JP2002105089A - アミノホスホン酸の精製方法 - Google Patents

アミノホスホン酸の精製方法

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aminophosphonic acid
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aminophosphonic
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aqueous solution
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Hiroya Watanabe
広也 渡邊
Kazunari Tanaka
一成 田中
Shoichi Nito
祥一 仁藤
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アミノホスホン酸の精製方法を提
供する。 【解決手段】 アミノホスホン酸を含有する水溶
液に炭素数3以下のアルコール、アセトンおよびテトラ
ヒドロフランからなる群から選ばれる少なくとも1種を
混合して、該アミノホスホン酸を沈殿させて分離するこ
とを特徴とするアミノホスホン酸の精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミノホスホン酸
の精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アミノホスホン酸は、金属イオンのキレ
ート化剤として広く知られており、スケール除去剤や微
量の金属の存在により分解する過酸化物の安定化剤とし
て用いられている。アミノホスホン酸の製造方法とし
て、(1)アンモニアまたはアミン、アルデヒドまたは
ケトン、および三塩化りんから得る方法(英国特許11
42294号)、(2)塩酸酸性下、アンモニアまたは
アミン、アルデヒドまたはケトン、およびホスホン酸か
ら得る方法(米国特許3288846、Journal ofOrga
nic Chemistry 第31巻1603頁、1966年)、
(3)塩酸酸性下、アンモニアまたはアミン、アルデヒ
ドまたはケトン、およびアルキレングリコールクロロホ
スファイトから得る方法(米国特許3832393)な
どが知られている。
【0003】以上のような方法で得られる反応物は、ア
ミノホスホン酸のほかに、不純物として、塩化水素、カ
ルボニル化合物およびホスホン酸などの未反応原料や副
生成物を含む水溶液であるため、これをそのまま種々の
用途に用いた場合、装置の腐食や有毒ガスの発生を引き
起こすおそれがある。従って、不純物を除去して精製す
る必要がある。
【0004】アミノホスホン酸の中で水に対する溶解性
が低いものに関しては、反応物を冷却し、アミノホスホ
ン酸のみを晶出分離することができる。しかし、水に対
する溶解性が高いものに関しては、晶出分離することが
できない。
【0005】また、特許2922263号や特許289
4839号に記載されている特定のpH範囲の水溶液に
固体のアミノホスホン酸を混合することによる精製方法
では、広いpH範囲で少なくとも一部が水に溶解するア
ミノホスホン酸の場合には、アミノホスホン酸の損失が
極めて大きく効率的な方法ではない。
【0006】特にジエチレントリアミンペンタ(メチレ
ンホスホン酸)は、水への溶解度が高く、水溶液からの
晶出分離が困難であるため、上記のような分離、精製方
法は好ましい方法ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記のような課題を解決し、塩化水素、カルボニ
ル化合物およびホスホン酸などの不純物含量が極めて少
ないアミノホスホン酸を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミノホ
スホン酸の水溶液を、炭素数3以下のアルコール、アセ
トンまたはテトラヒドロフランと混合し、アミノホスホ
ン酸を沈殿させて分離することにより、塩化水素、カル
ボニル化合物およびホスホン酸などの不純物含量が極め
て少ないアミノホスホン酸を得ることができることを見
出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、式(1)で表される
アミノホスホン酸を含有する水溶液に炭素数3以下のア
ルコール、アセトンおよびテトラヒドロフランからなる
群から選ばれる少なくとも1種を混合して、該アミノホ
スホン酸を沈殿させて分離することを特徴とするアミノ
ホスホン酸の精製方法に関するものである。
【0010】 R1−N(R2)−CH2−CH2−N(R3)−CH2−CH2−N(R4)−R5 (1) (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、同一または異な
っており、各々ホスホノメチル基、メチル基、または水
素原子を示す。)
【0011】
【発明の実施の形態】式(1)のアミノホスホン酸とし
