JP6726657B2 - 食用油脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エステル交換により得られる食用油脂の製造方法に関する。
触媒を用いた油脂の化学エステル交換プロセスは、「油脂の加熱→脱水→触媒投入→水洗→静置→水相及び乳化相除去→真空脱水」の順序で進行する。触媒投入によって、触媒であるアルカリ性物質と油脂が反応することで、化学エステル交換反応が進行すると共に、副生物のセッケン(脂肪酸のアルカリ金属塩)が生成する。これまで、前記セッケンを除去するために、化学エステル交換反応後の油脂に対して「水洗→静置→水相及び乳化相除去」との工程を実施していたが、セッケンを完全に除去することが出来ず、一部が油脂中に残っていた。
そのため、セッケンを完全に除去するためには、前記水洗後の油脂に対して、白土等の濾過助剤による処理を施す必要があった。しかし、通常の方法で白土処理を行った場合、セッケン除去には多量の白土が必要となり、白土の臭いが油脂に移行して油脂の風味に悪影響を及ぼしたり、白土に油脂が付着して歩留りが悪くなったり、廃棄処理が必要な使用済みの白土が発生するという問題があった。また、白土の臭いを除去する為に高温脱臭すると、多くの好ましい風味成分が飛んでしまい、油脂の酸化安定性も悪くなるという問題もあった。
水洗以外の方法で、白土処理前に予めセッケン量を低減する方法として、特許文献1では、例えば化学エステル交換反応を実施した後に、副生したセッケンを無機酸ないしは有機酸を添加することにより酸分解し、脱色脱臭を実施する方法が開示されている。しかし、化学エステル交換反応を実施した直後、油層中でセッケンを酸分解するためには、過剰量の酸を添加して、ホモミキサーのような強力な撹拌力を有する機器を使用する必要があった。また、生成したセッケンが全て脂肪酸に変化し、生じた油層中の多量の脂肪酸を除去するためには60〜90分間という比較的長時間の脱臭が必要となり、油脂の酸化安定性が悪化し、良好な風味が損なわれるという問題があった。
特開昭51−61510号公報
本発明の目的は、白土等の濾過助剤の使用量が少ない、或いは全く使用しなくても、エステル交換反応後の油脂中に含まれているセッケンを十分に除去でき、濾過助剤を多量に使用して得られた従来の油脂よりも風味が豊かで、酸化安定性に優れた食用油脂を製造できる方法を提供することである。さらには、食用油脂の製造において、廃棄物処理が必要な使用済みの濾過助剤の量を大幅に減らし、油脂の歩留りを上昇させることも目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、動植物油脂をアルカリ性物質によりエステル交換反応させた後、前記油脂と中性水とを特定量接触させてから、水層を除去した後、特定量の酸性物質の水溶液を油層に混合し、水層を除去してから脱臭することにより、多量の濾過助剤を使用しなくても、エステル交換反応後の油脂中に含まれているセッケンを十分に除去でき、多量の濾過助剤を用いた処理を行って得られた油脂よりも風味が豊かで酸化安定性に優れた油脂を得ることができ、さらには、使用済みの濾過助剤の量を大幅に減らせ、油脂の歩留りが上昇することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、動植物油脂を、アルカリ性物質を用いたエステル交換反応に付する第一工程、
前記エステル交換反応後に得られた油脂と、前記動植物油脂100重量部に対して10〜200重量部の中性水とを接触させて、第一水層及び第一油層を含む液を得る第二工程、
第二工程で得た液から第一水層を除去する第三工程、
酸性物質の使用量が下記式1を満足するように当該酸性物質の水溶液を、第三工程で得られた第一油層に混合して、第二水層と第二油層からなる液を得る第四工程、
第四工程で得た液から第二水相を除去する第五工程、及び
第五工程で得られた第二油層を脱臭工程に付して、エステル交換油を得る第六工程
を含む、食用油脂の製造方法に関する。
A×α=n×B (式1)
(A:第一油層中のセッケン濃度(ppm)/(3.044×10)により算出される第一油層1g当たりのセッケン総mol数、n:前記酸性物質の価数、B:第一油層1g当たりに混合する前記酸性物質のmol数、α:0.7〜5)
好ましくは、酸性物質が有機酸である。
好ましくは、第四工程において、第一油層に酸性物質の水溶液を添加して混合物を得、当該混合物を、第一油層が融解している温度以上の温度に保ちながら撹拌し、次いで、5〜80分間静置して全水滴のうち90重量%以上が沈降した後、第五工程を実施する。
好ましくは、第五工程後の第二油層100重量部に対して0.1〜1.0重量部の濾過助剤を添加して濾過助剤による処理を行い、次いで、濾過助剤を第二油層から除去した後、第六工程を実施する。
好ましくは、第六工程における脱臭温度が180〜230℃である。
好ましくは、第六工程における脱臭時間が20〜50分である。
第二工程において、第一水層及び第一油層を含む液を得る際に乳化層が生じた場合には、
第三工程において、第二工程で得られた液から第一水層及び乳化層を除去することが好ましい。
本発明に従えば、白土等の濾過助剤の使用量が少ない、或いは全く使用しなくても、エステル交換反応後の油脂中に含まれているセッケンを十分に除去でき、濾過助剤を多量に使用して得られた従来の油脂よりも風味が豊かで、酸化安定性に優れた食用油脂を製造できる方法を提供することができる。さらには、廃棄物処理が必要な使用済みの濾過助剤の量を大幅に減らし、油脂の歩留りを上昇させることができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の食用油脂の製造方法は、以下の通りである。まず、アルカリ性物質を触媒として動植物油脂をエステル交換反応させた後、得られた油脂と中性水とを特定量接触させてから、水層、及び、水層と油層の間に乳化層が生じた場合には乳化層を除去した後、特定量の酸性物質の水溶液を油層に混合し、水層、及び、水層と油層の間に乳化層が生じた場合には乳化層を除去してから脱臭することを特徴とする。
<第一工程:エステル交換反応>
