JPH11291630A - 感熱記録体の定着方法 - Google Patents

感熱記録体の定着方法

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JPH11291630A
JPH11291630A JP10094768A JP9476898A JPH11291630A JP H11291630 A JPH11291630 A JP H11291630A JP 10094768 A JP10094768 A JP 10094768A JP 9476898 A JP9476898 A JP 9476898A JP H11291630 A JPH11291630 A JP H11291630A
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JP10094768A
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Takako Segawa
貴子 瀬川
Yoshiyuki Takahashi
義之 高橋
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で生保存性および発色画像の保存性に
優れた感熱記録体を簡便に定着させる、すなわち、発色
画像の保存性は良好であり、白紙部の再発色を防止する
定着方法を提供しようとするものである。 【解決手段】 感熱記録体の定着方法において、該顕色
剤として1分子中に2個以上のスルホニルウレア基を有
する有機化合物を含み、感熱記録後の記録層に、該顕色
剤の顕色能力を低減させる物質を含む液を塗布すること
を特徴とする感熱記録体の定着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録体の未印
字部の再発色を軽減した定着方式に関するものである。
特には、例えば、定期券、チケット類、有価証券など、
誤って加熱して記録を消失した場合の損失が大きい記録
体に利用できる感熱記録体の定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に、電子供与性ロイコ染
料のような発色性物質と、電子受容性のフェノール性化
合物等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とす
る感熱発色層を設けたものであり、それらの発色成分を
熱エネルギーによって反応させて記録画像を得ることが
できる。このような感熱記録体は特公昭43−4160
号、特公昭45−14039号、及び特公昭48−27
736号などに開示されており、広く実用化されてい
る。感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安価でかつ
保守が容易であることから、電子計算機のアウトプッ
ト、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器のプリンタ
ー、あるいはCRT医療計測用のプリンター等に広範囲
に使用されている。
【0003】しかし、感熱記録体には2つの大きな欠点
が存在した。1つは、支持体上に発色性染料物質、顕色
性物質および結着剤を有効成分とする感熱発色層を塗工
した従来のいわゆる染料型感熱記録体にあっては、発色
反応が本質的に可逆的であるため、印字した感熱記録体
を長期間にわたって保存しておくと印字が薄くなった
り、消えたりするという印字の信頼性の問題である。こ
の消色は曝光、高湿、高温雰囲気下(耐環境性)に加速
され、さらに可塑剤および油等のような日常生活におい
て手近に存在する化学物質との接触によって顕著に現
れ、印字が読み取り不可能なレベルまで完全に消えてし
まうこともあった。この欠点の克服に、多くの技術開発
が行われたが、本発明に関連のある技術としては、特開
平5−147357号公報、同5−148220号公
報、同5−32061号公報などで開示したスルホニル
ウレア系顕色剤を用いる方法が特に有効である。この化
合物の有効性は広く認められ、現在、高い印字保存性が
要求される感熱記録体に用いられている。
【0004】感熱記録体のもう1つの欠点は、1度情報
を記録した感熱記録体の未印字部が加熱により常に発色
可能なことである。上記のような改良により印字の信頼
性、保存性は向上しても、未印字の部分(以下、未印字
部または白紙部と称する)が加熱されれば、白紙部が発
色して印字を判読不能にする可能性がある。本発明で
は、記録後に不必要な加熱が行われることを、「再加
熱」と表現し、それによる白紙部の発色を「再発色」と
称する。再加熱は日常生活の中でも、アイロンがけ、電
子レンジでの加熱、煙草の火、あるいは火をつけようと
するマッチやライターなどによって誤って行われること
がある。また、故意または錯誤で、感熱記録装置により
印字を追加することも、再加熱に含まれる。再発色を防
止する処理は一般に「定着」と呼ばれ、本発明でも、
「定着」とは、再発色防止のための処理を意味する。定
着は、発色反応の原理上かなりの困難が伴うが、従来の
技術としては以下のようなものが提案されている。
【0005】まず、発色系にアゾ化合物を用いる試みが
開示された(特開昭61−40192号公報、特開昭6
3−128981号公報、特開平7−88356号公
報)。これらの技術での定着操作は、光をあてることに
よりアゾ化合物が分解し、発色能力を失う現象を利用し
た光照射により行なわれる。この方法は、定着後の白紙
の再発色は、ほぼ完全に抑制されるという長所を有して
いるが、アゾ化合物が基本的に分解しやすいために、カ
プセル化をするなどの製造上にかなりの手間と工夫を要
する。さらにアゾ化合物の発色、特に「黒色」は濃度が
不足気味になる傾向が強く、印字コントラストが冴えな
いという欠点がある。また、光定着法を用いるシステム
のために、印刷時にUVインクを用いることができな
い、印字前に紙を光にあてないように細心の注意が必要
であるなどの欠点があり、加えて、光定着にはかなり照
度の高い光源が必要であり、感熱システムの装置の小型
化、メンテナンスフリーという特徴をくずしてしまう。
さらに、光定着には比較的時間がかかるためトータルの
