JPH11293276A - 油脂の脱臭脱酸方法 - Google Patents

油脂の脱臭脱酸方法

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JPH11293276A JP10153798A JP10153798A JPH11293276A JP H11293276 A JPH11293276 A JP H11293276A JP 10153798 A JP10153798 A JP 10153798A JP 10153798 A JP10153798 A JP 10153798A JP H11293276 A JPH11293276 A JP H11293276A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油脂の脱酸脱臭工程において、油脂の脱酸脱
臭効率を向上すると共に、劣化を防止することを課題と
する。 【解決手段】 油脂の脱臭及び脱酸を行う工程におい
て、該油脂に水を加え乳化槽2により乳化させた後に薄
膜蒸留装置3により圧力約6mmHg、温度約230°
Cの条件下で動植物油脂のみならず脂肪酸と高級アルコ
ールのエステルおよび脂肪酸と一価又は多価アルコール
とのエステルの減圧蒸留を行い悪臭悪味物質であるアル
デヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、
遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物等の低分子量の物を
取り除く脱酸脱臭装置を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動植物性油脂、脂
肪酸と高級アルコールのエステル、脂肪酸と一価又は多
価アルコールのエステルの精製工程の一つである油脂及
び油脂の脱臭脱酸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油脂の脱酸脱臭工程において、原
油にカセイソーダまたは炭酸ソーダ水溶液等のアルカリ
剤を加えてかき混ぜる脱酸工程が行われる。前記脱酸工
程により、原油に含まれる遊離脂肪酸を鹸化し、該遊離
脂肪酸の鹸化により生成した石けんを油より分離する。
次に前記油の水洗を行い、過剰なアルカリ剤を除く。上
記アルカリ精製により脱酸された油に対し、高温高真空
下で、水蒸気を吹き込み油中に含まれる有臭成分を除
き、精製油を得る方法が用いられている。また、油脂の
有臭成分やその他の揮発成分を取り除き、安定性が高く
風味の良い油脂を製造するために種々の脱臭脱酸装置が
考えられているが、いずれも高温高真空中の油脂に水蒸
気を吹き込む減圧下の水蒸気蒸留で、脱臭後の油脂の品
質とコストを考慮して処理温度、処理を行う場合の真空
度、油脂に吹き込む水蒸気の吹き込み量、該水蒸気の吹
き込み方法、精製を行う油の加熱冷却方法、油脂の処理
時間の改良がなされた脱臭脱酸装置が用いられている。
特開昭61−247797のように動植物油にドライア
イスを加え、該動植物油の脱臭を行う方法、特開平5−
132693のように、油脂に水及び乳化剤を加え、加
熱により乳化を崩し、分離状態において常温に冷却し、
上層の油層を精製油として取得する方法が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の油脂の脱酸脱臭
工程においては、原油にアルカリ剤を加える工程、石け
ん分を除去する工程、油を水洗する工程、油に水蒸気を
加え脱臭する工程など工程数が多く、このため処理時間
が長く、多くの制御を行う必要がある。また、従来の脱
臭脱酸装置は、バッチ式又は半連続式のものが用いられ
ており、大量の油を処理する場合には効率が低い。ま
た、脱酸脱臭の過程で油脂が高温にさらされる時間が長
く、該脱酸脱臭の処理中において油脂の一部が熱劣化を
起こすため、前記処理により油脂の臭い及び味が影響を
受ける可能性がある。脱酸工程において、原油にカセイ
ソーダ等のアルカリ剤を加え、遊離脂肪酸を石けんの形
で分離するため、該石けんが界面活性剤として機能し、
油脂が水に可溶化され、油脂の精製収率が減少する可能
性があり、油脂自体がアルカリ剤により分解される可能
性がある。
【0004】更に、前記脱酸脱臭の工程において油脂に
吹き込む水蒸気は、ボイラーにおいて発生した水蒸気を
吹き込むため、該ボイラー内の清缶剤が水蒸気と共に油
