JPH11287700A - 振動測定装置および振動計測用プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

振動測定装置および振動計測用プログラムを記憶した記憶媒体

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JPH11287700A
JPH11287700A JP10373798A JP10373798A JPH11287700A JP H11287700 A JPH11287700 A JP H11287700A JP 10373798 A JP10373798 A JP 10373798A JP 10373798 A JP10373798 A JP 10373798A JP H11287700 A JPH11287700 A JP H11287700A
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JP
Japan
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wavelength
wave
vibration
threshold
calculating
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JP10373798A
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Akiyoshi Ono
晃義 大野
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定物の各測定箇所での振動の折返し点を
正確に算出して非接触で精度良く測定対象物の振動を測
定すること。 【解決手段】 演算手段6が、鋸歯状波の各波の波長を
算出する波長算出部8と、この波長算出部8によって算
出された複数の波長に基づいてしきい値を設定すると共
に当該しきい値を越える波長が現れる時間内で被測定物
の変位方向が折返したと判定する折返し判定部12とを
備えている。そして、折返し判定部12は、波長算出部
によって算出された複数の波の波長に応じてしきい値の
幅を設定するしきい値幅設定機能12Aを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動測定装置に係
り、特に、レーザ光のドップラ効果を利用して対象物の
変位を非接触で計測する振動測定装置に関する。この振
動測定装置は、自動車の製造技術などの実験解析分野に
応用できる。具体的には、エンジンの振動解析、車体伝
搬振動解析、社室内騒音解析、さらにマフラの振動解析
などである。その他の製造分野での応用は多岐に渡る
が、非接触で極小領域の振動を精密に測定できるため、
例えばドリルなどの工具破損検出などに好適に用いられ
る。さらに、モータを使ったプラントの移動振動の検出
や、水道管、ガス管の漏れ診断などの保守に用いること
もできる。さらに、西瓜等の大型果実の打音による糖度
の判定など、農業分野にも応用可能である。ここで、
「被測定物」というときには、これらエンジンから西瓜
まで振動測定の対象となる物体をいう。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ光のドップラ効果を利
用したレーザドップラ速度計が使用されている。レーザ
ドップラ速度計は、レーザ光を被測定物に照射する光源
と、このレーザ照射光と被測定物からの反射光とを混合
させ、この混合によるドップラビート信号を検出する検
出手段と、照射光の周波数と反射光の周波数との差に基
づいて被測定物の速度を算出する演算手段とを備えてい
る(例えば、特開平7−167956号公報)。
【0003】レーザ光のドップラ効果を利用して、速度
ではなく、被測定物の変位を測定するためには、照射す
るレーザ光を予め三角状波とする。すると、対象物が一
定距離(レーザ光の波長λの半分)だけ変位すると、つ
の鋸歯状波が三角状波と自己混合する。このため、時系
列で鋸歯状波の波数をカウントすると、対象物の変位を
算出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
光のドップラ効果を利用して対象物の変位を測定するこ
とができても、照射する鋸歯状波の1波長に応じた一定
距離よりも短い変位については正確に測定することが困
