JPH1128760A - シート引取機の制御装置とその制御方法 - Google Patents

シート引取機の制御装置とその制御方法

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JPH1128760A
JPH1128760A JP9183916A JP18391697A JPH1128760A JP H1128760 A JPH1128760 A JP H1128760A JP 9183916 A JP9183916 A JP 9183916A JP 18391697 A JP18391697 A JP 18391697A JP H1128760 A JPH1128760 A JP H1128760A
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roll
take
sheet
control mode
torque
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JP9183916A
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Yoshiaki Handou
儀昭 畔堂
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は冷却ロールと引取ロール間の張力制御
の精度を向上させ、かつシート成形時における引取機の
定張力制御を安定に行い、冷却ロールでのシートの密着
性を高め、シートの離れマークや、シートの熱収縮率の
均一性などを改善したシート引取機の制御装置とその制
御方法を提供することを目的とする。 【解決手段】シートの成形運転時にトルク制限設定器2
5によって速度制御モードからトルク制御モードに切換
えるモード切換時に、冷却ロール5,6,7と引取ロー
ル8との間のシート張力を現状張力で維持し、冷却ロー
ル5,6,7と引取ロール8との間のシート張力を一定
張力に保持する状態でトルク制御を行う引取ロール制御
回路24を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はTダイより押し出さ
れたシート原料の熱可塑性樹脂を引取機で引き取り、シ
ートを成形するシート成形装置で使用されるシート引取
機の制御装置とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シート成形装置には押出機、T
ダイ、引取機、巻取機などが設けられている。さらに、
引取機にはタッチロールと、キャストロールと、複数の
冷却ロールと、引取ロールと、ニップロールとが設けら
れている。そして、Tダイより押し出されたシート原料
の熱可塑性樹脂を引取機内の各ロール間に形成されるシ
ート搬送路を経て引き取り、シートを成形する構成のも
のが従来から知られている。なお、シート成形ではシー
ト厚さが1mm程度を境として、それ以下を薄物シー
ト、それ以上を厚物シートと呼び、薄物シートは巻取機
で巻き取り、厚物シートは裁断して積み重ねるようにな
っている。
【0003】また、従来のシート成形装置の運転中は冷
却ロールと引取ロールとの間に張設されるシートの張力
制御は速度制御によるドロー制御(速度差制御)で行わ
れている。このドロー制御は引取機内のシート搬送路に
おける前段の冷却ロールの速度を基準として後段の引取
ロールの速度の比率を一定に保持する制御である。そし
て、この引取ロールの速度制御はシート成形装置による
シートの成形運転の立上げ時、及び成形運転の立上げ
後、シートの成形運転が安定化される通常運転時にとも
に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成のものに
あってはシート成形装置の運転中、引取機内のシート搬
送路における冷却ロールと引取ロールとの間に張設され
るシートの張力設定に時間を要する問題がある。
【0005】また、シート成形装置の長時間運転におい
ては押出機とTダイとの間の熱可塑性樹脂の温度変化
や、周囲の温度変化によるシート原料の冷却ムラ等によ
り、シートの原料物性からの伸縮が生じる。そのため、
この場合には冷却ロールと引取ロールとの間に張設され
るシートの定張力が維持できず、シートの弛みや、破断
が生じるおそれがある。
