JPH11290221A - ポンプ注液式液体容器 - Google Patents

ポンプ注液式液体容器

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JPH11290221A
JPH11290221A JP10245298A JP10245298A JPH11290221A JP H11290221 A JPH11290221 A JP H11290221A JP 10245298 A JP10245298 A JP 10245298A JP 10245298 A JP10245298 A JP 10245298A JP H11290221 A JPH11290221 A JP H11290221A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器本体の転倒時あるいは容器本体が所定角
度を超えて傾斜した時および容器本体が前記注出口側へ
前記所定角度より小さい角度で前傾(即ち、注出口側へ
傾斜)した時における内容液の自然流出を防止し得るよ
うにする。 【解決手段】 ポンプ注液式液体容器において、注液通
路11の途中に、容器本体1の転倒時あるいは該容器本
体1が所定角度を超えて傾斜した時に作動して該注液通
路11を閉止する転倒時止水弁15と、前記容器本体1
が前記注出口12側へ前記所定角度より小さい角度で前
傾した時に作動して該注液通路11を閉止する前傾時止
水弁16とを同一の弁室18内に配置して設けて、容器
本体1の転倒時あるいは該容器本体1が所定角度を超え
て傾斜した時においては転倒時止水弁15が作動して注
液通路11を閉止し、容器本体1が注出口12側へ前記
所定角度より小さい角度で前傾した時においては前傾時
止水弁16が作動して注液通路11を閉止するようにし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ポンプ注液式液
体容器に関し、さらに詳しくは容器本体の転倒時あるい
は容器本体が所定角度を超えて傾斜した時および容器本
体が前記注出口側へ前記所定角度より小さい角度で前傾
した時における内容液の外部への流出を防止し得るよう
にしたポンプ注液式液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から良く知られているポンプ注液式
液体容器としては、容器本体内に収容された内容液を該
容器本体の上部から注出する注液通路と、該注液通路を
通じて内容液を注出口へと押し出すポンプとを備えたも
のがある。
【0003】上記のような構成のポンプ注液式液体容器
の場合、ポンプの作動により内容液を注出するためには
注液通路を常時開放状態としておく必要があるが、する
と、容器本体が、転倒したり、所定角度を超えて傾斜し
たりすると、内容液が注液通路を通って外部へ流出して
しまうという不具合が生じる。
【0004】そこで、従来のポンプ注液式液体容器にお
いては、前記注液通路の途中に、容器本体の転倒時ある
いは容器本体が所定角度を超えて傾斜した時に作動して
該注液通路を閉止する転倒時止水弁を設けて、容器本体
の転倒時あるいは容器本体が所定角度を超えて傾斜した
時における内容液の外部への流出を防止するようにして
いる。なお、前記転倒時止水弁は、上部に弁口を有する
弁室内において通常は前記弁口を開放する位置に自重で
着座している断面ベース形状の弁体により構成されてお
り、容器本体が転倒したり、所定角度を超えて傾斜した
りすると、弁体がスライド移動して弁口を閉じると同時
に、自然流出しようとする内容液が弁体を弁口に押し付
けることにより、内容液が注液通路を通って自然流出す
るのを防止するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、容器本体を
注出口側へゆっくりと前傾させると、前記転倒時止水弁
の弁体がスライド移動しない場合があり、注液通路を通
って自然流出してしまうという不具合が生ずる。
【0006】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、容器本体の転倒時あるいは容器本体が所定角度を
超えて傾斜した時および容器本体が前記注出口側へ前記
所定角度より小さい角度で前傾(即ち、注出口側へ傾
斜)した時における内容液の自然流出を防止し得るよう
にすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明の第1の基本構
成(請求項1の発明)では、上記課題を解決するための
手段として、容器本体内に収容された内容液を該容器本
体の上部から注出する注液通路と、該注液通路を通じて
