JPH11294211A - ハイブリッド型車両の制御装置及びハイブリッド型車両用内燃機関の回転系センサ異常検出方法 - Google Patents

ハイブリッド型車両の制御装置及びハイブリッド型車両用内燃機関の回転系センサ異常検出方法

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JPH11294211A
JPH11294211A JP10102824A JP10282498A JPH11294211A JP H11294211 A JPH11294211 A JP H11294211A JP 10102824 A JP10102824 A JP 10102824A JP 10282498 A JP10282498 A JP 10282498A JP H11294211 A JPH11294211 A JP H11294211A
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行動力源として内燃機関と電動モータとを
備えたハイブリッド型車両において、内燃機関の回転系
センサの異常に伴う未燃焼ガスの放出やドライバビリテ
ィの悪化を、確実に防止する。 【解決手段】 ハイブリッド型車両のエンジンと電動モ
ータを制御する装置において、エンジンへの燃料噴射及
び点火を実施していない状態と判定すると(S510:YES)、
燃料噴射及び点火を禁止した状態にし(S530)、電動モー
タの回転状態からエンジンが回転中であると判定すると
(S540:YES)、エンジンが電動モータにより回転されてい
るモータリング状態と判断して、エンジンの回転系セン
サからパルス信号が正常に出力されるか否かを判定する
(S550)。そして、正常と判断した場合にのみ燃料噴射及
び点火を許可する(S560)。このため、上記センサの異常
に伴う不適切なタイミングでのエンジンへの燃料噴射及
び点火を未然に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行動力源として
内燃機関と電動モータとを備えたハイブリッド型車両に
関し、特にそのハイブリッド型車両に搭載された内燃機
関の回転系センサの異常を検出するための技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両は、内燃機関によって発
生させた回転出力を車輪(駆動輪)に伝達して走行する
ようになっているが、排気ガスや騒音が発生するため、
電動モータによって走行するようにした電気自動車が提
案されている。
【0003】しかし、電気自動車は、バッテリに予め充
電しておいた電力のみを利用するものであることから、
航続距離が短いという欠点があり、そのため、近年で
は、内燃機関と電動モータとを併用したハイブリッド型
車両が注目されている。ここで、ハイブリッド型車両と
しては、様々な型式のものが提案されており、 :内燃機関により発電機を駆動し、その発電電力によ
り電動モータを回転させて、その電動モータの回転出力
を車輪に伝達するといった具合に、内燃機関が発電機の
駆動だけを行い電動モータのみにより車輪の駆動を行う
シリーズ型のものや、:内燃機関と電動モータとの両
方によって車輪に駆動力を与えるパラレル型のもの、
:更に、内燃機関の出力を、車両の走行状態に応じ
て、発電機の駆動のみに用いたり、電動モータの出力と
共に車輪の駆動に用いたりするパラレル・シリーズ型の
ものがある。
【0004】特に、上記パラレル型やパラレル・シリー
ズ型のハイブリッド型車両では、内燃機関の出力と電動
モータの出力とが電磁クラッチや遊星ギヤユニット等の
動力伝達機構により合成されて車輪を駆動する駆動軸に
伝達され、内燃機関の出力を電動モータの出力と共に車
輪の駆動に直接用いることができるため、エネルギーの
伝達効率が良く有望視されている。
【0005】そして、こうしたパラレル型やパラレル・
シリーズ型のハイブリッド型車両では、通常、停車時に
は内燃機関と電動モータとの両方の運転が停止され、運
転者がアクセルペダルを踏み込むと、最初に電動モータ
だけが駆動制御されて車両の発進が行われると共に、こ
の状態において、内燃機関は、燃料噴射及び点火が実施
されていないにも拘らず電動モータの出力によって回転
させられているモータリング状態(空回り状態)とな
る。そして、その後、車速が所定値(例えば20km/
h)を越えると、内燃機関への燃料噴射及び点火が開始
されて、内燃機関がいわゆる「押しがけ」の如く始動す
ることとなり、以後は、車速やアクセルペダルの踏込量
等の車両の運転状態やバッテリの充電状態に応じて、内
燃機関の出力と電動モータの出力とが制御される。ま
た、車速が所定値を下回ると、内燃機関への燃料噴射及
び点火が停止されて、内燃機関が非運転状態(モータリ
ング状態)となり、電動モータの出力のみを用いた走行
が行われる。
【0006】ところで、内燃機関には、その出力軸であ
るクランク軸が所定角度回転する毎にパルス信号を出力
する回転角センサや、クランク軸が予め定められた回転
角度位置となる毎にパルス信号を出力する気筒判別セン
サ、といった回転系センサが取り付けられている。
【0007】そして、この種のハイブリッド型車両の電
動モータと内燃機関とを制御する制御装置は、内燃機関
の始動時及び運転時において、上記回転系センサからの
パルス信号に応じて燃料噴射タイミングや点火タイミン
グを決定し、その決定したタイミングで内燃機関への燃
料噴射及び点火(詳しくは、点火プラグによる気筒内へ
の点火)を行うように構成されている。
【0008】このため、上記回転系センサに異常が生じ
ると、例えば気筒の排気工程で燃料噴射や点火を行って
しまう等、適切なタイミングで燃料噴射と点火を行うこ
とができなくなり、その結果、内燃機関の排気管から大
気中へ、未燃焼ガスがそのまま放出されてしまうという
不具合が生じる。
【0009】そこで、従来より、この種のハイブリッド
型車両の電動モータと内燃機関とを制御する制御装置で
は、内燃機関のみを搭載している通常車両の場合と同様
に、内燃機関への燃料噴射及び点火を実施している機関
始動時や機関運転時において、回転系センサからパルス
信号が正常に出力されているか否かを判定し、こうした
故障診断により異常と判定すると、燃料噴射動作及び点
火動作を停止して内燃機関の運転制御を止めるようにし
ている。
【0010】尚、回転系センサの異常とは、回転系セン
サ自身に生じた異常だけではなく、回転系センサと制御
装置とを接続する信号経路の異常も含んでいる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の制御装置では、環境汚染の抑制というハイブリッド
型車両の本来の目的を達成するのには不十分な面があっ
た。即ち、従来の制御装置では、内燃機関への燃料噴射
と点火を実施している機関始動時や機関運転時に回転系
センサの故障診断を行うため、異常と判断して燃料噴射
及び点火を停止するまでの間は、排出ガスの悪化(未燃
焼ガスの放出)を免れることができない。しかも、一般
に、この種の故障診断では、誤検出を避けるために、あ
る程度の時間経過しても回転系センサからパルス信号が
正常に出力されない場合に異常と判断するようにしてい
るため、こうした異常検知の遅れによって、より多くの
未燃焼ガスが放出されてしまう。
【0012】そして、上記のような未燃焼ガスの放出
は、排出ガスの浄化を目的として車両に装着されている
触媒装置に対して、非可逆的な損傷を与える虞もある。
また特に、パラレル型やパラレル・シリーズ型のハイブ
リッド型車両では、走行中に内燃機関の運転/停止が頻
繁に行われると共に、内燃機関の始動は、前述したよう
に、走行中のモータリング状態にて燃料噴射及び点火が
開始されることにより「押しがけ」の如く行われるた
め、こうした内燃機関の始動時において、回転系センサ
に異常が生じていると、未燃焼ガスを放出してしまうだ
けではなく、不適切なタイミングでの燃料噴射及び点火
によりドライバビリティまでも悪化してしまう。
【0013】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、走行動力源として内燃機関と電動モータとを
備えたハイブリッド型車両において、内燃機関の回転系
センサの異常に伴う未燃焼ガスの放出やドライバビリテ
ィの悪化を、確実に防止することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】まず、
