JP3800911B2 - 波形解析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波形解析装置に係り、特に、波形の急峻な立ち上がり又は立ち下がり(以下、エッジともいう)の有無を検出する波形解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、測定対象物の状態を各種のセンサから取り込み、測定対象物の状態の判定や、測定対象物へのフィードバック制御などに用いられている。このとき、センサから出力される信号の急激な変化を検出したい場合がある。例えば、温度センサを用いて、測定対象物の所定周期での温度変化が急峻であるか否かを判定する場合や、また、流量の周期的な変動を監視する場合などである。
【0003】
また、画像処理においても、測定対象物と背景部分とを区別するために、例えば、車両等に設置したカメラにて撮像した画像から道路の白線を抽出するような場合にも、水平画像中の濃淡の急激な変化部分を取り出すことが行われている。
【0004】
このようなデータ又は信号の急峻な変化を取り出すには、一般に、そのデータの差分商の算出や信号の微分処理を行い、微分信号等の値が所定のしきい値を超えているか否かで信号の変化が急峻であるか否かを判定している。
【0005】
例えば、特公平7―69426号公報には、自己混合型レーザ・ドップラ速度計を使用して測定対象物の移動方向を判別する手法が開示されている。この公報には、出射光と反射光との自己混合により生じたドップラービート信号の傾きを調べることで、測定対象物の移動方向を判別している。速度を有する移動体にレーザ光が照射されると、ドップラ効果によりレーザ光の周波数が変化し、出射光とドップラ効果により周波数が変化した戻り光との周波数差に基づいて、ビート波が生じ、鋸歯状波となる。鋸歯状波の立ち上がりが急峻な場合に測定対象物は遠ざかっており、一方立ち下がりが急峻な場合には測定対象物は近づいている。
【0006】
従って、この従来例では、入力波である鋸歯状波の傾きをの大きさを抽出することで測定対象物の移動方向を判定することができる。そして、この従来例では鋸歯状波の傾きを検出するために微分回路を用いている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、信号の傾きの絶対値の大きさを判定するために微分回路又は微分処理を用いているため、高周波ノイズ対策のための波形整形処理が必要となり、また、入力波の傾きが極度に急峻である場合には微分波形の整形が必要となるため、事前及び事後の波形整形処理が多数必要となってしまう、という不都合があった。
【0008】
さらに、入力波がデジタル信号である場合や、画像データである場合など、デジタル処理により微分(差分商の算出)を行う場合には処理時間を長く要してしまう、という不都合があった。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、係る従来例の有する不都合を改善し、特に、代数的で比較的単純な手法の組み合わせで入力波の傾きが予め定められた傾きよりも急峻であるか否かを判定することのできる波形解析装置を提供することを、その目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、周期的な波形を有する入力波を一時的に保持する入力波保持手段と、この入力波保持手段によって保持された入力波略同一周期かつ略同一振幅かつ略同一位相で予め定められた波形のモデル波を生成するモデル波生成手段と、このモデル波生成手段で生成されたモデル波と入力波保持手段で保持された入力波の差を抽出する傾差抽出波算出手段と、この傾差抽出波算出手段によって算出された傾差抽出波の波形に基づいてモデル波に対する入力波の波形の傾きの大きさを判定する判定手段を備えた、という構成を採っている。これに加え、この判定手段が、モデル波を矩形化するモデル波矩形化部と、傾差抽出波を矩形化する傾差抽出波矩形化部と、この傾差抽出波矩形化部によって矩形化された矩形傾差抽出波とモデル波矩形化部によって矩形化された矩形モデル波とを加算する判定用矩形波算出部と、この判定用矩形波算出部によって算出された判定用矩形波のうち連続する2パルスの大きさの関係に基づいて、入力波の立ち上がり又は立ち下がりの傾きの絶対値について対応するモデル波に対する大きさを評価する評価部とを備えた、という構成を採っている。これにより前述した目的を達成しようとするものである。
