JPH11295006A - 排気ブレーキ装置におけるアクチュエータ取付孔の検査方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ブレーキ本体に穿設したアクチュエータ
の取付孔の位置精度を正確に検査する。 【解決手段】 アクチュエータの取付面５ａに形成され
た各取付孔６に、長寸の検査ピン１６を弛みなく挿入し
て立設したのち、弁軸の代用ロッド１８が密に挿入しう
る軸孔１９と、この軸孔１９を中心とする周囲に、前記
各取付孔と対応する規定のピッチに仕上げられた、前記
検査ピン１６が弛みなく挿通可能な検査孔２０とを有す
る板状の検査治具１７を、その軸孔１９を代用ロッド１
８に、かつ検査孔２０を検査ピン１６にそれぞれ挿入す
るようにして、前記取付面５ａに載置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、排気ブレーキ装置
に、弁体駆動用のアクチュエータを精度よく取り付ける
ための取付孔の検査方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】大型の自動車等には、減速時の制動効果
を向上させるために、排気ブレーキ装置が装着されてい
る。

【０００３】図３及び図４は、排気ブレーキ装置を示す
もので、排気ブレーキ本体(１)の弁箱(２)には、バタフ
ライ型の弁体(３)が回転可能として収容され、その弁軸
(４)の上端部(図３の上部、以下、方向は図３について
いう)は、ボディ上方の軸受部(５)を貫通している。

【０００４】弁軸(４)の下端部は、ボディ下方の軸受部
(５)により枢支されている。軸受部(５)の上面の取付面
(5a)は、弁軸(４)と直交する平面をなし、その四隅に
は、めねじ孔である取付孔(６)が等ピッチで穿設されて
いる。

【０００５】取付面(5a)上には、下方より順に、ブラケ
ット(６)の左端部と、停止板(９)とが、取付ボルト(10)
を取付孔(６)に螺挿することにより固着され、上記弁軸
(４)は、ブラケット(７)と停止板(９)とを回動自在に貫
通している。弁軸(４)の上端には、側方を向くレバー(1
1)が固着されている。

【０００６】ブラケット(７)の右端部には、左方を向く
エアシリンダ(アクチュエータ)(12)が取付けられ、その
ピストン杆(13)の先端は、レバー(11)に、リンク(14)を
介して連係されている。エアシリンダ(12)が作動する
と、排気ブレーキ本体(１)の弁体(３)が回動させられ、
その回動範囲は、レバー(11)が、停止板(９)の右側端に
上向曲設した係止片(9a)と、ブラケット(７)の左端に螺
着したストッパ(15)に当接する間に制限されている。

【０００７】このような排気ブレーキ装置において、取
付面(5a)に形成した取付孔(６)のピッチや弁軸(４)に対
する配置に誤差が生じていると、エアシリンダ(12)のブ
ラケット(７)が取付不能となったり、エアシリンダ作動
時におけるピストン杆(13)の押圧荷重が、弁軸(４)等に
偏荷重となって作用し、弁軸や軸受等を偏摩耗させる。

【０００８】そのため、取付孔(６)の位置の精度等を検
査する必要があるが、従来は、この検査をノギス等によ
り行っていた。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上述したノギス等によ
る検査では、各取付孔(６)の弁軸(４)に対する位置精度
を正確に測定し得ないため、上述したような問題が生じ
ることがある。

【００１０】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、取付孔の弁軸に対する位置精度を、正確かつ容易に
検査することにより、上述の問題の発生するのを防止し
うるようようにした取付孔の検査方法を提供することを
目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、排気ブレーキ本体における弁軸と直交する取付面
に形成されたアクチュエータ取付用の複数の取付孔の位
置の検査方法であって、前記各取付孔に、長寸の検査ピ
ンを弛みなく挿入して立設したのち、弁軸又はその代用
ロッドが密に挿入しうる軸孔と、この軸孔を中心とする
周囲に、前記各取付孔と対応する規定のピッチに仕上げ
られた、前記検査ピンが弛みなく挿通可能な検査孔とを
有する板状の検査治具を、その軸孔を弁軸又は代用ロッ
ドに、かつ検査孔を検査ピンにそれぞれ挿入するように
して、前記取付面に載置することにより解決される。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１及び図２は、本発明の一実施
例を示すもので、上記と同様の各部材には、同じ符号を
付して、その詳細な説明を省略する。

【００１３】図１において、(16)は、取付面(5a)に形成
された取付孔(６)に弛みなく嵌合しうる４本の長寸の検
査ピンである。

【００１４】(17)は、厚肉方形板状の検査治具で、その
中央には、ボディの上下の軸受部(５)に嵌合された弁軸
(４)の代用ロッド(18)が密に嵌合しうる軸孔(19)が穿設
されている。また四隅には、軸孔(19)を中心として、取
付孔(６)と対応する規定のピッチに仕上げられた、上記
検査ピン(16)が弛みなく挿通しうる検査孔(20)が穿設さ
れている。

【００１５】取付孔(６)を検査する際は、図２に示すよ
うに、各取付孔(６)に検査ピン(16)を挿入したのち、検
査治具(17)を、各検査ピン(16)の突出端部と代用ロッド
(18)とに、軸孔(19)と各検査孔(20)を挿入するようにし
て、取付面(5a)上に載置する。この際、検査治具(17)が
抵抗なく取付面(5a)上に載置されれば、各取付孔(６)の
弁軸(４)に対する位置精度は、許容範囲内であると判定
される。

【００１６】

【発明の効果】本発明の方法によれば、アクチュエータ
の取付孔に検査ピンを立設し、この検査ピンと弁軸又は
その代用ロッドとに、検査治具の軸孔と検査孔とを挿入
するだけで、各取付孔の弁軸に対する位置精度を正確か
つ容易に検査しうるので、排気ブレーキ装置使用中の故
障の発生を未然に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の方法の実施に用いられる部材の分解斜
視図である。

【図２】同じく、検査要領を示す斜視図である。

【図３】排気ブレーキ装置の一部切欠正面図である。

【図４】同じく平面図である。

【符号の説明】

(１)排気ブレーキ本体 (２)弁箱 (３)弁体 (４)弁軸 (５)軸受部 (5a)取付面 (６)取付孔 (７)ブラケット (９)停止板 (9a)停止片 (10)取付ボルト (11)レバー (12)エアシリンダ(アクチュエータ) (13)ピストン杆 (14)リンク (15)ストッパ (16)検査ピン (17)検査治具 (18)代用ロッド (19)軸孔 (20)検査孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排気ブレーキ本体における弁軸と直交す
   る取付面に形成されたアクチュエータ取付用の複数の取
   付孔の位置の検査方法であって、前記各取付孔に、長寸
   の検査ピンを弛みなく挿入して立設したのち、弁軸又は
   その代用ロッドが密に挿入しうる軸孔と、この軸孔を中
   心とする周囲に、前記各取付孔と対応する規定のピッチ
   に仕上げられた、前記検査ピンが弛みなく挿通可能な検
   査孔とを有する板状の検査治具を、その軸孔を弁軸又は
   代用ロッドに、かつ検査孔を検査ピンにそれぞれ挿入す
   るようにして、前記取付面に載置することを特徴とする
   排気ブレーキ装置におけるアクチュエータ取付孔の検査
   方法。