JPH11292627A - 圧電材料およびその製造方法 - Google Patents

圧電材料およびその製造方法

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JPH11292627A
JPH11292627A JP10094787A JP9478798A JPH11292627A JP H11292627 A JPH11292627 A JP H11292627A JP 10094787 A JP10094787 A JP 10094787A JP 9478798 A JP9478798 A JP 9478798A JP H11292627 A JPH11292627 A JP H11292627A
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sintering
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piezoelectric
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JP10094787A
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English (en)
Inventor
Yoshio Akimune
宗 淑 雄 秋
Fumio Munakata
像 文 男 宗
Mikiya Shinohara
原 幹 弥 篠
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PZTのごとく有害な鉛成分を含有しない圧
電特性に優れた圧電材料を提供する。 【解決手段】 Sr2−xCaNaNb15で表
わされる成分組成を有しx=0.05〜0.25である
と共に、特性改善成分としてY,La,D
,Nd,Yb,Sm,Er
のうちから選ばれる希土類元素の酸化物のうちの
1種または2種以上を0.5〜3.0重量%含んでいる
圧電材料、および製造工程が、磁器原料の混合工程,合
成工程,粉砕工程、成形工程,焼結工程を経るものであ
り、合成工程の焼成条件は、大気中で温度1050〜1
150℃で2〜12時間の焼成とし、焼結工程の焼成条
件は、大気中で温度1180〜1270℃で4〜8時間
の第1焼成と、大気中で温度1280〜1360℃で1
2〜75時間の第2焼成とする圧電材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば精密機械・
器具における位置決め機構としてのアクチュエータや流
体の制御バルブなどの駆動源としてのアクチュエータや
圧力センサなどに利用される圧電性を有するビスマス系
ペロブスカイト化合物圧電材料およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電性を有するセラミックスとしては、
チタン酸バリウム(BT:BaTiO),チタン酸鉛
(PT:PbTiO),チタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T:PbZrO−PbTiO)などが報告されてお
り、なかでもPZTは変位量がもっとも大きいことから
アクチュエータや圧力センサなどに多く利用されてい
る。
【0003】このうち、BTは1942年に強誘電体で
あることが発見されて以来、多結晶体の磁器として利用
できることが分かり、コンデンサやアクチュエータなど
の用途として数多くの研究が成されている。一方、19
55年にPZTがBTの2倍以上の電気機械結合係数を
有することが発見されて以来、このPZTがアクチュエ
ータやブザー等に独占的に利用されるようになった。
【0004】他方、近年では、有害物質に対する環境問
題が重視されてきていることから、鉛を含まない圧電材
料に関する開発のニーズも高まってきており、1961
年に発見されたBi0.5Na0.5TiO(BN
T)系化合物(Smolensky et al.So
viet Physics Solid State
[2]2651−54(1961))を利用した圧電材
料の研究が進められている。
【0005】このうち、特開昭62−202576号公
報(圧電体セラミックスおよびその製法)では、BNT
−MTiO(M;Ba、K0.5Bi0.5)化合物
が提案されているが、広がり方向の結合係数Kpが厚み
方向の結合係数Ktよりも大きいことから、超音波探傷
器や厚み計に用いた場合に横向きの振動干渉を発生して
広がり振動が生じたりする欠点があった。
【0006】同様に、竹中正等による論文(Ferro
electrics[106]375〜380、(19
90))にはBNT−MTiO(M:Sr,Ca,P
b)についての報告があるものの、圧電定数d33は約
120p/CNであり、PZTの約1/4程度である。
【0007】また、Sr1−xBaNb(SB
N)についてはx=0.5〜0.7の範囲で単結晶化し
電気光学結晶としての特性が報告されており(S.Sa
kamoto and T.Yamada、Appl.