難で、特に、対象物が振動している場合、振動の折返し
点の検出は難しい。すなわち、振動している対象物は、
振動によって最大位置まで移動すると、一旦変位量が
「0」となり、逆方向への移動を開始する。このとき、
鋸歯状波は間延びした状態となり、振動の方向が変化し
た瞬間を捕捉するのが困難となってしまう。
【0005】これに対し、振動の一周期での最も高速な
位置に基づいて折り返し位置を算出する手法が考えられ
る。この変位の高速な部分は、比較的安定して検出でき
る。しかしながら、被測定物が複数の周波数成分を有す
る振動である場合には、一方向への変位と他方向への変
位は対象形とならず、このため、複数の周波数成分が重
なった振動をしている被測定物については、振動の一周
期での最も高速な位置に基づいて折り返し位置を算出す
ることができない。
【0006】特に、レーザ光のドップラ効果を利用した
振動測定装置は、例えば被測定物に取り付ける加速度ピ
ックアップが行う役割を非接触で行おうとするものであ
るから、被測定物の振動の特徴を良好に測定することが
望ましい。しかしながら、折返し位置を正確に算出また
は検出できないと、変位量をそのまま折り返さない方向
に加算してしまうこととなってしまい、すると、振動を
精度良く測定することができなくなってしまう。
【0007】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する不都合を
改善し、特に、被測定物の各測定箇所での振動の折返し
点を正確に算出して非接触で精度良く測定対象物の振動
を測定することのできる振動測定装置を提供すること
を、その目的とする。本発明はさらに、被測定物に複数
の振動が重畳されている場合であっても、被測定物の振
動の折返し点を良好に算出することができる振動測定装
置を提供することをも、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、被
測定物で反射したレーザ光を観測する光検出手段と、こ
の光検出手段から出力された波形信号を解析すると共に
鋸歯状波を検出する信号処理手段と、この信号処理手段
によって検出された各鋸歯状波の状態に基づいて被測定
物の変位量を算出する演算手段とを備えている。しか
も、演算手段は、鋸歯状波の波長を算出する波長算出部
と、この波長算出部によって算出された各波の波長のう
ち所定のしきい値を越えた波長が現れた部分で被測定物
の変位方向が折返したと判定する折返し判定部とを備え
ている。さらに、この折返し判定部は、波長算出部によ
って算出された波長のうちの最大波長に対する予め定め
られた比率でしきい値に幅を設定するしきい値幅設定機
能を備えた、という構成を採っている。これにより前述
した目的を達成しようとするものである。
【0009】ここで、所定のしきい値というのは、最大
波長に対して例えば50%の長さである。また、最大波
長と最小波長の差を算出し、この差からの比率によって
定めるようにしてもよい。しきい値の幅は、最大波長又
は最大波長と最小波長の差の例えば10%である。
【0010】本発明では、折返し判定部は、まず、鋸歯
状波データの中での最大波長を抽出し、この最大波長に
対する比率でしきい値の幅を設定する。そして、折返し
判定部は、波長算出部によって算出された各波の波長の
うち所定のしきい値を越えた波長が現れた部分で被測定
物の変位方向が折返したと判定する。すなわち、一定以
上の波長では、対象物がゆっくりと変位しているため、
この部分を折り返し点とする。このとき、当該しきい値
に幅を持たせたため、しきい値の幅を超える波長の変化
を抽出する。従って、測定環境、光検出手段、さらに信
号処理手段によって鋸歯状波データに周波数の高い雑音
が加えられていても、この雑音によって折返し点を誤検
出することがない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0012】図1は、本発明による振動測定装置の構成
を示すブロック図である。振動測定装置は、被測定物で
反射したレーザ光を観測する光検出手段2と、この光検
出手段2から出力された波形信号を解析すると共に鋸歯
状波を検出する信号処理手段4と、この信号処理手段4
によって検出された各鋸歯状波の状態に基づいて被測定
物の変位量を算出する演算手段6とを備えている。
【0013】しかも、演算手段6は、鋸歯状波の各波の
