JP3584758B2 - 振動を計測する方法および装置 - Google Patents

振動を計測する方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動を計測する方法および装置に係り、特に、レーザ光のドップラ効果を利用して測定対象物の振動の状態を計測する方法および装置に関する。
【0002】
この振動測定装置は、自動車の製造技術などの実験解析分野に応用できる。具体的には、エンジンの振動解析、車体伝搬振動解析、車室内騒音解析、さらにマフラの振動解析などである。その他の製造分野での応用は多岐に渡るが、非接触で極小領域の振動を精密に測定できるため、例えばドリルなどの工具破損検出などに好適に用いられる。さらに、モータを使ったプラントの振動の検出や、水道管、ガス管の漏れ診断などの保守に用いることもできる。さらに、西瓜等の大型果実の打音による糖度の判定など、農業分野にも応用可能である。ここで、「測定対象物」というときには、これらエンジンから西瓜まで振動測定の対象となる物体をいう。
【0003】
【従来の技術】
従来、測定対象物の振動の状態を解析するには、測定対象物に加速度ピックアップを取り付けて、測定対象物を打撃するなどして振動させ、加速度ピックアップの出力を分析するようにしていた。しかし、加速度ピックアップの場合、測定対象物と接触するため、測定対象物が微小である場合や、高温である場合には振動の測定を行うことができない。また、接触式であると、測定対象物の振動に影響を及ぼしてしまう。
【0004】
非接触に振動を計測する方法として、レーザを使ってドップラ効果により振動を測定する装置がある。例えば、特開平10−9943号公報にて開示した例では、レーザ光を発振し測定対象物に照射し、反射光と発振光を混合させることで、振動により発生し反射光に含まれたドップラ周波数を検出し、振動周波数を測定する。
【0005】
自己混合方式を除き全ての振動計は、発振光と反射光との混合を、高級な光学素子を使い外部で行うため、素子を配置するためのスペースが必要であり、装置も高価になり質量も重くなってしまう。これに対して自己混合方式では、発振光と反射光との混合をレーザ共振器(レーザダイオード)にて行なうため、光学素子を殆ど必要とせず安価・小型・軽量にドップラ周波数を検出でき振動周波数を測定できる。
【0006】
自己混合方式で発生したビート波から振動情報を検出する手法として、ビート波をカウントして振動変位に換算し振動情報を得る方法、ビート波を微分した振動速度情報から振動面の進行方向反転を判定し振動変位の方向を得る方法などが提案されてきた。これらは、振動面の進行方向が反転する間に生じた、いくつかのビート波を計測することにより処理を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、ビート波の抽出処理や計数処理が必要となり、処理が複雑となってしまう、という不都合があった。さらに、ビート波をカウントする手法では、測定対象物の変位をレーザ光の波長λの半分を単位として算出するため、λ/2未満の長さで変位する測定対象物の振動の状態を知ることができない、という不都合があった。
【0008】
また、従来例では、振動の状態を知るために変位量を算出する手法であるため、多数の計数処理が必要となり、リアルタイムでの異常振動の計測などへ応用するための応答速度の確保が難しい、という不都合があった。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、係る従来例の有する不都合を改善し、特に、単純な処理で測定対象物の振動の状態を判定することのできる振動計測方法および装置を提供することを、その目的とする。本発明はまた、λ/2未満の長さで変位する測定対象物の振動の状態を高速に測定することのできる振動計測方法および装置を提供することを、その目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者は、実験により、測定対象物の変位がλ/2を下回ったときの波形を観測した。すると、一周期に満たない鋸歯状波が現れる。測定対象物の振動振幅が、λ/2より大きい場合、自己混合方式では、ビート波が1波生じる毎にλ/2変位したと考えることができる。測定対象の振動振幅がλ/2より小さい場合、振動面の移動によって変化する光路長がλに満たないため、発振光と反射光の位相関係が最初の状態から360゜以上ずれることがない。結果、発振光と反射光が混合され生じたビート波が、鋸歯状波として1周期現れることはなくなり、一部欠けた波形となる。
振動面の進行方向が変わることにより、発振光に対し進んでいた反射光の位相が遅れるため、進行方向が変わった時間を中心に前記波形が対称的に連なる波形となり、あたかもアルファベットのM(またはW)のように見える。よって、この時の波形をM字状態の波形と呼ぶ。