【0011】
周期的な波形というのは、一定形状の波形が一定周期又は可変周期で繰り返す波形をいう。従って、入力波は、値の上昇時と下降時とを所定周期で繰り返す信号である。このような信号としては、光や音などの波や、周期的な圧力の変化や温度変化など種々のセンサで計測される信号が含まれる。また、濃度変化が周期的である画像も含まれる。例えば白線検出画像などは白線部分と背景部分とが可変周期で繰り返すことが多い。
【0012】
入力波保持手段は、このような入力波を一時的保持する。入力波がアナログ信号である場合にはラッチ回路や遅延回路を有し、入力波がデジタル信号である場合にはCPUによって使用されるRAM上に入力波データを格納しておくようにすると良い。
【0013】
モデル波生成手段は、入力波保持手段によって保持された入力波の周期と略同一周期で予め定められた波形のモデル波を生成する。モデル波の波形としては、例えば、正弦波や三角波がある。正弦波の振幅や三角波の傾きは、事前の設定に応じて定める。例えば鋸歯状波の急峻な変化部分を抽出するのであれば、入力波と略同一周期で略同一振幅の正弦波を用いると良い。予め定めた傾きよりも大きい傾きとなっている部分を入力波から抽出したい場合には、その予め定めた傾き又は若干その絶対値が小さい傾きを有する三角波をモデル波とすると良い。
【0014】
傾差抽出波算出手段は、モデル波生成手段で生成されたモデル波と、入力波保持手段で保持された入力波の差を抽出する。例えば、傾差抽出波算出手段は、入力波の値からモデル波の値を引くことで、傾差抽出波を生成する。この場合、傾差抽出波は、入力波の値よりもモデル波の値が小さい場合にプラスの値を持ち、一方、入力波の値よりもモデル波の値が大きい場合に、マイナスの値を持つ。続いて、判定手段は、傾差抽出波算出手段によって算出された傾差抽出波の波形に基づいて入力波の波形の傾きと抽出傾きとを比較する。例えば、判定手段は、傾差抽出波のプラスとマイナスの変化のパターンに基づいて抽出傾きを超える傾きが入力波に存在したか否かを判定する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本実施形態による波形解析装置の構成例を示すブロック図である。図1(A)に示すように、本実施形態による波形解析装置は、周期的な波形を有する入力波を一時的に保持する入力波保持手段2と、この入力波保持手段2によって保持された入力波の周期と略同一周期で予め定められた波形のモデル波を生成するモデル波生成手段3と、このモデル波生成手段3で生成されたモデル波と入力波保持手段2で保持された入力波の差を抽出する傾差抽出波算出手段4と、この傾差抽出波算出手段4によって算出された傾差抽出波の波形に基づいてモデル波に対する入力波の波形の傾きの大きさを判定する判定手段5とを備えている。
【0016】
周期的な波形は、同一周期による信号でもよいし、また、周波数変調された信号でもよい。圧電素子やフォトダイオードなど測定対象物の状態の変化を電圧変化等の信号として出力するものであれば、その入力信号が入力波となる。一方、エリア型CCDセンサなどによる場合には、二次元の信号が入力されるが、例えば主走査方向1ライン分のデータが入力波となる。図1(A)に示す各構成は、アナログ回路や論理回路にて実現しても良いし、また、デジタル信号処理を行うコンピュータやマイコンを用いても良い。アナログ回路を用いる場合には、入力波保持手段2は入力波をモデル波生成手段3に入力する回路と、入力波を所定時間遅延させて傾差抽出波算出手段4に入力する遅延回路とを備えると良い。デジタル信号処理による場合には、入力波保持手段2はRAM等のメモリである。
【0017】
