JPH11293586A - ガス絶縁用のプレスボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びその製造方法 - Google Patents

ガス絶縁用のプレスボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11293586A
JPH11293586A JP10112398A JP10112398A JPH11293586A JP H11293586 A JPH11293586 A JP H11293586A JP 10112398 A JP10112398 A JP 10112398A JP 10112398 A JP10112398 A JP 10112398A JP H11293586 A JPH11293586 A JP H11293586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
phenol resin
press board
paper
para
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10112398A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiro Okano
史寛 岡野
Yasuo Takahashi
康雄 高橋
Mamoru Murata
守 村田
Yoshihisa Kato
由久 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP10112398A priority Critical patent/JPH11293586A/ja
Publication of JPH11293586A publication Critical patent/JPH11293586A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低誘電率、高耐熱性、低吸湿性、耐圧縮性及び
高温雰囲気下での強度維持が優れているガス絶縁用プレ
スボード及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】パラ系芳香族ポリアミド繊維(A)と、未
硬化型フェノール樹脂繊維(B)と、未硬化型フェノー
ル樹脂繊維に対する硬化剤(C)からなる乾紙が積層さ
れたガス絶縁用プレスボードであって、その構成比はA
とBの合計重量に対し、Aが50〜80%、Bが20〜
50%、Aの重量に対してCが10〜20%であるガス
絶縁用プレスボード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた耐熱性、電気
絶縁性、耐圧縮性を有し、SF6ガス等のガス絶縁変圧
器に用いられるボード用乾紙とプレスボード及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来長期に亘り、電力用変圧器、リアク
ターなどの高電圧、大電力用変電機器における内部絶縁
材料として、木材パルプや木綿繊維から抄造された湿紙
を積層し、これを乾燥一体化して製造したプレスボード
が広く使用されている。近年電力需用の増大から益々高
電圧化、大容量化される趨勢にある。これら高電圧、大
電力用変電機器における内部絶縁の合理化及び高電圧
化、大容量化にともなう機器寸法の大形化を逓減する観
点などから、プレスボードなどの内部絶縁材料には低誘
電率化及び高耐熱性化が要求されているが、木材繊維で
プレスボードを作成した場合、誘電率4.5、耐熱性A種と
なりSF6等によるガス絶縁用には不向きとなる。そこ
で、これに応ずるために木材繊維を使用せずに耐熱繊維
を使用する試みが各所で提案されている。(特開平9ー31
883、特公平8-21270)
【0003】然しながら、使用される耐熱繊維は比誘電
率が低ければ良いというわけではなく、プレスボードの
製造中或いは使用中を通じてそれ自体が安定に保持され
るためには耐熱繊維同士の結合性を有し、しっかりと交
絡し合っている必要がある。交絡を起こしやすくするた
