JPH11292952A - ポリウレタン系合成皮革 - Google Patents

ポリウレタン系合成皮革

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JPH11292952A
JPH11292952A JP10095026A JP9502698A JPH11292952A JP H11292952 A JPH11292952 A JP H11292952A JP 10095026 A JP10095026 A JP 10095026A JP 9502698 A JP9502698 A JP 9502698A JP H11292952 A JPH11292952 A JP H11292952A
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JP
Japan
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synthetic leather
polyurethane
pentanediol
polyester polyol
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JP10095026A
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English (en)
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Shigeru Murata
繁 村田
Masahiko Yasuda
正彦 安田
Tetsuya Nakajima
徹哉 中島
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Yuka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成皮革の表皮層等の用途に有用である耐加
水分解性、耐侯性、高透湿性に優れたポリウレタン系合
成皮革。 【解決手段】 分子内に一般式(I)で表される構造単
位からなるポリエステルポリオール部を有するポリウレ
タンからなる層を有する合成皮革(式中、R1及びR
2は、同一または異なって低級アルキルを表す)。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成皮革の表皮層
等の用途に有用である耐加水分解性、耐侯性、高透湿性
に優れたのポリウレタン系合成皮革に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタンを用いた合成皮革と
しては、主として、ポリエステルポリオール成分がアジ
ピン酸と1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ジエチレングリコール等のジオールとをエステル
化反応に付して得られるアジペート系ポリオールを用い
たものが広く使用されている。しかしながら、これらの
ポリウレタンを用いた合成皮革は、湿気、汗による加水
分解、光による劣化のため、表面層の光沢の減少または
表面層に亀裂や破損が生じ、長期使用には不適当であっ
た。このような欠点を解決するために、ポリカーボネー
トポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラ
クトンポリオール、ポリメチルバレロラクトンポリオー
ル等のポリオールが開発された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、ポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンは力
学的物性、耐候性、耐油(溶剤)性等が高くなく、ま
た、ポリカプロラクトンポリオールは耐加水分解性が十
分とはいえず、ポリカーボネートポリオールを用いたポ
リウレタンは耐寒性が不十分であり、かつ、極めて高価
であることから工業的な使用は著しく制限されるなど、
いずれも必ずしも満足できるものではなかった。従来か
ら知られているポリウレタン系の合成皮革としては、特
開昭63−315657号公報に、ポリメチルバレロラ
クトンポリオールからなるポリウレタン系合成皮革が開
示されている。また、特開平4−81414号公報に
は、アルキル側鎖を有するジオール由来のポリエステル
系ポリウレタンを合成皮革の用途に使用するとの記載は
あるが、具体的な内容は開示されていない。また、国際
公開WO96/09334には、2,4−ジアルキル−
1,5−ペンタンジオール由来のポリエステル系ポリウ
レタンを合成皮革の用途に使用するとの記載はあるが、
具体的な内容は開示されていない。本発明の目的は、合
成皮革の表皮層等の用途に有用である耐加水分解性、耐
侯性、高透湿性に優れたポリウレタン系合成皮革を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の合成皮革は、分
子内に一般式(I)で表される構造単位からなるポリエ
ステルポリオール部を有するポリウレタンからなる層を
