JPH1129625A - ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents

ポリエステルおよびその製造方法

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JPH1129625A JP12334498A JP12334498A JPH1129625A JP H1129625 A JPH1129625 A JP H1129625A JP 12334498 A JP12334498 A JP 12334498A JP 12334498 A JP12334498 A JP 12334498A JP H1129625 A JPH1129625 A JP H1129625A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では困難であった、2−メチル−
1,3−プロパンジオールを主たるジオール成分として
用いた結晶性を有するポリエステルを、工業的に有用で
ある溶融重縮合法により製造すること。 【解決手段】 4,4’−ビフェニルジカルボン酸を主
とするジカルボン酸成分および2−メチル−1,3−プ
ロパンジオールを主とするジオール成分とからなり、下
記(a)〜(c)を同時に満足することを特徴とするポ
リエステルおよびその製造方法である。 (a)フェノール/テトラクロロエタン(50/50)
混合溶媒中、25℃において測定した極限粘度が0.5
以上 (b)ガラス転移温度が50℃以上 (c)結晶融解温度が150℃以上

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4,4’−ビフェ
ニルジカルボン酸を主とするジカルボン酸成分および2
−メチル−1,3−プロパンジオールを主とするジオー
ル成分とからなる新規な結晶性ポリエステルおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、高いガラス転移温度と高い結晶融解
温度を有する半結晶性高分子であり、古くより各方面の
数多くの分野に用いられてきた。ポリエステルは、原料
として用いるジカルボン酸成分とジオール成分との各種
組み合わせにより、多種多様な高分子設計が可能であ
る。
【0003】ポリエステル合成原料として用いることが
可能なジカルボン酸成分の中で、4,4’−ビフェニル
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体をとりあ
げた場合、これまでに、各種ジオール成分との組み合わ
せによるポリエステル合成の試みがなされている。
【0004】例えば、特公昭56−52127号公報中
の参考例では、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジ
メチル(4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル)
とエチレングリコールを用いてポリエステルを製造する
際に、系が固化してしまい、溶融重縮合が困難であるこ
とが示されている。また、特公平5−27646号公報
においては、このようなポリエステルの製造方法とし
て、重縮合反応温度を得られるポリマーの融点未満とす
るとともに、ポリスチレンのような非相溶性の液状物質
を反応系中に存在させて重合する方法が提案されてい
る。しかしながら、このような方法により得られる生成
物は、非反応性物質を含んだ混合物であり、この混合物
からポリエステルを単離しなければならないという問題
がある。更に、The British Polymer Journal, Vol.13,
June, pp.55〜63(1981)によれば、4,4’−ビフェ
ニルジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とエ
チレングリコールから得られるポリエステルのガラス転
移温度は約40℃と、低いことが報告されている。
【0005】一方、ポリエステル合成原料として用いる
ことが可能なジオール成分の中で、2−メチル−1,3
−プロパンジオールをポリエステルに用いた試みはあま
り多くない。
【0006】例えば、特公昭63−45708号公報で
は、ジメチルテレフタレートと2−メチル−1,3−プ
ロパンジオールとからポリエステルを得る合成例が示さ
れているが、このポリエステルは相対結晶化度が0の非
晶性高分子であり、融点が存在しないことが示されてい
る。
【0007】登録特許第2535756号公報において
は、ジカルボン酸成分としてジハロゲン化ビフェニルを
用い、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール等のジオール成分との組み
合わせによるポリエステルの合成例が示されているが、
これは、パラジウム−ホスフィン錯体の下、ジハロゲン
