JP2000131133A - 振動計測方法 - Google Patents

振動計測方法

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JP2000131133A
JP2000131133A JP10309019A JP30901998A JP2000131133A JP 2000131133 A JP2000131133 A JP 2000131133A JP 10309019 A JP10309019 A JP 10309019A JP 30901998 A JP30901998 A JP 30901998A JP 2000131133 A JP2000131133 A JP 2000131133A
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zero
waveform
slope
differential
value
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JP10309019A
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English (en)
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Akiyoshi Ono
晃義 大野
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の周期の振動が重なった振動であって
も、振動の折返し位置を特定すること。 【解決手段】 レーザ共振器で発振するレーザ光を測定
対象物に照射する照射工程ステップS1と、この照射工
程S1によって照射されたレーザ光の戻り光を受光する
(受光工程)と共にこの受光工程で受光し前記共振器内
で前記発振したレーザ光と自己混合したレーザ光を光電
変換して出力する光電変換工程(ステップS2)と、こ
の光電変換工程S2で変換されて出力されるビート波の
波形の状態を解析する信号処理工程とを備えている。し
かも、信号処理工程は、ビート波での一波について当該
ビート波の上昇時の傾き値と下降時の傾き値とを算出す
る傾き値算出工程ステップS3と、この傾き値算出工程
S3にて算出された上昇時と下降時との傾き値の時系列
での変化に基づいて測定対象物の折返し時点を判定する
折返し判定工程S4とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動計測方法およ
び装置に係り、特に、レーザ光のドップラ効果を利用し
て対象物の変位を非接触で計測する振動計測方法および
装置に関する。この振動測定方法および装置は、自動車
の製造技術などの実験解析分野に応用できる。具体的に
は、エンジンの振動解析、車体伝搬振動解析、社室内騒
音解析、さらにマフラの振動解析などである。その他の
製造分野での応用は多岐に渡るが、非接触で極小領域の
振動を精密に測定できるため、例えばドリルなどの工具
破損検出などに好適に用いられる。さらに、モータを使
ったプラントの移動振動の検出や、水道管、ガス管の漏
れ診断などの保守に用いることもできる。さらに、西瓜
等の大型果実の打音による糖度の判定など、農業分野に
も応用可能である。ここで、「被測定物」というときに
は、これらエンジンから西瓜まで振動測定の対象となる
物体をいう。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ光のドップラ効果を利
用したレーザドップラ速度計が使用されている。レーザ
ドップラ速度計は、レーザ光を被測定物に照射する光源
と、このレーザ照射光と被測定物からの反射光とを混合
させ、この混合によるドップラビート信号を検出する検
出手段と、照射光の周波数と反射光の周波数との差に基
づいて被測定物の速度を算出する演算手段とを備えてい
る(例えば、特開平7―167956号公報)。
【0003】レーザ光のドップラ効果を利用して測定対
象物の振動を測定するには、測定対象物で反射した戻り
光とレーザ共振器で発振した発振光とを共振器内で自己
混合させ、鋸歯状のビート波を得る手法がある。測定対
象物がレーザ波長の半分の長さ(λ/2)分変位したと
きに、鋸歯状波が一波生じるため、鋸歯状波の数をカウ
ントすると測定対象物の変位量を算出することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
光のドップラ効果を利用して対象物の変位を測定するこ
とができても、対象物が振動している場合、振動の折返
し点の検出は難しい。すなわち、振動している対象物
