JP3995792B2 - 油脂の脱臭脱酸方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動植物性油脂、脂肪酸と高級アルコールのエステル、脂肪酸と一価又は多価アルコールのエステルの精製工程の一つである油脂及び油脂の脱臭脱酸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油脂の脱酸脱臭工程において、原油にカセイソーダまたは炭酸ソーダ水溶液等のアルカリ剤を加えてかき混ぜる脱酸工程が行われる。前記脱酸工程により、原油に含まれる遊離脂肪酸を鹸化し、該遊離脂肪酸の鹸化により生成した石けんを油より分離する。次に前記油の水洗を行い、過剰なアルカリ剤を除く。上記アルカリ精製により脱酸された油に対し、高温高真空下で、水蒸気を吹き込み油中に含まれる有臭成分を除き、精製油を得る方法が用いられている。
また、油脂の有臭成分やその他の揮発成分を取り除き、安定性が高く風味の良い油脂を製造するために種々の脱臭脱酸装置が考えられているが、いずれも高温高真空中の油脂に水蒸気を吹き込む減圧下の水蒸気蒸留で、脱臭後の油脂の品質とコストを考慮して処理温度、処理を行う場合の真空度、油脂に吹き込む水蒸気の吹き込み量、該水蒸気の吹き込み方法、精製を行う油の加熱冷却方法、油脂の処理時間の改良がなされた脱臭脱酸装置が用いられている。
特開昭61−247797のように動植物油にドライアイスを加え、該動植物油の脱臭を行う方法、特開平5−132693のように、油脂に水及び乳化剤を加え、加熱により乳化を崩し、分離状態において常温に冷却し、上層の油層を精製油として取得する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の油脂の脱酸脱臭工程においては、原油にアルカリ剤を加える工程、石けん分を除去する工程、油を水洗する工程、油に水蒸気を加え脱臭する工程など工程数が多く、このため処理時間が長く、多くの制御を行う必要がある。
また、従来の脱臭脱酸装置は、バッチ式又は半連続式のものが用いられており、大量の油を処理する場合には効率が低い。また、脱酸脱臭の過程で油脂が高温にさらされる時間が長く、該脱酸脱臭の処理中において油脂の一部が熱劣化を起こすため、前記処理により油脂の臭い及び味が影響を受ける可能性がある。
脱酸工程において、原油にカセイソーダ等のアルカリ剤を加え、遊離脂肪酸を石けんの形で分離するため、該石けんが界面活性剤として機能し、油脂が水に可溶化され、油脂の精製収率が減少する可能性があり、油脂自体がアルカリ剤により分解される可能性がある。
【0004】
更に、前記脱酸脱臭の工程において油脂に吹き込む水蒸気は、ボイラーにおいて発生した水蒸気を吹き込むため、該ボイラー内の清缶剤が水蒸気と共に油脂に吹き込まれる可能性がある。これにより前記油脂中に清缶剤が混入する可能性があり、油脂の臭い及び味に影響する可能性がある。また、脱臭工程において、高温高真空中において液体である油脂に、気体である水蒸気を吹き込むため、該水蒸気は急激に膨張し、油脂と十分に接触することなく系外に排出される。このため、脱臭の効率が低く、油脂の脱臭が不十分になる可能性がある。
蒸気を吹き込まれる工程において、下層の油脂は該油脂の自重により、圧力を受けるため、上層の油脂より有臭成分が除去され難く、有臭成分の除去の効率が低い。
また、脱臭の処理温度が250℃程度であり、処理時間も30分〜2時間と長く、精製目的物である油脂が分解され、油脂の品質が低下する可能性がある。
【0005】
特開昭61−247797のように動植物油にドライアイスを加え、該動植物油の脱臭を行う方法が考案されているが、前記ドライアイスにより動植物油の温度が低下し、動植物油の粘度が増加し、流動性が低下するため、処理時間が長くなり、動植物油を大量に処理する場合には不適当である。また、動植物油の粘度が増加し、流動性が低下するため、動植物油とドライアイスもしくは炭酸ガスとの接触率が低く十分な脱臭脱酸効果を得ることが困難である。
また、特開平5−132693のように、油脂に水及び乳化剤を加え、加熱により乳化を崩し、分離状態において常温に冷却し、上層の油層を精製油として取得する方法が考案されているが、乳化剤を加えるため精製油内に乳化剤が混入する。このため、前記精製油が食用である場合には風味が損なわれる場合があり、水を加え乳化した後に加熱により乳化を崩し、分離状態において常温に冷却するため、精製油内に相当量の水の混入が予想されると共に、精製目的の油脂が水層に混入するため収率が低下する可能性がある。また、乳化を崩した後に油層と水層に分離させるために時間が掛かり、大量に精製する場合には不適当である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
