JPH11291412A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JPH11291412A
JPH11291412A JP10711498A JP10711498A JPH11291412A JP H11291412 A JPH11291412 A JP H11291412A JP 10711498 A JP10711498 A JP 10711498A JP 10711498 A JP10711498 A JP 10711498A JP H11291412 A JPH11291412 A JP H11291412A
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resin
sheet
acrylic resin
layer
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JP10711498A
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English (en)
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Kenshiro Chihara
憲四郎 千原
Takashi Kitaguchi
貴司 北口
Toru Sakamoto
亨 阪本
Kazuyasu Kono
和保 河野
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル樹脂を使用しない非塩ビ系の化粧
シートにて、耐候性、絵柄等の印刷層の基材シートへの
密着性等を良好にする。 【解決手段】 アクリル樹脂からなる基材シート1に、
バインダーの樹脂がアクリル樹脂とウレタン樹脂との混
合樹脂系からなるインキによる印刷層2が形成されてい
る構成とする。また、印刷層を基材シートの片面に形成
し、その他方の面に凹凸模様を形成する等しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の外装、内
装、建具、家具、車両内装等の表面装飾等に用いられる
化粧シートに関する。特に、塩化ビニル樹脂フィルムを
使用しない非塩ビ系の化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の上記の様な用途に用いる化粧シー
トとしては、従来から、ポリ塩化ビニルフイルムを基材
シートとして使用し、これに印刷、エンボス加工等で装
飾を施した化粧シート(特公昭28−5036、特公昭
58−14312号公報等参照)が用いられてきた。と
ころが、塩化ビニル樹脂製の基材シートを用いた化粧シ
ートは、廃棄時に燃焼させると塩酸ガスを発生する為
に、地球環境問題の観点から、他の樹脂を用いた化粧シ
ートが望まれる様になった。そこで、近年ではこの様な
塩ビ系の化粧シートに代わるものとして、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー等のポリオレフィン樹脂シートを基材シートに使用し
た化粧シート(特開昭54−62255号公報等参照)
が登場してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、基材シート
がポリオレフィン樹脂シートの場合、密着が一般に悪
く、基材シートに絵柄等を印刷するインキには格別の工
夫を要した。例えば、印刷インキのバインダーの樹脂と
して、ウレタン樹脂を用いたウレタン系インキで絵柄等
を印刷して印刷層を基材シート上に形成すると、印刷層
の耐候性が悪い上に、ガラス転移温度が低い為に、ブロ
ッキングし易いという問題があった。また、インキのバ
インダー樹脂にアクリル樹脂を用いたアクリル系インキ
で印刷層を形成すると、アクリル系インキでは密着が悪
かった。また、バインダー樹脂がポリエステル樹脂を用
いたポリエステル系インキの場合では、印刷時にブロッ
キングやバックトラッピングの問題が起こり、良品率が
低下するといった問題があった。そこで、本発明の課題
は、塩化ビニル樹脂を使用しない非塩ビ系の化粧シート
として、耐候性、密着性、或いは印刷時の問題を解消す
る事である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の化粧シートでは、アクリル樹脂からなる基
材シートに、バインダーの樹脂がアクリル樹脂とウレタ
ン樹脂との混合樹脂系からなる印刷層が形成されて成る
構成とした。この様に、基材シートとインキ層とを、そ
れぞれ特定の材料から構成する事で、基材シートと印刷
層との密着性の問題が解消された。また、本発明の化粧
シートは、上記化粧シートにおいて、基材シートの印刷
層形成面の他方の面に、凹凸模様が形成されて成る構成
としても良い。この結果、凹凸模様の意匠感を付与でき
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0006】先ず、図1は本発明の化粧シートの基本的
な形態例を示す断面図である。図1(A)に示す化粧シ
ートSは、アクリル樹脂からなる基材シート1の表側面
に、上記特定材料からなる印刷層2が形成されている構
成(表刷り仕様)であり、図1(B)に示す化粧シート
Sは、該基材シート1の裏側面に印刷層2が形成されて
いる構成(裏刷り仕様)であり、また、図1(C)に示
す化粧シートSは、該基材シート1の表裏両側の面に、
それぞれ印刷層2が形成されている構成である。図1の
様に、印刷層の形成面は、アクリル樹脂からなる基材シ
ートに対して、いずれの面でも良い。また、本発明の化
粧シートは、図3の断面図に例示する化粧シートSの様
に、基材シート1の印刷層2形成面の他方の面に、凹凸
模様3が形成された構成としても良い。この結果、凹凸
模様の意匠感を付与できる。なお、この場合は、通常は
凹凸模様は表側面、印刷層は裏側面である。図3につい
