JPH112917A - 乾式トナー - Google Patents

乾式トナー

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JPH112917A
JPH112917A JP16669297A JP16669297A JPH112917A JP H112917 A JPH112917 A JP H112917A JP 16669297 A JP16669297 A JP 16669297A JP 16669297 A JP16669297 A JP 16669297A JP H112917 A JPH112917 A JP H112917A
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JP
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wax
toner
synthetic hydrocarbon
resin
dry toner
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JP16669297A
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English (en)
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Hiroshi Yaguchi
宏 矢口
Nobutaka Kinoshita
宣孝 木下
Satoshi Miyamoto
聡 宮元
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルレス仕様のコピーマシンとのマッチン
グ性向上、更には特にカラー仕様として設計されたコピ
ーマシンに十分対応できるような品質改善された乾式ト
ナーを提供すること、すなわち、高速定着に対応可能
な低温定着性の実現、熱ローラへのトナー付着いわゆ
るオフセット現象の防止、熱ローラへのコピー用紙の
巻き付き現象の防止、トナーのキャリア汚染いわゆる
スペント現象の防止、等のすべての要求特性を十分に満
足することのできるオイルレス対応可能なトナーを提供
すること、及び、優れた透明性を有するオイルレス対応
可能なフルカラートナーを提供すること。 【解決手段】 結着樹脂、着色剤及び離型剤とを主成分
として含有する乾式トナーにおいて、該離型剤として少
なくとも植物系ワックス及び合成炭化水素系ワックスを
含有することを特徴とする乾式トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用の乾式
トナーのコピーマシンとのマッチング性向上、主にオイ
ルレス仕様のコピーマシンに対応可能な乾式トナーの品
質改善に関し、さらにはフルカラートナーへの適用が可
能な改善に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電写真法等の画像形成方
法では、静電潜像が現像後にコピー用紙上に転写・定着
される場合、熱ローラ定着方式が広く採用されている。
この熱ローラ定着方式では主に、熱ローラの表面にシ
リコンオイル等を塗布することで離型性を持たせる、
トナー中に離型剤を含有させる、という2種類の方式が
用いられるが、近年はコピー装置の構造の簡素化、小型
化の為に上記のトナー中に離型剤を含有させる方式が
種々提案されている。
【0003】しかしながら、従来の提案による離型剤添
加によって、(a)高速定着に対応可能な低温定着性、
(b)熱ローラへのトナー付着現象いわゆるオフセット
現象の防止、(c)熱ローラへのコピー用紙の巻き付き
現象の防止、(d)トナーのキャリア汚染いわゆるスペ
ント現象の防止、等のすべての要求特性を十分に満足で
きなかった。
【0004】また、カラーコピーの需要増に伴いフルカ
ラートナーの使用も増加しているが、カラー作像プロセ
スが複数の色のトナーに重ね合わせにより成り立ってい
るためにカラートナー各々には優れた透明性が要求され
るが、一般的には上記の離型剤の含有により透明性は低
下する傾向を示すために従来の技術では色再現性或いは
鮮やかな画像を得るという点で問題を発生しやすい不具
合があった。
【0005】例えば従来の低分子量のポリエチレンワッ
クス等に代表される合成炭化水素系ワックスは耐オフセ
ット性及びスペント性は良好であるが低温定着性及び透