め、フィブリル化された耐熱性繊維として”KEVLAR(デ
ュポン社)”、或いは”TWARON(日本アラミド社)”な
どの例がみられるが、これらはパラ系芳香族ポリアミド
からなる繊維であるため、それ自身或いは他の耐熱繊維
との相互間に接着性が無い結果、そのままでは高密度製
造が不可能である。
【0004】またそれ自身あるいは耐熱繊維との相互間
で接着性が認められるパルプ状の耐熱繊維として上市さ
れているものに”NOMEX(デュポン社)”、”CO
NEX(帝人社)”が有り、これらはメタ系アラミド樹
脂からなる繊維で、それ自身あるいは他の耐熱繊維との
相互間で接着性は見られるものの、繊維の形状が大粒で
あり、耐熱繊維と相互に均一に分散混合させる(この条
件は電界vs比誘電率の関係から、プレスボードの高電
圧機器中での使用に際し、ボードのトータルな耐熱強度
維持の他に、その機器の絶縁性能に大きく影響する問題
である。)には、メタ系芳香族ポリアミド繊維の表面積
を拡張させるための特別な前処理が必要であり、そのた
めプレスボード製造のコストを大幅にプッシュ・アップ
する結果を来すうえに、フィルム状に展開された耐熱性
繊維がボードを構成する繊維交絡体を部分的に被覆密閉
する形となるため、ボードの厚さ方向の通気性が著しく
阻害される結果、ボードの含浸性が大幅に悪くなる。
【0005】又一方で、特にビルの地下など建屋内に設
置されるケースの多い配電用機器においては不慮の事故
などにより引き起こされる火災を防止するため、不燃化
構造とすることが必要で、これら機器の不燃化対策の一
つとして従来の油絶縁から、SF6ガスによるガス絶縁の
利用が拡大しつつあり、これと機器の寸法小形化を推進
する目的を両立させる必要性が益々強まって来ており、
使用される内部絶縁材料にも、単に低誘電率性のみでは
なく高耐熱性、ガス又は液体絶縁材料の含浸性、更に耐
圧縮性を合わせ持ったプレスボードの出現が期待されて
いる。このようにガス絶縁用のプレスボードにはF種の
耐熱性が求められており、メタ系芳香族ポリアミド繊維
を使用したボードはある程度高耐熱性を満足する。しか
しながらこのものはシート間の接着力や高温雰囲気中で
の機械的強度が低いという欠点があった。また耐圧縮性
が悪いと短絡事故等において大きな圧力が加わった場
合、プレスボードが変形して大事故になる恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高耐熱性と合
わせて低誘電率、低吸湿性、高耐圧縮性及び高温雰囲気
下での強度(熱間強度)が優れているガス絶縁用のプレ
スボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
パラ系芳香族ポリアミド繊維(A)と、未硬化型フェノ
ール樹脂繊維(B)と、未硬化型フェノール樹脂繊維に
対する硬化剤(C)からなるプレスボード用乾紙であっ
て、その構成比はAとBの合計重量に対し、Aが50〜
90%、Bが10〜50%、Bの重量に対してCが10〜
30%であるガス絶縁用のプレスボード用乾紙に関する
ものである。本発明の第2の発明は、パラ系芳香族ポリ
アミド繊維(A)と、未硬化型フェノール樹脂繊維
(B)と、未硬化型フェノール樹脂繊維に対する硬化剤
(C)と溶融液晶性全芳香族ポリエステルのフィブリッ
ド(D)とからなるプレスボード用乾紙であって、その
構成比はAとBとDの合計重量に対し、Aが50〜90
%、Bが10〜50%、Dが0〜30%、Bの重量に対
してCが10〜30%であるガス絶縁用のプレスボード
用乾紙に関するものである。本発明の第3の発明は、上
記第1又は第2の発明に記載された乾紙を用いたプレス
ボードに関するものである。
【0008】本発明の第4の発明は、パラ系芳香族ポリ
アミド繊維と未硬化型フェノール樹脂繊維と場合により
溶融液晶性全芳香族ポリエステルフィブリッドを加えた
スラリーから湿紙を抄造し、湿紙に未硬化型フェノール
樹脂繊維に対する硬化剤を付与し、100〜150℃で
加熱処理するプレスボード用乾紙の製造方法に関するも
のである。本発明の第5の発明は、上記第4の発明にお
いて硬化剤は湿紙の抄造中、或いは抄造後に付与される