ては後で詳述する。
【0007】なお、本発明の化粧シートの構成として
は、特定材料からなる印刷層がアクリル樹脂からなる基
材シートに形成されておれば、それ以外は特に限定はな
い。従って、後述するが、図1に例示の構成の他に、装
飾処理として、凹凸模様の賦形、ワイピング加工、基材
シートの着色処理、或いは、複数の基材シートを積層し
た構成等があり得る。
【0008】本発明の化粧シートでは、上記特定材料の
印刷層が形成される基材シートとして、アクリル樹脂か
らなる基材シートを用いる。アクリル樹脂としては、代
表的にはポリメチルメタクリル酸(PMMA)である
が、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アク
リル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル
−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリ
ル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチ
レン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−
(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリ
ル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル
樹脂(但し、此処で(メタ)アクリルとはアクリル又は
メタクリルを意味するものとし、以下同様である。)等
がある。これら各種アクリル樹脂の単独又は混合樹脂か
らなるアクリル樹脂シート(フィルム)を基材シートと
して用いる。基材シートの厚さは特に制限は無いが、通
常は20〜500μm程度である。
【0009】なお、基材シートには、必要に応じ、顔
料、染料、充填剤、発泡剤、難燃剤、紫外線吸収剤等を
添加する。また、裏刷りの場合は、顔料や染料等を添加
する時は、もちろんだが基材シートは透明とする。
【0010】本発明では、アクリル樹脂からなる基材シ
ートに形成する印刷層は、バインダーの樹脂がアクリル
樹脂とウレタン樹脂との混合樹脂系からなる特定のイン
キを用いて印刷形成する。なお、該インキは、上記特定
材料の樹脂の他に、溶剤、体質顔料、着色剤、各種添加
剤等を適宜含有する。また、印刷層は、通常は模様等を
化粧シートに付与する為の装飾目的で形成される。
【0011】上記アクリル樹脂としては、例えば、ポリ
(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エ
チル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メ
タ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エ
チル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メ
タ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸
エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂
等の単独又は混合樹脂を用いる。
【0012】上記ウレタン樹脂としては、基本的には熱
可塑性ウレタン樹脂を用いる。ウレタン樹脂とはポリオ
ール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを
架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンであるが、熱可塑
性ウレタン樹脂は、ポリオールとしてジオールを用い、
イソシアネートとしてジイソシアネートを用いる等とし
て得られるウレタン樹脂である。ポリオールとしては、
分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アク
リルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用いら
れる。又、イソシアネートとしては、分子中に2個以上
のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用い
られる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環
式)イソシアネート、或いはトリレンジイソシアネート
の付加体等のイソシアネート付加体、トリレンジイソシ
アネート3量体等のイソシアネート多量体が用いられ
る。
【0013】なお、アクリル樹脂とウレタン樹脂との混
合割合は、アクリル樹脂/ウレタン樹脂=5/5〜9/
1(重量比)の範囲で、基材シート、用途等に応じて選
択する。アクリル樹脂が上記範囲よりも少ないと、つま
りウレタン樹脂が上記範囲よりも多いと耐候性が低下
し、逆にアクリル樹脂が上記範囲よりも多いと、基材シ
ートへの密着性が低下する。
【0014】また、印刷層を形成する為のインキには、
上記特定材料の混合樹脂系からなるビヒクルに、通常は
着色剤として、顔料や染料等を含む。例えば、チタン
白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン
黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインド
リノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネン
トレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブ
リーRS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料