脂に吹き込まれる可能性がある。これにより前記油脂中
に清缶剤が混入する可能性があり、油脂の臭い及び味に
影響する可能性がある。また、脱臭工程において、高温
高真空中において液体である油脂に、気体である水蒸気
を吹き込むため、該水蒸気は急激に膨張し、油脂と十分
に接触することなく系外に排出される。このため、脱臭
の効率が低く、油脂の脱臭が不十分になる可能性があ
る。蒸気を吹き込まれる工程において、下層の油脂は該
油脂の自重により、圧力を受けるため、上層の油脂より
有臭成分が除去され難く、有臭成分の除去の効率が低
い。また、脱臭の処理温度が250℃程度であり、処理
時間も30分〜2時間と長く、精製目的物である油脂が
分解され、油脂の品質が低下する可能性がある。
【0005】特開昭61−247797のように動植物
油にドライアイスを加え、該動植物油の脱臭を行う方法
が考案されているが、前記ドライアイスにより動植物油
の温度が低下し、動植物油の粘度が増加し、流動性が低
下するため、処理時間が長くなり、動植物油を大量に処
理する場合には不適当である。また、動植物油の粘度が
増加し、流動性が低下するため、動植物油とドライアイ
スもしくは炭酸ガスとの接触率が低く十分な脱臭脱酸効
果を得ることが困難である。また、特開平5−1326
93のように、油脂に水及び乳化剤を加え、加熱により
乳化を崩し、分離状態において常温に冷却し、上層の油
層を精製油として取得する方法が考案されているが、乳
化剤を加えるため精製油内に乳化剤が混入する。このた
め、前記精製油が食用である場合には風味が損なわれる
場合があり、水を加え乳化した後に加熱により乳化を崩
し、分離状態において常温に冷却するため、精製油内に
相当量の水の混入が予想されると共に、精製目的の油脂
が水層に混入するため収率が低下する可能性がある。ま
た、乳化を崩した後に油層と水層に分離させるために時
間が掛かり、大量に精製する場合には不適当である。
【0006】
【課題を解決するための手段】油脂の脱臭及び脱酸を行
う工程において、該油脂の沸点よりも、低沸点の液体を
加え、混合後に乳化装置により乳化し、乳化させた後に
連続蒸留装置を用いて減圧蒸留を行う。減圧蒸留を行う
装置として薄膜蒸留装置を用いる。該薄膜蒸留装置内の
圧力を約6mmHgに保ち、該薄膜蒸留装置内に導入さ
れたエマルジョンを約230℃で1乃至7秒間加熱す
る。油脂に加える該油脂の沸点よりも沸点の低い液体と
して、水を用いる。処理対象油脂を動植物性油脂、脂肪
酸と高級アルコールのエステル、脂肪酸と一価又は多価
アルコールのエステルとする。処理して除去する目的物
を油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭
化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化
物等の低分子量のものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について説
明する。図1は、本発明の実施例を示す脱酸脱臭装置の
略式図である。図1において、油脂脱酸脱臭装置1は、
バッチ式乳化槽2、薄膜蒸留装置3、該薄膜蒸留装置3
内に配設されたワイパ7、トレイ8、加熱装置4、コン
デンサ5、冷却器6及び図示しない真空排気装置、前記
装置を接続する配管により構成されている。
【0008】バッチ式乳化槽2において、油脂に該油脂
を乳化するのに必要な水がくわえられる。原料油脂に加
える水には軟水、イオン交換水、純水いずれも使用する
ことができる。該バッチ式乳化槽2において、油脂及び
水の混合液を攪拌もしくは超音波により、乳化させる構
成になっている。該構成において、前記バッチ式乳化槽
2を多数配置し、油脂と水を乳化したバッチ式乳化槽2
より順次、エマルジョンを薄膜蒸留装置3に供給可能で
ある。また、上記構成においてバッチ式乳化槽2の代わ
りに、乳化機2bにより油脂と水を連続的に混合し乳化
させ、薄膜蒸留装置3に供給する事も可能である。配管
2cより水を供給し、配管2dより油脂を加え、前記乳
化機2bにおいて水及び油脂を混合し、乳化させると共
に後述する薄膜蒸留装置3に供給可能である。
【0009】油脂と水のエマルジョンは、上記バッチ式
乳化槽2より配管を介して薄膜蒸留装置3に供給され
る。該薄膜蒸留装置3は円筒形に設けられており、該薄
膜蒸留装置3内にはワイパー7が配設されている。該ワ
イパー7は前記薄膜蒸留装置3内壁に当接しながら回動