油脂の脱臭及び脱酸を行う工程において、常圧下で常温の水を加え、乳化装置により油脂に水を分散させ、分散状態が崩壊しない間に、連続蒸留装置を用いて減圧蒸留を行い、油脂より水分を除去することにより脱酸脱臭する。減圧蒸留を行う装置として薄膜蒸留装置を用いる。該薄膜蒸留装置内の圧力を約6mmHg以下に保ち、該薄膜蒸留装置内に導入されたエマルジョンを約230℃で1乃至7秒間加熱する。処理対象油脂を動植物性油脂、脂肪酸と高級アルコールのエステル、脂肪酸と一価又は多価アルコールのエステルとする。処理して除去する目的物を油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物の低分子量のものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施例を示す脱酸脱臭装置の略式図である。図1において、油脂脱酸脱臭装置1は、バッチ式乳化槽2、薄膜蒸留装置3、該薄膜蒸留装置3内に配設されたワイパ7、トレイ8、加熱装置4、コンデンサ5、冷却器6及び図示しない真空排気装置、前記装置を接続する配管により構成されている。
【0008】
バッチ式乳化槽2において、油脂に該油脂を乳化するのに必要な水がくわえられる。原料油脂に加える水には軟水、イオン交換水、純水いずれも使用することができる。該バッチ式乳化槽2において、油脂及び水の混合液を攪拌もしくは超音波により、乳化させる構成になっている。該構成において、前記バッチ式乳化槽2を多数配置し、油脂と水を乳化したバッチ式乳化槽2より順次、エマルジョンを薄膜蒸留装置3に供給可能である。
また、上記構成においてバッチ式乳化槽2の代わりに、乳化機2bにより油脂と水を連続的に混合し乳化させ、薄膜蒸留装置3に供給する事も可能である。配管2cより水を供給し、配管2dより油脂を加え、前記乳化機2bにおいて水及び油脂を混合し、乳化させると共に後述する薄膜蒸留装置3に供給可能である。
【0009】
油脂と水のエマルジョンは、上記バッチ式乳化槽2より配管を介して薄膜蒸留装置3に供給される。該薄膜蒸留装置3は円筒形に設けられており、該薄膜蒸留装置3内にはワイパー7が配設されている。該ワイパー7は前記薄膜蒸留装置3内壁に当接しながら回動可能に構成されており、薄膜蒸留装置3に供給された油脂及び水のエマルジョンは、該薄膜蒸留装置3内壁に沿って供給される。該構成により、ワイパー7は薄膜蒸留装置3内壁にエマルジョンの薄膜を形成可能である。
【0010】
上記の如く、油脂及び水によりエマルジョンを構成し、薄膜蒸留装置3内において薄膜状に形成するため、該エマルジョンの自重による圧力を無視可能であり、エマルジョンの条件を薄膜蒸留装置3内において均一にすることが可能である。さらに、エマルジョンは重力により自然流下するため、薄膜蒸留装置3の内壁に沿いながら下層に移動する。また、前記エマルジョンをワイパー7により強制流下させることも可能である。
【0011】
薄膜蒸留装置3は、図示しない真空排気装置にコンデンサ5を介して接続されており、該薄膜蒸留装置3内は前記図示しない真空排気装置により低圧(約6mmHg)に保たれている。また、薄膜蒸留装置3の外周部には加熱装置4が配設されており、薄膜蒸留装置3のエマルジョンの流下する内壁を一定温度(230℃)に保つ構成になっている。加熱装置4により加熱される内壁には前述のようにエマルジョンが流下するが、該エマルジョンが薄膜状であるため、流下するエマルジョンの熱容量は少なく、前記加熱装置4により瞬時に昇温される。
前記エマルジョンは、自然流下またはワイパー7で強制流下させる構造となっており、エマルジョンが高温に保たれる時間が1〜7秒程度と非常に短く、油脂の熱劣化を最小限に留めることが可能である。
【0012】
また、前記油脂及び水のエマルジョンは、油脂に水が包まれた形状もしくは、水に油脂が包まれる形状を取っており、水と油脂の接触率を高い状態で維持可能である。このため、油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物等の低分子量のものが、高い比率で水に接触する。即ち、油脂と水の接触率を均一に向上可能であり、油脂に水を均一に混合可能である。
【0013】
前記薄膜蒸留装置3において、加熱装置4は該薄膜蒸留装置3の上部より中部に設けられており、前記薄膜蒸留装置3の上部より中部の間において、エマルジョンが加熱される。該エマルジョンは薄膜状に形成されており、重力により薄膜蒸留装置3内壁に沿って下方に流れ落ちるため、加熱装置4による加熱面積を変更することにより、加熱時間を変更可能である。
【0014】