も含む)、アルミニウム、真鍮、等の金属顔料、二酸化
チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光
沢(パール)顔料等である。顔料による着色は透明着色
でも、或いは不透明(隠蔽性)着色でも良い。
【0015】印刷層を印刷形成する為には、グラビア印
刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シー
トからの転写印刷等公知の印刷法を用いる。なかでも、
アクリル樹脂からなる基材シートは、場合によってはイ
ンキの溶剤で溶解したり膨潤したりするので、転写印刷
は好ましい印刷法の一つである。
【0016】なお、転写印刷の場合に用いる転写シート
の構成としては、上記印刷層を少なくとも転写層として
離型性支持体上に設けた構成のものであれば良い。離型
性支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、紙等に、離型性が不足する場合は、シリコーン樹脂
やワックス等の離型性材料による離型層を離型性支持体
の一部として形成したフィルム(或いはシート)を用い
れば良い。また、転写層は、着色剤等が含まれる印刷層
単体では転写時の熱圧等により基材シートに密着しない
場合は、適宜接着剤層を設ける。接着剤層は熱融着性が
あれば良いが、本発明では、印刷層と同じ混合樹脂系、
つまり、前記アクリル樹脂とウレタン樹脂とを用いた混
合樹脂とすれば良い。
【0017】模様としては、木目模様、石目模様、布目
模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは全面
ベタ等がある。印刷層は、前述した図1の如く、基材シ
ートのシートの表面、裏面、表裏両面、或いは、複数の
基材シートを用いる場合は、層間に設けることもある。
なお、もちろんだが、印刷層は多色刷りでは複層構成と
なる。また、模様等の多色刷りでも、印刷層はパターン
のある絵柄層とは別に、全面ベタの層を隠蔽ベタ層とし
て、模様層の下側に設けることもある。
【0018】なお、本発明の化粧シートでは、上記印刷
層は装飾等の目的で形成されるものであるが、本発明の
化粧シートとしては、例えば凹凸模様の様に、上記印刷
層以外による装飾処理が施されていても良い。
【0019】〔装飾処理〕この様な装飾処理としては、
図2(A)に示す化粧シートSの様な、アクリル樹脂か
らなる基材シート1自体への顔料添加による着色(透明
又は不透明着色)、図2(B)に示す化粧シートSの様
な、エンボス加工(加熱プレス)、ヘアライン加工等に
よる凹凸模様3の賦形等である。或いは、金属薄膜の形
成(図示略)、艶調整、塗装感等の意匠性付与の為の上
塗り層形成等もある。これら装飾処理は適宜組み合わせ
て施される。
【0020】基材シートへの顔料添加では、前記印刷層
で列記した様な各種顔料を基材シートの樹脂中に練り込
む。なお勿論だが、基材シートを不透明とする形態は、
裏刷りで無い場合である。
【0021】凹凸模様を賦形するエンボス加工として
は、基材シートを加熱軟化させ、エンボス版で加圧、賦
形し、冷却固定して形成するもので、公知の枚葉、或い
は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸模様として
は、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、
布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条
溝等である。なお、凹凸模様を設ける面は表側面、裏側
面、表裏両側面等と任意である。更に必要に応じて、凹
凸模様の凹部に公知のワイピング法(特公昭58−14
312号公報等参照)によって、着色インキを充填する
こともできる。着色インキは前記と同様の物が可能であ
る。但し、耐磨耗性の点で、2液硬化型ウレタン樹脂を
バインダーとする物が好ましい。
【0022】金属薄膜の形成は、アルミニウム、クロ
ム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリ
ング等の方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせで
も良い。該金属薄膜は、全面に設けても、或いは、部分
的にパターン状に設けても良い。
【0023】上塗り層の形成は、前記印刷層や上記各種
装飾処理が施された後の処理として、表側面に塗工等で
形成する。また、上塗り層は耐擦傷性、耐薬品性等の表
面物性付与の為にも形成される。上塗り層の樹脂として
は、例えば、ポリウレタン樹脂、各種アクリレート等か
らなる紫外線や電子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂
等が使用される。樹脂中には、充填剤、難燃剤、紫外線
吸収剤、光安定剤等が、必要に応じて適宜添加される。
【0024】また、化粧シートの裏面には、必要に応じ
接着剤層を設けることもある。接着剤層には、例えば、
熱可塑性樹脂等からなる熱融着型接着剤、或いは感圧粘
着剤等の従来公知の接着剤が用途に応じて使用される。
【0025】ところで、アクリル樹脂からなる基材シー
トは耐溶剤性が弱く、基材シートに直接印刷する場合は
印刷層形成用のインキは、その溶剤が限定されるが、印
刷層を転写印刷で形成する場合はこの様なインキ溶剤の
限定が無く、好ましい。特に、印刷層が部分的にパター
ン状に形成される絵柄層の場合は、基材シート全面にイ
ンキが接触しないが、隠蔽ベタ層の場合には、インキが
基材シート全面に接触するので、インキの溶剤組成によ
っては、基材シートの耐溶剤性の点で、直接印刷できな
い事もある。しかし、転写印刷ではこの様な問題無しに
印刷できる。但し、転写印刷では、転写ローラ等で熱圧
を加えて転写シートを基材シートに圧接する工程が必要
