JPH11287713A - 温度測定装置、熱型赤外線イメ―ジセンサ及び温度測定方法 - Google Patents

温度測定装置、熱型赤外線イメ―ジセンサ及び温度測定方法

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JPH11287713A
JPH11287713A JP11022863A JP2286399A JPH11287713A JP H11287713 A JPH11287713 A JP H11287713A JP 11022863 A JP11022863 A JP 11022863A JP 2286399 A JP2286399 A JP 2286399A JP H11287713 A JPH11287713 A JP H11287713A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイポーラトランジスタをサーミスタと等価
的に考え、サーミスタ定数(B定数)を微細に調整でき
るようにする。 【構成】 バイポーラトランジスタ10は、コレクタ・
ベース間電圧Vcが逆方向に、エミッタ・ベース間電圧
Veが順方向にバイアスされるように、電源Vccが負
荷抵抗RLを介して印加される。安定化電源100から
の電圧Vzを、抵抗Ra、Rb、Rkを用い、エミッタ
・ベース間電圧Veが順方向バイアスで微細に変化でき
るようにする。バイポーラトランジスタ10のエミッタ
−ベース間の障壁高さが、コレクタ抵抗をサーミスタと
考えたときのサーミスタ定数(B定数)に対応すること
を利用し、エミッタ−ベース電圧を調整して、所望のB
定数が得られるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度測定装置、熱
型赤外線イメージセンサ及び温度測定方法に係る。本発
明は、特に、バイポーラトランジスタ又はバイポーラト
ランジスタとして動作させるMOSトランジスタをサー
ミスタとみなした温度センサ及び温度の測定方法に関す
る。さらに、本発明は、集積回路の温度分布の検出、フ
ローセンサ、ピラニー真空計、熱型赤外線センサ、熱型
赤外線温度計、熱型赤外線イメージセンサなどの温度セ
ンサ部に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、温度センサとしては、サーミ
スタが知られている。サーミスタ抵抗の温度依存性は、
サーミスタ定数(B定数)で決まる。B定数は、サーミ
スタ抵抗Rの温度(T)依存性を表現するときの定数で
あり、以下の式で表現される。 ここで、抵抗Roは、温度T=Toのときの抵抗、抵抗R
inは、温度Tが無限大のときの抵抗である。このこと
は、B定数、抵抗Ro及びRinは、サーミスタによって
定まり、サーミスタ抵抗R(T)は、温度Tの逆数を横
軸にとると、片対数グラフ上で直線となることを意味す
る。従って、B定数は、Kの単位を持ち、普通のサーミ
スタは、4000K程度で、大きい方が高感度となる。
【0003】ここで、例えば、不良になったサーミスタ
を交換するときに、従来、B定数が全く一致するサーミ
スタを手に入れることが困難で、B定数の近いサーミス
タを選択し、これに直列や並列に抵抗を接続して、元の
サーミスタに近似させるようにしていた。実際のサーミ
スタのB定数を回路的に一致させる方式として、本出願
人は、サーミスタの温度補償方式を発明した(特願平1
−324683)。そこでは、4つのサーミスタをホイ
ートストンブリッジ状に組み、OPアンプを用いて、B
定数の等価的な一致をさせていた。
【0004】また、従来より、半導体のpn接合を利用
した温度センサが開発されており、これはダイオード温
度センサと呼ばれている。ダイオード温度センサは、p
n接合ダイオードの順方向立ち上がり電圧の温度依存
性、すなわち一定電流を流したときの順方向電圧Vf
は、そのときの温度(絶対温度)Tに比例すること利用
したものである。
【0005】また、半導体のpn接合を利用した温度セ
ンサには、この他に、トランジスタ温度センサと呼ばれ
ているものがある。トランジスタ温度センサは、ダイオ
ード温度センサと同様に、バイポーラトランジスタのエ
ミッタとベース間は、pn接合となっているので、順方
向のエミッタ・ベース間電圧Veがコレクタ電流を一定
とした場合には、ほぼ温度Tに比例するということを利
用したものである。
【0006】また、本出願人は、ショットキ接合温度セ
ンサを発明し、ショットキバリアダイオードの逆方向バ
イアスを指定したときの逆方向電流の温度依存性は、丁
度、サーミスタの温度依存性と似ており、サーミスタと
して使用できることを示した(特願平3−284266
参照)。また、ショットキバリアダイオードの障壁高さ
が等価的なサーミスタのB定数に対応すること、ショッ
トキバリアダイオードの障壁高さは、半導体の種類とシ
ョットキ金属の種類とが決定されればほぼ定まることか
ら、ショットキバリアダイオードを作成すればB定数が
確定するという特徴があることを示し、ショットキバリ
アサーミスタと名付け提案した(例えば、Schott
ky Barrier Thermistor;11t
h Sensor Symp.1992、参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
温度センサとしてのサーミスタにおいては、サーミスタ
の互換性が問題になっていた。例えば、B定数の近いサ
ーミスタを選択し、これに直列や並列に抵抗を接続し
て、元のサーミスタに近似させるような場合、抵抗値の
指数関数的温度依存性を持つサーミスタに、温度依存性
のほとんどない抵抗を接続しても、本質的に異なるもの
となる。また、本出願人の上述の発明であるサーミスタ
の温度補償方式は、最低3個のOPアンプを必要とし、
2個のサーミスタのB定数を一致させるのに、他に2個
のサーミスタを必要とするなど、問題もあった。
【0008】また、従来のダイオード温度センサ及びト
ランジスタ温度センサにおいては、それぞれ一定電流を
流すようにした状態でのpn接合の順方向電圧VfとV
eの温度依存性を利用したもので、その出力は絶対温度
Tに比例するという利点があるが、例えばシリコン半導
体を用いたときには、順方向立ち上がり電圧自体、高々
0.65V程度なので、温度変化による順方向電圧Vf
又はVeの変化分となる温度センサ自体の出力電圧は極
めて小さいという問題があった。
【0009】また、ショットキバリアサーミスタにおい
ても、実際には、半導体の種類とショットキ金属の種類
とが決まっても、ショットキバリアダイオードの作成温
度の違い、逆方向のリーク電流の違い、動作逆方向印加
電圧の違いにより微妙にB定数がことなること、ショッ
トキバリアダイオードであるショットキバリアサーミス
タに印加する電圧が指定されてしまい大きな電圧を印加
できないので、出力が小さくSNが小さくなってしまう
ことなどの問題があった。
【0010】本発明は、トランジスタ温度センサの一種
であるが、1個のトランジスタ温度センサを1個のサー
ミスタと等価的に考えることができるように構成し、そ
の等価的なB定数が微細に調整することができるように
すると共に、大きな電圧をも印加でき、大きな出力が得
られるようにしたトランジスタサーミスタを提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、それを利用した各種
のデバイスを提供することを目的とする。
【0011】なお、ここでトランジスタサーミスタと
は、トランジスタをサーミスタとして扱ったデバイスを
意味する。また、B定数は、例えば、半導体の活性化エ
ネルギーに対応すると考えられ、トランジスタサーミス
タは、この考え方を、例えば、pn接合のエミッタ−ベ
ース間のポテンシャル障壁による活性化エネルギー(ポ
テンシャル差)に対応させたものと考えることができ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の解決手段