印字速度があげにくいという問題もある。
【0006】一方、最近、発色系にイミノ化合物とイソ
シアナート化合物を用いた系やアミノ化合物と芳香族イ
ソシアナート化合物を用いた系をベースにし、加熱によ
り未印字部のイソシアナート化合物を不活性化する技術
が開示されている(特開平7−214900号公報、特
開平8−80668号公報)。これらの方法は、開示さ
れている内容によれば、感熱紙を100℃以上の高温に
数分以上置く必要があり、トータルの印字速度はきわめ
て遅いものになるという欠点がある。さらにイミノ化合
物とイソシアナート化合物の組み合わせは発色色調に制
限があり、多様な色の印字物を発色、定着させるのは困
難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解決し、高感度で生保存性および発色画像の保存性
に優れた感熱記録体を簡便に定着させる、すなわち、発
色画像の保存性は良好であり、白紙部の再発色を防止す
る定着方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は下記の構成を採用する。即ち、本発明は、
「シート状基体と、該シート状基体の少なくとも一面に
形成され、かつ、無色又は淡色の染料前駆体と、加熱下
に反応してこれを発色させる顕色剤とを含む感熱発色層
を有する感熱記録体の定着方法において、該顕色剤とし
て1分子中に2個以上のスルホニルウレア基を有する有
機化合物を含み、感熱記録後の記録層に、該顕色剤の顕
色能力を低減させる物質を含む液を塗布することを特徴
とする感熱記録体の定着方法」である。
【0009】本発明では、前記顕色剤の顕色能力を低減
させる物質が、芳香族エステル化合物、脂肪族エステル
化合物および塩基性化合物から選ばれる1種以上の物質
である定着方法を包含する。
【0010】更に、本発明では、前記1分子中に2個以
上のスルホニルウレア基を有する顕色剤として4,4’
−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルメタン、染料前駆体として3−ジ(n−
ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
を含有し、顕色剤の顕色能力を低減する物質としてセバ
シン酸ジ−(2−エチルヘキシル)とフタル酸ジ−(2
−エチルヘキシル)の混合液を用いる定着方法を包含す
る。
【0011】本発明における、1分子中に2つ以上のス
ルホニルウレア基を有する顕色剤としては、下記一般式
(I):
【化1】 (ただし、上記式R1は無置換または低級アルキル基、
ハロゲン原子から選ばれた少なくとも一員を示す。)で
表わされるスルホニルウレア基を2つ以上有する有機化
合物を用いるのが好ましい。
【0012】これらの顕色剤の具体的な化合物として
は、以下のようなものをあげることができる。ビス(p
−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ケト
ン、1,2−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカル
ボニルアミノ)エタン、1,5−ビス(p−トルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)−3−オキサペンタ
ン、1,5−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカル
ボニルアミノ)−3−チオペンタン、1,3−ビス(p
−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−2プ
ロパノン、1,5−ビス(p−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニルアミノ)−3−(2’−(p−トルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)エチル)−3−アザ
ペンタン、1,3−ビス(p−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニルアミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノメチ
ル)ベンゼン、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニ
ルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,
4’−ビス(o−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(ベンゼン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタ
ン、4,4’−ビス(1−ナフタレンスルホニルアミノ
カルボニルアミノ)ジフェニルメタン、2,2−ビス
(4’,4’’−(p−トルエンスルホニルアミノカル
ボニルアミノ)フェニル)プロパン、1,2−ビス
(4’−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルア
ミノ)フェニルオキシ)エタン、1,3−ビス(4’−
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フ
ェニルオキシ)ベンゼン、2,5−ビス(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノメチル)フラン、
1,3−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニ
ルアミノ)ベンゼン、1,4−ビス(p−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼン、1,5−ビ
ス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)
ナフタレン、1,8−ビス(p−トルエンスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジ
フェニルエーテル、3,4’−ビス(p−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテル、
4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)ジフェニルスルフィド、3,3’−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジ
フェニルスルホン、4,4’−ビス(p−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン、
1,1,6,6−テトラ(p−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニルアミノ)ヘプタン等が挙げられる。
【0013】これらの中でも4,4’−ビス(p−トル
エンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメ
タンは、高い性能を示し、特に好ましい化合物である。
これらの化合物は単独で用いられても良く、あるいはそ
の2種以上を混合して用いてもよい。
【0014】本発明において用いられる1分子中に2つ
以上のスルホニルウレア基を有する顕色剤に含まれる官
能基は、フェノール性の水酸基あるいはカルボキシル基
などの酸性官能基を有しないが、スルホニルウレア基
が、染料と強い相互作用をするようであり塩基性のロイ
コ染料に対して強い顕色能力を有する。そして、さら
に、一旦発色させた染料を強固に保持し、消色反応を抑
制するのである。これは、官能基を一分子中に2つ有し
ていることにより強い保存性を発現しているためと考え
られており、そのため一旦発色した画像に油脂(また可
塑剤)が接触しても、発色画像(印字情報)は残る。
【0015】一方、未印字部に顕色剤の顕色能力を低減
させる物質が接触した場合には、これらの化合物は本発
明の顕色剤とある程度強く相互作用し、顕色剤の顕色能
力を低減し、再加熱した場合に顕色剤が染料と相互作用
して発色するのを妨害し、印字発色し難くなると考えら
れる。
【0016】この現象を利用した本発明においては、前
記特定顕色剤を含む感熱記録体の印字発色後、未印字部
に、顕色剤の顕色能力を低減させる物質を含む液体を塗
布することにより、顕色剤の顕色能を低減し、そのた
め、処理後の感熱記録体を再加熱しても発色しにくくな
り定着でき、画像(印字)が判読できるのである。しか
も本発明の定着処理は、秒単位の短時間で行うことがで
き、トータルの印字速度を速く保つことのできる画期的
な方法である。
【0017】本発明では、顕色剤の顕色能力を低減させ
る物質を含む液体を、感熱記録後の記録層に塗布する。
顕色剤の顕色能力を低減させる物質は数多くあり、一般
的には、可塑剤、感熱記録用消色剤、塩基性化合物、エ
ステル類、エーテル類などが挙げられる。これらの中
で、本発明の顕色剤を用いて印字した感熱記録印字部の
印字濃度を低下しないものを選択すれば良い。上記の中
で、芳香族エステル化合物、脂肪族エステル化合物およ
び塩基性化合物から選ばれるものが好ましい。必要に応
じて液体の塗布量を操作できるバインダー(増粘剤)な
どを含有することができる。
【0018】本発明に使用できる芳香族エステル、脂肪
族エステル化合物、塩基性化合物としては、セバシン酸
ジ−(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジ−n−ブチ
ル、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、アジピン酸
ジ−(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ−n−ブチ
ルなどの一般に可塑剤として知られている化合物、カプ
リル酸トリグリセライド、脂肪酸トリグリセライド、2
−エチルヘキサン酸トリグリセライドなどのグリセリン
脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、コレステロール、n−カプロン酸コレステロール、
エナント酸コレステロールなどのコレステロール脂肪酸
エステル類、サラダオイルなどをあげることができる。
【0019】また、塩基性化合物としては下記化学式
(II):
【化2】 で表される化合物、あるいは下記化学式(III):
【化3】 で表される化合物、あるいは、テトラキス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−1、
2、3、4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケートなどのヒンダードアミン系化合物、N−メチル
ピペリジン基2個と3級アミン1個を有する化合物(分
子量約550、融点51℃)、N−メチルピペリジン基
3個と3級アミン1個を有する化合物(分子量約70
0、融点54℃)などのN−メチルピペリジン基や3級
アミンを有する化合物をあげることができる。
【0020】これらの化合物は2種以上併用してもよ
い。また、固体であるものは、液体に溶かして塗布液と
して用いれば良い。この場合、液体としては、一般的に
は当該固体を溶解できる、難揮発性あるいは不揮発性の
液体ならば特に制限はないが、前述の可塑剤、グリセリ
ン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、サラダオイルあるいはスクワレンを用いることが好
ましい。
【0021】本発明の染料前駆体として使用されるロイ
コ染料はトリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェ
ニルメタン系化合物等が例示できる。たとえば、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3
−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−
トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−
シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−