波長を算出する波長算出部8と、この波長算出部8によ
って算出された複数の波長に基づいてしきい値を設定す
ると共に当該しきい値を越える波長が現れる時間内で被
測定物の変位方向が折返したと判定する折返し判定部1
2とを備えている。そして、折返し判定部12は、波長
算出部によって算出された複数の波の波長に応じてしき
い値の幅を設定するしきい値幅設定機能12Aを備え
た。
【0014】また、演算手段6は、折返し判定部12に
よって判定された折返し情報(変位方向データ)と、鋸
歯状波の数とに応じて、被測定物の振動をプロットす
る。そして、この振動データを表示部14に表示する。
また、表示を行わずに、振動データを下流の振動解析装
置に出力するようにしても良い。
【0015】演算手段6は、波長算出部によって算出さ
れた複数の波長を平滑化する波長平滑化部を備えるとよ
い。すると、鋸歯状波の波長を算出する時に鋸歯状波に
加えられた高周波成分をノイズとして波長を多く誤検出
した場合であっても、波長の前後から平滑化を行うこと
で、誤検出した波長の影響を低減させることができる。
【0016】光検出手段2は、振動する被測定物1で反
射した光を受光して、光電変換を行い信号処理手段4に
出力する。振動を測定するには、まず、被測定物1を加
振する。すると、被測定物は振動を開始し、図1に示す
ように、被測定物の測定面は、例えば初期位置から符号
1Eで示す二点鎖線の位置を経過しつつ逐次変位する。
そして、振動の折返し点1aに近づくとゆっくり変位
し、例えば符号1で示す実線の符号1aで示す位置にて
一度停止する。ここで変位の方向が折り返され、振動の
中心へ向けて加速しながら変位する。中心を過ぎるとま
た速度が緩やかとなり、折返し点1aで一度停止する。
【0017】振動面の速度vと鋸歯状波周波数fdの関
係は次式(1)に示す如くとなり、式(1)より、振動
速度のレーザ方向成分は式(2)で表すことができる。
よって、鋸歯状波一周期での振動面の移動量はλ/2と
なる。
【0018】
【数1】
【0019】自己混合型レーザドップラ振動測定装置で
は、被測定物の変位量を鋸歯状波の波数で計測する。具
体的には、被測定物がレーザ光の波長λの半分の長さ
(λ/2)分変位すると、鋸歯状波が一波生じる。被測
定物が高速に変位すると鋸歯状波の傾きが鋭くなり波長
が短くなる。一方、低速で変位すると鋸歯状波の傾きが
緩やかとなり波長が長くなる。振動は周期的であるか
ら、振動する被測定物から反射した光の鋸歯状波も周期
的となる。具体的には、被測定物が折返し位置に近い位
置にあるときは低速に変位するため鋸歯状波の波長が長
くなり、一方、被測定物が振動の中心位置に近い場合に
は高速に変位するため鋸歯状波の波長が短くなる。
【0020】本実施形態では、この振動面の位置に応じ
た波長の長さの変化を利用して、折返し位置を判定して
いる。この波長の長さの変化に基づいて折り返し位置を
判定する場合には、次のことが課題となる。すなわち、
被測定物がλ/2変位すると鋸歯状波が一波生じるが、
被測定物がλ/2よりも短い長さ変位し、そして一旦停
止し、さらに逆方向へ変位すると、鋸歯状波は一波分の
振幅を得られない。すなわち、被測定物はλ/2の倍数
で変位するわけではないため、折返し部分での鋸歯状波
の波形は崩れた状態となってしまう。
【0021】そして、この崩れた状態となった鋸歯状波
について一波とカウントするか否か(波長を算出するか
否か)は被測定物の変位量に応じて定まるため、安定し
ない。さらに、鋸歯状波の振幅の中心位置にて波長を算
出する構成では、折返し部分の鋸歯状波の振幅のピーク
がこの通常の鋸歯状波の中心位置前後となってしまう
と、鋸歯状波に加えられている高周波成分のノイズの影
響を受けやすい。ノイズの影響を受けると、被測定物が
変位していないのにかかわらず、短い波長で一波分カウ
ントしてしまう。
【0022】このため、本出願人は比較的安定して抽出
可能な波長の短い部分に着目して折り返し点を抽出する
手法を既に出願している。しかしながら、この波長の短
い部分に着目する手法では、被測定物の振動に複数の周
波数成分が重畳している場合には、被測定物が一方の折
返し点から他方の折返し点に至り、さらに一方の折返し
点に戻るまでの周期は時間軸にて左右対称とならないた
め、複数の周波数成分を有する振動を行う被測定物の振
動データを良好に作成することができなくなる。
【0023】図2又は図6に示すフローチャートはこの