更に振動振幅が小さくなると、レーザの光路長変化が少なくなり、位相関係のずれも少なくなる。したがって、ビート波に現れる鋸歯状波の部分も少なくなる。これが鋸歯状波の傾き部分である場合、振動面の進行方向が変わった時間を中心に対称的な波形で連なるため、正弦波の様なビート波となる。この状態の波形をS字状態の波形という。
S字状態のビート波では、周期がまさに振動の周期を表している。また、ビート波の振幅は、反射光量、そして鋸歯状波の現れる部分と割合に依存する。反射光量が一定の時、鋸歯状波の部分的に現れる範囲が狭くなるほど、波高値は小さくなる。部分的に現れる範囲は、振動面の移動によって変化した光路長によるものであり、S字状態の波形振幅は測定対称の振動振幅に比例している。
本明細書では、ビート波について、ビート波の上端(上方極点)から下端(下方極点)までのピークからピークまでの物理量と、振動の極点(振動の折り返し点)で生ずる一方の極点から中心へ向かい、再度一方の極点へ至る波のピークからピークまでの物理量を振幅という。従って、通常の正弦波にて波高というものを、ここでは振幅ということがある。
【0011】
本発明は、レーザ共振器で発振するレーザ光を測定対象物に照射する照射工程と、この照射工程によって照射されたレーザ光の戻り光を受光する受光工程と、この受光工程で受光し共振器内で発信したレーザ光と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換工程と、この光電変換工程で変換されて出力されるビート波の波形の状態を解析する信号処理工程とを備えている。しかも、信号処理工程は、ビート波の周波数を分析する周波数分析工程と、この周波数分析工程で分析された周波数のうちピークとして現れる周波数を抽出するピーク周波数抽出工程と、このピーク周波数抽出工程で抽出された周波数のうち最も低い周波数を測定対象物の基本振動周波数と判定する判定工程とを備えた、という構成を採っている。これにより前述した目的を達成しようとするものである。
【0012】
本発明では、周波数分析工程にて、自己混合により生じたビート波を周波数分析する。そして、ピーク周波数抽出工程では、ビート波の周波数成分のうちピークとして現れる周波数成分を抽出する。次いで、判定工程では、複数のピークのうち、最も低い周波数成分を、測定対象物の基本振動周波数と判定する。測定対象物の振動振幅がλ/2以上の場合には、測定対象物の折返しに相当する部分のビート波の周期が長くなる。この折返しから折返しまでの周波数が測定対象物の基本振動周波数であり、最も低い周波数である。また、測定対象物の振動振幅がλ/2以下で約λ/4以上の場合にも、測定対象物の振動の周期に応じてビート波の波形が鏡像的に現れるため、ビート波の一番長い周期が測定対象物の基本振動周波数となる。さらに、約λ/4未満でS字状態の波形での場合には、このS字状態の波形は測定対象物の振動をそのまま表しているため、このS字状態の波形を周波数分析するとその最も低い周波数は測定対象物の基本振動周波数となる。このように、測定対象物の振動振幅によらず、周波数分析により測定対象物の振動の状態を測定する。
【0013】
望ましい実施形態では、ビート波に低周波数成分のノイズが重畳することを考慮して、ビート波のうち低周波数成分を除去するフィルタ処理を行った後に周波数分析を行うようにしてもよい。また、周波数分析した後に、目的の周波数よりも低いピークについては測定対象から除去する処理を加えるようにしても良い。
【0014】
このような振動の計測方法は、測定対象物の異常の検出に応用することができる。この場合、測定対象物の正常時での基本振動周波数を記憶しておき、この予め定められた値と、測定した基本振動周波数とを比較することで振動状態の変化を検出し、その変化が大きい場合には測定対象物に異常が発生したと判定する。また、このような異常の検出処理のために比較する値は、基本振動周波数のみならず、例えば、基本振動周波数と当該基本振動周波数の高調波となっている周波数のピークとの周波数の比率でもよい。
【0015】