モデル波生成手段3は、入力波の周期と略同一周期を有するモデル波を生成する。入力波の周期が一定であれば、モデル波の周期も一定であり、入力波の周期が可変であれば、モデル波の周期も入力波の周波数変化に追従して同時に変化させる。すなわち、入力波が周波数変調されている場合には、モデル波生成手段3は、入力波の周波数変化に追従してモデル波の周波数を変調させる周波数追従制御部3Aを備えるとよい。
【0018】
そして、モデル波は、このような一定の又は変化する周期にて所定の波形を繰り返す。モデル波の波形は、予め定められた波形とする。具体的には、正弦波や三角波である。すなわち、モデル波生成手段3は、入力波と振幅を略同一とする正弦波波形をモデル波として生成する正弦波モデル生成部3Bや、予め定められた抽出傾き情報に基づいて当該抽出傾き情報での傾き値と略同一の傾き値を傾きの絶対値とする三角波をモデル波として生成する三角波モデル生成部3Cを備えると良い。
【0019】
抽出傾き情報は、ユーザから三角波モデル生成部3に入力される。また、予め定められた固定値としても良い。この抽出傾き情報は、入力波のうち、その傾きがどの程度急峻になったときに抽出を行うかについての情報である。例えば、立ち上がりの傾きが45度を超える傾きを有する部分を抽出したい場合には、例えば、傾き「1」が抽出傾き情報となる。このとき、立ち下がりについては傾きが「マイナス1」となるが、本実施形態では絶対値にて扱うこととする。傾き情報が指定される場合には、モデル波の波形を正弦波として振幅を調整するか、または、傾き情報で指定される傾きを有する三角波とすると良い。
【0020】
また、抽出対象の傾きが、鋸歯状波一波についてより急峻な側を特定するという相対的な条件である場合には、抽出傾き情報を用いず、実施例として後述するように、モデル波の波形を入力波と略同一振幅の正弦波とすると良い。
【0021】
傾差抽出波算出手段4は、このモデル波生成手段3で生成されたモデル波と入力波保持手段2で保持された入力波の差を抽出し、これを傾差抽出波として出力する。例えば、入力波の値からモデル波の値を差し引く。また、モデル波の値から、入力波の値を差し引くようにしても良い。入力波の値からモデル波の値を差し引くと、傾差抽出波は、入力波とモデル波の傾きの差に応じた波形となる。例えば、モデル波と入力波がプラスの領域にあるときに、傾差抽出波がプラスであれば入力波の傾きがモデル波の傾きよりも大きいと考えられる。入力波の傾きが大きいと、一般にモデル波よりも早くピークを迎えるため、入力波とモデル波との振幅を略同一とすると、傾差抽出波は、入力波がピークを迎えた後、モデル波がピークを迎えるまでの間にゼロクロスする。判定手段5は、このような傾差抽出波の波形の変化に基づいて入力波の波形の傾きを評価する。モデル波で意図する傾きよりも入力波の傾きが大きいか否かを判定することで、例えば、鋸歯状波一波について急峻な側が立ち上がりなのか立下りなのかを特定したり、また、抽出傾き情報による傾きの大きさより急峻な傾きを抽出することができる。
【0022】
図1(B)は、図1(A)に示した判定手段5の詳細構成の一例を示すブロック図である。図1(B)に示すように、判定手段5が、モデル波を矩形化するモデル波矩形化部5Aと、傾差抽出波を矩形化する傾差抽出波矩形化部5Bと、この傾差抽出波矩形化部5Bによって矩形化された矩形傾差抽出波とモデル波矩形化部5Aによって矩形化された矩形モデル波とを加算する判定用矩形波算出部5Cと、この判定用矩形波算出部5Cによって算出された判定用矩形波のうち連続する2パルスの大きさの関係に基づいて、入力波の立ち上がり又は立ち下がりの傾きの絶対値について対応するモデル波に対する大きさを評価する評価部5Dとを備えている。
【0023】
