JPH1129471A - クマリン誘導体を薬効成分として含有する肝疾患治療剤 - Google Patents

クマリン誘導体を薬効成分として含有する肝疾患治療剤

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JPH1129471A
JPH1129471A JP9195041A JP19504197A JPH1129471A JP H1129471 A JPH1129471 A JP H1129471A JP 9195041 A JP9195041 A JP 9195041A JP 19504197 A JP19504197 A JP 19504197A JP H1129471 A JPH1129471 A JP H1129471A
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JP
Japan
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carbon atoms
group
liver disease
therapeutic agent
atom
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Application number
JP9195041A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Okamoto
俊博 岡本
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Zeria Pharmaceutical Co Ltd
Nippon Chemiphar Co Ltd
Original Assignee
Zeria Pharmaceutical Co Ltd
Nippon Chemiphar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重篤な副作用を示すことなく、顕著な効果を
表わす肝疾患治療剤を提供すること。 【解決手段】 下記式のクマリン誘導体を薬効成分含有
する肝疾患治療剤: 【化1】 [R1 とR2 とは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、
アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニル
オキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ア
シルオキシ基、もしくはアルコキシカルボニル基であ
り、そしてR3 〜R6 は、水素原子、ハロゲン原子、水
酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アル
ケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ
基、アシルオキシ基、もしくはアルコキシカルボニル基
である。但し、R3 〜R6 のうちの少なくとも一つは、
クマリン骨格のベンゼン環に結合する酸素原子を持ち、
またR3 〜R6 のうち、隣接する二個の基は、ベンゼン
環の二個の炭素原子と共に、酸素原子を一個有する五員
また六員の複素環を形成していてもよい。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クマリン誘導体を
薬効成分として含有する肝疾患治療剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、市販されている肝疾患治療剤とし
ては、インターフェロン(IFN)、ウルソデオキシコ
ール酸、グリチルリチン酸、DL−メチオニン、グリチ
ルリチンなどが知られている。このうち、インターフェ
ロンは、C型肝炎に有効であることが知られているが、
間質性肺炎の発生、重篤なうつ状態の発生などの重大な
副作用が発生することがあることが問題とされている。
また、グリチルリチンなど他の化合物は、経口投与では
効果が弱いことから、通常は、服用に不便な注射剤とし
て用いられている。従って、重篤な副作用がなく、しか
も経口投与でも顕著な効果が現われる肝疾患治療剤への
要望が強い。
【0003】一方、クマリン誘導体は一般に毒性などの
副作用が少ないため、広く医薬品成分として利用されて
いるが、肝疾患治療剤としての利用については殆ど研究
されておらず、その利用例の報告も無い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
特定の化学構造をもつクマリン誘導体が、優れた肝疾患
治療効果を示すことが判明した。
【0005】本発明は、下記式(I)のクマリン誘導体
を薬効成分として含有する肝疾患治療剤にある。
【0006】
【化2】
【0007】上記の式に於て、R1 及びR2 はそれぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数
1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ
基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数2〜
6のアルケニルオキシ基、置換基を有していてもよいア
リールオキシ基もしくはアラルキルオキシ基、炭素原子
数2〜6のアシルオキシ基、または炭素原子数2〜8の
アルコキシカルボニル基であり、そしてR3 〜R6 はそ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素原
子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキ
シ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数2
〜6のアルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい
アリールオキシ基もしくはアラルキルオキシ基、炭素原
子数2〜6のアシルオキシ基、または炭素原子数2〜8
のアルコキシカルボニル基である。ただし、R3 〜R6
のうち、少なくとも一つは、クマリン骨格のベンゼン環
に直接的に結合している酸素原子を持つ基であり、また
3 〜R6 のうち、隣接する二個の基は、それぞれが結
合しているベンゼン環の二個の炭素原子と共に、酸素原
子を一個有する五員もしくは六員の複素環(置換基を有
していてもよい)を形成していてもよい。
【0008】次に、本発明の肝疾患治療剤で用いる上記
式(I)のクマリン誘導体として特に好ましい化合物を
列記する。 (1)上記式(I)のR3 〜R6 のうち、少なくとも一
つの基が炭素原子数4〜6のアルケニル基もしくは炭素
原子数4〜6のアルケニルオキシ基であるクマリン誘導
体。 (2)上記式(I)のR3 〜R6 のうち、少なくとも一
つの基が炭素原子数4〜6のアシルオキシ基であるクマ
リン誘導体。
【0009】(3)上記式(I)のR4 とR5 、もしく
はR5 とR6 が、それぞれが結合しているベンゼン環の
二個の炭素原子と共に、酸素原子を一個持つ五員若しく
は六員の複素環(この複素環は、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキ
シ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数2
〜6のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコ
キシカルボニル基もしくは炭素原子数2〜6のアシルオ
キシ基を置換基として有していてもよい)を形成してい
るクマリン誘導体。 (4)上記の式(I)のR1 およびR2 のいずれもが水
素原子もしくはアルケニル基であるクマリン誘導体。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の肝疾患治療剤の薬効成分
として用いるクマリン誘導体は、天然物から既に抽出さ
れているか、もしくは化学合成されていて、公知である
か、あるいは公知化合物を原料として、既知の方法と類
似の方法で合成することができる。
【0011】前記式(I)のクマリン誘導体のクマリン