によると、第1の電圧を出力するバイアス回路と、前記
バイアス回路の出力が、順方向バイアス電圧としてエミ
ッタ−ベース間に印加され、コレクタに第2の電圧が印
加され、コレクタ電流を出力とするトランジスタとを備
え、前記トランジスタのコレクタ電圧に対するコレクタ
電流の温度依存性が、前記トランジスタのコレクタ抵抗
をサーミスタとみなしたときの電流の温度依存性に相当
するように前記トランジスタを用い、また、前記バイア
ス回路の出力電圧値を調整することで順方向バイアス電
圧を調節し、順方向バイアス電圧により前記トランジス
タのエミッタ−ベース間の電位障壁高さを調節すること
により、前記トランジスタのコレクタ抵抗についての温
度依存性を表すサーミスタ定数を所望の値に調節できる
ようにした温度測定装置を提供する。
【0013】本発明の第2の解決手段によると、第1の
電圧を出力するバイアス回路と、前記バイアス回路の出
力が、バイアス電圧としてソース−ゲート間に印加さ
れ、ドレインに第2の電圧が印加され、ドレイン電流を
出力とするMOS型又はその他の電界効果トランジスタ
とを備え、前記電界効果トランジスタをそのサブスレシ
ョールドにおいてバイポーラトランジスタに相当するよ
うに動作させ、前記電界効果トランジスタのゲート電圧
に対するドレイン電流の温度依存性が、前記電界効果ト
ランジスタのドレイン抵抗をサーミスタとみなしたとき
の電流の温度依存性に相当するように前記電界効果トラ
ンジスタを用い、また、前記バイアス回路の出力電圧値
を調整することでバイアス電圧又はチャンネル形成領域
の電圧を調節し、バイアス電圧により前記電界効果トラ
ンジスタのソース−ドレイン間の電位障壁高さを調節す
ることにより、前記電界効果トランジスタのドレイン抵
抗についての温度依存性を表すサーミスタ定数を所望の
値に調節できるようにした温度測定装置を提供する。
【0014】本発明の第3の解決手段によると、上述の
ような温度測定装置を複数個マトリックス状に配列形成
し、各々の前記温度測定装置の出力を読み出すようにし
た熱型赤外線イメージセンサを提供する。
【0015】本発明の第4の解決手段によると、バイア
ス回路から第1の電圧を出力し、前記バイアス回路の出
力を、トランジスタの順方向バイアス電圧としてエミッ
タ−ベース間に印加し、コレクタに第2の電圧を印加
し、コレクタ電流を出力とし、前記トランジスタのコレ
クタ電圧に対するコレクタ電流の温度依存性が、前記ト
ランジスタのコレクタ抵抗をサーミスタとみなしたとき
の電流の温度依存性に相当するように前記トランジスタ
を用い、前記バイアス回路の出力電圧値を調整すること
で順方向バイアス電圧を調節し、順方向バイアス電圧に
より前記トランジスタのエミッタ−ベース間の電位障壁
高さを調節することにより、前記トランジスタのコレク
タ抵抗についての温度依存性を表すサーミスタ定数を所
望の値に調節できるようにした温度測定方法を提供す
る。
【0016】本発明の第5の解決手段によると、バイア
ス回路から第1の電圧を出力し、前記バイアス回路の出
力を、MOS型又はその他の電界効果トランジスタのバ
イアス電圧としてソース−ゲート間に印加し、ドレイン
に第2の電圧を印加し、ドレイン電流を出力とし、前記
電界効果トランジスタをそのサブスレショールドにおい
てバイポーラトランジスタに相当するように動作させ、
前記電界効果トランジスタのゲート電圧に対するドレイ
ン電流の温度依存性が、前記電界効果トランジスタのド
レイン抵抗をサーミスタとみなしたときの電流の温度依
存性に相当するように前記電界効果トランジスタを用
い、前記バイアス回路の出力電圧値を調整することでバ
イアス電圧又はチャンネル形成領域の電圧を調節し、バ
イアス電圧により前記電界効果トランジスタのソース−
ドレイン間の電位障壁高さを調節することにより、前記
電界効果トランジスタのドレイン抵抗についての温度依
存性を表すサーミスタ定数を所望の値に調節できるよう
にした温度測定方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】(1)動作原理及び概要 本発明に係わるトランジスタサーミスタは、バイポーラ
トランジスタの所定のコレクタ電圧に対するコレクタ電
流の温度依存性が、丁度、該バイポーラトランジスタを
サーミスタとみなしたときの温度依存性と一致すること
を利用している。
【0018】サーミスタのB定数は、トランジスタサー
ミスタにおいては、バイポーラトランジスタのエミッタ
とベース間の電位障壁高さに対応している。そこで本発
明は、順方向のエミッタ・ベース間電圧Veを調節する
事によりエミッタとベース間の電位障壁高さを調節し
て、所望のB定数に調節できるようにしたトランジスタ
サーミスタを提供するものである。
【0019】バイポーラトランジスタのコレクタ電流I
cは、室温(T=300K)付近で、Ve、Vc>0.
1Vならば、非常によい近似式として次式のように表さ
れる。 Ic=I exp{−q(Vd−Ve)/nkT} ここで、Iは温度Tが無限大の時のコレクタ電流に相
当し、Vdはエミッタ・ベースpn接合の拡散電位であ
り、q、kとnはそれぞれ電荷素量、ボルツマン定数と
理想係数である。理想係数nは、単結晶の特性の優れた
バイポーラトランジスタでは1であるのに対して、多結
晶半導体を用いたバイポーラトランジスタのときには、
理想的トランジスタからずれ、nは例えば、1.1から
1.7程度の範囲の作成時に決まる定数となる。また、
(Vd−Ve)は、エミッタとベース間の電位障壁高さ
である。
【0020】さらに、コレクタ電圧Vcを固定したとき
のコレクタ抵抗Rcは、Rc=Vc/Ic =R exp{q(Vd−Ve)/nkT} =R exp{B/T} と表される。ここで、R(=Vc/I)は温度Tが
無限大の時のコレクタ抵抗Rcに相当し、q(Vd−V
e)/nkをサーミスタのB定数と考えると、Rcは、
負の温度係数(Negative Temperature Coefficient, NT
C)のサーミスタ(NTCサーミスタ)と同等に扱うこ
とができることがわかる。
【0021】実際には、コレクタ電流Icには、温度に
鈍感な微小なベース・コレクタ逆方向リーク電流I
CEOが含まれるが、一般にはこれが無視できる程度に
小さいので、上述の式でIcはそのままでよいが、も
し、無視できない程度に大きいときには、温度依存性を
考慮してIcの代わりに、(Ic−ICEO)とすれば
よい。
【0022】以上のように考えると、エミッタとベース
間の電位障壁高さ(Vd−Ve)はボルツマン定数kを
除けばサーミスタのB定数に対応していることがわか
る。そして、拡散電位Vdはバイポーラトランジスタを
作成すれば決定されてしまうが、エミッタ・ベース間電
圧Veを調節する事によりエミッタとベース間の電位障
壁高さを調節して、所望のB定数に調節できるようにで
きるトランジスタサーミスタが提供できることがわか
る。
【0023】上述した従来のトランジスタ温度センサで
は、定電流回路を設けるようにしてバイポーラトランジ
スタに一定のコレクタ電流を流し、エミッタとベース間
pn接合の順方向電圧であるエミッタ・ベース間電圧V
eの温度による変化を測定するもので、ただ、その出力
電圧は絶対温度Tに比例するというメリットがあるが極
めて小さいので、別に設けた増幅回路により増幅して温
度に比例する出力を得るようにすることが一般的であ
る。これに対し、本発明のトランジスタサーミスタで
は、通常のバイポーラトランジスタのように、エミッタ
とベース間に順方向バイアス、ベースとコレクタ間には
逆方向バイアスが印加されるように回路を組むが、エミ
ッタとベース間の順方向バイアス電圧を定電圧電源から
分圧するなどして所望の順方向エミッタ・ベース電圧V
eに調節できるような回路とし、そのエミッタ・ベース
電圧Veの調節によりサーミスタとみなされるコレクタ
抵抗Rcが所望のB定数を有するようにするものであ
る。このときベースとコレクタ間のpn接合が逆方向バ
