JPH11292713A - 土壌病害防除剤 - Google Patents

土壌病害防除剤

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JPH11292713A
JPH11292713A JP9893198A JP9893198A JPH11292713A JP H11292713 A JPH11292713 A JP H11292713A JP 9893198 A JP9893198 A JP 9893198A JP 9893198 A JP9893198 A JP 9893198A JP H11292713 A JPH11292713 A JP H11292713A
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JP
Japan
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soil
compound
controlling agent
present
parts
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Pending
Application number
JP9893198A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Shimotori
均 下鳥
Junro Kishi
淳郎 貴志
Masaru Arai
優 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アブラナ科野菜栽培上問題となっている複数
の土壌病害−根こぶ病、苗立ち枯れ病、根くびれ病、根
くち病等を同時に防除する薬剤を提供する。 【構成】 2’,4−ジクロロ−α,α,α−トリフル
オロ−4’−ニトロ−m−トルエンスルホンアニリドと
テトラクロロイソフタロニトリルを有効成分として含有
することを特徴とする土壌病害防除剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作物栽培において各
種作物の病害を防除し、健全な作物を育成するための技
術に関し、詳しくは2’,4−ジクロロ−α,α,α−
トリフルオロ−4’−ニトロ−m−トルエンスルホンア
ニリドとテトラクロロイソフタロニトリルを有効成分と
して含有することを特徴とする土壌病害防除剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、作物を栽培する上での大きな
障害の一つに作物の病害がある。作物の病害の中に土壌
病原菌によって引き起こされる土壌病害がある。この土
壌病害の多くは特に難防除病害として問題となってい
る。作物栽培が集団化され、連作が行われることによ
り、土壌病害の被害は近年ますます拡大する傾向にあ
る。
【0003】これら土壌病害防除の薬剤として従来から
臭化メチル、クロルピクリン等の土壌燻蒸剤、あるいは
テトラクロロイソフタロニトリル、PCNB、トルクロ
ホスメチル、フルスルファミド等の数多くの殺菌剤が利
用されている。しかし農業上実用的に利用されているこ
れらの薬剤にも種々の問題点が内在しているのことも事
実である。例えば臭化メチル、クロルピクリン等の土壌
燻蒸剤はそのガス剤という性質から使用時の安全性に特
別な注意が必要であり、毒性、刺激性あるいはオゾン層
破壊といった問題を抱えている。またテトラクロロイソ
フタロニトリル、PCNB、トルクロホスメチル、フル
スルファミド等は粉剤あるいは水和剤の形で土壌混和、
潅注等によって土壌病害防除が行われている。しかし、
現状においてはこれらの薬剤は栽培農家が期待するよう
な十分な効果を示すとはいい難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述したよう
な従来の薬剤の欠点を克服した植物病害防除剤を提供す
ることを課題とする。即ち、本発明の課題は作物を栽培
するための過程において薬害がなく、また同一の作物を
侵す複数の病害を防除できる土壌病害防除剤を提供する
ことにある。
【0005】そして、本発明の目的は、2’,4−ジク
ロロ−α,α,α−トリフルオロ−4’−ニトロ−m−
トルエンスルホンアニリドとテトラクロロイソフタロニ
トリルとを有効成分として含有することを特徴とする土
壌病害防除剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の従来
の薬剤の欠点を解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、
2’,4−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−4’
−ニトロ−m−トルエンスルホンアニリドとテトラクロ
ロイソフタロニトリルとを有効成分として、ある一定の
比率で混合することによって、それぞれの薬剤単独では
効果を示さない病害に対する効果が確認され、また施用
薬量も大幅に減少させることを見いだした。本発明はか
かる知見に基づいてなされたものである。
【0007】すなわち本発明は、2’,4−ジクロロ−
α,α,α−トリフルオロ−4’−ニトロ−m−トルエ
ンスルホンアニリドとテトラクロロイソフタロニトリル
とを有効成分として含有することを特徴とする土壌病害
防除剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の土壌病害防除剤は、