骨格に結合している置換基のR1 とR2 、そしてR3
至R6 のそれぞれの好ましい例を下記に記載する。
【0012】(1)R1 とR2 水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロ
ゲン原子、水酸基、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなど
の炭素原子数1〜6のアルキル基 メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシな
どの炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ビニル、アリ
ル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3
−メチル−2−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテ
ニル、ヘキセニル、4−ヘキセニルなどの炭素原子数2
〜6のアルケニル基、ビニルオキシ、アリルオキシ、イ
ソプロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、3−ブテニ
ルオキシ、3−メチル−2−ブテニルオキシ、2−ペン
テニルオキシ、3−ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキ
シ、4−ヘキセニルオキシなどの炭素原子数2〜6のア
ルケニルオキシ基、フェニルオキシ、ナフチルオキシな
どのアリールオキシ基もしくはベンジルオキシなどのア
ラルキルオキシ基(これら基のうちアリール部分は、ハ
ロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子
数1〜6のアルコキシ基、水酸基などの置換基を持って
いてもよい)、アセチルオキシ、イソバレリルオキシ、
2−メチル−2−ブテノイルオキシなどの炭素原子数2
〜6のアシルオキシ基、またはエトキシカルボニルなど
の炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基。
【0013】(2)R3 〜R6 水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロ
ゲン原子、水酸基、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなど
の炭素原子数1〜6のアルキル基 メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシな
どの炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ビニル、アリ
ル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3
−メチル−2−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテ
ニル、ヘキセニル、4−ヘキセニルなどの炭素原子数2
〜6のアルケニル基、ビニルオキシ、アリルオキシ、イ
ソプロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、3−ブテニ
ルオキシ、3−メチル−2−ブテニルオキシ、2−ペン
テニルオキシ、3−ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキ
シ、4−ヘキセニルオキシなどの炭素原子数2〜6のア
ルケニルオキシ基、フェニルオキシ、ナフチルオキシな
どのアリールオキシ基もしくはベンジルオキシなどのア
ラルキルオキシ基(これらの基のうちアリール部分は、
ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
子数1〜6のアルコキシ基、水酸基などの置換基を持っ
ていてもよい)、アセチルオキシ、イソバレリルオキ
シ、2−メチル−2−ブテノイルオキシなどの炭素原子
数2〜6のアシルオキシ基、またはエトキシカルボニル
などの炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基 [ただし、R3 〜R6 のうちの少なくとも一つは酸素原
子を持つ基である]。
【0014】あるいは、R3 〜R6 のうち、隣接する二
個の基が、それぞれが結合しているベンゼン環の二個の
炭素原子と共に、酸素原子を一個持つ五員もしくは六員
の複素環(例、フラン環、ピラン環)を形成していても
よく、またその複素環は、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、
炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数2〜6の
アルケニルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカ
ルボニル基もしくは炭素原子数2〜6のアシルオキシ基
などの置換基を有していてもよい。上記のハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケ
ニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、そしてアシル
オキシ基の具体的な例としては、前記のものを挙げるこ
とができる。
【0015】次に、本発明で用いる前記式(I)で表さ
れるクマリン誘導体の例を次に化学構造式で示す。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】本発明の肝疾患治療剤は、ヒトに対して一
般的な経口投与剤あるいは非経口投与剤(注射剤)とし
て利用できる。本発明の肝疾患治療剤の薬効成分である
前記式(I)のクマリン誘導体の製剤化のためには、製
剤の技術分野で通常の方法を利用することができ、剤型
としては、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、
注射剤、坐薬などの一般的な剤型が利用できる。
【0021】上記の肝疾患治療剤の製造に際しては、通
常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤
などを用いることもできる。賦形剤の例としては、乳
糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖など
が挙げられる。崩壊剤の例としては、デンプン、カルボ
キシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)など
を挙げることができる。結合剤の例としては、ヒドロキ
シプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリド
ン(PVP)などを挙げることができる。滑沢剤の例と
しては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどを挙げ
ることができる。
【0022】ヒトに対する投与量は、本発明の肝疾患治
療剤の薬効成分である前記式(I)のクマリン誘導体の
量として、注射剤の場合は、通常1日約0.5mg〜1
00mgの範囲の量が選ばれ、経口投与剤の場合は、通
常1日約5mg〜1000mgの範囲の量が選ばれる。
【0023】なお、本発明の前記式(I)のクマリン誘
導体は、必要によりインターフェロンやグリチルリチン
などのような公知の肝疾患治療剤の薬効成分と併用する
形で肝疾患治療剤とすることもできる。
【0024】
【実施例】
[薬理試験1]コンカナバリンAにより誘発されるマウ
ス肝臓障害モデルにおける肝臓障害抑制作用
【0025】(試験方法)コンカナバリンA(生化学工
業株式会社製)を生理食塩水に溶解させて得たコンカナ
バリンA溶液(0.2mg/0.1mL)を、BALB
/Cマウス(日本チャールス・リバー産の雌、17〜2
4g、日本生物材料センターから入手したもの)に尾静
脈より投与し(投与量:マウス体重1kg当り10m
g)、24時間経過後に、腹部大動脈より採血し(ヘパ
リンナトリウム使用)、採血した血液を遠心分離操作に
掛け、血漿を得た。カルメン(Karmen)法[J.