前記エステル交換反応では、アルカリ性物質を触媒として動植物油脂をエステル交換反応させる。具体的には、例えば「油脂の加熱→脱水→触媒投入」の順で常法に従うことができるが、これに限定されない。この反応工程内における触媒投入時に、触媒であるアルカリ性物質と動植物油脂が反応することで、化学エステル交換反応が進行すると共に、副生物のセッケンが生成する。ここでセッケンとは、エステル交換反応に供せられる動植物油脂中に含まれるトリグリセライド、ジグリセライド、又はモノグリセライド由来の脂肪酸とアルカリ性物質が反応して生じる脂肪酸アルカリ金属塩のことである。
本発明のエステル交換油の製造に用いる動植物油脂は特に制限されるものではないが、植物油の例として、サフラワー油、大豆油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、綿実油、ヤシ油、米糠油、ゴマ油、ヒマシ油、亜麻仁油、オリーブ油、桐油、椿油、落花生油、カポック油、カカオ油、木蝋、ヒマワリ油、コーン油などを例示することができ、動物油としては、魚油、鯨油、牛脂、豚脂、羊脂、牛脚脂などを例示でき、更にそれらの水素添加油やエステル交換油、分別油、さらにはそれらの混合油などを用いても良い。
上記エステル交換反応において、動植物油脂中のモノグリセライド、ジグリセライド、又はトリグリセライドとアルカリ性物質が反応する際に、水分はエステル交換反応を阻害するため、動植物油脂中の水分含有量は少ないほど良い。そこで、触媒を投入する前に、動植物油脂を脱水工程に付して、動植物油脂中の水分含有量を、0.1重量%以下まで減少させておくことが好ましく、より好ましくは0.05重量%以下、さらに好ましくは0.03重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下である。ここで、動植物油脂を脱水するには、加熱真空脱水や窒素バブリングなどを行なえばよい。
動植物油脂を脱水する前に動植物油脂を加熱する際には、その加熱温度は特に限定されないが、例えば、60〜110℃程度の温度に加熱すればよい。60℃未満であると脱水効率が悪い場合があり、110℃を超えると、油脂が劣化し過ぎる場合がある。
本発明のエステル交換油の製造に用いるアルカリ性物質としては、エステル交換能を有している物質であれば何を使用しても良く、アルカリ金属やその化合物が例示でき、具体的にはカリウムナトリウム合金、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を例示できる。低温での活性が高いことからはカリウムナトリウム合金が好ましく、経済性や扱い易さからはナトリウムメチラートが好ましい。
前記アルカリ性物質の添加量は、前記動植物油脂100重量部に対して0.05〜0.5重量部が好ましく、0.1〜0.3重量部がより好ましい。0.05重量部より少ないと、動植物油脂のエステル交換反応速度が遅い、もしくは反応が進行しない場合がある。一方、0.5重量部より多いと、油脂中のモノグリセライド、ジグリセライド、又はトリグリセライドとアルカリ性物質が反応することで生成するセッケンの量が多くなり、得られるエステル交換油の収率が低下するため、好ましくない場合がある。
動植物油脂とアルカリ性物質との反応条件は特に限定されず、常法に従うことができるが、例えば0.03〜3時間、50〜120℃程度であって、好ましくは外気等から水分が混入しない条件がよく、例えば真空下で反応させたり、油脂のヘッドスペースに窒素を充填した状態で反応させたりすればよい。
<第二工程:エステル交換反応後の油脂と中性水との接触>
前記エステル交換反応後の油脂に、中性水を接触させる。これにより、油脂に含まれるセッケンを水層に移行させ、油脂中に含まれるセッケン量を低減することができる。
ここで、中性水とは、わずかにアルカリ性を示す水、及び、わずかに酸性を示すが、セッケンと反応して脂肪酸に変化させる程度の酸性ではない水も含む。具体的には、pH5〜9の範囲の水を好適に用い得る。
前記中性水を油脂と接触させるには、エステル交換反応後の油脂と中性水との接触表面積の総和が大きく且つ乳化が生じにくいように中性水を油脂に添加する方法が好ましい。接触表面積の総和が小さいと、洗浄効率の悪い場合がある。また、乳化が起こると、油脂の歩留りを低下させる場合がある。中性水の水滴径が大きいほど、大半の水滴はセッケンを抱いたまま、比重の差に従い沈降していく。これにより、セッケンを十分に除去できると共に、乳化を生じにくくすることができる。
接触表面積の総和と水滴径とのバランスを適切な範囲にするために、具体的には、油層中における水滴径が1〜5mm程度になるように、中性水の液滴を油脂に添加する方法が好ましく、さらには、中性水の添加の勢いが強すぎないように添加することがより好ましい。水滴径が1mmより小さいと、水滴が油脂中に浮遊し続けて沈降しにくい場合があり、また、油層中の油脂全体に接触させるためには中性水の添加の勢いを強くする必要があるので乳化層が生じやすくなる場合がある。5mmより大きいと接触表面積の総和が小さくなり、セッケンの除去が不十分になる場合がある。上記以外の方法としては、ヘッドスペースに中性水を霧状に噴霧し油層表面で合一させて水滴の状態で沈降させる方法や、予め中性水で満たした水層に対して油脂を油滴の状態で添加する方法を例示することができる。
中性水を添加する際は、油脂を撹拌しながら一気に中性水を接触させると、特開昭51−61510号公報に記載のように、水層と油層の間で大量の乳化層が発生し、油脂の歩留りを低下させる恐れがある。従って、乳化層の発生をできるだけ抑制するために、油脂と中性水との接触は穏やかであることが好ましい。前述した水滴径の大きさに関わらず、中性水を添加する際の勢いが強すぎると乳化が起こり易くなる場合があり、勢いが弱すぎると中性水の添加に時間がかかり、生産効率が低下する場合がある。また、油脂に中性水を添加する際、油脂の流動性は低い方が好ましく、油脂は流動させないことが更に好ましい。油脂の流動性は、例えば撹拌速度を変えることで調整すれば良い。