内容液を注出口へと押し出すポンプとを備えたポンプ注
液式液体容器において、前記注液通路の途中に、前記容
器本体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超えて
傾斜した時に作動して該注液通路を閉止する転倒時止水
弁と、前記容器本体が前記注出口側へ前記所定角度より
小さい角度で前傾した時に作動して該注液通路を閉止す
る前傾時止水弁とを同一の弁室内に配置して設けてい
る。
【0008】上記のように構成したことにより、容器本
体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超えて傾斜
した時においては転倒時止水弁が作動して注液通路を閉
止し、容器本体が注出口側へ前記所定角度より小さい角
度で前傾した時においては前傾時止水弁が作動して注液
通路を閉止することとなる。従って、いずれの場合にお
いても内容液への外部への自然流出を防止することがで
きるのである。しかも、転倒時止水弁と前傾時止水弁と
を同一の弁室内に配置するようにしているため、構成が
簡略化されるとともに設置スペースも小さくて済むこと
となる。
【0009】本願発明の第2の基本構成(請求項2の発
明)では、上記課題を解決するための手段として、容器
本体内に収容された内容液を該容器本体の上部から注出
する注液通路と、該注液通路を通じて内容液を注出口へ
と押し出すポンプとを備えたポンプ注液式液体容器にお
いて、前記注液通路の途中に、前記容器本体の転倒時あ
るいは該容器本体が所定角度を超えて傾斜した時に作動
して該注液通路を閉止する転倒時止水弁と、該転倒時止
水弁の上流側であって満液位より上方に位置して前記容
器本体が前記注出口側へ前記所定角度より小さい角度で
前傾した時に作動して該注液通路を閉止する前傾時止水
弁とを設けている。
【0010】上記のように構成したことにより、容器本
体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超えて傾斜
した時においては転倒時止水弁が作動して注液通路を閉
止し、容器本体が注出口側へ前記所定角度より小さい角
度で前傾した時においては前傾時止水弁が作動して注液
通路を閉止することとなる。従って、いずれの場合にお
いても内容液への外部への自然流出を防止することがで
きるのである。しかも、前傾時止水弁を、転倒時止水弁
の上流側であって満液位より上方に位置させているの
で、容器本体の正立時に転倒時止水弁と前傾時止水弁と
の間の注液通路に内容液の一部が存在しないこととな
り、容器本体の前傾時(即ち、容器本体が注出口側へ前
記所定角度より小さい角度で前傾した時)に内容液の一
部が外部へ自然流出してしまうということがなくなる。
【0011】本願発明の第3の基本構成(請求項3の発
明)では、上記課題を解決するための手段として、容器
本体内に収容された内容液を該容器本体の上部から注出
する注液通路と、該注液通路を通じて内容液を注出口へ
と押し出すポンプとを備えたポンプ注液式液体容器にお
いて、前記注液通路の途中に、前記容器本体の転倒時あ
るいは該容器本体が所定角度を超えて傾斜した時に作動
して該注液通路を閉止する転倒時止水弁と、前記容器本
体が正立状態にある時および前記容器本体が前記注出口
側へ前記所定角度より小さい角度で前傾した時において
該注液通路を閉止し、前記ポンプの作動時の液圧により
動作して前記注液通路を開放する前傾時止水弁とを設け
ている。
【0012】上記のように構成したことにより、容器本
体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超えて傾斜
した時においては転倒時止水弁が作動して注液通路を閉
止し、容器本体の正立時あるいは容器本体が前記注出口
側へ前記所定角度より小さい角度で前傾した時において
は前傾時止水弁により注液通路を閉止することとなる。
従って、いずれの場合においても内容液への外部への自
然流出を防止することができるのである。しかも、前傾
時止水弁は、ポンプの作動時の液圧により動作して注液
通路を開放することとなっているため、注液操作に支障
を来すことはない。
【0013】請求項4の発明におけるように、前記前傾
時止水弁を、該前傾時止水弁が配置されている弁室への
内容液流入口を閉止するボール弁により構成した場合、
ボール弁の転動により開閉作動することとなり、前傾時
止水弁の構成が簡略化できるとともに、開閉作動も容易
且つ確実となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0015】第1の実施の形態(請求項1、2、4に対
応) 図1ないし図7には、本願発明の第1の実施の形態にか