イアスなのでコレクタ抵抗Rcが非常に大きくなり、コ
レクタ抵抗Rcより十分に小さいが、一般には大きな抵
抗とみなされる例えば100kΩ程度の負荷抵抗RLで
もコレクタ抵抗Rcに直列接続できる、すなわち本発明
によると、トランジスタの増幅機構が使えるので、大き
な出力を得ることができるという利点がある。
【0024】また、本発明においては、MOSトランジ
スタもそのサブスレショールドにおいては、バイポーラ
トランジスタとして動作させることができることに注目
した。したがって、本発明は、MOSトランジスタのソ
ース、チャンネル、ドレインを、それぞれバイポーラト
ランジスタのエミッタ、ベース、コレクタに対応させ
て、バイポーラトランジスタとして扱うことにより、や
はり所望のB定数に調節できるようにしたトランジスタ
サーミスタを提供するのである。このような場合、バイ
ポーラトランジスタとしてのエミッタ・ベース間電圧V
eは、MOSトランジスタのゲート電圧Vgもしくは基
板(チャンネル領域を形成している領域)の電圧Vsで
調節することができる。したがって、MOSトランジス
タもサブスレショールド領域においてはバイポーラトラ
ンジスタのトランジスタサーミスタとなり得る。
【0025】このようにMOSトランジスタをそのサブ
スレショールドにおいてバイポーラトランジスタとして
動作させたときには、ドレイン電流IDは、 I=I0D exp{q(Vg−V)/nkT} と表される。ここで、I0Dは温度Tが無限大の時のド
レイン電流に相当し、V はスレショールド電圧であ
る。このときも、q(Vg−V)/nkをサーミスタ
のB定数と考えると、上述のように、MOSトランジス
タもそのサブスレショールドにおいては、NTCサーミ
スタと同等に扱うことができることがわかる。
【0026】また、本発明に係わるトランジスタサーミ
スタは、バイポーラトランジスタの作成時に所定のエミ
ッタ・ベース間電圧Veになるように、供給電源電圧の
抵抗等の分担を利用してバイアス回路を集積形成するこ
とができる。そして、本発明は、できあがったときには
無調整で所望のエミッタ・ベース間電圧Veが得られ、
従って所望のB定数が得られるようにしたバイポーラト
ランジスタを提供することができる。
【0027】また、本発明に係わるトランジスタサーミ
スタによっては、薄膜SOI基板やマイクロエアブリッ
ジ構造にした熱形赤外線センサ等に用いる薄膜半導体層
にバイポーラトランジスタを形成するときには、薄膜の
ため通常の厚み方向(縦方向)へエミッタ領域、ベース
領域、コレクタ領域が順次並ぶように形成する事は困難
で、これらを横方向に並ぶように形成することが望まし
い。エミッタ領域からベース領域に注入されたほとんど
のキャリアが横方向に流れ、コレクタ領域に到達するよ
うにした。
【0028】また、本発明においては、絶縁基板上にも
バイポーラトランジスタが作成できるように、多結晶シ
リコン薄膜にトランジスタサーミスタを作成することが
できる。また、本発明は、同一基板に複数のトランジス
タサーミスタを形成することができる。この場合、複数
のトランジスタサーミスタのB定数をそれぞれのバイポ
ーラトランジスタのVeの調節により同一になるように
設定することができる。例えば、同一のシリコン基板上
に形成した2個のマイクロエアブリッジと基板自体に、
それぞれトランジスタサーミスタを形成し、それぞれ同
一のB定数に調整させて、2個のマイクロエアブリッジ
上の一方のトランジスタサーミスタを赤外線受光センサ
等、他方を温度補償素子等として用い、基板のトランジ
スタサーミスタを基板の温度モニター用等に使用するこ
とができる。このようにすれば、大きな周囲温度変化が
あっても、精密なターゲットの温度計測ができることに
なる。
【0029】また、LSI基板等の平面の温度分布を調
べることもできる。B定数を一致させた複数のトランジ
スタサーミスタを縦接に配列して、バイポーラトランジ
スタアレーを構成することもできる。
【0030】また、本発明のトランジスタサーミスタ
は、同一基板に定電圧電源回路を集積化し、その該定電
圧電源回路からの電圧を利用することにより、バイポー
ラトランジスタのエミッタ・ベース間電圧Veの調節用
とすることもできる。サーミスタの温度依存性を決定す
るB定数を所望の一定値にするためには、作成したバイ
ポーラトランジスタの拡散電位Vdに応じて、エミッタ
・ベース間電圧Veを特定の一定値にする必要がある。
このため、周囲の温度変化、電源電圧や負荷の変動等に
影響されない一定のエミッタ・ベース間電圧Veを印加
しなければならない。そのためには、例えば、シリコン
(Si)基板を用いたときには、一定電圧を作るツエナ
−ダイオードや各種抵抗をこの同一のSi基板にトラン
ジスタサーミスタとなるバイポーラトランジスタと一緒
に集積化しておくと便利である。一般にツエナ−ダイオ
ードの一定電圧は例えば6V程度であるのに対し、所望
のB定数を得るためのエミッタ・ベース間電圧Veは例
えば0.50V程度である。そこで、電圧を調整するた
めに、例えば、ツエナ−ダイオードからの一定電圧を抵
抗分割するなどして、変動しにくいエミッタ・ベース間
電圧Veを作り印加するようにすればよい。また、複数
のトランジスタサーミスタがある時には、このような1
個の定電圧回路から各トランジスタサーミスタの所望の
エミッタ・ベース間電圧Veになるように分割分担して
やればよい。なお、共通端子を有しない複数のトランジ
スタサーミスタに対しては、電気的に絶縁分離した複数
の定電圧回路を設けるようにしてもよい。
【0031】また、本発明のトランジスタサーミスタ
は、バイポーラトランジスタを下部、上部又は横等に空
洞を有する薄膜状又は薄膜上に形成した場合である。こ
のような構成は、感温部となるバイポーラトランジスタ
を基板から熱分離すると共にその熱容量を小さくさせ
て、応答速度と感度の両方を増大させるためである。こ
こで、薄膜上に形成とは、必ずしも薄膜の上だけの意味
だけでなく、薄膜に接してその下部に形成されていても
良い。例えば、シリコンの単結晶にプレーナ型のトラン
ジスタサーミスタとなるバイポーラトランジスタを形成
しておき、その上にシリコン酸化膜などのCVD膜で覆
い、薄いシリコンの単結晶に形成したバイポーラトラン
ジスタをこのCVD膜で吊り下げる形になるように、そ
の下に空洞を設けても良い。
【0032】さらに、本発明は、上述のトランジスタサ
ーミスタを組み合わせて温度を測定するようにした温度
測定方法に係わるものである。また、本発明のトランジ
スタサーミスタの応用デバイスの1つとして熱型赤外線
センサがある。これは、赤外線受光部としてトランジス
タサーミスタを作成して熱型赤外線センサを形成するも
のである。このような熱型赤外線センサを体温等の計測
用等に用いる、いわゆる赤外線温度計とする場合は、例
えば、シリコン基板上に形成した2個のマイクロエアブ
リッジと基板自体に、それぞれ薄膜サーミスタを形成
し、2個のマイクロエアブリッジの一方を赤外線受光
用、他方を周囲温度補償用にし、基板に形成したサーミ
スタは、基板温度のモニター用として用いることができ
る。体温程度の低い温度からの赤外線の受光量は極めて
少ないので、2個のマイクロエアブリッジの赤外線受光
用と周囲温度補償用のサーミスタに温度差は、例えば
0.1℃と極めて小さく、更にその温度差を3桁以上の
精度で精密に計測する必要がある。しかし、これらのサ
ーミスタにB定数の違いがあると、周囲温度の変化は例
えば0℃から35℃というように極めて大きいので、周
囲温度の変化による2つのサーミスタ出力の変化が大き
く、大きな誤差になってしまう。よって、本発明のよう
に、2つのサーミスタのB定数の違いがなくなれば、2
つのサーミスタ出力の差は、体温などの被測定対象物か
らの赤外線の受光量だけの差になるので、誤差を極めて
小さくできる。
【0033】また、本発明のトランジスタサーミスタの
他の応用デバイスとして、熱型赤外線イメージセンサが
ある。これは、トランジスタサーミスタの他、熱型赤外