プレスボード用乾紙の製造方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においてはパラ系芳香族ポ
リアミド繊維に吸湿性の少ない未硬化型フェノール樹脂
繊維をバインダ繊維として用いることにより、プレスボ
ードとした場合の低吸湿性を可能とする。又、未硬化型
フェノール樹脂繊維に対して、硬化剤を付与することに
より、プレスボードを製造する加熱・加圧工程時に、未
硬化型フェノール樹脂繊維の硬化が進行し、高耐熱性が
得られる。更に加熱・加圧工程で未硬化型フェノール樹
脂繊維同士、あるいは未硬化型フェノール樹脂繊維とパ
ラ系芳香族ポリアミドが強固に結合するため耐圧縮性に
優れたプレスボードを得ることができる。また溶融液晶
性全芳香族ポリエステルフィブリッドを加えることによ
り、更にすぐれた低吸湿性が可能となる。
【0010】本発明で使用するパラ系芳香族ポリアミド
は軽量、高強度、高弾性、高耐熱性、耐化学薬品性等の
優れた特徴をもっている。ポリマーは一例をあげるとパ
ラフェニレンジアミンと塩化テレフタロイルとの縮重合
で得られ、剛直な棒状の分子構造によって優れた繊維特
性を示す。本発明に用いられるパラ系芳香族ポリアミド
繊維としては、一般的にパラフェニレンテレフタルアミ
ドやパラフェニレンジフェニールエーテルテレフタラミ
ドが用いられる。パラ系芳香族ポリアミド繊維はチョッ
プやフィブリッドの形で用いられる。
【0011】また本発明において未硬化型フェノール樹
脂繊維は、他の原料繊維と均一混合し抄造することが出
来るが、通常の水溶性フェノール樹脂やラテックス状あ
るいは粉末状のものでは、抄造中に流出したり均一に分
散することは困難であった。また、本発明で使用する未
硬化型フェノール樹脂繊維は軟化温度が60〜70℃と
低いため、軟化点付近になると強度が低下し、高温雰囲
気下においても使用されるガス絶縁用プレスボードには
不向きである。これを補うために本発明において化学的
硬化処理(ノボラック型のフェノール樹脂を硬化させ
る)により高温雰囲気下でも強度が保たれるようにす
る。
【0012】本発明に用いられる溶融液晶性全芳香族ポ
リエステルの原料のポリアリレートは一例をあげるとヒ
ドロキシナフトエ酸とヒドロキシ安息香酸の共重合の全
芳香族ポリエステルで溶融液晶ポリマーであり、紡糸時
に高配向するため、その繊維は超高強力・高耐熱性を示
し、又その化学構造のために非吸水で耐フロン性に優れ
ている。また耐熱性は、220〜260℃で長時間加熱
しても重量減少が少なく変色も殆ど見られない。また、
通常の製紙原料処理工程で用いられるレファイナーなど
の叩解機により、容易にフィブリル化することができ
る。本発明で使用されるポリエステルとしては、たとえ
ばベクトラン((株)クラレ製)の商品名で市販化されて
いるものがある。またパラ系芳香族ポリアミドを骨材繊
維とし溶融液晶性全芳香族ポリエステルをバインダー繊
維とした場合、高温雰囲気下での強度が維持できないこ
とから後に示す未硬化型フェノール樹脂繊維との併用が
不可欠である。
【0013】本発明においては、乾紙がパラ系芳香族ポ
リアミド繊維(A)と、未硬化型フェノール樹脂繊維
(B)と、未硬化型フェノール樹脂繊維に対する硬化剤
(C)からなる場合は、その構成比はAとBの合計重量
に対し、Aが50〜90%、Bが10〜50%、Bの重
量に対してCが10〜30%である。また乾紙がパラ系
芳香族ポリアミド繊維(A)と、未硬化型フェノール樹
脂繊維(B)と、未硬化型フェノール樹脂繊維に対する
硬化剤(C)と溶融液晶性全芳香族ポリエステルのフィ
ブリッド(D)とからなる場合は、その構成比はAとB
とDの合計重量に対し、Aが50〜90%、Bが10〜
50%、Dが0〜30%、Bの重量に対してCが10〜
30%である。ここで、パラ系芳香族ポリアミド繊維を
90%以上配合すると機械的強度(引張強度、圧縮歪
率)が悪くなり、50%に満たないと誘電率が高くな
る。溶融液晶性全芳香族ポリエステルフィブリッドを3
0%以上配合すると、高温雰囲気下での機械的強度が極
端に低下するだけでなく、高温プレスほどフィルム化す
るためガス含浸性(透気度で代用)が悪くなる。しかし
溶融液晶性全芳香族ポリエステルフィブリッドを配合す