有することを特徴とするものである。
【化2】 (式中、R1及びR2は、同一または異なって低級アルキ
ルを表す) 中でも、R1及びR2は、共にエチルであることが望まし
い。ここで、ポリウレタンは、2,4−ジアルキル−1,
5−ペンタンジオールを30重量%以上含有するジオー
ルとジカルボン酸とのエステル化反応による数平均分子
量400〜8,000のポリエステルポリオールと、鎖
伸長剤と、ポリイソシアネートとの反応によるものが望
ましい。その際、全ジオール中に占める2,4−ジアル
キル−1,5−ペンタンジオールの割合が30重量%以
上であることが望ましい。ジカルボン酸は、炭素数4〜
10の飽和脂肪族ジカルボン酸を40重量%以上含有す
るものが望ましい。
【0005】鎖伸長剤としては、ジオールまたはジアミ
ンが望ましい。ジオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールから選択されるいずれか1種
以上であることが望ましい。ジアミンとしては、プロピ
レンジアミンが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】上記一般式(I)の式中の定義と
して、低級アルキルは、直鎖または分岐状の炭素数1〜
8のアルキルを表す。例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ネオペンチ
ル、2−ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル等が挙げられる。本発明の組成物の構成成
分のポリウレタンの原料であるポリエステルポリオール
は、一般式(I)で表される構造単位の成分である少な
くとも2,4−ジアルキル−1,5−ペンタンジオールを
含むジオールとジカルボン酸を公知の方法(例えば、特
開昭48−101496号公報記載の方法)に準じて、
例えば、減圧下で加熱し、脱水重縮合させるエステル化
反応に付することにより製造することができる。エステ
ル化反応を行う場合、必要に応じて、酸化鉛、酢酸亜
鉛、テトラブチルチタネート、ナフテン酸ジルコニウム
等の触媒を使用してもよい。また、該ポリエステルポリ
オールは、少なくとも2,4−ジアルキル−1,5−ペン
タンジオールを含むジオールと、ジカルボン酸の低級ア
ルキルエステル、例えば、メチルエステルもしくはエチ
ルエステルを公知の方法によりエステル交換反応するこ
とによっても製造することができる。
【0007】2,4−ジアルキル−1,5−ペンタンジオ
ールの具体例としては、2,4−ジメチル−1,5−ペン
タンジオール、2−エチル−4−メチル−1,5−ペン
タンジオール、2−メチル−4−プロピル−1,5−ペ
ンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジ
オール、2−エチル−4−プロピル−1,5−ペンタン
ジオール、2,4−ジプロピル−1,5−ペンタンジオー
ル、2−イソプロピル−4−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、2−エチル−4−イソプロピル−1,5−ペ
ンタンジオール、2,4−ジイソプロピル−1,5−ペン
タンジオール、2−イソプロピル−4−プロピル−1,
5−ペンタンジオール、2,4−ジブチル−1,5−ペン
タンジオール、2,4−ジペンチル−1,5−ペンタンジ
オール、2,4−ジヘキシル−1,5−ペンタンジオール
等が挙げられる。中でも、2,4−ジエチル−1,5−ペ
ンタンジオールが好ましく使用できる。2,4−ジアル
キル−1,5−ペンタンジオールは、公知の方法、例え
ば、特開平8−48642号公報に記載された方法に準
じて製造することができる。
【0008】該ポリエステルポリオールの原料に使用さ
れる2,4−ジアルキル−1,5−ペンタンジオールは、
その一部を他のジオールに置換されてもよい。置換をし
てもよいジオールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス(β
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等が挙げられる。ま
た、上記ポリオール以外の他のアルコール、例えば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール等の一価アルコールまたはトリメチロールプロパ
ン、グリセリン等の多価アルコールを少量併用すること
も可能である。上記のように他のポリオールまたはアル
コールを使用する場合、2,4−ジアルキル−1,5−ペ
ンタンジオールの使用量は、エステル化の原料の全ジオ
ール中の30重量%以上、好ましくは、50重量%以上
である。30重量%未満であると、得られる合成比較の
耐加水分解性、耐候性および透湿性等において満足する
性能が得られないからである。
【0009】ジカルボン酸としては、炭素数4〜10の
飽和脂肪族ジカルボン酸を40重量%以上含有するもの
が望ましい。ジカルボン酸としては、例えば、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル
酸、フタル酸等が挙げられ、単独もしくは2種類以上混
合して用いられる。該ポリエステルポリオールの原料と
して、ジカルボン酸に対するジオールのモル比は、特に
は限定されないが、好ましくは、1.0〜2.0である。
該ポリエステルポリオールの数平均分子量は、400〜
8,000、好ましくは800〜3,000である。数平
均分子量が400より低い場合は透湿性が不十分で柔軟
性に劣り、8,000より高い場合は合成皮革の表面が
粘着性となり、表面同志のブロッキングが発生する。
【0010】本発明の合成皮革の構成成分であるポリウ
レタンは、上述したポリエステルポリオールとポリイソ
シアネート化合物とを用いて、公知のポリウレタン製造
方法、例えば、国際公開WO96/09334記載の方
法により、製造することができる。例えば、該ポリエス
テルポリオール単独またはポリエステルポリオールと鎖
伸長剤の混合物を60〜100℃に予熱し、ポリイソシ
アネート化合物を加え、反応を行う。ポリイソシアネー
ト化合物は、ポリエステルポリオールと鎖伸長剤との活
性水素1モルに対して、ポリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基が、好ましくは、0.95〜1.20とな
るように使用される。また、該ポリウレタンの原料とし
て、該ポリエステルポリオールの一部を他のポリエステ
ルポリオールと置換して使用してもよい。置換してもよ
い他のポリエステルポリオールとしては、例えば、前記
の置換してもよいジオールとジカルボン酸とを公知の方
法でエステル化に付して得られるポリエステルポリオー
ル等が挙げられる。該ポリエステルポリオールの一部を
他のポリエステルポリオールと置換する場合、全ポリエ
ステルポリオールの原料のジオール成分中の2,4−ジ
アルキル−1,5−ペンタンジオールの使用量が30重
量%以上であることが好ましい。30重量%未満である
と、得られる合成皮革の耐加水分解性、耐候性および透
湿性等において、満足する性能が得られないからであ
る。
【0011】ポリウレタン製造時には、必要であれば、
触媒を使用してもよい。触媒としては、例えば、有機酸
の金属塩、有機三級アミン塩等が挙げられ、その使用量
は、ポリエステルポリオール、鎖伸長剤およびポリイソ
シアネート化合物の総量に対して0.1〜3.0重量%で
ある。また、溶媒中で反応を行う場合、溶媒は、反応中
の何れの段階においても添加することが可能である。す
なわち、反応開始時に溶媒の全量を加えても、開始時に
溶媒の一部を加え、反応の進行と共に残りの溶媒を順
次、添加してもよい。また、反応の初期を塊状(無溶
媒)で製造し、反応途上、反応後期または反応終了時に
溶剤を添加しても、塊状(無溶媒)で製造した後に溶剤
に溶解しても良い。通常、塊状(無溶媒)で製造する場
合は反応温度60〜250℃で、溶液で製造する場合は
反応温度60〜150℃で行われる。ポリウレタンの重
量平均分子量は、60000〜500000が好まし
く、より好ましくは80000〜200000である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケ
トン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘ
キサノン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ブチ
ルセロソルブ等が挙げられる。メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール等も使用できる。
【0012】ポリウレタンの原料であるポリイソシアネ
ート化合物としては、例えば、4,4'−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフ
ォロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシア
ネート等が挙げられる、その中でも4,4'−ジフェニル
メタンジイソシアネートが好ましく使用できる。
【0013】鎖伸長剤としては、活性水素を2個以上有
する化合物が挙げられる。例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、
ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−
ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等のジ
オール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミ
ンヘキサメチレンジアミン等のジアミン類が挙げられ、
単独または、二種類以上を併せて、使用される。なかで
も、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロ
ピレンジアミンが、破断強度等の力学的性質に優れるの
で好適である。さらに、反応時にメチルアルコール、エ
チルアルコール等の一価アルコール、メチルアミン、エ