て、R1、R2、R3、R4、R5が全てホスホノメチル基
であるジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン
酸)が例示され、過酸化物の安定剤として広く用いられ
ている。
【0012】本発明では、アミノホスホン酸水溶液に炭
素数3以下のアルコール、アセトンおよびテトラヒドロ
フランからなる群から選ばれる少なくとも1種の固体化
剤を混合させて、アミノホスホン酸を沈殿させる。アル
コールとして、メタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノールが挙げられる。なお、炭素数3
以下のアルコール、アセトンまたはテトラヒドロフラン
のうち、2種類以上を組み合わせて混合したものや、こ
れらに他の溶剤を添加したものも用いることができる。
アミノホスホン酸を沈殿させることにより、不純物を含
む液相と分離する。
【0013】水溶液中のアミノホスホン酸濃度について
は、一般的にアミノホスホン酸濃度が低くなると、混合
液中の水の割合が多くなることにより、混合液が乳化
し、分離操作が困難になることから、水溶液中のアミノ
ホスホン酸濃度は10重量%以上であることが好まし
い。アミノホスホン酸濃度が高い場合、粗製水溶液は固
形分を生じる場合があるが、固形分を含むまま混合して
もよく、また、固形分を混合前に分離してから混合する
こともできる。
【0014】水溶液中のアミノホスホン酸と固体化剤の
混合比は、重量比で1:0.5〜1:200、好ましく
は、1:2〜1:50である。固体化剤の量が、これ以
下であると固体と液相の分離が困難になり、これ以上で
あると固体化剤の使用量が多くなり不経済であるなどの
不利な点があり、好ましくない。
【0015】混合は、撹拌を行いながら、固体化剤に水
溶液を加えるか、または、水溶液に固体化剤を加える方
法により行う。撹拌の方法としては撹拌棒、撹拌子や超
音波振とうなどを用いることができる。混合は、混合液
が凝固せず、固体化剤が沸騰しない、0〜85℃の温度
で行う。混合後は、混合液を撹拌したまま保持しても良
い。また、混合後に、固体の生成を促進するため、混合
液を0〜30℃の温度に保持しても良い。
【0016】アミノホスホン酸を含む沈殿物と不純物を
含む液相との分離は、ろ過、遠心分離などの方法によっ
て行うことができる。沈殿物は、炭素数3以下のアルコ
ール、アセトンもしくはテトラヒドロフラン、または、
これらと水の混合液で洗浄することにより、清浄度を高
めることができる。炭素数3以下のアルコール、アセト
ンおよびテトラヒドロフランは、2種類以上組み合わせ
てもよく、また、他の溶剤を添加してもよい。これらの
溶剤と水の混合液は、溶剤の濃度を50重量%以上とす
ることが好ましい。水の割合が高くなると、アミノホス
ホン酸が水に溶解し、損失が大きくなる。固体化剤や洗
浄液に用いた溶剤は、蒸留などによって溶剤のみを回収
し、再利用することができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明は実施例によって制限されるものでない。
なお、水溶液中のアミノホスホン酸濃度は、N原子含量
から換算した。塩化水素およびホスホン酸濃度は、塩化
物イオンおよびホスホン酸イオン濃度をイオンクロマト
グラフィーで測定することにより求めた。ホルマリン濃
度は、Nashの方法(バイオケミストリー ジャーナ
ル 第55巻 416頁 1958年)に従って求め
た。
【0018】実施例1 アミノホスホン酸濃度が25重量%で、8重量%の塩化
水素を含む水溶液1gと種々の溶剤2gとを5mLアン
プル中で混合、振とうし、混合液の性状変化を観察し
た。観察結果を表1に示す。表において、○は沈殿が生
じ、分離が可能であったこと、◎はスラリー状の沈殿が
生じ、分離が容易であったこと、×は沈殿が生じること
なく、分離が不可能であったことを示す。
【0019】
【表1】
【0020】比較例1 アミノホスホン酸濃度が25重量%で、7.8重量%の
塩化水素を含む水溶液1gと溶剤2gとを5mLアンプ
ル中で混合、振とうし、混合液の性状変化を観察した。
観察結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】実施例2 アミノホスホン酸濃度が55重量%で、19重量%の塩
化水素を含む水溶液5.2gとメタノール50gを混合
し、混合物をガラスフィルターでろ過、固体を45gの
メタノールで洗浄した。洗浄後、50℃で3時間減圧乾
燥し、2.6gのアミノホスホン酸を白色固体として得
た。得られたアミノホスホン酸の塩化水素濃度は0.9
8重量%であった。
【0023】実施例3 アミノホスホン酸濃度が25重量%で、8.6重量%の
塩化水素を含む水溶液5.1gとメタノール50gを混
合し、混合物をガラスフィルターでろ過、固体を40g
のメタノールで洗浄した。洗浄後、50℃で3時間減圧
乾燥し、1.1gのアミノホスホン酸を白色固体として
得た。得られたアミノホスホン酸の塩化水素濃度は0.