Clin.Invest.34,p126〜133(1
955)]を利用して、この血漿中のトランスアミラー
ゼ(GOT、GPT)の量を測定した。なお、被検物質
である本発明の式(I)のクマリン化合物および公知の
グリチルリチン(比較化合物)は、1%メチルセルロー
ス(MC)水溶液に溶解させた溶液(4mg/0.4m
L)とした後、コンカナバリンAの投与の2時間前に腹
腔内投与した(投与量:マウス体重1kg当り200m
g)。なお、コントロールとしては、1%MC水溶液を
用いた。
【0026】(試験結果)試験結果を下記の第1表に示
す。なお、抑制率は、下記の式により算出した値であ
る。
【0027】抑制率(%)=[(コントロール群のトラ
ンスアミラーゼ値)−(被検物質投与群のトランスアミ
ラーゼ値)]/[コントロール群のトランスアミラーゼ
値]×100
【0028】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 薬効成分 例数 用量 Con−A GOT 抑制率 GPT 抑制率 (mg/kg) (mg/kg) (U/L) % (U/L) % ──────────────────────────────────── 無処置 3 ---- ------ 50±2 ----- 28±1 ---- ──────────────────────────────────── コントロール 7 ----- 11.1±0.3 658±185 ----- 677±220 ---- ──────────────────────────────────── 誘導体−1 5 210±5 10.5±0.2 153±20* 76.7 58±3* 91.4 誘導体−2 5 224±5 11.2±0.2 132±17* 79.9 57±10* 91.6 誘導体−3 5 207±4 10.4±0.2 127±16* 80.7 59±5* 91.3 誘導体−4 5 213±5 10.6±0.2 143±15* 78.3 70±10* 89.7 誘導体−5 5 214±4 10.7±0.2 132±65* 79.9 65± 3* 90.4 ──────────────────────────────────── 比較化合物 5 217±5 10.8±0.2 460±153 30.1 373±153 44.9 ────────────────────────────────────
【0029】注:*は、p<0.01(コントロールに
対してのダンネット試験)を示す。Con−Aは、コン
カナバリンAを意味する。誘導体−1乃至誘導体−5
は、それぞれ、後記のクマリン誘導体−1乃至クマリン
誘導体−5を意味する。
【0030】なお、同様にして測定した本発明のクマリ
ン誘導体に属する他の例の化合物のGPT抑制率を以下
に示す。 クマリン誘導体−6のGPT抑制率:89% クマリン誘導体−7のGPT抑制率:94% クマリン誘導体−8のGPT抑制率:87% クマリン誘導体−9のGPT抑制率:63% クマリン誘導体−10のGPT抑制率:75% (クマリン誘導体−6乃至クマリン誘導体−10は、後
記の合成例で製造された化合物である)。
【0031】上記の表に示した試験結果から明らかなよ
うに、本発明の式(I)のクマリン誘導体は、一般的に
利用されている肝疾患治療剤のグリチルリチンに比べ
て、有意に優れたトランスアミナーゼ活性上昇抑制効果
を示す。
【0032】[薬理試験2]ラット・ガラクトサミン肝
障害モデルでの評価 (試験方法)コントロールにおいては、D−ガラクトサ
ミンを生理食塩水に溶解させ、次いで水酸化ナトリウム
を加えてpH7に調節し、これをウィスター系ラット
(体重250〜260gのもの)に800mg/kgの
用量で皮下投与した。別に、オストール(クマリン誘導
体−1)を1%メチルセルロース水溶液に加えて懸濁さ
せ、これを200mg/kgの用量で上記と同種のラッ
トに腹腔内投与し、ついでコントロールと同様にして、
D−ガラクトサミン溶液を投与した。D−ガラクトサミ
ン投与から24時間経過後、ラットの腹部大静脈より血
液を採取し、カルメン(Karmen)法により血清中のトラ
ンスアミナーゼ(GOTとGPT)活性を測定した。そ
の結果を、下記の第2表に示す。
【0033】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 例数 GOT GPT ──────────────────────────────────── コントロール 7 1565±301 962±184 クマリン誘導体−1 6 508±91* 281±72* ──────────────────────────────────── 注:*はp<0.01(コントロールに対してのスチューデント試験)を示す。
【0034】上記第2表の結果から、クマリン誘導体−
1(オストール)が、D−ガラクトサミン誘発肝障害に
対して200mg/kgの用量で有意に抑制することが
確認された。
【0035】[抽出もしくは合成の実施例] (1)オストール及びインペラトリン 蛇床子(紀伊国屋漢薬局製)500gをメタノール2リ
ットルに浸し、三日間室温で撹拌した後、ろ過により不
溶物をろ別して、ろ液を得た。次いで、この不溶物をメ
タノール2リットルで洗浄して洗液を得た。ろ液と洗液
とを、それぞれ減圧下においてメタノールを留去して、
32.7gの深緑色油状のろ液残査(油状物A)と7.