ることで吸湿率が下がる点で有利である。また未硬化型
フェノール樹脂繊維を50%以上配合すると誘電率、ガ
ス含浸性が悪くなり、10%に満たないと機械的強度
(常態、熱間)が悪くなる。
【0014】本発明のガス絶縁用のプレスボード用乾紙
を製造するには、まずパラ系芳香族ポリアミド繊維と未
硬化型フェノール樹脂繊維と、場合により溶融液晶性全
芳香族ポリエステルフィブリッドを加えて混合した水性
スラリーから湿式抄造によって湿紙を抄造する。この湿
紙に未硬化型フェノール樹脂繊維に対して硬化剤を10
〜30%付与し、加熱乾燥処理して乾紙を製造する。硬
化剤は湿紙の抄造中、或いは抄造後に付与される。付与
の方法は散布、含浸、塗布等があり特に制限されない。
加熱乾燥処理の条件は100〜150℃が好ましい。湿
紙シートの加熱乾燥処理が100℃以下の場合、乾燥に
時間がかかり実機操業を考える上で不利である。また、
150℃を超えると未硬化型フェノール樹脂繊維の硬化
が進行し、ボード化する場合それ以上の温度でプレスし
ても乾紙シート同士の熱融着性が弱くなり、層間強度が
弱くなる。次に本発明の乾紙を用いてガス絶縁用プレス
ボードを製造するには、乾紙を必要枚数積層し、加熱・
加圧処理して一体化することによって製造することがで
きる。積層し、加熱・加圧処理する条件は、圧力10〜
80kg/cm2、温度150〜300℃が好ましい。この段
階でフェノール樹脂繊維の硬化が進行する。
【0015】
【実施例】以下実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】実施例1 絶乾70g相当量のパラ系芳香族ポリアミド繊維(商品名
トワロン1097;ろ水度600ml、平均繊維長1.4m
m)と絶乾30g相当量の未硬化型フェノール樹脂繊維
(商品名カイノール;単糸繊度2デニール、繊維長10
mm)を水2000ml中に分散させ、パルプ離解機に
て約10分間離解処理してスラリーとなし、水を加えなが
ら濃度が0.5%のスラリーを得た。得られたパラ系芳香族
ポリアミド繊維/未硬化型フェノール樹脂繊維スラリー
より、枚葉の米坪量約100g/m2に設定した湿紙を抄造
し、得られた湿紙に硬化剤(ヘキサメチレンテトラミ
ン)を未硬化型フェノール樹脂繊維に対して10%スプ
レーし、この湿紙をそれぞれ140℃で加熱しロールの
タッチ圧をかけて加圧し、本発明の乾紙を得た。次に得
られた乾紙を5枚積層した後、温度200℃、圧力40kgf/c
m2の条件下で約10分間加熱加圧してプレス後、圧力一定
のまま温度を約30℃まで冷却してプレスすることにより
プレスボードを得た。
【0017】実施例2 パラ系芳香族ポリアミド繊維を絶乾60g相当量とし、
未硬化型フェノール樹脂繊維を絶乾40g相当量とした
以外は実施例1と全く同様にして乾紙及びプレスボード
を得た。
【0018】実施例3 パラ系芳香族ポリアミド繊維を絶乾50g相当量とし、
未硬化型フェノール樹脂繊維を絶乾50g相当量とした
以外は実施例1と全く同様にして乾紙及びプレスボード
を得た。
【0019】実施例4 パラ系芳香族ポリアミド繊維を絶乾70g相当量、未硬
化型フェノール樹脂繊維を絶乾20g相当量、溶融液晶
性全芳香族ポリエステルフィブリッド(商品名ベクトラ
ン;繊維径5μm、繊維長2mm)絶乾10g相当量を
水2000ml中に分散させ、パルプ離解機にて約10分
間離解処理してスラリーとなし、水を加えながら濃度が
0.5%のスラリーを得た。その後は実施例1と全く同様に
して乾紙及びプレスボードを得た。
【0020】実施例5 パラ系芳香族ポリアミド繊維を絶乾60g相当量、未硬
化型フェノール樹脂繊維を絶乾30g相当量、溶融液晶
性全芳香族ポリエステルフィブリッド(商品名ベクトラ
ン;繊維径5μm、繊維長2mm)を絶乾10g相当量
とした以外は実施例4と全く同様にして乾紙及びプレス
ボードを得た。
【0021】実施例6 パラ系芳香族ポリアミド繊維を絶乾50g相当量、未硬
化型フェノール樹脂繊維を絶乾40g相当量、溶融液晶
性全芳香族ポリエステルフィブリッド(商品名ベクトラ
ン;繊維径5μm、繊維長2mm)を絶乾10g相当量
とした以外は実施例4と全く同様にして乾紙及びプレス