(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7
−(p−クロロアニリノ)フルオラン、および2−クロ
ロ−3−メチル−6−(N,N−ジエチルアミノアニリ
ノフルオラン、3−(p−アニリノアニリノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチ
ルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジ
メチルアミノフタリド)、3,3−ビス(2−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニ
ル)エテニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリ
ド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p−トルエ
ンスルホニルメタン、2,2−ビス(4−(6’−(N
−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチル
スピロ(フタリド−3,9’−キサンテン)−2’−イ
ルアミノ)フェニル)プロパン等を例示できる。これら
の中で、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオランは高い性能を示し、特に好ましい
化合物である。これらは単独で、または2種以上を併用
することもできる。
【0022】本発明の1分子中に2つ以上のスルホニル
ウレア基を有する顕色剤はスルホニルウレア系化合物あ
るいはフェノール性化合物、有機酸等の従来公知の顕色
剤と併用することもできる。従来公知の顕色剤として
は、例えば、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−
フェニル尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’
−(p−メトキシフェニル)尿素、N−(p−トルエン
スルホニル)−N’−(o−トリル)尿素、N−(p−
トルエンスルホニル)−N’−(m−トリル)尿素、N
−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p―トリル)
尿素、N−(p−クロロベンゼンスルホニル)−N’−
フェニル尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N―
(o−クロロフェニル)尿素、N−(ベンゼンスルホニ
ル)−N’−フェニル尿素(以上、特開平5−3206
1号公報)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビ
ス(1−メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エ
チル)ベンゼン、1,3−ビス(1−メチル−1−
(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル(特開平1−180382
号)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(特開昭52−
140483号)、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ
―4’−イソプロピルオキシジフェニルスルホン(特開
昭60−13852号)、1,1−ジ(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロキ
シフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開昭
59−52694号)、3,3’−ジアリル−4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン(特開昭60−20
8286号)などが例示できる。これらの化合物は2種
以上を併用してもよい。
【0023】本発明の感熱層に、熱可融性物質(いわゆ
る増感剤)を併用することができる。増感剤としては、
例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエス
テル(特開昭57−191089号)、p−ベンジルビ
フェニル(特開昭60−82382号)、ベンジルナフ
チルエーテル(特開昭58−87094号)、ジベンジ
ルテレフタレート(特開昭58−98285号)、p−
ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開昭57−201
691号)、炭酸ジフェニル、炭酸ジトリル(特開昭5
8−136489号)、m−ターフェニル(特開昭57
−89994号)、1,2−ビス(m−トリルオキシ)
エタン(特開昭60−56588号)、1,5−ビス
(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン(特
開昭62−181183号)、シュウ酸ジエステル類
(特開昭64−1583号、特公平5−62597
号)、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステルとシ
ュウ酸−ジ−p−クロロメチルベンジルエステルの混合
物、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼン(特開
平2−153783号)、ジフェニルスルホン(融点1
24℃)、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル
(融点96℃)、メシチレンスルホン酸p−トリルエス
テル(融点100−102℃)、4,4’−ジアリルオ
キシジフェニルスルホン(融点145℃)、4−エトキ
シフェニルメチルスルホン(融点91℃)、4,4’−
ジイソペンチルオキシジフェニルスルホン(融点100
℃)、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン(融点
130℃)、2,2−ビス(4−ベンゼンスルホニルオ