は、振動によって最大位置まで移動すると、一旦変位量
が「0」となり、逆方向への移動を開始する。このと
き、鋸歯状波は間延びした状態となり、振動の方向が変
化した瞬間を捕捉するのが困難となってしまう。
【0005】これに対し、振動の一周期での最も高速な
位置に基づいて折り返し位置を算出する手法が考えられ
る。この変位の高速な部分は、比較的安定して検出でき
る。しかしながら、被測定物が複数の周波数成分を有す
る振動である場合には、一方向への変位と他方向への変
位は対象形とならず、このため、複数の周波数成分が重
なった振動をしている被測定物については、振動の一周
期での最も高速な位置に基づいて折り返し位置を算出す
ることができない。
【0006】特に、レーザ光のドップラ効果を利用した
振動測定装置は、例えば被測定物に取り付ける加速度ピ
ックアップが行う役割を非接触で行おうとするものであ
るから、被測定物の振動の特徴を良好に測定することが
望ましい。しかしながら、折返し位置を正確に算出また
は検出できないと、変位量をそのまま折り返さない方向
に加算してしまうこととなってしまい、すると、振動を
精度良く測定することができなくなってしまう。
【0007】また、振動面の移動速度の差が大きい変位
変化と移動速度の差が小さい変位変化とが混在している
場合には、移動速度の差が小さい変位変化での折返し点
を算出することができない、という不都合があった。さ
らに、振動面の移動速度が一度少なくなってから再び同
じ方向に移動速度を増す振動の折返し点の特定が困難で
あった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する不都合を
改善し、特に、複数の周期の振動が重なった振動であっ
ても、振動の折返し位置を特定することのできる振動計
測方法および装置を提供することを、その目的とする。
本発明はさらに、振動面の移動速度が一度少なくなって
から再び同じ方向に移動速度を増すような振動であって
も、折返し位置を特定することのできる振動計測方法お
よび装置を提供することを、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、測定対象物
の変位の方向とビート波の傾きとに相関関係があること
を利用して折返し位置を判定している。ビート波の上昇
部分と下降部分のうち、一方は90度に近い傾きを有す
る。この一方の傾きよりも緩やかな傾きを有するのが、
上昇部分なのかそれとも下降部分なのかは、測定対象物
の変位の移動方向によって定る。傾きの値自体は、振動
面の移動速度によって定る。振動面が近づいている場
合、ビート波の一方の傾きよりも緩やかな傾きを有する
部分は、上昇を示し、振動面が当座買っている遠ざかっ
ている場合、ビート波の一方の傾きよりも緩やかな傾き
を有する部分は、下降を示す。これらの変位の移動速度
に応じて、それぞれの傾きの値が変化するが、傾きが緩
やかな側に変化はない。そして、ビート波の傾きが緩や
かな側が上昇を示していれば、傾きの正負の符号はプラ
スとなり、逆に、ビート波の傾きが緩やかな側が下降を
示していれば、傾きの正負の符号はマイナスとなる。振
動面の変位の方向が変化すると、緩やかな傾きを有する
上昇部分又は下降部分が逆転するため、傾きの正負の符
号が逆転する。このため、本発明では、このビート波の
傾きの正負の符号が逆転する前後を折返し位置と判定す
る。
【0010】具体的には、本発明は、レーザ共振器で発
振するレーザ光を測定対象物に照射する照射工程と、こ
の照射工程によって照射されたレーザ光の戻り光を受光
する受光工程と、この受光工程で受光し前記共振器内で
前記発振したレーザ光と自己混合したレーザ光を光電変
換する光電変換工程と、この光電変換工程で変換されて
出力されるビート波の波形の状態を解析する信号処理工
程とを備えている。しかも、信号処理工程は、ビート波
での一波について当該ビート波の上昇時の傾き値と下降
時の傾き値とを算出する傾き値算出工程と、この傾き値
算出工程にて算出された上昇時と下降時との傾き値の時
系列での変化に基づいて前記測定対象物の折返し時点を
判定する折返し判定工程とを備え、という構成を採って
いる。これにより前述した目的を達成しようとするもの
である。
【0011】傾き値算出工程は、ビート波の値の上昇時
の傾きと下降時の傾き値を算出する。すると、上昇時と
下降時とのうちどちらの傾きがより緩やかなのかが判明
する。そして、折返し判定工程が、上昇時と下降時の傾
き値の時系列での変化に基づいて測定対象物の折返し時
点を判定する。すると、緩やかな側が上昇時なのか又は
下降時なのかの時系列的な変化を基準として折返し時点
