JPH07246629A - 耐熱絶縁ボードの製造方法 - Google Patents

耐熱絶縁ボードの製造方法

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JPH07246629A
JPH07246629A JP6753394A JP6753394A JPH07246629A JP H07246629 A JPH07246629 A JP H07246629A JP 6753394 A JP6753394 A JP 6753394A JP 6753394 A JP6753394 A JP 6753394A JP H07246629 A JPH07246629 A JP H07246629A
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JP
Japan
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board
paper
particles
weight
pulp
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JP6753394A
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English (en)
Inventor
Kenichi Shinohara
研一 篠原
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変圧器,リアクトル等の電磁誘導機器に用い
られる油含浸絶縁材料として好適な耐熱絶縁ボードの製
造方法を提供する。 【構成】 芳香族ポリアミドからなるパルプ状粒子
(A)20〜50重量%及び短繊維(B)20重量%以上と,
無機質の短繊維(C)30重量%以上とを混合した抄造紙
を複数枚積層した後,10mmHg以下の減圧下で,加熱温度
280〜320℃, 接圧2〜20Kg/cm2で前記積層抄造紙を圧縮
成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,変圧器,リアクトル等
の電磁誘導機器に用いられる油含浸絶縁材料として好適
な耐熱絶縁ボードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドは,高い耐熱性,難燃
性と優れた電気的,機械的特性を有しているため,変圧
器等の高い電気的特性,難燃性が要求される分野に好適
な材料である。芳香族ポリアミドを用いた絶縁用材料
は,一般的に,芳香族ポリアミドのパルプ状粒子と短繊
維を混合し,抄造される。この芳香族ポリアミド抄造紙
は,厚みが0.05〜0.8mm程度のものであり,それ以上の
厚みが要望される用途には,上記芳香族ポリアミド抄造
紙を複数枚積層してボード状に成形している。成形法と
しては接着剤を用いる方法や,高温高圧で熱融着する方
法が一般的であるが,その他にも,例えば,抄造紙を湿潤
状態で圧縮成形する方法(特公昭57-46163号公報)や抄
造紙に水又は有機溶剤を含浸させて圧縮成形する方法
(特公昭55-22596号公報)等が提案されている。
【0003】しかしながら,前記方法のうち,接着剤を
使用する場合は,使用する接着剤に熱特性が支配され,
ボードとしての耐熱性が低下する虞れがあり,さらに接
着剤の介在によりボードの均質性が損なわれて,油等の
液体の含浸性がきわめて悪くなる。一方,高温高圧で熱
融着する方法は,積層した抄造紙同士を接着させるため
に,芳香族ポリアミドの軟化点付近の温度である 280〜
300℃まで加熱する必要があり,このため,積層した抄
造紙内部に含有する水分によって多量のガスが発生し
て,抄造紙相互の接着性が低下したり,変色するという問
題がある。次に,抄造紙をそのまま湿潤状態で低温圧縮
成形する方法においては,崩れやすい湿潤状態の抄造紙
を用いるために取扱性が悪い。さらに,水又は有機溶剤
を含浸させる方法においては成形工程で手間がかかり,
生産性が低いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の欠点
を解消し,成形時に着色することがなく, 耐電圧, 油含
浸性,耐折強度等の優れた均質な耐熱絶縁ボードを生産
性よく製造できる耐熱絶縁ボードの製造方法を提供する
ことを技術的な課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち,本発明は,芳
香族ポリアミドからなるパルプ状粒子(A)20〜50重量
%及び短繊維(B)20重量%以上と,無機質の短繊維
(C)30重量%以上とを混合した抄造紙を複数枚積層し
た後,10mmHg以下の減圧下で,加熱温度280〜320℃,接
圧2〜20Kg/cm2で前記積層抄造紙を圧縮成形することを
特徴とする耐熱絶縁ボードの製造方法を要旨とするもの
である。