2’,4−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−4’
−ニトロ−m−トルエンスルホンアニリド(以下、化合
物Aという)とテトラクロロイソフタロニトリル(以
下、化合物Bという)とを必須の有効成分として含有す
る。
【0009】化合物Aは農業用殺菌剤として公知であ
り、特公平6−27113号公報及び農薬ハンドブック
(1994年版、日本植物防疫協会発行、240ペー
ジ)に記載されている。化合物Aは主としてアブラナ科
作物の根こぶ病、バレイショそうか病等に対して効果を
示す。また化合物Bも農業用殺菌剤として公知であり、
農薬ハンドブック(同上、189ページ)に記載されて
いる。当該文献には化合物Bがアブラナ科作物の根こぶ
病、根くびれ病等の土壌病害に効果があると記載されて
いる。
【0010】本発明の土壌病害防除剤中の化合物Aと化
合物Bとの混合比率は、化合物A:化合物B=1:5〜
1:100、好ましくは1:10〜1:40である。製
剤中の有効成分である化合物A及び化合物Bの含有量は
重量で0.1〜90%、好ましくは1.0〜70%の範
囲である。
【0011】本発明の土壌病害防除剤はそれ自体を何ら
の成分も加えず、化合物Aと化合物Bとを混合して植物
に施用してもよいが、化合物Aと化合物Bと液体または
固体の希釈剤を包含する担体を混合し、さらにそれに補
助剤を加えた粉剤、微粒剤、粒剤、水和剤、乳剤、フロ
ワブル剤等の形で施用するのが好ましい。
【0012】本発明において担体とは、処理すべき部位
への有効成分の到達を助け、本発明の土壌病害防除剤の
貯蔵、輸送、取扱を容易にするために配合される無機、
または有機物質を意味する。
【0013】適当な液体担体としてはメタノール、エタ
ノール、プロパノール、エチレングリコール等のアルコ
ール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;トル
エン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類;ケロシ
ン、鉱油等のパラフィン系炭化水素類;大豆油、ひまし
油、綿実油等の植物油;ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、水等が挙げられる。適当な固体担体と
してはモンモリロナイト、カオリナイト等の粘土類;ケ
イソウ土、白土、タルク、バーミキュライト、石膏、炭
酸カルシウム、シリカゲル等が挙げられる。
【0014】さらに土壌病害防除剤としての効力を増強
するために、製剤の剤型、適用の場面等を考慮して目的
に応じてそれぞれ単独に、または組み合わせて以下のよ
うな補助剤を使用することもできる。乳化、分散、拡
展、湿潤、結合、安定化等の目的ではリグニンスルホン
酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エ
ステル類、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、およ
びポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩等の
アニオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテ
ル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシ
アルキレンアルキルアミド、ポリオキシアルキレンアル
キルチオエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、およびポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブ
ロックポリマー等の非イオン性界面活性剤、ステアリン
酸カルシウム、ワックス等の滑剤、イソプロピルヒドロ
ジエンホスフェート等の安定剤、その他メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アラビア
ゴム等が挙げられる。しかし、これらの成分は以上のも
のに限定されるものではない。
【0015】本発明の土壌病害防除剤を土壌処理剤とし
て施用する場合、有効成分量で通常50g〜5,000
g/10a、好ましくは100g〜2,000g/10
aの施用量が適当である。これらの施用量は製剤型によ
っても異なるし、施用する時期、方法、場所、土壌病害
の種類、作物の種類、生育程度等によっても異なる。ま
た必要に応じて他の殺菌剤や殺虫剤、除草剤、植物成長
調節剤等の農薬、土壌改良剤または肥料との混合施用、
同時施用も可能である。
【0016】本発明組成物が有効な病害の例としてはア
ブラナ科野菜の苗立枯れ病、根こぶ病、根くびれ病、根
くち病等があげられる。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例および試験例に従って具
体的に説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定され
るものではない。尚、実施例中の「部」は「重量部」を
表す。
【0018】実施例1 粉剤 化合物A:0.2部、化合物B:2.0部、炭酸カルシ
ウム:60部、クレー:37部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム:0.8部を均一に粉砕混合して有効
成分2.2%の粉剤を得た。
【0019】実施例2 粉剤 化合物A:0.2部、化合物B:5.0部、炭酸カルシ