線センサをマトリックス状に配列形成して、順次各該熱
型赤外線センサの出力を読み出すようにしたものであ
る。この場合、X−Y平面上(水平ー垂直平面上)にそ
れぞれ熱型赤外線センサのアレーをマトリックス状に並
べ、この上に赤外線レンズ又は凹面鏡で、画像が結ばれ
るような光学系にしてあり、それぞれの熱型赤外線セン
サは画像の画素となるようにしてある。各バイポーラト
ランジスタには、所望のB定数に成るようにエミッタ・
ベース間電圧Veを安定化電源からそれぞれ分圧して印
加できるようにすることができる。このような構成とな
って、テレビジョンと同様に、赤外線画像表示を実現す
ることができる。
【0034】さらに、本発明は、上述のトランジスタサ
ーミスタを組み合わせて温度を測定するようにした温度
測定方法に係わるものである。
【0035】(2)トランジスタサーミスタ(温度測定
装置) 以下、本発明のトランジスタサーミスタについて図面を
参照して詳細に説明する。図1は、本発明のトランジス
タサーミスタの基本回路図の一例である。このトランジ
スタサーミスタは、npnトランジスタであるバイポー
ラトランジスタ10を用いた概略図である。バイポーラ
トランジスタ10は、通常動作のように負荷抵抗RLを
介してコレクタCとエミッタEとの間に電源Vccから
コレクタ・ベース間電圧Vcが逆方向に、エミッタ・ベ
ース間電圧Veが順方向にバイアスされるように印加さ
れている。また、安定化電源100からの電圧Vzは、
抵抗Ra、Rb、Rkの直列回路の両端に印加される。
抵抗Rbのタップからの出力値を微細に変化させられる
ようにして、バイポーラトランジスタ10のエミッタ・
ベース間電圧Veが順方向バイアスで、必要な分担電圧
が得られるようにしている。これにより、バイポーラト
ランジスタ10がトランジスタサーミスタとして所望の
B定数に成るように調整される。
【0036】このとき、例えば、電源Vccは6V等、
安定化電源の電圧Vzも同じく6V等に設定することが
できる。また、例えば、市販のnpnトランジスタを用
い、エミッタ・ベース間電圧Veを0.3V、0.4
V、0.5Vにしたときは、B定数の値はそれぞれ、例
えば、11250K、10250K、8750Kとなっ
た。
【0037】このようにエミッタ・ベース間電圧Veの
調整により、B定数の値を微細に調整することができ
る。これは丁度、コレクタ抵抗Rcが負の温度係数を持
ったサーミスタ、すなわちNTCサーミスタとみなさ
れ、そのB定数の値が微細に調整できることになる。コ
レクタ電流Icが温度Tの変化により変化し、負荷抵抗
RLの電圧降下として出力が取り出される。コレクタ・
ベース間のpn接合に対して、逆方向バイアスであるの
で、コレクタ抵抗が大きく、負荷抵抗RLとして、例え
ば100kΩ〜1MΩ等という大きな抵抗にすることも
できる。この出力インピーダンスが大きいということ
は、バイポーラトランジスタの本来の増幅機構である。
従って、例えば、負荷抵抗RLが1MΩのときはコレク
タ電流が1μAだけ変化したとすると、RLの電圧降下
は1Vとなり、大きな出力電圧Vの変化が得られる。
なお、同一のエミッタ・ベース間電圧Veの下でコレク
タ電流を大きくさせるには、接合面積を大きくすればよ
い。
【0038】図2は、本発明のトランジスタサーミスタ
の他の基本回路図である。この回路は、本発明のトラン
ジスタサーミスタの図1に示した基本回路を変形して、
電源として安定化電源100を1個だけ用いた場合の実
施の形態の概略図である。この回路では、1個の電源
(安定化電源100)で済むので回路が簡便となる。図
1と同様に、抵抗Rbの出力値を調整することにより、
B定数を微細に調整することができる。
【0039】図3は、基板にバイポーラトランジスタを
形成したトランジスタサーミスタの横断面図である。こ
の図は、n型のシリコン(Si)基板1に、トランジス
タサーミスタとして用いるnpn型のバイポーラトラン
ジスタ10を形成すると共に、安定化電源100の電圧
基準となるツエナーダイオード30と抵抗Rkを形成し
てある。さらに、ここでは、抵抗Rkは、図1及び2に
示したように、エミッタ・ベース間電圧Veを安定化電
源100から分圧させるために用いるものである。
【0040】抵抗Rkは、拡散抵抗層41、p型層4
2、拡散抵抗用電極65a及び65bを備える。バイポ
ーラトランジスタ10は、n型エミッタ領域20、p型
ベース領域21、n型コレクタ領域22、オーム性コン
タクト層23、エミッタ電極60、ベース電極61、コ
レクタ電極62を備える。また、ツエナーダイオード3
0は、n型層31、p型層32、電極63及び64を備
える。なお、酸化膜501は、形成されていても良い
し、形成されてなくても良い。なお、各図及びその説明
において、同一の符号は同一の構成要素を示す。
【0041】このデバイスは、例えば、次のようにして
作成できる。先ず、n型Si基板1の表面を熱酸化し
て、0.5μm程度のシリコン酸化膜50を成長させ
る。なお、このとき基板の下部の酸化膜501は、形成
されていても形成されていなくても良い。その後、公知
のフォトリソグラフィ技術を用いて、Si基板1の表面
に窓開けして、例えば最初3μm深さ程度にp型不純物
(例えば、ホウ素)を熱拡散により添加し、p型不純物
層であるツエナーダイオード30のp型層32、バイポ
ーラトランジスタ10のp型のベース領域21及び拡散
抵抗の絶縁分離用のp型層42を形成する。つぎに、更
にSi基板1を熱酸化して、必要な個所に窓開けして、
今度は例えば1μm深さ程度にn型不純物(例えば、リ
ン)を熱拡散により添加し、n型不純物層であるツエナ
ーダイオード30のn型層31、バイポーラトランジス
タ10のn型のエミッタ領域20、コレクタ領域22用
オーム性コンタクト層23、及び拡散抵抗となるn型拡
散抵抗層41を、イオン注入技術などで形成する。その
後、再度熱酸化して、電極用の窓開けをしたのち、配線
用の金属化を行い、配線や拡散抵抗用電極65a、65
b、エミッタ電極60、ベース電極61、コレクタ電極
62、ツエナーダイオード30の電極63、64、さら
にパッド等を形成させる。ツエナーダイオード30の逆
方向耐圧は、ほぼ、pn接合の両側の不純物密度で決ま
り、不純物密度が大きいほど、逆耐圧は小さくなる。例
えば一例として、6V程度の逆耐圧になるように設計す
ることができる。拡散抵抗値は、n型拡散抵抗層41の
不純物密度とその寸法で決まるので、所望の抵抗値にな
るように、拡散抵抗Rkの抵抗値(例えば1kΩ)にな
るように設計する。電極としては、従来半導体デバイス
の電極材として用いられているSi入りAl等の真空蒸
着膜を用いることができる。
【0042】図4は、同一基板に複数のnpn型のバイ
ポーラトランジスタを形成したトランジスタサーミスタ
の横断面図である。この図は、同一のp型のSi基板1
に複数のnpn型のバイポーラトランジスタ10a、1
0b、10c(一部)、・・・を形成したときの実施の
形態の横断面図の概略図である。
【0043】バイポーラトランジスタ10aは、n型エ
ミッタ領域20a、p型ベース領域21a、n型コレク
タ領域22a、エミッタ電極60a、ベース電極61
a、コレクタ電極62aを備える。バイポーラトランジ
スタ10bは、n型エミッタ領域20b、p型ベース領
域21b、n型コレクタ領域22b、エミッタ電極60
b、ベース電極61b、コレクタ電極62bを備える。
バイポーラトランジスタ10cは、一部が示されてお
り、n型エミッタ、p型ベース、n型コレクタ領域22
c、エミッタ電極、ベース電極61c、コレクタ電極を
備える。ここでは、同一のp型のSi基板1に複数のn
pn型のバイポーラトランジスタを形成しているので、
互いにn型の各コレクタ領域22a、22b、22cが
p型基板との間でpn接合による絶縁分離がなされてい
る。基板1上の各バイポーラトランジスタ10a、10
b、10c、・・・の作成方法は、ほぼ上述の図3に示