明性は不十分であり、またライスワックス等の植物系ワ
ックスは低温定着性に優れ、また比較的透明性は良いが
スペント性及び巻き付き性が不十分であり、さらにモン
タンワックス等の鉱物系ワックスは低温定着性は比較的
良いが、耐オフセット性、巻き付き性については不良で
ある等の特性を有していた。
【0006】これらの問題に対しては、主に離型剤単独
の改良による上記のごとき定着関連の要求特性に関する
改善等が提案されている。例えば特開平1−10936
0号公報には酸価10〜30の酸化ライスワックスを用
いることにより、オイルレス対応可能な良好な定着性を
有するトナーが得られることが開示されており、また、
特開平3−5764号公報には、脱遊離脂肪酸型カルナ
ウバワックスを用いることにより、同様にオイルレス対
応可能な良好な定着性を有するトナーが得られることが
開示されている。さらに、特開平3−139663号公
報には実質的な分子量分布を比較的シャープにした離型
剤を用いることによって定着性に優れたトナーが得られ
ることが開示されている。
【0007】しかしながら、これらの提案によっても、
高速定着に対応可能な低温定着性の実現、熱ローラ
へのトナー付着いわゆるオフセット現象の防止、熱ロ
ーラへのコピー用紙の巻き付き現象の防止、トナーの
キャリア汚染いわゆるスペント現象の防止、等のすべて
の要求特性を満足するには至っていない。さらにフルカ
ラートナーに要求される透明性に関しては実用上多くの
問題点を残すものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を改良するべくなされたものであり、オイルレ
ス仕様のコピーマシンとのマッチング性向上、更には特
にカラー仕様として設計されたコピーマシンに十分対応
できるような乾式トナーの品質改善を得ることを目的と
するものである。したがって、本発明の第1の目的は、
高速定着に対応可能な低温定着性の実現、熱ローラ
へのトナー付着いわゆるオフセット現象の防止、熱ロ
ーラへのコピー用紙の巻き付き現象の防止、トナーの
キャリア汚染いわゆるスペント現象の防止、等のすべて
の要求特性を十分に満足することのできるオイルレス対
応可能なトナーを提供することである。本発明の第2の
目的は、優れた透明性を有するオイルレス対応可能なフ
ルカラートナーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のトナーは植物系
ワックス及び合成炭化水素系ワックスを併用することに
より、オイルレストナーさらにはオイルレスフルカラー
トナーに要求される諸特性を満足させることを可能にし
たものである。すなわち、本発明の乾式トナーは、結着
樹脂、着色剤及び離型剤とを主成分として含有する乾式
トナーにおいて、該離型剤として少なくとも植物系ワッ
クス及び合成炭化水素系ワックスの両化合物を合わせて
含有せしめたことを特徴とする乾式トナーであり、優れ
た定着特性を発揮するものである。
【0010】さらに本発明によれば、植物系ワックス及
び合成炭化水素系ワックスをあらかじめ溶融・混合した
後に固化した混合離型剤として使用する方法を選択する
ことによってオイルレストナーさらにはオイルレスフル
カラートナーに要求される諸特性を改善することができ
るが、好ましくは該混合離型剤を均一な組成を有する離
型剤とすることで従来にない高いレベルの特性を得るこ
とが可能となる。
【0011】本発明において、植物系ワックス及び合成
炭化水素系ワックスを併用することによりオイルレス対
応トナーとしての定着特性が格段に向上する理由につい
ては、明確な機構は解明されていないが前記のような各
種化合物に特有の性質、すなわち合成炭化水素系ワック
スは耐オフセット性及びスペント性は良好であるが低温
定着性及び透明性は不十分であるのに対して、植物系ワ
ックスは巻き付き性が不十分ではあるが低温定着性及び
透明性は良好であるという特性が、互いに補填し合う結
果として総合的に優れた性質を示すものと推定される。
【0012】本発明における定着特性の向上は、離型剤
として少なくとも植物系ワックスと合成炭化水素系ワッ
クスとを溶融・混合した後に固化した、好ましくは均一
な組成を有する離型剤として用いることによって、より
優れた効果として得られる。この理由については上記と
同様の機構が推定されるが、完全に均一に混合された状
態においては各々の系のワックスの欠点が併用する系の
ワックスの利点によって隠蔽され、より顕在化しにくく