【0006】なお、従来から冷却ロール及び引取ロール
の駆動にはACサーボモータを使用している。そして、
この種のモータでは運転停止中での速度/トルク制御の
切換えは可能であるが、運転中での速度/トルク制御の
切換えは不可能であったのが実情である。
【0007】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、多品種のシート原料に対して、速度制
御(冷却ロールと引取ロール間のドロー制御)とトルク
制御とを使い分けできるようにして冷却ロールと引取ロ
ール間の張力制御精度の向上を図ることができ、特にシ
ート原料の物性に影響なく、シート成形時における引取
機の定張力制御を行うことができるとともに、安定した
張力制御を行うことができ、冷却ロールでのシートの密
着性を高め、シートが冷却ロールから離れる時点でシー
ト表面に発生する離れマークや、シートの熱収縮率の均
一性などを改善することができるシート引取機の制御装
置とその制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明はTダイ
より押し出された熱可塑性樹脂をキャストロールと、冷
却ロールと、引取ロールとを備えた引取機で引き取り、
シートを成形するシート成形装置で使用されるシート引
取機の制御装置において、前記シートの成形運転時に前
記引取ロールの駆動モータの制御状態を前記駆動モータ
の回転速度を予め設定された所定の設定速度に制御する
速度制御モードと、前記駆動モータのトルクを予め設定
された所定の設定トルクに制御するトルク制御モードと
に選択的に切換える制御モード切換え手段と、前記引取
ロール駆動モータの速度制御モード時における現状トル
ク値を記憶する記憶手段と、前記引取ロール駆動モータ
の制御モードを前記速度制御モードから前記トルク制御
モードに切換えるモード切換時に、前記記憶手段による
記憶データに基いて前記冷却ロールと前記引取ロールと
の間の前記シートの張力を現状張力で維持し、前記冷却
ロールと前記引取ロールとの間の前記シートの張力を一
定張力に保持する状態で前記トルク制御を行う制御手段
とを具備したことを特徴とするシート引取機の制御装置
である。そして、本請求項1の発明ではシートの成形運
転の立上げ時には速度制御モードで引取ロールの駆動モ
ータの制御を行い、この引取ロール駆動モータの速度制
御モード時における現状トルク値を記憶手段に記憶させ
る。さらに、引取ロール駆動モータの制御モードを速度
制御モードからトルク制御モードに切換えるモード切換
時には記憶手段による記憶データに基いてモード切換時
点のトルク値をトルク指令として冷却ロールと引取ロー
ルとの間のシートの張力を現状張力で維持し、冷却ロー
ルと引取ロールとの間のシートの張力を一定張力に保持
する状態でトルク制御を行うようにしたものである。
【0009】請求項2の発明はTダイより押し出された
熱可塑性樹脂をキャストロールと、冷却ロールと、引取
ロールとを備えた引取機で引き取り、シートを成形する
シート成形装置で使用され、前記シートの成形運転時に
前記引取ロールの駆動モータを制御するシート引取機の
制御方法において、前記シートの成形運転の開始時に前
記引取ロールの駆動モータの回転速度を予め設定された
所定の設定速度に制御する速度制御モードで前記引取ロ
ール駆動モータの制御を行う運転開始工程と、前記シー
トの成形運転の安定後、前記引取ロール駆動モータの制
御を前記速度制御モードから前記駆動モータのトルクを
予め設定された所定の設定トルクに制御するトルク制御
モードに切換える制御モード切換え工程とを具備したこ
とを特徴とするシート引取機の制御方法である。そし
て、本請求項2の発明ではシートの成形運転の開始時に
は運転開始工程により、引取ロールの駆動モータの回転
速度を予め設定された所定の設定速度に制御する速度制
御モードで引取ロール駆動モータの制御を行い、シート
の成形運転の安定後、制御モード切換え工程により、引
取ロール駆動モータの制御を速度制御モードから駆動モ
ータのトルクを予め設定された所定の設定トルクに制御
するトルク制御モードに切換えるようにしたものであ
る。
【0010】請求項3の発明は請求項2に記載の前記制
御モード切換え工程は前記シートの成形運転の開始後、
前記シートの成形運転が安定する前の状態で、前記引取
ロール駆動モータの制御を前記速度制御モードから前記