本発明が前提とするハイブリッド型車両では、内燃機関
の出力と電動モータの出力とが動力伝達機構により合成
されて車輪を駆動する駆動軸に伝達され、内燃機関の出
力がモータの出力と共に車輪の駆動に用いられる。ま
た、内燃機関は、燃料噴射及び点火が実施されていない
にも拘らず電動モータの出力によって回転させられてい
るモータリング状態にて、該内燃機関への燃料噴射及び
点火が開始されることにより始動される。
【0015】そして、本発明のハイブリッド型車両の制
御装置では、動力源制御手段が、車両の運転状態に応じ
て電動モータと内燃機関とを制御すると共に、内燃機関
の始動時及び運転時には、内燃機関の回転に同期してパ
ルス信号を出力する回転系センサからの前記パルス信号
に応じて、内燃機関への燃料噴射及び点火を行う。
【0016】例えば、動力源制御手段は、車速が所定値
以下の場合には、内燃機関への燃料噴射及び点火を実施
せず、電動モータの出力のみをアクセルペダルの踏込量
や車速等に応じて制御する。そして、車速が所定値を越
えると、モータリング状態にある内燃機関への燃料噴射
及び点火を開始して該内燃機関を始動させ、以後はアク
セルペダルの踏込量や車速等に応じて、内燃機関の出力
と電動モータの出力とを最適値に調節する。
【0017】ここで特に、本発明の制御装置では、モー
タリング状態判定手段が、内燃機関が前記モータリング
状態であるか否か(つまり、動力源制御手段が内燃機関
への燃料噴射及び点火を実施しておらず且つ内燃機関が
電動モータの出力によって回転させられている状態であ
るか否か)を判定し、このモータリング状態判定手段に
よって内燃機関がモータリング状態であると判定される
と、異常検出手段が、前記回転系センサからパルス信号
が正常に出力されるか否かを判定する。そして、機関運
転禁止手段が、異常検出手段により回転系センサからパ
ルス信号が正常に出力されないと判定された場合に、動
力源制御手段による内燃機関への燃料噴射及び点火が行
われないようにする。
【0018】つまり、本発明の制御装置では、「パラレ
ル型やパラレル・シリーズ型のハイブリッド型車両にお
いて、内燃機関は、始動される前に、燃料噴射及び点火
が実施されていないにも拘らず電動モータの出力によっ
て回転させられているモータリング状態になる」という
点に着目して、「内燃機関がモータリング状態である場
合に、回転系センサからパルス信号が正常に出力される
か否かを判定する」という請求項5に記載のハイブリッ
ド型車両用内燃機関の回転系センサ異常検出方法を実施
するようにしている。そして、回転系センサが異常であ
ると判定した場合(即ち、回転系センサからパルス信号
が正常に出力されないと判定した場合)には、動力源制
御手段による内燃機関への燃料噴射及び点火が行われな
いようにしている。
【0019】このような本発明の制御装置及び回転系セ
ンサ異常検出方法によれば、ハイブリッド型車両におい
て、内燃機関を始動させるべく燃料噴射及び点火が開始
される前に、予め回転系センサの良否を判定することが
でき、その結果、回転系センサに異常が発生しているに
も拘らず内燃機関への燃料噴射及び点火が実施されてし
まうことを、未然に防止することができる。
【0020】よって、回転系センサの異常に伴い内燃機
関から未燃焼ガスが放出されてしまうことを確実に防止
でき、ハイブリッド型車両によって得られる環境汚染の
抑制効果を、より大きなものにすることができる。ま
た、回転系センサの異常に伴う不適切なタイミングでの
内燃機関への燃料噴射及び点火が未然に防止されるた
め、車両のドライバビリティが悪化してしまうことも無
い。つまり、内燃機関への燃料噴射及び点火が行われな
い機関非運転状態のままで、電動モータの出力のみによ
る走行が可能なためである。
【0021】ところで、モータリング状態判定手段は、
請求項2に記載のように、動力源制御手段が内燃機関へ
の燃料噴射及び点火を実施していない状態であるか否か
を判定する制御状態判定手段と、電動モータの回転状態
に基づき内燃機関が回転しているか否かを判定する回転
状態判定手段とを備えるようにし、その制御状態判定手
段と回転状態判定手段との両方によって肯定判定される
と、内燃機関がモータリング状態であると判定するよう
に構成することができる。尚、回転状態判定手段が、内
燃機関が回転しているか否かの判定に回転系センサから
のパルス信号を用いないのは、回転系センサが異常であ
る可能性があるためである。
【0022】一方、機関運転禁止手段は、異常検出手段
により回転系センサからパルス信号が正常に出力されな
いと判定された時点で、動力源制御手段が内燃機関への
燃料噴射及び点火を行うことを禁止するように構成する
ことができる。但し、このようにした場合には、異常検
出手段が動作を開始してから回転系センサの正常/異常
を判定するまでの間(即ち、異常検出手段が、回転系セ
ンサからパルス信号が正常に出力されるか否かを判定し
ている最中)に、動力源制御手段が内燃機関を始動させ
るべく燃料噴射と点火を開始してしまう可能性があり、
その際に、回転系センサに異常が生じていると、若干で
はあるものの未燃焼ガスが放出されてしまう虞がある。
つまり、異常検出手段により異常と判定されて機関運転
禁止手段による禁止動作が行われるまでに噴射された燃
料が、未燃焼ガスとして放出されてしまう虞がある。
【0023】そこで、機関運転禁止手段を請求項3に記
載の如く構成すれば、こうした問題を回避することがで
きる。即ち、請求項3に記載の制御装置において、機関
運転禁止手段は、モータリング状態判定手段により内燃
機関が前記モータリング状態であると判定されると、動
力源制御手段が内燃機関への燃料噴射及び点火を行うこ
とを禁止し、その後、異常検出手段により回転系センサ
からパルス信号が正常に出力されると判定されれば、動
力源制御手段が内燃機関への燃料噴射及び点火を行うこ
とを許可する。
【0024】このため、請求項3に記載の制御装置で
は、「内燃機関がモータリング状態である場合に、内燃
機関への燃料噴射及び点火が開始されることを禁止した
状態にして、回転系センサからパルス信号が正常に出力
されるか否かを判定する」という請求項6に記載の点火
系異常検出方法を実施することとなる。
【0025】つまり、内燃機関がモータリング状態にな
ると、動力源制御手段による内燃機関への燃料噴射及び
点火が禁止され、この禁止状態において、異常検出手段
が、回転系センサからパルス信号が正常に出力されるか
否かを判定するからである。そして、その後、異常検出
手段により回転系センサからパルス信号が正常に出力さ
れると判定されれば、動力源制御手段による内燃機関へ
の燃料噴射及び点火が許可されるが、異常検出手段によ
り回転系センサからパルス信号が正常に出力されないと
判定された場合には、上記禁止状態が継続して、動力源
制御手段による内燃機関への燃料噴射及び点火が行われ
なくなる。
【0026】よって、請求項3に記載の制御装置によれ
ば、異常検出手段が回転系センサの正常/異常を判定し
ている最中に、動力源制御手段が内燃機関を始動させる
べく燃料噴射と点火を開始してしまうことがなく、前述
した若干の未燃焼ガスが放出されてしてしまう可能性を
無くすことができる。また同様に、請求項6に記載の点
火系異常検出方法によっても、回転系センサの正常/異
常を判定している最中に、内燃機関への燃料噴射と点火
が開始されてしまうことがなく、回転系センサに異常が
発生しているにも拘らず内燃機関への燃料噴射及び点火
が実施されてしまうことを、確実に防止できるようにな
る。
【0027】ところで、モータリング状態判定手段が、
請求項2に記載の如く制御状態判定手段と回転状態判定
手段とからなる場合には、機関運転禁止手段は、請求項
4に記載のように構成することもできる。即ち、請求項
4に記載の制御装置において、機関運転禁止手段は、制
御状態判定手段により肯定判定されると(つまり、動力
源制御手段が内燃機関への燃料噴射及び点火を実施して
いない状態であると判定されると)、動力源制御手段が
内燃機関への燃料噴射及び点火を行うことを禁止し、そ
の後、異常検出手段により回転系センサからパルス信号
が正常に出力されると判定されれば、動力源制御手段が
内燃機関への燃料噴射及び点火を行うことを許可する。
【0028】このため、請求項4に記載の制御装置で
は、内燃機関の回転状態に拘らず、制御状態判定手段に
より動力源制御手段が内燃機関への燃料噴射及び点火を