なるためであると推察される。
【0013】また本発明者らによれば、合成炭化水素系
ワックスが植物系ワックスに対して改質剤的な役割を示
す傾向が認められており、両化合物の併用に際しては植
物系ワックスの含有量を合成炭化水素系ワックスの含有
量よりも多くすることで、より優れた定着特性を得るこ
とができるため、好ましくは植物系ワックスに対する合
成炭化水素系ワックスの比率を5〜50重量%にするの
が良い。5重量%以下では混合使用する改善効果が得ら
れにくく、また、50重量%以上では改質剤的な効果が
得られにくい。
【0014】さらに本発明者らの研究によれば、一般的
には離型剤の含有によりトナーの透明性は低下しやすい
ためにフルカラートナーへの適用に際しては色再現性或
いは鮮やかな画像を得るという点で問題を発生しやすい
が、上記のように植物系ワックスに対して合成炭化水素
系ワックスを5〜50重量%の比率で溶融・均一混合し
た離型剤を使用することによって透明性の低下を抑制す
ることができ、したがって優れた透明性を有するオイル
レス対応可能なフルカラートナーが得られることが見い
出された。
【0015】本発明に使用できる植物系ワックスとして
は木ろうワックス、ホホバワックス、パームワックス、
オウリキュリーワックス、エスパルトワックス、サトウ
キビワックス、バークワックス等種々のワックス状物質
を例示できるが、特に定着特性と透明性の改善に対して
はカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラ
ワックスを主成分とする材料から選ばれる1種以上の材
料を使用することで顕著な効果が得られるためにこれら
を好ましいワックスとして挙げることができる。
【0016】また、本発明に使用できる合成炭化水素系
ワックスとしてはポリプロピレンワックス等も例示でき
るが、植物系ワックスとの相溶性及び定着特性の改善に
対してはポリエチレンワックス、フィッシャートロプシ
ュワックスを主成分として含有する化合物をより好まし
いワックスとして挙げることができ、これらは単独或い
は2種以上を併用することができる。
【0017】本発明者らの研究によれば、本発明で用い
られる植物系ワックス及び合成炭化水素系ワックスの選
択・組合せにおいて、植物系ワックスの融点(mpA)
と合成炭化水素系ワックスの融点(mpB)がmpA<
mpBの関係を満足させることにより、特に耐熱保存性
を損なうことなく、或いは改善させながら定着特性を向
上させることができる。本発明においてさらに好ましく
は、mpA+20≦mpB≦mpA+60の関係を満足
させることにより、上記の耐熱保存性に加えて定着可能
温度範囲を拡大でき、非常に高い品質特性の達成が可能
となる。
【0018】本発明において、植物系ワックス及び合成
炭化水素系ワックスの融点の関係を前記のようなものに
特定化することによって、オイルレス対応トナーとして
の定着特性がさらに向上する理由については、前記のよ
うに両ワックス化合物の特性が、互いに補填し合うと共
に合成炭化水素系ワックスが植物系ワックスに対して改
質剤的な役割を示す機構において、該改質効果が理想的
に発揮されるためであると推定される。すなわち、植物
系ワックスの融点(mpA)よりも合成炭化水素系ワッ
クスの融点(mpB)が高いような組合せにおいて、植
物系ワックスのシャープな融解特性が阻害されずに耐オ
フセット性及びスペント性等に対する改質効果が得られ
るものと考えられる。
【0019】また、植物系ワックスの融点(mpA)と
合成炭化水素系ワックスの融点(mpB)が、mpA+
20≦mpB≦mpA+60の関係を満足するように選
択した場合に、定着可能温度範囲の拡大効果が得られる
理由としては、比較的低い温度域で植物系ワックスが離
型性を発揮し、比較的高い温度域では合成炭化水素系ワ
ックスの離型性が発現されるためと考えられる。逆にm
pA+20>mpBとなるような組合せにおいては、両
者の融点が接近し過ぎている結果、温度範囲の拡大効果
は得られにくく、また、mpB>mpA+60となるよ
うな組合せにおいては、両者の融点が離れ過ぎている結
果、均一な混合状態が得られにくい、或いは広範囲な温
度域で一定な離型効果が得られにくいというような不具
合が発生しやすい。
【0020】本発明において、植物系ワックスと合成炭
化水素系ワックスを溶融・混合して均一な組成を有する
離型剤を得るためには、溶媒による溶解法或いは加熱溶