モデル波矩形化部5Aと、傾差抽出波矩形化部5Bとが、それぞれモデル波及び傾差抽出波とを矩形化すると、モデル波がプラスであるかマイナスであるかと、傾差抽出部がどこでゼロクロスしたかを表すパルスを得ることができる。続いて、判定用矩形化波算出部が、この矩形モデル波と矩形傾差抽出波との和又は差をとると、入力波の値がモデル波の値よりも大きかったのか、または小さかったのかという情報を得ることができる。入力波が鋸歯状波又は三角波である場合、この判定用矩形波は、モデル波で意図している傾きと入力波の傾きとの関係がパルスの向き又はパルスなしという状態で現れる。このパルスへの現れ方は、モデル波の振幅及び波形に応じて変化する。入力波の全波形のうち、あらかじめ定めた傾きよりも大きい傾きを有するときにパルスを生じさせたり、また、好ましい実施形態では、鋸歯状波一波について立ち上がりと立下りのうちどちらの傾きが大きいかに応じてパルスの出現が変化するようにするために、以下の手法を採用する。
【0024】
図2は、鋸歯状波を入力波2aとし、鋸歯状波と同一振幅の正弦波をモデル波3aとする場合の波形例を示す波形図である。まず、入力波保持手段2は、入力波2aを一時的に保持する。そして、モデル波生成手段3は、符号3aで示すように鋸歯状波と略同一周期で略同一振幅の正弦波を生成する。傾差抽出波算出手段4は、入力波2aの値からモデル波3aの値を差し引く。すると、図2(A)中符号4aで示す傾差抽出波が生成される。図示するように、傾差抽出波4aの波形は、モデル波3aと入力波2aの傾きの差(値の差)及びピーク(及びボトム)位置の差に応じた波形となる。
【0025】
図1(B)に示すモデル波矩形化部5Aは、モデル波3aを矩形化して、図2(B)に示す矩形モデル波3bを生成する。一方、傾差抽出波矩形化部5Bは、傾差抽出波4aを矩形化して、矩形傾差抽出波4bを生成する。このとき、各矩形化部5A,5Bは、判定用の基準となる値の半分の値でパルス化すると良い。図2(B)に示す例では、例えば、判定用のパルス信号の電圧を±1 [V] する場合には、矩形モデル波3b及び矩形傾差抽出波4bの値をその半分の±0.5 [V] とするとよい。
【0026】
判定用矩形波算出部5Cは、矩形傾差抽出波4bと矩形モデル波3bとを加算することで、図2(B)に示す判定用矩形波5cを生成する。図2に示すように、入力波2aのゼロクロス位置前後では、モデル波3aと傾差抽出波4aの値のプラスマイナスが反転しているため、矩形モデル波3bの値と矩形傾差抽出波4bの値も反転し、判定用矩形波算出部5Cによって算出される判定用矩形波5cの値が「0」となる。一方、モデル波3aの傾きよりも入力波2aの傾きが大きくなる前後では、モデル波の形状にかかわらず傾差抽出波がゼロクロスする。従って、判定用矩形波5cには、「0」状態に続いて、下向きのパルス、上向きのパルスが生じる。このため、判定用矩形波5cにて「0」状態に続いて下向き、上向きとなっている場合には、評価部5Dは、入力波の立ち上がりの傾きはモデル波で意図する傾きよりも大きく、一方、入力波の立下りはモデル波で意図する傾きよりも小さいと評価する。すなわち、当該入力波の鋸歯状波一波について、立ち上がりが急峻であると評価する。
【0027】
図3は、立ち下がりが急峻な場合の波形例を示す波形図である。図3(B)に示すように、立ち下がりが急峻な場合には、判定用矩形波5cにて、「0」状態に続いて上向き、下向きとなっている。この場合、評価部5Dは、立ち上がりはモデル波で意図する傾きよりも小さく、一方、立下りの傾きの絶対値はモデル波で意図する傾きよりも大きいと評価する。このため、評価部5Dは、立下りが急峻であると入力波の傾きを評価する。
【0028】
図4は、入力波波形の立ち上がりと立ち下がりの傾きの絶対値が等しい三角波を入力波2aとする場合の例を示す波形図である。図4に示すように、入力波2aが三角波で、モデル波3aを正弦波とすると、判定用矩形波5cに「0」部分が現れない。従って、評価部5Dは、判定用矩形波5cの値を監視することで、入力波2aが三角波状態であるか、立ち上がりが急峻か、立ち下がりか急峻かという3つの状態を区別することができる。このように、本実施形態によると、入力波の周期の検出を行えば、その後は波形の代数和とパルス化のみで処理を行うことができるため、簡易な構成で入力波の傾きを検出することができる。
【0029】