したnpn型のバイポーラトランジスタ10の作成方法
と同様である。
【0044】なお、本発明は、npn型及びpnp型の
いずれのタイプのトランジスタにも適用することができ
る。また、本発明は、トランジスタのエミッタとコレク
タとを逆転して使用し、エミッタをコレクタとして使用
するなど、適宜適用することができる。
【0045】(3)複数個形成されたトランジスタサー
ミスタ 図5は、複数個のトランジスタサーミスタを備えた回路
図である。3個のnpn型のバイポーラトランジスタ1
0a、10b、10cのエミッタ・ベース間電圧Ve
1、Ve2、Ve3を、それぞれバイアス調整用の抵抗
Rb1、Rb2、Rb3で調節して、3個とも同一のB
定数になるようにした。ここでのトランジスタの個数は
一例であり、必要に応じて適宜設けることができる。電
源Eからの電圧は、ツエナーダイオード30と抵抗R
zで分担され、逆方向バイアスされたツエナーダイオー
ド30の電圧を安定化電源100の電圧Vzとした。例
えば、電源EBの電圧を7Vとし、ツエナーダイオード
30の電圧Vzを6V、電圧分割用抵抗Ra、Rkをそ
れぞれ10kΩ、2kΩとし、抵抗Rb1、Rb2、R
b3の元の値を共に20kΩ、負荷抵抗RL1、RL
2、RL3を共に、100kΩにして動作させることが
できる。
【0046】図6は、複数のトランジスタサーミスタを
熱型赤外線センサに応用して、半導体基板に集積化した
場合の説明図である。上述の図5に示した3個のnpn
型のバイポーラトランジスタ10a、10b、10cの
内、2個のバイポーラトランジスタ10a、10bをそ
れぞれ各Si基板に形成し、下部に空洞5を持つマイク
ロエアブリッジ上に薄膜状に形成した。一方のバイポー
ラトランジスタ10aを、赤外線受光用センサに、他方
のバイポーラトランジスタ10bを外来の赤外線を遮光
するようにして補償用センサにした。また、残りの1個
のバイポーラトランジスタ10cを、Si基板1の温度
を計測するためにこの基板上に形成した。この例では、
外部電源EBを除いて、ほとんどすべて半導体基板に集
積化した場合の例が示される。
【0047】3個のnpn型のバイポーラトランジスタ
10a、10b、10cは、極めて薄くした単結晶Si
(例えば、Si基板の一部を残す場合やSOI技術によ
り形成する場合など)に形成したり、酸化シリコン膜上
の多結晶シリコン薄膜に形成したりできる。なお、3個
とも同一のプロセスで形成した方が特性が揃い、同一の
B定数にするのに容易となり好都合である。各抵抗R
z、Ra、Rk、RL1、RL2、RL3及び抵抗Rb
1、Rb2、Rb3を構成する固定部分の抵抗r12、
r22、r32として、上述したような半導体の拡散抵
抗を利用することができる。また、抵抗Rb1、Rb
2、Rb3を構成する可変調整部分の抵抗r11、r2
1、r31として、Si基板上の酸化シリコン膜上にニ
クロムなどの抵抗性金属薄膜でパターン形成し、レーザ
トリミング等でその値を微調整できるように形成するこ
とができる。これらのトランジスタやツエナーダイオー
ド30、各抵抗や電極パッド501、502、503;
511、510を結ぶ配線中、配線400、401、4
03、411、412、413、430は、Si基板上
の酸化シリコン膜等の絶縁膜上にアルミニウム(A
l)、金(Au)等で形成できる。また、これらの配線
と立体交差する配線310、320、331、332、
333は、低抵抗にした不純物拡散層の拡散抵抗、シリ
サイド、金属などのパターンニングを施した後、その表
面を電気的絶縁薄膜で覆い、絶縁させて立体交差するよ
うに形成することができる。なお、マイクロエアブリッ
ジ上のバイポーラトランジスタからなる赤外線受光用セ
ンサと補償用センサには、必要に応じ赤外線吸収膜を形
成することができ、これにより感度を上昇できる。
【0048】(4)フローティング構造の温度センサ つぎに、フローティング構造について説明する。フロー
ティング構造とは、空中に浮いた構造体であり、例え
ば、橋のような構造や、上、下又は横などに空隙・空洞
を有する構造をしているものをいう。フローティング構
造としては、例えば、両端支持のものはエアブリッジ型
と呼ばれ、一端支持の場合はカンチレバー型と呼ばれ、
また、周辺をぐるりと基板に支持されている構造はダイ
アフラム型と呼ばれる。空洞については、裏面又は表面
又は横面のいずれの面に形成されていても良い。また、
本発明におけるマイクロエアブリッジは、小さなエアブ
リッジを意味する。
【0049】以下の説明では、フローティング構造を説
明するための横断面図の概要図を示す。ここでは、主
に、マイクロブリッジを対象として説明するが、本発明
は、これに限らず、フローティング構造として、上述し
た各型のような適宜の中に浮いた構造を採用することが
できる。そして、各図の平面図は、採用されたフローテ
ィング構造により適宜のものに決定される。
【0050】図7は、トランジスタサーミスタとしての
バイポーラトランジスタを有するマイクロエアブリッジ
の第1の実施の形態の断面図である。Si基板1に形成
したマイクロエアブリッジ6上に堆積した多結晶シリコ
ン薄膜からなるnpn型のバイポーラトランジスタ10
をトランジスタサーミスタとして利用したものである。
この構成は、上述の図6に示した赤外線センサやフロー
センサなどの温度センサとして使用できるものである。
【0051】基板1には、絶縁膜50及びシリコンオキ
シナイトライド膜51が形成される。シリコンオキシナ
イトライド膜51の一部は、空洞5を有するマイクロエ
アブリッジ6を構成する。マイクロエアブリッジ6に
は、バイポーラトランジスタ10が形成される。バイポ
ーラトランジスタ10は、n型エミッタ領域20、p型
ベース領域21、n型コレクタ領域22、エミッタ電極
60、ベース電極61、コレクタ電極62を備える。な
お、絶縁膜501は、形成されていても形成されなくて
も良い。また、各図において、同一の符号は同一の構成
要素を示す。
【0052】空洞5は、Si基板1の裏面から異方性エ
ッチングにより形成した例で、もちろん、Si基板1の
表面からマイクロエアブリッジ6を残すように形成する
こともできる。Si基板1上に形成する絶縁膜53は酸
化シリコン膜50のほか、マイクロエアブリッジ6が歪
まないように熱膨張係数を合わせたシリコンオキシナイ
トライド膜51を形成した方がよい。また、多結晶シリ
コン薄膜のバイポーラトランジスタ10のコレクタ電極
62、ベース電極61及びエミッタ電極60は各々絶縁
され、そのためPSGなどの絶縁膜52を形成してい
る。
【0053】なお、赤外線センサとして利用するときに
は、マイクロエアブリッジ6上のバイポーラトランジス
タ10上に、赤外線吸収膜を形成しておくとよい。この
ようにマイクロエアブリッジ6上にトランジスタサーミ
スタのバイポーラトランジスタ10を形成することによ
り、高速応答で高感度の赤外線センサなどの温度センサ
が作成できる。
【0054】図8は、トランジスタサーミスタとしての
バイポーラトランジスタを有するマイクロエアブリッジ
の第2の実施の形態の断面図である。図7に示したよう
なマイクロエアブリッジ6の断面の向きを変えて、マイ
クロエアブリッジ6の支えも見えるようなバイポーラト
ランジスタ10を有するマイクロエアブリッジ6の断面
図である。この図は、図7に示した例とは異なり、マイ
クロエアブリッジ6の主体を例えば、異方性エッチング
に耐性のある高密度ホウ素添加Siとし、更に、この高
密度ホウ素添加Siはp型Siとなるので、これをバイ
ポーラトランジスタ10のエミッタ領域20又はコレク
タ領域22として利用した場合の例である。ここでは、
トランジスタサーミスタとしてのバイポーラトランジス
タ10のエミッタ領域20やベース領域21を、多結晶
シリコン薄膜を堆積させて、そこに形成した。これらの
作成工程は、公知の半導体プロセスで作成できる。
【0055】なお、マイクロエアブリッジ6のバイポー
ラトランジスタ10のコレクタ領域22として利用して