80gの深緑色油状の洗液残査(油状物B)とを得た。
油状物Aを100mLの水に懸濁し、10.0mLの酢
酸エチルで抽出したのち、水(50.0mL×2回)で
洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒
を減圧下で留去して、21.2gの油状物A’を深緑色
油状物として得た。油状物Bを100mLの水に懸濁
し、50.0mLの酢酸エチルで抽出したのち、水(5
0.0mL×2回)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去して、4.15g
の油状物B’を深緑色油状物として得た。
【0036】上記の油状物A’と油状物B’とを一緒に
して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル/ヘキサン=1/3)で精製し、オストールとインペ
ラトリンの粗体を、それぞれ8.78gと4.13g得
た。 1)オストール[=7−メトキシ−8−(3−メチル−
2−ブテニル)−2H−1−ベンゾピラン−2−オン:
クマリン誘導体−1] 上記のオストール粗体8.78gを酢酸エチル/ヘキサ
ン=1/7の混合溶媒(480mL)から再結晶させ、
減圧下乾燥させて、3.57gの標題化合物を淡黄色針
状結晶として得た。
【0037】mp:82〜84℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.6
7,1.84(6H,各s)、3.54(2H,d,J
=7Hz)、3.92(3H,s)、5.20〜5.2
5(1H,m)、6.23(1H,d,J=9Hz)、
6.83(1H,d,J=9Hz)、7.28(1H,
d,J=9Hz)、7.61(1H,d,J=9H
z)。
【0038】2)インペラトリン[=9−[(3−メチ
ルー2−ブテニル)オキシ−7H−フロ[3,2−g]
[1]ベンゾピラン−7−オン:クマリン誘導体−2] 上記のインペラトリン粗体4.13gから、結晶した部
分をろ取し、減圧下乾燥させて、1.08gの標題化合
物を淡黄色結晶として得た。 mp:99〜101℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.7
2,1.74(6H,各d,J=1Hz)、5.10
(2H,d,J=7Hz)、5.58〜5.64(1
H,m)、6.36(1H,d,J=9Hz)、6.8
1(1H,d,J=2Hz)、7.35(1H,s)、
7.69(1H,d,J=2Hz)、7.76(1H,
d,J=9Hz)。
【0039】(2)(±)−2−メチル−2−ブテン酸
・10−(アセチルオキシ)−9,10−ジヒドロ−
8,8−ジメチル−2−オキソ−2H,8H−ベンゾ
[1,2−b:3,4−b’]ジピラン−9−イル・エ
ステル[クマリン誘導体−3] 2−メチル−2−ブテン酸・9,10−ジヒドロ−8,
8−ジメチル−2−オキソ−2H,8H−ベンゾ[1,
2−b:3,4−b’]ジピラン−9,10−ジイル・
エステル[クマリン誘導体−4] 2−メチル−2−ブテン酸・9,10−ジヒドロ−8,
8−ジメチル−10−(3−メチル−1−オキソブトキ
シ)−2−オキソ−2H,8H−ベンゾ[1,2−b:
3,4−b’]ジピラン−9−イル・エステル[クマリ
ン誘導体−5]
【0040】前胡(紀伊国屋漢薬局製)500gをメタ
ノール2リットルに浸し、一晩室温で撹拌した後、セラ
イトを用いたろ過により不溶物をろ別して、ろ液を得
た。次いで、この不溶物をメタノール500mLで洗浄
して洗液を得た。ろ液と洗液とを一緒にして、減圧下に
てメタノールを留去した。残査に400mLの酢酸エチ
ルと400mLの水とを加えて室温で30分間撹拌した
後、有機層を分液した。次いで、残った水層に400m
Lの酢酸エチルを加えて抽出し、得られた有機層を上記
の有機層と一緒にした。この有機層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、ついで溶媒を減圧下にて留去した。残査を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘ
キサン=1/3)で精製し、下記のクマリン誘導体−
3、クマリン誘導体−4、そしてクマリン誘導体−5の
粗体を、それぞれ7.37g、4.16g、そして1.
