JPH11287699A - 振動測定装置及び振動計測用プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

振動測定装置及び振動計測用プログラムを記憶した記憶媒体

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JPH11287699A
JPH11287699A JP10373698A JP10373698A JPH11287699A JP H11287699 A JPH11287699 A JP H11287699A JP 10373698 A JP10373698 A JP 10373698A JP 10373698 A JP10373698 A JP 10373698A JP H11287699 A JPH11287699 A JP H11287699A
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wavelength
wave
vibration
calculating
measured
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JP10373698A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Maruyama
哲朗 丸山
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定物の各測定箇所での振動の折返し点を
正確に算出して非接触で精度良く測定対象物の振動を測
定すること。 【解決手段】 振動測定装置は、被測定物で反射したレ
ーザ光を観測する光検出手段2と、この光検出手段2か
ら出力された波形信号を解析すると共に鋸歯状波(ビー
ト波)を検出する信号処理手段4と、この信号処理手段
4によって検出された各鋸歯状波の状態に基づいて被測
定物の変位量を算出する演算手段6とを備えている。し
かも、演算手段6は、鋸歯状波の各波の波長を算出する
波長算出部8と、この波長算出部8によって算出された
複数の波のうち波長の長い波を抽出すると共に当該波長
の長い波の位置に基づいて被測定物の変位方向の折返し
位置を判定する折返し判定部12とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動測定装置及び
振動計測用プログラムを記憶した記憶媒体に係り、特
に、レーザ光のドップラ効果を利用して対象物の変位を
非接触で計測する振動測定装置及び振動計測用プログラ
ムを記憶した記憶媒体に関する。この振動測定装置は、
自動車の製造技術などの実験解析分野に応用できる。具
体的には、エンジンの振動解析、車体伝搬振動解析、社
室内騒音解析、さらにマフラの振動解析などである。そ
の他の製造分野での応用は多岐に渡るが、非接触で極小
領域の振動を精密に測定できるため、半導体製造におい
て振動状態で良不良の判定を行なったり、また、ドリル
などの工具破損検出などに好適に用いられる。さらに、
モータを使ったプラントの移動振動の検出や、水道管、
ガス管の漏れ診断などの保守に用いることもできる。さ
らに、西瓜等の大型果実の打音による糖度の判定など、
農業分野にも応用可能である。ここで、「被測定物」と
いうときには、これらエンジンから西瓜まで振動測定の
対象となる物体をいう。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ光のドップラ効果を利
用したレーザドップラ速度計が使用されている。レーザ
ドップラ速度計は、レーザ光を被測定物に照射する光源
と、このレーザ照射光と被測定物からの反射光とを混合
させ、この混合によるドップラビート信号を検出する検
出手段と、照射光の周波数と反射光の周波数との差に基
づいて被測定物の速度を算出する演算手段とを備えてい
る(例えば、特開平7−167956号公報)。
【0003】レーザ光のドップラ効果を利用して、速度
ではなく、被測定物の変位を測定するためには、次のよ
うにする。すなわち、発振しているレーザ光と被測定物
表面で反射した光はレーザ共振器にて混合する。この結
果、レーザ光を受光素子(フォトダイオード等)でビー
ト波を検出できる。このビート波は被測定振動面の速度
を表わしている。従って、対象物が一定距離(レーザ光
の波長λの半分)だけ変位すると、鋸歯状波が一波現わ
れる。このため、時系列で鋸歯状波の波数をカウントす
ると、対象物の変位を算出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
光のドップラ効果を利用して対象物の変位を測定するこ
とができても、照射する鋸歯状波の1波長に応じた一定