チルアミン等の一価アミン等を変性剤として、必要に応
じて添加してもよい。該ポリウレタンは、そのまま、ま
たは、必要であれば、溶媒、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料、染料、難燃剤、充填剤等を添加して、本発明
の合成皮革となる。合成皮革としての良好なポリウレタ
ン皮膜を形成するためには、溶媒とともに使用する場
合、通常、該ポリウレタン溶媒中の固形分(樹脂分)
は、20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%、
溶液粘度は、25℃において、200〜2,000ポイ
ズ、好ましくは、400〜1,000ポイズである。
【0014】該ポリウレタンは、合成皮革の表面層及び
接着層に使用することが可能であるが、表面層として用
いるのが、特に好ましい。本発明の合成皮革は、該ポリ
ウレタンを用いて、公知の方法で製造できる。例えば、
セルロース繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維
の基布にポリウレタン溶液を直接または接着層を介して
塗布した後、乾燥するか、またはポリウレタン溶液から
形成されたシリコーン系離型紙上の皮膜に直接基布を熱
圧着するか、または接着層を介して接合後、離型紙を剥
離して製造する。本発明の合成皮革は、優れた耐水性、
耐侯性及び透湿性等を有し、靴用、衣料用等の用途に好
適に使用することができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明を実施例及び比較例により詳
細に説明するが、本発明は実施例のみによって限定され
るものではない。 [参考例1;ポリエステルポリオール(DEPG−P
O)の製造]2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオー
ル60.5gとアジピン酸62.8gとを、180〜20
0℃に加熱して脱水重縮合を行い、酸価が18〜20
(KOH mg/g)に到達した時点で、10〜20m
mHgに減圧して、反応を続行した。酸価が0.05
(KOH mg/g)以下に到達したら冷却して反応を
停止し、目的のポリエステルポリオール(DEPG−P
O)を得た。得られたポリエステルポリオールは粘調な
透明の液体で、酸価0.01(KOH mg/g)、水
酸基価55.8、水分0.013重量%、数平均分子量
2,010であった。
【0016】[参考例2;ポリエステルポリオール(D
EPG/BG−PO)の製造]2,4−ジエチル−1,5
−ペンタンジオール46.0g、1,4−ブタンジオール
11.1g及びアジピン酸67.9gを用いる以外は、参
考例1と同様の方法でポリエステルポリオールを製造し
た。得られたポリエステルポリオール(DEPG/BG
−PO)は、粘調な微黄色の液体で、酸価0.01(K
OH mg/g)、水酸基価55.8、水分0.011重
量%、数平均分子量2,030であった。
【0017】[参考例3;ポリエステルポリオール(B
G−PO)の製造]1,4−ブタンジオール47.9gお
よびアジピン酸87.6gを用いる以外は、参考例1と
同様の方法でポリエステルポリオール(BG−PO)を
製造した。得られたポリエステルポリオールは粘調な薄
黄色の液で、酸価0.01(KOHmg/g)、水酸基
価55.5、水分0.020重量%、数平均分子量2,0
20であった。
【0018】[参考例4;(ポリウレタン製造用原料ポ
リオール成分の調製)]参考例1〜3で製造したポリエ
ステルポリオールを表1の比率で混合して、ポリウレタ
ン製造用のポリオール成分(混合ポリオールA〜D)と
した。
【0019】
【表1】
【0020】[実施例1〜5、比較例1(ポリウレタン
の製造)]参考例4で調製されたポリオール成分(混合
ポリオールA〜D)と、鎖伸長剤として1,4−ブタン
ジオールと、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー
トを表2、3に示す配合組成で、反応温度80℃、3時
間反応させてポリウレタンE〜Jを製造した。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】(皮膜の作成)ポリウレタンH〜Jは、溶
液状態で得られた。ポリウレタンE〜Jの性質及びそれ
ぞれのポリウレタン樹脂溶液から形成された28〜30
ミクロンの皮膜物性値を下記の表4に示した。
【0024】
【表4】
【0025】[試験例1(加水分解性試験)]上記で得
られたポリウレタンE〜Jの加水分解性試験を行った。
各ポリウレタン溶液をシリコン処理した離型紙上に10
0g/m2になるように均一に塗布した。70℃で3分
間、120℃で2分間、乾燥後、3日間、熟成して離型
紙を剥離し、試験用フイルムとした。各試験用フィルム
を、80℃、相対湿度95%の条件下で保存し、一定期
間毎に取り出して皮膜の強度、伸び及び100%モジュ
ラスを調べ耐水性の評価を行った。試験結果は表5の通
りであった。
【0026】
【表5】
【0027】表5の試験結果から、ポリウレタンE〜I