化ビフェニル化合物と脂肪族二価アルコールおよび一酸
化炭素との反応を加圧下で行う方法である。しかも、得
られる生成物は著しく重合度の低いオリゴマーである。
【0008】いずれにしても、従来技術においては、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸を主とするジカルボ
ン酸成分と、2−メチル−1,3−プロパンジオールを
主とするジオール成分とからなるポリエステルの合成例
は報告されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
技術では困難であった、2−メチル−1,3−プロパン
ジオールを主たるジオール成分として用いた結晶性を有
するポリエステルを、工業的に有用である溶融重縮合法
により製造することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2−メチル−1,
3−プロパンジオールを主たるジオール成分として用い
た場合、4,4’−ビフェニルジカルボン酸を主たるジ
カルボン酸成分として用いることにより、ポリエステル
と非相溶な他の物質を存在させるような重縮合方法や特
殊条件下での溶液重合等によらずに、工業的に広く用い
ることができる溶融重縮合法により、高分子量のポリエ
ステルが合成可能であり、しかも、得られるポリエステ
ルは高いガラス転移温度を有する結晶性の高分子である
ことを見い出し、本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明の要旨は、4,4’−ビ
フェニルジカルボン酸を主とするジカルボン酸成分およ
び2−メチル−1,3−プロパンジオールを主とするジ
オール成分とからなり、下記(a)〜(c)を同時に満
足することを特徴とするポリエステルおよびその製造方
法である。
【0012】(a)フェノール/テトラクロロエタン
(50/50)混合溶媒中、25℃において測定した極
限粘度が0.5以上 (b)ガラス転移温度が50℃以上 (c)結晶融解温度が150℃以上
【0013】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルは、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸を主とするジカルボ
ン酸成分および2−メチル−1,3−プロパンジオール
を主とするジオール成分とからなるポリエステルであっ
て、主たる繰り返し単位が下記化1式であるポリエステ
ルである。
【0014】
【化1】
【0015】本発明により得られるポリエステルは結晶
性を示すが、この結晶性とは、示差走査熱量分析装置
(DSC)を用いた10℃/分での等速昇温過程におい
て、1cal/g以上の結晶融解熱を示すものをいう。
【0016】一般に、ポリマーを各種実用に共する場合
に要求される重要な物性に、材料としての強度や熱変形
温度があるが、これに対応する高分子物性の尺度の例と
しては、重合度の目安としての極限粘度、ガラス転移温
度、結晶融解温度(融点)等が挙げられる。特に、材料
としての実用上は、高分子鎖の運動が凍結されたガラス
転移温度以下の温度領域で使用されるため、ガラス転移
温度は、室温を充分に上回っていることが必要である。
【0017】本発明におけるポリエステルの場合には、
各種用途における充分な材料強度を確保するために、フ
ェノール/テトラクロロエタン(50/50)混合溶媒
中、25℃において測定した極限粘度が0.5以上であ
ることが必要があり、0.6以上であることが好まし
い。また、各種用途における充分な熱物性を得るために
は、ガラス転移温度が50℃以上、結晶融解温度が15
0℃以上であることが好ましい。
【0018】本発明においては、得られるポリエステル
の結晶性を著しく低下させない範囲内で、すなわち、ガ
ラス転移温度が50℃以上、結晶融解温度が150℃以
上である範囲内で、カルボン酸成分の一部を4,4’−
ビフェニルジカルボン酸以外の他のジカルボン酸成分で
置き換えてもよく、および/または、ジオール成分の一
部を2−メチル−1,3−プロパンジオール以外の他の
ジオール成分で置き換えてもよい。
【0019】他のジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸あるいは
2−スルホイソフタル酸、1,8−ジカルボキシナフタ
レン−3−スルホン酸等のアルカリ金属塩、ナフタレン
ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルス
ルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸類、お
よび、p−オキシ安息香酸、p−β−オキシエトキシ安
息香酸等のオキシカルボン酸類、5−テトラブチルホス
ホニウムスルホイソフタル酸、5−テトラフェニルホス