距離よりも短い変位については正確に測定することが困
難で、特に、対象物が振動している場合、振動の折返し
点の検出は難しい。すなわち、振動している対象物は、
振動によって最大位置まで移動すると、一旦変位量が
「0」となり、逆方向への移動を開始する。このとき、
鋸歯状波は間延びした状態となり、振動の方向が変化し
た瞬間を捕捉するのが困難となってしまう。
【0005】これに対し、振動の一周期での最も高速な
位置に基づいて折り返し位置を算出する手法が考えられ
る。この変位の高速な部分は、比較的安定して検出でき
る。しかしながら、被測定物が複数の周波数成分を有す
る振動である場合には、一方向への変位と他方向への変
位は対照形とならず、このため、複数の周波数成分が重
なった振動をしている被測定物については、振動の一周
期での最も高速な位置に基づいて折り返し位置を算出す
ることができない。
【0006】特に、レーザ光のドップラ効果を利用した
振動測定装置は、例えば被測定物に取り付ける加速度ピ
ックアップが行う役割を非接触で行おうとするものであ
るから、被測定物の振動の特徴を良好に測定することが
望ましい。しかしながら、折返し位置を正確に算出また
は検出できないと、変位量をそのまま折り返さない方向
に加算してしまうこととなってしまい、すると、振動を
精度良く測定することができなくなってしまう。
【0007】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する不都合を
改善し、特に、被測定物の各測定箇所での振動の折返し
点を正確に算出して非接触で精度良く測定対象物の振動
を測定することのできる振動測定装置及び振動計測用プ
ログラムを記憶した記憶媒体を提供することを、その目
的とする。本発明はさらに、被測定物に複数の振動が重
畳されている場合であっても、被測定物の振動の折返し
点を良好に算出することができる振動測定装置及び振動
計測用プログラムを記憶した記憶媒体を提供することを
も、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、被
測定物で反射したレーザ光を観測する光検出手段と、こ
の光検出手段から出力された波形信号を解析すると共に
ビート波を検出する信号処理手段と、この信号処理手段
によって検出された各ビート波の状態に基づいて被測定
物の変位量を算出する演算手段とを備えている。しか
も、演算手段は、ビート波の各波の波長を算出する波長
算出部と、この波長算出部によって算出された複数の波
のうち波長の長い波を抽出すると共に当該波長の長い波
の位置に基づいて被測定物の変位方向の折返し位置を判
定する折返し判定部とを備えた、という構成を採ってい
る。これにより前述した目的を達成しようとするもので
ある。ここで、ビート波というのは、被測定物の表面の
速度に応じて変化する信号をいい、通常、鋸歯状波とな
る。また、振動の折り返し点で形が崩れた鋸歯状波を含
む。そして、鋸歯状波というときも、ビート波と同義に
使用し、特に、鋸歯状波の波長というときには、鋸歯状
波のの一波づつの波長をいう。
【0009】本発明では、波長算出部が、鋸歯状波の波
長を算出して、複数の波のうち波長の長い波を抽出す
る。波長の長い波は、被測定物の速度が遅いか又は停止
しているときに現れるため、波長の長い波を捕捉するこ
とで、被測定物の振動の周期にかかわらず、折返し点を
抽出する。折返し点にて一波のカウントの仕方によって
は、波長の長い波に基づいて折り返し位置を判定する具
体例としては、例えば、あるしきい値を越えた波長の集
合の中心位置とするものや、前後の波長差がゼロクロス
する波のうち波長があるしきい値を越えるもの波の位置
を折返し位置とする手法などを含む。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0011】図1は、本発明による振動測定装置の構成
を示すブロック図である。振動測定装置は、被測定物で
反射して発振光と自己混合したレーザ光を観測する光検
出手段2と、この光検出手段2から出力された波形信号
を解析すると共に鋸歯状波(ビート波)を検出する信号
処理手段4と、この信号処理手段4によって検出された
各ビート波の状態に基づいて被測定物の変位量を算出す
る演算手段6とを備えている。
【0012】しかも、演算手段6は、ビート波の各波の
波長を算出する波長算出部8と、この波長算出部8によ
って算出された複数の波のうち波長の長い波を抽出する
と共に当該波長の長い波の位置に基づいて被測定物の変
位方向の折返し位置を判定する折返し判定部12とを備
えている。
【0013】また、測定環境やビート波をデジタルデー
タに変換する際のサンプリング周波数によっては、演算