77g得た。
【0041】1)(±)−2−メチル−2−ブテン酸・
10−(アセチルオキシ)−9,10−ジヒドロ−8,
8−ジメチル−2−オキソ−2H,8H−ベンゾ[1,
2−b:3,4−b’]ジピラン−9−イル・エステル
[クマリン誘導体−3] 上記クマリン誘導体−3の粗体7.37gをエーテル2
8mLに懸濁させ、ヘキサン14mLを加えた後、結晶
をろ取した。この結晶を、エーテル/ヘキサン=1/1
の混合溶媒20mLで洗浄した後、減圧下室温で乾燥し
て3.96gの標題化合物を白色結晶として得た。 mp:129.4〜131.2℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.4
4,1.48(6H,各s)、1.85〜1.88(3
H,m)、1.93〜1.98(3H,m)、2.11
(3H,s)、5.41(1H,d,J=5Hz)、
6.09〜6.17(1H,m)、6.24(1H,
d,J=9Hz)、6.60(1H,d,J=5H
z)、6.80(1H,d,J=9Hz)、7.35
(1H,d,J=9Hz)、7.59(1H,d,J=
9Hz)、 IR(KBr)cm-1:1741,1606,149
3,1362,1360,1282,1236,118
8,1147,1119,1111,1080,105
5,1011,849,847.
【0042】2)2−メチル−2−ブテン酸・9,10
−ジヒドロ−8,8−ジメチル−2−オキソ−2H,8
H−ベンゾ[1,2−b:3,4−b’]ジピラン−
9,10−ジイル・エステル[クマリン誘導体−4]前
記の操作で得られたクマリン誘導体−4の粗体4.16
gをエーテル8mLに懸濁し、ヘキサン8mLを加えた
後、結晶をろ取した。この結晶を、ヘキサン4mLで洗
浄した後、減圧下室温で乾燥して2.02gの標題化合
物を白色結晶として得た。 mp:138〜155℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.4
6,1.49(6H,各s)、1.81〜1.88(6
H,m)、1.93〜2.00(6H,m)、5.45
(1H,d,J=5Hz)、5.99〜6.06(1
H,m)、6.08〜6.16(1H,m)、6.22
(1H,d,J=9Hz)、6.70(1H,d,J=
5Hz)、6.81(1H,d,J=9Hz)、7.3
5(1H,d,J=9Hz)、7.58(1H,d,J
=9Hz)。 IR(KBr)cm-1:1730,1606,148
9,1358,1281,1232,1151,110
3,1080,1053,1032,1007,100
5,847.
【0043】3)2−メチル−2−ブテン酸・9,10
−ジヒドロ−8,8−ジメチル−10−(3−メチル−
1−オキソブトキシ)−2−オキソ−2H,8H−ベン
ゾ[1,2−b:3,4−b’]ジピラン−9−イル・
エステル[クマリン誘導体−5] 前記の操作で得られたクマリン誘導体−5の粗体1.7
7gをエーテル4mLに懸濁し、ヘキサン4mLを加え
た後、結晶をろ取した。この結晶を、ヘキサン2mLで
洗浄した後、減圧下室温で乾燥して0.40gの標題化
合物を白色結晶として得た。 mp:142.0〜144.8℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:0.9
5,0.97(6H,各d,J=6Hz)、1.44,
1.48(6H,各s)、1.85〜1.89(3H,
m)、1.94〜1.99(3H,m)、2.05〜
2.40(3H,m)、5.40(1H,d,J=5H
z)、6.08〜6.16(1H,m)、6.22(1
H,d,J=9Hz)、6.62(1H,d,J=5H
z)、6.80(1H,d,J=9Hz)、7.35
(1H,d,J=9Hz)、7.59(1H,d,J=
9Hz)。 IR(KBr)cm-1:1736,1606,148
7,1390,1383,1294,1255,120
0,1180,1155,1133,1132,113
0,1090,1009,991,845.
【0044】(3)オステノール[=7−ヒドロキシ−
8−(3−メチル−2−ブテニル)クマリン:クマリン
誘導体−6] 酸化アルミニウム(60G、中性、E型)185gをエ
ーテル400mLに懸濁させ、7−ヒドロキシクマリン
4.00g(24.7ミリモル)のテトラヒドロフラン
(THF)溶液143mLを加えた。溶媒を減圧下留去
し、残査に、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン3.