ホニウムスルホイソフタル酸、5−フェニルトリブチル
ホスホニウムスルホイソフタル酸、5−ブチルトリフェ
ニルホスホニウムスルホイソフタル酸等のスルホン酸ホ
スホニウム塩含有ジカルボン酸類等があげられる。
【0020】他のグリコ−ル成分としては、エチレング
リコールや1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール等の、炭素数2〜10の低級アルキレングリコ
−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペン
チルグリコ−ル、1,4−ビス(β−オキシエトキシ)
ベンゼン、ビスフェノ−ル−Aのビスグリコ−ルエ−テ
ル、各種分子量のポリエチレングリコ−ルまたはポリプ
ロピレングリコ−ル、エチレンオキサイド−プロピレン
オキサイド共重合体、あるいはポリアルキレングリコ−
ルの各種誘導体等があげられる。
【0021】また、ポリエステルが実質的に線状である
範囲内で、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカ
ルボン酸、トリメチロ−ルプロパンまたはそのエチレン
オキサイド付加誘導体、ペンタエリスリト−ル、グリセ
リンまたはそのエチレンオキサイド付加誘導体等のポリ
オ−ルが含まれていてもよい。
【0022】更に、得られるポリエステルの極限粘度が
0.5を下回らない範囲内で、各種分子量のモノハイド
リックポリアルキレンオキサイドまたはその誘導体、フ
ェニル酢酸等の重合停止剤が含まれていてもよい。
【0023】本発明のポリエステルの製造方法に関して
は、ポリエステルと非相溶な他の物質を存在させるよう
な重縮合方法や、特殊条件下での溶液重合法等によらず
に、工業的に広く用いることができる溶融重縮合法によ
り、高分子量の結晶性ポリエステルを製造することが可
能である。例えば、4,4’−ビフェニルジカルボン酸
またはそのエステル形成性誘導体と、2−メチル−1,
3−プロパンジオールとを用いて、ポリ[4,4’−ビ
フェニルジカルボニルー2ーメチル−1,3−プロパン
ジオキシ]、すなわち、ポリ2−メチル−1,3−プロ
ピレンジフェニル−4,4’ジカルボキシレートを溶融
バルク重縮合法により合成する場合について説明すれ
ば、4,4’−ビフェニルジカルボン酸と2−メチル−
1,3−プロパンジオールとを直接エステル化反応させ
るか、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチルのよ
うな4,4’−ビフェニルジカルボン酸のアルキルエス
テルと2−メチル−1,3−プロパンジオールとをエス
テル交換反応させる等により、4,4’−ビフェニルジ
カルボン酸の2−メチル−1,3−プロパンジオールエ
ステル、および/または、その低重縮合物を生成し、次
いでこの反応生成物を重縮合させることができる。
【0024】本発明のポリエステルの合成に際しては、
従来公知の任意のポリエステル合成用触媒を用いること
ができる。また、公知の抗酸化剤等の安定剤、着色防止
剤、エ−テル結合副生抑制剤、易滑剤、難燃剤、蛍光
剤、その他の添加剤が適宜含まれていてもよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明する。
【0026】なお、実施例中の各特性値は、下記の方法
により測定したものである。また、実施例中の部は重量
部を意味する。
【0027】(極限粘度)試料を、フェノ−ル/テトラ
クロルエタン(50/50)混合溶媒に溶解し、ウベロ
−デ粘度計を用いて25℃において測定した値である。
【0028】(ガラス転移温度、非晶状態からの結晶化
温度、結晶融解温度)試料を常法によりメルトクエンチ
した後、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製D
SC220)を用いて、窒素雰囲気中、10℃/分の等
速昇温測定により求めた値である。
【0029】(実施例1)4,4’−ビフェニルジカル
ボン酸ジメチル100部、2−メチル−1,3−プロパ
ンジオール73部(ジカルボン酸:ジオールの仕込みモ
ル比=1:2.2)、チタンテトラブトキサイド(Ti原
子換算150ppm)をエステル交換槽に仕込み、窒素
雰囲気下230℃まで昇温して、生成するメタノ−ルを
系外へ留去しながらエステル交換反応させた。
【0030】エステル交換反応終了後、得られた反応生
成物を重合槽に移液し、徐々に重合槽内を減圧してい
き、高真空下250℃にて重縮合反応を進行させ、極限
粘度0.74のポリエステルポリマ−を得た。
【0031】このポリマーは結晶性を有し、ガラス転移
温度は78℃、非晶状態からの結晶化温度は95℃、結
晶融解温度は167℃であった。
【0032】(比較例1)テレフタル酸ジメチル100
部、2−メチル−1,3−プロパンジオール102部
(ジカルボン酸:ジオールの仕込みモル比=1:2.