Phys.Letters22、429(197
3))、それ以来、赤外線検出器や表面弾性波のフィル
ターとして用いられている。一方、Sr2−xCa
aNb15はR.R.Neurgaonkar等に
より単結晶の圧電特性が報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のPZT系圧電体
セラミックスでは、焼成や焼結工程で鉛化合物が分解し
て排気ガスより大気中に放出されたり、粉末製造成形工
程で水中に放出されたりするため、公害対策を取る必要
があり、製品のコスト高となる。
【0009】また、近年の廃棄物規制から最終製品のシ
ュレッダーダスト中に鉛が含まれることとなるため環境
を汚染することが懸念されている。さらにまた、性能面
でもPZTの場合は誘電率が高く回路への組み込みが困
難となったり、利用中の発熱が大きいため連続的に利用
するアクチュエータへの適用は制限される。
【0010】Sr1−xBaNb(SBN)は
単結晶としての利用が盛んで、圧電定数d33はおよそ
600pC/Nであり、PZTと同等の特性値を示す
が、圧電特性を示すキューリー温度(Tc)が60〜7
5℃であるため、振動による発熱を考慮すると室温での
利用に限定されて多くの機械部品に適用することは困難
である。また、SBN化合物では全域の固溶体であるた
め組成の変動が生じやすく、加工時や使用時に組成の変
動が生じて特性が変化することが報告されている。この
特性を改善するため、Y,CeOやLa
をドープした単結晶を作成した例が報告されているが、
Sr2−xCaNaNb15については利用上の
技術に関する報告はない。
【0011】
【発明の目的】本発明は、このような従来の技術がもつ
課題にかんがみてなされたものであって、PZTのごと
く有害な鉛成分を含有しないペロブスカイト型圧電化合
物圧電材料を提供することを目的としており、圧電材料
の製造工程で鉛化合物の排出がなく、また、製品に利用
された後に廃棄された場合にもシュレッダーダスト中に
鉛化合物が含まれることがなく、さらにまた、PZTで
は高かった誘電率を低くして回路設計に融通性を持たせ
ることが可能であり、さらには、単結晶体のごとく製造
に時間がかかったり分極作業が煩雑になったりして製造
コストが上昇し実用上の材料となり難い問題点を解消す
ることが可能である圧電材料を提供することを目的とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる圧電材料
は、請求項1に記載しているように、Sr2−xCa
NaNb15で表わされる成分組成を有しx=0.
05〜0.25であるものとしたことを特徴としてい
る。
【0013】そして、本発明に係わる圧電材料の実施態
様においては、請求項2に記載しているように、Y
,La,Dy,Nd,Yb
,Sm,Erのうちから選ばれる希
土類元素の酸化物のうちの1種または2種以上を0.5
〜3.0重量%含んでいるものとすることができる。
【0014】同じく、本発明に係わる圧電材料の実施態
様においては、請求項3に記載しているように、焼結体
からなり且つ結晶粒子の大きさは電子顕微鏡写真に平行
直線(任意本数)が横切る粒子長の平均を画像装置を用
いて求めた値において平均粒子直径が2〜10μmであ
るものとすることができる。
【0015】本発明に係わる圧電材料の製造方法は、請
求項4に記載しているように、請求項1ないし3のいず
れかに記載の圧電材料を製造するに際し、その製造工程
が、磁器原料の混合工程,合成工程,粉砕工程、成形工
程,焼結工程を少なくとも経るものであり、合成工程の
焼成条件は、大気中で温度1050〜1150℃で2〜
12時間の焼成とするようにしたことを特徴としてい
る。
【0016】そして、本発明に係わる圧電材料の製造方
法の実施態様においては、請求項5に記載しているよう
に、焼結工程の焼成条件は、大気中で温度1180〜1
270℃で4〜8時間の第1焼成と、大気中で温度12
80〜1360℃で12〜75時間の第2焼成とするよ
うにしたことを特徴としている。
【0017】同じく、本発明に係わる圧電材料の製造方