トルク制御モードに切換え、この制御モード切換え時点
のトルク値を基準としてトルク調整を行う早期モード切
換え工程を具備することを特徴とするシート引取機の制
御方法である。そして、本請求項3の発明ではシートの
成形運転の開始後、シートの成形運転が安定する前の状
態で、引取ロール駆動モータの制御を速度制御モードか
らトルク制御モードに切換え、この制御モード切換え時
点のトルク値を基準としてトルク調整を行うようにした
ものである。
【0011】請求項4の発明は請求項2に記載の前記制
御モード切換え工程は前記シートの成形運転の開始後、
前記シートの成形運転が安定した状態で、前記トルク制
御モードへの切換え動作と、前記トルク制御モードへの
切換えを行わない前記速度制御モードの継続動作とを選
択する選択工程を具備することを特徴とするシート引取
機の制御方法である。そして、本請求項4の発明ではシ
ートの成形運転の開始後、シートの成形運転が安定した
状態で、トルク制御モードへの切換え動作と、トルク制
御モードへの切換えを行わない速度制御モードの継続動
作とを選択し、速度制御モードの継続動作を選択した場
合にはトルク制御モードへの切換えを行わない状態でシ
ートの成形運転を継続させるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1乃至図3を参照して説明する。図1は本実施の形
態のシート引取機1の制御装置2全体の概略構成を示す
ものである。本実施の形態のシート引取機1には図1に
示すようにタッチロール3と、キャストロール4と、複
数の冷却ロール5〜7と、引取ロール8と、ニップロー
ル9とが設けられている。
【0013】ここで、シート引取機1のシート入口側に
はタッチロール3と、キャストロール4とが配置され、
シート出口側には引取ロール8と、ニップロール9とが
配置されている。さらに、キャストロール4と引取ロー
ル8との間に複数の冷却ロール5〜7が順次配設されて
いる。そして、シート成形装置のTダイ10より押し出
されたシート原料の熱可塑性樹脂を引取機1内の各ロー
ル3〜9間に形成されるシート搬送路Rを経て引き取
り、シートを成形する構成になっている。なお、シート
原料の熱可塑性樹脂としては例えばポリプロピレン(P
P)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル(PET)
等の多品種のシート原料が使用される。
【0014】さらに、本実施の形態のシート成形ではシ
ート厚さが1mm程度より薄い薄物シートは後工程の図
示しない巻取機で巻き取り、シート厚さが1mm程度よ
り厚い厚物シートは裁断して積み重ねるようになってい
る。
【0015】また、本実施の形態のシート引取機1には
キャストロールモータM1、冷却ロールモータM2、引
取ロールモータ(引取ロールの駆動モータ)M3がそれ
ぞれ設けられている。そして、キャストロールモータM
1によってタッチロール3およびキャストロール4、冷
却ロールモータM2によって3つの冷却ロール5〜7、
引取ロールモータM3によって引取ロール8がそれぞれ
駆動されるようになっている。
【0016】さらに、キャストロールモータM1は第1
のサーボアンプ11に、冷却ロールモータM2は第2の
サーボアンプ12に、引取ロールモータM3は第3のサ
ーボアンプ13にそれぞれ接続されている。
【0017】また、第1のサーボアンプ11には第1の
ドローユニット14が接続されている。この第1のドロ
ーユニット14にはシート引取機1の運転状態を設定す
る主設定器15と、冷却ロールドロー設定器16とが接
続されている。
【0018】また、第1のドローユニット14には第1
の増幅回路17と第1の調整器18とが設けられてい
る。ここで、第1の調整器18には2つの入力端と1つ
の出力端とが設けられている。さらに、第1の増幅回路
17の入力端は主設定器15に接続され、出力端は第1
のサーボアンプ11および第1の調整器18の一方の入
力端にそれぞれ接続されている。なお、第1の調整器1
8の他方の入力端には冷却ロールドロー設定器16が接
続されている。
【0019】そして、主設定器15の操作時にはこの主
設定器15による設定位置に応じたレベルの電圧信号が
出力され、第1の増幅回路17を介して第1のサーボア
ンプ11に供給される。さらに、この第1のサーボアン