また、本発明では、測定対象物の振動の周波数を利用するものとして、信号処理工程は、ビート波のうち予め定められた帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ工程と、このフィルタ工程を通過したビート波の周波数の高低の変化を信号の強弱の変化に変換する変換工程と、この変換工程によって生成された信号波形の一波は測定対象物の振動周期の半周期での速度変化と判定する判定工程とを備えた、という構成を採っている。ここでは、ビート波をF−V変換することで、速度の変化を表す波形を生成する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態の構成を示すフローチャートである。本実施形態による振動計測方法は、レーザ共振器で発振するレーザ光を測定対象物に照射する照射工程D1と、この照射工程D1によって照射されたレーザ光の戻り光を受光する受光工程D2と、この受光工程D2で受光し共振器内で発信したレーザ光と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換工程D3と、この光電変換工程D3で変換されて出力されるビート波の波形の状態を解析する信号処理工程とを備えている。
【0017】
望ましい実施形態では、信号処理工程は、ビート波のうち予め定められた帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ工程D4と、このフィルタ工程で通過したビート波を周波数分析用に一定期間ごとに区分する区分工程D5とを前処理として備えるとよい。
【0018】
そして、信号処理工程は、ビート波の周波数を分析する周波数分析工程D6と、この周波数分析工程D6で分析された周波数のうちピークとして現れる周波数を抽出するピーク周波数抽出工程D7と、このピーク周波数抽出工程D7で抽出された周波数のうち最も低い周波数を測定対象物の基本振動周波数と判定する判定工程D8とを備えている。
【0019】
次に、このような原理を利用して測定対象物の振動計測装置の実施形態を説明する。図2に示すように、振動計測装置は、測定対象物1から反射したレーザ光を観測する光検出手段2と、この光検出手段2から出力された波形信号を解析すると共にビート波を検出するビート波検出手段8と、ビート波のうち予め定められた帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ手段13と、このフィルタ手段13を通過したビート波を対称に周波数分析する周波数分析手段58と、この周波数分析手段58が出力する周波数スペクトルに基づいて測定対象物の振動の状態を解析する解析手段60とを備えている。しかも、解析手段60は、周波数スペクトルのピークとなる各成分のうち最も低いピークの周波数を測定対象物の基本周波数と判定する判定部を備えている。
【0020】
図2に示す例では、この周波数分析手段58および解析手段60は、演算装置14で実現している。演算装置は、ワークステーション、マイクロプロセッサ又はパーソナルコンピュータなどであり、主記憶装置やCPUなどを備える。周波数を分析するためのプログラムがこのCPUで実行されると、演算装置14は周波数分析手段58として動作する。また、演算装置14によらず、論理回路や、FFTアナライザーなどにより実現してもよい。
【0021】
図3は図2に示した光検出手段2の構成例を示す。光検出手段2は、レーザ光を出力するレーザダイオード4と、このレーザダイオード4の共振器内で発振光と戻り光とが自己混合した光を受光するフォトダイオード6とを備えている。また、レーザダイオードの共振器4によって発振されたレーザ光は、レンズ5で集光されて測定対象物に照射される。
【0022】
図4に振動変位とビート波の関係を示す。図4に示すように、振動変位がλ/2を越えると、鋸歯状波が一波生じる。振動変位が小さくなり、約λ/4未満となると、図4の右側に示すように、ビート波は測定対象物の振動の状態をそのまま表す波形となる。図4のビート波のうち左側と中央をM字状態と呼び、右側の状態をS字状態と呼ぶ。
【0023】
自己混合方式で反射光に含まれるドップラ周波数成分をビート波として検出すると、図5の様な波形になる。この時、ドップラ周波数fdと振動面の移動速度vとの関係は次式1の関係である。そして、式(1)より、振動速度のレーザ方向成分は式(2)で表すことができる。よって、鋸歯状波一周期での振動面の移動量はλ/2となる。また、振動面がλ/2移動したときに、鋸歯状波1波発生すると考えることが出来る。
【0024】
【数1】
Figure 0003584758
【0025】
ビート波の波数をカウントすることにより、振動面の変位、振動速度、振動加速度が求まる。しかしながら、振動面の進行方向が反転するとき、一定の形にならないため検出することは困難であった。簡単に振動周波数を算出するには、この振動面の進行方向反転時を知る必要があり、この検出が自己混合方式による振動測定には不可欠であった。
【0026】