が判定される。このため、測定対象物の振動面の移動速
度に関わらず、進行方向の変化を検出する。
【0012】このビート波の傾き情報を扱うには、ビー
ト波の微分波形を用いると良い。折返しが生じた位置に
対応する区間以外の区間について、ビート波の傾きの緩
急は、ビート波の上昇・下降の変化と共に入れ替わり、
折り返しが生じて進行方向が変化するまで、上昇部分の
緩急と下降部分の緩急の関係は維持される。この急な傾
きの上昇又は下降は短時間で終了するため、ビート波を
微分すると、微分波形には、ビート波の1波ごとに針状
のピークが生じる。微分波形のこのピークを本明細書で
はニードルピークという。そして、このニードルピーク
以外の部分の微分波形は、ビート波の急ではない側の上
昇又は下降の傾きに対応している。このニードルピーク
以外の部分のベースとなっている微分波形をここではス
ロープ波形という。整形しない丸みの残った状態のビー
ト波を微分すると、スロープ波形もなだらかに変化す
る。ビート波のピークとボトムを直線で結ぶように整形
した後微分すると、スロープ波形はビート波一波ごとに
階段状に変化する。このスロープ波形の傾きの角度は、
測定対象物の変位の移動方向に応じて、0度から90度
未満の範囲であるか、または90度から180度以下の
範囲の一方となる。このため、微分波形の正負の符号
は、ビート波が90度未満のときにはプラスとなり、9
0度を越えているときにはマイナスとなる。従って、ス
ロープ波形の正負が反転する位置は、振動面の変位の方
向が変化した時となる。本発明では、この現象を利用し
て振動面の速度によらず、折返し位置を判定する。
【0013】また、微分波形のニードルピーク部分とス
ロープ波形部分との分離は、例えば微分波形がゼロクロ
スする期間の長さに応じて判定するようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0015】図1は、本発明による振動計測方法の構成
を示すブロック図である。振動計測方法は、レーザ共振
器で発振するレーザ光を測定対象物に照射する照射工程
ステップS1と、この照射工程S1によって照射された
レーザ光の戻り光を受光する(受光工程)と共にこの受
光工程で受光し前記共振器内で前記発振したレーザ光と
自己混合したレーザ光を光電変換して出力する光電変換
工程(ステップS2)と、この光電変換工程S2で変換
されて出力されるビート波の波形の状態を解析する信号
処理工程とを備えている。しかも、信号処理工程は、ビ
ート波での一波について当該ビート波の上昇時の傾き値
と下降時の傾き値とを算出する傾き値算出工程ステップ
S3と、この傾き値算出工程S3にて算出された上昇時
と下降時との傾き値の時系列での変化に基づいて測定対
象物の折返し時点を判定する折返し判定工程S4とを備
えている。
【0016】図2に、図1の各工程で入出力される信号
の一例を示す。図2(A)に示すような振動の変位の途
中にて速度が一旦低下する変位1aのビート波3は、図
2(B)に示す如くとなる。図2(A)では、図中上方
にレーザ共振器がある。図2に示すように、測定対象物
の振動面がレーザ共振器に近づくときには、ビート波の
上昇部分の傾きが緩やかとなり、一方、測定対象物が遠
ざかる時には、ビート波の下降部分の傾きが緩やかとな
る。これは、測定対象物の変位方向によってドップラ周
波数の位相が変化することによる。本実施形態では、傾
き値算出工程にて、例えば図2(C)に示すような傾き
値を抽出する。図2(B)に示す例では、ビート波の鋸
歯状波32の一波の上昇部分30と下降部分31とにつ
いて、傾きの絶対値が小さい方を残している。上昇部分
と下降部分との傾きの絶対値が略等しい場合には、例え
ば図2(C)に示す符号33で示す部分の波形の傾きに
ついては、そのまま残している。
【0017】そして、このように抽出した傾き値の時間
変化のデータ14aについて、図2(C)に示すデータ
14aからさらに図2(D)に示すデータ14bを生成
する。そして、折返し判定工程S4では、この図2
(D)に示す傾きの変化点を折返し位置と判定する。す
ると、図2(A)の符号1bで示す部分、すなわち、振
動面の速度が一旦低下した部分について折返しと判定す
ることがない。折返し位置が判明すると、この折返し位
置でハイまたはローとなる折返し波形を出力すると、測
定対象物の振動の周期が判明する。また、鋸歯状波は測
定対象物の振動面がλ/2変位したときに生じるため、
鋸歯状波をカウントし、折返し位置にて変位の方向を逆
転させることで測定対象物の変位データを生成すること
ができる。
【0018】図3に本実施形態による振動計測方法の実