70g(24.8ミリモル)をエーテル/ヘキサン=1
/1の混合溶媒に溶解させた溶液を加えて、室温で2日
間撹拌した。次いで、得られた反応混合物にさらに1−
ブロモ−3−メチル−2−ブテン7.40g(49.6
ミリモル)を加えて、室温で4日間撹拌した。反応混合
物中の不溶物をろ過により除去し、次いで不溶物を1%
−酢酸/酢酸エチル溶液300mLで洗浄して、ろ液と
洗液とを一緒にした。溶媒を減圧下留去し、残査をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサ
ン=2/5)で精製し、205mgの標題化合物を白色
結晶として得た(収率:3.6%)。 mp:118.6〜119.8℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.7
7,1.86(6H,各s)、3.63(2H,d,J
=7Hz)、5.25〜5.30(1H,m)、6.0
8(1H,bs)、6.24(1H,d,J=10H
z)、6.79(1H,d,J=8Hz)、7.23
(1H,d,J=8Hz)、7.63(1H,d,J=
10Hz)。 IR(KBr)cm-1:3356,2960,292
7,1705,1603,1570,1406,137
3,1309,1252,1155,1124,105
9,825,658,484.
【0045】(4)8−エトキシカルボニル−2H−フ
ロ[2,3−h]−1−ベンゾピラン−2−オン[クマ
リン誘導体−7] 1)7−ヒドロキシ−8−ヨードクマリン 7−ヒドロキシクマリン10.0g(61.7ミリモ
ル)を20%アンモニア水溶液250mLに懸濁させ、
これに、ヨウ素16.1g(63.4ミリモル)の5%
ヨウ化カリウム水溶液500mLを30分間かけて滴下
したのち、室温で1時間30分撹拌した。これに2.5
規定硫酸水溶液をpH4になるまで加え、析出した結晶
をろ取した。この結晶を水50.0mLで洗浄した後、
50℃で2時間減圧下乾燥させた。得られた結晶を、エ
タノール/水=1/1の混合溶媒90.0mLに懸濁さ
せ、油浴上で30分間加熱還流させた後、油浴を取り去
り、更に2時間30分撹拌を続けた。結晶をろ取し、エ
タノール/水=1/1の混合溶媒10.0mL、エタノ
ール/水=1/2の混合溶媒15.0mL、そして水3
0.0mLで順次洗浄したのち、室温で減圧下一晩乾燥
し、12.9gの標題化合物を白褐色結晶として得た
(純度:96.0%、収率:69.7%)。 mp:209〜213℃1 H−NMR(CD3 OD/CDCl3 =1/10,4
00MHz)δ:6.23(1H,d,J=9Hz)、
6.86(1H,d,J=8Hz)、7.32(1H,
d,J=8Hz)、7.61(1H,d,J=9H
z)。
【0046】2)8−エトキシカルボニル−2H−フロ
[2,3−h]−1−ベンゾピラン−2−オン 窒素雰囲気下、酸化第一銅0.96g(6.71ミリモ
ル)を乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)7.7mL
に懸濁させ、この懸濁液に、プロピオール酸エチル2.
00mL(19.7ミリモル)および上記の7−ヒドロ
キシ−8−ヨードクマリン2.50g(純度96.0
%、8.33ミリモル)の乾燥DMF溶液56mLを加
えた後、110℃で24時間撹拌した。室温まで冷却さ
せた後、少量のシリカゲルカラムに通し、酢酸エチル2
00mLで希釈した。この有機溶媒溶液を、1規定塩酸
水溶液100mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10
0mL、そして飽和食塩水100mLで順次洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで溶媒を減圧
下留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2、次いで酢
酸エチル/ジクロロメタン=1/20)で精製した後、
得られた結晶をジクロロメタン40mLに溶解させ、
0.1規定水酸化ナトリウム水溶液20mLで二回洗浄
した。ジクロロメタン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を減圧下留去して得られた残査を酢酸エチル/
ヘキサン=2/3の混合溶媒10mLに懸濁させ、室温
で一晩撹拌した。結晶をろ取し、酢酸エチル/ヘキサン
=2/3の混合溶媒5mL、酢酸エチル/ヘキサン=1
/2の混合溶媒6mL、そしてヘキサン5mLで順次洗
浄した後、その結晶を減圧下室温で2時間乾燥させて、
0.67gの標題化合物を白色結晶として得た(収率:
31.1%)。 mp:203.8〜209.0℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.4
5(3H,t,J=7Hz)、4.47(2H,q,J
=7Hz)、6.44(1H,q,J=10Hz)、
7.50〜7.53(2H,m)、7.81(1H,
d,J=10Hz)、7.83(1H,s)。 IR(KBr)cm-1:1728,1610,156
2,1477,1369,1335,1288,124
0,1211,1180,1155,1107,101
8,849,758.