プ11によってキャストロールモータM1が制御され
る。
【0020】また、第2のサーボアンプ12には第2の
ドローユニット19が接続されている。この第2のドロ
ーユニット19には引取ロールドロー設定器20が接続
されている。
【0021】さらに、第2のドローユニット19には第
2の増幅回路21と第2の調整器22とが設けられてい
る。ここで、第2の調整器22には2つの入力端と1つ
の出力端とが設けられている。また、第2の増幅回路2
1の入力端は第1のドローユニット14の第1の調整器
18に、出力端は第2のサーボアンプ12および第2の
調整器22の一方の入力端にそれぞれ接続されている。
なお、第2の調整器22の他方の入力端には引取ロール
ドロー設定器20が接続されている。
【0022】そして、冷却ロールドロー設定器16の操
作時にはこの冷却ロールドロー設定器16による設定位
置に応じたレベルの電圧信号が出力され、第1の調整器
18に供給される。さらに、この第1の調整器18には
第1の増幅回路17からの出力信号も入力される。そし
て、この第1の調整器18では第1の増幅回路17から
の出力信号に冷却ロールドロー設定器16からの出力信
号が加えられる状態で出力信号が調整される。
【0023】また、第1の調整器18からの出力信号は
第2の増幅回路21を介して第2のサーボアンプ12に
供給される。さらに、この第2のサーボアンプ12によ
って冷却ロールモータM2が制御される。
【0024】また、シーケンサ(記憶手段)23にはフ
ィードバック回路となる第3のサーボアンプ13のトル
クモニタ出力制御を行う引取ロール制御回路(制御手
段)24が接続されている。さらに、シーケンサ23に
はトルク制御モードの場合に有効となるトルク補正設定
器26が接続されている。また、第3のサーボアンプ1
3には速度制御モードの場合に有効となるトルク制限設
定器25が接続されている。
【0025】また、引取ロールドロー設定器20の操作
時にはこの引取ロールドロー設定器20による設定位置
に応じたレベルの電圧信号が出力され、第2の調整器2
2に供給される。さらに、この第2の調整器22には第
2の増幅回路21からの出力信号も入力される。そし
て、この第2の調整器22では第2の増幅回路21から
の出力信号に引取ロールドロー設定器20からの出力信
号が加えられる状態で出力信号が調整される。
【0026】また、第2の調整器22からの出力信号は
第3のサーボアンプ13に供給される。そして、この第
3のサーボアンプ13によって引取ロールモータM3が
制御される。
【0027】ここで、トルク制限設定器25は速度制御
モードに設定されている場合には引取ロールモータM3
の予め設定された所定のトルク制限設定になっている。
また、トルク制限設定器25はトルク制御モードに設定
された場合には無効になるようになっている。
【0028】さらに、速度制御での運転時、第3のサー
ボアンプ13内のトルクモニタ出力(PV値)をシーケ
ンサ23の(A/D)に常時入力し、速度制御モードか
らトルク制御モードに切換えたとき、そのトルクモニタ
値(PV値)がシーケンサ23の(D/A)から出力さ
れ、トルク指令値(SV値)として第3のサーボアンプ
13に入力されるようになっている。このとき、トルク
モニタ値(PV値)=トルク指令値(SV値)の関係か
ら引取ロールモータM3のモータトルク(仕事量)には
変動なく、トルク制御に切換わり、前段の冷却ロール5
〜7と後段の引取ロール8との間のシート搬送路Rでの
張力変動もなく、安定した成形運転を継続して行うこと
ができる。
【0029】なお、トルク制御モードに切換えた後のト
ルク指令はトルク補正設定器26によりシーケンサ23
の(A/D)に入力し、トルク指令値(SV値)の増
(+)/減(−)を行うようになっている。
【0030】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態のシート引取機1の運転時には図2のフロ
ーチャートに示す運転立上げ時の制御動作が行われた
後、図3のフローチャートに示す制御モード切換え動作
が行われる。
【0031】まず、シート原料の熱可塑性樹脂の変更
や、シート厚の変更等の成形条件の変更などによるシー
トの成形運転の開始時には引取ロール制御モードを「速
度」に選択する(ステップS1)。これにより、引取ロ