上記構成により、油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物等の低分子量のものが、水と混合されたことにより共沸される。即ち、前記低分子量のものを、水が含まれない場合よりも低い温度で気化させ、油脂の系外に効率よく取り出す事が可能である。また、エマルジョンは薄膜状に形成されているため、短い加熱時間でも十分に設定温度まで上昇可能であり、油脂の劣化を防止可能である。また、油脂に混合する物質として水を使用し、乳化させるため、衛生的であり、油脂の変質を防止可能である。
【0015】
前記油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物等の低分子量のものは、水と共に気化した後に前述したコンデンサ5において、冷却液化され収集可能である。このため、水分及び前記油脂に含まれる低分子量のものが、該コンデンサ5に接続した真空排気系へ侵入する事を防止可能である。
また、目的物が油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物等の低分子量のものである場合には、該目的物を上記の構成により、従来よりも短時間に低温条件で原料油脂より分離可能である。
【0016】
上記構成により、水及びアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物等の低分子量のものが除去された油脂は、重力もしくはワイパー7により、薄膜蒸留装置3の内側下部に設けられた油脂を受けるトレイ8に溜まる構成になっている。該トレイ8に溜まった油脂は、冷却器6に導入され、該冷却器6において冷却される。
【0017】
即ち、上記構成により油脂を低温条件において、短時間で脱酸脱臭可能であり、衛生的に油脂の劣化を防止可能であり、油脂の品質を向上可能であり、油脂の脱酸脱臭効率を向上可能である。
【0018】
また、本発明は、原料油脂に該油脂よりも低沸点の液体を加え、均一に混合した後、減圧蒸留可能であれば良いものであり、上記構成において、水の代わりに油脂の抽出溶媒として用いられるヘキサン等の油脂よりも低沸点のものを用いることも可能である。このような場合には、加熱装置4の温度及び加熱時間の調節が行われ実施する構成となる。また、本発明は溶媒の選択により、目的物を系内に留める事が可能である。
乳化機としては、油脂と該油脂よりも低沸点の液体を均一に乳化可能なものであれば良く、ホモジナイザー、連続式のラインミキサー等でも同様の効果を得ることができる。
また、蒸留装置もワイパー7を備えた薄膜蒸留装置以外に同種の装置を使用することにより、同様の効果を得ることが可能である。
【0019】
【実施例】
次に実施例によりこの発明を更に具体的に説明する。
【0020】
実施例1
カプリル酸80%、カプリン酸20%の脂肪酸トリグリセライドを原料油脂とし、これに5%の水を加え、常温常圧下でホモジナイザーを用いて均一に乳化分散させたエマルジョンを調製した。また、時間経過により該エマルジョンの乳化状態が崩れない様に、ホモジナイザーにより乳化状態を維持した。
【0021】
前記操作により調製したエマルジョンをワイパーを有する薄膜蒸留装置に連続供給した。該薄膜蒸留装置内は約6mmHgに維持されており、該薄膜蒸留装置の加熱装置の温度は230℃に設定した。エマルジョンの薄膜蒸留装置における加熱時間は6秒であった。このようにして、薄膜蒸留装置下部より油脂が得られた。
【0022】
原料油脂の酸価0.17に対して、得られた油脂について酸価の測定を行った結果、該油脂の酸価は0.02であった。
また、前記脱酸脱臭油脂について臭い(105°Cに加熱後臭いを嗅ぐ)、および味(口に含み異臭および味をみる)の判定を行った結果、表1に示されるように臭い味共に総合評価は「良」と判定された。
【0023】
実施例2
オリーブ油を原料油脂として、前記実施例1と同様にエマルジョンを調製し、該薄膜蒸留装置に連続供給した。該薄膜蒸留装置内は約3mmHg、加熱装置の温度は250°Cに設定し、処理油脂を得た。
【0024】
本油脂について常温で臭いおよび味の判定を行った結果、表1に示されるように総合評価は臭いについて「良」、味について「可」と判定された。
【0025】
実施例3
ミスチン酸イソプロピルを原料油脂として、前記実施例1と同様にエマルジョンを調製し、該薄膜蒸留装置に連続供給した。該薄膜蒸留装置内は約6mmHg、加熱装置の温度は140°Cに設定し、処理油脂を得た。
【0026】
本油脂について常温で臭いの判定を行った結果、表1に示されるように総合評価は「良」と判定された。
【0027】
実施例4
ミリスチン酸オクチルドデシルを原料油脂として、前記実施例1と同様にエマルジョンを調製し、該薄膜蒸留装置に連続供給した。該薄膜蒸留装置内は約6mmHg、加熱装置の温度は190°Cに設定し、処理油脂を得た。
【0028】