法の実施態様においては、請求項6に記載しているよう
に、焼結工程前の粉末の粒子径が0.5〜0.8μmで
あるものとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係わる圧電材料およびそ
の製造方法は、上述した課題を解決するための手段を有
しているものであって、Sr2−xCaNaNb
15で表わされる成分組成をベースに、x=0.05〜
0.25の範囲であるものとし、より望ましくはさらに
特性を改善するための希土類化合物を固相反応焼結方法
で固溶させ、従来のセラミックス製造工程をそのまま利
用することができる多結晶体で必要特性値を満たすもの
とすることにより従来の課題を解決せんとしたものであ
る。
【0019】このような化合物の製造に際し、その合成
手法としては、1050〜1150℃の温度にて2〜1
2時間反応させる。次に、ここで得た合成物を粉砕して
粒子径を望ましくは0.5〜0.8μmに粉砕したあ
と、焼結工程のうちの第1焼成において1180〜12
70℃の温度で4〜8時間大気中で焼結した後、第2焼
成において1280〜1360℃の温度で12〜75時
間大気中で焼結することで、鉛を用いない高性能な圧電
材料を提供できる。
【0020】そして、本発明の実施の形態について説明
すれば、まず、市販の化学試薬SrCO,CaC
,NaCOおよびNbを所定量を秤量し
てベース組成とする。この際のベース組成は、Sr
2−xCaNaNb15で表わされる成分組成に
おいてxが5〜25Mol%となっている。そして、こ
の組成物に、特性改善用の希土類化合物(Y,L
,Dy,Nd,Yb,Sm
,Erのうちから選ばれる1種または2種
以上の希土類酸化物)を合計でベース組成の0.5〜
3.0重量%となるように秤量して添加する。
【0021】ここで、ベース組成が上記範囲内にあるも
のとするのが好ましいのは、上記範囲よりも少ないと耐
熱温度が低く自己発熱温度で劣化し、多すぎると圧電定
数が不足するためである。また、特性改善のための希土
類化合物の量が少ないと圧電定数の改善効果が小さい傾
向となり、多すぎると他の化合物が析出して特性の向上
が望まれない傾向となるためである。
【0022】次いで、上記の混合粉末を例えばアルコー
ル中でボールミルを用いて粉砕混合を24時間程度行っ
たあと、混合粉末はロータリーエバポレータを用いて乾
燥した後大気中でより好ましくは1050℃から115
0℃、例えば1100℃で2〜12時間合成のための仮
焼成をして元素を反応させる。このとき、仮焼温度が1
050℃未満ではNaCOやSrCOが十分反応
せず焼結時に組成のばらつきを生じるため特性が向上し
ない傾向となり、1150℃超過では部分的に焼結を起
こして粉砕が困難になるとともに焼結時の組成にばらつ
きを生じる傾向となる。また、2時間未満では反応が十
分に起きず逆に12時間超過では粉体同士の反応のほか
に「さや」との反応も起きるため成分の偏析が生じる傾
向となる。
【0023】そして、再度アルコール中でボールミルを
用いて粉砕を24時間程度行ったあと、ロータリーエバ
ポレータを用いて乾燥し、その後第1焼成として、大気
中で1180〜1270℃で4〜8時間焼結した後、第
2焼成として、1280〜1360℃の温度で12〜7
5時間焼結する。このとき、合成後焼結前における仮焼
粉末の粉砕は、粉末粒径が0.5μm以上で0.8μm
以下となるように行うのがよい。すなわち、粉末の粒子
径が0.5μm未満では成形工程のハンドリングが困難
となる傾向となり、0.8μm超過では焼結が困難にな
る傾向となる。
【0024】上記焼結工程のうち第1焼成工程では成形
体の焼結をゆっくりと行わせる機能があり、当該温度域
で焼結時間が4時間未満では焼結ネックができず、その
後の温度上昇で気孔の多い製品を作る傾向となり、8時
間超過では焼結が進みすぎて粒子直径の大きい製品とな
り圧電定数の低下を起こす傾向となる。また、第2焼成
工程の温度が1280℃未満でかつ焼成時間が12時間
未満では焼結が不十分である傾向となり、1360℃超
過でかつ75時間超過の焼結では粒子が融解したり、粗
