JPH11286681A - 2価金属チタン酸塩蛍光体 - Google Patents

2価金属チタン酸塩蛍光体

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JPH11286681A
JPH11286681A JP10088494A JP8849498A JPH11286681A JP H11286681 A JPH11286681 A JP H11286681A JP 10088494 A JP10088494 A JP 10088494A JP 8849498 A JP8849498 A JP 8849498A JP H11286681 A JPH11286681 A JP H11286681A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用に耐えうる高輝度を有する希土類元素付
活2価金属チタン酸塩蛍光体を提供しようとするもので
ある。 【解決手段】 組成式 MTiO3 :Pr,M’,Re
で表されることを特徴とする2価金属チタン酸塩蛍光
体。(ただし、Mは2価金属元素、M’はAl及び/又
はGa、ReはGd及び/又はDyをそれぞれ表す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子線、紫外線等を
照射して高輝度の赤色発光を呈する蛍光体に関し、詳し
くは、希土類付活2価金属チタン酸塩蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子線を照射して高輝度に発光す
る実用的な蛍光体は、その構成成分として硫黄元素を含
むものが多い。この種の蛍光体は、電子線源を備えた真
空外囲器内に蛍光膜として塗布し、蛍光表示管、陰極線
管等のデバイスとして使用するため、真空中で刺激を受
けて硫黄が解離し、飛散してデバイスの電子線源を劣化
させる。それ故、硫黄を含まない酸化物系の蛍光体が望
まれている。
【0003】このような要望を満す蛍光体の一つとし
て、希土類元素で付活したアルカリ土類チタン酸塩蛍光
体が提案されている(特開平8ー85788号公報参
照)。この蛍光体は、付活剤としてCe、Tb、Eu、
Tm等に加え、さらにAl、Ga等の周期律表の第3族
元素を添加しており、付活剤元素の希土類元素の種類に
応じた発光色で発光することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この希土類元
素付活アルカリ土類チタン酸塩蛍光体は、発光輝度の点
では必ずしも十分ではなく、実用に供しうる高輝度の蛍
光体の開発が要請されていた。そこで、本発明では、上
記の問題を解消し、実用に耐えうる高輝度の希土類元素
付活2価金属チタン酸塩蛍光体を提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、希土類元素で付活した2価金属チタン酸
塩蛍光体の製造時に、蛍光体原料に添加する添加剤等に
ついて鋭意検討を行った結果、これらの希土類元素付活
2価金属チタン酸塩蛍光体のうち、特定組成のチタン酸
塩蛍光体にGd及び/又はDy元素を所定量加えると、
蛍光体の発光輝度が著しく向上することを見いだし、本
発明を完成させるに至った。
【0006】本発明の構成を記載すると以下のとおりで
ある。 (1) 組成式 MTiO3 :Pr,M’,Reで表される
ことを特徴とする2価金属チタン酸塩蛍光体。(ただ
し、Mは2価の金属元素、M’はAl及び/又はGa、
ReはGd及び/又はDyをそれぞれ表す)。
【0007】(2) 2価金属元素Mが、Mg、Sr、Ca
及びBaの群から選択される1種又は2種以上の元素で
あることを特徴とする前記(1) 記載の2価金属チタン酸
塩蛍光体。 (3) 2価金属元素Mが、Srであることを特徴とする前
記(2) 記載の2価金属チタン酸塩蛍光体。
【0008】(4) 前記Gdの含有量が3×10-4〜10
モル%(1×10-2〜2モル%)であることを特徴とす
る前記(1) 〜(3) のいずれか1つに記載の2価金属チタ
ン酸塩蛍光体。 (5) 前記Dyの含有量が7×10-4〜4×10-1モル%
(2×10-3〜2×10-1モル%)であることを特徴と
する前記(1) 〜(4) のいずれか1つに記載の2価金属チ
タン酸塩蛍光体。
【0009】(7) 前記Prの含有量がPr2 3 に換算
して0.01〜2モル%であることを特徴とする前記
(1) 〜(6) のいずれか1つに記載の2価金属チタン酸塩