中性水を油脂の上部から添加する場合は、例えばシャワーリングによって中性水を液滴状にして添加する方法などを例示することができる。シャワーリングは、ノズル径の変更や水圧の調節などで水滴径をコントロールし易く、エステル交換反応後の油脂と中性水との接触表面積の総和を制御するのに好適である。また、油層の表面に対して広範囲に均一に中性水を添加することも容易である。さらに、添加する水滴が小粒径であっても、油層表面で水滴同士が合一し易く、適度な粒径になって沈降し易い。
前記エステル交換反応後の油脂に接触させる中性水の添加量は、原料である動植物油脂100重量部に対して10〜200重量部が好ましく、30〜170重量部がより好ましく、50〜150重量部が更に好ましく、50〜120重量部が特に好ましい。10重量部より少ないと、中性水とセッケンが接触する表面積の総和が少ないために、エステル交換反応後の油脂中からセッケンを十分に除去できない場合がある。200重量部より多いと、処理しなければならない廃水量が増加するため、経済的に好ましくない場合がある。
この工程により、第一水層及び第一油層を含む液が得られる。また、この工程によると、従来の水洗工程と比較して、乳化層の発生をはるかに抑えることができる。しかし、わずかに乳化層が発生することもあり、その場合には、この工程により、第一水層、乳化層及び第一油層からなる液が得られる。乳化層は、第一水層と第一油層との間に形成される。
<第三工程:第一水層の除去>
この工程では、第二工程で得られた液から第一水層を除去する。また、上述したように、第二工程で得られた液において乳化層が発生している場合には、第二工程で得られた液から第一水層及び乳化層を除去する。この場合、乳化層は第一水層と共に除去すればよい。
第二工程で得られた液は、タンク等の容器中で、比重の差に従って、下方から、第一水層、生じている場合には乳化層、及び、第一油層に分離している。従って、容器の下部から、第一水層、及び、生じている場合には乳化層を排出することにより、第二工程で得られた液から第一水層及び乳化層を除去することが出来る。
なお、第一水層、乳化層、及び第一油層は、第一水層及び乳化層の除去の前に予め十分に分離させておくことが好ましい。各層の分離が十分でないとセッケンと乳化物の除去効率が低下したり、油脂の歩留りが低下する場合がある。前記各層を十分に分離するには、例えば、添加した中性水の沈降後に、容器中で一定時間静置したり、遠心分離すれば良い。
こうして水層を除去して得られたエステル交換油は、この時点で含まれるセッケン濃度が好ましくは350〜1200ppm(より好ましくは350〜1000ppm)と非常に少なくなる。
<第四工程:酸性物質と油層との混合>
第三工程で第一水層と、生じている場合には乳化層とを除去した後の第一油層に、酸性物質の水溶液を混合し、撹拌する。これにより、第一油層に残留しているセッケンを脂肪酸に変化させることでセッケンを分解し、生じた脂肪酸を水層に移行させることができる。ここで、撹拌とは油層と酸性物質の水溶液を乱流状態にすることを表す。乱流状態を作り上げるには、例えばタンクの中で撹拌翼を回転させたり、スタティックミキサーを通せばよい。
本発明において使用可能な酸性物質は、セッケンと反応した際に、セッケンからアルカリ金属を奪い脂肪酸に変化させることが可能な酸性物質であれば特に限定はない。例えばクエン酸やリンゴ酸、乳酸などの有機酸、塩酸、硫酸などの無機酸が例示できるが、食用であることを考えると、有機酸が好ましい。
前記酸性物質を水溶液の状態で第一油層に添加する理由は、酸性物質を固体状で添加すると、油脂中のセッケンとの反応が効率的に進まないし、酸性物質を気体状で添加すると、油脂中からすぐに抜けてしまい、同じく反応が効率的に進まないからである。
前記酸性物質は、下記式1を満足するような量を第一油層に混合する。
A×α=n×B (式1)
式中、Aは、第一油層中のセッケン濃度(ppm)/(3.044×10×10)により算出される第一油層1g当たりのセッケン総mol数を表す。nは、前記酸性物質の価数を表す。Bは、第一油層1g当たりに混合する前記酸性物質のmol数、α:0.7〜5を表す。
前記式1において、定数αは、0.7〜5の範囲にある数値となる。好ましくは、0.7〜4であり、より好ましくは0.7〜3であり、さらに好ましくは0.8〜2である。αが0.7より小さいと、酸性物質の添加量が不十分であり、油脂中に残存するセッケンが多くなったり、後工程でセッケンの除去にかかる時間が長くなる場合がある。αが5より大きいと酸性物質の添加量が過剰なため、反応せずに残る酸性物質が多くなり、経済的負担が大きすぎる場合がある。
式1の第一油層1g当たりのセッケンの総mol数Aは、次のようにして算出する。まず、社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」(発行年:1996年)の2.6.2−1996セッケンに記載された方法に従い、第一油層中のセッケン濃度X(ppm)を算出する。その後、式2:A’=X×Y/(3.044×10×10)(A’:第一油層中のセッケン総mol数、X:第一油層中のセッケン濃度X(ppm)、Y:エステル交換反応に供する全動植物油脂量(g))によって、第一油層中のセッケン総mol数A’を算出出来る。従って、第一油層1g当たりのセッケン総mol数Aは、式2’:A=X/(3.044×10×10)に従って算出できる。
なお、ここで分母の数字(3.044×10)はオレイン酸ナトリウムの分子量である。セッケン中の脂肪酸はオレイン酸だけではないが、オレイン酸ナトリウムの分子量を慣例的にセッケンの分子量とする。また、酸性物質を添加する第一油層量は、第三工程で水層や乳化層を除去する際に若干目減りするが、その目減り分は無視することとする。但し、著しく第一油層量が減っている場合や厳密に計算する場合には、式2のX値を基に第一油層量を計算すれば良い。
第一油層に酸性物質の水溶液を添加して得られた混合物を撹拌する際には、第一油層が完全に融解している状態に保ちながら撹拌することが好ましい。第一油層が完全に融解していない状態で撹拌すると、セッケンと酸性物質との反応効率が低下し、第一油層中のセッケンを十分に分解できない場合がある。なお、第一油層を融解するために第一油層を昇温することが好ましいが、そのタイミングは、酸性物質の水溶液の添加前でも後でも良い。