かるポンプ注液式液体容器が示されている。
【0016】このポンプ注液式液体容器は、電気ヒータ
により内容液を加熱沸騰させた後保温する電気湯沸器と
されており、図1に示すように、例えば水(即ち、内容
液)を収容できるように構成された容器本体1と、該容
器本体1の上部開口を覆蓋する開閉且つ着脱自在な蓋体
2とを備えて構成されている。
【0017】前記容器本体1は、内周面を構成する金属
製(例えば、ステンレス製)の内容器3と、外周面を構
成する合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン製)の外ケ
ース4と、前記内容器3の上端縁と外ケース4の上端縁
とを結合する合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン製)
の肩部材5と、前記外ケース4の下端開口を覆う合成樹
脂製(例えば、ポリプロピレン製)の底板6とによって
構成されており、前記内容器3と外ケース5および底板
6との間には空間部7が形成されている。
【0018】前記蓋体2は、前記肩部材5の後方側に形
成されたヒンジ受け13に対して係脱自在なヒンジピン
14を介して開閉且つ着脱自在に取り付けられている。
【0019】前記内容器3の底部下面には、該内容器3
内に収容された水を加熱するための電気ヒータ8が配設
されている。符号9は内容器3内に収容された水(ある
いは湯)の温度(具体的には、内容器3の温度)を検出
するための温度センサー、10は電気ヒータ8の熱が下
方へ輻射されるのを防止するための遮熱板である。
【0020】前記内容器3の底部には、該内容器3内の
湯を外部へ注出するための注液通路11が接続されてお
り、該注液通路11は、前記内容器3と外ケース4との
間の前方側(即ち、反ヒンジピン側)に形成された空間
部7を上方に延びていて、その先端の注出口12は、前
記外ケース4の上部に形成されたパイプカバー部4aに
臨まされている。
【0021】前記注液通路11の下部(即ち、内容器3
底部と底板6との間に形成される空間部7に位置する部
位)には、液体注出用の電動ポンプ17が介設されてい
る。
【0022】また、前記注液通路11における上向き直
管部11aは、内容液Wの量を表示する液量表示部とさ
れている。
【0023】さらに、前記注液通路11における上部で
あって内容器3の満液位Hより上方に位置する部位に
は、図2に拡大図示するように、前記容器本体1の転倒
時あるいは該容器本体1が所定角度(例えば、45°)
を超えて傾斜した時に作動して該注液通路11を閉止す
る転倒時止水弁15と、前記容器本体1が前記注出口1
2側へ前記所定角度より小さい角度α(例えば、18
°)で前傾した時に作動して該注液通路11を閉止する
前傾時止水弁16とを配置する弁室18が形成されてい
る。
【0024】前記弁室18は、図4ないし図6に示すよ
うに、内容液Wが流入する内容液流入口21、転倒時止
水弁15の着座部22および前傾時止水弁16の着座部
23を有する弁箱19と、該弁箱19の上部開口19a
を覆蓋するとともに内容液Wが流出する内容液流出口2
4を有するカバー20との間の空間部とされており、前
記転倒時止水弁15は、前記内容液流出口24を閉止す
る一方、前記前傾時止水弁16は、前記内容液流入口2
1を閉止することとされている。つまり、前記前傾時止
水弁16は、前記転倒時止水弁15より略水平方向に隔
たった位置であって該転倒時止水弁15の上流側に配置
されているのである。なお、前記カバー20の下面に
は、符号25は内容液流入口21側の接続部、26は内
容液流出口24側の接続部である。
【0025】前記転倒時止水弁15は、断面ベース形状
の弁体からなっており、通常時においては前記着座部2
2に設けられた仮想円錐形状のスライドガイド27,2
7・・上に着座されているが、容器本体1の転倒時ある
いは該容器本体1が所定角度(例えば、45°)を超え
て傾斜した時においては前記スライドガイド27,27
・・にガイドされつつスライド移動して内容液流出口2
4を閉止することとなっている。つまり、転倒時止水弁
15の移動方向は矢印Yで示す方向となる。
【0026】一方、前傾時止水弁16は、ボール弁から
なっており、容器本体1の正立時においては前記着座部
23に着座されているが、容器本体1が注出口12側へ
前記所定角度より小さい角度α(例えば、18°)で前
傾した時においては該着座部23から内容液流入口21
に至るガイド溝28を転動して内容液流入口21を閉止
することとなっている。つまり、前傾時止水弁16の移
動方向は矢印Xで示す方向となる。
【0027】なお、前記ガイド溝28は、内容液流入口
21から着座部23に向かって所定の傾斜角度を有する