実施していないと判定された時点で、動力源制御手段に
よる内燃機関への燃料噴射及び点火が禁止される。そし
て、その後に内燃機関が電動モータの出力によって回転
されるか、或いは、上記禁止の時点で内燃機関が電動モ
ータの出力により既に回転されていれば、モータリング
状態であるとして異常検出手段による判定が行われ、回
転系センサが正常であれば、動力源制御手段による内燃
機関への燃料噴射及び点火が許可されることとなる。
【0029】よって、この請求項4に記載の制御装置に
よれば、請求項3の制御装置と同様に、異常検出手段が
回転系センサの正常/異常を判定している最中に、動力
源制御手段が内燃機関への燃料噴射と点火を開始してし
まうことがない。しかも、車両発進時に内燃機関が最初
に始動される場合には、動力源制御手段が内燃機関への
燃料噴射及び点火を始めから実施していない状態で、内
燃機関が電動モータの出力により回転され始め、その時
点でモータリング状態となるが、請求項4に記載の制御
装置によれば、このような車両発進時において、内燃機
関がモータリング状態になる前に、予め動力源制御手段
による内燃機関への燃料噴射及び点火を禁止しておくこ
とができる。よって、回転系センサの正常/異常の判定
が完了する前に内燃機関への燃料噴射及び点火が実施さ
れてしまうことを、より確実に防止でき、延いては、回
転系センサに異常が発生しているにも拘らず内燃機関へ
の燃料噴射及び点火が実施されてしまうことを、一層確
実に防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を用いて説明する。まず図1は、本発明が適用
された実施形態のハイブリッド型車両を表わす概略構成
図である。
【0031】図1に示すように、本実施形態のハイブリ
ッド型車両は、パラレル・シリーズ型のハイブリッド型
車両であり、内燃機関としての4気筒エンジン1と、電
動モータ或いは発電機として動作する2つのモータ/ジ
ェネレータ(以下、M/Gと記す)3,5と、動力伝達
機構としての遊星ギヤユニット7とを備えている。
【0032】そして、エンジン1の出力軸(クランク
軸)1aが、遊星ギヤユニット7のリングギヤRに接続
され、M/G3のロータから伸びた出力軸3aが、遊星
ギヤユニット7のサンギヤSNに接続され、M/G5の
ロータから伸びた出力軸5aが、遊星ギヤユニット7の
キャリアCRに接続されている。また、M/G5の出力
軸5aの上記キャリアCRとは反対側は、当該車両の車
輪(駆動輪)11R,11Lを駆動する駆動軸8に接続
され、その駆動軸8からディファレンシャルギヤ9を介
して、両車輪11R,11Lに駆動力が伝達される。
【0033】そして更に、本実施形態のハイブリッド型
車両には、M/G3,5の各々が発電機として動作した
際に発電された電力が充電されると共に、M/G3,5
の各々が電動モータとして動作する際の電力を供給する
メインバッテリ12と、M/G3,5の各々を2つのイ
ンバータ13,15を介して制御するモータ/ジェネレ
ータ制御装置(以下、M/G・ECUという)17と、
このM/G・ECU17との間で制御情報をやり取りし
つつエンジン1を制御するエンジン制御装置(以下、エ
ンジンECUという)19とが設けられている。
【0034】尚、インバータ13は、M/G・ECU1
7からの指令に基づき、メインバッテリ12の直流電力
を3相交流電力に変換してM/G3を電動モータとして
動作させ、また、M/G・ECU17からの指令に基づ
き、M/G3を発電機として動作させると共に、その発
電された交流電力を直流電力に変換してメインバッテリ
12に充電させる。同様に、インバータ15は、M/G
・ECU17からの指令に基づき、メインバッテリ12
の直流電力を3相交流電力に変換してM/G5を電動モ
ータとして動作させ、また、M/G・ECU17からの
指令に基づき、M/G5を発電機として動作させると共
に、その発電された交流電力を直流電力に変換してメイ
ンバッテリ12に充電させる。但し、2つのM/G3,
5のうちの一方が電動モータとして動作し、他方が発電
機として動作する場合には、電動モータとして動作する
方のM/Gは、メインバッテリ12のみならず発電機と
して動作する方のM/Gからの電力によっても駆動され
る。
【0035】一方、エンジン1の吸気経路21には、エ
ンジン1の吸入空気量(延いては、エンジン1の出力)
を調節するためのスロットル弁23が設けられており、
そのスロットル弁23の開度(以下、スロットル開度と
いう)は、アクチュエータとしてのDCモータ25によ
り調節されるようになっている。
【0036】また、エンジン1の周辺には、エンジンE
CU19からの駆動信号に従って各気筒に燃料を噴射す
るインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)27と、エンジン
ECU19からの点火指令信号に従って各気筒内への点
火を行う点火系機器29とが設けられている。尚、点火
系機器29は、周知のイグナイタ,イグニッションコイ
ル,及び点火プラグ等から構成されている。そして、こ
のような点火系機器29とインジェクタ27は、実際に
はエンジン1の各気筒毎に夫々対応して設けられている
が、図1では1つのみ示している。
【0037】また更に、エンジン1には、その出力軸1
aの回転角度、即ちエンジン1のクランク軸の回転角度
(以下、クランク回転角度という)θC 及び気筒位置
や、エンジン1の実際の回転数(以下、実回転数とい
う)NEn等を検出するための回転系センサとして、エ
ンジン1の出力軸1aが所定角度回転する毎にパルス信
号を出力する回転角センサ31と、上記出力軸1aが予
め定められた回転角度位置となる毎に気筒判別用のパル
ス信号を出力する気筒判別センサ32とが設けられてい
る。そして、その回転角センサ31と気筒判別センサ3
2からの各パルス信号は、エンジンECU19に入力さ
れる。
【0038】一方、M/G3,5の各々には、ロータの
ステータに対する相対回転角度(以下、ロータ回転角度
という)θR や、ロータの回転数を検出するためのロー
タ位置検出センサ33,35が設けられており、各ロー
タ位置検出センサ33,35からの信号は、M/G・E
CU17に入力される。
【0039】また、本実施形態のハイブリッド型車両に
は、メインバッテリ12の実際の電圧Vを検出するため
の電圧センサ37と、メインバッテリ12に流れる実際
の電流Iを検出するための電流センサ39とが設けられ
ており、両センサ37,39からの信号も、M/G・E
CU17に入力される。
【0040】また更に、図示はされていないが、M/G
・ECU17には、車両運転者により操作されるアクセ
ルペダルの踏込量(以下、アクセル踏込量という)PA
を検出するアクセルセンサ,当該車両の走行速度(即
ち、車速)vを検出する車速センサ,及び車両のブレー
キペダルが操作されたことを検出するブレーキセンサな
ど、当該車両の運転状態を検出するための各種センサか
らの信号も入力されている。
【0041】尚、本実施形態では、メインバッテリ12
の直流電圧が、DC/DCコンバータ41により所定の
電源電圧(例えば12V)に降圧されてサブバッテリ4
3に供給される。そして、M/G・ECU17及びエン
ジンECU19は、車両のイグニッションスイッチ(図
示省略)がオンされると、上記サブバッテリ43からの
電力により動作するようになっている。
【0042】このような本実施形態のハイブリッド型車
両においては、メインバッテリ12を電力源とするM/
G5の出力軸5aから駆動軸8及びディファレンシャル
ギヤ9を介して車輪11R,11Lに駆動力が伝達され
るのであるが、M/G5の出力軸5aは、前述したよう
に、遊星ギヤユニット7を介してM/G3及びエンジン
1の各出力軸3a,1aに接続されているため、車輪1
1R,11Lへの駆動力或いは車輪11R,11Lから
の減速力は、各M/G3,5とエンジン1とに分担され
る。換言すれば、エンジン1の出力と各M/G3,5の
出力とが、遊星ギヤユニット7により合成されて、駆動
軸8及びディファレンシャルギヤ9を介し車輪11R,
11Lに伝達される。
【0043】そこで、M/G・ECU17が、メインバ
ッテリ12の充電状態及び遊星ギヤユニット7のギヤ比
や、車速センサ及びアクセルセンサ等から検出される車
両の運転状態(車速vやアクセル踏込量PA等)に基づ
き、各M/G3,5の回転数と出力トルク(電動モータ
として動作する際の出力トルク及び発電機として動作す