手段が、波長算出部によって算出された複数の波長を平
滑化する波長平滑化部10を備えるようにするとよい。
すると、ビート波の波長を算出する時にビート波に加え
られた高周波成分をノイズとして波長を多く誤検出した
場合であっても、波長の前後から平滑化を行うことで、
誤検出した波長の影響を低減させることができる。
【0014】さらに、演算手段6は、折返し判定部12
によって判定された折返し情報(変位方向データ)と、
ビート波の数とに応じて、被測定物の振動データをプロ
ットする。そして、この振動データを表示部14に表示
する。また、表示を行わずに、振動データを下流の振動
解析装置に出力するようにしても良い。
【0015】光検出手段2は、振動する被測定物1で反
射した光を共振器で混合し、その混合された光を受光し
て、光電変換を行い信号処理手段4に出力する。振動を
測定するには、まず、被測定物1を加振する。すると、
被測定物は振動を開始し、図1に示すように、被測定物
の測定面は、例えば初期位置から符号1Eで示す二点鎖
線の位置を経過しつつ逐次変位する。そして、振動の折
返し点1aに近づくとゆっくり変位し、例えば符号1で
示す実線の符号1aで示す位置にて一度停止する。ここ
で変位の方向が折り返され、振動の中心へ向けて加速し
ながら変位する。中心を過ぎるとまた速度が緩やかとな
り、折返し点1aで一度停止する。
【0016】振動面と速度vと鋸歯状波周波数fdの関
係は次式(1)に示す如くとなり、式(1)より、振動
速度のレーザ方向成分は式(2)で表すことができる。
よって、鋸歯状波一周期での振動面の移動量はλ/2と
なる。
【0017】
【数1】
【0018】自己混合型レーザドップラ振動測定装置で
は、被測定物の変位量を鋸歯状波の波数で計測できる。
具体的には、被測定物がレーザ光の波長λの半分の長さ
(λ/2)分変位すると、鋸歯状波が一波生じる。被測
定物が高速に変位すると鋸歯状波の傾きが鋭くなり波長
が短くなる。一方、低速で変位すると鋸歯状波の傾きが
緩やかとなり波長が長くなる。振動は周期的であるか
ら、振動する被測定物から反射した光によって得られる
鋸歯状波も周期的となる。具体的には、被測定物が折返
し位置に近い位置にあるときは低速に変位するため鋸歯
状波の波長が長くなり、一方、被測定物が振動の中心位
置に近い場合には高速に変位するため鋸歯状波の波長が
短くなる。
【0019】本実施形態では、この振動面の位置に応じ
た波長の長さの変化を利用して、折返し位置を判定して
いる。この波長の長さの変化に基づいて折り返し位置を
判定する場合には、次のことが課題となる。すなわち、
被測定物がλ/2変位すると鋸歯状波が一波生じるが、
被測定物がλ/2よりも短い長さ変位し、そして一旦停
止し、さらに逆方向へ変位すると、鋸歯状波は一波分の
振幅を得られない。すなわち、被測定物はλ/2の倍数
で変位するわけではないため、折返し部分での鋸歯状波
の波形は崩れた状態となってしまう。
【0020】そして、この崩れた状態となった鋸歯状波
について一波とカウントするか否か(波長を算出するか
否か)は被測定物の変位量に応じて定まるため、安定し
ない。さらに、鋸歯状波の振幅の中心位置にて波長を算
出する構成では、折返し部分の鋸歯状波の振幅のピーク
がこの通常の鋸歯状波の中心位置前後となってしまう
と、鋸歯状波に加えられている高周波成分のノイズの影
響を受けやすい。ノイズの影響を受けると、被測定物が
変位していないのにかかわらず、短い波長で一波分カウ
ントしてしまう。
【0021】このため、本出願人は比較的安定して抽出
可能な波長の短い部分に着目して折り返し点を抽出する
手法を既に出願している。しかしながら、この波長の短
い部分に着目する手法では、被測定物の振動に複数の周
波数成分が重畳している場合には、被測定物が一方の折
返し点から他方の折返し点に至り、さらに一方の折返し
点に戻るまでの周期は時間軸にて左右対称とならないた
め、複数の周波数成分を有する振動を行う被測定物の振
動データを良好に作成することができなくなる。
【0022】図2に示すフローチャートはこのような課
題を解決しようとするものであって、折返し時に生じる
振幅の小さい鋸歯状波の振る舞いによらず、被測定物の
振動に複数の周波数成分が加えられた場合であっても良
好にビート波(鋸歯状波)から振動波形データを算出し
ようとするものである。
【0023】図2に示す例では、まず、光検出手段2
が、被測定物1からの反射光を共振器で混合し、その光
を受光して光電変換する(ステップS2)。さらに、信
号処理手段4は、このビート波を増幅し(ステップS
2)、これをデジタルデータに変換する(ステップS
3)。そして、演算手段6は、まず、デジタルデータで
ある鋸歯状波データの高周波成分を除去する(ステップ