図5は、本発明の一実施例の構成を示すブロック図である。図5に示す例では、鋸歯状波が入力波として入力される。正弦波生成部3は、鋸歯状波の半波又は数波毎に周期を同一とする正弦波をモデル波3aとして生成する。そして、符号4で示す傾差抽出波算出手段4は、ここでは入力波2aからモデル波3aを減算する減算器である。図5に示す例では、各矩形化部5A,5Bとして比較器を用いている。また、判定用矩形波算出部5Cとして、加算器を用いている。評価部5Dは、「0」状態に続いて、−1から+1と続いた場合に立ち上がりが急峻であると判定し、一方、「0」状態に続いて、+1から−1と続いた場合に立ち下がりが急峻であると判定する。
【0030】
このように、図5に示す実施例では、鋸歯状波の周期に基づいて正弦波を生成し、鋸歯状波と正弦波との差から鋸歯状波の方向に対応した矩形波の立ち上がりや立ち下がりを検出し、鋸歯状波の方向算出を行っている。
【0031】
図1又は図5に示す波形解析装置1をレーザドップラ速度・振動計の一部として利用することができる。レーザドップラ速度計として利用する場合には、鋸歯状波の周期から速度を求めると共に、波形解析装置1により解析される急峻な傾きを有する側が立ち上がりか又は立ち下がりかに応じて移動方向を判定する。
【0032】
レーザドップラ振動計として利用する場合は、鋸歯状波の一波長変化時間毎の鋸歯状波の傾き方向を算出し、振動面の変位を鋸歯状波の一波長変化ごとに算出方向へレーザ発振波長の半波長分(λ/2)の距離を変化させる。このとき、振動面の移動が同方向である場合は算出結果も同方向を示し、振動面の移動方向が異なる方向である場合には、逆方向を示すことから、折り返し点の検出にも使用することができる。また、順逆方向の検出がそれぞれ可能であるため、移動(移動量:λ/2以上)、停止(移動量:λ/2未満)(移動量:λ/2以上)というサイクルの検出が可能である。
【0033】
図6はレーザドップラ計測装置(レーザドップラ速度計又はレーザドップラ振動計)の構成を示すブロック図である。図6に示す例では、速度又は振動を計測する対象となる測定対象物の表面に向けてレーザ光を出射する共振器14を半導体レーザ部12と、こ半導体レーザ部12を駆動するレーザ駆動回路22とを備えている。半導体レーザ部12は、レーザ発振すると共に出射光と戻り光とを自己混合させる共振器を有するレーザダイオード(LD)14と、出射光及び戻り光とを集光するレンズ16と、レーザダイオード14の背面からの放射光を検出するフォトダイオード(PD)20とを備えている。ドップラ周波数成分を有する戻り光は、共振器内で出射光と自己混合し、鋸歯状のビート波を生じる。このビート波は、フォトダイオード20から出力される。
【0034】
レーザドップラ計測装置はさらに、PD20から出力されるビート波を増幅する増幅器23と、この増幅器23で増幅されたビート波をデジタルデータに変換するA/D変換器24と、このA/D変換器24にてデジタルデータに変換されたビート波を入力波として信号処理する信号処理手段25とを備えている。
【0035】
信号処理手段25は、デジタルデータに変換されたビート波を記憶するメモリ26と、上述した実施形態又は実施例による波形解析装置1とを備えている。波形解析装置1は、鋸歯状波の周波数を検出すると共に、ビート波を入力波として立ち上がりと立ち下がりのうちどちらが急峻であるのかを判定する。鋸歯状波の周波数から測定対象物の移動速度が判明し、また、急峻な波形の有無及び位置から測定対象物の移動方向が判明する。
【0036】
図7(A)は、鋸歯状波の周期が一定である場合のモデル波生成手段3の構成例を示すブロック図であり、レーザドップラ速度計に使用する場合に好適な構成である。図7(A)に示す例では、モデル波生成手段3は、鋸歯状波の周波数を検出する周波数検出部30と、この周波数検出部で検出された周波数での正弦波を生成する正弦波生成部31と、この正弦波生成部31にて生成された正弦波の位相及び振幅を修正する位相・振幅修正部32とを備えている。図7(A)に示す例では、周波数検出部30は、検出した周波数を主要周波数として出力し、この主要周波数は信号処理手段によって速度情報に変換される。
