JPH11286495A - ジアルキルリン酸の精製方法 - Google Patents

ジアルキルリン酸の精製方法

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JPH11286495A
JPH11286495A JP8854398A JP8854398A JPH11286495A JP H11286495 A JPH11286495 A JP H11286495A JP 8854398 A JP8854398 A JP 8854398A JP 8854398 A JP8854398 A JP 8854398A JP H11286495 A JPH11286495 A JP H11286495A
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JP
Japan
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phosphoric acid
aqueous
solution
methanol
acid
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Application number
JP8854398A
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English (en)
Inventor
Masayuki Watanabe
雅之 渡邉
Taiji Morita
泰治 森田
Masumitsu Kubota
益充 久保田
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Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希土類元素、アクチノイド元素の分離精製に
使用されたジアルキルリン酸からモノアルキルリン酸を
除去し、又はジアルキルリン酸の製造過程で副成するモ
ノアルキルリン酸を除去してジアルキルリン酸を精製す
る方法。 【解決手段】 ジアルキルリン酸からメタノール、メタ
ノール水溶液、またはアセトン水溶液を用いて不純物で
あるモノアルキルリン酸を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ジアルキルリン酸
から不純物であるモノアルキルリン酸を除去することに
よりジアルキルリン酸を精製する方法に関するものであ
る。
【0002】特に、本発明は、ジアルキルリン酸系抽出
剤からモノアルキルリン酸を除去してジアルキルリン酸
系抽出剤を精製する方法、又はジアルキルリン酸の製造
過程で副成するモノアルキルリン酸を除去してジアルキ
ルリン酸を精製する方法に関するものである。
【0003】アルキルリン酸系抽出剤の中でもジアルキ
ルリン酸系抽出剤は、希土類元素、アクチノイドなど非
鉄金属の分離精製において優れた分離性能を発揮する抽
出剤である。実際の希土類元素、アクチノイド元素の分
離は酸性下で行われることが多い。そのため、ジアルキ
ルリン酸(リン酸ジエステル)系抽出剤は、加水分解に
よりモノアルキルリン酸へ劣化しやすい環境にある。劣
化生成物であるモノアルキルリン酸は、希土類元素、ア
クチノイド元素の分離性能を著しく阻害することが知ら
れている。
【0004】そこで、ジアルキルリン酸系抽出剤の分離
性能を高い水準で保つためには、これから前記劣化モノ
アルキルリン酸であるリン酸モノエステルを除去するこ
とが必要となる。
【0005】本発明は、希土類元素、アクチノイド元素
の分離精製に使用されたジアルキルリン酸系抽出剤から
前記劣化生成物であるモノアルキルリン酸を除去するこ
とにより、ジアルキルリン酸系抽出剤を精製する方法で
ある。
【0006】更に、本発明は上記方法に限定されるもの
でなく、ジアルキルリン酸の製造過程でもモノアルキル
リン酸が副生成物として生成してくるため、この場合に
も本発明の精製法が適用される。
【0007】
【従来の技術】従来、アルキルリン酸の精製には、以下
に示す方法が採られてきた。
【0008】a) 結晶化を用いる方法 アルキルリン酸をベンゼン、四塩化炭素、シクロヘキサ
ン、ジエチルエーテル、メタノールのいずれかに溶解し
た溶液と、Cu(SO4)水溶液にNaOHを添加して
作ったCu(OH)2の飽和水溶液とを混合し、激しく
撹拌する。水相を取り除いた後、アセトンをゆっくり添
加し銅錯体の沈殿を得る。濾過後、得られた沈殿をアセ
トンで洗浄、風乾し、同じ溶媒を用いて再結晶する。最
後に得られた結晶を希塩酸と接触させて純粋な抽出剤を
得る。他の金属(Na,Zn,Ni,Co,Fe,C
r,Ce,Nd,U)ではうまくいかないと報告されて
いる。この方法では、沈殿の結晶化を伴うため時間を必
要とし、大量に扱えない。また、多種類の薬品を使用す
るという問題もある。
【0009】b) エチレングリコールによる方法 エチレングリコールを用い、溶媒抽出により分離する方
法である。有機相にはパラフィン系溶媒もしくはエーテ
ルを使い、エチレングリコールと振とうすることで、モ
ノアルキルリン酸はエチレングリコール相中に抽出さ
れ、除去される。有機相中のエチレングリコールを水ま
たは希薄な酸で洗浄することにより取り除く。ここで得
られたエチレングリコール相を同量の水で希釈し、ジエ
チルエーテルと振とうすることで、エーテル相にモノア
ルキルリン酸を抽出することが可能で、モノアルキルリ
ン酸を単離する事もできる。この方法は、エチレングリ
コールの粘性が高いことから有機相との相分離が悪くそ
れ故、操作性が悪くなることが問題となる。また、使用
後のエチレングリコールは再生利用が不可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、メタノー
ルおよびその水溶液、もしくはアセトン水溶液を用いる
溶媒抽出法により、従来よりも操作性がよく、使用する