施に好適な振動計測装置のハードウエア資源の構成を示
す。振動計測装置は、測定対象物1から反射したレーザ
光を観測する光検出手段2と、この光検出手段2から出
力された波形信号を解析すると共にビート波を検出する
ビート波検出手段8と、このビート波検出手段8によっ
て検出されたビート波を解析する演算装置14と、この
演算装置14にて算出された振動データを表示出力する
表示装置20とを備えている。
【0019】図3に示す例では、演算装置14は、傾き
値算出工程を実行する傾き値算出手段や、折返し判定工
程を実行する折返し判定手段として機能する。演算装置
は、ワークステーション、マイクロプロセッサ又はパー
ソナルコンピュータなどであり、主記憶装置やCPUな
どを備える。折返し位置を算出するためのプログラムが
このCPUで実行されると、演算装置14は折返し判定
手段として動作する。また、演算装置14によらず、論
理回路や、アナログ回路にて実現するようにしても良
い。
【0020】図4は図3に示した光検出手段2の構成例
を示す。光検出手段2は、レーザ光を出力するレーザダ
イオード4と、このレーザダイオード4の共振器内で発
振光と戻り光とが自己混合した光を受光するフォトダイ
オード6とを備えている。また、レーザダイオードの共
振器4によって発振されたレーザ光は、レンズ5で集光
されて測定対象物に照射される。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図5は本
発明による振動計測方法の構成を示すフローチャートで
ある。ここでは、図1に示すビート波出力工程(ステッ
プS2)に続いて、ビート波についての微分波形23を
生成する微分波形生成工程ステップS11と、この微分
波形生成工程S11にて生成された微分波形で短期間に
二度ゼロクロスする針状のニードルピーク11のベース
となるスロープ波形22の微分値を抽出するスロープ波
形値抽出工程(ステップS12)と、このスロープ波形
値抽出工程S12にて抽出したスロープ波形22の微分
値について前記短期間よりも長い期間の周期にてゼロク
ロスするスロープゼロクロス点24を検出するスロープ
ゼロクロス点抽出工程(ステップS13)と、このスロ
ープゼロクロス点抽出工程S13にて抽出されたスロー
プ波形22のゼロクロス点24の近傍で前記測定対象物
の折返しが生じたと判定する折返し判定工程(ステップ
S14)とを備えている。
【0022】図6は、図5に示した各工程にて使用する
信号の一例を示す波形図である。図6(A)に示す変位
のビート波の微分波形は、図6(C)に示す如くとな
る。微分波形23は、ビート波の上昇又は下降部分のう
ち急な傾きに対応したニードルピーク21と、このニー
ドルピーク21のベースとなるスロープ波形22とを有
する。スロープ波形22の変化は、ビート波の上昇又は
下降部分のうち緩やかな傾きの変化に対応している。図
6(B)に示す例では、実際には、図6(B)のように
直線で構成されるビート波ではなく、丸みの残ったビー
ト波を微分したものである。微分波形の生成処理は、デ
ジタルデータの差分の変化を算出することで近似的に波
形を微分する手法であっても、また、高域通過型CR回
路により微分波形を生成するものであっても、傾きの変
化を得られるものであればどのような手法でもよい。
【0023】図5に示す実施例では、スロープ波形の値
が0となるゼロクロス点24を抽出する。そして、折返
し判定工程S14は、スロープ波形22のゼロクロス点
24の近傍で前記測定対象物の折返しが生じたと判定す
る。すると、図6(D)に示すように、測定対象物の振
動面の移動速度の変化にかかわらず、折返し位置を正確
に検出することができる。
【0024】図7は、一波長変化時間の算出処理内で鋸
歯状波成分とノイズ成分の分離のために微分波形を使用
して整形する手法を示す波形図である。図4に示した光
検出手段2では、測定環境によっては、図7(A)に示
すようにビート波に高周波成分が重畳する場合がある。
この図7(A)に示すビート波3aを平滑化すると、図
7(B)に示す如くとなる。そして、この平滑化したビ
ート波3bの微分波形を生成し、微分値が0となる点を
直線で結び波形を整形すると、図7(C)に示す波形と
なる。このように整形したビート波3cは鋸歯状波のカ
ウント処理などがしやすい。また、平滑化後の微分波形
は、ビート波の整形処理と、折返し算出処理の2つの処
理で共用することができる。波形の整形処理に使用する
微分波形をを6(C)に示す微分波形として使用するこ
とで、折返し処理を短時間で行うことができる。
【0025】図8は本発明の他の実施例の構成を示すフ