鋸歯状波から振動面の進行方向反転時を検出する方法として、鋸歯状波波長をそれぞれ算出してその波長分布から検出する方法、鋸歯状波を微分し波形の傾き情報から検出する方法などがある。しかし、いずれも進行方向が反転する間に多くの鋸歯状波が存在していることが前提であり、鋸歯状波が少ない場合に振動面の進行方向反転時を検出することが難しかった。振動面の変位量が少なくなると、振動面の進行方向が反転する間に現れる鋸歯状波が少なくなる。さらに、振動変位がλ/2以下になると、従来提案していた内容では進行方向反転時の判断が困難となった。
【0027】
図6乃至図8は、振動変位がλ/2以下となり、鋸歯状波が一波生じなくなった例を示す。図6および図8に示すように、振動変位がλ/2以下となるとビート波は様々な形状になり、進行方向反転時の判断をすることが困難となる。本実施形態では、このような図6乃至図8に示すM字状態のビート波であっても、また、図5に示すようなM字状態のビート波であっても、また、S字状態のビート波であっても、進行方向反転時を探索する処理を行わずに振動の特徴を検出するものである。
【0028】
振動変位が2μm以上ある場合、図5の様に鋸歯状と異なる形の部分が振動面の進行方向反転時であると容易に判定することができる。しかし、振動変位がλ/2より小さくなってくると、図6乃至図8のように複雑な波形になる。
【0029】
図9乃至図11はこれら振動変位がλ/2よりも小さい場合のM字状態のビート波をタイプ別に分類すると共に、その書くタイプのビート波を周波数分析した周波数スペクトルの例を示す図である。
【0030】
変位がλ/2より小さいM字状波の場合、鋸歯状波から抽出される範囲によって観測されるビート波形は大きく3つに分類される。図9に示す小さな波形がピークに生じるタイプ(タイプ1)と、図10に示すピークに波形が殆ど生じず1振動周期にビート波が1波現れるタイプ(タイプ2)と、図11に示す1振動周期にビート波が2波現れるタイプ(タイプ3)とに分類できる。これは、それぞれ鋸歯状波の中から抽出される波形範囲が異なり、抽出された後鏡像的に波形を構成しているためである。これらを周波数分析すると、タイプ1では振動周波数f1、タイプ2では振動周波数f2、タイプ3では周波数f2が主に観測される。
【0031】
タイプ3の場合、出現する波形は鋸歯状波であるので、波形的あるいはf2の高調波成分を検出することによって、タイプ3のビート波である事を識別し得られた周波数(f2)を1/2して振動周波数を求めることができる。タイプ3でない場合、タイプ1あるいは2であるので、得られた周波数の中で最も低い周波数(f1)を検出し振動周波数として求めることができる。
【0032】
現実的に複振動であることが多いので、タイプ1、2、3の波形が混在している。(図8)従って、λ/2未満の変位量のときのビート波を周波数分析したとき主に観測された周波数の中から最も低い周波数(f1)を振動周波数として求めることができる。
【0033】
また、振動状態の変化をf1、f2など周波数の比率を把握することにより検出することができる。この場合、判定工程は、基本振動周波数と当該基本振動周波数の高調波となっている周波数のピークとの比率を測定対象物の振動の特徴を表す値として算出する工程を備える。このf1とf2との比率を算出することにより、ビート波の変化である測定対象物の振動の状態の変化を測定対象物の変位量によらず的確に表すことができる。
【0034】
λ/2より大きい振動体に対して発生したビート波を周波数分析して振動状態を観測する方法として、次の方法も有効である。反射光量が適量の場合には鋸歯状波がSN良く観測され、振動面の進行方向が反転する間に現れる複数の鋸歯状波の周波数成分が、基本周波数と共に、2次、3次の高調波が拡がりをもって現れる。そして、基本周波数、2次、3次の順に波形において占める割合が小さくなるため、階段状の周波数分布となる。このとき、基本周波数群(拡った周波数群の内の最も低い周波数群)において、最低の周波数は振動周波数を現わし、最高の周波数は振動面の最速移動時のドップラ周波数を現わしている。従って、最低の周波数を測定することにより振動周期を、最高の周波数を測定することにより振動速度や加速度を検出できる。
【0035】
この場合、判定工程は、ピーク周波数抽出工程で抽出された周波数のうち最高の周波数を測定対象物の最高速移動時のドップラ周波数と判定する工程を備えるとよい。また、判定工程は、ドップラ周波数に基づいて測定対象物の最高速移動時の振動速度又は加速度を算出する工程を備えるとよい。
【0036】
S字状態のビート波の場合には、鋸歯状波の抽出される範囲が狭くなるため、比較的波形はシンプルになり、ビート波の周期を(複雑な処理無しで)波形や周波数解析により求めることができ、振動状態を知ることができる。F−V変換した後に、解析して求めてもよい。
【0037】