【0047】(5)5,7−ビス(3−メチル−2−ブ
テニルオキシ)クマリン[クマリン誘導体−8] 7−アセチルオキシ−5−(3−メチル−2−ブテニル
オキシ)クマリン[クマリン誘導体−9] 1)5,7−ジアセトキシクマリン 2,4,6−トリヒドロキシベンズアルデヒド10.9
g(64.9ミリモル)及び酢酸ナトリウム10.0g
(122ミリモル)を無水酢酸50mLに加え、14時
間加熱還流させた。室温まで冷却させた後、酢酸エチル
100mLを加え、水50.0mLで洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下留去し、残
査を酢酸エチル30.0mLに熱時溶解させた後、これ
にヘキサン30.0mLを加えた。加熱を停止し、2時
間撹拌して、生成した結晶をろ取した。この結晶を酢酸
エチル/ヘキサン=1/1の混合溶媒2.00mLそし
てヘキサン30.0mLで順次洗浄し、空気中で乾燥さ
せることにより、11.4gの標題化合物を茶色結晶と
して得た(収率:64.0g)。 mp:128〜131℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:2.3
3,2.40(6H,各s)、6.40(1H,d,J
=10Hz)、6.98(1H,d,J=2Hz)、
7.03〜7.05(1H,m)、7.72(1H,
d,J=10Hz)。
【0048】2)5,7−ビス(3−メチル−2−ブテ
ニルオキシ)クマリン[クマリン誘導体−8]及び7−
アセチルオキシ−5−(3−メチル−2−ブテニルオキ
シ)クマリン[クマリン誘導体−9] 上記の5,7−ジアセトキシクマリン6.00g(2
2.9ミリモル)、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテ
ン4.50mL(38.3ミリモル)そして炭酸カリウ
ム4.71g(34.1ミリモル)を、1,2−ジメト
キシエタン80.0mLに加え、12時間加熱還流させ
た。室温まで冷却させた後、水30.0mLを加え、1
0分間撹拌した後、有機層を分液した。残った水層に3
0.0mLの酢酸エチルを加えて抽出を行なった。この
抽出液を先の有機層に加え、無水硫酸ナトリウムで乾燥
したのち、溶媒を減圧下留去した。残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/
3)で精製して、127mg(収率:1.76%)のク
マリン誘導体−8を微結晶として、またさらに1.50
g(収率:28.7%)のクマリン誘導体−9を白色結
晶として得た。また、純度約60%の7−アセチルオキ
シ−5−(3−メチルー2ーブテニルオキシ)クマリン
粗体を1.86g得た。
【0049】[クマリン誘導体−8] mp:75.8〜76.8℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.7
4,1.77,1.81(12H,各s)、4.55,
4.56(4H,各d,J=6Hz)、5.44〜5.
52(2H,m)、6.13(1H,d,J=10H
z)、6.31(1H,d,J=2Hz)、6.41
(1H,d,J=2Hz)、7.99(1H,d,J=
10Hz)。 IR(KBr)cm-1:2980,2920,286
6,1728,1726,1608,1500,144
6,1381,1360,1302,1236,115
9,1107,1107,1036,829,827,
795.
【0050】[クマリン誘導体−9] mp:128.8〜130.0℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.7
5,1.82(6H,各s)、2.33(3H,s)、
4.59(2H,d,J=7Hz)、5.45〜5.5
2(1H,m)、6.28(1H,d,J=10H
z)、6.51(1H,d,J=2Hz)、6.70
(1H,d,J=2Hz)、8.05(1H,d,J=
10Hz)。 IR(KBr)cm-1:1757,1738,172
0,1622,1491,1433,1389,136
7,1348,1219,1122,1090,102
8,910,837.
【0051】(6)7−ベンジルオキシ−3−(3−メ
チル−2−ブテニル)クマリン[クマリン誘導体−1
0] 1)4−ベンジルオキシ−2−(3−メチル−2−ブテ
ニルオキシ)桂皮酸メチル 4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ桂皮酸メチル4.
00g(純度:94.6%、13.3ミリモル)、1−
ブロモ−3−メチル−2−ブテン2.82mL(24.