る際の回生トルク)を決定して、各M/G3,5への3
相交流電流をインバータ13,15により制御すると共
に、エンジン1の目標出力(即ち、目標トルクTRQm
及び目標回転数NEm)を該エンジン1の燃費及びエミ
ッションが最良となるように決定し、更に、M/G・E
CU17は、エンジン1の出力軸1aに上記決定した目
標トルクTRQmが負荷として加わるように、M/G
3,5の出力を制御する。
【0044】また、エンジンECU19は、M/G・E
CU17から指令される上記目標出力に応じて、エンジ
ン1に対する燃料噴射制御及び点火時期制御を行うと共
に、回転角センサ31からのパルス信号に基づき検出さ
れるエンジン1の実回転数NEnが、M/G・ECU1
7から指令される上記目標回転数NEmとなるように、
DCモータ25を駆動してスロットル開度を制御し、こ
れにより、エンジン1の出力がM/G・ECU17によ
り決定された目標出力に制御される。
【0045】そして、このようなM/G・ECU17及
びエンジンECU19の動作により、各M/G3,5及
びエンジン1は、次のように制御される。即ち、M/G
・ECU17及びエンジンECU19は、停車時(車速
v=0時)には、エンジン1の運転及びM/G3,5の
作動を停止させ、アクセルペダルが踏み込まれたことを
検知すると、最初にM/G3,5の両方又は一方を電動
モータとして動作させて、その出力により車両を発進さ
せる。尚、この状態において、エンジン1は、燃料噴射
及び点火が実施されていないにも拘らずM/G3,5の
出力によって回転させられているモータリング状態とな
る。
【0046】そして、車速vが所定値(本実施形態では
20km/h)を越えると、エンジン1への燃料噴射及
び点火を開始して、エンジン1を「押しがけ」の如く始
動させ、以後は、エンジン1とM/G3,5とを、様々
な電力収支パターンで制御する。
【0047】例えば、メインバッテリ12が所定量以上
充電されており且つ走行負荷が小さければ、M/G5を
電動モータとして動作させて該M/G5の出力により車
両を走行させると共に、エンジン1の出力を用いM/G
3を発電機として動作させて、該M/G3によりメイン
バッテリ12を充電させる。そして、この状態で、走行
負荷が大きくなると、M/G5の出力で不足する駆動力
を、エンジン1の出力で補填させる。一方、メインバッ
テリ12が所定量以上放電して充電電力が減少している
場合には、エンジン1の出力でM/G5を介して車両を
走行させると共に、エンジン1の残りの出力を利用して
M/G3によりメインバッテリ12を充電させる、とい
った制御を行うこともある。
【0048】また、車速vが20km/hを下回ると、
エンジン1への燃料噴射及び点火を停止して、エンジン
1を非運転のモータリング状態にし、M/G3,5の両
方又は一方の出力のみにより車両を走行させる。そこで
次に、M/G・ECU17とエンジンECU19とで夫
々実行される処理について、図2〜図6を用いて説明す
る。
【0049】まず、M/G・ECU17は、イグニッシ
ョンスイッチがオンされて動作を開始すると、エンジン
1の目標出力(目標トルクTRQm及び目標回転数NE
m)を設定すると共に両M/G3,5を制御するため
に、図2の処理を繰り返し実行する。但し、図2は、両
M/G3,5のうち、M/G3を制御する処理部分につ
いて詳細に示している。
【0050】図2に示すように、M/G・ECU17が
処理の実行を開始すると、まずステップ(以下、単に
「S」と記す)S100にて、メインバッテリ12の充
放電収支Pnを算出する。尚、この充放電収支Pnは、
電圧センサ37と電流センサ39からの信号に基づき検
出されるメインバッテリ12の電圧Vと電流Iとの積
を、当該処理を前回実行してから今回実行するまでの時
間で積分することにより算出する。
【0051】そして、続くS110にて、アクセルセン
サや車速センサ等からの信号に基づき、アクセル踏込量
PAや車速v等の車両の運転状態を検出する。次に、続
くS120にて、上記S100で算出した充放電収支P
n(つまり、メインバッテリ12の充電状態)と、上記
S110で検出したアクセル踏込量PAや車速v等の車
両の運転状態とに応じて、例えば、アクセル踏込量PA
が大きいほど、また、メインバッテリ12の充電量が少
ないほど、エンジン1の出力が大きくなるように、エン
ジン1の目標出力を設定する。そして更に、この設定し
た目標出力を達成するためのエンジン1の目標トルクT
RQmと目標回転数NEmを、図3に示す最良燃費・エ
ミッション曲線Hに基づき設定し、その設定した目標ト
ルクTRQmと目標回転数NEmを、エンジンECU1
9へ送信する。
【0052】すると、エンジンECU19は、後述する
処理を実行することにより、当該M/G・ECU17か
らの上記目標トルクTRQmと目標回転数NEmに基づ
き、エンジン1の制御を行うこととなる。ここで、図3
に示す最良燃費・エミッション曲線Hは、エンジン1の
燃費及びエミッションが最良となる該エンジン1の出力
トルク(TRQ)と回転数(NE)との関係を表すもの
であり、M/G・ECU17内の図示しないROMにデ
ータ化して記憶されている。そして、上記S120で
は、設定した目標出力を達成可能な最良燃費・エミッシ
ョン曲線H上の出力トルクと回転数を、目標トルクTR
Qmと目標回転数NEmとして設定する。尚、図3にお
ける曲線Gは、エンジン1の等燃料消費率曲線(等燃費
曲線)であり、図3にて中心に位置する曲線Gほど、燃
費が良好なことを示している。
【0053】そして、M/G・ECU17は、続くS1
30にて、上記S120で設定した目標出力が「0」で
あるか否かを判定し、目標出力が「0」であれば、次の
S140にて、エンジンECU19へ、エンジン1に対
する燃料噴射及び点火を停止するか否かを指示するため
の噴射・点火カット要求XCUTを、停止を指示する方
のオン状態(論理値1)にして送信する。また逆に、上
記S120で設定した目標出力が「0」でなければ、S
145に移行して、エンジンECU19へ、噴射・点火
カット要求XCUTを、停止を指示しない方のオフ状態
(論理値0)にして送信する。
【0054】つまり、車速vが20km/h以下である
場合には、前述したようにエンジン1への燃料噴射及び
点火を行わないため、上記S120で設定されるエンジ
ン1の目標出力は「0」となる。そして、このような場
合には、エンジンECU19へ、噴射・点火カット要求
XCUTをオン状態にして送信するのである。
【0055】そして、M/G・ECU17は、上記S1
40かS145の処理を行った後、以下のS150〜S
192を実行することにより、M/G3について、電力
効率を決定する励磁電流と、出力トルクを決定するトル
ク電流とを算出すると共に、その励磁電流とトルク電流
に応じた3相交流電流をM/G3の励磁コイルに与え
て、M/G3の回転を制御する。
【0056】即ち、まずS150にて、上記S100で
算出した充放電収支Pnと上記S110で検出したアク
セル踏込量PAや車速v等の車両の運転状態とを、予め
ROMに記憶された関数f1 に代入することにより、M
/G3の目標回転数NMmを算出し、続くS160に
て、上記S100で算出した充放電収支Pnと、上記S
110で検出したアクセル踏込量PAや車速v等の車両
の運転状態と、上記S150で算出した目標回転数NM
mとを、予めROMに記憶された関数f2 に代入するこ
とにより、M/G3の目標トルク電流IQmを算出す
る。尚、上記関数f1 ,f2 は、遊星ギヤユニット7の
ギヤ比やメインバッテリ12の電力容量等に基づき設定
されている。
【0057】そして、続くS170にて、ロータ位置検
出センサ33からの信号に基づき、M/G3の実際の回
転数(ロータ回転数)NMnを検出し、更に続くS18
0にて、上記S170で検出したM/G3の回転数NM
nを、予めROMに記憶された関数f3 に代入すること
により、M/G3の制御に用いる制御励磁電流IMsを
算出する。
【0058】次に、S190にて、ロータ位置検出セン
サ33からの信号に基づき、M/G3のロータ回転角度
θR を検出する。そして、続くS192にて、上記S1
80で算出したM/G3の制御励磁電流IMsと、上記
S160で算出したM/G3の目標トルク電流IQm
と、上記S190で検出したM/G3のロータ回転角度
θR とに基づき、M/G3に供給すべき3相交流電流を
演算し、その3相交流電流がM/G3に供給されるよう
