光のスポットサイズを3乗し
た形状となる。本実施例における 1/e2 でのスポッ
ト径は、SILのみの場合のスポット径を100%とす
ると、多光子吸収膜を出たところでは2光子吸収で約7
4%、3光子吸収で約61%となった。スポット径の制
御は、超解像膜の材質の選択と、レーザビームの出力制
御とによって容易にできる。
【0041】また、超解像膜として、多光子吸収膜の代
わりに、光退色性(光消色性)を利用した光退色性膜
〔水溶性ジアゾニウム塩やフッ素環系ジアリールエテン
分子(FC-124)など〕や吸収飽和膜(ナフタロシアニン
色素など)などのフォトクロミック材料を用いても同様
な効果があった。この場合、水溶性ジアゾニウム塩など
の光退色性のものでは、ビーム照射が中止されても中心
部の透過率が高い状態でそのまま残っているものもある
が、ディスクに照射されるスポット径は小さいままなの
で問題無い。
【0042】以上のように、SIL1の研磨面5に超解
像膜6を形成する事により、ビームスポット径を従来よ
りも更に小さくでき、高密度カッティングが可能となっ
た。
【0043】SILの研磨面5に形成した超解像膜6と
ディスク7の記録膜面上との距離は、近接場を用いるた
めλ/4以下と近づいている。この距離はディスク7の
回転速度を制御することによりヘッド2を所定量浮上さ
せることによって設定できる。
【0044】回転速度が低い場合には、ヘッド2が浮上
しないので、その時には、このスペース部分に透明な潤
滑剤を設け、この潤滑剤を介して超解像膜表面と原盤表
面とが接するようにしてもよい。この場合には、潤滑剤
の厚さで距離を制御することになる。潤滑剤としては、
特にSILと同じ高屈折率の材料ならさらに好ましい。
【0045】本発明に用いる原盤製造装置は、レーザを
搭載し、レーザから出射されたビーム4を絞り込みレン
ズ3によりSIL1に形成した超解像膜6に集光する手
段、SILの超解像膜面とカッティングしようとしてい
る試料(ディスク)表面との間の間隔を制御する手段、
ディスクを回転させる手段を少なくとも有している。
【0046】ここで、SILの超解像膜面とカッティン
グしようとしている試料表面との間の間隔を制御する手
段としては、本実施例のように浮上型スライダーにSI
Lを取り付ける事により可能となるが、場合によっては
回転数が遅いなどの理由により浮上しない場合がある。
その時は、絞り込みレンズとSILとを一体化し、絞り
込みレンズと試料との距離をレーザなどにより正確に制
御する事により可能となる。
【0047】〈実施例2〉本実施例では、超解像膜付き
のSILを用い、更に超解像膜を形成した光ディスク原
盤にカッティングを行う方法について説明する。ここで
は、1周上でランドとグルーブが交互に現れるシングル
スパイラル基板の作製方法を述べる。
【0048】まず、ディスク原盤として光学研磨した厚
さ10mmのガラス円板にポジ型ホトレジストを塗布し、
90℃、1時間のプリベークを行った。そして、ホトレ
ジストの上に光退色性超解像膜として、水溶性ジアゾニ
ウム塩を塗布した。
【0049】この光退色性の超解像膜は強度の強い露光
に対して光反応が進み光を透過するが、強度の弱い露光
に対して退色が進まず光が透過しない膜である。これに
より、強度分布の強い部分のみが透過するので見かけ上
レーザスポット径が小さくなる効果がある。そして、こ
の光退色性超解像膜はホトレジスト上に積層でき、また
ホトレジストと同時に露光する事が可能で、水溶性であ
る。などの特徴があるため、プロセスが大幅に増加しな
い利点もある。
【0050】次に、このガラス円板を600rpmで回
転させながら、波長351nmのアルゴンレーザ光を照
射することにより露光した(カッティング)。ここで
は、少なくともアドレスなどのプリフォーマット部およ
びグルーブ部を形成する。この時、アルゴンレーザ光を
照射しながらガラス円板が1回転する間に記録トラック
ピッチとなる量だけビームスポットを移動させる事によ
って、スパイラル上にグルーブとなる領域が露光され
る。ここでアルゴンレーザ光のON、OFFをガラス円
板が1回転する毎に1回行えば良い(プリフォーマット
部でのON、OFFの回数は除く)。
【0051】このようにして露光されたガラス円板を現
像液で現像する事によって露光(記録)された部分が溶
解し除去され原盤となる。ここでは露光し、現像して露
光部分を溶解、除去することをカッテングと称してい
る。通常の光ディスクプロセスでは、このようにカッテ
ングされた原盤からNiメッキ法によりスタンパを作製
し、射出成形法でポリカーボネイト基板を作製する。
【0052】上記のカッティングでは、予め膜中に入射
ビームよりも小さな穴(ピンホール:約0.2μm)が1
個あいている超解像膜を研磨平面に形成したSILを用
いた。ここでは、SILの研磨表面に金属薄膜を100nm
程度スパッタ法により形成し、その後、収束イオンビー
ム加工により穴を開けた。このように、ホトレジストに
入射する光のビーム径を超解像膜付きSILとホトレジ
スト上に形成した超解像膜の両者の効果により、従来に
比べて2倍以上の高密度カッティングが可能となった。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により所期
の目的を達成することができた。すなわち、SILと超
解像膜との構成により、ビームスポット径を従来よりも
更に小さくでき、高密度カッティングが可能となった。
特に、SILの出射面に超解像膜を形成した構成が好ま
しく、従来技術では実現することのできない信頼性の高
い高密度のプリピットおよびグルーブの形成を可能にし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例となる光ディスクの原盤カッテ
ィングにおけるエネルギービーム照射光学系の概略を示
した説明図。
【図2】SILの平面部分の拡大図。
【符号の説明】
1…SIL(Solid Immersion Lens)、 2…浮上型ヘッド、 3…絞り込みレンズ、 4…レーザビーム、 5…SILの研磨面、 6…超解像膜、 7…ディスク。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エネルギービームをSILを介して光ディ
    スク原盤上に照射し、プリピットおよびグルーブの少な