大になり分極できず圧電特性が発現しない傾向となる。
【0025】焼結後には焼結体を例えば直径:6mm×
高さ:6mmの円筒に加工し、密度を測定すると共に、
X線回折にて成分を確認した後、両端に金を蒸着し、2
V/mm60℃の条件で分極したあと、圧電定数
33、K33と、キューリー温度と、比誘電率を測定
する。そして、圧電定数は200pC/Nを超えると、
アクチュエータとして機械部品を駆動することができる
変位量を得ることが可能となる。
【0026】また、焼結体の微構造は、SEM写真に関
して平行な直線10本(ただし、任意本数)が横切る粒
子長の平均を画像装置を用いて求めた結果を粒子直径と
することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明による圧電材料は、請求項1に記
載しているように、Sr2−xCaNaNb15
で表わされる成分組成を有しx=0.05〜0.25で
あるものとしたから、従来のPZTやPTのごとく製造
工程で鉛化合物の排出がなく、また、製品に利用された
後に廃棄された場合にもシュレッダーダスト中に鉛化合
物が含まれることがなく、さらにまた、PZTでは高か
った誘電率を低くして回路設計に融通性を持たせること
が可能であり、さらには、単結晶体のごとく製造に時間
がかかったり分極作業が煩雑になったりして製造コスト
が上昇し実用上の材料となり難いという欠点を解消し
て、圧電特性に優れた圧電材料を提供することが可能で
あるという著大なる効果がもたらされる。
【0028】そして、請求項2に記載しているように、
,La,Dy,Nd,Yb
,Sm,Erのうちから選ばれる希
土類元素の酸化物のうちの1種または2種以上を0.5
〜3.0重量%含んでいるものとすることによって、圧
電特性をさらに改善することができるという著大なる効
果がもたらされる。
【0029】また、請求項3に記載しているように、焼
結体からなり且つ結晶粒子の大きさは電子顕微鏡写真に
平行直線(任意本数)が横切る粒子長の平均を画像装置
を用いて求めた値において平均粒子直径が2〜10μm
であるものとすることによって、焼結性が良好であると
共に圧電特性にも優れた圧電材料を提供することが可能
であるという著大なる効果がもたらされる。
【0030】本発明による圧電材料の製造方法では、請
求項4に記載しているように、請求項1ないし3のいず
れかに記載の圧電材料を製造するに際し、その製造工程
が、磁器原料の混合工程,合成工程,粉砕工程、成形工
程,焼結工程を経るものであり、合成工程の焼成条件
は、大気中で温度1050〜1150℃で2〜12時間
の焼成とするようにしたから、圧電特性等に優れた請求
項1ないし3に記載の圧電材料を製造することが可能で
あるという著大なる効果がもたらされる。
【0031】そして、請求項5に記載しているように、
焼結工程の焼成条件は、大気中で温度1180〜127
0℃で4〜8時間の第1焼成と、大気中で温度1280
〜1360℃で12〜75時間の第2焼成とするように
なすことによって、密度が大で焼結後の粒子直径が小さ
く圧電特性に優れた圧電材料を製造することが可能であ
るという著大なる効果がもたらされる。
【0032】また、請求項6に記載しているように、焼
結工程前の粉末の粒子径が0.5〜0.8μmであるも
のとすることによって、成形時のハンドリングを良好な
ものにすると共に焼結性をも良好なものにして優れた圧
電特性の圧電材料を製造することが可能であるという著
大なる効果がもたらされる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例と共に
表1〜11をもとにさらに詳細に説明するが、本発明は
このような実施例のみに限定されないことはいうまでも
ない。
【0034】(実施例1〜3,比較例1〜3;表1)市
販のSrCO,CaCO,NaCOおよびNb
を用意し、これらをSr2−xCaNaNb
15で表わされる成分組成においてxが0〜0.4と
なるように秤量し、希土類酸化物のうちから選ばれる助
剤の添加はしないものとして、混合粉末をアルコール中
でボールミルを用いて粉砕混合を24時間行い、次い