に、インバータ13へ指令を与える。
【0059】また、特に図示はしていないが、M/G・
ECU17は、M/G5を制御するために、上記S15
0〜S192と並行して、そのS150〜S192と同
様の処理を、M/G5についても実行している。具体的
に説明すると、まず、上記S100で算出した充放電収
支Pnと上記S110で検出したアクセル踏込量PAや
車速v等の車両の運転状態とを、予めROMに記憶され
た関数f1 ’に代入することにより、M/G5の目標回
転数NMmを算出し、更に、上記S100で算出した充
放電収支Pnと、上記S110で検出したアクセル踏込
量PAや車速v等の車両の運転状態と、上記算出したM
/G5の目標回転数NMmとを、予めROMに記憶され
た関数f2 ’に代入することにより、M/G5の目標ト
ルク電流IQmを算出する。
【0060】次に、ロータ位置検出センサ35からの信
号に基づき、M/G5の実際の回転数(ロータ回転数)
NMnを検出し、その検出したM/G5の回転数NMn
を、予めROMに記憶された関数f3 ’に代入すること
により、M/G5の制御励磁電流IMsを算出する。そ
して、ロータ位置検出センサ35からの信号に基づきM
/G5のロータ回転角度θR を検出し、その検出したロ
ータ回転角度θR と、上記算出したM/G5の制御励磁
電流IMs及び目標トルク電流IQmとに基づき、M/
G5に供給すべき3相交流電流を演算して、その3相交
流電流がM/G5に供給されるように、インバータ15
へ指令を与える。
【0061】そして、M/G・ECU17は、上記S1
50〜S192の処理及びそれと同様の処理により、M
/G3,5の回転を制御するべくインバータ13,15
へ指令を与えた後、S194にて、ロータ位置検出セン
サ33,35からの信号により現在把握しているM/G
3,5の回転数に基づき、エンジン1が回転しているか
否かを判定し、エンジン1が回転中であれば、次のS1
96にて、エンジンECU19へ、エンジン1が回転中
であるか否かを知らせるためのエンジン回転中データX
KAIを、回転中であることを示す方のオン状態(論理
値1)にして送信する。また逆に、上記S194でエン
ジン1が回転していないと判定した場合には、S198
に移行して、エンジンECU19へ、エンジン回転中デ
ータXKAIを、回転中でないことを示す方のオフ状態
(論理値0)にして送信する。
【0062】つまり、エンジン1とM/G3,5の各出
力軸1a,3a,5aは、遊星ギヤユニット7を介して
互いに接続されているため、M/G・ECU17は、M
/G3,5の回転状態によってエンジン1の回転数を知
ることができる。そこで、M/G・ECU17は、エン
ジン1が回転しているか否かを、エンジンECU19へ
エンジン回転中データXKAIによって知らせるように
している。
【0063】そして、M/G・ECU17は、上記S1
96かS198の処理を行った後、前述したS100の
処理へ戻る。一方、エンジンECU19は、イグニッシ
ョンスイッチがオンされて動作を開始すると、エンジン
1の出力をM/G・ECU17により決定された目標出
力に制御するために、図4の処理を所定時間毎に繰り返
し実行する。
【0064】即ち、まずS200にて、M/G・ECU
17から前述の如く送信されて来る目標回転数NEm及
び目標トルクTRQmを受信し、続くS210にて、回
転角センサ31からのパルス信号に基づき、エンジン1
の実回転数NEnを検出する。
【0065】そして、続くS220にて、S210で検
出したエンジン1の実回転数NEnが、上記S200で
受信した目標回転数NEmとなるように、DCモータ2
5を駆動してスロットル開度を制御する。そして更に、
続くS230とS240にて、上記S200で受信した
目標トルクTRQmや、上記S220で制御している現
在のスロットル開度(延いては、エンジン1の吸入空気
量)及びエンジン1の実回転数NEn等に基づき、エン
ジン1の点火時期と燃料噴射量を夫々演算し、その後、
当該処理を一旦終了する。
【0066】尚、上記S200の実行時に、M/G・E
CU17から新たな目標回転数NEm及び目標トルクT
RQmが送信されていない場合には、そのままS210
に進み、前回に受信した最新の目標回転数NEm及び目
標トルクTRQmを用いて、S220〜S240の処理
を実行する。
【0067】また、エンジンECU19は、気筒判別セ
ンサ32から出力される気筒判別用のパルス信号を基準
にして回転角センサ31からのパルス信号をカウントす
ることにより、エンジン1のクランク回転角度θC を検
出している。そして、こうして検出されるクランク回転
角度θC が所定角度となる毎に、図5(A)の点火制御
処理と図5(B)の噴射制御処理とを夫々実行して、上
記S230,S240で算出した点火時期と燃料噴射量
に基づき、エンジン1に対する点火と燃料噴射を実施す
る。
【0068】即ち、図5(A)に示すように、エンジン
ECU19は、点火制御処理の実行を開始すると、まず
S300にて、M/G・ECU17から前述の如く送信
されて来る噴射・点火カット要求XCUTがオン状態
(論理値1)であるか否かを判定し、噴射・点火カット
要求XCUTがオン状態でない場合には、続くS310
にて、エンジン1への燃料噴射及び点火を禁止するか否
かを示す運転禁止フラグXSTOPが、禁止を示すオン
状態(論理値1)であるか否かを判定する。
【0069】そして、運転禁止フラグXSTOPがオン
状態でなければ、続くS320にて、図4のS230で
算出した点火時期が到来した時に点火系機器29へ点火
指令信号を出力して、エンジン1への点火を実施し、そ
の後、当該点火制御処理を終了する。
【0070】これに対して、上記300で噴射・点火カ
ット要求XCUTがオン状態であると判定した場合(S
300:YES)、或いは、上記S310で運転禁止フ
ラグXSTOPがオン状態であると判定した場合(S3
10:YES)には、エンジン1への点火を実施するこ
となく、当該点火制御処理をそのまま終了する。
【0071】また、図5(B)に示すように、エンジン
ECU19は、噴射制御処理の実行を開始すると、まず
S400にて、M/G・ECU17からの噴射・点火カ
ット要求XCUTがオン状態(論理値1)であるか否か
を判定し、噴射・点火カット要求XCUTがオン状態で
ない場合には、続くS410にて、運転禁止フラグXS
TOPがオン状態(論理値1)であるか否かを判定す
る。
【0072】そして、運転禁止フラグXSTOPがオン
状態でなければ、続くS420にて、図4のS240で
算出した燃料噴射量に相当する時間だけインジェクタ2
7へ駆動信号を出力して、エンジン1への燃料噴射を実
施し、その後、当該噴射制御処理を終了する。
【0073】これに対して、上記400で噴射・点火カ
ット要求XCUTがオン状態であると判定した場合(S
400:YES)、或いは、上記S410で運転禁止フ
ラグXSTOPがオン状態であると判定した場合(S4
10:YES)には、エンジン1への燃料噴射を実施す
ることなく、当該噴射制御処理をそのまま終了する。
【0074】ここで、回転角センサ31と気筒判別セン
サ32に異常が生じると、図5の点火制御処理と噴射制
御処理とを適切なタイミングで実行することができず、
その結果、エンジン1への燃料噴射タイミングと点火タ
イミングが狂ってしまい、エンジン1の排気管から未燃
焼ガスが放出されたり、車両のドライバビリティが悪化
してしまう。
【0075】そこで、エンジンECU19は、回転角セ
ンサ31と気筒判別センサ32が正常であるか否かの故
障診断を行うと共に、その故障診断による異常検出時に
フェイルセーフ動作を行うために、図6に示す回転系セ
ンサ異常検出処理を実行している。尚、本実施形態にお
いて、回転系センサとは、回転角センサ31と気筒判別
センサ32の総称である。
【0076】即ち、図6に示すように、エンジンECU
19は、イグニッションスイッチがオンされて動作を開
始すると、まずS500にて、前述した点火制御処理の
S310及び噴射制御処理のS410で参照される運転
禁止フラグXSTOPをオン状態(論理値1)に初期設
定して、エンジン1に対する燃料噴射及び点火の実施を
禁止すると共に、回転系センサ31,32の故障診断を
完了したか否かを示す故障診断完了フラグXCHKを、
未完了を示すオフ状態(論理値0)に初期設定する。
【0077】次に、S510にて、M/G・ECU17
からの噴射・点火カット要求XCUTがオン状態である