下り勾配とされている。該傾斜角度は、内容器3内の内
容液が満杯状態にあるときに容器本体1を前傾させて内
容液が自然流出する角度(例えば、20°)より小さい
角度α(例えば、18°)に設定するのが望ましい。ま
た、前記カバー20の下面には、前記ガイド溝28の両
側に向かって一体に延設された一対のガイドリブ45,
45が設けられており、前記ボール弁16は、ガイドリ
ブ45,45に案内されることによりガイド溝28から
逸脱することなく内容液流入口21へ転動することとな
っている。該ガイドリブ45,45は、ボール弁16を
閉止位置に位置決めする位置決め手段としても作用す
る。
【0028】ところで、本実施の形態においては、前記
注液通路11の出口である注出口12は、前記外ケース
4のパイプカバー4aの下方に突出されており、該突出
部位12aには、スプラッシュ防止のための切欠29が
形成されている。該切欠29を目隠しするために、前記
突出部位12aを覆うカバー部材30が前記パイプカバ
ー4aに対して着脱自在に取り付けられている。即ち、
図6に示すように、前記パイプカバー4aには、前記突
出部位12aを囲む部位に凹部31が形成されており、
該凹部31の左右端部に形成された係合穴32,32に
対して前記カバー部材30の左右端部に突設された係合
片33,33を係合させることにより、カバー部材30
がパイプカバー4aに対して着脱自在に取り付けられる
こととなっている。
【0029】なお、カバー部材30は、前記突出部位1
2aを覆う筒状部30aと、該筒状部30aの上部に延
設され、前記凹部31にはめ込まれる取付部30bとか
らなっており、前記筒状部30aの外周には、滑り止め
となる突部34,34・・が形成されている。そして、
前記筒状部30aを二本の指Fで挟圧することにより、
係合片33,33と係合穴32,32との係合を解除す
ることにより、カバー部材30の取り外しができること
となっている。
【0030】また、本実施の形態においては、肩部材5
の前面部(即ち、反ヒンジ部)には、各種操作スイッチ
類を配置した操作パネル47が設けられており、該操作
パネル47の内方空間47aには、制御回路用基板48
が配設されているが、前記内方空間47aと前記注液通
路11が配設されている空間部7とは、隔壁46により
区画されている。このようにすると、注液通路11から
蒸気が漏れ出たとしても、該蒸気が制御用基板48に触
れるということがなくなり、制御用基板48の故障を防
止できる。
【0031】図1において、符号35は回転座、36は
蓋体2に形成された蒸気排出通路、37は蒸気排出通路
36に介設された転倒止水弁、38は蓋体2の閉止状態
を保持するためのロック機構である。
【0032】ついで、上記のように構成されたポンプ注
液式液体容器における止水作用について説明する。
【0033】容器本体1が転倒した場合あるいは容器本
体1が所定角度(例えば、45°)を超えて傾斜した場
合には、注出口12側への転倒時あるいは傾斜時に限り
転倒時止水弁15および前傾時止水弁16が作動する
が、その他の転倒時あるいは傾斜時においては転倒時止
水弁15のみが、スライドガイド27,27・・にガイ
ドされつつスライド移動して内容液流出口24を閉止す
ると同時に、自然流出しようとする内容液が転倒時止水
弁15を内容液流出口24に押し付けることとなり、内
容液が注液通路11を通って自然流出することがなくな
る。
【0034】一方、容器本体1を注出口12側に所定角
度(例えば、45°)より小さい角度α(例えば、18
°)で前傾させた場合には、その傾斜角がガイド溝28
の傾斜角以上となると、転倒時止水弁15は作動しない
が、前傾時止水弁16が、着座部23からガイド溝28
に沿って転動して内容液流入口21を閉止する(図3参
照)。したがって、内容液Wが注液通路11を通って自
然流出することがなくなる。
【0035】なお、本実施の形態においては、前傾時止
水弁16を転倒時止水弁15の上流側に配置している
が、前傾時止水弁16を転倒時止水弁15の下流側に配
置してもよい。また、本実施の形態においては、前傾時
止水弁16により弁室18への内容液流入口21を閉止
する構造としているが、前傾時止水弁16により弁室1
8の内容液流出口24を閉止する構造としてもよい。
【0036】第2の実施の形態(請求項1、2、4に対
応) 図8ないし図11には、本願発明の第2の実施の形態に
かかるポンプ注液式液体容器の要部が示されている。
【0037】この場合、弁室18は、転倒時止水弁15
が配置される上部弁室18Aと、前傾時止水弁16が配
置される下部弁室18Bとにより構成されており、該下
部弁室18Bは、前記上部弁室18Aより上流側であっ