ような課題を解決しようとするものであって、折返し地
点での振幅の小さい鋸歯状波の振る舞いによらず、被測
定物の振動に複数の周波数成分が加えられた場合であっ
ても良好に鋸歯状波から振動波形データを算出しようと
するものである。
【0024】図2に示す例では、まず、光検出手段2
が、被測定物1からの反射光を受光して光電変換する
(ステップS1)。さらに、信号処理手段4は、この鋸
歯状波を増幅し(ステップS2)、これをデジタルデー
タに変換する(ステップS3)。そして、演算手段6
は、まず、デジタルデータである鋸歯状波データの高周
波成分を除去する(ステップS4)。鋸歯状波データ4
Baの一例を図3に示す。
【0025】続いて、波長算出部8は、この鋸歯状波デ
ータから各波の波長を抽出する(ステップS5)。この
波長算出の手法は種々あるが、鋸歯状波データに低周波
数成分が加えられている場合には、鋸歯状波データの振
幅側について包絡線を生成し、この包絡線の中点を波長
算出のための中線としてもよい。また、単純に鋸歯状波
の振幅の中心に中線を生成し、この中線と鋸歯状波が交
わる部分を結んで波長を算出するようにしてもよい。さ
らには、包絡線と鋸歯状波で閉領域を定義し、この面積
が一定値以上のものを一波とし、その後波長を算出する
ようにしてもよい。
【0026】次いで、波長の平滑化を行う(ステップS
6)。これにより、鋸歯状波に加えられたノイズによっ
て波長を誤検出した場合であっても誤検出の影響を折返
し判定処理に及ぼさないようにすることができる。すな
わち、振動は周期的であるから、波長が孤立的に変化す
ることがない。このため、処理対象の波の波長を前後5
つ又は3つ等波の波長の平均に近づける処理などの平滑
化を行うと、孤立的に変化した波長の影響が少なくな
る。
【0027】さらに、複数の波長に応じてしきい値の大
きさと幅を設定する(ステップS7)。例えば、1度の
振動測定の全波長のうち、最大波長と最小波長の差を算
出して、この差の50%をしきい値とする。一方、孤立
的に存在する誤検出した波の波長の影響を除外するため
には、しきい値の幅は最大波長と最小波長の差の10%
前後とするとよい。しきい値に幅を設定すると、又は2
つのしきい値を利用して最大波長の抽出を行うと、最大
波長が抽出された波の近くに孤立的に存在する波長の短
い波の影響を除去することができる。
【0028】次いで、このしきい値を使用して、波長が
しきい値以上の1つの又は連続した波の集合を抽出する
(ステップS8)。そして、この抽出した波の集合の中
心位置を折返し位置と判定する。さらに、折返し点と波
長とに基づいて図3に示す如く振動面変位をプロット
し、これを振動波形データとする(ステップS10)。
【0029】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図4は本実施例による振動測定装置の構成を示
すブロック図である。図4に示すように、本実施例によ
る振動測定装置は、被測定物からの反射光を受光する光
検出手段としてのフォトダイオード2と、このフォトダ
イオードから入力される図5(A)に示す鋸歯状波を増
幅する増幅器4Aと、この増幅器によって増幅された図
5(B)に示す鋸歯状波をデジタルデータに変換するA
/D変換器4Dとを備えている。
【0030】振動測定装置はさらに、図5(B)に示す
鋸歯状波4Aaに基づいて図5(C)に示す振動変位デ
ータ6aを算出する演算装置6と、この振動波形データ
6aを表示する表示装置14とを備えている。演算装置
6は、図1に示した波長算出部等の各部8,10,12
を備えている。ここでは、演算装置6は、コンピュータ
により実現する。コンピュータは、演算を行うCPU
と、このCPUの主記憶となるRAMと、プログラムを
記憶する記憶媒体とを備えている。この記憶媒体は、R
OMや磁気ディスクなどデータを不揮発的に記憶してお
くものであれば、どのようなものでもよい。
【0031】この記憶媒体には予め各種プログラムが格
納されていて、本実施例では特に、鋸歯状波データ4A
aに基づいて振動波形データ6aを演算するための振動
計測用プログラムが格納されている。このプログラムが
順次CPUにより実行されることで、演算装置としての
コンピュータは、上記波長算出部8、波長平滑化部1
0、折返し判定部12として動作する。
【0032】この振動計測用プログラムは、演算装置6
を動作させる指令として、鋸歯状波の波長を各波毎に算