ローチャートである。図8に示す実施例では、図1に示
すビート波出力工程S2に続いて、ビート波3について
の微分波形23を生成する微分波形生成工程(ステップ
S31)と、この微分波形生成工程S31にて生成され
た微分波形23の値がゼロクロスするゼロクロス点23
を抽出するゼロクロス点抽出工程(ステップS32)
と、このゼロクロス点抽出工程S32にて抽出されるゼ
ロクロス点23と次のゼロクロス点23との区間24
a,24bを算出するゼロクロス区間算出工程(ステッ
プS33)と、このゼロクロス区間算出工程S33にて
算出されたゼロクロス区間について連続する3つの区間
の期間の平均を算出する平均区間長算出工程(ステップ
S34)と、当該平均値を二連続で上回る期間となって
いる2つの区間24bの微分値の正負の符号を特定する
微分値符号特定工程(ステップS35)と、この微分値
符号特定工程S35にて特定された2つの区間の微分値
の符号が逆転しているか否かを判断すると共に(ステッ
プS36)、当該2つの区間内で折返しが生じたと判定
し(ステップS37)、と共に当該符号が逆転していな
い場合には折返しが生じていないと判定する(ステップ
S38)折返し判定工程を備えている。
【0026】図9および図10は、図8に示す処理で使
用する信号の例を示す波形図である。図9(A)に示す
ビート波(鋸歯状波)の微分波形は、図9(B)に示す
如くとなる。図2(B)に示す例と同様に、微分波形2
3はニードルピーク21とスロープ波形22とを備え
る。図5に示す例ではスロープ波形の抽出処理S12を
行ったが、ここでは、ニードルピーク21とスロープ波
形の双方についてまずゼロクロス点を抽出する。
【0027】図10(A)は図9の符号26に対応する
鋸歯状波および微分波形であり、図10(B)は図9の
符号27に対応する鋸歯状波および微分波形である。図
10に示すように、ニードルピーク21のゼロクロスポ
イント23の区間24aは比較的短く、ニードルピーク
の他端のゼロクロス点と次のゼロクロス点の区間24b
は比較的長い。このため、連続する3区間の平均を算出
すると、ニードルピーク21内の区間を特定できる。す
なわち、スロープ波形22がゼロクロスする図10
(A)に示す例では、連続する3区間では平均より長い
区間を検出すると、それはスロープ波形22による区間
である。
【0028】連続する3区間のうち、このスロープ波形
による2つの区間24bの微分値の符号を観測すると、
図10(A)に示すように正負の符号が逆転している場
合と、図10(B)に示すように正負の符号が逆転せず
同一の符号が連続する場合とがある。そして、このスロ
ープ波形による2つの区間24bにて微分値の符号が逆
転するのは、スロープ波形がゼロクロスする場合であ
る。そして、上述したように、スロープ波形がゼロクロ
スするのは測定対象物の移動方向が変化した時であるか
ら、連続する3区間のうちその平均より長い区間2つの
間で微分波形の正負が反転している場合には、その位置
で折返しが生じたと判定することができる。
【0029】このような図8に示す方法は、やはり、図
3に示す振動計測装置を用いて実施することができる。
この場合、図3に示す演算装置は、ビート波についての
微分波形を生成する微分処理部と、この微分処理部にて
生成された微分波形の値がゼロクロスするゼロクロス点
を抽出するゼロクロス点抽出部と、このゼロクロス点抽
出部にて抽出されるゼロクロス点と次のゼロクロス点と
の区間を算出するゼロクロス区間算出部と、このゼロク
ロス区間算出部にて算出されたゼロクロス区間について
連続する3つの区間の期間の平均を算出すると共に当該
平均値を二連続で上回る期間となっている2つの区間の
微分値の正負の符号を特定する微分値符号特定部と、こ
の微分値符号特定部にて特定された2つの区間の微分値
の符号が逆転している時に当該2つの区間内で折返しが
生じたと判定すると共に当該符号が逆転していない場合
には折返しが生じていないと判定する折返し判定部とを
備える。
【0030】上述したように本実施例によると、図6に
示すような振動面の変位の途中で移動速度が一旦低下す
る場合や、また、矩形波に正弦波が重畳した場合などの
不規則な振動パターンであっても、鋸歯状波の一波一波
に対応した振動変位の移動を求めることで、その変位の
プロットを行うことができる。そして、ビート波の整形
を微分波形に基づいて行う例では、折返し点算出処理の
段階では既知となっている微分波形を利用するため、振
動変位の算出を全体として高速に行うことができる。ま
た、本実施例によると、振動変位の測定精度を維持した
ままで、変位折返し点の算出精度を向上させることがで