図12乃至図15に種々のタイプのビート波とその周波数スペクトルを示す。図12に示す例では、タイプ2のビート波に低周波数成分が重畳している。この場合、図12(B)に示すように、周波数のピークとしてf0とf1とが現れている。このうち、f0が測定対象物の基本振動周波数である。図13に示す例では、タイプ1のビート波に低周波数成分が重畳している。この場合、図13(B)に示すピークf1が測定対象物の基本振動周波数である。
【0038】
図14は測定対象物の振動がλ/2より大きい変位量で振動する場合のM字状態のビート波の拡大図であり、この場合であっても、測定対象物の基本振動周波数はf1に現れる。すなわち、図14(A)に拡大して示した折返し部分の周期が図14(B)のピークf1の周波数となる。これは、図15に示すM字状波であっても同様である。
【0039】
図12乃至図15に示すように、実際の測定では測定対象物や低周波数成分がピークとして現れる。このため、ビート波の低周波成分をフィルタ処理により取り除いてから周波数分析するようにするとよい。また、周波数スペクトルのうち、予め定められた周波数よりも低い周波数のスペクトルを削除するようにしてもよい。
【0040】
上述したように第1の実施形態によると、測定対象物の振動の特徴を表す情報を測定対象物の変位量にかかわらず一定の手法で得ることができ、特に、ビート波のうち測定対象外の低域を遮断し、さらに周波数スペクトルのピークのうち最も低い周波数を測定対象物の基本振動周波数と判定するため、測定対象物の振動の状態を良好に示す特徴値を比較的単純な構成で得ることができる。本実施形態ではまた、ビート波の周波数スペクトルのピークのうち最も低い周波数成分とその次に低い周波数成分の比率を測定対象物の振動の特徴値とする。すると、ビート波の状態の変化を良好に表す値を得ることができる。
【0041】
<第2の実施形態>
図16は本発明の第2の実施形態による振動計測方法の構成を示すフローチャートである。図16に示すように、本実施形態による振動計測方法は、レーザ共振器で発振するレーザ光を測定対象物に照射する照射工程E1と、この照射工程E1によって照射されたレーザ光の戻り光を受光する受光工程E2と、この受光工程E2で受光し共振器内で発信したレーザ光と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換工程E3と、この光電変換工程E3で変換されて出力されるビート波の波形の状態を解析する信号処理工程とを備えている。
【0042】
そして、信号処理工程は、ビート波のうち予め定められた帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ工程E4と、このフィルタ工程E4を通過したビート波の周波数の高低の変化を信号の強弱の変化に変換する変換工程E5と、この変換工程E5によって生成された信号波形の一波は測定対象物の振動周期の半周期での速度変化と判定し又は出力する判定工程E6とを備えている。
【0043】
図17は図16に示したF−V変換工程E5の詳細処理を示すフローチャートである。ビート波が入力され(E10)、フィルタ処理を行った後(E11)、予め定められたしきい値電圧Vrefと、入力されたビート波の電圧とを比較する(E12)。ビート波の電圧値がしきい値を越え、または下回るときを基準に方形波を作成する(E13)。このビート波と方形波の関係を図18に示す。図18に示すように、方形波の間隔は、ビート波の周期を表す。次いで、この方形波のサイクルに合わせて電流出力する(E14)。これにより、ビート波の周期の変化を電流値の変化に変換される。その後、平滑処理を行い(E15)、さらに電流を電圧へ変換する。これにより、ビート波の鋸歯状波の波長の変化に応じた信号を生成することができる。この信号は、測定対象物の速度の変化を表す。
【0044】
このとき、振動面の移動方向(速度方向)が異なっていても、観測される周波数の範囲は変わりなく、移動の往路と復路で同様に周波数が推移する。例を挙げれば、振動体が単振動をしていた場合、ビート波の周波数を電圧に変換した波形(速度変化波形)を観測すると、1振動周期に対し1/2の周期を保つ。従って速度変化波形から振動周波数等を計測するためには、次の方法が考えられる。
【0045】
・速度変化波形を周波数分析し、得られた周波数を1/2し振動周波数を得る。
・速度変化波形の1周期ごとに符号を反転させ(もしくは、任意の電圧軸に対して対象になるように波形を反転させる)、速度変化波形2周期で1周期の振動波形に整形する。そして、この周波数や振幅を測定することによって振動状態を観測できる。
【0046】