て満液位Hより上方位置とされている。前記上部弁室1
8Aと下部弁室18Bとは、連通部43を介して互いに
連通されている。前記下部弁室18Bには、容器本体1
の正立時に前傾時止水弁16であるボール弁が着座する
着座部23が形成されている。該着座部23と弁室18
(具体的には、前記下部弁室18B)への内容液流入口
21との間には、前記着座部23側に向かって所定の傾
斜角α(例えば、18°)を有する下り勾配のガイド溝
28が形成されている。なお、本実施の形態において
は、転倒時止水弁15をガイドするスライドガイド27
を下部弁室18Bにまで延設して、ボール弁16の閉止
時における位置決めをも行うことができるようにしてい
る。符号49は、上向き直管部11aと接続部25との
水密性を確保するためのシール筒である。
【0038】このようにすると、容器本体1が注出口1
2側へ前記傾斜角αを超えて前傾した時においては、ボ
ール弁16がガイド溝28に沿って転動して内容液流入
口21を閉止することとなり、内容液が注液通路11を
通って自然流出することがなくなる(図9参照)。
【0039】ところで、図10に示すように、容器本体
1が転倒した時あるいは所定角度β(例えば、45°)
を超えて傾斜した時には、最初にボール弁16が作動し
て内容液流入口21を閉止した後、転倒時止水弁15が
作動して内容液流出口24を閉止する。
【0040】図11に示すように、容器本体1が注出口
12と直角方向に横転した場合には、ボール弁16は作
動せず、転倒時止水弁15のみが作動して内容液流出口
24を閉止する。
【0041】その他の構成および作用効果は、第1の実
施の形態におけると同様なので説明を省略する。なお、
本実施の形態においては、前傾時止水弁16により下部
弁室18Aへの内容液流入口21を閉止する構造として
いるが、前傾時止水弁16により連通部43を閉止する
構造としてもよい。
【0042】第3の実施の形態(請求項1、3、4に対
応) 図12には、本願発明の第3の実施の形態にかかるポン
プ注液式液体容器の要部が示されている。
【0043】この場合、弁室18は、転倒時止水弁15
が配置される上部弁室18Aと、前傾時止水弁16が配
置される下部弁室18Bとにより構成されており、該下
部弁室18Bは、前記上部弁室18Aより上流側であっ
て満液位Hより上方位置とされている。前記上部弁室1
8Aと下部弁室18Bとは、連通部43を介して互いに
連通されている。前記下部弁室18B内においては、前
記前傾時止水弁16であるボール弁が、容器本体1の正
立時および注出口12側への前傾時において内容液流入
口21を閉止するようにして配置されている。そして、
該前傾時止水弁16は、電動ポンプ17の作動時の液圧
により転動して前記下部弁室18Bに形成された退避部
44に収納されることとなっている(即ち、内容液流入
口21が開放されることとなっている)。つまり、前傾
時止水弁16は、容器本体1の正立時および前傾時にお
いて内容液流入口21を閉止するが、注液時(即ち、電
動ポンプ17の作動時)においては、鎖線図示のよう
に、液圧により退避部44に退避せしめられることとな
り、内容液の注出は円滑に行える。なお、前記退避部4
4は、内容液流入口21に向かって下り勾配とされてお
り、電動ポンプ17が停止されて液圧が作用しなくなる
と、ボール弁16は自重により内容液流入口21を閉止
することとなっている。また、本実施の形態において
は、転倒時止水弁15をガイドするスライドガイド27
を下部弁室18Bにまで延設して、ボール弁16の閉止
時における位置決めをも行うことができるようにしてい
る。符号50は、上向き直管部11aと接続部25との
水密性を確保するためのシールパッキンである。その他
の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると
同様なので説明を省略する。
【0044】第4の実施の形態(請求項1、3、4に対
応) 図13には、本願発明の第4の実施の形態にかかるポン
プ注液式液体容器の要部が示されている。
【0045】この場合、注液通路11の途中(即ち、上
部であって内容器3の満液位Hより上方に位置する部
位)に形成された弁室18には、上位に位置する転倒時
止水弁15と、該転倒時止水弁15の下方位置であって
上流側に位置する前傾時止水弁16とが配置されてい
る。このようにすると、弁室18の前後方向寸法を小さ
くできるため、容器本体1における突出部(即ち、パイ
プカバー4a)を小さくできる。
【0046】前記前傾時止水弁16は、容器本体1の正
立時および注出口12側への前傾時において内容液流入
口21を閉止するようにして配置されたボール弁とされ
ている。そして、該ボール弁16は、電動ポンプ17の