出させる波長算出指令と、この波長算出指令により算出
される複数の波長に基づいてしきい値の大きさおよび幅
を設定するしきい値設定指令と、このしきい値設定指令
によって設定されるしきい値を越える波長の波を抽出さ
せる折返し波抽出指令と、この折返し波長抽出指令によ
って抽出された波の間の中心位置を被測定物の折返し点
と判定させる折返し点判定指令とを備えている。ここ
で、「させる指令」とは、直接CPUを駆動する指令の
みならず、演算装置のオペレーティングシステムなど他
のソフトウエアに依存して当該演算装置を駆動する指令
を含む。上記各指令が演算装置により実行させると、図
2に示したフローチャートが実現される。
【0033】次に、波形の例を参照しながら本実施例に
よる折返し位置の判定処理の詳細を説明する。本実施例
による折返し判定部は、平滑化された波長を時間軸で追
跡してしきい値の幅についての上端を越えた波を折り返
し開始波と決定する第1の決定機能と、この第1の決定
機能で検出された波に続いてしきい値の上端を下回った
波を仮の折返し終了波として1又は2以上決定する第2
の決定機能と、第1の決定機能によって1以上の波が仮
の折返し波として決定された後の波を時間的に追跡して
しきい値の幅についての下端を下回ったときに第2の決
定機能によって検出された仮の波のうち時間軸で最後の
波を折返し終了波と決定する第3の決定機能とを備えて
いる。そして、折返し位置判定部は、折返し開始波と折
返し終了波の中間点を折り返し位置と判定するとよい。
【0034】鋸歯状波のサンプリング周波数が高く、ま
た測定環境が良好でないなどの理由で鋸歯状波に高周波
成分が多く含まれている場合には、演算装置は、上記第
1乃至第3の決定機能と合わせて、波長を平滑化する機
能を備えるようにするとよい。すると、波長の平滑化に
より孤立的に短く存在する波長が無くなる。これによ
り、折返し地点で生ずる孤立的な短い波長の波の波長
を、しきい値の上端を上回らなくともしきい値の下端を
下回らない大きさの波長とすることができ、さらに、し
きい値に上端と下端とを設けたことで折り返し部分の波
の抽出を良好に行うことができる。
【0035】これを図6のフローチャートおよび図7乃
至図11に示す波形図を参照して詳細に説明する。図7
に示すように、ここでは鋸歯状波の振幅の中点に中線を
設定し、鋸歯状波が中線を越えた位置から次に越えた位
置までを一波の鋸歯状波の波長6bとする。図7に示す
例では、波No.1〜3までの波長を鋸歯状波の下に棒
グラフで示す。振動は減衰するため、1度の振動の測定
では鋸歯状波の粗密が徐々に少なくなるデータとなる。
しかし、図7乃至図9では、特徴的な部分を説明するた
め、折返し付近の鋸歯状波のみを示している。
【0036】図7に示す例では、鋸歯状波の折返し点で
はその振幅が中線18に至っていない。すると、折返し
点で長い波長となり、折返し点を良好に検出できる。し
かしながら、図8に示す例では、符号24で示す折返し
部分でわずかに一度中線18を下回ったため、この折返
し点にて波長の短い波No.3が現れる。
【0037】このように折返し点で波長の短い波が現れ
るのは図8に示す場合のみならず、図9に示す鋸歯状波
の場合でも生じる。図9の符号29Aに示す鋸歯状波が
存在すると、この折り返し地点での波長は符号29Bに
示す様に第2のしきい値を下回ってしまう。このため、
本実施例では波長の平滑化を行っている。すると、符号
29Cで示すように左右の波長に引き上げられるように
孤立的に小さくなってしまったNo.3の波長が大きく
なり、しきい値の下端22を下回ることがない。この平
滑化は、波長の大きさについて前後の波長の大きさに基
づいて平滑化を行なってもよいし、また、波長の変化を
グラフにプロットして、時間的な平滑化を行なうように
してもよい。例えば図10に示す例では、折り返し付近
の波形に高周波成分が加えられえいて、ノイズの波長N
o.3〜5が生じてしまっている。しかし、これらの波
長の変化をグラフにして、これを時間的に平滑化する
と、このノイズの波長No.3〜5は極めて短時間に生
じているため、一定時間ごとの値を平滑化すると、図1
0に示すようにノイズの波長部分の値はしきい値の下端
22を下回らなくなる。
【0038】次に、しきい値の幅と折返し位置の判定処
理の関係を図11を参照して説明する。図11は鋸歯状
波の波長をグラフにしたものであり、実際には離散的な