ウム:60部、クレー:34部、ポリエチレングリコー
ル:0.8部を均一に粉砕混合して有効成分5.2%の
粉剤を得た。
【0020】実施例3 水和剤 化合物A:3.0部、化合物B:47部、ケイソウ土:
39部、ホワイトカーボン:8部、アルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム:3部を均一に粉砕混合して有効成
分50%の水和を得た。
【0021】実施例4 フロワブル剤 化合物A:1.0部、化合物B:30部、リグニンスル
ホン酸ナトリウム:10部、カルボキシメチルセルロー
ス:10部、水:49部を均一に湿式粉砕して有効成分
31%のフロワブル剤を得た。
【0022】試験例1 キャベツ根こぶ病防除試験 アブラナ科野菜根こぶ病菌(Plasmodiophora brassica
e)に汚染された土壌1kgに、実施例4に準じて調製
したフロワブル剤の所定量を添加し、十分に混合した
後、直径15cmの素焼き鉢に詰め、キャベツ(品種:
コールサワー)種子20粒を播種し、温室内で生育させ
た。播種6週後に植物を抜き取り、根部のこぶ症状によ
り発病の有無を調査した。以下の式(数1)により、防
除率を求めた。試験は3ポットの反復により行った。
【0023】
【数1】 また以下の方法にて本発明の土壌病害防除剤の相乗効果
を調べた。
【0024】化合物A、化合物Bを混合した場合に予想
される単純な相加効果EC は以下の式(数2)で示され
る(農薬実験法、殺菌剤編、ソフトサイエンス社、52
ページ) 。
【0025】
【数2】 EC :化合物Aと化合物Bが独立に作用する場合、それ
ぞれ処理量pおよびqで混合された場合に予想される防
除率(%) EA :化合物Aの処理量がpのときの防除率(%) EB :化合物Bの処理量がqのときの防除率(%) 試験により得られた防除率が予想される効果EC よりも
大きい値を示す場合は相乗効果を有する。結果を第1表
(表1)に示した。
【0026】
【表1】 化合物Bの処理量が500g/10aの場合の防除率を0%とし
て計算した。
【0027】試験例2 ハクサイ根くびれ病防除試験 ハクサイ根くびれ病菌(Aphanomyces raphani)に汚染
された土壌1kgに実施例4に準じて調製したフロワブ
ル剤の所定量を添加し、十分に混合した後、直径15c
mの素焼き鉢に詰め、ハクサイ(品種:無双)種子20
粒を播種し、温室内で生育させた。播種4週後に根くび
れ病により立ち枯れ症状を呈した株、および株元に病徴
を呈した株を調査した。試験は3ポットの反復により行
った。防除率の算出方法は試験例1に準じた。結果を第
2表(表2)に示した。
【0028】
【表2】 化合物Bの処理量が500g/10aの場合の防除率を13%と
して計算した。
【0029】試験例3 キャベツ根くち病防除試験 キャベツ根くち病菌(Phoma lingam)に汚染された土壌
1kgに実施例4に準じて調製したフロワブル剤の所定
量を添加し、十分に混合した後、直径15cmの素焼き
鉢に詰め、キャベツ(品種:コールサワー)種子20粒
を播種し、温室内で生育させた。播種4週後に根くち病
症状を呈した株を調査した。試験は3ポットの反復によ
り行った。防除率の算出方法は試験例1に準じた。結果
を第3表(表3)に示した。
【0030】
【表3】 化合物Bの処理量が500g/10aの場合の防除率を1%とし
て計算した。
【0031】
【発明の効果】2’,4−ジクロロ−α,α,α−トリ
フルオロ−4’−ニトロ−m−トルエンスルホンアニリ
ドとテトラクロロイソフタロニトリルを特定の比率で混
合してなる本発明の土壌病害防除剤は、それぞれの化合
物が本来から有する防除効果を示すのみならず、本発明
の土壌病害防除剤をアブラナ科野菜栽培に病害防除剤と
して用いた場合には作物生育初期には苗立枯れ病、全て
の生育期間を通して根くびれ病、あるいは根こぶ病に対
して相乗効果を示す。即ち、本発明の土壌病害防除剤は
それら化合物を単独で施用した場合に比較して、より低
薬量でしかも新規な病害に対する防除効果を示し、明ら
かに2種類の化合物の混合による相乗効果が認められ
る。
【0032】本発明の土壌病害防除剤を用いることによ
り、同一の作物に発生する種類の異なった病害をより簡
便に防除することが可能となり、薬剤使用者にとって防
除薬剤を選択する際に必要な病害の種類の特定という専
門的な知識が必要なくなる。
【0033】また、本発明の土壌病害防除剤の使用は、
数種の病害の同時防除による効率化および経済的効果を
もたらし、各成分の施用量の低下を可能にし、環境汚染
等安全面からも好ましい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2’,4−ジクロロ−α,α,α−トリ
    フルオロ−4’−ニトロ−m−トルエンスルホンアニリ
    ドとテトラクロロイソフタロニトリルとを有効成分とし
    て含有することを特徴とする土壌病害防除剤。
  2. 【請求項2】 剤中の2’,4−ジクロロ−α,α,α
    −トリフルオロ−4’−ニトロ−m−トルエンスルホン
    アニリドとテトラクロロイソフタロニトリルとの混合比
    率が1:5〜1:100であることを特徴とする請求項
    1に記載の土壌病害防除剤。
JP9893198A 1998-04-10 1998-04-10 土壌病害防除剤 Pending JPH11292713A (ja)

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