の皮膜(合成皮革)は、比較例のポリウレタンJからな
る皮膜(合成皮革)と比較して、著しく優れた耐水性を
示している。
【0028】[実施例6〜10、比較例2(合成皮革の
作製)]実施例1〜5のポリウレタンE〜I、比較例1
のポリウレタンJを表面層に用いて合成皮革を作製し
た。各々の樹脂溶液100gに対してポリイソシアネー
ト硬化剤(日本ポリウレタン工業製、コロネートHL、
濃度75%)を5g、ジメチルホルムアミドを15g添
加して均一に混合し、シリコン処理した離型紙上に、1
20g/m2となるよう均一に塗布した。塗布後、温度
100〜110℃で40〜60秒乾燥し、直ちに起毛布
を熱ロール(温度120℃、圧力5Kg/cm2、線速
度10m/分)で圧着した。その後、室温で72時間熟
成し、離型紙を剥離して合成皮革を得た。 [試験例2;(合成皮革の耐侯性試験)]実施例6〜1
0、比較例2で作製した合成皮革の耐侯性をサンシャイ
ンウエザーオメーター(ブラックパネル温度63℃、1
8分降雨)により評価した。耐侯性試験の結果を下記の
表6に示した。
【0029】
【表6】
【0030】表6よりポリウレタンJを用いた比較例の
合成皮革に比較して、ポリウレタンE〜Iを用いた本実
施例の合成皮革は、黄変度の増加が著しく少なく、ま
た、表面状態の変化も認められず耐侯性に優れる。
【0031】[試験例3(合成皮革の透湿度試験)]実
施例6〜10、比較例2で作製した合成皮革の透湿度試
験を、JIS Z-0208に準じて行い、その結果を表7に示し
た。
【0032】
【表7】
【0033】表7よりポリウレタンE〜Iを用いた本実
施例の合成皮革は、優れた透湿性を発揮している。
【0034】
【発明の効果】本発明の合成皮革は、耐加水分解性、耐
水性、耐侯性、高透湿性、耐寒性に優れていることか
ら、湿気、汗による加水分解がなく、長期使用にも適
し、しかも、安価であるので、汎用性もあり、靴用、雨
衣用、スポーツウエア内装用等の用途に特に有用であ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に一般式(I)で表される構造単
    位からなるポリエステルポリオール部を有するポリウレ
    タンからなる層を有することを特徴とする合成皮革。 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一または異なって低級アルキ
    ルを表す)
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタンは、2,4−ジアルキ
    ル−1,5−ペンタンジオールを30重量%以上含有す
    るジオールとジカルボン酸とのエステル化反応による数
    平均分子量400〜8,000のポリエステルポリオー
    ルと、鎖伸長剤と、ポリイソシアネートとの反応による
    ポリウレタンであることを特徴とする請求項1記載の合
    成皮革。
  3. 【請求項3】 全ジオール中に占める前記2,4−ジア
    ルキル−1,5−ペンタンジオールの割合が30重量%
    以上であることを特徴とする請求項2記載の合成皮革。
  4. 【請求項4】 前記ジカルボン酸は、炭素数4〜10の
    飽和脂肪族ジカルボン酸を40重量%以上含有すること
    を特徴とする請求項2記載の合成皮革。
  5. 【請求項5】 前記鎖伸長剤が、ジオールまたはジアミ
    ンであることを特徴とする請求項2記載の合成皮革。
  6. 【請求項6】 前記ジオールが、エチレングリコール、
    プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
    −ヘキサンジオールから選択されるいずれか1種以上で
    あることを特徴とする請求項5記載の合成皮革。
  7. 【請求項7】 前記ジアミンがプロピレンジアミンであ
    ることを特徴とする請求項5記載の合成皮革。
  8. 【請求項8】 R1及びR2が、共にエチルであることを
    特徴とする請求項1〜7いずれか記載の合成皮革。
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WO2000071598A1 (fr) * 1999-05-20 2000-11-30 Daicel Chemical Industries, Ltd. Diol de polyester, polyurethanne obtenu a partir dudit diol et filament spandex correspondant, et nouveau copolymere acrylique contenant un dialkylamino, composition de polyester et composition de spandex
CN106049077A (zh) * 2016-08-09 2016-10-26 安徽安利材料科技股份有限公司 一种高光pet膜转移镜面聚氨酯合成革的制备方法

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