値である。図11(A)は、波長の周期が良好な状態を
示している。すなわち、波長が短い部分と長い部分とが
周期的に現れている。
【0039】図6を参照すると、まず、処理対象の波の
波長がしきい値の上端20を越えたか否かを検出する
(ステップS21)。そして、当該処理対象の波が最後
の波でなければ(ステップS22,ノー)、次の波を選
択する(ステップS23)。この処理を繰り返すと、図
10(A)の符号30aで示す波を抽出する。そして、
この符号30aで示す波の番号を折返し開始波として記
憶する(ステップS24)。次いで、次の波を選択する
(ステップS25)。
【0040】一旦しきい値の上端20を越えると、次は
波長がしきい値の上端を横切って下に至ったか否かを検
出する(ステップS26)。波長がしきい値の上端を横
切らずにしきい値の下端を下回ることはないため、この
処理は繰り返される。すると、図10(A)の符号30
bで示す波を抽出する。そして、ステップS26でイエ
スとなり、この波の番号を仮の折返し終了なみとして波
番号を記憶する(ステップS27)。この段階では、折
返し終了波は確定していない。
【0041】次いで、当該波について波長がしきい値の
下端22を下回ったか否かを判定する(ステップS2
8)。図11(A)に示す符号30bの波は該当しない
ため、ステップS25に処理を戻す。図11(A)に示
す例では、順次次の波を選択していくと、符号30cで
示す波の波長がしきい値の下端を下回る。従って、ステ
ップS28でイエスとなる。すると、今まで仮に記録し
た折返し終了波のうち、最後の波を折返し終了波として
確定する。図11(A)に示す例では、符号30bに示
す波が折返し終了波となる。折返し終了波が確定する
と、処理をステップS21に戻す。
【0042】演算装置は続けて、符号30dを折返し開
始波、符号30eを折返し終了波として検出する。この
ようにして折返し点を含む波の集合を抽出すると(図2
のステップS8)、次に波の集合の中心を折返し点に検
定する(ステップS9)。すなわち、図11(A)に示
す例では、例えば符号30aに示す波と符号30bに示
す波の中点を折返し点30gとする。
【0043】図11(B)に示す例では、折返し付近で
波長の短い波が存在している。この図11(B)に示す
例に対して図6に示すフローチャートを適用すると、ス
テップS27にて符号31bを検出したのち、波長がし
きい値の下端22を下回る前に、符号31cで示す波で
再度波長がしきい値の上端20を横切っている。する
と、ステップS26でイエスとなり、この符号31で示
す波の番号を仮の折返し波として記憶する。さらに、符
号31dで示す波に至るとステップS28でイエスとな
る。この場合、符号31bに示す波ではなく、最後に現
れた符号31cで示す波を折返し終了波に設定する。こ
のように、しきい値の下端を被測定物の1つの折返しが
終了したことの判定用に使用するため、折返し付近にて
波長の短い波が存在しても、折返し地点を良好かつ精度
良く判定することができる。
【0044】再度図7を参照すると、図7に示す鋸歯状
波の場合には図11(A)に示すのと同様な処理により
折り返し点を判定できる。図8に示す例では、図11
(B)と同様に仮の折返し点がNo.2に示す波となる
が、No.3の波長はしきい値の下端22を下回らない
ため、図示しないNo.5以降の波が折返し終了波とな
る。図9および図10に示す場合も同様となる。
【0045】上述したように本実施例では、データ全体
の鋸歯状波の波長を一括して比較し、波長の大きさだけ
を要因とした簡単な処理で折返し点の算出を行うため、
図11に示すように被測定物の振動が複数の周波数成分
を有する場合であっても、折返し点を良好に判定するこ
とができる。特に、符号33aおよび符号33bで示す
ように振動変位の周期が一定でなく統計的処理が困難な
場合であっても、良好に折返し点を判定することができ
る。
【0046】そして、しきい値の状態を最大波長と最小
波長の差の50%前後とすると、図11の符号34aお
よび34cに示すように、被測定物の振動が複数の周波
数成分を有する場合であっても、この50%前後では左
右対称となるため、50%を越えた波を折返し開始波お
よび50%を下回った波を折り返し終了波として両者の
中点を折返し位置とすると、図12に示すように精度良
く良好に折返し位置を判定することができる。
【0047】さらに、波長の大きいエリアと小さいエリ