蛍光体。 (8) 前記Al及び/又はGaの含有量が0.05〜80
モル%であることを特徴とする前記(1) 〜(7) のいずれ
か1つに記載の2価金属チタン酸塩蛍光体。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の蛍光体の製造には、下記
の原料を用いる。 (i) M元素の酸化物又は焼成によりMの酸化物を生成す
るM化合物(ただし、Mは2価金属元素) (ii)TiO2 又は焼成によりTiの酸化物を生成するT
i化合物 (iii) Pr(NO3 3 等のPrを含有する化合物 (iv)Al2 (SO4 3 、Ga(NO3 3 等のAl及
びGa化合物 (v) GdCl3 、Dy(NO3 3 等のGd及びDy化
合物
【0011】本発明の蛍光体は、上記原料を化学量論的
に上記組成式 MTiO3 :Pr,M’,Re となる
ように秤取し、混合して、耐熱性の容器に充填し、空気
中で1000〜1400℃の温度で0.5〜10時間か
けて焼成することによって製造することができる。
【0012】このようにして製造される本発明の希土類
付活2価金属チタン酸塩蛍光体は、特に加速電圧が20
KV以下の、比較的加速電圧の低い電子線励起下で高輝
度の発光を示し、低速電子線励起蛍光表示管、フィール
ドエミッションディスプレイ(FED)等の電子線励起
ディスプレイの蛍光膜用として推奨されるほか、紫外線
励起下でも高輝度に発光するため、蛍光ランプ用として
も利用することができる。
【0013】なお、本発明では、蛍光体の発光輝度を確
保するために、付活剤プラセオジムの添加量はPr2
3 に換算して0.01〜2モル%の範囲となるように添
加することが望ましい。また、本発明の蛍光体におい
て、母体を構成するM元素は2価金属元素、好ましはM
g、Sr、Ca及びBaの群から選ばれた1種以上の元
素、その中でも発光輝度の点からSrが最も好ましい。
【0014】本発明の蛍光体において、その付活剤とし
て、特開平8ー85788号公報に記載されている、例
えば、Ce、Tb、Eu,Tm等のPr以外の希土類元
素を添加しても、Prで付活する場合と比較して十分な
発光輝度を得ることができず、これにReとしてGd及
び/又はDyを添加しても、発光輝度を向上させること
ができない。
【0015】図1は本発明の蛍光体の1例である、Sr
TiO3 :Pr,Al,Gd蛍光体において、蛍光体に
添加するGd量(Re量)と、各蛍光体を15KVの電
子線で励起した時の発光輝度との相関を示したグラフで
あり、縦軸の発光輝度はGdを添加していない、従来の
蛍光体の発光輝度を100とした時の各蛍光体の相対値
を示したものである。この時、各蛍光体の付活剤である
Prの添加量はいづれも0.2モル%とした。
【0016】図1からわかるように、ReがGdのと
き、Gdの添加量が3×10-4〜10モル%(Gd2
3 に換算した値)の範囲では、Re(Gd)を添加して
いない従来の希土類付活2価金属チタン酸塩蛍光体より
も高輝度であり、さらに、Re(Gd)の添加量が1×
10-2〜2モル%の範囲にあるときには、従来の同種の
蛍光体よりも特に高輝度であった。そして、この傾向
は、付活剤のPrの濃度を変えても同様の傾向を示すこ
とが確認された。
【0017】図2は本発明の蛍光体の1例である、Sr
TiO3 :Pr,Al,Dy蛍光体において、蛍光体に
添加されるRe(Dy)の量と各蛍光体を15KVの電
子線で励起した時の発光輝度との相関を例示したグラフ
であり、縦軸の発光輝度は、Re(Dy)を添加してい
ない従来の蛍光体の発光輝度を100とした時の各蛍光
体の相対値で示してある。この時の各蛍光体の付活剤で
あるPrの添加量は全て0.2モル%とした。
【0018】また、図2からわかるようにReがDyで
ある場合には、Re(Dy)の添加量が7×10-4〜4
×10-1モル%(Dy2 3 に換算した値)の範囲内に
おいては、Re(Dy)を添加していない従来の希土類
付活2価金属チタン酸塩蛍光体よりも高輝度である。さ
らにRe(Dy)の添加量が2×10-3〜2×10-1
ル%である場合、従来の同種の蛍光体よりも特に高輝度
であった。
【0019】図3は本発明の蛍光体の1例である、Sr
TiO3 :Pr,Al,Gd蛍光体を15KVの電子線
で励起した時の発光スペクトルを例示したものである。
図3から明らかなように、この蛍光体は約620nmに
そのピーク波長を有する発光スペクトルを示して赤色発
光を呈した。図3は、ReとしてGdを添加した蛍光体
を例示したが、ReがDyでもその発光スペクトルは図