可能に構成されており、薄膜蒸留装置3に供給された油
脂及び水のエマルジョンは、該薄膜蒸留装置3内壁に沿
って供給される。該構成により、ワイパー7は薄膜蒸留
装置3内壁にエマルジョンの薄膜を形成可能である。
【0010】上記の如く、油脂及び水によりエマルジョ
ンを構成し、薄膜蒸留装置3内において薄膜状に形成す
るため、該エマルジョンの自重による圧力を無視可能で
あり、エマルジョンの条件を薄膜蒸留装置3内において
均一にすることが可能である。さらに、エマルジョンは
重力により自然流下するため、薄膜蒸留装置3の内壁に
沿いながら下層に移動する。また、前記エマルジョンを
ワイパー7により強制流下させることも可能である。
【0011】薄膜蒸留装置3は、図示しない真空排気装
置にコンデンサ5を介して接続されており、該薄膜蒸留
装置3内は前記図示しない真空排気装置により低圧(約
6mmHg)に保たれている。また、薄膜蒸留装置3の
外周部には加熱装置4が配設されており、薄膜蒸留装置
3のエマルジョンの流下する内壁を一定温度(230
℃)に保つ構成になっている。加熱装置4により加熱さ
れる内壁には前述のようにエマルジョンが流下するが、
該エマルジョンが薄膜状であるため、流下するエマルジ
ョンの熱容量は少なく、前記加熱装置4により瞬時に昇
温される。前記エマルジョンは、自然流下またはワイパ
ー7で強制流下させる構造となっており、エマルジョン
が高温に保たれる時間が1〜7秒程度と非常に短く、油
脂の熱劣化を最小限に留めることが可能である。
【0012】また、前記油脂及び水のエマルジョンは、
油脂に水が包まれた形状もしくは、水に油脂が包まれる
形状を取っており、水と油脂の接触率を高い状態で維持
可能である。このため、油脂に含まれるアルデヒド、ケ
トン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪
酸、色素、その他不鹸化物等の低分子量のものが、高い
比率で水に接触する。即ち、油脂と水の接触率を均一に
向上可能であり、油脂に水を均一に混合可能である。
【0013】前記薄膜蒸留装置3において、加熱装置4
は該薄膜蒸留装置3の上部より中部に設けられており、
前記薄膜蒸留装置3の上部より中部の間において、エマ
ルジョンが加熱される。該エマルジョンは薄膜状に形成
されており、重力により薄膜蒸留装置3内壁に沿って下
方に流れ落ちるため、加熱装置4による加熱面積を変更
することにより、加熱時間を変更可能である。
【0014】上記構成により、油脂に含まれるアルデヒ
ド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離
脂肪酸、色素、その他不鹸化物等の低分子量のものが、
水と混合されたことにより共沸される。即ち、前記低分
子量のものを、水が含まれない場合よりも低い温度で気
化させ、油脂の系外に効率よく取り出す事が可能であ
る。また、エマルジョンは薄膜状に形成されているた
め、短い加熱時間でも十分に設定温度まで上昇可能であ
り、油脂の劣化を防止可能である。また、油脂に混合す
る物質として水を使用し、乳化させるため、衛生的であ
り、油脂の変質を防止可能である。
【0015】前記油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、
アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色
素、その他不鹸化物等の低分子量のものは、水と共に気
化した後に前述したコンデンサ5において、冷却液化さ
れ収集可能である。このため、水分及び前記油脂に含ま
れる低分子量のものが、該コンデンサ5に接続した真空
排気系へ侵入する事を防止可能である。また、目的物が
油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化
水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物
等の低分子量のものである場合には、該目的物を上記の
構成により、従来よりも短時間に低温条件で原料油脂よ
り分離可能である。
【0016】上記構成により、水及びアルデヒド、ケト
ン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、
色素、その他不鹸化物等の低分子量のものが除去された
油脂は、重力もしくはワイパー7により、薄膜蒸留装置
3の内側下部に設けられた油脂を受けるトレイ8に溜ま