きる。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、傾き値算出工程が、ビート波の値
の上昇時の傾きと下降時の傾き値を算出すると、上昇時
と下降時とのうちどちらの傾きがより緩やかなのかが判
明し、そして、折返し判定工程が、上昇時と下降時の傾
き値の時系列での変化に基づいて測定対象物の折返し時
点を判定すると、緩やかな側が上昇時なのか又は下降時
なのかの時系列的な変化を基準とした折返しの判定を行
うことができ、このため、測定対象物の振動面の移動速
度に関わらず、進行方向の変化を検出することができ、
従って、振動中に移動速度が一旦遅くなるような複雑な
振動をする測定対象物であっても当該振動の折返し位置
を確実に検出することができるという従来にない優れた
振動計測方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すフローチャー
トである。
【図2】図1に示した各処理で使用する信号の例を示す
説明図であり、図2(A)は振動変位の時間変化の一例
を示す図で、図2(B)はこの変位に対応したビート波
の一例を示す図で、図2(C)はこのビート波の傾きを
抽出した一例を示す図で、図2(D)は傾きの特徴を抽
出した一例を示す図である。
【図3】図1に示す方法の実施に使用する振動計測装置
の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3に示す光検出手段の構成例を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明の一実施例の構成を示すフローチャート
である。
【図6】図5に示した各処理で使用する信号の例を示す
説明図であり、図6(A)は振動変位の時間変化の一例
を示す図で、図6(B)はこの変位に対応したビート波
の一例を示す図で、図6(C)はビート波の微分波形の
一例を示す図で、図6(D)は微分波形のうちスロープ
波形を抽出した一例を示す図である。
【図7】図6等に示したビート波の整形処理の一例を示
す波形図であり、図7(A)は高周波成分が重畳したビ
ート波の一例を示す図で、図7(B)はこのビート波を
平滑化した一例を示す図で、図7(C)は平滑化したビ
ート波をさらに微分値0となるように整形した例を示す
図である。
【図8】本発明の他の実施例の構成を示すフローチャー
トである。
【図9】図8に示した処理で使用する信号の例を示す波
形図であり、図9(A)はビート波(鋸歯状波)の一例
を示す図で、図9(B)はその微分波形の一例を示す図
である。
【図10】図9に示した鋸歯状波および微分波形の拡大
図であり、図10(A)は図9の符号26で示す部分に
対応する図で、図10(B)は図9の符号27で示す部
分に対応する図である。
【符号の説明】
1 測定対象物 2 光検出手段 3 ビート波 8 ビート波検出手段 14 演算装置 20 表示装置 21 微分波形のニードルピーク 22 微分波形のスロープ波形 23 微分波形 24 ゼロクロスポイント 30 ビート波の上昇部分 31 ビート波の下降部分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ共振器で発振するレーザ光を測定
    対象物に照射する照射工程と、この照射工程によって照
    射されたレーザ光の戻り光を受光する受光工程と、この
    受光工程で受光し前記共振器内で前記発振したレーザ光
    と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換工程
    と、この光電変換工程で変換されて出力されるビート波
    の波形の状態を解析する信号処理工程とを備え、 前記信号処理工程は、前記ビート波での一波について当
    該ビート波の上昇時の傾き値と下降時の傾き値とを算出
    する傾き値算出工程と、この傾き値算出工程にて算出さ
    れた上昇時と下降時との傾き値の時系列での変化に基づ
    いて前記測定対象物の折返し時点を判定する折返し判定
    工程とを備えたことを特徴とする振動計測方法。
  2. 【請求項2】 レーザ共振器で発振するレーザ光を測定
    対象物に照射する照射工程と、この照射工程によって照
    射されたレーザ光の戻り光を受光する受光工程と、この
    受光工程で受光し前記共振器内で前記発振したレーザ光
    と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換工程
    と、この光電変換工程で変換されて出力されるビート波
    の波形の状態を解析する信号処理工程とを備え、 前記信号処理工程は、前記ビート波についての微分波形