融法等の手段を適宜選択して使用できる。本発明に用い
られる離型剤の使用量は結着樹脂に対して通常0.5〜
20重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0021】本発明に使用される結着樹脂としては従来
公知の樹脂から単独或いは複数で、又は変性或いはポリ
マーアロイ化されたものを適宜選択することができる。
具体的には、例えばポリスチレン、ポリクロロスチレ
ン、ポリビニルトルエン、スチレン−ビニルトルエン共
重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレ
ン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重
合体、スチレン−アクリロニロリル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体等のスチレン系及びスチレン系共重合系樹脂、
アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹
脂、シリコン系樹脂、石油系樹脂、キシレン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン及び変性ロジン
等がある。
【0022】また、本発明をフルカラートナーに適用す
る場合においては、より高い透明性を得る等の目的で、
少なくとも(i)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(i
i)ビスフェノール類及び(iii)アルキレンオキサイド
変性エポキシ樹脂の3物質を構成要素として有するポリ
オール型樹脂を使用することができる。本発明のポリオ
ール型樹脂は透明性のみならず、種々の定着性を満足す
ることが可能なため、特にフルカラートナーに有用な樹
脂である。
【0023】本発明に使用される着色剤としては、例え
ばキナクリドン系顔料、モノアゾ及びジスアゾ系染顔
料、インダンスレン系顔料、アントラキノン系顔料、フ
タロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフ
タロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ペリレン系
顔料等のマゼンタ、シアン、イエローその他各色の染顔
料、及び黒色材料としてはカーボンブラック等の顔料や
磁性粉の使用が可能であり、結着樹脂に対して通常1〜
25重量%の割合で添加される。
【0024】また、本発明に磁性粉、その他の添加剤を
使用する場合には、一般に公知の物質の中から適宜選択
して使用することができる。磁性固粉としては、例えば
鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性体の他、マグネタイ
ト、ヘマタイト、フェライト等の合金や、化合物が使用
可能であり、結着樹脂類に対して通常2〜200重量%
の割合で混合使用される。
【0025】その他の添加剤としては各種帯電制御剤、
フッ化ビニリデン微粉末等のフッ素系樹脂やステアリン
酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、酸化亜鉛等の金属酸化物、又
はシリカ、酸化アルミニウム類、酸化チタン類を例示す
ることができる。特に本発明の粉砕着色粒子に対してさ
らなる高流動性を付与することを主目的とする場合には
疎水化処理シリカとして平均一次粒径が0.001〜1
μm、好ましくは0.005〜0.1μmの範囲のもの
から適宜選択して添加混合することができ、特に含フッ
素疎水化処理シリカが好ましく、通常0.2〜5重量%
の割合で混合使用される。
【0026】帯電制御剤としては、実質的に無色或いは
白色の化合物であり、併用する顔料の色調を損なわない
物質が、特にフルカラートナーの場合に透明性を向上で
きるために好ましい。例えば、サリチル酸等の有機酸及
びその誘導体の亜鉛・アルミニウム等の金属塩、含フッ
素第4級アンモニウム塩化合物、カリックスアレーン化
合物、スルホン酸等の官能基を有するポリマータイプの
化合物等を例示できる。
【0027】また、本発明のトナーを二成分系乾式トナ
ーとして使用する場合に混合して使用するキャリアとし
ては、ガラス、鉄、フェライト、ニッケル、ジルコン、
シリカ等を主成分とする、粒径30〜1000μm程度
の粉末、又は該粉末を芯材としてスチレン−アクリル系
樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化
ビニリデン系樹脂等をコーティングしたものから適宜選
択して使用可能である。
【0028】本発明によれば、結着樹脂、着色剤及び離
型剤とを主成分として含有する乾式トナーにおいて、該
離型剤として少なくとも植物系ワックス及び合成炭化水
素系ワックスを含有することを特徴とする乾式トナーが
提供され、オイルレストナー更にはオイルレスフルカラ
ートナーに要求される諸特性を満足したトナーとして使
用可能である。
【0029】また、本発明において、植物系ワックス及
び合成炭化水素系ワックスを溶融・混合した後に固化
し、均一な組成を有する離型剤として使用する場合には
オイルレストナー更にはオイルレスフルカラートナーに
要求される諸特性を、従来にない高いレベルで満足させ
ることが可能となる。本発明では、植物系ワックスに対
する合成炭化水素系ワックスの比率を5〜50重量%と
して、合成炭化水素系ワックスに植物系ワックスに対す
る改質剤的な役割を持たせることができ、これにより優
れた定着特性及び優れた透明性を有するオイルレス対応
可能なトナーが得られる。
【0030】さらに本発明においては、植物系ワックス
としてカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデ
リラワックスを主成分として含有する化合物を使用し、
また、合成炭化水素系ワックスとして、ポリエチレンワ
ックス、フィッシャートロプシュワックスを主成分とし
て含有する化合物を使用することによって定着特性と透
明性に対して、より顕著な改善効果を得ることができ
る。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例1 ポリオール系樹脂、キャンデリラワックス、ポリプロピ
レンワックス、負帯電系制御剤及び4種類の顔料を表1
の重量比にて混合した後、2軸混練機にて溶融混練し、
冷却固化させた後ハンマーミルにて粗粉砕して2mmパ
スの粉砕物(Y11)、(M11)、(C11)、(B
K11)を得た。なお、ポリオール系樹脂は(i)ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(ii)ビスフェノール類
(iii)アルキレンオキサイド変性エポキシ樹脂及び(i
v)p−クミルフェノールの4物質を構成要素とするガ
ラス転移点約60℃、軟化点約110℃の縮合物であ
り、キャンデリラワックスは融点約80℃、ポリプロピ
レンワックスは軟化点約150℃のものを使用した。
【0032】
【表1】
【0033】次に、この粉砕物をIDS−2型ジェット
式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)にて体積平均
粒径が約7.0μmとなるように粉砕して微粉砕物(Y
21)、(M21)、(C21)、(BK21)を得
た。上記粉砕物(Y21)、(M21)、(C21)、
(BK21)を気流式分級機にて微粉分級し、体積平均
粒子径7.3〜7.7μm、5μm以下の微粉の個数含
有率が16〜19%の実施例1の乾式トナー微粒子(Y
31)、(M31)、(C31)、(BK31)を得
た。このトナー微粒子(Y31)、(M31)、(C3
1)、(BK31)各2kgに対して、含フッ素シラン
表面処理シリカを10g(0.5重量%)加えた後に、
20リットルヘンシェルミキサーにて混合処理して、本
発明の実施例1の乾式トナー(Y41)、(M41)、
(C41)、(BK41)を得た。
【0034】実施例2 実施例1におけるキャンデリラワックスに代えて融点約
82℃のカルナウバワックスとライスワックスの混合ワ
ックスを使用し、且つポリプロピレンワックスに代えて
融点約88℃のポリエチレンワックスとして表2に示す
重量比にて混合して使用した以外は実施例1と同様の条
件にて、2mmパスの粉砕物(Y12)、(M12)、
(C12)、(BK12)を得た後、体積平均粒子径
7.3〜7.7μm、5μm以下の微粉の個数含有率が
16〜19%の実施例2の乾式トナー微粒子とし、その
後このトナー微粒子に対し、含フッ素シラン表面処理シ
リカを加えて混合処理し、本発明の実施例2の乾式トナ
ー(Y42)、(M42)、(C42)、(BK42)
を得た。
【0035】
【表2】
【0036】実施例3 実施例1におけるキャンデリラワックス及びポリプロピ