キシフェニル)プロパン(融点114℃)、2,2−ビ
ス(4−メタンスルホニルオキシフェニル)プロパン
(融点101℃)、N−フェニル−4−メチルフェニル
スルホンアミド(融点102℃)、o−クロロアセトア
セトアニリド(融点103℃)、p−メトキシベンゼン
アセトアセトアニリド、N−ベンジル−o−スルホフタ
ルイミド、1−フェノキシ−2−β−ナフトキシエタン
(融点137℃)などが例示できる。
【0024】また、本発明の感熱層には、さらにヒンダ
ードフェノール化合物又は紫外線吸収剤等を添加でき
る。それらは例えば特開昭57−151394号、特開
昭58−160191号、特開昭58−69096号、
特開昭59−2884号、特開昭59−95190号、
特開昭60−22288号、特開昭60−255485
号、特開昭61−44686号、特開昭62−1696
83号、特開昭63−17081号、特開平1−249
385号、特開平2−266645号等に挙げられた化
合物などである。具体的には2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ
−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール等を例示できる。
【0025】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
にロイコ染料と、2個以上のスルホニルウレア基を有す
る芳香族有機化合物(顕色剤)からなる。さらに、感熱
発色層は、必要に応じて、増感剤、従来公知のフェノー
ル系、スルホニルウレア系あるいは有機酸系顕色剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、またはワックス類を含むこと
ができる。また、有機又は無機顔料類を含んでいること
が好ましい。更に、これらの成分を支持体に固着するた
めのバインダーを含むものである。
【0026】感熱発色層における上記ロイコ染料の感熱
発色層中の含有率は、一般に感熱発色層の乾燥重量の5
〜40重量%であることが好ましく、本発明にかかわる
スルホニルウレア化合物である顕色剤の含有率も特に限
定しないが、一般に5〜50重量%であることが好まし
い。
【0027】感熱発色層に酸化防止剤又は紫外線吸収剤
が含まれる場合、その含有率は1〜10重量%であるこ
とが好ましい。従来公知のフェノール系あるいは有機酸
系顕色剤を併用する場合、その含有率は、5〜40重量
%であることが好ましい。また増感剤の含有率は10〜
40重量%が好ましい。ワックス類、顔料が感熱発色層
に含まれる場合、その含有率はそれぞれ5〜20重量
%、10〜50重量%であることが好ましく、またバイ
ンダーの含有率は一般に5〜20重量%である。
【0028】上記の有機又は無機の顔料としては、例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並びに、尿素
−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、
およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などの白色
顔料を例示することができるが、炭酸カルシウムのよう
なアルカリ土類金属の塩は多用すると感度の低下を引き
起こす場合があるのでその使用量は感熱発色層の乾燥重
量の20重量%以下であることが好ましい。
【0029】また、ワックス類としては、例えば、パラ
フィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高
級脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができ
る。前記バインダーについては、種々の分子量のポリビ
ニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メトキシセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリア
クリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ア
ミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド
/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、ス
チレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアク
リルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼ
インなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポ
リアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/
酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/ブタジエ
ン/アクリル系共重合体等の各々のラテックスを例示で
きる。
【0030】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、紙(酸性紙や中性紙を含む)、表面にフッ素加
工を施した紙(耐油紙)、表面に顔料、ラテックスなど
を塗工したコーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィ
ン系樹脂から作られた合成紙、プラスチックフィルムな
どから選ぶことができる。このようなシート状基体の少
なくとも一面上に、上記所要成分の混合物を含む塗布液
を塗布し、乾燥して感熱記録体を製造する。感熱発色層
のシート状支持体への塗工は、バー塗工法、ブレード塗
工法、エアーナイフ塗工法、グラビア塗工法など従来既
知の塗工法によって行え、塗工量に特に制限はないが、
感熱発色層の塗工量は、感熱発色層が乾燥した状態で1
〜15g/m2が好ましい。塗工量が1g/m2以下で
は、製造した感熱発色体の印字発色濃度、感度が不十分
な場合が多く、また、15g/m2を超えて塗工して