【0006】以下,本発明について詳細に説明する。
【0007】本発明で使用する抄造紙は,芳香族ポリア
ミドからなるパルプ状粒子(A)及び短繊維(B)と,
無機質短繊維(C)で構成されている。本発明でいう芳
香族ポリアミドとは,次の一般式(1)及び/又は
(2)に示される単位から構成される,主鎖が芳香族基
からなるものである。 −NH−Ar1−NH−CO−Ar2−CO− ──(1) −NH−Ar3−CO− ──(2) ただし,Ar1,Ar2,Ar3は2価の芳香族基であっ
て,同一でも異なるものでもよい
【0008】このような芳香族ポリアミドの代表的な例
としては,ポリ−(m−フェニレンイソフタルアミ
ド),ポリ−(m−フェニレンテレフタルアミド),ポ
リ−(p−フェニレンイソフタルアミド),ポリ−(p
−フェニレンテレフタルアミド),ポリ(4・4’オキシ
ジフェニレンイソフタルアミド),ポリ(4・4’オキ
シジフェニレンテレフタルアミド),ポリ(m−ベンズ
アミド),ポリ(p−ベンズアミド)等があるが,これ
らのコポリマーでもよく,また,これらに少量の芳香族
基以外の成分,例えば,ピペラジン,シクロヘキサンジ
カルボン酸等の成分を含んだものでもよい。
【0009】本発明で使用する芳香族ポリアミドからな
るパルプ状粒子(A)は,抄造すれば,紙に似た構造物
となる(湿紙形成能を有する)多数の突起を有する繊維
状,薄膜状又ははリボン状構造の粒子であり,例えば特
公昭37−5732号公報に記載されているように,芳香族ポ
リアミドの溶液を沈澱剤中に導入して,微細な粒子とし
て沈澱させることによって得ることができる。また,油
含浸性や難燃性を向上させるために,パルプ状粒子
(A)中に雲母粒子,水酸化アルミニウム,カオリナイ
ト等の無機粉体を含有させてもよい。これらの粉体は,
芳香族ポリアミド溶液にあらかじめ混合しておくことに
よって容易にパルプ状粒子(A)中に含有させることが
できる。
【0010】また,芳香族ポリアミドからなる短繊維
(B)のポリマーは,パルプ状粒子(A)と同一のもので
も,異なる構造のものでもよく,短繊維(B)の繊度は
0.5d〜10d,特に1.5d〜3dが好ましい。
【0011】次に,無機質の短繊維(C)としては, ガ
ラス繊維,アルミナ繊維等のセラミック繊維,ロックウ
ール繊維等を使用でき,その直径は0.2〜15μm,また,
繊維長は1〜15mm,特に3〜8mmが好ましい。
【0012】次に本発明で使用する抄造紙を構成するパ
ルプ状粒子(A),短繊維(B)及び短繊維(C)の混
合比率について説明する。まず,パルプ状粒子(A)の
含有率は20〜50重量%とする必要がある。パルプ状粒子
(A)が20重量%未満では,抄造が困難となり,また,
絶縁破壊電圧の性能が低下する。一方,50重量%を超え
ると低圧力の圧縮でも密度が高くなり,目的とする0.8
g/cm3 以下の低密度のボードが得られなくなる。次に,
芳香族ポリアミドからなる短繊維(B)の含有率は20重
量%以上とする必要があり,20重量%未満では,ボード
の耐折強度が悪くなる。さらに,無機質の短繊維(C)
は30重量%以上とする必要があり,30重量%未満では油
含浸性が悪くなる。
【0013】本発明で使用する抄造紙は,混合比率が上
記範囲を満足し,かつ全体で 100重量%となるようにパ
ルプ状粒子(A),短繊維(B)及び短繊維(C)を混
合し,混合物を公知の方法で処理して得ることができ
る。例えば,前記の混合物を水に分散させて0.7%以下
の紙料液を調製し,丸網抄紙機又は長網抄紙機で混合物
の層を形成させ,プレスで水を絞り取った後,乾燥ドラ
ムで乾燥させて抄造紙を得ることができる。
【0014】本発明では, 上記で得た抄造紙を複数枚,
好ましくは2〜30枚程度積層して圧縮成形する。この圧
縮成形においては,10mmHg以下の減圧下で2〜20Kg/cm2
に加圧し,280〜 320℃に加熱して成形することが必要で
ある。10mmHg以下に減圧せずに加熱すると,得られるボ
ードの縁の部分が着色するうえに,ボードが硬化して耐
折強度が低下する。また,プレス圧力を2Kg/cm2未満に
すると,抄造紙同士の接着が悪くなり,ボード状に成形
できない。プレス圧力が20Kg/cm2を超えると,目的とす
る0.8g/cm3 以下の低密度のボードとはならず,ボード
の耐折強度も低下する。さらに,加熱温度が 280℃未満
では,抄造紙同士の接着が悪くなり, ボード状に成形し
難く, 320℃を超えるとボードが硬化して折れやすくな
る。
【0015】
【作用】本発明では,積層した抄造紙の圧縮成形を高温,
減圧下で行うので,プレス前に水分が除去されてプレス
中にガスの発生がなく,さらに空気中の酸素も排出され
るため,得られるボードは酸化による劣化が防止され,
ボードが硬化して耐折強度が低下したり,ボードの縁の
部分が着色して均質性が損なわれることがない。
【0016】