レンワックスを予め180℃で加熱溶融・混合した後、
冷却固化し、次いでハンマーミルにて粗粉砕して3mm
パスの粉砕物を、実施例3の離型剤として得た。実施例
1におけるキャンデリラワックス及びポリプロピレンワ
ックスに代えて上記の混合離型剤5部を使用した以外
は、実施例1と同様の条件にて、体積平均粒子径7.3
〜7.7μm、5μm以下の微粉の個数含有率が16〜
19%の実施例3の乾式トナー微粒子を得た後、このト
ナー微粒子に対し、含フッ素シラン表面処理シリカを加
えて混合処理し、本発明の実施例3の乾式トナー(Y4
3)、(M43)、(C43)、(BK43)を得た。
【0037】実施例4 実施例2におけるカルナウバワックスとライスワックス
の混合ワックス及びポリエチレンワックスを予め150
℃で加熱溶融・混合した後、冷却固化し、次いでハンマ
ーミルにて粗粉砕して3mmパスの粉砕物を、実施例4
の離型剤として得た。実施例2におけるカルナウバワッ
クスとライスワックスの混合ワックス及びポリエチレン
ワックスに代えて上記の混合離型剤を使用した以外は、
実施例2と同様の条件にて、体積平均粒子径7.3〜
7.7μm、5μm以下の微粉の個数含有率が16〜1
9%の実施例4の乾式トナー微粒子を得た後、このトナ
ー微粒子に対し、含フッ素シラン表面処理シリカを加え
て混合処理し、本発明の実施例4の乾式トナー(Y4
4)、(M44)、(C44)、(BK44)を得た。
【0038】実施例5、6 実施例1におけるキャンデリラワックスに代えて融点約
82℃のカルナウバワックスとライスワックスの混合ワ
ックスを使用し且つポリプロピレンワックスに代えて、 実施例5:融点約103℃のポリエチレンワックスB 実施例6:融点約140℃のポリエチレンワックスC を表3に示す重量比にて混合して使用した以外は実施例
1と同様の条件にて、各々2mmパスの粉砕物(Y1
5)、(M15)、(C15)、(BK15)及び(Y
16)、(M16)、(C16)、(BK16)を得た
後、体積平均粒子径7.4〜7.7μm、5μm以下の
微粉の個数含有率が15〜19%の実施例5及び実施例
6の乾式トナー微粒子とし、その後このトナー微粒子に
対し、含フッ素シラン表面処理シリカを加えて混合処理
し、本発明の実施例5及び6の乾式トナー(Y45)、
(M45)、(C45)、(BK45)及び(Y4
6)、(M46)、(C46)、(BK46)を得た。
【0039】
【表3】
【0040】比較例1〜5 実施例1において使用したキャンデリラワックス3部及
びポリプロピレンワックス2部を除外し、表2に示した
内容の離型剤或いは樹脂に代えた以外は実施例1と同様
の条件にて本発明の比較例1、2、3、4及び5の乾式
トナーを得た。各離型剤は実施例1〜4に使用したもの
と同一のワックスで、使用量は全て5部である。また、
比較例5は離型剤を除いて含有率を0%とし実施例1に
て使用したポリオール系樹脂5部に置き換えた例とし
た。
【0041】
【表4】
【0042】実施例7、8 実施例4において使用したポリオール系樹脂を、 実施例7:ビスフェノールA型アルコールとテレフタル
酸を主原料とするポリエステル樹脂(ガラス転移点約6
3℃、軟化点約128℃) 実施例8:スチレン−アクリル酸アルキルエステル樹脂
(ガラス転移点約58℃、軟化点約112℃) に代えた以外は、実施例4と同様の条件にて本発明の実
施例7及び8の乾式トナーを得た。
【0043】実施例9 実施例4における融点約88℃のポリエチレンワックス
に代えて、融点約79℃のポリエチレンワックスDを使
用した以外は、実施例4と同様の条件にて本発明の実施
例9の乾式トナーを得た。
【0044】上記の実施例及び比較例の各乾式トナー5
部を約80μmのシリコン樹脂被覆キャリア95部とと
もに撹拌混合し、二成分系現像剤を得た。次に本発明の
実施例及び比較例の品質を確認するために、定着ローラ
としてテフロン被覆ローラを具備したフルカラー複写機
((株)リコー製複写機プリテール550改造機)を用
いて2万枚の連続コピーを実施して画像及びマッチング
特性として帯電量の評価を行ない、また定着性試験とし
てホットオフセット、コールドオフセット、巻き付き発
生温度及び定着下限温度を評価した。帯電量は初期から
2万枚後で安定している方がマッチング特性として優れ
ており、またホットオフセットは高いが、コールドオフ
セット、巻き付き発生温度及び定着下限温度は低い方が
定着特性としては優れていると評価できる。