る構成になっている。該トレイ8に溜まった油脂は、冷
却器6に導入され、該冷却器6において冷却される。
【0017】即ち、上記構成により油脂を低温条件にお
いて、短時間で脱酸脱臭可能であり、衛生的に油脂の劣
化を防止可能であり、油脂の品質を向上可能であり、油
脂の脱酸脱臭効率を向上可能である。
【0018】また、本発明は、原料油脂に該油脂よりも
低沸点の液体を加え、均一に混合した後、減圧蒸留可能
であれば良いものであり、上記構成において、水の代わ
りに油脂の抽出溶媒として用いられるヘキサン等の油脂
よりも低沸点のものを用いることも可能である。このよ
うな場合には、加熱装置4の温度及び加熱時間の調節が
行われ実施する構成となる。また、本発明は溶媒の選択
により、目的物を系内に留める事が可能である。乳化機
としては、油脂と該油脂よりも低沸点の液体を均一に乳
化可能なものであれば良く、ホモジナイザー、連続式の
ラインミキサー等でも同様の効果を得ることができる。
また、蒸留装置もワイパー7を備えた薄膜蒸留装置以外
に同種の装置を使用することにより、同様の効果を得る
ことが可能である。
【0019】
【実施例】次に実施例によりこの発明を更に具体的に説
明する。
【0020】実施例1 カプリル酸80%、カプリン酸20%の脂肪酸トリグリ
セライドを原料油脂とし、これに5%の水を加え、常温
常圧下でホモジナイザーを用いて均一に乳化分散させた
エマルジョンを調製した。また、時間経過により該エマ
ルジョンの乳化状態が崩れない様に、ホモジナイザーに
より乳化状態を維持した。
【0021】前記操作により調製したエマルジョンをワ
イパーを有する薄膜蒸留装置に連続供給した。該薄膜蒸
留装置内は約6mmHgに維持されており、該薄膜蒸留
装置の加熱装置の温度は230℃に設定した。エマルジ
ョンの薄膜蒸留装置における加熱時間は6秒であった。
このようにして、薄膜蒸留装置下部より油脂が得られ
た。
【0022】原料油脂の酸価0.17に対して、得られ
た油脂について酸価の測定を行った結果、該油脂の酸価
は0.02であった。また、前記脱酸脱臭油脂について
臭い(105°Cに加熱後臭いを嗅ぐ)、および味(口
に含み異臭および味をみる)の判定を行った結果、表1
に示されるように臭い味共に総合評価は「良」と判定さ
れた。
【0023】実施例2 オリーブ油を原料油脂として、前記実施例1と同様にエ
マルジョンを調製し、該薄膜蒸留装置に連続供給した。
該薄膜蒸留装置内は約3mmHg、加熱装置の温度は2
50°Cに設定し、処理油脂を得た。
【0024】本油脂について常温で臭いおよび味の判定
を行った結果、表1に示されるように総合評価は臭いに
ついて「良」、味について「可」と判定された。
【0025】実施例3 ミスチン酸イソプロピルを原料油脂として、前記実施例
1と同様にエマルジョンを調製し、該薄膜蒸留装置に連
続供給した。該薄膜蒸留装置内は約6mmHg、加熱装
置の温度は140°Cに設定し、処理油脂を得た。
【0026】本油脂について常温で臭いの判定を行った
結果、表1に示されるように総合評価は「良」と判定さ
れた。
【0027】実施例4ミリスチン酸オクチルドデシルを
原料油脂として、前記実施例1と同様にエマルジョンを
調製し、該薄膜蒸留装置に連続供給した。該薄膜蒸留装
置内は約6mmHg、加熱装置の温度は190°Cに設
定し、処理油脂を得た。
【0028】本油脂について常温で臭いの判定を行った
結果、表1に示されるように総合評価は「良」と判定さ
れた。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は請求項1の如く、油脂の脱臭及
び脱酸を行う工程において、該油脂の沸点より低沸点の
液体を加え、乳化させた後に連続蒸留装置を用いて減圧
蒸留を行うため、油脂に加えられた低沸点の液体による
共沸効果により蒸留精製の効率を向上可能であり、脱臭
及び脱酸の効果を向上可能である。脱酸及び脱臭の2工
程を、油脂を乳化させた後に連続蒸留装置に加える1工
程により行うことが可能であるため、脱酸脱臭工程に掛
かる時間を短縮可能である。また、油脂を乳化させた後
に脱酸脱臭の処理を行うため、該脱酸及び脱臭の工程の
制御性を向上可能である。
【0031】また、請求項2の如く減圧下において蒸留
を行う装置として薄膜蒸留装置を用いるため、油脂の脱
臭脱酸の連続処理が可能となり、大量に処理を行うこと
が可能である。また、本装置の特徴として供給された油
脂が蒸留装置の加熱面を自然流下またはワイパーで強制