ール8を駆動する引取ロールモータM3の回転速度を予
め設定された所定の設定速度に制御する速度制御モード
で引取ロールモータM3の制御を行う運転開始工程が行
われる。
【0032】その後、キャストロール4、3つの冷却ロ
ール5〜7及び引取ロール8を運転状態にする(ステッ
プS2)。この状態で、冷却ロール5〜7及び引取ロー
ル8のドロー設定を±0%(速度比1:1)にセットす
る(ステップS3)。続いて、主設定器15にてキャス
トロール4〜引取ロール8を低速運転する(ステップS
4)。
【0033】また、上記ステップS4の後、シート成形
装置の上流の図示しない押出機を運転し、Tダイ10よ
り樹脂を流す(ステップS5)。さらに、Tダイ10よ
り流れた樹脂(シート)をキャストロール4〜引取ロー
ル8のシート搬送路Rに通す(ステップS6)。このと
き、ニップロール9の押付操作で引取ロール8にてシー
トを下流へ送る(ステップS7)。
【0034】その後、主設定器15にてキャストロール
4〜引取ロール8を徐々に所定速度にセットする(ステ
ップS8)。続いて、冷却ロール5〜7及び引取ロール
8の各ドロー設定器16、20にて速度調整を行い、最
適成形状態にする(ステップS9)。
【0035】また、シートの成形運転の安定後、引取ロ
ールモータM3の制御を速度制御モードからトルク制御
モードに切換える制御モード切換え工程が行われる。こ
の制御モード切換え工程では図3のフローチャートに示
すようにまず、シートの成形運転が安定している状態か
否かが判断される(ステップS10)。
【0036】このステップS10で、シートの成形運転
が安定している状態と判断された場合には次のステップ
11に進み、引取ロール8のトルクモード切換を行うか
否かが判断される。
【0037】このステップS11で、引取ロール8のト
ルクモード切換を行う状態と判断された場合には引取ロ
ール8のトルクモード時のトルク補正設定器26を±0
%にセットする(ステップS12)。この状態で、次に
引取ロール8の制御モードを「トルク」に切換える(ス
テップS13)。このとき、制御モード切換時のトルク
値をシーケンサ23から指令値として出力し、第3のサ
ーボアンプ13内にてバンプレス(速度変動なし)で速
度からトルク制御に切換わる(ステップS14)。これ
により、引取ロール8が「トルク制御」で成形運転が行
われ(ステップS15)、成形完了(立下げ)まで「ト
ルク制御」での成形運転が継続される。なお、トルク制
御モード時は弛み吸収を目的に引取ロール8の速度制限
値が自動的にライン速度×1.2倍に制御される。
【0038】また、ステップS10で、シートの成形運
転が安定していない状態と判断された場合には引取ロー
ル8のトルクモード時のトルク補正設定器26を±0%
にセットする(ステップS16)。この状態で、次に引
取ロール8の制御モードを「トルク」に切換える(ステ
ップS17)。この場合には切換え時のトルク値を基準
とし、トルク補正設定器26によりトルク調整を行い、
シーケンサ23から指令値として出力し、冷却ロール5
〜7〜引取ロール8間を最適な張力にセットする(ステ
ップS18)。これにより、引取ロール8が「トルク制
御」で成形運転が行われ(ステップS15)、成形完了
(立下げ)まで「トルク制御」での成形運転が継続され
る。この場合にはモード切換え動作を短時間で行うこと
ができる利点がある。
【0039】また、ステップS11で、引取ロール8の
トルクモード切換を行わない状態と判断された場合、例
えば比較的厚物シートの場合のように「速度制御」モー
ドが好ましい場合には引取ロール8を「速度制御」で成
形運転する(ステップS19)。
【0040】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、シートの成形運転の立上げ時に
は速度制御モードで引取ロールモータM3の制御を行
い、この引取ロールモータM3の速度制御モード時にお
ける現状トルク値をシーケンサ23に記憶させる。さら
に、引取ロールモータM3の制御モードを速度制御モー
ドからトルク制御モードに切換えるモード切換時にはシ
ーケンサ23による記憶データに基いてモード切換時点
のトルク値をトルク指令として冷却ロール5〜7と引取
ロール8との間のシートの張力を現状張力で維持し、冷
却ロール5〜7と引取ロール8との間のシートの張力を