ここで、前記撹拌は、乱流状態の反応系(第一油層と酸性物質の水溶液の混合・撹拌系)において、油脂が酸化劣化しない状態で行われることが好ましい。具体的には、反応容器内を密閉系にしたり、反応を窒素雰囲気下の状態で行えばよい。また、乱流状態が激しい程酸性物質とセッケンとの反応効率が高くなる一方で、乱流状態が激しすぎると、油層中の水滴径が小さくなりすぎ、後の液滴の沈降に時間がかかりすぎてしまう。
そこで、酸性物質の水溶液を添加する際の乱流状態は、以下の条件を満たすことが好ましい。乱流時には酸性物質の水溶液が油層中において液滴状態として存在するが、液滴径分布上、液滴径dよりも小さい液滴径の存在割合が10重量%であるときに、ストークスの沈降速度式(式3):u={(ρ−ρ)×g×d}/18μ(式中、u:液滴の終末沈降速度(cm/s)、ρ:酸性物質水溶液密度(g/cm)、ρ:第一油層密度(g/cm3)、g:重力加速度(cm/s)、d:液滴の直径(cm)、μ:第一油層粘度(g・cm・s))より得られる終末沈降速度uを用いた式4:t=L/60u(t:沈降時間(min)、L=液滴を沈降させる際の反応系の深さ(cm))において、沈降時間t、即ち、撹拌を停止して混合物を静置してから全水滴の内90重量%が沈降するまでの時間が5〜80分間であることが好ましく、20〜60分間がより好ましい。
前記沈降時間が80分間を超える場合は、液滴径が小さくなり過ぎていたり、残存するセッケンが多いために乳化が生じてしまっていることを意味しており、第五工程で第二水層を除去する前に遠心分離の工程を要するなど手間がかかってしまう場合がある。また、5分間より短い場合は、液滴径が大きくなりすぎていることを意味し、接触表面積の総和が不足するためセッケンを十分に分解、除去できない場合がある。
第一油層と酸性物質の水溶液との混合・撹拌は、第一油層中のセッケンと酸性物質とを反応させ、セッケンを十分に分解することを目的としているため、混合・撹拌を停止するタイミングは油層中のセッケン量を目安にすればよく、油層中のセッケン濃度が30ppm以下になった段階で混合・撹拌を停止すればよい。油層中のセッケン濃度が30ppmよりも多い段階で混合・撹拌を停止すると、残存したセッケンで乳化が起こり、水滴の沈降に時間を要する場合があったり、乳化によって油脂の歩留まりが低下することがあり好ましくない。また、前記セッケン濃度が30ppmを下回った以降も撹拌を続けると、油脂中のセッケン量が低下することで、発生していた乳化層が破壊され、歩留まり向上に繋がり、好ましい。しかしながら、場合によっては長時間の撹拌により液滴径が小さくなりすぎて液滴の沈降に時間を要し、油層と水層との分離に時間がかかりすぎることもある。
なお、ストークスの沈降速度式(式3)における第一油層の粘度は、社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」(発行年:1996年)の2.2.10.1−1996粘度(動粘度)に記載された方法に従い測定することが可能である。
この工程で、第一油層と酸性物質の水溶液との混合・撹拌を行うことで、第二水層と第二油層からなる液が得られる。また、この工程では、極めて少量ではあるが、わずかに乳化層が発生する場合があり、その場合には、この工程により、第二水層、乳化層及び第二油層からなる液が得られる。乳化層は、第二水層と第二油層との間に形成される。
<第五工程:酸性物質と油層との混合後の水層除去>
第四工程の混合・撹拌を停止後静置して、第二水層が沈降したら(好ましくは、5〜80分間静置して全添加水のうち90重量%以上が沈降したら)、第四工程で得られた液から第二水層を除去する。前記において添加水のうち90重量%以上の水滴が沈降した後、必要に応じてもうしばらく静置しても良い。第二水層の除去方法は特に限定されないが、例えば、第二水層と第二油層からなる液を収容している容器の下部から第二水層を排出すれば良い。また、上述したように、乳化層が発生している場合には、第四工程で得られた液から第二水層及び乳化層を除去する。この場合、乳化層は第二水層と共に除去すればよい。
<任意工程:残留酸性物質の除去>
後述の「濾過助剤による補助的セッケン分除去」を行わない場合は、第二油層中に残留している酸性物質を除去するために、以下の方法を実施してもよい。添加した酸性物質の融点が油脂の温度より低い場合、第二水層を除去した後、真空脱水を行うと第二油層中に酸性物質が結晶として析出するので、例えばフィルターに第二油層を通過させるなどの方法で酸性物質を除去することが可能である。また、酸性物質を析出させずに除去する方法としては、第二水層を除去した後、更に遠心分離を行い得られた水層を除去することにより水層に溶解した状態で酸性物質を除去する方法や、油脂と酸性物質との比重の差を利用して遠心分離後に油脂の下層に得られる酸性物質を除去する方法も可能である。この方法の場合、第二水層を除去した後に水を再添加してから遠心分離しても良い。また、添加した酸性物質が塩酸などの沸点の低い酸である場合、酸性物質は揮発するため、第二油層を蒸留することにより酸性物質を除去することが可能である。後述の「濾過助剤による補助的セッケン分除去」を行う場合は、そこで残留酸性物質も除去され得る。
<任意工程:濾過助剤による補助的セッケン分除去>
必須の工程ではないが、少しでも第二油層中のセッケンの残留量を減らし、エステル交換油の脱色効果を十分に得るために、第五工程で第二水層を除去した後、続けて、第二油層に濾過助剤を混合・撹拌した後、濾過助剤を第二油層から分離・除去する方法が挙げられる。前記混合・撹拌の際には、第二油層、残留酸性物質、残留セッケン分、残留水分及び濾過助剤の合計量の内、水分を1重量%以下にすることが好ましい。水分が1重量%より多いと、濾過助剤の有する吸着効果が十分に発揮されない場合がある。なお、反応系中の水分を減らした状態で混合・撹拌するためには、例えば濾過助剤を添加後に加熱真空状態で撹拌すればよい。また、濾過助剤を添加前に、第二水層除去後の第二油層(残留酸性物質、残留セッケン分、残留水分等を含む)、濾過助剤それぞれを加熱真空状態で脱水してもよい。