で、この混合スラリーはロータリーエバポレータを用い
て乾燥した後大気中1100℃で6時間仮焼成して元素
を合成反応させ、再度アルコール中でボールミルを用い
て粉砕を24時間行った(このときの粉末粒径は0.6
μmに調整した)後、ロータリーエバポレータを用いて
乾燥し、その後ハンドプレスで圧粉成形した後静水圧プ
レスで2tonf/cmの圧力で成形した。次に、こ
の成形体を第1焼成として大気中1250℃で6時間焼
結したあと第2焼成のためすぐに温度を1300℃まで
上昇させてさらに25時間焼結した。
【0035】焼成後、焼結体を直径:6mm×高さ:6
mmの円筒に加工し、密度を測定すると共に、X線回折
にて成分を確認した後、両端に金を蒸着して2V/mm
60℃の条件で分極し、圧電定数d33、K33と、比
誘電率を測定した。
【0036】焼結体の微構造は走査型電子顕微鏡(SE
M)写真に関して、平行な直線10本が横切る粒子長の
平均を画像装置を用いて求めた結果を粒子直径とした。
これらの結果を表1に示す。なお、表1において総合評
価○は圧電定数d33中心にアクチュエータとしての縦
方向の伸びが0.2%を超えるものである。
【0037】
【表1】
【0038】評価結果では、表1に示すように、x=
0.05から0.2まで(表にない実施例では0.25
まで)は圧電定数d33が200pC/Nを超え、アク
チュエータ用材料としての使用が十分に可能となること
が認められた。
【0039】(実施例4〜13,比較例4〜6;表2,
表3)市販のSrCO,CaCO,NaCO
よびNbを用意し、これらをSr2−xCa
aNb15で表わされる成分組成においてxが0.
1となるように(すなわち、Sr1.9Ca0.1Na
Nb15となるように)秤量してベース組成とした
後、特性改善用の希土類化合物(Y,La
,Dy,Nd,Yb,Sm
,Erおよび比較例としての酸化物Zr
,Bi,CeO)のうちから選ばれる1種
または2種をベース組成の1.0重量%となるように秤
量して添加した。
【0040】次いで、混合粉末をアルコール中でボール
ミルを用いて粉砕混合を24時間行い、続いて、この混
合スラリーはロータリーエバポレータを用いて乾燥した
後大気中1100℃で6時間仮焼成して元素を合成反応
させ、再度アルコール中でボールミルを用いて粉砕を2
4時間行った(このときの粉末粒径は0.6μmに調整
した)後、ロータリーエバポレータを用いて乾燥し、そ
の後、前記実施例と同様にして得た成形体に対し第1焼
成として大気中1250℃で6時間焼結したあと第2焼
成のためすぐに温度を1300℃まで上昇させてさらに
25時間焼結した。
【0041】焼成後、焼結体を直径:6mm×高さ:6
mmの円筒に加工し、密度を測定すると共に、X線回折
にて成分を確認した後、両端に金を蒸着して2V/mm
60℃の条件で分極し、圧電定数d33、K33と、比
誘電率を測定した。
【0042】焼結体の微構造はSEM写真に関して、平
行な直線10本が横切る粒子長の平均を画像装置を用い
て求めた結果を粒子直径とした。これらの結果を表2,
表3に示す。なお、表2,表3において総合評価○は圧
電定数d33中心にアクチュエータとしての縦方向の伸
びが0.2%を超えるものである。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】評価結果では、表2および表3に示すよう
に、添加する希土類酸化物が本発明で特定するものであ
る時に圧電定数d33が200pC/Nを超え、アクチ
ュエータ用材料としての使用が十分に可能となることが
認められた。
【0046】(実施例14〜18,比較例7〜11;表
4,表5)市販のSrCO,CaCO,NaCO
およびNbを用意し、これらをSr2−xCa
NaNb15で表わされる成分組成においてxが
0.1となるように(すなわち、Sr1.9Ca0.1
NaNb15となるように)秤量してベース組成と
した後、特性改善用の希土類化合物(La)をベ
ース組成の0.1〜4.0重量%となるように秤量して
添加した。
【0047】次いで、混合粉末をアルコール中でボール