となる。しかし、装飾処理として凹凸模様をエンボスで
賦形する場合は、印刷層の転写印刷と、(印刷層形成面
とは反対面に)凹凸模様のエンボス賦形とを同時に行う
方法によれば、これらを1工程で処理でき、生産性が向
上する。この様な方法としては、例えば特開平7−11
7397号公報に開示の方法を利用できる。すなわち、
同号公報が開示の方法によって、印刷層及び凹凸模様を
形成して、本発明の化粧シートを得るには、離型性支持
体に印刷層を転写層として備えた構成の転写シートの該
印刷層面に、(透明な)アクリル樹脂からなる基材シー
トを重ね合わせ、エンボスロールと加圧ロール間を通し
て熱圧を加えることにより、前記基材シートの一方の面
に前記印刷層を転写すると同時に、前記基材シートの他
方の面にエンボスを施せば良い。
【0026】また、エンボスと転写印刷との1工程によ
る同時処理では、例えば特開平9−155973号公報
に開示の方法を利用することで、エンボスによる凹凸模
様と印刷層の模様とを同調させる事も可能である。すな
わち、同号公報が開示の方法によって、回転軸を互いに
水平面内に揃えたエンボスローラと加圧ローラ間に、垂
直方向上方から供給する加熱した基材シートに対して、
転写シートを垂直方向に対して15〜45度の範囲の進
入角度で供給する事で、エンボスローラと加圧ローラ間
に供給される前に転写シートが加熱されて延びる事を防
いで転写する。また、転写シートの印刷層の柄のピッチ
は、エンボスピッチよりも小さく(例えば0〜1.5%
の範囲内で)して、テンションで転写シートを伸ばして
供給して、エンボスピッチと合わした状態で転写及びエ
ンボスを行えば良い。
【0027】また、印刷層を転写印刷で形成する場合
は、印刷層のバインダーの混合樹脂系の樹脂として用い
るウレタン樹脂としては、特に熱可塑性ウレタン樹脂が
使いやすい点で好ましい。基本的には、印刷層の混合樹
脂系に用いるウレタン樹脂は、熱硬化性ウレタン樹脂等
の硬化性ウレタン樹脂でも、(転写印刷による場合も含
めて)使用可能である。また、硬化性ウレタン樹脂を用
いれば、つまり印刷後に完全硬化させれば、得られる印
刷層の皮膜強度が強い化粧シートが得られる。しかし、
転写印刷の場合に硬化性ウレタン樹脂を用いると、転写
シートの保存中等に硬化反応が進行して、硬化性に基づ
く性能を安定的に導き出せず、また転写性も不安定とな
るからである。
【0028】なお、本発明の化粧シートの用途は特に限
定されず、各種被着体の表面に積層して表面を化粧する
用途に用いる。被着体は各種素材の平板、曲面板等の板
材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等であ
る。例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボー
ド、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や
立体形状物品等として用いられる木質板素材、鉄、アル
ミニウム等の板材、立体形状物品或いはシート等として
用いられる金属素材、ガラス、陶磁器等のセラミック
ス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡
コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立
体形状物品等として用いられる窯業系素材、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール
樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板
材、立体形状物品或いはシート等として用いられる樹脂
素材、或いは、専らシートとして用いられる上質紙、和
紙等の紙、炭素、石綿、ガラス、合成樹脂等の繊維から
なる不織布または織布が挙げられる。なお、化粧シート
の積層物は、被着体が板材の場合は化粧板として使用さ
れ、、被着体がシートの場合は積層物自体も化粧シート
として使用されることもある。
【0029】これらの各種被着体への化粧シートの積層
方法としては、例えば接着剤を間に介して板状基材に
加圧ローラーで加圧して積層する方法、特公昭50−
19132号公報、特公昭43−27488号公報等に
記載される様に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間
に配置した後、溶融樹脂を型内に射出充填し、樹脂成型
品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層す
る、所謂射出成形同時ラミネート方法、特公昭56−
45768号公報、特公昭60−58014号公報等に
記載されるように、成形品等の立体形状物品の表面に化
粧シートを、間に接着剤を介して対向又は載置し、立体
形状物品側からの真空吸引による圧力差により化粧シー
トを立体形状物品の表面に積層する、所謂真空プレス積
層方法、特公昭61−5895号公報、特公平3−2
666号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の
柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介
して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、
柱状基材を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧
接着して積層してゆく、所謂ラッピング加工方法が有
る。また、後加工として、所謂Vカット又はUカット加
工を行う事もある。
【0030】本発明の化粧シートは各種被着体に積層
し、必要に応じて所定の成形加工等を施して、各種用途
に用いる。例えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓
枠、扉、手摺等の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA
機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車輛
内装、航空機内装、船舶内装、窓硝子の化粧等である。
【0031】
【実施例】以下、本発明の化粧シートを実施例により更
に説明する。
【0032】転写シートとして、厚さ38μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムの離型処理面に、アクリ
ル樹脂と熱可塑性ウレタン樹脂とを(アクリル樹脂/熱
可塑性ウレタン樹脂=重量比7/3)の混合系樹脂をバ
インダーの樹脂とする着色インキを用いて、隠蔽ベタ層
と木目柄の多色刷りの絵柄層とからなる印刷層をグラビ
ア印刷で順次形成したものを用意した。そして、アクリ
ル樹脂からなる厚さ75μmの基材シート(三菱レイヨ
ン株式会社製、HBE−028)を、170℃に予熱し
て、70℃のエンボスローラと、170℃のシリコーン
ゴム製加圧ローラ(転写ローラ)との間を、10m/分
の速度で通して、木目導管の凹凸模様のエンボスと、印
刷層の転写印刷とを基材シートに対して同時に行った。
この際、転写シートの離型性支持体は剥離せずにそのま
まとして、凹凸模様賦形面に対して、ワイピング加工を
施して、凹凸模様の凹部内部に、バインダーがアクリル
ポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとからな
る2液硬化型ウレタン樹脂、顔料が弁柄とカーボンブラ
ックからなる着色インキを充填後、更に全面にバインダ
ーがアクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネ
ートとからなる2液硬化型ウレタン樹脂系の透明インキ
を印刷して、表面物性向上の為の上塗り層を形成した。
その後、前記液離型性支持体を剥離して、図3の様な本
発明の化粧シートを得た。ちなみに、図3の断面図に示
す本発明の化粧シートSは、基材シート1の裏側面に絵
柄層2a及び隠蔽ベタ層2bからなる印刷層2がこの順
に形成され、基材シートの表側面には凹凸模様3が賦形
され、凹凸模様の凹部内部には着色インキ4を有し、こ
の表側面全面に透明な上塗り層5が形成された構成であ
る。化粧シートは、印刷層の密着性も良く、また耐候性
も良好であった。
【0033】
【発明の効果】本発明の化粧シートによれば、特定材料
の基材シートに、特定材料のバインダーの樹脂からなる
インキによる印刷層が形成されている為に、印刷層の密
着性も良く、また化粧シートの耐候性も良好である。ま
た、ブロッキングやバックトラッピングも起き難い。ま
た、凹凸模様を設ければ、該凹凸模様による装飾効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの基本的構成に於ける各種
形態を説明する断面図。
【図2】本発明の化粧シートの他の形態を例示する断面
図。
【図3】本発明の化粧シートの他の形態を例示する断面
図。
【符号の説明】
1 基材シート 2 印刷層 2a 絵柄層 2b 隠蔽ベタ層 3 凹凸模様 4 着色インキ 5 上塗り層 S 化粧シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 和保 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂からなる基材シートに、バ
    インダーの樹脂がアクリル樹脂とウレタン樹脂との混合
    樹脂系からなるインキによる印刷層が形成されて成る、
    化粧シート。
  2. 【請求項2】 基材シートの印刷層形成面の他方の面
    に、凹凸模様が形成されて成る、請求項1に記載の化粧
    シート。
JP10711498A 1998-04-03 1998-04-03 化粧シート Pending JPH11291412A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10711498A JPH11291412A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 化粧シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10711498A JPH11291412A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 化粧シート

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JPH11291412A true JPH11291412A (ja) 1999-10-26

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ID=14450840

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007047511A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Sakai Silk Screen:Kk 表示用貼付けシート
WO2007116942A1 (ja) * 2006-04-06 2007-10-18 Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. 加飾シート及びその製造方法
JP2007296848A (ja) * 2006-04-06 2007-11-15 Shin Etsu Polymer Co Ltd 加飾シート及びその製造方法

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