2)、チタンテトラブトキサイド(Ti原子換算150
ppm)をエステル交換槽に仕込み、窒素雰囲気下22
0℃まで昇温して、生成するメタノ−ルを系外へ留去し
ながらエステル交換反応させた。
【0033】エステル交換反応終了後、得られた反応生
成物を重合槽に移液し、徐々に重合槽内を減圧してい
き、高真空下240℃にて重縮合反応を進行させようと
したが、攪拌トルクの上昇がほとんどなく、重縮合反応
は進行しなかった。
【0034】最終的に得られた反応生成物を重合槽より
取り出し、極限粘度を測定したところ、0.40であっ
た。このオリゴマーのガラス転移温度は45℃であり、
結晶性は示さず、非晶状態からの結晶化温度も結晶融解
温度も観測されなかった。
【0035】(比較例2)比較例1と同様にエステル交
換反応を実施した後、得られた反応生成物を重合槽に移
液し、二酸化ゲルマニウム(Ge原子換算400pp
m)を加え、徐々に重合槽内を減圧していき、高真空下
250℃にて重縮合反応を進行させようとしたが、攪拌
トルクの上昇がほとんどなく、重縮合反応は進行しなか
った。
【0036】最終的に得られた反応生成物を重合槽より
取り出し、極限粘度を測定したところ、0.42であっ
た。このオリゴマーのガラス転移温度は44℃であり、
結晶性は示さず、非晶状態からの結晶化温度も結晶融解
温度も観測されなかった。
【0037】(実施例2)4,4’−ビフェニルジカル
ボン酸100部、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル82部(ジカルボン酸:ジオールの仕込みモル比=
1:2.2)、チタンテトラブトキサイド(Ti原子換算
150ppm)をエステル化槽に仕込み、4Kg/cm
2の加圧下、245℃まで昇温してエステル化反応を行
なった。
【0038】エステル化反応終了後、得られた反応生成
物を重合槽に移液し、徐々に重合槽内を減圧していき、
高真空下255℃にて重縮合反応を進行させ、極限粘度
0.72のポリエステルポリマ−を得た。
【0039】このポリマーは結晶性を有し、ガラス転移
温度は77℃、非晶状態からの結晶化温度は95℃、結
晶融解温度は165℃であった。
【0040】(比較例3)テレフタル酸100部、2−
メチル−1,3−プロパンジオール91部(ジカルボン
酸:ジオールの仕込みモル比=1:1.5)、チタンテ
トラブトキサイド(Ti原子換算150ppm)をエス
テル化槽に仕込み、4Kg/cm2の加圧下、240℃
まで昇温してエステル化反応を行なった。
【0041】エステル化反応終了後、得られた反応生成
物を重合槽に移液し、酢酸アンチモン(Sb原子換算6
00ppm)を加え、徐々に重合槽内を減圧していき、
高真空下250℃にて重縮合反応を進行させようとした
が、攪拌トルクの上昇がほとんどなく、重縮合反応は進
行しなかった。
【0042】最終的に得られた反応生成物を重合槽より
取り出し、極限粘度を測定したところ、0.36であっ
た。このオリゴマーのガラス転移温度は42℃であり、
結晶性は示さず、非晶状態からの結晶化温度も結晶融解
温度も観測されなかった。
【0043】(比較例4)比較例3と同様にエステル化
反応を行なった後、得られた反応生成物を重合槽に移液
し、二酸化ゲルマニウム(Ge原子換算400ppm)
を加え、徐々に重合槽内を減圧していき、高真空下25
0℃にて重縮合反応を進行させようとしたが、攪拌トル
クの上昇がほとんどなく、重縮合反応は進行しなかっ
た。
【0044】最終的に得られた反応生成物を重合槽より
取り出し、極限粘度を測定したところ、0.38であっ
た。このオリゴマーのガラス転移温度は43℃であり、
結晶性は示さず、非晶状態からの結晶化温度も結晶融解
温度も観測されなかった。
【0045】(実施例3)実施例1により得られたポリ
マ−を常法によりチップ化した後、真空乾燥し、孔径
0.25mmの円形紡糸孔を36個有する紡糸口金を通
して、紡糸温度270℃にて溶融紡糸した。吐出糸条を