また、この波形を微分することにより加速度、積分することにより変位を計測できるため、振動に伴うパワーや振動振幅との振動状態測定が可能となる。1周期ごとに速度変化波形の符号を反転させる方法の例としては、速度変化波形がある任意の電圧レベル(通常、速度がないときに対応する電圧レベル)を横切るとき、トグル回路によって電圧レベルを反転させる方法、ビート波の中で鋸歯状波の傾きを識別することによって、速度変化波形の任意の場所(通常ボトムの部分)に対応する箇所で速度変化波形の符号を反転させる方法で実現できる。これらの方法は、デジタル信号化して同様な方法で実現することも可能である。また、速度変化波形をそのまま(あるいは周波数分析で)観測することによって、振動状態に変化があったことを知ることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、周波数分析工程にて、自己混合により生じたビート波を周波数分析し、判定工程にて、周波数スペクトルに現れるピークのうち最も低い周波数成分を測定対象物の基本振動周波数と判定するため、測定対象物の振動振幅がλ/2以上であってもλ/2未満であっても、測定対象物の振動の特徴である基本振動周波数を計測することができ、従って、測定対象物の固有振動数の変化を比較的単純な構成で測定することができ、このため、例えば異常の検出などの処理を応答性良くかつ小型の装置にて実現することができるという従来にない優れた振動を計測する方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の構成を示すフローチャートである。
【図2】本発明による振動計測装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した光検出手段の詳細旺盛を示す説明図である。
【図4】測定対象物の振動変位とビート波の関係を示す波形図であり、図4(A)は振動変位の例を示す図で、図4(B)は図4(A)に示したそれぞれの振動変位に対応するビート波の状態を示す図である。
【図5】鋸歯状波となるビート波の一例を示す波形図である。
【図6】測定対象物の変位がλ/2未満となり鋸歯状波が生じなくなった場合のビート波の第1の例を示す波形図である。
【図7】測定対象物の変位がλ/2未満となり鋸歯状波が生じなくなった場合のビート波の第2の例を示す波形図である。
【図8】測定対象物の変位がλ/2未満となり鋸歯状波が生じなくなった場合のビート波の第3の例を示す波形図である。
【図9】タイプ1のビート波とその周波数スペクトルの一例を示す図であり、図9(A)はビート波の例を示す波形図で、図9(B)はその周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図10】タイプ2のビート波とその周波数スペクトルの一例を示す図であり、図10(A)はビート波の例を示す波形図で、図10(B)はその周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図11】タイプ3のビート波とその周波数スペクトルの一例を示す図であり、図11(A)はビート波の例を示す波形図で、図11(B)はその周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図12】タイプ2のビート波に低周波成分が重畳したビート波とその周波数スペクトルの一例を示す図であり、図12(A)はビート波の例を示す波形図で、図12(B)はその周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図13】タイプ1のビート波に低周波成分が重畳したビート波とその周波数スペクトルの一例を示す図であり、図13(A)はビート波の例を示す波形図で、図13(B)はその周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図14】M字状態のビート波とその周波数スペクトルの第1の例を示す図であり、図14(A)はビート波の例を示す波形図で、図14(B)はその周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図15】M字状態のビート波とその周波数スペクトルの第2の例を示す図であり、図15(A)はビート波の例を示す波形図で、図15(B)はその周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図16】本発明の第2の実施形態の構成を示すフローチャートである。
【図17】図16に示したF−V変換の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図17に示した方形波作成の一例を示す波形図である。
【符号の説明】
1 測定対象物
2 レーザ素子
4 レーザダイオード(共振器)
6 フォトダイオード
8 ビート波検出手段
10 増幅器
12 A/D変換器
14 演算装置
20 表示装置
58 周波数分析手段