52重量%であった。
【0024】実施例4 アミノホスホン酸濃度が12重量%で、1.7重量%の
塩化水素を含む水溶液7.1gとメタノール25gを混
合し、混合物をガラスフィルターでろ過、固体を20g
のメタノールで洗浄した。洗浄後、50℃で3時間減圧
乾燥し、0.83gのアミノホスホン酸を白色固体とし
て得た。得られたアミノホスホン酸の塩化水素濃度は
0.011重量%であった。
【0025】実施例5 「Journal of Organic Chemistry 第31巻1603
頁、1966年」に記載された方法により、ジエチレン
トリアミン、ホルマリン、ホスホン酸を原料とし、塩酸
酸性下でジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホ
ン酸)を合成した。反応物は、アミノホスホン酸25重
量%、塩化水素9.2重量%、ホルムアルデヒド5.0
重量%、ホスホン酸2.1重量%を含んでいた。この反
応物101gとメタノール500gを混合し、混合物を
ガラスフィルターでろ過、固体を400gのメタノール
で洗浄した。洗浄後、50℃で5時間減圧乾燥し、22
gの白色固体を得た。得られた固体は、塩化水素0.7
重量%、ホルムアルデヒド0.015重量%、ホスホン
酸0.075重量%を含んでいた。
【0026】実施例6 実施例5で得られた固体12.5gを水50gに溶解
し、この水溶液とメタノール250gを混合した。混合
物をガラスフィルターでろ過、固体を200gのメタノ
ールで洗浄した。洗浄後、50℃で5時間減圧乾燥し、
11.8gの白色固体を得た。得られた固体は、塩化水
素0.01重量%、ホルムアルデヒド0.002重量%
を含んでいた。ホスホン酸濃度は0.01重量%以下で
あった。
【0027】
【発明の効果】本発明により、塩化水素、カルボニル化
合物およびホスホン酸などの不純物含量が極めて少ない
アミノホスホン酸を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表されるアミノホスホン酸を
    含有する水溶液に炭素数3以下のアルコール、アセトン
    およびテトラヒドロフランからなる群から選ばれる少な
    くとも1種を混合して、該アミノホスホン酸を沈殿させ
    て分離することを特徴とするアミノホスホン酸の精製方
    法。 R1−N(R2)−CH2−CH2−N(R3)−CH2−CH2−N(R4)−R5 (1) (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、同一または異な
    っており、各々ホスホノメチル基、メチル基、または水
    素原子を示す。)
  2. 【請求項2】 アミノホスホン酸がジエチレントリアミ
    ンペンタ(メチレンホスホン酸)である請求項1記載の
    精製方法。
  3. 【請求項3】 アミノホスホン酸と炭素数3以下のアル
    コール、アセトンおよびテトラヒドロフランとの混合比
    が、重量比で1:0.5から1:200である請求項1
    記載の精製方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077040A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Mitsubishi Gas Chem Co Inc アミノメチレンホスホン酸の製造方法
JP2011256146A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc 高純度アミノメチレンホスホン酸の製造方法
WO2015185548A1 (de) * 2014-06-02 2015-12-10 Zschimmer & Schwarz Gmbh & Co.Kg Verfahren zur herstellung kristalliner dtpmp

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