S4)。鋸歯状波データ4Baの一例を図3に示す。
【0024】続いて、波長算出部8は、この鋸歯状波デ
ータから各波の波長を抽出する(ステップS5)。この
波長算出の手法は種々あるが、鋸歯状波データに低周波
数成分が加えられている場合には、鋸歯状波データの振
幅側について包絡線を生成し、この包絡線の中点を波長
算出のための中線としてもよい。また、単純に鋸歯状波
の振幅の中心に中線を生成し、この中線と鋸歯状波が交
わる部分を結んで波長を算出するようにしてもよい。さ
らには、包絡線と鋸歯状波で閉領域を定義し、この面積
が一定値以上のものを一波とし、その後波長を算出する
ようにしてもよい。
【0025】次いで、波長の平滑化を行う(ステップS
6)。これにより、鋸歯状波に加えられたノイズによっ
て波長を誤検出した場合であっても誤検出の影響を折返
し判定処理に及ぼさないようにすることができる。すな
わち、振動は周期的であるから、波長が孤立的に変化す
ることがない。このため、処理対象の波の波長を前後5
つ又は3つ等波の波長の平均に近づける処理などの平滑
化を行うと、孤立的に変化した波長の影響が少なくな
る。
【0026】さらに、直前の波との波長差を算出する
(ステップS7,波長差算出機能)。これにより、波長
が直前よりも増加しているのか又は減少しているのかを
判断する。波長が短くなっている場合には、被測定物は
加速している。一方、波長が増加している場合には、被
測定物は減速している。折返し点では被測定物は減速
し、停止し、次いで加速するため、減速から加速へ転じ
た点が、すなわち折返し点となる。
【0027】この減速から加速へ転じた点を抽出するた
め、まず、波長差がゼロクロスする波を抽出する(ステ
ップS8,ゼロクロス波抽出機能)。すると、減速から
加速へ転じた点と、加速から減速へ転じた点とが抽出さ
れる。さらに、このゼロクロス波のうち、波長が所定の
しきい値よりも大きい波の位置を折返し位置と判定する
(ステップS9,折返し位置決定機能)。これにより、
減速から加速へ転じた波を特定する。さらに、折返し点
と波長とに基づいて図3に示す如く振動面変位をプロッ
トし、これを振動波形データとする(ステップS1
0)。
【0028】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図4は本実施例による振動測定装置の構成を示
すブロック図である。図4に示すように、本実施例によ
る振動測定装置は、共振器で混合された被測定物からの
反射光を受光する光検出手段としてのフォトダイオード
2と、このフォトダイオードから入力される図5(A)
に示す鋸歯状波を増幅する増幅器4Aと、この増幅器に
よって増幅された図5(B)に示す鋸歯状波をデジタル
データに変換するA/D変換器4Dとを備えている。
【0029】振動測定装置はさらに、図5(B)に示す
鋸歯状波4Aaに基づいて図5(C)に示す振動変位デ
ータ6aを算出する演算装置6と、この振動波形データ
6aを表示する表示装置14とを備えている。演算装置
6は、図1に示した波長算出部等の各部8,10,12
を備えている。ここでは、演算装置6は、コンピュータ
により実現する。コンピュータは、演算を行うCPU
と、このCPUの主記憶となるRAMと、プログラムを
記憶する記憶媒体とを備えている。この記憶媒体は、R
OMや磁気ディスクなどデータを不揮発的に記憶してお
くものであれば、どのようなものでもよい。
【0030】この記憶媒体には予め各種プログラムが格
納されていて、本実施例では特に、鋸歯状波データ4A
aに基づいて振動波形データ6aを演算するための振動
計測用プログラムが格納されている。このプログラムが
順次CPUにより実行されることで、演算装置としての
コンピュータは、上記波長算出部8、波長平滑化部1
0、折返し判定部12として動作する。
【0031】この振動計測用プログラムは、演算装置6
を動作させる指令として、鋸歯状波の波長を各波毎に算
出させる波長算出指令と、この波長算出指令により算出
される各波の波長について直前の波の波長との波長差を
算出させる波長差算出指令と、この波長差算出指令によ
って算出された波長差がゼロクロスする波を抽出させる
ゼロクロス波抽出指令と、このゼロクロス波抽出指令に
より抽出されるゼロクロス波のうち波長が所定のしきい
値を越える波を検索させると共に当該波長が所定のしき
い値を越える波の位置で被測定物の折返しが生じたと決
定させる折返し点判定指令とを備えている。ここで、
「させる指令」とは、直接CPUを駆動する指令のみな
らず、演算装置のオペレーティングシステムなど他のソ
フトウエアに依存して当該演算装置を駆動する指令を含
む。上記各指令が演算装置により実行させると、図2に
示したフローチャートが実現される。