    くとも一方を形成する原盤カッティング工程を有する光
    ディスク原盤の製造方法であって、前記SILと前記原
    盤との間に超解像膜を介在させ、かつ前記超解像膜と前
    記原盤間の間隔を近接場領域を保持した状態で前記エネ
    ルギービームを照射することを特徴とする光ディスク原
    盤の製造方法。
  2. 【請求項2】前記SILの出射面に超解像膜を形成した
    超解像膜付きSILを介して前記エネルギービームを照
    射することを特徴とする請求項1記載の光ディスク原盤
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記超解像膜を前記光ディスク原盤上に形
    成して、前記エネルギービームを照射することを特徴と
    する請求項1記載の光ディスク原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】細く絞られたエネルギービームをSILを
    介して予めホトレジスト膜が形成された光ディスク原盤
    上に照射、露光し、現像することによって前記ホトレジ
    スト膜にプリピットおよびグルーブの少なくとも一方を
    形成する原盤カッティング工程を有する光ディスク原盤
    の製造方法であって、前記SILとホトレジスト膜との
    間に超解像膜を介在させて前記エネルギービームを照
    射、露光することを特徴とする光ディスク原盤の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記SILの出射面に超解像膜を形成した
    超解像膜付きSILを介して前記エネルギービームを前
    記ホトレジスト膜に照射、露光することを特徴とする請
    求項4記載の光ディスク原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】前記超解像膜をホトレジスト上に形成し
    て、前記エネルギービームを前記ホトレジスト膜に照
    射、露光することを特徴とする請求項4記載の光ディス
    ク原盤の製造方法。
  7. 【請求項7】前記超解像膜として入射ビーム径よりも小
    さな径のピンホールを形成し、前記ピンホールを介して
    前記エネルギービームを前記ホトレジスト膜に照射、露
    光することを特徴とする請求項1、2、4もしくは5記
    載の光ディスク原盤の製造方法。
  8. 【請求項8】前記超解像膜をフォトクロミック材料で形
    成することを特徴とする請求項1、2、4もしくは5記
    載の光ディスク原盤の製造方法。
  9. 【請求項9】前記超解像膜を多光子吸収膜で形成したこ
    とを特徴とする請求項1、2、4もしくは5記載の光デ
    ィスク原盤の製造方法。
  10. 【請求項10】前記超解像膜を光退色性膜で形成したこ
    とを特徴とする請求項1、2、4もしくは5記載の光デ
    ィスク原盤の製造方法。
  11. 【請求項11】前記超解像膜を光吸収飽和膜で形成した
    ことを特徴とする請求項1、2、4もしくは5記載の光
    ディスク原盤の製造方法。
  12. 【請求項12】光ディスク原盤を回転する手段と、SI
    Lを介して前記光ディスク原盤上に細く絞られたエネル
    ギービームを照射する手段とを具備して、前記光ディス
    ク原盤にプリピットおよびグルーブの少なくとも一方を
    形成する光ディスク原盤製造装置であって、前記光ディ
    スク原盤上に細く絞られたエネルギービームを照射する
    手段を、SILと光ディスク原盤との間に超解像膜を介
    在させて前記エネルギービームを照射する手段で構成し
    て成る光ディスク原盤製造装置。
  13. 【請求項13】予めホトレジスト膜が形成された光ディ
    スク原盤を回転する手段と、SILを介して前記光ディ
    スク原盤上に細く絞られたエネルギービームを照射する
    手段とを具備して、前記ホトレジスト膜にプリピットお
    よびグルーブの少なくとも一方を形成する光ディスク原
    盤製造装置であって、前記光ディスク原盤上に細く絞ら
    れたエネルギービームを照射する手段を、SILと光デ
    ィスク原盤との間に超解像膜を介在させて前記エネルギ
    ービームを照射する手段で構成して成る光ディスク原盤
    製造装置。
  14. 【請求項14】前記光ディスク原盤を回転する手段と、
    前記光ディスク原盤の回転によって光ディスク原盤上を
    浮上するヘッドと、前記ヘッドに少なくともSILを搭
    載しエネルギービームを照射する手段と、前記光ディス
    ク原盤の回転速度を制御してSILと光ディスク原盤と
    の間隔を所定間隔に制御するヘッド位置制御手段とを具
    備して成る請求項12もしくは13記載の光ディスク原
    盤製造装置。
  15. 【請求項15】前記SILの出射面に超解像膜が形成さ
    れた超解像膜付きSILと、前記超解像膜と光ディスク
    原盤との間隔を近接場領域が形成されるように前記光デ
    ィスク原盤の回転速度を制御してヘッドの浮上量を制御
    するヘッド位置制御手段とを有して成る請求項14記載
    の光ディスク原盤製造装置。
  16. 【請求項16】前記超解像膜の屈折率をn、入射ビーム
    の波長をλとしたとき、前記超解像膜の膜厚をλ/2n
    として成る請求項12乃至15のいずれか一つに記載の
    光ディスク原盤製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010103476A (ko) * 2000-05-10 2001-11-23 구자홍 광 픽업 장치와 그 제조방법 및 이를 이용한 광 정보기록/재생장치

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KR20010103476A (ko) * 2000-05-10 2001-11-23 구자홍 광 픽업 장치와 그 제조방법 및 이를 이용한 광 정보기록/재생장치

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