前記濾過助剤としては、セッケン分を吸着して除去する効果があること、また付随して、結果的に濾過速度の低下を抑える効果を有していれば、何を使用しても良い。後者の理由は、セッケン分は濾過中に凝集したりしてフィルターの目詰まりを引き起こし、濾過速度が低下しやすいためである。具体的には、活性白土、酸性白土、パーライト、二酸化珪素、珪藻土、活性炭などが挙げられ、特にセッケン分除去の効果の面から、活性白土や酸性白土を用いることが好ましい。また、濾過助剤は2種類以上を用いても構わないが、経済性や作業の簡便さなどを考え、1種類のみを使用することが好ましい。
前記濾過助剤の添加量は、前記第二水層除去後の第二油層100重量部に対して1.0重量部以下が好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましく、0.2〜1.0重量部が更に好ましく、0.3〜1.0重量部が特に好ましく、0.4〜1.0重量部が極めて好ましい。1.0重量部より多いと、濾過助剤特有の好ましくない風味がエステル交換油に移行したり、濾過助剤に付着するエステル交換油量が比例的に増えることで、エステル交換油の収率が低下する場合がある。
なお、セッケン分は次の脱臭工程では除去できないため、脱臭工程の前に、濾過助剤を用いてセッケン分を除去しておくことが好ましい。
<第六工程:脱臭>
この工程では、第二油層を脱臭工程に付して、エステル交換油である食用油脂を得る。前記脱臭は、例えば水蒸気蒸留により実施することができ、具体的には、第二油層を水蒸気蒸留装置に移送し、第二油層を加熱しながら、400Pa以下の減圧下、第二油層100重量部に対して0.5〜10重量部/hrで水蒸気を吹き込むことで実行できる。
前記水蒸気蒸留による脱臭工程に供する第二油層のセッケン濃度は、15ppm以下が好ましく、10ppm以下が更に好ましい。15ppmより高いと、得られる食用油脂がえぐみのような異味を呈する場合がある。
前記水蒸気蒸留による脱臭温度は、180〜230℃が好ましく、190〜230℃がより好ましく、200〜230℃が更に好ましい。180℃より低いと、エステル交換油中に含まれる遊離脂肪酸を除去できず酸価が高くなり、得られる食用油脂がえぐみのような異味を残す場合がある。230℃より高いと、油脂中の酸化安定物質の減少や、良好な風味成分まで除去してしまう場合がある。得られる食用油脂の酸価は、0.1以下が好ましく、0.07以下がより好ましく、0.05以下が更に好ましい。酸価が0.07以下であれば、エステル交換油の脱臭が十分であるといえる。なお、実際の製造においては、酸価の下限値は0.02が限界である。
また前記水蒸気蒸留による脱臭時間は、20〜50分間が好ましく、30〜50分間がより好ましく、40〜50分間が更に好ましい。20分間より短いと、エステル交換油中に含まれる遊離脂肪酸を除去できず、得られる食用油脂の酸価が高くなったり、えぐみのような異味を残す場合がある。50分間より長いと、油脂中の酸化安定物質の減少や、良好な風味成分まで除去してしまう場合がある。
脱臭としては、薄膜蒸留法も使えるが、その場合の脱臭温度や脱臭時間は、お常法に準拠して適宜行えばよい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<酸価>
社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」(発行年:1996年)の基準油脂分析試験法「2.3.1−1996酸価」に準拠して酸価を測定した。
<エステル交換油の官能評価>
実施例・比較例で得られたエステル交換油を40℃に温調した後、熟練したパネラー5人に食してもらい、異味・異臭の強さ、良好な風味の強さの観点で評価した結果を集約した。その際の評価基準は以下の通りであった。
○:好ましい風味が感じられ、異味・異臭がなく、エステル交換油の風味として好ましい。
△:好ましい風味が弱いもしくはやや感じられ、異味・異臭が無いもしくはやや感じられエステル交換油の風味としてあまり好ましくない。
×:異味・異臭がはっきりと感じられ、エステル交換油の風味として問題がある。
<廃濾過助剤の産生割合>
エステル交換油を製造した際に産生された廃濾過助剤の重量を、濾過助剤に処したエステル交換油の重量で除して100を乗じ、%で表した値を廃濾過助剤の産生割合(%)とした。常法で白土処理を行った場合、廃白土には分離困難な油脂が付着しており、前記産生割合は、2.5〜6%となる。従って、前記割合が2.0%未満であれば、エステル交換油の製造で産生される廃濾過助剤の量は少ないと言える。
<CDM試験(酸化安定性)>
社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」(発行年:1996年)の「2.5.1.2−1996CDM試験」に準じてCDM値を測定した。前記CDM値は、原料とする動植物油脂のヨウ素価とエステル交換油の製造条件に依存するが、CDM値が大きくなるほど、酸化安定性が良好であるといえる。
(実施例1) エステル交換油1の作製
パーム分別油(ヨウ素価:60、融点17℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空状態(400Pa)の条件下で加熱真空脱水を行い、前記油脂中の水分を0.0085重量%に調整した。その後、油脂100重量部に対しナトリウムメチラートを0.15重量部添加し、真空状態のまま20分間撹拌した。撹拌を停止し、真空を開放した後、原料であるパーム分別油100重量部に対し100重量部の中性水(pH7.6(以下、全て同じpH))を、油層の上からシャワーリングしながら注いで、該油脂と中性水とを接触させた。この時、乳化はほとんど生じていなかった。そのまま40分間静置して油層、乳化層、水層を十分に分離させた後に、フラスコ下部から水層と乳化層とを排出し、98重量部の油層を得た。該油層には、油層1g当たりセッケンが1.61×10−6mol(500ppm)含まれており、油脂の歩留りは98.0%であった。