60 解析手段

Claims (9)

  1. レーザ共振器で発振するレーザ光を測定対象物に照射する照射工程と、この照射工程によって照射されたレーザ光の戻り光を受光する受光工程と、この受光工程で受光し前記共振器内で前記発信したレーザ光と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換工程と、この光電変換工程で変換されて出力されるビート波の波形の状態を解析する信号処理工程とを備え、
    前記信号処理工程は、前記ビート波の周波数を分析する周波数分析工程と、この周波数分析工程で分析された周波数のうちピークとして現れる周波数を抽出するピーク周波数抽出工程と、このピーク周波数抽出工程で抽出された周波数のうち最も低い周波数を前記測定対象物の基本振動周波数と判定する判定工程とを備えたことを特徴とする振動計測方法。
  2. 前記判定工程は、前記基本振動周波数と当該基本振動周波数の高調波となっている前記周波数のピークとの比率を測定対象物の振動の特徴を表す値として算出する工程を備えたことを特徴とする請求項1記載の振動計測方法。
  3. 前記判定工程は、前記ピーク周波数抽出工程で抽出された周波数のうち最高の周波数を前記測定対象物の最高速移動時のドップラ周波数と判定する工程を備えたことを特徴とする請求項1記載の振動計測方法。
  4. 前記判定工程は、前記ドップラ周波数に基づいて前記測定対象物の最高速移動時の振動速度又は加速度を算出する工程を備えたことを特徴とする請求項3記載の振動計測方法。
  5. 前記信号処理工程は、前記周波数分析工程の前に、前記ビート波のうち予め定められた帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ工程と、このフィルタ工程で通過した前記ビート波を周波数分析用に一定期間ごとに区分する区分工程とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の振動計測方法。
  6. レーザ共振器で発振するレーザ光を測定対象物に照射する照射工程と、この照射工程によって照射されたレーザ光の戻り光を受光する受光工程と、この受光工程で受光し前記共振器内で前記発信したレーザ光と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換工程と、この光電変換工程で変換されて出力されるビート波の波形の状態を解析する信号処理工程とを備え、
    前記信号処理工程は、前記ビート波のうち予め定められた帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ工程と、このフィルタ工程を通過したビート波の周波数の高低の変化を信号の強弱の変化に変換する変換工程と、この変換工程によって生成された信号波形の一波は前記測定対象物の振動周期の半周期での速度変化と判定する判定工程とを備えたことを特徴とする振動測定方法。
  7. 前記変換工程は、前記信号波形の二周期を一周期に変換することにより振動波形を生成する工程を備え、
    前記判定工程は、前記振動波形に基づいて前記測定対象物の振動の状態を算出する工程を備えたことを特徴とする請求項6記載の振動測定方法。
  8. 測定対象物から反射したレーザ光を観測する光検出手段と、この光検出手段から出力された波形信号を解析すると共にビート波を検出するビート波検出手段と、ビート波のうち予め定められた帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ手段と、このフィルタ手段を通過したビート波を対称に周波数分析する周波数分析手段と、この周波数分析手段が出力する周波数スペクトルに基づいて測定対象物の振動の状態を解析する解析手段とを備え、
    前記解析手段が、前記周波数スペクトルのピークとなる各成分のうち最も低いピークの周波数を前記測定対象物の基本周波数と判定する判定部を備えたことを特徴とする振動測定装置。
  9. 測定対象物から反射したレーザ光を観測する光検出手段と、この光検出手段から出力された波形信号を解析すると共にビート波を検出するビート波検出手段と、ビート波のうち予め定められた帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ手段と、このフィルタ手段を通過したビート波の周波数の高低の変化を信号の強弱の変化に変換する変換手段と、この変換手段によって生成された信号波形の一波は前記測定対象物の振動周期の半周期での速度変化と判定する判定手段とを備えたことを特徴とする振動測定装置。
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