    を生成する微分波形生成工程と、この微分波形生成工程
    にて生成された微分波形で短期間に二度ゼロクロスする
    針状のニードルピークのベースとなるスロープ波形の微
    分値を抽出するスロープ波形値抽出工程と、このスロー
    プ波形値抽出工程にて抽出したスロープ波形の微分値に
    ついて前記短期間よりも長い期間の周期にてゼロクロス
    するスロープゼロクロス点を検出するスロープゼロクロ
    ス点抽出工程と、このスロープゼロクロス点抽出工程に
    て抽出されたスロープ波形のゼロクロス点の近傍で前記
    測定対象物の折返しが生じたと判定する折返し判定工程
    とを備えたことを特徴とする振動計測方法。
  3. 【請求項3】 レーザ共振器で発振するレーザ光を測定
    対象物に照射する照射工程と、この照射工程によって照
    射されたレーザ光の戻り光を受光する受光工程と、この
    受光工程で受光し前記共振器内で前記発振したレーザ光
    と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換工程
    と、この光電変換工程で変換されて出力されるビート波
    の波形の状態を解析する信号処理工程とを備え、 前記信号処理工程は、前記ビート波についての微分波形
    を生成する微分波形生成工程と、この微分波形生成工程
    にて生成された微分波形の値がゼロクロスするゼロクロ
    ス点を抽出するゼロクロス点抽出工程と、このゼロクロ
    ス点抽出工程にて抽出されるゼロクロス点と次のゼロク
    ロス点との区間を算出するゼロクロス区間算出工程と、
    このゼロクロス区間算出工程にて算出されたゼロクロス
    区間について連続する3つの区間の期間の平均を算出す
    ると共に当該平均値を二連続で上回る期間となっている
    2つの区間の微分値の正負の符号を特定する微分値符号
    特定工程と、この微分値符号特定工程にて特定された2
    つの区間の微分値の符号が逆転している時に当該2つの
    区間内で折返しが生じたと判定すると共に当該符号が逆
    転していない場合には折返しが生じていないと判定する
    折返し判定工程とを備えたことを特徴とする振動計測方
    法。
  4. 【請求項4】 レーザ共振器で発振するレーザ光を測定
    対象物に照射する照射手段と、この照射手段によって照
    射されたレーザ光の戻り光を受光する受光手段と、この
    受光手段で受光し前記共振器内で前記発振したレーザ光
    と自己混合したレーザ光を光電変換する光電変換手段
    と、この光電変換手段で変換されて出力されるビート波
    の波形の状態を解析する信号処理手段とを備え、 前記信号処理手段は、前記ビート波についての微分波形
    を生成する微分処理部と、この微分処理部にて生成され
    た微分波形の値がゼロクロスするゼロクロス点を抽出す
    るゼロクロス点抽出部と、このゼロクロス点抽出部にて
    抽出されるゼロクロス点と次のゼロクロス点との期間を
    算出するゼロクロス期間算出部と、このゼロクロス区間
    算出部にて算出されたゼロクロス区間について連続する
    3つの区間の期間の平均を算出すると共に当該平均値を
    二連続で上回る期間となっている2つの区間の微分値の
    正負の符号を特定する微分値符号特定部と、この微分値
    符号特定部にて特定された2つの区間の微分値の符号が
    逆転している時に当該2つの区間内で折返しが生じたと
    判定すると共に当該符号が逆転していない場合には折返
    しが生じていないと判定する折返し判定部とを備えたこ
    とを特徴とする振動計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020120547A (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 株式会社デンソー シフトレンジ制御装置
US11898974B2 (en) 2020-12-15 2024-02-13 Hitachi High-Tech Corporation Charged particle beam device, computer, and signal processing method for charged particle beam device

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