流下させる構造となっており、油脂が高温になる時間が
1〜7秒程度と非常に短く、油脂の熱劣化を最小限に留
めることが可能であり、該油脂の品質を向上可能であ
る。乳化した油脂を短時間で共沸可能であり、脱酸及び
脱臭に要する時間を短縮可能である。また、薄膜処理の
ため、飛沫同伴が少なく、収率を向上可能である。
【0032】また、請求項3の如く、薄膜蒸留装置内の
圧力を約6mmHgに保ち、該薄膜蒸留装置内に導入さ
れたエマルジョンを約230℃で1乃至7秒間加熱する
ため、エマルジョンに含まれる油脂を長時間高温にさら
すことがなく、該油脂の劣化を防止可能であり、該油脂
の脱酸脱臭のための処理時間を短縮可能であり、油脂の
精製を効率的に行うことが可能であり、品質の高い油脂
を精製可能である。
【0033】また、請求項4の如く、油脂の沸点より低
沸点の液体として、水を用いることにより衛生的かつ効
率的に油脂の脱臭及び脱酸効果を実施可能であり、該油
脂の風味を維持可能である。原料油脂に加える水には軟
水、イオン交換水、純水いずれも使用することができ、
油脂中に微細な粒子として乳化分散した水は油脂と十分
に接触する事ができるため、脱臭脱酸効果が上がる。こ
のため、油脂の処理温度を下げる事が可能であり、油脂
の劣化を防止可能であり、品質の高い油脂を得る事が可
能である。また、油脂精製のコストを減少可能であり、
経済的である。
【0034】請求項5のごとく、処理対象油脂が、動植
物性油脂、脂肪酸と高級アルコールのエステル、脂肪酸
と一価又は多価アルコールのエステルであるため、該油
脂の脱酸脱臭効果を効率よく行うことが可能であり、脱
酸脱臭された高品質の油脂を得ることにより、該油脂を
添加する食品、薬品などの製品の品質を向上可能であ
る。
【0035】また、請求項6のごとく、処理して除去す
る目的物が、油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アル
コール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、そ
の他不鹸化物等の低分子量のものであるため、該油脂の
性状の安定性を向上可能であり、該油脂の臭いおよび味
などの品質を向上可能であるため、油脂を長期間貯蔵可
能であり、油脂の製造コストを削減可能であり、経済的
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す脱酸脱臭装置の略式図で
ある。
【符号の説明】
1 油脂脱酸脱臭装置 2 バッチ式乳化槽 3 薄膜蒸留装置 4 加熱装置 5 コンデンサ 6 冷却器 7 ワイパー 8 トレイ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂の脱臭及び脱酸を行う工程におい
    て、該油脂の沸点よりも、低沸点の液体を加え、混合後
    に乳化装置により乳化し、乳化させた後に連続蒸留装置
    を用いて減圧蒸留を行うことを特徴とする油脂の脱臭脱
    酸方法。
  2. 【請求項2】 減圧蒸留を行う装置として薄膜蒸留装置
    を用いる事を特徴とする請求項1記載の油脂の脱臭脱酸
    方法。
  3. 【請求項3】 薄膜蒸留装置内の圧力を約6mmHgに
    保ち、該薄膜蒸留装置内に導入されたエマルジョンを約
    230℃で1乃至7秒間加熱することを特徴とする請求
    項1記載の油脂の脱臭脱酸方法。
  4. 【請求項4】 油脂に加える該油脂の沸点よりも沸点の
    低い液体として、水を用いることを特徴とする請求項1
    記載の油脂の脱臭脱酸方法。
  5. 【請求項5】 処理対象油脂が、動植物性油脂、脂肪酸
    と高級アルコールのエステル、脂肪酸と一価又は多価ア
    ルコールのエステルであることを特徴とする請求項1記
    載の油脂の脱臭脱酸方法。
  6. 【請求項6】 処理して除去する目的物が、油脂に含ま
    れるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄
    化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物等の低分子
    量のものであることを特徴とする請求項1記載の油脂の
    脱臭脱酸方法。
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