【0032】次に、波形の例を参照しながら本実施例に
よる折返し位置の判定処理の詳細を説明する。ここで
は、折返し判定部は、複数の波の波長を平均した値を折
返し位置決定機能で使用するしきい値に設定するしきい
値設定機能を備えている。
【0033】図6に示すように、まず、ビート波の波長
を計測する。ここで、「λ1」は、1番目のビート波の
波長を表す。波長の計測方法は、サンプリングポイント
数から算出する方法や、任意の電圧をビート波が横切る
時間間隔を計測する方法などがある。次に、波長の増分
を算出する。1つ前のビート波波長に対する増分を算出
し、時系列に並べると図6に示す如くとなる。
【0034】さらに、ゼロクロス点を算出する。図6に
示した波長差の各点を接続し、その線がゼロラインを横
切る点を算出する。このゼロクロス点は、図6において
次の状態を示す。 (1).Δλ6,Δλ18は、ビート波が密な部分であ
り、ビート波波長が短くなりその後波長が長くなる。 (2).Δλ12は、ビート波が粗な部分であり、ビート
波波長が長くなり、その後波長が短くなる。
【0035】ここで、(2)の状態はまさに振動面の移
動方向変化点であるため、このビート波が粗な部分を検
出する。
【0036】このため、ビート波が粗な部分を検出する
ためのしきい値を算出する。ここでは、図7に示すよう
に、計測したすべてのビート波の中から、最大波長(λ
ax)と最小波長(λmin)を求める。そして、その平均
を算出する(λave)。
【0037】次いで、しきい値に基づいて、ビート波が
粗な部分を検出する。算出したゼロクロス点でのビート
波番号を調べ(ゼロクロス点Δλ6→λ6)、その波長の
大きさがλaveより大きいときには、ビート波が粗の部
分、すなわち、振動面の移動方向変化点と判定する。
【0038】これにより、複数の周波数が重なって振動
している被測定物の振動を自己混合型振動計で良好に測
定することができる。さらに、しきい値を平均値とした
ため、ビート波の状態によってしきい値の設定を変化さ
せる必要がない。そして、波長を前後の波長との関係で
平滑化しさらに全体の波長の平均値よりも大きい場合に
折り返し点での波長と判断すると、折返し付近でビート
波の波形が崩れ、折返し付近で孤立的に短い波長の波が
生じても良好に折り返し点を検出することができる。
【0039】上述したように本実施例では、データ全体
の鋸歯状波の波長を一括して比較し、波長の大きさだけ
を要因とした簡単な処理で折返し点の算出を行うため、
図8に示すように被測定物の振動が複数の周波数成分を
有する場合であっても、折返し点を良好に判定すること
ができる。特に、符号33aおよび符号33bで示すよ
うに振動変位の周期が一定でなく統計的処理が困難な場
合であっても、良好に折返し点を判定することができ
る。
【0040】このように、本実施例によると、単振動の
変位算出において、正規分布に近い分布で無い場合で
も、折返し点を算出することができる。そして、波長の
大きさでの判断であるため、鋸歯状波の波長分布のパタ
ーンによらず、複数の振動が重なった場合の変位算でも
折返し点を算出することができる。さらに、比較的軽い
プログラムであり、記憶容量や算出時間が少なくて済
む。そして、レーザ光を使用して被測定物の振動を計測
することができるため、加速度ピックアップと比較し
て、対象物が軽量であっても、また対象物が高温であっ
ても使用することができる。すなわち、加速度ピックア
ップは接触式であるため、対象物が軽量であると加速度
ピックアップ自体の重さで振動が変化してしまい、ま
た、対象物が高温であると接着できないが、本実施例に
よる振動計測装置は非接触であるためこのような不都合
が生じない。
【0041】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、演算手段が、鋸歯状波の波長を算
出して、複数の波のうち波長の長い波を抽出するため、
被測定物の振動の周期にかかわらず、折返し点を抽出す
ることができ、すると、被測定物の振動が複数の周波数
成分が加えられていて振動の一波が対象に現れなくと
も、良好に折返し位置を決定することができ、これによ
り、被測定物の振動を非接触で計測することができると
いう従来にない優れた振動測定装置及び振動計測用プロ
グラムを記憶した記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1に示した構成での処理例を示すフローチャ
ートである。
【図3】図2に示すフローチャートで使用する鋸歯状波
データと振動波形との関係を示すグラフ図である。
【図4】本発明の一実施例のハードウエア資源の構成を
示すブロック図である。
【図5】図4に示す各部が出力する信号又はデータの例