一定張力に保持する状態でトルク制御を行うようにし
た。そのため、引取ロール8の制御は速度制御を基準と
してシート成形運転中にシートの成形に支障なくバンプ
レス(速度変動なし)で速度モードからトルクモードに
切換えることができる。
【0041】また、速度制御モード時のトルクモニタ入
力をシーケンサ23で記憶した切換時点のトルク値をト
ルク指令として入力切換えを行いバンプレスで切換前の
張力を維持するようにしたので、安定した張力制御がで
きる。このように安定した張力制御を行うことにより、
冷却ロール5〜7でのシートの密着性が一段と改良され
た。そのため、シートが冷却ロール5〜7から離れる時
点でシート表面に発生する離れマークや、シートの熱収
縮率の均一性などが格段に改善された。
【0042】さらに、トルク制御の制御量を調整するこ
とにより、シートの熱収縮率をコントロールできる効果
もある。なお、本発明は上記実施の形態に限定されるも
のではなく、さらに、その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、シートの成形
運転時に引取ロールの駆動モータの制御状態を駆動モー
タの回転速度を予め設定された所定の設定速度に制御す
る速度制御モードと、駆動モータのトルクを予め設定さ
れた所定の設定トルクに制御するトルク制御モードとに
選択的に切換える制御モード切換え手段と、引取ロール
駆動モータの速度制御モード時における現状トルク値を
記憶する記憶手段と、引取ロール駆動モータの制御モー
ドを速度制御モードからトルク制御モードに切換えるモ
ード切換時に、記憶手段による記憶データに基いて冷却
ロールと引取ロールとの間のシートの張力を現状張力で
維持し、冷却ロールと引取ロールとの間のシートの張力
を一定張力に保持する状態でトルク制御を行う制御手段
とを設けたので、多品種のシート原料に対して、速度制
御(冷却ロールと引取ロール間のドロー制御)とトルク
制御とを使い分けできるようにして冷却ロールと引取ロ
ール間の張力制御精度の向上を図ることができ、特にシ
ート原料の物性に影響なく、シート成形時における引取
機の定張力制御を行うことができるとともに、安定した
張力制御を行うことができ、冷却ロールでのシートの密
着性を高め、シートが冷却ロールから離れる時点でシー
ト表面に発生する離れマークや、シートの熱収縮率の均
一性などを改善することができる。
【0044】請求項2の発明によればシートの成形運転
の開始時には運転開始工程により、引取ロールの駆動モ
ータの回転速度を予め設定された所定の設定速度に制御
する速度制御モードで引取ロール駆動モータの制御を行
い、シートの成形運転の安定後、制御モード切換え工程
により、引取ロール駆動モータの制御を速度制御モード
から駆動モータのトルクを予め設定された所定の設定ト
ルクに制御するトルク制御モードに切換えるようにした
ので、請求項1と同様の効果がある。
【0045】請求項3の発明によれば、請求項2に記載
の制御モード切換え工程でシートの成形運転の開始後、
シートの成形運転が安定する前の状態で、引取ロール駆
動モータの制御を速度制御モードからトルク制御モード
に切換え、この制御モード切換え時点のトルク値を基準
としてトルク調整を行う早期モード切換え工程を設けた
ので、モード切換え動作を短時間で行うことができる。
【0046】請求項4の発明によれば、請求項2に記載
の制御モード切換え工程にシートの成形運転の開始後、
シートの成形運転が安定した状態で、トルク制御モード
への切換え動作と、トルク制御モードへの切換えを行わ
ない速度制御モードの継続動作とを選択する選択工程を
設けたので、例えば比較的厚物シートの場合のように速
度制御モードが好ましい場合には引取ロールを速度制御
で成形運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のシート引取機の制
御装置全体の概略構成図。
【図2】第1の実施の形態のシート引取機の運転立上げ
時の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図3】第1の実施の形態のシート引取機の制御モード