いる高密度ホウ素添加Siは、低抵抗であって、マイク
ロヒータとしても機能させることもできる。また、別に
マイクロエアブリッジ6に発熱体としての薄膜ヒータ材
を更に形成し、マイクロヒータとして利用し、同じくそ
こに形成してあるトランジスタサーミスタと組み合わせ
て温度制御する事もできる。マイクロエアブリッジ6が
用いられているため、マイクロヒータの消費電力が極め
て小さくでき、高速応答の温度制御系が達成される。
【0056】図9は、トランジスタサーミスタとしての
バイポーラトランジスタを有するマイクロエアブリッジ
の第3の実施の形態の断面図である。この図は、図8に
示したようなマイクロエアブリッジ6上のバイポーラト
ランジスタ10であるが、ここでは、Si基板1の一部
をマイクロエアブリッジ6に残し、そこにバイポーラト
ランジスタ10を形成したときの横断面図を示す。
【0057】バイポーラトランジスタ10は、Si基板
1の(111)面を使用し、異方性エッチング技術と組
み合わせて、Si基板1の一部をマイクロエアブリッジ
6上(実際には、その下部に密着形成)に残すように形
成しても良いし、SOI(Silicon on Insulater)基板
等を用いて形成しても良い。また、ここでは、マイクロ
エアブリッジ6の主体を酸化シリコン膜50としてい
る。また、赤外線センサとして利用した場合、図示のよ
うに、金黒やニクロムなどの赤外線吸収膜500を絶縁
膜52を介して配置することもできる。
【0058】図10は、トランジスタサーミスタとして
のバイポーラトランジスタを有するマイクロエアブリッ
ジの第4の実施の形態の断面図である。この図は、Si
基板1の上に空洞5を形成し、この空洞5の下部にあた
るSi基板1に、ツエナーダイオード30や、負荷抵抗
やバイアス分担用の抵抗などの拡散抵抗層41a、41
b、41cをSi基板1とpn接合による絶縁分離を施
して形成した場合の例を示している。
【0059】抵抗Raは、n型層の拡散抵抗層41a及
びp型層42aを備える。抵抗Rbは、n型層の拡散抵
抗層41b及びp型層42bを備える。抵抗Rcは、n
型層の拡散抵抗層41c及びp型層42cを備える。バ
イポーラトランジスタ10は、n型エミッタ領域20、
p型ベース領域21、n型コレクタ領域22、エミッタ
電極60、ベース電極61、コレクタ電極62を備え
る。また、ツエナーダイオード30は、n型層31、p
型層32、電極63及び64を備える。エミッタ電極6
0は、拡散抵抗層41cに接続され、ベース電極61
は、拡散抵抗層41aに接続される。また、n型コレク
タ領域22は、拡散抵抗層41bに接続される。なお、
酸化膜501は、形成されていても良いし、形成されて
なくても良い。この例は、図8と同様に、マイクロエア
ブリッジ6の主体を高密度ホウ素添加Siとし、更にこ
こをバイポーラトランジスタ10のコレクタ領域22と
して、その上に多結晶シリコン薄膜を形成して、ベース
領域21及びエミッタ領域20を形成したものである。
【0060】なお、このトランジスタサーミスタとして
のバイポーラトランジスタ10を熱型赤外線センサとし
て利用することもできるし、このにマイクロエアブリッ
ジ6に更にマイクロヒータやペルチェ素子を形成して、
加熱、冷却を行うなど温度制御する事もできる。このよ
うに、Si基板1にSiの集積回路を形成し、その上方
に形成された熱分離用の空洞5を介して、バイポーラト
ランジスタ10を形成して、これをトランジスタサーミ
スタとして利用することにより、所望のB定数が選択で
きるので、熱に関する高速応答、低消費電力かつ高感度
の温度制御系又は温度検出系が提供できる。
【0061】図11は、トランジスタサーミスタとして
のバイポーラトランジスタを有するマイクロエアブリッ
ジの第4の実施の形態の断面図である。この図は、マイ
クロエアブリッジ6の絶縁膜53上に薄膜半導体を形成
し、ここにエミッタ領域20、ベース領域21、コレク
タ領域22を横方向に順次形成した構造のバイポーラト
ランジスタ10を熱型赤外線センサとして利用する場合
の例を示す。図11(a)は、このような熱型赤外線セ
ンサの平面図で、同図(b)は、この熱型赤外線センサ
を図11(a)のX−Xから見た断面図である。
【0062】この構造のトランジスタサーミスタ10
は、例えば、次のようにして作成することができる。ま
ず、Si基板1上にCVDによりオキシナイトライド膜
又は酸化シリコン膜からなる絶縁膜51を、例えば10
nm厚程度に形成する。さらに、その上にn形の多結晶
シリコン薄膜をやはりCVD等により形成し、ここにp
形不純物を熱拡散もしくはイオン注入技術によりベース
領域21を形成する。さらに、この拡散もしくはイオン
注入窓等を利用してエミッタ領域20をn形の多結晶シ
リコン薄膜の底に到達する程度に形成する。また、元の
n形の多結晶シリコン薄膜をコレクタ領域22として使
用すれば、エミッタ領域20、ベース領域21、コレク
タ領域22が、順次横方向に並ぶように形成される(な
お、図では、左右対称にエミッタ領域20、ベース領域
21、コレクタ領域22が形成されている。)。よっ
て、このような構成では、エミッタ領域20からベース
領域21に注入されたキャリア(電子)は、横方向に流
れ、コレクタ領域22に到達する事になる。
【0063】このようにエミッタ領域20からベース領
域21に注入されキャリア(電子)は、エミッタ領域2
0の周囲からベース領域21に注入されるので、多くの
キャリアを流す、すなわちコレクタ抵抗を小さくさせる
には、エミッタ領域20の周囲長を長くすればよい。こ
のような考えからエミッタ領域20の周囲を蛇行させて
いる。従来技術で電極形成後、絶縁膜53に窓を開け、
この窓を通してSi基板1を表面からの異方性エッチン
グ技術により空洞5を形成し、マイクロエアブリッジ6
を作成する。また、必要に応じて赤外線吸収膜を形成し
ておく。表面からのマイクロエアブリッジ6り空洞5を
形成し、マイクロエアブリッジ6を作成するようにする
と、Si基板1の裏面からの異方性エッチング技術によ
るマイクロエアブリッジ6形成に比べ、小型のマイクロ
エアブリッジ6が形成でき、それだけ熱容量が小さくな
るので、高感度、高速応答の赤外線センサが得られ、こ
れらをアレー化させることにより赤外線イメージセンサ
も作りやすいと言うメリットがある。
【0064】以上の実施の形態では、バイポーラトラン
ジスタ10を多くの場合、npn型の場合を例にした
が、これをpnp型にしても同様である。
【0065】(5)赤外線イメージセンサ 図12は、トランジスタサーミスタを応用した熱型赤外
線イメージセンサの回路図である。この図は、熱型熱型
赤外線センサアレーを熱型赤外線イメージセンサに応用
した場合の例である。各マイクロエアブリッジ6に形成
された各バイポーラトランジスタ11、12;21、2
2が、X−Y平面(水平ー垂直平面)上にマトリックス
状に配置される。これらのそれぞれのバイポーラトラン
ジスタ11、12;21、22のエミッタ−ベース間電
圧Ve11、Ve12;Ve21、Ve22、を可変抵
抗Rb11、Rb12;Rb21、Rb22で調整し
て、それぞれのトランジスタサーミスタのB定数が同一
になるようにした。公知の水平走査回路210と垂直走
査回路110と、MOSFET211、212;11
1、112;121、122とを用いて、順次各バイポ
ーラトランジスタ11、12;21、22を駆動するこ
とにより、これらのバイポーラトランジスタ11、1
2;21、22をトランジスタサーミスタとしてみなし
たときのそれぞれの温度に対応する差動増幅器300の
出力Vを順次取り出す。なお、このときの出力V
は、負荷抵抗RLの電圧降下と安定化電源の電圧Vz
との差として得られる。出力Vは、公知の表示回路に
よりブラウン管、液晶、PDPなどの画面に表示させる
ことができる。
【0066】このように本発明においては、多くの熱型
熱型赤外線センサを同一のB定数に調整できるので、外
部環境の温度変化に対して安定であると共に、熱型赤外