を示す波形図であり、図5(A)は光検出手段の出力を
示す図で、図5(B)は増幅された鋸歯状波を示す図
で、図5(C)は振動変位データの一例を示す図であ
る。
【図6】鋸歯状波と波長差の関係を示すグラフ図であ
る。
【図7】波長と平均値との関係を示すグラフ図である。
【図8】2つの周波数を混合した振動をする被測定物の
振動を測定した振動波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 被測定物 2 光検出手段 4 信号処理手段 6 演算手段 8 波長算出部 10 波長平滑化部 12 折返し判定部 14 振動波形表示部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物で反射したレーザ光を観測する
    光検出手段と、この光検出手段から出力された波形信号
    を解析すると共にビート波を検出する信号処理手段と、
    この信号処理手段によって検出された各ビート波の状態
    に基づいて前記被測定物の変位量を算出する演算手段と
    を備え、 前記演算手段は、前記ビート波の各波の波長を算出する
    波長算出部と、この波長算出部によって算出された複数
    の波のうち波長の長い波を抽出すると共に当該波長の長
    い波の位置に基づいて前記被測定物の変位方向の折返し
    位置を判定する折返し判定部とを備えたことを特徴とす
    る振動測定装置。
  2. 【請求項2】 前記折返し判定部は、前記複数の波につ
    いて直前の波の波長との差を算出する波長差算出機能
    と、この波調査算出手段によって算出された波長差がゼ
    ロクロスする波を抽出するゼロクロス波抽出機能と、こ
    のゼロクロス波抽出手段によって抽出された波のうち波
    長が所定のしきい値よりも大きい波の位置で前記測定対
    象物の折返しが生じたと決定する折返し位置決定機能と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の振動測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記演算手段が、前記波長算出部によっ
    て算出された複数の波長を平滑化する波長平滑化部を備
    えたことを特徴とする請求項2記載の振動測定装置。
  4. 【請求項4】 前記折返し判定部は、前記複数の波の波
    長を平均した値を前記折返し位置決定機能で使用するし
    きい値に設定するしきい値設定機能を備えたことを特徴
    とする請求項2又は3記載の振動測定装置。
  5. 【請求項5】 演算装置を使用して被測定物の変位に応
    じて変化するビート波データを解析すると共に当該被測
    定物の振動を計測する振動計測用プログラムを記憶した
    記憶媒体であって、 前記振動計測用プログラムは前記演算装置を動作させる
    指令として、ビート波の波長を各波毎に算出させる波長
    算出指令と、この波長算出指令により算出される各波の
    波長について直前の波の波長との波長差を算出させる波
    長差算出指令と、この波長差算出指令によって算出され
    た波長差がゼロクロスする波を抽出させるゼロクロス波
    抽出指令と、このゼロクロス並抽出指令により抽出され
    るゼロクロス波のうち波長が所定のしきい値を越える波
    を検索させると共に当該波長が所定のしきい値を越える
    波の位置で前記被測定物の折返しが生じたと決定させる
    折返し点判定指令とを備えたことを特徴とする振動計測
    用プログラムを記憶した記憶媒体。
JP10373698A 1998-03-31 1998-03-31 振動測定装置及び振動計測用プログラムを記憶した記憶媒体 Withdrawn JPH11287699A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6470753B2 (en) 2000-03-13 2002-10-29 Suzuki Motor Company Vibration measuring apparatus and method
JP2011117860A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Yamatake Corp 物体検出センサおよび物体検出方法
JP2013186027A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Azbil Corp 状態検知装置および方法

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