も、印字発色濃度、感度に特段の改善はなく、かえって
経済的に不利となることが多い。
【0031】また、本発明の定着方法における、顕色剤
の顕色能力を低減する物質を含有する液体の塗布量は1
〜25g/m2が好ましい。塗布量が1g/m2未満であ
ると未印字部の発色防止効果が不十分となることが多
く、25g/m2を超えると多すぎて液体が感熱記録体
に完全には吸収されず表面に残り、濡れたようになった
りべたべた感が生じ、商品価値を下げる場合が多い。
【0032】本発明の定着方法における、印字操作後の
感熱記録層への塗布方法についても特に制限はないが、
例えばハケやブラシ、バーなどにより必要量を直接塗布
する狭義の塗布法、あるいはグラビアローラーやゴムロ
ーラーに上記液体を一旦転写し、それを感熱記録体に転
写する転写法などが利用できる。また、スプレー法、浸
漬法など公知の方法を採用できる。
【0033】本発明の感熱記録体においてその感熱発色
層上に更に保護層、印刷層などのような被覆層を形成す
ることもできる。その場合、塗布液が感熱層に浸透しや
すいように吸油性の高い顔料を用いることが好ましい。
また、本発明の感熱記録体において支持体と感熱発色層
との間に下塗り層を形成することができる。その場合、
吸油性の高い顔料を用いることは、塗布液が感熱発色層
表面に残らず乾きが速くなるので特に好ましい。
【0034】本発明においては、感熱記録体の付加価値
を高めるためにさらに加工を施し、より高い機能を付与
した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘
着剤、再湿接着剤、ディレードタック型接着剤による加
工を施すことで粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック
紙としたり、磁気加工することで裏面に磁気記録可能な
感熱記録材料とすることができる。また裏面を利用して
熱転写用紙、静電記録紙、インクジェット用紙、ノーカ
ーボン用紙、ゼログラフィ用紙としての機能をもたせ、
両面への記録が可能な記録紙とすることもできる。もち
ろん、裏面に定着可能な、あるいは不可能な感熱層を形
成し、両面感熱紙とすることも可能である。
【0035】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り「部」および「%」は、それぞ
れ「重量部」および「重量%」をあらわす。
【0036】<実施例1>下記操作により感熱記録紙を
作製した。 (1)分散液Aの調製 成 分 量(部) 3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7− アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm程度になるまで粉砕した。
【0037】 (2)分散液Bの調製 成 分 量(部) 4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノ カルボニルアミノ)ジフェニルメタン 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 80 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0038】 (3)分散液Cの調製 成 分 量(部) シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル 30 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 60 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0039】(4)顔料下塗り紙の調製 焼成クレー(商品名アンシレックス、エンゲルハート社
製)85部を水320部に分散して得られた分散物に、
スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン(固形分5
0%)を40部、10%酸化澱粉水溶液50部混合して
得た塗液を48g/m2の原紙の上に乾燥後の塗布量が
7.0g/m2になるように塗工して、顔料下塗り層を
有する支持体を得た。
【0040】(5)感熱発色層の形成 上記分散液A60部、分散液B150部、分散液C60
部、40%水酸化アルミニウム分散物(商品名:ハイジ
ライトH−42、昭和軽金属)57.5部、30%シリ
カ分散物(商品名:ミズカシルP−603、水沢化学
製)40部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、3
0%パラフィン分散液15部、および10%ポリビニル
アルコール水溶液100部を混合、攪拌し、塗布液とし
た。この塗布液を、上記顔料下塗り層を有する支持体の
下塗り層上に、乾燥後の塗布量が5.3g/m2となる
ように塗布乾燥して感熱発色層を形成し、感熱記録紙を
作成した。
【0041】(6)スーパーカレンダー処理 上記の様にして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダ
ーによって処理し、その表面のベック平滑度を1000
〜1400秒とした。
【0042】(7)発色試験 こうして得られた試料について、大倉電機製発色試験機
THPMDを用いて印字電圧21.7V、印字パルス
1.0msの条件で印字した。この印字発色した部分の
濃度をマクベス反射濃度計(型式:RD−914,マク
ベス社製)で測定した(これを元濃度と呼ぶ)。
【0043】(8)塗布液の調整、及び塗布による定着 セバシン酸ジ−(2−エチルヘキシル)とフタル酸ジ−
(2−エチルヘキシル)を1対1の混合液をハンドル付
きのゴム製のローラーを用いて均一にのばして、印字後
の(7)のサンプルに、塗工量7g/m2となるように
感熱発色層上に転写した。転写後、液体は感熱層にすば
やく吸収され、ぬれた感じ等は数秒以内に消滅した。そ
の後、印字部と未印字部の濃度を前記と同様マクベス反
射濃度計により測定し、定着処理後濃度として表1に記
載した。
【0044】(9)定着性試験 未印字部の再発色性を評価するため、(8)の試料につ