それから該油層98重量部に対し、300重量部の水に0.017重量部のクエン酸を溶解させたクエン酸水溶液を添加し、150rpm、80℃、常圧の条件下で60分間撹拌し、その後静置した。この時、式1のA:第一油層1g当たりのセッケン総mol数、n:酸性物質の価数、B:第一油層1g当たりに混合する酸性物質のmol数、α:定数はそれぞれ、A=1.61×10−6mol、n=3、B=8.91×10−7mol、α=1.66であった。即ち、クエン酸水溶液は、油層1g当たりクエン酸の純分が8.91×10−7molとなるように添加した。
静置開始より35分後には90重量%の水分が水層に沈降していた。この時、乳化層は生じていなかった。静置開始より45分後にフラスコ下部から水層を排出した後、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空状態(400Pa)の条件下で加熱真空脱水を行い油脂中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させて析出したクエン酸を除去し、セッケン濃度0ppmのエステル交換油を97.5重量部得た。
クエン酸で処理した後のエステル交換油全量97.5重量部を水蒸気蒸留装置に仕込み、210℃、真空度:270Pa、水蒸気吹き込み量2重量部/hr、45分間の条件で脱臭処理し、96.5重量部のエステル交換油1を得た(歩留り:96.5%)。得られたエステル交換油1の酸価は0.03であり、風味の評価結果は良好であった。また、濾過助剤によるセッケン除去を行っていないため、廃濾過助剤/エステル交換油(重量比)は0%であり、エステル交換油1のCDM値は、9.5hrであった。
(実施例2) エステル交換油2の作製
パーム分別油(ヨウ素価:52、融点33℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空状態(1000Pa)の条件下で脱水を行い、油脂中の水分を0.025重量%に調整した。その後、前記油脂100重量部に対しナトリウムメチラートを0.25重量部添加し、真空状態のまま30分間撹拌した。真空を開放した後、140重量部の中性水を油層の上からシャワーリングしながら注いで、該油脂と中性水とを接触させた。この時、乳化はほとんど生じていなかった。そのまま40分間静置して油層、乳化層、水層を十分に分離させた後に、フラスコ下部から水層と乳化層とを排出させ、97.2重量部の油層を得た。該油層には、油層1g当たりセッケンが1.44×10−6mol(450ppm)含まれており、油脂の歩留りは97.2%であった。
それから該油層97.2重量部に対し、200重量部の水に0.0085重量部のクエン酸を溶解させたクエン酸水溶液を添加し、150rpm、80℃、常圧の条件下で60分間撹拌し、その後静置した。この時、式1のA:第一油層1g当たりのセッケン総mol数、n:酸性物質の価数、B:第一油層1g当たりに混合する酸性物質のmol数、α:定数はそれぞれ、A=1.44×10−6mol、n=3、B=4.45×10−7mol、α=0.93であった。即ち、クエン酸水溶液は、クエン酸の純分が油層1g当たり4.45×10−7molとなるように添加した。
静置開始より40分後には90重量%の水分が沈殿しており、静置開始より50分後に沈降した水層を除去した。この時、乳化層は生じていなかった。その後、100℃、真空状態(400Pa)の条件下で加熱真空脱水により油脂中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させて析出したクエン酸を除去し、セッケン濃度35ppmの油層を96.2重量部得た。
クエン酸処理後の油層全量96.2重量部をセパラブルフラスコに入れ、0.38重量部(クエン酸処理後の油層全量100重量部に対して0.40重量部)の活性白土を添加した後、90℃、150rpm、真空状態(1330Pa)の条件下で20分間撹拌し、混合物全体の水分量を1重量%に調整した後、白土を分離してセッケン濃度0ppmのエステル交換油を95.8重量部得た。
上記で得られたエステル交換油を水蒸気蒸留装置に仕込み、230℃、真空度270Pa、水蒸気吹き込み量2重量部/hr、45分間の条件下で脱臭処理し、94.7重量部のエステル交換油2を得た(歩留り:94.7%)。得られたエステル交換油2の酸価は0.04であり、風味の評価結果は良好であった。また、分離した白土には油脂が0.4重量部付着しており、廃濾過助剤/エステル交換油(重量比)は0.82%であり、エステル交換油2のCDM値は、11.5hrであった。
(実施例3) エステル交換油3の作製
豚脂(融点37℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空状態(670Pa)での脱水を行い、油脂中の水分を0.015重量%に調整した。その後、前記油脂100重量部に対し0.18重量部のナトリウムメチラートを添加し、真空状態のまま25分間撹拌した。真空を開放した後、80重量部の中性水を油層の上からシャワーリングしながら注いだ。この時、乳化はほとんど生じていなかった。
そのまま40分間静置して油層、乳化層、水層を十分に分離させた後に、フラスコ下部から水層と乳化層とを排出し、97.8重量部の油層を得た。該油層には、油層1g当たりセッケンが2.41×10−6mol(750ppm)含まれており、油脂の歩留りは97.7%であった。
それから該油層97.8重量部に対し、400重量部の水に0.05重量部のリンゴ酸を溶解させたリンゴ酸水溶液を添加し、150rpm、90℃、常圧で40分間撹拌し、その後静置した。この時、式1のA:第一油層1g当たりのセッケン総mol数、n:酸性物質の価数、B:第一油層1g当たりに混合する酸性物質のmol数、α:定数はそれぞれ、A=2.41×10−6mol、n=2、B=3.84×10−6mol、α=3.19であった。即ち、リンゴ酸水溶液は、リンゴ酸の純分が油層1g当たり3.84×10−6molとなるように添加した。
静置開始より30分後には90重量%の水分が沈降し、油層、水層が十分に分離したので、そのまま水層を除去した。この時、乳化層は生じていなかった。その後、100℃、真空状態(400Pa)の条件下で加熱真空脱水により油脂中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させ析出したリンゴ酸を除去し、セッケン濃度0ppmのエステル交換油を97.3重量部得た。
