JP3282746B2 - 半導体レーザデジタル振動変位計測装置 - Google Patents

半導体レーザデジタル振動変位計測装置

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JP3282746B2 JP08337493A JP8337493A JP3282746B2 JP 3282746 B2 JP3282746 B2 JP 3282746B2 JP 08337493 A JP08337493 A JP 08337493A JP 8337493 A JP8337493 A JP 8337493A JP 3282746 B2 JP3282746 B2 JP 3282746B2
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博文 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザを用いて
振動する物体の変位を測定する半導体レーザデジタル振
動変位計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザドップラ速度計(LDV)
を用いた振動解析装置は、ヘリウムネオンレーザを用い
た装置に比べて光学系が簡単である。ここで、半導体レ
ーザを用いた振動測定装置の一例を挙げ簡単に説明す
る。
【0003】図4は変形トワイマン・グリーン干渉系を
用いた従来型の振動測定装置のブロック図、図5は図4
に示した振動測定装置を説明するための図である。図4
において、半導体レーザダイオード(LD)1からの光
周波数ωcの出射光は、光周波数シフタ42によりその
まま直進する光と一定の周波数ωbだけ周波数偏移した
局発光とに分けられ、光分岐器(BS)40に向けて出
射される。そして、光分岐器(BS)40を透過して被
測定物体(O)3で反射し被測定物体(O)3の振動に
よりドップラ周波数偏移した戻り光と、光分岐器(B
S)40、鏡41で反射した戻り局発光とを光分岐器
(BS)40から外部のホトダイオード(PD)4に取
り込み、ヘテロダイン混合することによって、図5
(a)に示すようにドップラビート信号を得ている。そ
の周波数がωbを中心として変化するドップラビート周
波数を図5(b)に示す。そのビート信号を中心周波数
ωbの電気的な周波数弁別器44で変換し、図5(c)
に示すようにドップラビート周波数bと同じ位相で振動
周波数ωsで振動している被測定物体の速度に比例した
アナログ信号を得る。これをAD変換器45で数値化し
た後、演算処理回路8で積分することで図5(x)に示
すように90°位相のずれた変位波形を得、さらに高速
フーリエ変換(FFT)処理等することでスペクトル解
析を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の測
定原理による振動解析装置の特徴は、精度はよいが、光
学系の部分で周波数シフタ42と光分岐路(BS)40
および鏡41を用いているので、光学ヘッド部分が大き
くなるのが問題である。さらに、周波数弁別器44とA
D変換器45が必要であり、信号処理系の回路も複雑に
なるという問題がある。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、光学系及び信号処理系を簡略化した半導体レーザ
デジタル振動変位計測装置を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、半
導体レーザを用いて振動する物体の変位を測定する半導
体レーザデジタル振動変位計測装置であって、レーザ発
振周波数が固定された半導体レーザと、前記半導体レー
ザに電流を供給する駆動回路と、前記半導体レーザの射
出光を対象物の表面に照射し、その反射光の一部が戻り
光として前記半導体レーザに結合するように配置された
光学素子と、前記対象物の振動変位に関係して生ずる半
導体レーザの出力の変化を検出する受光素子と、前記受
光素子出力から信号成分を増幅する増幅回路と、該増幅
回路の出力のドップラビート波の波数を計数するカウン
タ回路と、前記増幅回路の出力から変位方向を判別し前
記カウンタ回路の加算と減算を切り換える信号を取り出
す方向判別回路と、前記カウンタ回路の計数値を記憶し
前記振動変位を演算する演算処理回路とから構成したこ
とを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明の半導体レーザデジタル振動変位計測装
置では、レーザ発振周波数が固定された半導体レーザ
と、前記半導体レーザに電流を供給する駆動回路と、前
記半導体レーザの射出光を対象物の表面に照射し、その
反射光の一部が戻り光として前記半導体レーザに結合す
るように配置された光学素子と、前記対象物の振動変位
に関係して生ずる半導体レーザの出力の変化を検出する
受光素子で構成したので、光学系の部分で周波数シフタ
と光分岐路および鏡を用いずに構成することができ、光
学系の構成を簡素化することができる。また、前記受光
素子出力から信号成分を増幅する増幅回路と、該増幅回
路の出力のドップラビート波の波数を計数するカウンタ
回路と、前記増幅回路の出力から変位方向を判別し前記
カウンタ回路の加算と減算を切り換える信号を取り出す
方向判別回路と、前記カウンタ回路の計数値を記憶し前
記振動変位を演算する演算処理回路で構成したので、信
号処理系も簡素化することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明の半導体レーザデジタル振動変位
計測装置の1実施例を示すブロック図、図2は図1に示
す実施例の動作を説明するための波形図である。
【0009】図1において、半導体レーザダイオード
(LD)1は、レーザ発振周波数が固定され、半導体レ
ーザダイオード駆動回路9からの注入電流でレーザ発光
するものであり、注入電流は、一定の直流電流である。
光学素子(LE)2は、半導体レーザダイオード(L
D)1の射出光を対象物(O)3の表面に照射し、その
反射光の一部が戻り光として半導体レーザダイオード
(LD)1に結合するように配置されたものである。受
光素子(PD)4は、対象物(O)3の振動変位に関係
して生ずる半導体レーザの出力の変化を検出するもので
ある。増幅回路5は、受光素子(PD)4の出力から信
号成分を増幅するものである。カウンタ回路7は、増幅
回路5の出力のドップラビート波の波数を計数するもの