薬品の種類も少なく安価で、簡便な精製法を提案する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジアルキルリ
ン酸からメタノールまたはメタノール水溶液を用いて不
純物であるモノアルキルリン酸を除去して精製する方法
であり、また、ジアルキルリン酸からアセトン水溶液を
用いて不純物であるモノアルキルリン酸を除去して精製
する方法である。
【0012】即ち、本発明は、希土類元素、アクチノイ
ド元素の分離精製に使用され、劣化生成物であるモノア
ルキルリン酸を含有したジアルキルリン酸系抽出剤、又
はジアルキルリン酸の製造過程で副成したモノアルキル
リン酸を含有したジアルキルリン酸を、メタノール、メ
タノール水溶液またはアセトン水溶液と撹拌混合し、モ
ノアルキルリン酸をメタノール相または水相に抽出除去
することにより、ジアルキルリン酸系抽出剤又はジアル
キルリン酸を精製回収する方法である。
【0013】
【本発明の実施の形態】本発明の希土類元素、アクチノ
イド元素の分離精製に使用されるジアルキルリン酸系抽
出剤としては、ジイソデシルリン酸、ジー2−エチルヘ
キシル酸、ジブチルリン酸等が用いられる。
【0014】本発明において用いられるメタノール水溶
液のメタノール濃度は、体積百分率で75−100%の
水溶液、好ましくは80−100%の水溶液、より好ま
しくは90−100%の水溶液が用いられる(100%
はメタノールのみの場合)。本発明において用いられる
アセトン水溶液のアセトン濃度は、体積百分率で75−
90%の水溶液、好ましくは80−90%の水溶液、よ
り好ましくは85−90%の水溶液が用いられる。
【0015】本発明において、ジアルキルリン酸系抽出
剤からメタノール、メタノール水溶液、またはアセトン
水溶液を用いて不純物であるモノアルキルリン酸を除去
するに適した処理温度は、10−40℃であり、好まし
くは20−30℃であり、実施例では25℃前後の温度
で行われた。
【0016】本発明を実施例をもとにさらに詳しく説明
する。しかし、本発明はこの実施例のみによって限定さ
れるものではない。
【0017】
【実施例】n−ドデカンに溶解した0.5Mジイソデシ
ルリン酸および0.04Mモノイソデシルリン酸の溶液
3mlと、メタノール、メタノール水溶液又はアセトン
水溶液3mlとを10ml遠心沈殿管中で15分間振と
うした。振とう後、有機相中に残留しているモノイソデ
シルリン酸(MIDPA)を0.1NのNaOH水溶液
を用いて滴定することで決定した。その結果は表1に示
されるとおりである。
【0018】
【表1】
【0019】表1の公知のエチレングリコールを使用す
る場合には、ジイソデシルリン酸の有機相にはパラフィ
ン系溶媒もしくはエーテル溶媒を使い、エチレングリコ
ールと振とうすることで、モノアルキルリン酸はエチレ
ングリコール相中に抽出されて除去される。有機相に
は、0.008Mのモノイソデシルリン酸が残留する。
【0020】しかし、この方法は、前述のとおり、エチ
レングリコールの粘性が高いことから有機相との相分離
が悪く、操作性が悪くなることが問題であり、また、使
用後のエチレングリコールは再生利用が不可能であると
いう問題もある。
【0021】メタンール又は90%メタンール水溶液を
モノイソデシルリン酸の抽出溶媒として使用した場合に
は、モノイソデシルリン酸がメタンール相又は水相に抽
出されて、ジイソデシルリン酸が含有される有機相に
は、0.001M以下のモノイソデシルリン酸が残留す
るだけであるので、メタンール又は90%メタンール水
溶液によりジイソデシルリン酸が精製されることが示さ
れる。
【0022】80%メタンール水溶液をモノイソデシル
リン酸の抽出溶媒として使用した場合には、モノイソデ
シルリン酸がメタンール相に抽出されて、ジイソデシル
リン酸が含有される有機相には、0.013Mのモノイ
ソデシルリン酸が残留するだけであるので、80%メタ
ンール水溶液によりジイソデシルリン酸が精製されるこ
とが示される。
【0023】90%アセトン水溶液をモノイソデシルリ
ン酸の抽出溶媒として使用した場合には、モノイソデシ
ルリン酸がアセトン相に抽出されて、ジイソデシルリン
酸が含有される有機相には、0.016Mのモノイソデ
シルリン酸が残留するだけであるので、90%アセトン
水溶液によりジイソデシルリン酸が精製されることが示
される。
【0024】80%アセトン水溶液をモノイソデシルリ
ン酸の抽出溶媒として使用した場合には、モノイソデシ
ルリン酸がアセトン相に抽出されて、ジイソデシルリン
酸が含有される有機相には、0.02Mのモノイソデシ
ルリン酸が残留するだけであるので、80%アセトン水
溶液によりジイソデシルリン酸が精製されることが示さ
れる。
【0025】
【発明の効果】メタノール、アセトンどちらを使った方
法でもモノアルキルリン酸を除去することが可能であ
る。使用されたメタノール、アセトンは蒸留することに
より分離されてジアルキルリン酸系抽出剤の精製に再利
用することが可能である。また蒸留によりメタノール、
アセトンを除去することで、モノアルキルリン酸も回収
される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアルキルリン酸からメタノールまたは
    メタノール水溶液を用いて不純物であるモノアルキルリ
    ン酸を除去することからなるジアルキルリン酸の精製方
    法。
  2. 【請求項2】 ジアルキルリン酸からアセトン水溶液を
    用いて不純物であるモノアルキルリン酸を除去すること
    からなるジアルキルリン酸の精製方法。
JP8854398A 1998-04-01 1998-04-01 ジアルキルリン酸の精製方法 Pending JPH11286495A (ja)

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