【0045】さらに透明性試験としてヘイズ度を評価し
て表5の結果を得た。ヘイズ度は市販OHPシートに本
発明のトナーを約1mg/cm2の付着量で定着させた
サンプルをヘイズ度測定器(スガ試験機(株)製HGM
−2DP)にて評価した。ヘイズ度はその値が低い方が
透明性が優れていると評価できる。また、耐熱保存性試
験として、50℃環境下に24時間静置した場合の凝集
度合を目視評価した。
【0046】
【表5】 *1:◎=優れる、○=良好、△=繊細部がやや劣る、
×=画像・色再現性が不良 *2:単位は(−μC/g) *3:評価はマゼンタトナーについて行なった *4:比較例5における“−”は定着できず評価不能・
試験中止 *5:◎=全く凝集しない、○=凝集体がわずかに発生
するが撹拌時で簡単に消える、△=若干の凝集発生、
【0047】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明のトナーは植物系ワックス及び合成炭
化水素系ワックスを併用することを特徴とすることによ
り、オイルレストナーさらにはオイルレスフルカラート
ナーに要求される諸特性を満足させることが可能とな
り、また、植物系ワックス及び合成炭化水素系ワックス
を溶融・混合した後に固化した、混合離型剤として使用
する方法を選択する場合に、特に均一組成となるように
混合したときには、オイルレストナーさらにはオイルレ
スフルカラートナーに要求される諸特性に対して、従来
にない高いレベルで満足させることが可能なトナーを提
供することができ、さらに、植物系ワックス及び合成炭
化水素系ワックスの混合比率及び使用する物質を適宜選
択することにより透明性についての改善効果も得られる
ため、高品質オイルレスフルカラートナーとしての使用
が可能となり、さらに、植物系ワックス及び合成炭化水
素系ワックスの融点の関係を特定化することによって、
オイルレス対応トナーとしての定着特性をさらに向上さ
せることが可能となるという、極めて優れた効果を発揮
する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤及び離型剤とを主成分
    として含有する乾式トナーにおいて、該離型剤として少
    なくとも植物系ワックス及び合成炭化水素系ワックスを
    含有することを特徴とする乾式トナー。
  2. 【請求項2】 該離型剤が少なくとも植物系ワックスと
    合成炭化水素系ワックスとを溶融・混合した後に固化し
    て得られる離型剤であることを特徴とする請求項1に記
    載の乾式トナー。
  3. 【請求項3】 植物系ワックスに対する合成炭化水素系
    ワックスの比率が5〜50重量%であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の乾式トナー。
  4. 【請求項4】 植物系ワックスとしてカルナウバワック
    ス、ライスワックス、キャンデリラワックス、合成炭化
    水素系ワックスとしてポリエチレンワックス、フィッシ
    ャートロプシュワックスの各々1種以上から選択される
    ワックス状物質を含有することを特徴とする請求項1乃
    至3の何れか1に記載の乾式トナー。
  5. 【請求項5】 結着樹脂として、少なくとも(i)ビス
    フェノールA型エポキシ樹脂(ii)ビスフェノール類及
    び(iii)アルキレンオキサイド変性樹脂の3物質を構
    成要素として有するポリオール型樹脂を使用することを
    特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の乾式トナ
    ー。
  6. 【請求項6】 帯電制御剤として実質的に無色或いは白
    色の化合物を使用することを特徴とする請求項1乃至5
    の何れか1に記載の乾式トナー。
  7. 【請求項7】 植物系ワックスの融点(mpA)と合成
    炭化水素系ワックスの融点(mpB)がmpA<mpB
    の関係を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何
    れか1に記載の乾式トナー。
  8. 【請求項8】 ヘイズ度が20%以下であることを特徴
    とする請求項1乃至7の何れか1に記載の乾式トナー。
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