である。方向判別回路6は、増幅回路5の出力から変位
方向を判別しカウンタ回路7の加算と減算を切り換える
信号を取り出すものである。演算処理回路8は、カウン
タ回路7の計数値を記憶し対象物(O)3の振動変位を
演算するものである。
【0010】次に、動作を説明する。半導体レーザダイ
オード(LD)1の出射光は、前方へ光学素子(LE)
2を通して対象物(O)3に照射され、そこからのドッ
プラ周波数偏移した反射光の一部が半導体レーザダイオ
ード(LD)1に戻り光として帰還し、自己混合効果を
発生させる。そして、半導体レーザダイオード(LD)
1の後方への出射光は、ドップラビート信号による出力
変動として、受光素子(PD)4で電気信号に変換さ
れ、増幅回路5により増幅される。このドップラビート
信号は、図2(a)に示すような波形となり、自己混合
効果により変位の方向に応じてビート波の傾きは逆転す
る。そのビート波の傾きより方向を判別する方向判別回
路(DDC;Direction Discrimination Circuit)
6の出力電圧は、図2(b)に示すように矩形波となる
ので、その方向判別信号によりドップラビート波のカウ
ンタ7のモードを増加または減少と切り換えることによ
って、図2(n)に示すような増減する計数値信号を生
成する。
【0011】計数値nと変位xとの関係式は、λをレー
ザの発振波長とすると、
【0012】
【数1】x=(λ/2)・n と表されるので、この計数値信号(n)は、取り込まれ
た演算処理回路8で直ちに図2(x)のような変位情報
として得られる。
【0013】図3は小型ラウドスピーカの表面の変位振
動波形を実測した結果の1例を示す図であり、(a)は
ドップラビート波の計数値波形を示す図、(b)はドッ
プラビート波の計数値を演算処理し変位変換した結果を
示す図、(c)はドップラビート波の計数値をFFT処
理した結果を示す図である。
【0014】小型ラウドスピーカの表面の変位振動波形
を実測し、ドップラビート波の計数値波形を示したのが
図3(a)であり、この離散的デジタル値をフィルタ処
理することにより、図3(b)に示すように滑らかな曲
線に加工することができ、図(c)に示すようにカウン
トされたデジタル値をFFT処理することにより、振動
スペクトル解析をも行うことができる。
【0015】本発明によるデジタル振動変位計測装置
は、小型で低コストである特徴を有するが、精度は、光
波の半波長を振動振幅で除した数値にほぼ等しいので、
大振幅になるほど精度が良くなる。
【0016】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記
の実施例では、振動変位を計測したが、振動変位を微分
して速度を検出してもよいし、振動変位を2回微分して
加速度を検出してもよいし、振動変位をフーリエ変換処
理して周波数スペクトルを求め振動を解析するように構
成してもよい。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、自己混合効果を利用した振動変位検出装置で
ドップラビート波の波数を計数するカウント回路と、カ
ウンタのモードを変える方向判別回路と、計数値列を演
算する演算処理回路とを設けてあるので、得られた計数
値から直接振動物体の変位を検出することができる。し
かも、光学系は、レーザの他に集光用のレンズのみすで
済むので簡略化することができる。
【0018】従来の方式における方向判別回路では、速
度が零になる時刻というのがビート波も発生しないの
で、それを電気的に信号として取り出すとき遅れを生じ
てしまうが、本発明によれば、速度が零になる点におい
て、変位の変化量が小さく、その時には変化のカウント
のタイミングが遅れるので、速度零時刻の遅延を補う効
果を持つ。したがって、本発明は、従来の方向判別回路
において問題となっているこれらの問題を原理的に解決
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体レーザデジタル振動変位計測
装置の1実施例を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す実施例の動作を説明するための波
形図である。
【図3】 小型ラウドスピーカの表面の変位振動波形を
実測した結果の1例を示す図である。
【図4】 変形トワイマン・グリーン干渉系を用いた従
来型の振動測定装置のブロック図である。
【図5】 図4に示した振動測定装置を説明するための
図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザダイオード、2…光学素子、3…対象
物、4…受光素子、5…増幅回路、6…方向判別回路、
7…カウンタ回路、8…演算処理回路、9…駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角 正雄 東京都東大和市湖畔2丁目325番8号 (56)参考文献 特開 平2−201165(JP,A) 特開 平2−147922(JP,A) 実開 昭60−181628(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 9/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザを用いて振動する物体の変
    位を測定する半導体レーザデジタル振動変位計測装置で
    あって、レーザ発振周波数が固定された半導体レーザ
    と、前記半導体レーザに電流を供給する駆動回路と、前
    記半導体レーザの射出光を対象物の表面に照射し、その
    反射光の一部が戻り光として前記半導体レーザに結合す
    るように配置された光学素子と、前記対象物の振動変位
    に関係して生ずる半導体レーザの出力の変化を検出する
    受光素子と、前記受光素子出力から信号成分を増幅する
    増幅回路と、該増幅回路の出力のドップラビート波の波
    数を計数するカウンタ回路と、前記増幅回路の出力から
    変位方向を判別し前記カウンタ回路の加算と減算を切り
    換える信号を取り出す方向判別回路と、前記カウンタ回
    路の計数値を記憶し前記振動変位を演算する演算処理回
    路とから構成したことを特徴とする半導体レーザデジタ
    ル振動変位計測装置。
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