アを区別するためのしきい値に幅を持たせることで、特
に、しきい値の下端を被測定物の1つの折返し動作の終
了の判定に使用するため、折返し近傍の鋸歯状波が崩れ
たりノイズが加えられていてもこれらの悪影響を除去し
て精度良く折り返し位置の判定を行うことができる。そ
して、必要に応じて鋸歯状波の波長分布に平滑処理を加
えることで、孤立的に存在する波の波長を前後の波の波
長に応じて平滑化することができ、従って、折返し付近
の孤立的な短い波長の波の波長をしきい値の下端を越え
る程度に補正することができ、これにより、さらに折返
し点算出の精度を向上させることができる。
【0048】このように、本実施例によると、単振動の
変位算出において、正規分布に近い分布で無い場合で
も、折返し点を算出することができる。そして、波長の
大きさでの判断であるため、鋸歯状波の波長分布のパタ
ーンによらず、複数の振動が重なった場合の変位算でも
折返し点を算出することができる。さらに、比較的軽い
プログラムであり、記憶容量や算出時間が少なくて済
む。そして、レーザ光を使用して被測定物の振動を計測
することができるため、加速度ピックアップと比較し
て、対象物が軽量であっても、また対象物が高温であっ
ても使用することができる。すなわち、加速度ピックア
ップは接触式であるため、対象物が軽量であると加速度
ピックアップ自体の重さで振動が変化してしまい、ま
た、対象物が高温であると接着できないが、本実施例に
よる振動計測装置は非接触であるためこのような不都合
が生じない。
【0049】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、折返し判定部が、鋸歯状波データ
の中での最大波長を抽出して当該最大波長に対する比率
でしきい値の幅を設定し、折返し判定部が、波長算出部
によって算出された各波の波長のうち所定のしきい値を
越えた波長が現れた部分で被測定物の変位方向が折返し
たと判定するため、折返し点では変位が少なく鋸歯状波
の一波の波長が長くなることを利用して、被測定物の変
位が折り返した位置を判定することができ、特に、個々
の波長に着目して折り返し点を判定するため、被測定物
の振動に複数の周波数成分が加えられていて振動の周期
が一定で無くとも、良好に折り返し点を判定することが
できる。本発明ではさらに、折返し点とするしきい値に
幅を持たせたため、しきい値の幅を超える波長の変化を
抽出することとなり、従って、測定環境、光検出手段、
さらに信号処理手段によって鋸歯状波データに周波数の
高い雑音が加えられていても、この雑音によって折返し
点を誤検出することがなく、これにより、被測定物の各
測定箇所での振動の折返し点を正確に算出して非接触で
精度良く測定対象物の振動を測定することのできるとい
う従来にない優れた振動測定装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1に示した構成での処理例を示すフローチャ
ートである。
【図3】図2に示すフローチャートで使用する鋸歯状波
データと振動波形との関係を示すグラフ図である。
【図4】本発明の一実施例のハードウエア資源の構成を
示すブロック図である。
【図5】図4に示す各部が出力する信号又はデータの例
を示す波形図であり、図5(A)は光検出手段の出力を
示す図で、図5(B)は増幅された鋸歯状波を示す図
で、図5(C)は振動変位データの一例を示す図であ
る。
【図6】本実施例による折返し判定処理の詳細を示すフ
ローチャートである。
【図7】折返し付近の鋸歯状波が中線を越えない場合の
例を示すグラフ図である。
【図8】折返し付近の鋸歯状波が中線を越えた場合の例
を示すグラフ図である。
【図9】折返し付近の鋸歯状波が中線を越えた場合の例
と平滑処理した波長とを示すグラフ図である。
【図10】折返し付近の鋸歯状波に高周波成分が重なっ
た場合の例と平滑処理した波長とを示すグラフ図であ
る。
【図11】図6に示す処理の具体例を示すグラフ図であ
り、図11(A)は折返し付近で最も波長が大きくなる
例を示す図で、図11(B)は折返し付近で短い波長の
波が存在した場合の例を示す図である。
【図12】2つの周波数を混合した振動をする被測定物