か否かを判定し、噴射・点火カット要求XCUTがオン
状態であれば、図5の噴射制御処理及び点火制御処理に
よりエンジン1への燃料噴射及び点火が実施されていな
い機関非運転状態であると判断して、S520に進む。
【0078】そして、このS520にて、故障診断完了
フラグXCHKがオン状態(論理値1)であるか否かを
判定し、故障診断完了フラグXCHKがオン状態でなけ
れば(オフ状態であれば)、回転系センサ31,32の
故障診断を完了していないと判断して、S530に進
み、運転禁止フラグXSTOPをオン状態に設定した
後、続くS540にて、エンジン1が回転しているか否
かを、M/G・ECU17からのエンジン回転中データ
XKAIによって判定する。つまり、S540では、エ
ンジン回転中データXKAIがオン状態であれば、エン
ジン1が回転していると判定し、エンジン回転中データ
XKAIがオフ状態であれば、エンジン1が回転してい
ないと判定する。
【0079】ここで、上記S540でエンジン1が回転
していないと判定した場合には、同じ判定処理を繰り返
すこととなるが、S540でエンジン1が回転している
と判定すると、エンジン1がモータリング状態であると
判断して、S550に進む。そして、このS550に
て、上記S540でエンジン1が回転していると判定し
た時点から所定時間(例えば1秒間)の間に、回転角セ
ンサ31と気筒判別センサ32との各々からパルス信号
が出力されたか否かを判定し、両センサ31,32から
パルス信号が出力されたならば、その回転系センサ3
1,32が正常であると判断して、S560に進み、運
転禁止フラグXSTOPをオフ状態(論理値0)に設定
して、図5の噴射制御処理及び点火制御処理によるエン
ジン1への燃料噴射及び点火を許可する。
【0080】これに対し、上記S550にて、回転角セ
ンサ31と気筒判別センサ32との両方或いは一方から
パルス信号が出力されないと判定した場合には、回転系
センサ31,32が異常であると判断して、運転禁止フ
ラグXSTOPをオフ状態に設定することなく、そのま
まS570に移行する。そして、このS570にて、車
両のメータパネル内に配置された異常警告灯を点灯させ
たり、車室内のディスプレイにエンジン1の異常を報知
するためのメッセージを表示する、といった異常表示処
理を行い、続くS580にて、M/G・ECU17へリ
ンプホーム要求を送信する。尚、リンプホーム要求と
は、M/G・ECU17の動作モードを、M/G3,5
の出力だけで車両を走行させるフェイルセーフ時の制御
モード(リンプホームモード)へ移行させるための要求
である。
【0081】そして、上記S580でM/G・ECU1
7へリンプホーム要求を送信した後、或いは、上記S5
60で運転禁止フラグXSTOPをオフ状態に設定した
後、S590に移行して、故障診断完了フラグXCHK
をオン状態に設定し、その後、S510に戻る。
【0082】一方、上記S510でM/G・ECU17
からの噴射・点火カット要求XCUTがオン状態でない
と判定した場合には(S510:NO)、S600に移
行して、故障診断完了フラグXCHKをオフ状態に設定
し、その後、再びS510に戻る。また、上記S520
で故障診断完了フラグXCHKがオン状態であると判定
した場合には、そのままS510に戻る。
【0083】そして、このような図6の回転系センサ異
常検出処理により、本実施形態のハイブリッド型車両で
は、エンジン1の回転系センサ31,32に対する故障
診断が以下のように実施されることとなる。まず、車速
vが20km/h以下である場合には、M/G・ECU
17からエンジンECU19への噴射・点火カット要求
XCUTがオン状態となるため、イグニッションスイッ
チのオンに伴い図6の回転系センサ異常検出処理の実行
が開始された直後には、S510にて、噴射・点火カッ
ト要求XCUTがオン状態である(即ち、図5の噴射制
御処理及び点火制御処理によりエンジン1への燃料噴射
及び点火が実施されていない機関非運転状態である)と
肯定判定されることとなる(S510:YES)。
【0084】そして、S510で最初に肯定判定された
時点においては、故障診断完了フラグXCHKがS50
0での初期設定によりオフ状態となっているため、S5
20で否定判定される(即ち、回転系センサ31,32
の故障診断を完了していないと判定される)。
【0085】すると、まずS530にて、運転禁止フラ
グXSTOPがオン状態に設定され、これにより、仮に
M/G・ECU17からエンジンECU19への噴射・
点火カット要求XCUTがオフ状態に変化しても、図5
の噴射制御処理及び点火制御処理にてエンジン1への燃
料噴射(S420)及び点火(S320)が実施される
ことが禁止される。尚、本実施形態では、運転禁止フラ
グXSTOPをS500でオン状態に初期設定している
が、これは、イグニッションスイッチがオンされてから
S530の処理が行われるまでの間に、万一、M/G・
ECU17からの噴射・点火カット要求XCUTがオフ
状態に変化しても、エンジン1への燃料噴射及び点火が
実施されないようにするためである。
【0086】そして、その後、運転者によりアクセルペ
ダルが踏み込まれて、電動モータとして駆動制御される
M/G3,5の両方又は一方の出力により車両が発進
し、エンジン1がモータリング状態になると、S540
にて、エンジン1が回転していると肯定判定される(S
540:YES)。
【0087】すると、S550にて、回転系センサ3
1,32に対する故障診断が行われる。即ち、所定時間
の間に回転系センサ31,32からパルス信号が出力さ
れるか否かが判定され、回転系センサ31,32からパ
ルス信号が正常に出力されたならば、回転系センサ3
1,32が正常であると判断される(S550:YE
S)。
【0088】そして、このように正常と判断された場合
には、運転禁止フラグXSTOPがオフ状態に設定され
(S560)、これにより、M/G・ECU17からエ
ンジンECU19への噴射・点火カット要求XCUTが
オフ状態となった際の、図5の処理によるエンジン1へ
の燃料噴射及び点火が許可される。
【0089】また、回転系センサ31,32からパルス
信号が出力されなければ、回転系センサ31,32が異
常であると判断されて(S550:NO)、異常表示
(S570)と、M/G・ECU17へのリンプホーム
要求の送信(S580)とが行われるが、このように異
常と判断された場合には、運転禁止フラグXSTOPが
オン状態のままとなる。よって、その後、M/G・EC
U17からエンジンECU19への噴射・点火カット要
求XCUTがオフ状態になったとしても、図5の処理に
よるエンジン1への燃料噴射及び点火は行われなくな
る。
【0090】このようにして回転系センサ31,32に
対する故障診断が完了すると、S590にて、故障診断
完了フラグXCHKがオン状態に設定されるため、次回
に、S510で肯定判定されても、S520で肯定判定
されて(即ち、故障診断を完了したと判定されて)、回
転系センサ31,32の故障診断は行われない。
【0091】一方、その後、車速vが20km/hを越
えて、M/G・ECU17からエンジンECU19への
噴射・点火カット要求XCUTがオン状態からオフ状態
になると、S510で否定判定され(S510:N
O)、S600で故障診断完了フラグXCHKがオフ状
態に設定される。よって、噴射・点火カット要求XCU
Tがオン状態からオフ状態になると、S510とS60
0との処理が繰り返されると共に、前回の故障診断によ
り回転系センサ31,32が正常であると判断されてい
るならば(S550:YES,S560)、図5の処理
によってエンジン1への燃料噴射及び点火が実施される
こととなる。
【0092】そして、その後、車速vが20km/h以
下となり、M/G・ECU17からエンジンECU19
への噴射・点火カット要求XCUTがオフ状態からオン
状態になると、再びS510で肯定判定されると共にS
520で否定判定され、更にS530で運転禁止フラグ
XSTOPがオン状態に設定された後、S540で肯定
判定されて、S550の処理により回転系センサ31,
32に対する故障診断が行われることとなる。
【0093】つまり、図6の回転系センサ異常検出処理
では、エンジン1がモータリング状態になった時毎(詳
しくは、イグニッションスイッチがオンされて最初にモ
ータリング状態になった時と、燃料噴射及び点火の実施
されている機関運転状態からモータリング状態に変化し