線イメージセンサの出力表示画面上の輝度のムラを極め
て小さくすることができる。
【0067】(6)MOS型のトランジスタサーミスタ 図13は、トランジスタサーミスタとしてのMOSトラ
ンジスタを有するマイクロエアブリッジの第1の実施の
形態の断面図である。この図では、n型のSi基板1に
MOSトランジスタ600を形成し、このMOSトラン
ジスタをサブスレショールド領域で動作させて、npn
型のバイポーラトランジスタとして扱った場合の横断面
図の概略図を示す。この例では、MOSトランジスタに
ついて説明するが、本発明は、その他の電界効果トラン
ジスタにも適用することができる。
【0068】MOSトランジスタ600は、チャンネル
形成領域601、n型ソース領域620、チャンネル領
域621、n型コレクタ領域622を備える。さらに、
MOSトランジスタ600は、ソース電極660、ドレ
イン電極662、酸化膜50を介したゲート電極661
を備える。なお、酸化膜501は、形成されていても良
いし、形成されてなくても良い。
【0069】ここでは、n型のSi基板1にチャンネル
領域621を形成するチャンネル形成領域601が形成
され、さらに、チャネル形成領域601に、ソース領域
620とドレイン領域622が形成されている。ゲート
には、ソース領域620に対して、負のゲート電圧Vg
を印加し、デプレッション型のnチャンネルをp型ベー
スとして扱えるようにしてある。このようなMOSトラ
ンジスタをサブスレショールド領域で動作させて、np
n型のバイポーラトランジスタとして扱えるようにし、
トランジスタサーミスタとする。
【0070】実際には、デプレッション型のnチャンネ
ル領域をp型ベースまでしなくとも、少しだけn型にな
る程度のnチャンネル領域のn型ベース領域にしても、
このバイポーラトランジスタとして扱ったときのn型ベ
ース領域と高濃度n型エミッタ領域(ソース領域)とに
は、電位障壁があるので、B定数は小さくなるがトラン
ジスタサーミスタとして扱うことができる。チャンネル
形成領域601をp型にした場合、デプレッション型の
MOSトランジスタとなってしまう場合が多い。サブス
レショールド領域で動作させるためには、例えば、ソー
ス領域620の電極660をアース電位とし、ドレイン
領域622の電極662に正の電圧(例えば3V)を印
加し、ゲート電極661には、負の電圧(例えば−5
V)を印加して、チャンネル領域621はnチャンネル
から弱いp型又は弱いnチャンネルにすればよい。
【0071】図13では、デプレッション型のMOSト
ランジスタの例であったが、もちろん、エンハンスメン
ト型で、サブスレショールド領域で動作させてトランジ
スタサーミスタとして扱うことができる。また、ソー
ス、基板又はチャンネル形成領域、ドレインのMOSト
ランジスタをバイポーラトランジスタとして扱うとき、
npn型でもpnp型でもよい。
【0072】図14は、トランジスタサーミスタとして
のMOSトランジスタを有するマイクロエアブリッジの
第2の実施の形態の断面図である。この図は、Si基板
1上のSOIにMOSトランジスタ600を形成し、し
かもエッチングによりSOIのシリコン酸化膜50とそ
の上のMOSトランジスタ部を残して他を除去した構
造、すなわちマイクロエアブリッジ構造の横断面図の概
略図である。
【0073】MOSトランジスタ600は、チャンネル
形成領域601、n型ソース領域620、チャンネル領
域621、n型コレクタ領域622を、横方向に順次並
べられるように備える。さらに、MOSトランジスタ6
00は、ソース電極660、ドレイン電極662、酸化
膜54を介したゲート電極661を備える。
【0074】この場合、薄膜構造で横方向の電気伝導の
トランジスタサーミスタが容易に形成できるので、基板
への熱伝導が小さく、熱容量も小さくできるので、赤外
線センサや赤外線イメージセンサ等への応用に好適であ
る。本実施の形態ではpnp型であるが、npn型でも
サブスレショールド領域での動作をすれば、どちらでも
適用できる。
【0075】なお、本発明は、チャネルがn型及びp型
のいずれのタイプの電界効果トランジスタにも適用する
ことができる。また、本発明は、電界効果トランジスタ
のソースとドレインとを逆転して使用し、ソースをドレ
インとして使用するなど、適宜適用することができる。
また、MOSトランジスタをトランジスタサーミスタと
して使用するときに、長いチャンネルの抵抗が支配的に
なると問題になり、チャンネルコンダクタンスにはソー
ス領域とチャンネル領域との障壁高さによるチャンネル
における熱的キャリアの量が支配的になるようにする必
要があるので、チャンネル長を短くなるように設計した
方がよい。
【0076】また、静電誘導型トランジスタ(SIT)
でも、トランジスタサーミスタとして使用できる。静電
誘導型トランジスタ(SIT)は、接合型又はMOS型
の電界効果トランジスタのゲート長を極端に短くしたト
ランジスタと等価であり、特に、接合型電界効果トラン
ジスタのゲート長を極端に短くした場合は、ゲートはバ
イポーラトランジスタのベース幅を極端に短くしたもの
に等価である。
【0077】また、上述の純粋のバイポーラトランジス
タ10やバイポーラトランジスタさせるMOSトランジ
スタの製作後、バイアス回路でB定数が調整できるよう
にしても良いし、製作時には所望のB定数が製作される
ように作りつけのバイアス回路を集積化しておくなどし
てトランジスタサーミスタを作成することもできる。さ
らに、このトランジスタサーミスタは温度センサとして
機能するので、これとマイクロヒータやペルチェ素子な
どと組み合わせて温度制御系や温度検出系を構成するこ
とができる。
【0078】上述の実施の形態は本発明の一実施の形態
に過ぎず、本発明の主旨及び作用、効果が同一でありな
がら、本発明の多くの変形があることは明らかである。
本発明において、例えば、材料、厚さ・幅等のサイズ、
電圧、抵抗値等は適宜選択することができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、従来のサーミスタ
は、一度サーミスタを製作すると、そのB定数の制御は
極めて困難であったが、本発明のトランジスタサーミス
タとこの応用デバイスでは、バイポーラトランジスタの
エミッタ−ベース電圧又はMOSトランジスタのゲート
電圧を調整する事により、大きくB定数を変化させるこ
とができるので、所望のB定数を微妙に調整できると共
に、複数のトランジスタサーミスタのB定数を同一にセ
ットすることができる。
【0080】さらに、本発明のトランジスタサーミスタ
は、本質的にはバイポーラトランジスタなので、その増
幅機構が利用でき、熱型赤外線センサや熱型赤外線イメ
ージセンサ、フローセンサやガスセンサ、ピラニー真空
計などの高感度温度センサとして応用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランジスタサーミスタの基本回路
図。
【図2】本発明のトランジスタサーミスタの他の基本回
路図。
【図3】基板にバイポーラトランジスタを形成したトラ
ンジスタサーミスタの横断面図。
【図4】同一基板に複数のnpn型のバイポーラトラン
ジスタを形成したトランジスタサーミスタの横断面図。
【図5】複数個のトランジスタサーミスタを備えた回路
図。
【図6】複数個のトランジスタサーミスタを熱型赤外線
センサに応用して、半導体基板に集積化した場合の説明
図。
【図7】トランジスタサーミスタとしてのバイポーラト
ランジスタを有するマイクロエアブリッジの第1の実施
の形態の断面図。
【図8】トランジスタサーミスタとしてのバイポーラト
ランジスタを有するマイクロエアブリッジの第2の実施
の形態の断面図。
【図9】トランジスタサーミスタとしてのバイポーラト
ランジスタを有するマイクロエアブリッジの第3の実施
の形態の断面図。
【図10】トランジスタサーミスタとしてのバイポーラ
トランジスタを有するマイクロエアブリッジの第4の実