作動時の液圧により転動して前記弁室18の底部に形成
された退避部44に収納されることとなっている(即
ち、内容液流入口21が開放されることとなってい
る)。つまり、ボール弁16は、容器本体1の正立時お
よび前傾時において内容液流入口21を閉止するが、注
液時(即ち、電動ポンプ17の作動時)においては、鎖
線図示のように、液圧により退避部44に退避せしめら
れることとなり、内容液の注出は円滑に行える。なお、
前記退避部44は、内容液流入口21に向かって下り勾
配とされており、電動ポンプ17が停止されて液圧が作
用しなくなると、ボール弁16は自重により内容液流入
口21を閉止することとなっている。その他の構成およ
び作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので
説明を省略する。
【0047】第5の実施の形態(請求項3、4に対応) 図14には、本願発明の第5の実施の形態にかかるポン
プ注液式液体容器の要部が示されている。
【0048】この場合、弁室18の直下方であって上流
側となる位置には、第2の弁室51が形成されており、
該第2の弁室51は、満液位Hより上方位置とされてい
る。前記第2の弁室51内には、前傾時止水弁16であ
るボール弁が、容器本体1の正立時および注出口12側
への前傾時において第2の弁室51への内容液流入口5
2を閉止するようにして配置されている。そして、該前
傾時止水弁16は、電動ポンプ17の作動時の液圧によ
り転動して前記第2の弁室51に形成された退避部54
に収納されることとなっている(即ち、内容液流入口5
2が開放されることとなっている)。つまり、前傾時止
水弁16は、容器本体1の正立時および前傾時において
内容液流入口52を閉止するが、注液時(即ち、電動ポ
ンプ17の作動時)においては、鎖線図示のように、液
圧により退避部54に退避せしめられることとなり、内
容液の注出は円滑に行える。なお、前記退避部54は、
内容液流入口52に向かって下り勾配とされており、電
動ポンプ17が停止されて液圧が作用しなくなると、ボ
ール弁16は自重により内容液流入口52を閉止するこ
ととなっている。符号53は上向き直管部11aと接続
部56との水密性を確保するためのシール筒、55はボ
ール弁16の閉止時における位置決め行うリブである。
その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態にお
けると同様なので説明を省略する。
【0049】なお、上記各実施の形態においては、内容
液注出用のポンプとして電動ポンプを採用したものにつ
いて説明したが、電動ポンプに代えて、ベローズ式のエ
アーポンプを採用してもよい。
【0050】また、上記各実施の形態においては、湯沸
かしと保温とを行うものを実施の形態としているが、保
温のみを行うものにも本願発明は適用可能なことは勿論
である。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、容器本体内に
収容された内容液を該容器本体の上部から注出する注液
通路と、該注液通路を通じて内容液を注出口へと押し出
すポンプとを備えたポンプ注液式液体容器において、前
記注液通路の途中に、前記容器本体の転倒時あるいは該
容器本体が所定角度を超えて傾斜した時に作動して該注
液通路を閉止する転倒時止水弁と、前記容器本体が前記
注出口側へ前記所定角度より小さい角度で前傾した時に
作動して該注液通路を閉止する前傾時止水弁とを同一の
弁室内に配置して設けて、容器本体の転倒時あるいは該
容器本体が所定角度を超えて傾斜した時においては転倒
時止水弁が作動して注液通路を閉止し、容器本体が注出
口側へ前記所定角度より小さい角度で前傾した時におい
ては前傾時止水弁が作動して注液通路を閉止するように
したので、容器本体の転倒時あるいは該容器本体が所定
角度を超えて傾斜した時もしくは容器本体が注出口側へ
前記所定角度より小さい角度で前傾した時のいずれの場
合においても内容液への外部への自然流出を防止するこ
とができるという効果がある。しかも、転倒時止水弁と
前傾時止水弁とを同一の弁室内に配置するようにしてい
るため、構成が簡略化されるとともに設置スペースも小
さくて済むという効果もある。
【0052】請求項2の発明によれば、容器本体内に収
容された内容液を該容器本体の上部から注出する注液通
路と、該注液通路を通じて内容液を注出口へと押し出す
ポンプとを備えたポンプ注液式液体容器において、前記
注液通路の途中に、前記容器本体の転倒時あるいは該容
器本体が所定角度を超えて傾斜した時に作動して該注液
通路を閉止する転倒時止水弁と、該転倒時止水弁の上流