リンゴ酸で処理した後の油層全量を水蒸気蒸留装置に仕込み、220℃、真空度:270Pa、水蒸気吹き込み量:3重量部/hr、40分間の脱臭条件で処理し、96.5重量部のエステル交換油3を得た(歩留り:96.5%)。得られたエステル交換油3の酸価は0.03であり、風味の評価結果は良好であった。また、濾過助剤によるセッケン除去を行っていないため、廃濾過助剤/エステル交換油(重量比)は0%であった。
(比較例1) エステル交換油4の作製
パーム分別油(ヨウ素価45、融点32℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空状態(930Pa)での脱水を行い、油脂中の水分を0.022重量%に調整した。その後、0.35重量部のナトリウムメチラートを添加し、真空状態のまま30分間撹拌した。真空を開放した後、180重量部の中性水を油層の上からシャワーリングしながら注いだ。この時、乳化はほとんど生じていなかった。
そのまま40分間静置させた後に、水を排出して油層、乳化層、水層を十分に分離させた後に、フラスコ下部から水層と乳化層とを排出し、97.3重量部の油層を得た。該油層には、油層1g当たり1.76×10−6mol(550ppm)のセッケンが含まれており、油脂の歩留りは97.2%であった。
それから該油層97.3重量部に対して、200重量部の水に0.0073重量部のクエン酸を溶解させた水溶液を添加し、150rpm、70℃、常圧で60分間撹拌し、その後静置させた。この時、式1のA:第一油層1g当たりのセッケン総mol部、n:酸性物質の価数、B:第一油層1g中に混合する酸性物質のmol数、α:定数はそれぞれ、A=1.76×10−6mol、n=3、B=3.81×10−7mol、α=0.65であった。即ち、クエン酸水溶液は、クエン酸の純分が油層1g当たり3.81×10−7molとなるように添加した。
やや乳化が生じていたが、静置開始より90分後には90重量%の水分が沈殿したので、そのまま水層及び乳化層を除去した。その後、加熱真空脱水により油脂中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させ、析出したクエン酸を除去し、セッケン濃度50ppmのエステル交換油を96.5重量部得た。
クエン酸で処理した後のエステル交換油全量を水蒸気蒸留装置に仕込み、230℃、真空度270Pa、水蒸気吹き込み量2重量部/hr、45分間の条件で処理し、95.8重量部のエステル交換油4を得た。得られたエステル交換油4の酸価は0.08であり、風味評価では、えぐみの様な異味と異臭がはっきりと感じられた。また、濾過助剤によるセッケン除去を行っていないため、廃濾過助剤/エステル交換油の値(重量比)は0%であった。エステル交換油4のCDM値は、11.3hrであった。
(比較例2) エステル交換油5の作製
パーム分別油(ヨウ素価60、融点22℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、撹拌(150rpm)しながら、100℃、真空状態(530Pa)での脱水を行い、油脂中の水分を0.013重量%に調整した。その後、0.15重量部のナトリウムメチラートを添加し、真空状態のまま20分撹拌した。真空を開放した後、120重量部の中性水を油層の上からシャワーリングしながら注いだ。この時、乳化はほとんど生じていなかった。そのまま40分間静置させた後に、水を排出させ、98重量部の油層を得た。該油層には、油層1g当たり1.13×10−6mol(350ppm)のセッケンが含まれており、油脂の歩留りは98.0%であった。
油層全量98重量部をセパラブルフラスコに入れ、2.45重量部(油層全量100重量部に対して2.50重量部)の活性白土を添加した後、90℃、150rpm、30分間真空状態(1330Pa)で放置し、混合物全体の水分量を1重量%に調整した後、白土を分離してセッケン濃度0ppmのエステル交換油を93重量部得た。
上記で得られたエステル交換油全量を水蒸気蒸留装置に仕込み、230℃、真空度270Pa、水蒸気吹き込み量2重量部/hr、45分間の条件で処理し、91.7重量部のエステル交換油5を得た(歩留り:91.7%)。得られたエステル交換油5の酸価は0.15であり、風味評価では、えぐみと白土独特の異味と異臭がやや感じられた。また、分離した白土には油脂が5.0重量部付着しており、廃濾過助剤/エステル交換油(重量比)は5.41%であった。また、エステル交換油5のCDM値は、8.5hrであった。
(比較例3) エステル交換油6の作製
大豆油100重量部をセパラブルフラスコに入れ、撹拌(150rpm)しながら、100℃、真空状態(1000Pa)での脱水を行い、油脂中の水分を0.017重量%に調整した。その後、0.20重量%のナトリウムメチラートを添加し、真空状態のまま20分撹拌し、真空を開放し、99.8重量部の油層(水層は無いが、ここでは油層という)を得た。該油層には、油層1g当たり1.54×10−4mol(48000ppm)のセッケン分が含まれており、油脂の歩留りは95.0%であった。
それから該油層99.8重量部に対して、80重量部の水に1.22重量部のリンゴ酸を溶解させた水溶液を添加し、150rpm、90℃、常圧で40分間撹拌し、その後静置させた。この時、式1のA:第一油層1g当たりのセッケン総mol数、n:酸性物質の価数、B:第一油層1g当たりに混合する酸性物質のmol数、α:定数はそれぞれ、A=1.54×10−4mol、n=2、B=9.1×10−5mol、α=1.18であった。即ち、リンゴ酸水溶液は、リンゴ酸の純分が油層1g当たり9.1×10-5molとなるように添加した。
静置開始より40分後には90重量%の水分が沈殿したので、そのまま水層を除去した。この時乳化は生じていなかった。その後、加熱真空脱水により油層中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させ析出したリンゴ酸を除去し、セッケン濃度0ppmのエステル交換油を98.8重量部得た。