切換え動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1 シート引取機 4 キャストロール 5,6,7 冷却ロール 8 引取ロール 10 Tダイ M3 引取ロールモータ(引取ロールの駆動モータ) 23 シーケンサ(記憶手段) 25 トルク制限設定器(制御モード切換え手段) 24 引取ロール制御回路(制御手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tダイより押し出された熱可塑性樹脂を
    キャストロールと、冷却ロールと、引取ロールとを備え
    た引取機で引き取り、シートを成形するシート成形装置
    で使用されるシート引取機の制御装置において、 前記シートの成形運転時に前記引取ロールの駆動モータ
    の制御状態を前記駆動モータの回転速度を予め設定され
    た所定の設定速度に制御する速度制御モードと、前記駆
    動モータのトルクを予め設定された所定の設定トルクに
    制御するトルク制御モードとに選択的に切換える制御モ
    ード切換え手段と、 前記引取ロール駆動モータの速度制御モード時における
    現状トルク値を記憶する記憶手段と、 前記引取ロール駆動モータの制御モードを前記速度制御
    モードから前記トルク制御モードに切換えるモード切換
    時に、前記記憶手段による記憶データに基いて前記冷却
    ロールと前記引取ロールとの間の前記シートの張力を現
    状張力で維持し、前記冷却ロールと前記引取ロールとの
    間の前記シートの張力を一定張力に保持する状態で前記
    トルク制御を行う制御手段とを具備したことを特徴とす
    るシート引取機の制御装置。
  2. 【請求項2】 Tダイより押し出された熱可塑性樹脂を
    キャストロールと、冷却ロールと、引取ロールとを備え
    た引取機で引き取り、シートを成形するシート成形装置
    で使用され、前記シートの成形運転時に前記引取ロール
    の駆動モータを制御するシート引取機の制御方法におい
    て、 前記シートの成形運転の開始時に前記引取ロールの駆動
    モータの回転速度を予め設定された所定の設定速度に制
    御する速度制御モードで前記引取ロール駆動モータの制
    御を行う運転開始工程と、 前記シートの成形運転の安定後、前記引取ロール駆動モ
    ータの制御を前記速度制御モードから前記駆動モータの
    トルクを予め設定された所定の設定トルクに制御するト
    ルク制御モードに切換える制御モード切換え工程とを具
    備したことを特徴とするシート引取機の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記制御モード切換え工程は前記シート
    の成形運転の開始後、前記シートの成形運転が安定する
    前の状態で、前記引取ロール駆動モータの制御を前記速
    度制御モードから前記トルク制御モードに切換え、この
    制御モード切換え時点のトルク値を基準としてトルク調
    整を行う早期モード切換え工程を具備することを特徴と
    する請求項2に記載のシート引取機の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記制御モード切換え工程は前記シート
    の成形運転の開始後、前記シートの成形運転が安定した
    状態で、前記トルク制御モードへの切換え動作と、前記
    トルク制御モードへの切換えを行わない前記速度制御モ
    ードの継続動作とを選択する選択工程を具備することを
    特徴とする請求項2に記載のシート引取機の制御方法。
JP9183916A 1997-07-09 1997-07-09 シート引取機の制御装置とその制御方法 Pending JPH1128760A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120299209A1 (en) * 2009-11-10 2012-11-29 Bartholomeus Trommelen Device and method for the longitudinal stretching of a film web
KR102231346B1 (ko) * 2019-10-14 2021-03-24 주식회사 포스코 비정질 리본 장력 제어 장치

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