側であって満液位より上方に位置して前記容器本体が前
記注出口側へ前記所定角度より小さい角度で前傾した時
に作動して該注液通路を閉止する前傾時止水弁とを設け
て、容器本体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を
超えて傾斜した時においては転倒時止水弁が作動して注
液通路を閉止し、容器本体が注出口側へ前記所定角度よ
り小さい角度で前傾した時においては前傾時止水弁が作
動して注液通路を閉止するようにしたので、容器本体の
転倒時あるいは容器本体が所定角度を超えて傾斜した時
もしくは容器本体が注出口側へ前記所定角度より小さい
角度で前傾した時のいずれの場合においても内容液への
外部への自然流出を防止することができるという効果が
ある。しかも、前傾時止水弁を、転倒時止水弁の上流側
であって満液位より上方に位置させているので、容器本
体の正立時に転倒時止水弁と前傾時止水弁との間の注液
通路に内容液の一部が存在しないこととなり、容器本体
の前傾時に内容液の一部が外部へ自然流出してしまうと
いうことがなくなるという効果もある。
【0053】請求項3の発明によれば、容器本体内に収
容された内容液を該容器本体の上部から注出する注液通
路と、該注液通路を通じて内容液を注出口へと押し出す
ポンプとを備えたポンプ注液式液体容器において、前記
注液通路の途中に、前記容器本体の転倒時あるいは該容
器本体が所定角度を超えて傾斜した時に作動して該注液
通路を閉止する転倒時止水弁と、前記容器本体が正立状
態にある時および容器本体が前記注出口側へ前記所定角
度より小さい角度で前傾した時において該注液通路を閉
止し、前記ポンプの作動時の液圧により動作して前記注
液通路を開放する前傾時止水弁とを設けて、容器本体の
転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超えて傾斜した
時においては転倒時止水弁が作動して注液通路を閉止
し、容器本体の正立時もしくは容器本体が注出口側へ前
記所定角度より小さい角度で前傾した時においては前傾
時止水弁により注液通路を閉止するようにしたので、容
器本体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超えて
傾斜した時もしくは容器本体が注出口側へ前記所定角度
より小さい角度で前傾した時のいずれの場合においても
内容液への外部への自然流出を防止することができると
いう効果がある。しかも、前傾時止水弁は、ポンプの作
動時の液圧により動作して注液通路を開放することとな
っているため、注液操作に支障を来すことはないという
効果もある。
【0054】請求項4の発明におけるように、前記前傾
時止水弁を、該前傾時止水弁が配置されている弁室への
内容液流入口を閉止するボール弁により構成した場合、
ボール弁の転動により開閉作動することとなり、前傾時
止水弁の構成が簡略化できるとともに、開閉作動も容易
且つ確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器の縦断面図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器の要部を拡大した断面図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器の前傾時における要部を拡大した縦断面図
である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における弁ユニットの正面図である。
【図5】本願発明の第1の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における弁ユニットを構成する弁箱の平面
図である。
【図6】本願発明の第1の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における弁ユニットの内部を開示した斜視
図である。
【図7】図2のVII−VII断面図。
【図8】本願発明の第2の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器の要部拡大縦断面図である。
【図9】本願発明の第2の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器を前傾させた状態(即ち、所定角度より小
さい角度で傾斜させた状態)を示す要部拡大縦断面図で
ある。
【図10】本願発明の第2の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器を所定角度を超えて傾斜させた状態を示
す要部拡大縦断面図である。