施の形態の断面図。
【図11】トランジスタサーミスタとしてのバイポーラ
トランジスタを有するマイクロエアブリッジの第5の実
施の形態の断面図。
【図12】トランジスタサーミスタを応用した熱型赤外
線イメージセンサの回路図。
【図13】トランジスタサーミスタとしてのMOSトラ
ンジスタを有するマイクロエアブリッジの第1の実施の
形態の断面図。
【図14】トランジスタサーミスタとしてのMOSトラ
ンジスタを有するマイクロエアブリッジの第2の実施の
形態の断面図。
【符号の説明】
1 基板 5 空洞 6 マイクロエアブリッジ 10、10a、10b、10c;11、12、21、2
2 バイポーラトランジスタ 20 エミッタ領域 21 ベース領域 22 コレクタ領域 30 ツエナーダイオード 41 拡散抵抗層 50 酸化シリコン薄膜 51 シリコンオキシナイトライド膜 52 絶縁膜 53 絶縁膜 60 エミッタ電極 61 ベース電極 62 コレクタ電極 100 安定化電源 620 ソース領域 621 チャンネル領域 622 ドレイン領域

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電圧を出力するバイアス回路と、 前記バイアス回路の出力が、順方向バイアス電圧として
    エミッタ−ベース間に印加され、コレクタに第2の電圧
    が印加され、コレクタ電流を出力とするトランジスタと
    を備え、 前記トランジスタのコレクタ電圧に対するコレクタ電流
    の温度依存性が、前記トランジスタのコレクタ抵抗をサ
    ーミスタとみなしたときの電流の温度依存性に相当する
    ように前記トランジスタを用い、また、前記バイアス回
    路の出力電圧値を調整することで順方向バイアス電圧を
    調節し、順方向バイアス電圧により前記トランジスタの
    エミッタ−ベース間の電位障壁高さを調節することによ
    り、前記トランジスタのコレクタ抵抗についての温度依
    存性を表すサーミスタ定数を所望の値に調節できるよう
    にした温度測定装置。
  2. 【請求項2】第1の電圧を出力するバイアス回路と、 前記バイアス回路の出力が、バイアス電圧としてソース
    −ゲート間に印加され、ドレインに第2の電圧が印加さ
    れ、ドレイン電流を出力とするMOS型又はその他の電
    界効果トランジスタとを備え、 前記電界効果トランジスタをそのサブスレショールドに
    おいてバイポーラトランジスタに相当するように動作さ
    せ、前記電界効果トランジスタのゲート電圧に対するド
    レイン電流の温度依存性が、前記電界効果トランジスタ
    のドレイン抵抗をサーミスタとみなしたときの電流の温
    度依存性に相当するように前記電界効果トランジスタを
    用い、また、前記バイアス回路の出力電圧値を調整する
    ことでバイアス電圧又はチャンネル形成領域の電圧を調
    節し、バイアス電圧により前記電界効果トランジスタの
    ソース−ドレイン間の電位障壁高さを調節することによ
    り、前記電界効果トランジスタのドレイン抵抗について
    の温度依存性を表すサーミスタ定数を所望の値に調節で
    きるようにした温度測定装置。
  3. 【請求項3】前記トランジスタ又は前記電界効果トラン
    ジスタは、 各半導体領域が薄膜半導体層で横方向に順次並ぶように
    形成され、エミッタ領域又はソース領域から注入された
    ほとんどのキャリアが横方向に流れて、コレクタ領域又
    はドレイン領域に到達するようにした請求項1又は2に
    記載の温度測定装置。
  4. 【請求項4】前記バイアス回路は、 所定のサーミスタ定数を実現するためのエミッタ−ベー
    ス間電圧、ゲート電圧又はチャンネル形成領域の電圧に
    なるように、予め設定された分圧抵抗を備えたことを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温度測定装
    置。
  5. 【請求項5】前記トランジスタ又は電界効果トランジス
    タと同一基板に集積化され、前記トランジスタ又は電界
    効果トランジスタの調節用電源とした定電圧電源回路を
    さらに備えた請求項1乃至4のいずれかに記載の温度測
    定装置。
  6. 【請求項6】前記トランジスタ又は電界効果トランジス
    タは、 同一基板に複数個形成され、 各々のサーミスタ定数をそれぞれの前記バイアス回路を
    調節することにより同一又は略同一になるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の温度
    測定装置。
  7. 【請求項7】前記トランジスタ又は電界効果トランジス
    タは、第1の基板に形成され、 前記第1の基板は、他の回路が形成された第2の基板と
    フローティング構造により結合され、上部、下部又は横
    部に空洞を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれかに記載の温度測定装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の温度測
    定装置を複数個マトリックス状に配列形成し、 各々の前記温度測定装置の出力を読み出すようにした熱
    型赤外線イメージセンサ。
  9. 【請求項9】バイアス回路から第1の電圧を出力し、 前記バイアス回路の出力を、トランジスタの順方向バイ
    アス電圧としてエミッタ−ベース間に印加し、コレクタ
    に第2の電圧を印加し、コレクタ電流を出力とし、 前記トランジスタのコレクタ電圧に対するコレクタ電流
    の温度依存性が、前記トランジスタのコレクタ抵抗をサ
    ーミスタとみなしたときの電流の温度依存性に相当する
    ように前記トランジスタを用い、 前記バイアス回路の出力電圧値を調整することで順方向
    バイアス電圧を調節し、順方向バイアス電圧により前記
    トランジスタのエミッタ−ベース間の電位障壁高さを調
    節することにより、前記トランジスタのコレクタ抵抗に
    ついての温度依存性を表すサーミスタ定数を所望の値に
    調節できるようにした温度測定方法。
  10. 【請求項10】前記トランジスタのエミッタとコレクタ
    とを逆転して使用し、エミッタをコレクタとして使用し
    たことを特徴とする請求項9に記載の温度測定方法。
  11. 【請求項11】バイアス回路から第1の電圧を出力し、 前記バイアス回路の出力を、MOS型又はその他の電界
    効果トランジスタのバイアス電圧としてソース−ゲート
    間に印加し、ドレインに第2の電圧を印加し、ドレイン
    電流を出力とし、 前記電界効果トランジスタをそのサブスレショールドに
    おいてバイポーラトランジスタに相当するように動作さ
    せ、前記電界効果トランジスタのゲート電圧に対するド
    レイン電流の温度依存性が、前記電界効果トランジスタ
    のドレイン抵抗をサーミスタとみなしたときの電流の温
    度依存性に相当するように前記電界効果トランジスタを
    用い、 前記バイアス回路の出力電圧値を調整することでバイア
    ス電圧又はチャンネル形成領域の電圧を調節し、バイア
    ス電圧により前記電界効果トランジスタのソース−ドレ
    イン間の電位障壁高さを調節することにより、前記電界
    効果トランジスタのドレイン抵抗についての温度依存性
    を表すサーミスタ定数を所望の値に調節できるようにし
    た温度測定方法。
  12. 【請求項12】前記電界効果トランジスタのソースとド
    レインとを逆転して使用し、ソースをドレインとして使
    用したことを特徴とする請求項11に記載の温度測定方
    法。
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