リンゴ酸で処理した後のエステル交換油全量を水蒸気蒸留装置に仕込み、250℃、真空度270Pa、水蒸気吹き込み量2重量部/hr、45分間の条件で処理し、98.0重量部のエステル交換油6を得た(歩留り:98.0%)。
得られたエステル交換油6の酸価は0.18であり、風味評価では、えぐみのような異味と異臭がはっきりと感じられた。また、濾過助剤によるセッケン除去を行っていないため、廃濾過助剤/エステル交換油の値(重量比)は0%であり、エステル交換油6のCDM値は、2.9hrであった。
(比較例4) エステル交換油7の作製
パーム分別油(ヨウ素価:60、融点17℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空状態(400Pa)の条件下で加熱真空脱水を行い、前記油脂中の水分を0.0092重量%に調整した。その後、油脂100重量部に対しナトリウムメチラートを0.15重量部添加し、真空状態のまま20分間撹拌した。撹拌を停止し、真空を開放した後、原料であるパーム分別油100重量部に対し5重量部の中性水を、油層の上からシャワーリングしながら注いだ。その後、150rpmで5分間撹拌し、該油脂と水とを接触させた。この時、乳化が生じていた為、90分間静置して油層、乳化層、水層を十分に分離させた後に、フラスコ下部から水層と乳化層とを排出し、95重量部の油層を得た。該油層には、油層1g当たりセッケンが4.68×10−5mol(15000ppm)含まれており、油脂の歩留りは93.6%であった。
それから該油層95重量部に対し、200重量部の水に1.05重量部のクエン酸を溶解させたクエン酸水溶液を添加し、150rpm、80℃、常圧の条件下で60分間撹拌し、その後静置した。この時、式1のA:第一油層1g当たりのセッケン総mol数、n:酸性物質の価数、B:第一油層1g当たりに混合する酸性物質のmol数、α:定数はそれぞれ、A=4.82×10−5mol、n=3、B=3.69×10−5mol、α=2.30であった。即ち、クエン酸水溶液は、油層1g当たりクエン酸の純分が3.69×10−5molとなるように添加した。
静置開始より40分後には90重量%の水分が水層に沈降していた。静置開始より45分後にフラスコ下部から水層を排出した後、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空状態(400Pa)の条件下で加熱真空脱水を行い油脂中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させて析出したクエン酸を除去し、セッケン濃度0ppmのエステル交換油を95.5重量部得た。
クエン酸で処理した後のエステル交換油全量95.5重量部を水蒸気蒸留装置に仕込み、250℃、真空度:270Pa、水蒸気吹き込み量2重量部/hr、45分間の条件で脱臭処理し、94.0重量部のエステル交換油7を得た(歩留り:94.0%)。得られたエステル交換油1の酸価は0.13であり、風味評価ではややえぐみが感じられた。また、濾過助剤によるセッケン除去を行っていないため、廃濾過助剤/エステル交換油(重量比)は0%であった。また、エステル交換油7のCDM値は、9.0hrであった。
Figure 0006726657

Claims (7)

  1. 動植物油脂を、アルカリ性物質を用いたエステル交換反応に付する第一工程、
    前記エステル交換反応後に得られた油脂と、前記動植物油脂100重量部に対して10〜200重量部の中性水とを接触させて、第一水層及び第一油層を含む液を得る第二工程、
    第二工程で得られた液から第一水層を除去する第三工程、
    酸性物質の使用量が下記式1を満足するように当該酸性物質の水溶液を、第三工程で得られた第一油層に混合して、第二水層と第二油層からなる液を得る第四工程、
    第四工程で得られた液から第二水層を除去する第五工程、及び
    第五工程で得られた第二油層を脱臭工程に付して、エステル交換油を得る第六工程
    を含む、食用油脂の製造方法。
    A×α=n×B (式1)
    (A:第一油層中のセッケン濃度(ppm)/(3.044×10)により算出される第一油層1g当たりのセッケン総mol数、n:前記酸性物質の価数、B:第一油層1g当たりに混合する前記酸性物質のmol数、α:0.7〜5)
  2. 酸性物質が有機酸であることを特徴とする請求項1に記載の食用油脂の製造方法。
  3. 第四工程において、第一油層に酸性物質の水溶液を添加して混合物を得、当該混合物を、第一油層が融解している温度以上の温度に保ちながら撹拌し、次いで、5〜80分間静置して全水滴のうち90重量%以上が沈降した後、第五工程を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の食用油脂の製造方法。
  4. 第五工程後の第二油層100重量部に対して0.1〜1.0重量部の濾過助剤を添加して濾過助剤による処理を行い、次いで、濾過助剤を第二油層から除去した後、第六工程を実施することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の食用油脂の製造方法。
  5. 第六工程における脱臭温度が180〜230℃であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の食用油脂の製造方法。
  6. 第六工程における脱臭時間が20〜50分であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の食用油脂の製造方法。
  7. 第二工程において、第一水層、乳化層及び第一油層を含む液を得、
    第三工程において、第二工程で得られた液から第一水層及び乳化層を除去することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の食用油脂の製造方法。
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