【実施例】次に, 実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお,実施例中の特性は,次の方法で測定した。 (1) 絶縁破壊電圧(kV/mm) 試料にシリコーン油を塗布し,JIS規格(C2111の1
8.1)による方法を用いて測定した。 (2) 油含浸性(mm/10h) 幅20mmの試料をシリコーン油中に垂直に立て,ボードの
切口からシリコーン油が含浸した距離を10時間後に測定
した。 (3) 引張り強度(kg/mm2) 幅15mm,長さ 200mmの試料を100Kgfフルスケールの定速
緊張形引張試験機で,初期長180mm,速度200mm/分の条件
で測定した。 (4) 耐折強度 成形したボードを調湿後,2回折り返した時の折り目の
状態を目視により評価し,Aランクを合格とした。 A:しわができる B:表面のみが破れる C:ボードの半分が破損する D:完全に折れて2つに分かれる
【0017】実施例1 表1で示したように,ポリ−(m−フェニレンイソフタ
ルアミド)のパルプ状粒子(A)30重量%と,繊度1.5
d,カット長5mmであるポリ−(m−フェニレンイソフ
タルアミド)の短繊維(B)20重量%,及び直径6μm,
カット長3mmのガラス繊維(C)50重量%を混合して,
丸網抄造法で坪量60g/m2,厚さ0.23mmの紙を抄造した。
次いで,上記で得た抄造紙を18枚積層したものを離型紙
と境面板で挟み込み,これを10段に重ね, 10mmHgの減圧
下で10Kg/cm2に加圧し,290℃に昇温させた後,360分間保
持してボードを得た。得られたボードの評価結果を表2
に示す。
【0018】実施例2〜3, 比較例1〜9 パルプ状粒子(A),短繊維(B)及びガラス繊維
(C)の配合比率と成形条件を表1のように変更した以
外は実施例1と同様にして試験した。得られたボードの
評価結果を表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表2から明らかなように,実施例1〜3で
得られたボードは,破壊電圧,油含浸性,引張強度,耐
折強度とも優れたものであった。一方,比較例1〜4,
6及び8〜9で得られたボードは,少なくとも破壊電
圧,油含浸性,引張強度,耐折強度のいずれかが劣るも
のであった。また,比較例5,7は,接着不良でボード
に成形することができなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明では,芳香族ポリアミドのパルプ
状粒子(A),芳香族ポリアミドの短繊維(B)及び無
機の短繊維(C)を配合した抄造紙からボードを成形す
るので,3者の混合比率を調整することで,耐電圧,油
含浸性,引張強度及び耐折強度等の物性の優れた耐熱絶
縁ボードとすることができる。
【0023】また,抄造紙を複数枚積層した後の圧縮成
形を減圧下に施すので,成形時に280℃以上の高温に長時
間さらされても,芳香族ポリアミドが酸化して劣化する
ことがなく,このため得られるボードが硬化せず,着色
が抑えられることにより,均質で電気特性や機械特性の
優れた耐熱絶縁ボードを得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 13/40 H01B 3/52 E // B29K 77:00 105:12 311:12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドからなるパルプ状粒子
    (A)20〜50重量%及び短繊維(B)20重量%以上と,
    無機質の短繊維(C)30重量%以上とを混合した抄造紙
    を複数枚積層した後,10mmHg以下の減圧下で,加熱温度
    280〜320℃,接圧2〜20Kg/cm2で前記積層抄造紙を圧縮
    成形することを特徴とする耐熱絶縁ボードの製造方法。
JP6753394A 1994-03-11 1994-03-11 耐熱絶縁ボードの製造方法 Pending JPH07246629A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007060929A1 (ja) 2005-11-28 2007-05-31 Toray Industries, Inc. 二軸配向フィルム積層ボード、電気絶縁ボード及び機構部品
CN103397570A (zh) * 2013-07-01 2013-11-20 陕西科技大学 一种隔热保温纸及其制备方法

Cited By (2)

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WO2007060929A1 (ja) 2005-11-28 2007-05-31 Toray Industries, Inc. 二軸配向フィルム積層ボード、電気絶縁ボード及び機構部品
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