ミルを用いて粉砕混合を24時間行い、続いて、この混
合スラリーはロータリーエバポレータを用いて乾燥した
後、大気中1100℃で6時間仮焼成して元素を合成反
応させ、再度アルコール中でボールミルを用いて粉砕を
24時間行った(このときの粉末粒径は0.3〜1.2
μmに調整した)後、ロータリーエバポレータを用いて
乾燥し、その後、前記実施例と同様にして得た成形体に
対し第1焼成として大気中1200℃で6時間焼結した
あと第2焼成のためすぐに温度を1300℃まで上昇さ
せてさらに25時間焼結した。
【0048】焼成後、焼結体を直径:6mm×高さ:6
mmの円筒に加工し、密度を測定すると共に、X線回折
にて成分を確認した後、両端に金を蒸着して2V/mm
60℃の条件で分極し、圧電定数d33、K33と、比
誘電率を測定した。
【0049】焼結体の微構造はSEM写真に関して、平
行な直線10本が横切る粒子長の平均を画像装置を用い
て求めた結果を粒子直径とした。これらの結果を表4お
よび表5に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】評価結果では、表4に示すように、添加す
る希土類酸化物が0.5〜3.0重量%の時に、また、
表5に示すように、粉末粒子径が0.5〜0.8μmの
時に、圧電定数d33が200pC/Nを超え、アクチ
ュエータ用材料としての使用が十分に可能となることが
認められた。
【0053】(実施例19〜24,比較例12〜15;
表6,表7)市販のSrCO,CaCO,Na
およびNbを用意し、これらをSr2−x
NaNb15で表わされる成分組成においてx
が0.2となるように(すなわち、Sr1.8Ca
0.2NaNb15となるように)秤量してベース
組成とした後、特性改善用の希土類化合物(Y
La,Dy,Nd,Yb,S
,Er)のうちから選ばれる1種または
2種をベース組成の2.0重量%となるように秤量して
添加した。
【0054】次いで、混合粉末をアルコール中でボール
ミルを用いて粉砕混合を24時間行い、続いて、この混
合スラリーはロータリーエバポレータを用いて乾燥した
後大気中1000〜1200℃で6時間仮焼成して元素
を合成反応させ、再度アルコール中でボールミルを用い
て粉砕を24時間行った(このときの粉末粒径は0.6
μmに調整した)後、ロータリーエバポレータを用いて
乾燥し、その後、前記実施例と同様にして得た成形体に
対し第1焼成として大気中1250℃で6時間焼結した
あと第2焼成のためすぐに温度を1300℃まで上昇さ
せてさらに25時間焼結した。
【0055】焼成後、焼結体を直径:6mm×高さ:6
mmの円筒に加工し、密度を測定すると共に、X線回折
にて成分を確認した後、両端に金を蒸着して2V/mm
60℃の条件で分極し、圧電定数d33、K33と、比
誘電率を測定した。
【0056】焼結体の微構造はSEM写真に関して、平
行な直線10本が横切る粒子長の平均を画像装置を用い
て求めた結果を粒子直径とした。これらの結果を表6,
表7に示す。
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】評価結果では、表6および表7に示すよう
に、仮焼温度が1050〜1150℃の時に圧電定数d
33が200pC/Nを超え、アクチュエータ用材料と
しての使用が十分に可能となることが認められた。
【0060】(実施例25〜32,比較例16〜29;
表8〜表11)市販のSrCO,CaCO,Na
COおよびNbを用意し、これらをSr2−x
CaNaNb15で表わされる成分組成において
xが0.1となるように(すなわち、Sr1.9Ca
0.1NaNb15となるように)秤量してベース
組成とした後、特性改善用の希土類化合物(Y
La,Dy,Nd,Yb,S
,Er)のうちから選ばれる1種をベー
ス組成の1.0重量%となるように秤量して添加した。
【0061】次いで、混合粉末をアルコール中でボール
ミルを用いて粉砕混合を24時間行い、次いで、この混
合スラリーはロータリーエバポレータを用いて乾燥した
後大気中1100℃で6時間仮焼成して元素を合成反応