た時毎)に、回転系センサ31,32の故障診断を1回
ずつ行うようにしている。
【0094】尚、本実施形態では、M/G・ECU17
で実行される図2の処理と、エンジンECU19で実行
される図4及び図5の処理が、動力源制御手段に相当し
ている。そして、図6のS510が、制御状態判定手段
に相当し、図6のS540と図2のS194,S19
6,及びS198が、回転状態判定手段に相当してお
り、それら全て(即ち、図6のS510,S540と図
2のS194〜S198)が、モータリング状態判定手
段に相当している。また、図6のS550が、異常検出
手段に相当し、図6のS530及びS560が、機関運
転禁止手段に相当している。
【0095】以上詳述したように、本実施形態のM/G
・ECU17及びエンジンECU19では、エンジン1
がモータリング状態であると判定すると(S510及び
S540:YES)、回転系センサ31,32からパル
ス信号が正常に出力されるか否かを判定し(S55
0)、回転系センサ31,32が異常であると判定した
場合には、エンジン1への燃料噴射及び点火が行われな
いようにしている(S530,S550:NO)。つま
り、エンジン1が始動される前には必ずモータリング状
態になるという点に着目して、そのモータリング状態の
場合に、回転系センサ31,32からパルス信号が正常
に出力されるか否かを判定するようにしている。
【0096】よって、本実施形態のECU17,19に
よれば、ハイブリッド型車両において、エンジン1を始
動させるべく燃料噴射及び点火が開始される前に、予め
回転系センサ31,32の良否を判定することができ、
その結果、回転系センサ31,32に異常が発生してい
るにも拘らずエンジン1への燃料噴射及び点火が実施さ
れてしまうことを、未然に防止することができる。
【0097】従って、回転系センサ31,32の異常に
伴いエンジン1から未燃焼ガスが放出されてしまうこと
を確実に防止でき、ハイブリッド型車両によって得られ
る環境汚染の抑制効果を、より大きなものにすることが
できる。また、回転系センサ31,32の異常に伴う不
適切なタイミングでのエンジン1への燃料噴射及び点火
が未然に防止されるため、車両のドライバビリティが悪
化してしまうことも無い。つまり、エンジン1への燃料
噴射及び点火が行われない状態のままで、M/G3,5
の出力のみによる車両走行が可能だからである。
【0098】しかも、本実施形態では、図6の回転系セ
ンサ異常検出処理において、エンジン1への燃料噴射及
び点火が実施されていない状態であるか否かをS510
で判定すると共に、エンジン1が回転しているか否かを
S540で判定し、その両方の判定で肯定判定すると、
エンジン1がモータリング状態であると判断するように
しているが、S510で肯定判定すると(S510:Y
ES)、運転禁止フラグXSTOPをオン状態にして、
図5の処理によりエンジン1への燃料噴射及び点火が実
施されることを禁止している(S530)。そして、S
550で回転系センサ31,32が正常であると判断す
れば(S550:YES)、運転禁止フラグXSTOP
をオフ状態に戻して、図5の処理による燃料噴射及び点
火の実施を許可し(S560)、そうでなければ(S5
50:NO)、運転禁止フラグXSTOPをオン状態の
ままにしている。
【0099】よって、図6のS550で回転系センサ3
1,32の正常/異常を判定している最中に、万一、M
/G・ECU17からエンジンECU19への噴射・点
火カット要求XCUTがオン状態からオフ状態に変化し
ても、エンジン1への燃料噴射及び点火が開始されてし
まうことがなく、その結果、回転系センサ31,32に
異常が生じているにも拘らずエンジン1への燃料噴射及
び点火が行われてしまう小さな可能性をも、排除するこ
とができる。
【0100】つまり、図6において、運転禁止フラグX
STOPをオン状態に設定するS530の処理は、S5
20とS540との間ではなく、S550で回転系セン
サ31,32が異常であると判定した場合(例えばS5
70の直前)に実行するようにしても良いが、このよう
にすると、S550で回転系センサ31,32の正常/
異常を判定している最中に、M/G・ECU17からエ
ンジンECU19への噴射・点火カット要求XCUTが
オン状態からオフ状態に変化すると、図5の処理により
エンジン1への燃料噴射及び点火が開始されてしまう可
能性がある。そして、その場合に、回転系センサ31,
32に異常が生じていると、若干ではあるものの未燃焼
ガスが放出されてしまう虞がある。
【0101】これに対し、本実施形態では、エンジン1
がモータリング状態である場合に、エンジン1への燃料
噴射及び点火が開始されることを予め禁止した状態にし
て、回転系センサ31,32の正常/異常を判定するこ
ととなるため、未燃焼ガスの放出をより確実に防止する
ことができる。
【0102】尚、図6において、S530の処理は、S
520とS540との間ではなく、S540とS550
との間で実行するようにしても良い。つまり、このよう
にした場合には、モータリング状態であると判断した時
点(S540:YES)で、運転禁止フラグXSTOP
がオン状態に設定されて、エンジン1への燃料噴射及び
点火の開始が禁止されることとなる。そして、このよう
にしても、エンジン1がモータリング状態である場合
に、エンジン1への燃料噴射及び点火が開始されること
を禁止した状態にして、回転系センサ31,32の正常
/異常を判定することとなるため、未燃焼ガスの放出を
より確実に防止することができる。
【0103】但し、図6のように、S510で肯定判定
した時点で(S510:YES)、エンジン1の回転状
態に拘らず運転禁止フラグXSTOPをオン状態にして
おくようにすれば(S530)、有利な面がある。つま
り、車両発進時にエンジン1が最初に始動される場合に
は、エンジン1への燃料噴射及び点火が始めから実施さ
れていない状態で、エンジン1がM/G3,5の出力に
より回転され始め、その時点でモータリング状態となる
が、このような車両発進時において、エンジン1がモー
タリング状態になる前に、予めエンジン1への燃料噴射
及び点火を禁止しておくことができる。よって、回転系
センサ31,32の正常/異常の判定が完了する前にエ
ンジン1への燃料噴射及び点火が実施されてしまうこと
を、より確実に防止でき、延いては、回転系センサ3
1,32に異常が発生しているにも拘らずエンジン1へ
の燃料噴射及び点火が実施されてしまうことを、一層確
実に防止することができる。
【0104】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではな
く、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。例え
ば、上記実施形態では、図6のS550にて、回転系セ
ンサ31,32から所定時間内にパルス信号が出力され
たか否かを判定するようにしたが、M/G・ECU17
からエンジン1の現在の回転数を示すデータを送信して
もらい、予め定められた規定時間内に回転系センサ3
1,32から現在の回転数に見合った数のパルス信号が
出力されるか否かを判定するようにしても良い。そし
て、このようにすれば、回転系センサ31,32の故障
診断を、より正確に行うことができる。
【0105】また、上記実施形態では、エンジン1がモ
ータリング状態になる毎に、回転系センサ31,32の
故障診断を行うようにしたが、エンジンECU19に搭
載されるマイクロコンピュータの処理負荷を軽減するた
めに、例えば、回転系センサ31,32の故障診断は、
イグニッションスイッチがオンされてからエンジン1が
最初にモータリング状態になった場合だけ行うようにし
ても良い。尚、このようにするには、図6におけるS6
00の処理(故障診断完了フラグXCHKをオフ状態に
戻す処理)を削除すれば良い。
【0106】また更に、上記実施形態において、エンジ
ン1が通常運転されている最中にも、回転系センサ3
1,32の正常/異常を判断するようにしても良い。
尚、この場合、エンジンECU19は、例えば、エンジ
ン1の運転中にて、予め定められた時間以内に回転系セ
ンサ31,32からパルス信号が出力されなければ、回
転系センサ31,32が異常であると判断して即座に運
転禁止フラグXSTOPをオン状態にする、といった処
理を行えば良い。
【0107】一方、上記実施形態において、エンジン1
を故意にモータリング状態にして、回転系センサ31,