0ミリモル)そして炭酸カリウム3.32g(24.0
ミリモル)を、乾燥アセトン60.0mLに加え、7時
間加熱還流させた。室温まで冷却させた後、溶媒を減圧
下留去させた。残査に水15.0mLを加えたのち、ク
ロロホルム15.0mLで二回抽出した。この抽出液を
飽和食塩水100mLで洗浄し、次いで無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥したのち、溶媒を減圧下留去した。残査をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサ
ン=1/10)を用いて精製して、1.34gの標題化
合物を淡黄色油状物として得た(純度98.3%、収
率:28.1%)。1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.7
3,1.87(6H,各s)、3.78(3H,s)、
4.55(2H,d,J=7Hz)、5.08(2H,
s)、5.46〜5.52(1H,m)、6.43(1
H,d,J=16Hz)、6.54(1H,d,J=2
Hz)、6.56(1H,dd,J=2Hz,8H
z)、7.31〜7.45(5H,m)、7.40(1
H,d,J=8Hz)、7.93(1H,d,J=16
Hz)。
【0052】2)7−ベンジルオキシ−3−(3−メチ
ル−2−ブテニル)クマリン 窒素雰囲気下、上記の4−ベンジルオキシ−2−(3−
メチル−2−ブテニルオキシ)桂皮酸メチル(1.34
g、純度98.3%、3.74ミリモル)をN,N−ジ
エチルアニリン20.0mLに加え、3時間加熱還流さ
せた後、室温まで冷却させ、エーテル100mLを加え
た。この反応混合物を順次、2規定塩酸水溶液50.0
mLで5回、そして飽和食塩水30.0mLで4回洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧下
留去した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(エーテル/ヘキサン=1/4〜7/10)で精製し、
第一留分から得られた結晶にヘキサン2.00mLとエ
ーテル0.40mLとを加えた後、結晶をろ取した。こ
の結晶をヘキサン2.00mLで洗浄後、減圧下室温で
30分間乾燥して、0.12gの標題化合物を淡黄色結
晶として得た(収率:10.0%)。 mp:106.4〜107.6℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.6
9,1.80(6H,各s)、3.22(2H,d,J
=7Hz)、5.12(2H,s)、5.27〜5.3
3(1H,m)、6.87〜6.91(2H,m)、
7.30〜7.50(7H,m)。IR(KBr)cm
-1:3390,2912,1703,1612,150
8,1381,1279,1254,1169,114
9,1119,1026.
【0053】[製剤実施例] クマリン誘導体−1 10mg 乳糖 45mg でんぷん 20mg 結晶セルロース 24.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg 上記の各成分を充分に混合し、打錠機を用いて一錠当り
100mgの肝疾患治療剤の錠剤を製造した。
【0054】
【発明の効果】本発明の特定の化学構造を持つクマリン
誘導体は、有用な肝疾患モデルとされているコンカナバ
リンAにより誘発されるマウス肝臓障害モデルにおい
て、優れたトランスアミナーゼ活性上昇抑制作用を示
し、また、D−ガラクトサミン誘発肝障害モデルにおい
ても、有意な抑制作用を示す。従って、本発明のクマリ
ン誘導体は、例えばC型肝炎、アルコール性肝炎、肝硬
変などの肝臓疾患の治療剤として有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)のクマリン誘導体を薬効成
    分として含有する肝疾患治療剤: 【化1】 [上記の式に於て、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水
    素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜6のア
    ルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子
    数2〜6のアルケニル基、炭素原子数2〜6のアルケニ
    ルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ
    基もしくはアラルキルオキシ基、炭素原子数2〜6のア
    シルオキシ基、または炭素原子数2〜8のアルコキシカ
    ルボニル基であり、そしてR3 〜R6 はそれぞれ独立
    に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜
    6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭
    素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数2〜6のア
    ルケニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリール
    オキシ基もしくはアラルキルオキシ基、炭素原子数2〜
    6のアシルオキシ基、または炭素原子数2〜8のアルコ
    キシカルボニル基である。ただし、R3 〜R6 のうち、
    少なくとも一つは、クマリン骨格のベンゼン環に直接的
    に結合している酸素原子を持つ基であり、またR3 〜R
    6 のうち、隣接する二個の基は、それぞれが結合してい
    るベンゼン環の二個の炭素原子と共に、酸素原子を一個
    有する五員もしくは六員の複素環(置換基を有していて
    もよい)を形成していてもよい。]
  2. 【請求項2】 R3 〜R6 のうち、少なくとも一つの基
    が炭素原子数4〜6のアルケニル基もしくは炭素原子数
    4〜6のアルケニルオキシ基である請求項1に記載の肝
    疾患治療剤。
  3. 【請求項3】 R3 〜R6 のうち、少なくとも一つの基
    が炭素原子数4〜6のアシルオキシ基である請求項1に
    記載の肝疾患治療剤。
  4. 【請求項4】 R4 とR5 、もしくはR5 とR6 が、そ
    れぞれが結合しているベンゼン環の二個の炭素原子と共
    に、酸素原子を一個持つ五員もしくは六員の複素環(こ
    の複素環は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキ
    ル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2
    〜6のアルケニル基、炭素原子数2〜6のアルケニルオ
    キシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基も
    しくは炭素原子数2〜6のアシルオキシ基を置換基とし
    て有していてもよい)を形成している請求項1に記載の
    肝疾患治療剤。
  5. 【請求項5】 R1 とR2 とが水素原子もしくはアルケ
    ニル基である請求項1乃至4のいずれかの項に記載の肝
    疾患治療剤。
  6. 【請求項6】 経口投与用治療剤である請求項1乃至5
    のいずれかの項に記載の肝疾患治療剤。
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