本油脂について常温で臭いの判定を行った結果、表1に示されるように総合評価は「良」と判定された。
【0029】
【表1】
Figure 0003995792
【0030】
【発明の効果】
本発明は請求項1の如く、油脂の脱臭及び脱酸を行う工程において、常圧下で常温の水を加え、乳化装置により油脂に水を分散させ、分散状態が崩壊しない間に、連続蒸留装置を用いて減圧蒸留を行い、油脂より水分を除去することにより脱酸脱臭するため、油脂に加えられた低沸点の液体による共沸効果により蒸留精製の効率を向上可能であり、脱臭及び脱酸の効果を向上可能である。
脱酸及び脱臭の2工程を、油脂を乳化させた後に連続蒸留装置に加える1工程により行うことが可能であるため、脱酸脱臭工程に掛かる時間を短縮可能である。また、油脂を乳化させた後に脱酸脱臭の処理を行うため、該脱酸及び脱臭の工程の制御性を向上可能である。
水を用いることにより衛生的かつ効率的に油脂の脱臭及び脱酸効果を実施可能であり、該油脂の風味を維持可能である。
原料油脂に加える水には軟水、イオン交換水、純水いずれも使用することができ、油脂中に微細な粒子として乳化分散した水は油脂と十分に接触する事ができるため、脱臭脱酸効果が上がる。このため、油脂の処理温度を下げる事が可能であり、油脂の劣化を防止可能であり、品質の高い油脂を得る事が可能である。
また、油脂精製のコストを減少可能であり、経済的である。
【0031】
また、請求項2の如く減圧下において蒸留を行う装置として薄膜蒸留装置を用いるため、油脂の脱臭脱酸の連続処理が可能となり、大量に処理を行うことが可能である。また、本装置の特徴として供給された油脂が蒸留装置の加熱面を自然流下またはワイパーで強制流下させる構造となっており、油脂が高温になる時間が1〜7秒程度と非常に短く、油脂の熱劣化を最小限に留めることが可能であり、該油脂の品質を向上可能である。乳化した油脂を短時間で共沸可能であり、脱酸及び脱臭に要する時間を短縮可能である。また、薄膜処理のため、飛沫同伴が少なく、収率を向上可能である。
【0032】
また、請求項3の如く、薄膜蒸留装置内の圧力を約6mmHgに保ち、該薄膜蒸留装置内に導入されたエマルジョンを約230℃で1乃至7秒間加熱するため、エマルジョンに含まれる油脂を長時間高温にさらすことがなく、該油脂の劣化を防止可能であり、該油脂の脱酸脱臭のための処理時間を短縮可能であり、油脂の精製を効率的に行うことが可能であり、品質の高い油脂を精製可能である。
【0033】
また、請求項4の如く、処理対象油脂が、動植物性油脂、脂肪酸と高級アルコールのエステル、脂肪酸と一価又は多価アルコールのエステルであるため、該油脂の脱酸脱臭効果を効率よく行うことが可能であり、脱酸脱臭された高品質の油脂を得ることにより、該油脂を添加する食品、薬品などの製品の品質を向上可能である。
【0034】
また、請求項5のごとく、処理して除去する目的物が、油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物の低分子量のものであるため、該油脂の性状の安定性を向上可能であり、該油脂の臭いおよび味などの品質を向上可能であるため、油脂を長期間貯蔵可能であり、油脂の製造コストを削減可能であり、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す脱酸脱臭装置の略式図である。
【符号の説明】
1 油脂脱酸脱臭装置
2 バッチ式乳化槽
3 薄膜蒸留装置
4 加熱装置
5 コンデンサ
6 冷却器
7 ワイパー
8 トレイ

Claims (5)

  1. 油脂の脱臭及び脱酸を行う工程において、常圧下で常温の水を加え、乳化装置により油脂に水を分散させ、分散状態が崩壊しない間に、連続蒸留装置を用いて減圧蒸留を行い、油脂より水分を除去することにより脱酸脱臭することを特徴とする油脂の脱臭脱酸方法。
  2. 減圧蒸留を行う装置として薄膜蒸留装置を用いる事を特徴とする請求項1記載の油脂の脱臭脱酸方法。
  3. 薄膜蒸留装置内の圧力を6mmHg以下に保ち、該薄膜蒸留装置内に導入されたエマルジョンを230℃で1乃至7秒間加熱することを特徴とする請求項1記載の油脂の脱臭脱酸方法。
  4. 処理対象油脂が、動植物性油脂、脂肪酸と高級アルコールのエステル、脂肪酸と一価又は多価アルコールのエステルであることを特徴とする請求項1記載の油脂の脱臭脱酸方法。
  5. 処理して除去する目的物が、油脂に含まれるアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素、硫黄化合物、遊離脂肪酸、色素、その他不鹸化物であることを特徴とする請求項1記載の油脂の脱臭脱酸方法。
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