32の故障診断を行うようにしても良い。具体的には、
まず、M/G・ECU17は、エンジンECU19から
のモータリング要求を受信すると、M/G3,5によっ
て即座にエンジン1を回転させる、といった処理を行う
ようにしておく。
【0108】そして、エンジンECU19は、エンジン
1への燃料噴射及び点火を実施していない場合に、M/
G・ECU17へ上記モータリング要求を送信して、所
定時間以内に回転系センサ31,32からパルス信号が
出力されるか否かを判定し、回転系センサ31,32か
らパルス信号が出力されなければ、異常であると判断し
て、その後はエンジン1への燃料噴射及び点火を行わな
いようにすれば良い。
【0109】尚、この場合、エンジンECU19は、図
6のS530〜S580と同様に、運転禁止フラグXS
TOPをオン状態にしてから、M/G・ECU17へモ
ータリング要求を送信し、回転系センサ31,32が正
常であると判断したならば、運転禁止フラグXSTOP
をオフ状態に戻すようにすれば、より効果的である。
【0110】また、上記実施形態は、パラレル・シリー
ズ型のハイブリッド型車両に本発明を適用したものであ
ったが、本発明は、エンジン1がモータリング状態から
始動される他のハイブリッド型車両に対しても、同様に
適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のハイブリッド型車両を表わす概略
構成図である。
【図2】 モータ/ジェネレータ制御装置で実行される
処理を表すフローチャートである。
【図3】 エンジンの目標トルク及び目標回転数を設定
するために用いられる最良燃費・エミッション曲線Hを
説明する説明図である。
【図4】 エンジン制御装置でエンジンの出力を目標出
力に制御するために実行される処理を表すフローチャー
トである。
【図5】 エンジン制御装置で実行される点火制御処理
及び噴射制御処理を表すフローチャートである。
【図6】 エンジン制御装置で実行される回転系センサ
異常検出処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン 3,5…モータ/ジェネレータ(M/
G) 7…遊星ギヤユニット CR…キャリア R…リン
グギヤ SN…サンギヤ 8…駆動軸 9…ディファレンシ
ャルギヤ 11R,11L…車輪 12…メインバッテリ 1
3,15…インバータ 17…モータ/ジェネレータ制御装置(M/G・EC
U) 19…エンジン制御装置(エンジンECU) 21…
吸気経路 23…スロットル弁 25…DCモータ 27…イ
ンジェクタ 29…点火系機器 31…回転角センサ 32…気
筒判別センサ 33,35…ロータ位置検出センサ 37…電圧セン
サ 39…電流センサ 41…DC/DCコンバータ
43…サブバッテリ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 29/02 321 F02D 29/02 321B 41/22 325 41/22 325K 43/00 301 43/00 301H 301A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行動力源として内燃機関と電動モータ
    とを備えると共に、車輪を駆動する駆動軸に前記内燃機
    関の出力と前記電動モータの出力とを合成して伝達させ
    る動力伝達機構を有し、前記内燃機関は、燃料噴射及び
    点火が実施されていないにも拘らず前記電動モータの出
    力によって回転させられているモータリング状態にて、
    該内燃機関への燃料噴射及び点火が開始されることによ
    り始動されるハイブリッド型車両に用いられ、 前記車両の運転状態に応じて前記電動モータと前記内燃
    機関とを制御すると共に、前記内燃機関の始動時及び運
    転時には、前記内燃機関の回転に同期してパルス信号を
    出力する回転系センサからの前記パルス信号に応じて前
    記内燃機関への燃料噴射及び点火を行う動力源制御手段
    を備えたハイブリッド型車両の制御装置において、 前記内燃機関が前記モータリング状態であるか否かを判
    定するモータリング状態判定手段と、 該モータリング状態判定手段により前記内燃機関が前記
    モータリング状態であると判定されると、前記回転系セ
    ンサから前記パルス信号が正常に出力されるか否かを判
    定する異常検出手段と、 該異常検出手段により前記回転系センサから前記パルス
    信号が正常に出力されないと判定された場合に、前記動
    力源制御手段による前記内燃機関への燃料噴射及び点火
    が行われないようにする機関運転禁止手段と、 を備えたことを特徴とするハイブリッド型車両の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のハイブリッド型車両の
    制御装置において、 前記モータリング状態判定手段は、 前記動力源制御手段が前記内燃機関への燃料噴射及び点
    火を実施していない状態であるか否かを判定する制御状
    態判定手段と、前記電動モータの回転状態に基づき前記
    内燃機関が回転しているか否かを判定する回転状態判定
    手段とを備え、前記制御状態判定手段と前記回転状態判
    定手段との両方により肯定判定されると、前記内燃機関
    が前記モータリング状態であると判定すること、 を特徴とするハイブリッド型車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のハイブリ
    ッド型車両の制御装置において、 前記機関運転禁止手段は、 前記モータリング状態判定手段により前記内燃機関が前
    記モータリング状態であると判定されると、前記動力源
    制御手段が前記内燃機関への燃料噴射及び点火を行うこ
    とを禁止し、その後、前記異常検出手段により前記回転
    系センサから前記パルス信号が正常に出力されると判定
    されれば、前記動力源制御手段が前記内燃機関への燃料
    噴射及び点火を行うことを許可すること、 を特徴とするハイブリッド型車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のハイブリッド型車両の
    制御装置において、 前記機関運転禁止手段は、 前記制御状態判定手段により肯定判定されると、前記動
    力源制御手段が前記内燃機関への燃料噴射及び点火を行
    うことを禁止し、その後、前記異常検出手段により前記
    回転系センサから前記パルス信号が正常に出力されると
    判定されれば、前記動力源制御手段が前記内燃機関への
    燃料噴射及び点火を行うことを許可すること、 を特徴とするハイブリッド型車両の制御装置。
  5. 【請求項5】 走行動力源として内燃機関と電動モータ
    とを備えると共に、車輪を駆動する駆動軸に前記内燃機
    関の出力と前記電動モータの出力とを合成して伝達させ
    る動力伝達機構を有し、前記内燃機関は、燃料噴射及び
    点火が実施されていないにも拘らず前記電動モータの出
    力によって回転させられているモータリング状態にて、
    該内燃機関への燃料噴射及び点火が開始されることによ
    り始動されるハイブリッド型車両に用いられ、 前記内燃機関の回転に同期してパルス信号を出力する回
    転系センサが正常であるか否かを検査する回転系センサ
    異常検出方法であって、 前記内燃機関が前記モータリング状態である場合に、前
    記回転系センサから前記パルス信号が正常に出力される
    か否かを判定すること、 を特徴とするハイブリッド型車両用内燃機関の回転系セ
    ンサ異常検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のハイブリッド型車両用
    内燃機関の回転系センサ異常検出方法において、 前記内燃機関が前記モータリング状態である場合に、前
    記内燃機関への燃料噴射及び点火が開始されることを禁
    止した状態にして、前記回転系センサから前記パルス信
    号が正常に出力されるか否かを判定すること、 を特徴とするハイブリッド型車両用内燃機関の回転系セ
    ンサ異常検出方法。
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