させ、再度アルコール中でボールミルを用いて粉砕を2
4時間行った(このときの粉末粒径は0.6μmに調整
した)後、ロータリーエバポレータを用いて乾燥し、そ
の後、前記実施例と同様にして得た成形体に対し第1焼
成として大気中1150〜1300℃で2〜10時間焼
結したあと第2焼成のためすぐに温度を1250〜14
00℃まで上昇させてさらに10〜80時間焼結した。
【0062】焼成後、焼結体を直径:6mm×高さ:6
mmの円筒に加工し、密度を測定すると共に、X線回折
にて成分を確認した後、両端に金を蒸着して2V/mm
60℃の条件で分極し、圧電定数d33、K33と、比
誘電率を測定した。
【0063】焼結体の微構造はSEM写真に関して、平
行な直線10本が横切る粒子長の平均を画像装置を用い
て求めた結果を粒子直径とした。これらの結果を表8〜
表11に示す。
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】
【表11】
【0068】評価結果では、表8〜表11に示すよう
に、第1焼成における焼結条件が大気中1180〜12
70℃で4〜8時間の範囲内であり、引続く第2焼成に
おける焼結条件が大気中1280〜1360℃で12〜
75時間の範囲内である時には、圧電定数d33が20
0pC/Nを超え、アクチュエータ用材料としての使用
が十分に可能となることが認められた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sr2−xCaNaNb15で表
    わされる成分組成を有しx=0.05〜0.25である
    ことを特徴とする圧電材料。
  2. 【請求項2】 Y,La,Dy,N
    ,Yb,Sm,Erのうち
    から選ばれる希土類元素の酸化物のうちの1種または2
    種以上を0.5〜3.0重量%含んでいることを特徴と
    する請求項1に記載の圧電材料。
  3. 【請求項3】 焼結体からなり且つ結晶粒子の大きさは
    電子顕微鏡写真に平行直線(任意本数)が横切る粒子長
    の平均を画像装置を用いて求めた値において平均粒子直
    径が2〜10μmであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の圧電材料。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の圧
    電材料を製造するに際し、その製造工程が、磁器原料の
    混合工程,合成工程,粉砕工程、成形工程,焼結工程を
    経るものであり、合成工程の焼成条件は、大気中で温度
    1050〜1150℃で2〜12時間の焼成とすること
    を特徴とする圧電材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼結工程の焼成条件は、大気中で温度1
    180〜1270℃で4〜8時間の第1焼成と、大気中
    で温度1280〜1360℃で12〜75時間の第2焼
    成とすることを特徴とする請求項4に記載の圧電材料の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 焼結工程前の粉末の粒子径が0.5〜
    0.8μmであるものとすることを特徴とする請求項4
    または5に記載の圧電材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009120443A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Ngk Insulators Ltd (Li,Na,K)(Nb,Ta)O3系圧電材料、及びその製造方法
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CN115477538A (zh) * 2022-10-05 2022-12-16 西南大学 一种两步烧结制备铌酸钾钠基压电陶瓷的方法

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