【0037】
図7(B)は鋸歯状波の周波数が変化する場合に好適なモデル波生成手段3の構成例を示すブロック図である。この図7(B)に示すモデル波生成手段3は、例えばレーザドップラ振動計に用いられる。図7(B)に示す例では、モデル波生成手段3は、鋸歯状波のノイズを除去するノイズ除去部41と、鋸歯状波の振幅値を検出する振幅値検出部42と、ノイズ除去部41によって高周波ノイズや低周波ノイズが除去された鋸歯状波のゼロクロス位置を検出すると共に各波毎の周期を算出するゼロクロス検出部43と、このゼロクロス検出部43で算出された周期で且つ振幅値検出部にて検出された振幅の正弦波を生成する正弦波生成部44とを備えている。図7(B)に示す例では、ゼロクロス検出部43にて検出された各鋸歯状波の周期を信号処理手段に出力するようにしてもよい。
【0038】
図8は、本実施例によるレーザドップラ振動計を用いて測定対象物の振動を計測した例を示す波形図である。符号2aで示す鋸歯状波が入力されると、図1又は図5に示す波形解析装置は、鋸歯状波のうち急峻な傾き部分を抽出する。すると、立ち上がりが急峻、急峻なし、立ち下がりが急峻という情報及びその間隔を得ることができる。立ち上がりが急峻な範囲で、図8中上向き矢印で示す間隔を計測すると、測定対象物の速度を知ることができる。すなわち、測定対象物は矢印間でレーザ発振波長の半分の長さ(λ/2)変位している。そして、上向き矢印では、立ち上がりが急峻であるため、測定対象物は遠ざかっており、矢印がない部分で測定対象物表面が折り返し、下向き矢印部分にて測定対象物が近づいている。
【0039】
図8中ビート波2aの折り返し部分については、パルスが生じない。ビート波の折り返し部分では、測定対象物の変位量がλ/2未満であることから、鋸歯状波一波とならず、崩れた波形となり、このときの振幅は鋸歯状波部分よりも小さい。従って、図9(A)に示すように、ビート波2aの折り返し部分の振幅は通常の鋸歯状波部分の振幅と略等しい振幅を有するモデル波3aの振幅よりも小さい。このため、上述した代数的処理を行うと、折り返し部分については図9(B)に示すようにパルスが生じない。折り返し部分がゼロクロスしない場合も同様にパルスが生じない。逆に、判定用矩形化波算出部が、矩形モデル波と矩形傾差抽出波との差をとるようにすると、判定用矩形化波算出部には、一定パルス幅以上のパルスが生じるため、単に振動周期を得る場合には、この折り返し部分にて特徴的なパルスが生じるように代数的処理及びモデル波の振幅及び波形を設定するようにしてもよい。また、測定対象物の速度がある値以上となったことを検出したい場合には、モデル波の傾きが急峻となるようにモデル波の振幅を調整して代数的処理を行うことで、入力波のうちモデル波で意図する傾きよりも大きい傾きとなっている部分のみに特徴的なパルスを生じさせることができる。
【0040】
このように、本実施例によると代数和とパルス化という比較的単純な処理の組み合わせで波形の特徴を検出することができ、レーザドップラ計測装置に応用した場合には、複雑な回路や処理を行わずに測定対象物の速度や振動を高精度に測定することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、傾差抽出波算出手段が、モデル波生成手段で生成されたモデル波と、入力波保持手段で保持された入力波の差を抽出するため、モデル波の傾きと入力波の傾きの差に応じた変化が傾差抽出波として抽出され、さらに、判定手段が、傾差抽出波算出手段によって算出された傾差抽出波の波形に基づいてモデル波に対する入力波の波形の傾きの大きさを判定するため、予め定められた傾きよりも急峻な傾き部分を入力波から抽出することができ、すると、入力波の傾きが予め設定された抽出傾き情報による傾きよりも急峻となったか否かを時系列で判定することができ、このとき、モデル波の生成やモデル波と入力波の差の算出は比較的簡易な構成で実現することができ、このため、簡易な構成で周期的な波形を有する入力波のうち急峻な部分を特定することができる、という従来にない優れた波形解析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図であり、図1(A)は全体構成例を示す図で、図1(B)は判定手段の構成例を示す図である。