ボードを得た。
【0022】比較例1 絶乾50g相当量のメタ系芳香族ポリアミドフィブリッ
ド(商品名コーネックス;ろ水度110ml)と絶乾2
0g相当量のメタ系芳香族ポリアミド繊維(商品名コー
ネックス;単糸繊度5デニール、繊維長5mm)及び絶
乾30g相当量のポリエステル繊維(単糸繊度5デニー
ル、繊維長5mm)を水2000ml中に分散させ、パ
ルプ離解機にて約10分間離解処理してスラリーとなし、
水を加えながら濃度が0.5%のスラリーを得た。得られた
スラリーより、枚葉の米坪量約100g/m2に設定した湿紙
を抄造し、実施例1と同じ条件で加熱加圧して乾紙を得
た。この乾紙を5枚積層した後、温度200℃、圧力40k
gf/cm2の条件下で約10分間加熱加圧してプレス後、圧力
一定のまま温度を約30℃まで冷却することによりプレス
ボードを得た。
【0023】上記実施例及び比較例で得た各種プレスボ
ードについて厚さ、密度、比誘電率、圧縮歪率、引っ張
り強度、層間強度、耐熱性を以下の方法で測定し、評価
した。 1.厚さ:マイクロメータを用いてJIS−C2111−5.2
により測定した。 2.密度:JIS―C2111―18―1に従って測定した。 3.比誘電率:JIS−C2111−18に準じ、絶縁紙測定用
電極(日新電機製)を使用して測定した。 4.圧縮歪率:テンシロンUTM−1−5000B型万能試験
機(オリエンテック製)の加圧試験用装置により測定し
た。 5.引張試験:定速伸長型引張試験器を用いJIS−C21
11−7により測定した。引張試験は常態強度と熱間強度
を測定した。熱間強度の測定は160℃雰囲気下で行な
った。 6.層間強度:DIN−54516を参照した。 7.透気度:JIS−P8117に準じて測定した。この
数値はガス含浸性の代用になる。 8.耐熱性:JEC−6151により推定される値を示す。 9.吸湿率:JIS―C2111―8により測定した。
これらの測定結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の乾紙を用いると、従来のプレス
ボードと比較して比誘電率、耐熱性、低吸湿性、耐圧縮
性に優れたガス絶縁用プレスボードが提供される。特
に、本発明の乾紙を用いたガス絶縁用プレスボードは、
パラ系芳香族ポリアミド繊維及び未硬化型フェノール樹
脂繊維をそれぞれ交絡させ、未硬化型フェノール樹脂繊
維に対して硬化剤を付与することにより高温雰囲気下で
の強度維持が可能となり、低誘電率、耐熱性、低吸湿性
及び耐圧縮性に優れたガス絶縁用プレスボードを得るこ
とが可能となる。更に溶融液晶性全芳香族ポリエステル
を加えることにより更に低吸湿性のガス絶縁用のプレス
ボード用乾紙が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 由久 岐阜県中津川市中津川3465−1 王子製紙 株式会社機能材開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パラ系芳香族ポリアミド繊維(A)と、未
    硬化型フェノール樹脂繊維(B)と、未硬化型フェノー
    ル樹脂繊維に対する硬化剤(C)からなるプレスボード
    用乾紙であって、その構成比はAとBの合計重量に対
    し、Aが50〜90%、Bが10〜50%、Bの重量に対
    してCが10〜30%であるガス絶縁用のプレスボード
    用乾紙。
  2. 【請求項2】パラ系芳香族ポリアミド繊維(A)と、未
    硬化型フェノール樹脂繊維(B)と、未硬化型フェノー
    ル樹脂繊維に対する硬化剤(C)と溶融液晶性全芳香族
    ポリエステルのフィブリッド(D)とからなるプレスボ
    ード用乾紙であって、その構成比はAとBとDの合計重
    量に対し、Aが50〜90%、Bが10〜50%、Dが0
    〜30%、Bの重量に対してCが10〜30%であるガ
    ス絶縁用のプレスボード用乾紙。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載された乾紙を用いた
    プレスボード。
  4. 【請求項4】パラ系芳香族ポリアミド繊維と未硬化型フ