冷却気流で冷却固化した後、油剤を付与し、1,200
m/分の紡糸速度で巻取った。
【0046】次いで、この未延伸糸を、85℃の熱ロ−
ラ−を介して未延伸糸の最大延伸破断倍率の70%延伸
するとともに、150℃の熱板に接触させて熱処理し、
600m/分の速度で巻取り、83デシテックス(dt
ex)/36フィラメントの延伸糸を得た。得られた延
伸糸の強度は2.7cN/dtex、伸度は24%であ
り、この際の製糸工程通過安定性は非常に良好であっ
た。
【0047】(実施例4)4,4’−ビフェニルジカル
ボン酸ジメチル100部、2−メチル−1,3−プロパ
ンジオール73部(ジカルボン酸:ジオールの仕込みモ
ル比=1:2.0)、チタン系混合酸化物触媒(Ti原子
換算21ppm)をエステル交換槽に仕込み、窒素雰囲
気下237℃まで昇温して、生成するメタノ−ルを系外
へ留去しながらエステル交換反応させた。
【0048】エステル交換反応終了後、得られた反応生
成物に更にチタン系混合酸化物触媒(Ti原子換算21
ppm)を加え、反応生成物を重合槽に移液し、徐々に
重合槽内を減圧していき、高真空下265℃にて重縮合
反応を進行させ、極限粘度0.85のポリエステルポリ
マ−を得た。このポリマーは結晶性を有し、ガラス転移
温度は81℃、非晶状態からの結晶化温度は99℃、結
晶融解温度は169℃であった。
【0049】(実施例5)実施例4により得られたポリ
マ−を常法によりチップ化した後、真空乾燥し、孔径
0.25mmの円形紡糸孔を36個有する紡糸口金を通
して、紡糸温度267℃にて溶融紡糸した。吐出糸条を
冷却気流で冷却固化した後、油剤を付与し、1,200
m/分の紡糸速度で巻取った。次いで、この未延伸糸
を、85℃の熱ロ−ラ−を介して未延伸糸の最大延伸破
断倍率の70%延伸するとともに、150℃の熱板に接
触させて熱処理し、600m/分の速度で巻取り、83
デシテックス/36フィラメントの延伸糸を得た。得ら
れた延伸糸の強度は2.9cN/dtex、伸度は21
%であり、この際の製糸工程通過安定性は非常に良好で
あった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、4,4’−ビフェニル
ジカルボン酸を主とするジカルボン酸成分および2−メ
チル−1,3−プロパンジオールを主とするジオール成
分とからなる新規な繰り返し単位を有する結晶性ポリエ
ステルが、ポリエステルと非相溶な他の物質を存在させ
るような重縮合方法や特殊条件下での溶液重合等によら
ずに、工業的に広く用いることができる溶融重縮合法に
より製造することができる。
【0051】また、このポリエステルは、結晶性を有し
ているとともに、高いガラス転移温度も有する高重合度
のポリエステルであり、良好な溶融賦形性を有している
ので、繊維、フィルム、成形材料、その他の各種用途に
良好に用いることが可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4,4’−ビフェニルジカルボン酸を主
    とするジカルボン酸成分および2−メチル−1,3−プ
    ロパンジオールを主とするジオール成分とからなり、下
    記(a)〜(c)を同時に満足することを特徴とするポ
    リエステル。 (a)フェノール/テトラクロロエタン(50/50)
    混合溶媒中、25℃において測定した極限粘度が0.5
    以上 (b)ガラス転移温度が50℃以上 (c)結晶融解温度が150℃以上
  2. 【請求項2】 4,4’−ビフェニルジカルボン酸また
    はそのエステル形成性誘導体を主とするジカルボン酸成
    分および2−メチル−1,3−プロパンジオールを主と
    するジオール成分とを用いて、溶融バルク重縮合法によ
    り製造することを特徴とする、請求項1記載のポリエス
    テルの製造方法。
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