【図2】図1に示す構成にて用いる波形の一例を示す波形図であり、図2(A)は入力波とモデル波と傾差抽出波の波形例を示す図で、図2(B)は矩形モデル波と矩形傾差抽出波と判定用矩形波の波形例を示す図である。
【図3】図2に示す波形例に対して入力波の立ち下がりを急峻とした場合の例を示す波形図であり、図3(A)は入力波とモデル波と傾差抽出波の波形例を示す図で、図3(B)は矩形モデル波と矩形傾差抽出波と判定用矩形波の波形例を示す図である。
【図4】図2及び図3に示す波形例に対して入力波を三角波とした場合の例を示す波形図であり、図4(A)は入力波とモデル波と傾差抽出波の波形例を示す図で、図4(B)は矩形モデル波と矩形傾差抽出波と判定用矩形波の波形例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例によるレーザドップラ計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】本実施例でのモデル波生成手段の構成例を示すブロック図であり、図7(A)は鋸歯状波の周期が一定の場合の構成例を示す図で、図7(B)は鋸歯状波の周期が可変の場合の構成例を示す図である。
【図8】図5に示す構成での鋸歯状波の解析例を示す波形図である。
【図9】図8に示すビート波の折り返し部分についての処理例を示す波形図であり、図9(A)は入力波とモデル波と傾差抽出波の波形例を示す図で、図4(B)は矩形モデル波と矩形傾差抽出波と判定用矩形波の波形例を示す図である。
【符号の説明】
2 入力波保持手段
3 モデル波生成手段
3A 周波数追従制御部
3B 正弦波モデル生成部
3C 三角波モデル生成部
4 傾差抽出波算出手段
5 判定手段
5A モデル波矩形化部
5B 傾差抽出波矩形化部
5C 判定用矩形波算出部
5D 評価部

Claims (4)

  1. 周期的な波形を有する入力波を一時的に保持する入力波保持手段と、この入力波保持手段によって保持された入力波略同一周期かつ略同一振幅かつ略同一位相で予め定められた波形のモデル波を生成するモデル波生成手段と、このモデル波生成手段で生成されたモデル波と前記入力波保持手段で保持された入力波の差を抽出する傾差抽出波算出手段と、この傾差抽出波算出手段によって算出された傾差抽出波の波形に基づいて前記モデル波に対する前記入力波の波形の傾きの大きさを判定する判定手段とを備え、
    この判定手段が、前記モデル波を矩形化するモデル波矩形化部と、前記傾差抽出波を矩形化する傾差抽出波矩形化部と、この傾差抽出波矩形化部によって矩形化された矩形傾差抽出波と前記モデル波矩形化部によって矩形化された矩形モデル波とを加算する判定用矩形波算出部と、この判定用矩形波算出部によって算出された判定用矩形波のうち連続する2パルスの大きさの関係に基づいて、前記入力波の立ち上がり又は立ち下がりの傾きの絶対値について対応するモデル波に対する大きさを評価する評価部とを備えたことを特徴とする波形解析装置。
  2. 前記モデル波生成手段が、前記入力波と振幅を略同一とする正弦波波形を前記モデル波として生成する正弦波モデル生成部を備えたことを特徴とする請求項1記載の波形解析装置。
  3. 前記モデル波生成手段が、予め定められた抽出傾き情報に基づいて当該抽出傾き情報での傾き値と略同一の傾き値を傾きの絶対値とする三角波を前記モデル波として生成する三角波モデル生成部を備えたことを特徴とする請求項1記載の波形解析装置。
  4. 前記モデル波生成手段が、前記入力波の周波数変化に追従して前記モデル波の周波数を変調させる周波数追従制御部を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の波形解析装置。
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