の振動を測定した振動波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 被測定物 2 光検出手段 4 信号処理手段 6 演算手段 8 波長算出部 10 波長平滑化部 12 折返し判定部 14 振動波形表示部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物で反射したレーザ光を観測する
    光検出手段と、この光検出手段から出力された波形信号
    を解析すると共に鋸歯状波を検出する信号処理手段と、
    この信号処理手段によって検出された各鋸歯状波の状態
    に基づいて前記被測定物の変位量を算出する演算手段と
    を備え、 前記演算手段は、前記鋸歯状波の各波の波長を算出する
    波長算出部と、この波長算出部によって算出された複数
    の波長に基づいてしきい値を設定すると共に当該しきい
    値を越える波長が現れる時間内で前記被測定物の変位方
    向が折返したと判定する折返し判定部とを備え、 この折返し判定部は、前記波長算出部によって算出され
    た複数の波の波長に応じて前記しきい値の幅を設定する
    しきい値幅設定機能を備えたことを特徴とする振動測定
    装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段が、前記波長算出部によっ
    て算出された複数の波長を平滑化する波長平滑化部を備
    えたことを特徴とする請求項1記載の振動測定装置。
  3. 【請求項3】 前記折返し判定部は、前記平滑化された
    波長を時間軸で追跡して前記しきい値の幅についての上
    端を越えた波を折り返し開始波と決定する第1の決定機
    能と、この第1の決定機能で検出された波に続いて前記
    しきい値の上端を下回った波を仮の折返し終了波として
    1又は2以上決定する第2の決定機能と、前記第1の決
    定機能によって1以上の波が仮の折返し波として決定さ
    れた後の波を時間的に追跡して前記しきい値の幅につい
    ての下端を下回ったときに前記第2の決定機能によって
    検出された仮の波のうち時間軸で最後の波を折返し終了
    波と決定する第3の決定機能とを備えたことを特徴とす
    る請求項2記載の振動測定装置。
  4. 【請求項4】 演算装置を使用して被測定物の変位に応
    じて変化する鋸歯状波データを解析すると共に当該被測
    定物の振動を計測する振動計測用プログラムを記憶した
    記憶媒体であって、 前記振動計測用プログラムは前記演算装置を動作させる
    指令として、鋸歯状波の波長を各波毎に算出させる波長
    算出指令と、この波長算出指令により算出される複数の
    波長に基づいてしきい値の大きさおよび幅を設定するし
    きい値設定指令と、このしきい値設定指令によって設定
    されるしきい値を越える波長の波を抽出させる折返し波
    抽出指令と、この折返し波長抽出指令によって抽出され
    た波の間の中心位置を前記被測定物の折返し点と判定さ
    せる折返し点判定指令とを備えたことを特徴とする振動
    計測用プログラムを記憶した記憶媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113432698A (zh) * 2021-05-07 2021-09-24 宁波职业技术学院 一种用于智能激光测振仪的位置调节机构
CN113465720A (zh) * 2021-05-17 2021-10-01 宁波职业技术学院 一种用于显微激光测振仪的便于固定物件的载物机构

Cited By (4)

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CN113432698A (zh) * 2021-05-07 2021-09-24 宁波职业技术学院 一种用于智能激光测振仪的位置调节机构
CN113432698B (zh) * 2021-05-07 2023-11-10 宁波职业技术学院 一种用于智能激光测振仪的位置调节机构
CN113465720A (zh) * 2021-05-17 2021-10-01 宁波职业技术学院 一种用于显微激光测振仪的便于固定物件的载物机构
CN113465720B (zh) * 2021-05-17 2023-11-14 宁波职业技术学院 一种用于显微激光测振仪的便于固定物件的载物机构

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