3の場合とほぼ同じであった。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。 (実施例1) SrCO3 :147.6g TiO2 : 79.9g Al2 3 : 15.3g Gd2 3 : 0.73g(0.2モル%) PrCl3 ・7H2 0 : 0.75g(0.2モル%) 上記蛍光体原料を十分に混合し、アルミナ坩堝に詰めて
1200℃で3時間電気炉で焼成して、実施例1のSr
TiO3 :Pr,Al,Gd蛍光体を得た。
【0021】 (実施例2) SrCO3 :147.6g TiO2 : 79.9g Al2 3 : 15.3g Dy2 3 : 0.11g(0.03モル%) PrCl3 ・7H2 O : 0.75g(0.2モル%) 上記蛍光体原料を十分に混合し、アルミナ坩堝に詰めて
1200℃で3時間電気炉に入れて、焼成し、実施例1
のSrTiO3 :Pr,Al,Dy蛍光体を得た。
【0022】 (比較例1) SrCO3 :147.6g TiO2 : 79.9g Al2 3 : 15.3g PrCl3 ・7H20 : 0.75g(0.2モル%) 上記蛍光体原料を十分に混合し、アルミナ坩堝に詰めて
1200℃で3時間電気炉に入れて、焼成し、比較例1
のSrTiO3 :Pr,Al蛍光体を得た。
【0023】次に、上記の実施例1、2及び比較例1の
各蛍光体に15KVの電子線を照射して、その時の発光
輝度を比較したところ、比較例の蛍光体の発光輝度を1
00とした時、実施例1及び2の蛍光体の各相対発光輝
度はそれぞれ160及び130の赤色発光を呈した。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記の構成を採用することによ
り、従来の希土類付活アルカリ土類チタン酸塩蛍光体に
比べ、特に電子線や紫外線励起下において、より高輝度
の赤色発光を呈し、電子線励起ディスプレイ用や蛍光ラ
ンプ用の蛍光体として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体に添加する希土類元素(Gd)
の添加量と発光輝度との相関を示したグラフである。
【図2】本発明の蛍光体に添加する希土類元素(Dy)
の添加量と発光輝度との相関を示したグラフである。
【図3】本発明の蛍光体の発光スペクトルを例示するグ
ラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式 MTiO3 :Pr,M’,Re
    で表されることを特徴とする2価金属チタン酸塩蛍光
    体。(ただし、Mは2価の金属元素、M’はAl及び/
    又はGa、ReはGd及び/又はDyをそれぞれ表
    す)。
  2. 【請求項2】 前記2価金属元素がMg,Sr,Ca及
    びBaの群から選択される1種又は2種以上の元素であ
    ることを特徴とする請求項1記載の2価金属チタン酸塩
    蛍光体。
  3. 【請求項3】 前記Gdの含有量が3×10-4〜10モ
    ル%であることを特徴とする請求項1又は2記載の2価
    金属チタン酸塩蛍光体。
  4. 【請求項4】 前記Dyの含有量が7×10-4〜4×1
    -1モル%であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の2価金属チタン酸塩蛍光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100424073B1 (ko) * 2001-05-22 2004-03-22 한국과학기술연구원 관능기를 함유한 플로렌계 화합물, 그 중합체 및 이들을이용한 el 소자
JP2006213892A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Futaba Corp 蛍光体及び蛍光発光素子
KR100649242B1 (ko) * 2000-04-24 2006-11-24 삼성에스디아이 주식회사 저전압용 적색 형광체의 제조 방법
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JP2009242735A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Noritake Co Ltd 蛍光体および蛍光表示装置

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