いて、温度を150℃に設定した熱板(アイロン:松下
電器製NI−A50)を2秒間押し当てた後、印字部と
未印字部の濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測
定した(再加熱試験後濃度とする)。テスト結果を表1
に示す。
【0045】<実施例2>実施例1と同様に感熱記録体
を作成し、評価を行った。ただし、(8)の塗布液とし
て、セバシン酸ジ−(2−エチルヘキシル)とフタル酸
ジ−(2−エチルヘキシル)を1対1の混合液のかわり
にテトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジニル)−1、2、3、4−ブタンテトラカル
ボキシレート0.1gをフタル酸ジ−(2−エチルヘキ
シル)2gに溶解した塗布液を塗工量6.5g/m2
なるように感熱記録層上に転写した。テスト結果を表1
に示す。
【0046】<実施例3>実施例1と同様に感熱記録体
を作成し、評価を行った。ただし、(8)の塗布液とし
て、セバシン酸ジ−(2−エチルヘキシル)とフタル酸
ジ−(2−エチルヘキシル)を1対1の混合液のかわり
に化学式(II)で表される化合物0.1gをフタル酸ジ
−(2−エチルヘキシル)2gに溶解した塗布液を塗工
量6.5g/m2になるように感熱記録層上に転写し
た。テスト結果を表1に示す。
【0047】<実施例4>実施例1と同様に感熱記録体
を作成し、評価を行った。ただし、分散液Bの調整にあ
たり、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノ
カルボニルアミノ)ジフェニルメタンのかわりに3,
4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)ジフェニルエーテルを用いた。テスト結果を表
1に示す。
【0048】<比較例1>実施例1で作成した感熱記録
体試料を用いて、印字発色させたサンプルについて、本
発明の液状化合物の塗布という定着処理を行わずに15
0℃に設定した熱板(アイロン:松下電器製NI−A5
0)を2秒間押し当て再加熱した。ただし、テスト結果
を表1に示す。
【0049】<比較例2>実施例1と同様に感熱記録体
を作成し、評価を行った。ただし、分散液Bの調製にあ
たり、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノ
カルボニルアミノ)ジフェニルメタンのかわりに2、2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェ
ノールA)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0050】<比較例3>実施例1と同様に感熱記録体
を作成し、評価を行った。ただし、(8)の塗布液とし
て、セバシン酸ジ−(2−エチルヘキシル)とフタル酸
ジ−(2−エチルヘキシル)を1対1の混合液のかわり
に水を塗工量3.3g/m2感熱発色層上に転写した。
テスト結果を表1に示す。
【0051】表1の結果から明らかなように、シート状
基体上に、染料前駆体と顕色剤として1分子中に2個以
上のスルホニルウレア基を含む感熱発色層を有する感熱
記録体において、加熱印字後、エステル化合物または塩
基性化合物の液体を塗布するという定着処理を行った実
施例では、再加熱後の地肌濃度は0.6D以下であり、
未印字部と印字のコントラストに優れるために印字を判
読できた。これに対して、塗布液を塗布しない場合(比
較例1)、また転写に他の液体を用いた場合(比較例
3)では、印字は判読不可能になり定着されなかった。
また、比較例2より顕色剤として従来のフェノール性化
合物であるビスフェノールAを用いた感熱記録体では定
着処理の段階で印字が消色してしまい、その上再加熱に
よりやや地発色するので印字と未印字部のコントラスト
が悪く印字の判読は不可能であった。このように本発明
の感熱記録体の定着方法により、感熱記録体を簡単に定
着できることがわかる。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料の定着方法によ
り、発色性が良好で印字保存性の高い感熱記録体を簡便
に短時間で定着できることがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体と、該シート状基体の少な
    くとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前駆
    体と、加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤とを含
    む感熱発色層を有する感熱記録体の定着方法において、
    該顕色剤として1分子中に2個以上のスルホニルウレア
    基を有する有機化合物を含み、感熱記録後の記録層に、
    該顕色剤の顕色能力を低減させる物質を含む液を塗布す
    ることを特徴とする感熱記録体の定着方法。
  2. 【請求項2】 前記顕色剤の顕色能力を低減させる物質
    が、芳香族エステル化合物、脂肪族エステル化合物およ
    び塩基性化合物から選ばれる1種以上の物質である請求
    項1に記載の感熱記録体の定着方法。
  3. 【請求項3】 1分子中に2個以上のスルホニルウレア
    基を有する顕色剤として4,4’−ビス(p−トルエン
    スルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタ
    ン、染料前駆体として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6
    −メチル−7−アニリノフルオランを含有し、顕色剤の
    顕色能力を低減する物質としてセバシン酸ジ−(2−エ
    チルヘキシル)とフタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)
    の混合液を用いることを特徴とする請求項1に記載の感
    熱記録体の定着方法。
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