    ェノール樹脂繊維と場合により溶融液晶性全芳香族ポリ
    エステルフィブリッドを加えたスラリーから湿紙を抄造
    し、湿紙に未硬化型フェノール樹脂繊維に対する硬化剤
    を付与し、100〜150℃で加熱処理するガス絶縁用
    のプレスボード用乾紙の製造方法。
  5. 【請求項5】硬化剤は湿紙の抄造中、或いは抄造後に付
    与される請求項4に記載されたプレスボード用乾紙の製
    造方法。
JP10112398A 1998-04-13 1998-04-13 ガス絶縁用のプレスボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びその製造方法 Pending JPH11293586A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10112398A JPH11293586A (ja) 1998-04-13 1998-04-13 ガス絶縁用のプレスボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10112398A JPH11293586A (ja) 1998-04-13 1998-04-13 ガス絶縁用のプレスボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11293586A true JPH11293586A (ja) 1999-10-26

Family

ID=14292309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10112398A Pending JPH11293586A (ja) 1998-04-13 1998-04-13 ガス絶縁用のプレスボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11293586A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101069028B1 (ko) 운모 시트 및 테이프
EP1756360B1 (en) Aramid paper blend
JP3581564B2 (ja) 耐熱性繊維紙
EP2588304B1 (en) Multilayer structure useful for electrical insulation
WO2012137631A1 (ja) 導電性アラミド紙及びその製造方法
KR100239196B1 (ko) 완전 방향족 폴리아미드 섬유 시이트
WO2016190163A1 (ja) アラミド紙、及びその製造方法
US4595457A (en) Oil-impregnatable insulating board
JPH10315398A (ja) 電気絶縁用耐熱シート
JPH11293586A (ja) ガス絶縁用のプレスボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びその製造方法
JP2014529538A (ja) 電気絶縁に有用な多層構造体
JPH086276B2 (ja) 絶縁用プレスボ−ド
JPH1092228A (ja) 電気絶縁用プレスボード
JP3475234B2 (ja) 芳香族ポリアミド繊維紙
JPH07246629A (ja) 耐熱絶縁ボードの製造方法
JP3579950B2 (ja) ボイスコイルボビン
JPH07101569B2 (ja) ガス絶縁変圧器用スペーサの製造方法
JPH0821270B2 (ja) ガス絶縁変圧器用スペーサーの製造法
CN101107397A (zh) 聚酮纤维纸、印刷布线基板用聚酮纤维纸芯材及印刷布线基板
JP2020133066A (ja) アラミド紙の製造方法
JP2002212893A (ja) 芳香族ポリアミド繊維紙
JP2001295191A (ja) 芳香族ポリアミド繊維紙
KR20240039131A (ko) 쉐딩이 적은 운모 함유 아라미드 종이
JPH07331600A (ja) 改良されたボードの製造方法
JP3399551B2 (ja) 屈曲状プレスボード