【図11】本願発明の第2の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器を横転させた状態(即ち、注出口と直角
な方向に倒した状態)を示す要部拡大横断面図である。
【図12】本願発明の第3の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器の要部拡大縦断面図である。
【図13】本願発明の第4の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器の要部拡大縦断面図である。
【図14】本願発明の第5の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器の要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1は容器本体、11は注液通路、12は注出口、15は
転倒時止水弁、16は前傾時止水弁、17はポンプ(電
動ポンプ)、18は弁室、18Aは上部弁室、18Bは
下部弁室、21は内容液流入口、24は内容液流出口、
23は着座部、28はガイド溝、44は退避部、51は
第2の弁室、52は内容液流入口、Hは満液位。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体内に収容された内容液を該容器
    本体の上部から注出する注液通路と、該注液通路を通じ
    て内容液を注出口へと押し出すポンプとを備えたポンプ
    注液式液体容器であって、前記注液通路の途中には、前
    記容器本体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超
    えて傾斜した時に作動して該注液通路を閉止する転倒時
    止水弁と、前記容器本体が前記注出口側へ前記所定角度
    より小さい角度で前傾した時に作動して該注液通路を閉
    止する前傾時止水弁とを同一の弁室内に配置して設けた
    ことを特徴とするポンプ注液式液体容器。
  2. 【請求項2】 容器本体内に収容された内容液を該容器
    本体の上部から注出する注液通路と、該注液通路を通じ
    て内容液を注出口へと押し出すポンプとを備えたポンプ
    注液式液体容器であって、前記注液通路の途中には、前
    記容器本体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超
    えて傾斜した時に作動して該注液通路を閉止する転倒時
    止水弁と、該転倒時止水弁の上流側であって満液位より
    上方に位置して前記容器本体が前記注出口側へ前記所定
    角度より小さい角度で前傾した時に作動して該注液通路
    を閉止する前傾時止水弁とを設けたことを特徴とするポ
    ンプ注液式液体容器。
  3. 【請求項3】 容器本体内に収容された内容液を該容器
    本体の上部から注出する注液通路と、該注液通路を通じ
    て内容液を注出口へと押し出すポンプとを備えたポンプ
    注液式液体容器であって、前記注液通路の途中には、前
    記容器本体の転倒時あるいは該容器本体が所定角度を超
    えて傾斜した時に作動して該注液通路を閉止する転倒時
    止水弁と、前記容器本体が正立状態にある時および前記
    容器本体が前記注出口側へ前記所定角度より小さい角度
    で前傾した時において該注液通路を閉止し、前記ポンプ
    の作動時の液圧により動作して前記注液通路を開放する
    前傾時止水弁とを設けたことを特徴とするポンプ注液式
    液体容器。
  4. 【請求項4】 前記前傾時止水弁を、該前傾時止水弁が
    配置されている弁室への内容液流入口を閉止するボール
    弁により構成したことを特徴とする前記請求項1ないし
    請求項3のいずれか一項記載のポンプ注液式液体容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009201567A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 電気ポットの給湯バルブ
JP2014083211A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Thermos Kk 加圧注出式液体容器
CN113974508A (zh) * 2021-10-28 2022-01-28 深圳华芯信息技术股份有限公司 控制洗地机的方法、装置、控制设备及计算机存储介质

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