JP3197787B2 - 分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の製造方法 - Google Patents

分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゲルベ反応により得ら
れる分岐二量化アルコールのリン酸エステル(以下、
「分岐二量化アルキルリン酸」という。)の塩基性アミ
ノ酸塩の製造方法に関する。更に詳しくは、色、匂いな
どの品質に優れた分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミ
ノ酸塩の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機ヒドロキシ化合物のリン酸エステル
は、19世紀よりヒドロキシル化合物を五酸化リン、三塩
化ホスホリル等のリン酸化剤と反応させることにより得
られることが知られており、そのアルカリ金属塩、アル
カノールアミン塩等の塩類は、洗浄剤、繊維処理剤、乳
化剤、防錆剤、液状イオン交換体、医薬品等として幅広
い分野で利用されている。なかでも、ゲルベ反応により
得られる分岐二量化アルコールのリン酸エステルは直鎖
アルコールのリン酸エステルに比較して融点が低い、疎
水性が大きいなどの性質を有するため、電子写真現像剤
(DE2224563, Gevaert-Agfa N.V.(1972))、生体膜類似
物質の前駆体(Deroo, Pool. W., Chem. Phys. Lipid
s., 16(1), 60-70(1976))、ヘアリンス(特開昭56-772
18号公報)等の用途が知られている。
【0003】また、アルキルリン酸のアルギニン塩、特
に分岐二量化アルキルリン酸のアルギニン塩は、油の種
類にかかわらず安定なゲルを形成するため、化粧品基剤
として幅広い応用が期待されている(特開昭58-180496
号公報,特開昭63-122775号公報)。
【0004】このように、アルキルリン酸エステル類、
特に分岐二量化アルキルリン酸類は、化粧料、洗浄剤等
の基剤成分として重要であるため、着色や臭気のないこ
とが必要である。そのため、従来、アルキルリン酸エス
テル類を精製する種々の方法が知られている。
【0005】従来、アルキルリン酸エステル類の精製法
としては、(1)酸性リン酸エステルを脱臭処理した後、
ポリリン酸を添加する方法(特公昭60-41673号公報)、
(2)アルキルリン酸エステルに吸着剤を加えてヒ素等を
取り除く方法(特公昭62-45874号公報)、(3)アルキル
リン酸エステルのナトリウム塩又はカリウム塩を有機溶
剤から析出させて分離する方法(特公昭60-41674号公
報)、(4)炭化水素と低級アルコール−水とを用いてア
ルキルリン酸エステルから未反応のオルトリン酸を水層
に抽出除去し(特公昭63-47715号公報)、又は更に炭化
水素層に混入する低級アルコール及び水を共沸蒸留によ
り除去して(特公平2-46040号公報)再結晶ないしトッ
ピングする方法、(5)炭化水素と低級アルコール−水と
を用いてアルキルリン酸エステル塩から非イオン性化合
物を抽出除去する方法(特公平3-27558号公報)、(6)電
気透析によりアルキルリン酸から過剰のリン酸を取り除
く方法(特開昭61-129189号公報)、(7)アルキルリン酸
エステルアルギニン塩をメタノールから析出させて分離
する方法(特開昭58-180496号公報)等が提案されてい
る。
【0006】しかし、分岐二量化アルキルリン酸類中に
は、未反応の分岐二量化アルコール、分岐二量化アルコ
ール中の不純物、着色成分、更にはリン酸化中に副生す
る炭化水素等の非イオン性物質が含まれ、特に副生炭化
水素は色、匂い等の品質面に悪影響を及ぼすため、化粧
料等の基剤成分として用いる上での問題となっている
が、上記精製法のうち(5)以外の方法ではこの非イオン
性物質を除去することができない。また、方法(5)は非
イオン性物質を除去する方法ではあるが、分岐二量化ア
ルキルリン酸アルギニン塩のような塩基性アミノ酸塩の
場合には溶液抽出ができないため、これに適用すること
はできないという問題がある。そこで、分岐二量化アル
キルリン酸塩基性アミノ酸塩の精製には方法(7)のよう
に溶媒から析出させる方法が考えられるが、方法(7)で
は非イオン性物質を除去することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は着色
や悪臭の原因となる非イオン性化合物を実質的に含ま
ず、香粧品、化粧品、医薬品等に使用できる高品質の分
岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の製造方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、リン酸化反応後の粗
分岐二量化アルキルリン酸をケトン系溶媒に加え、これ
から分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩を析出
させて分離することにより、炭化水素等の非イオン性物
質が効率的に除去されること、及び非イオン性物質の含
有率が1重量%以下に抑えられると、色、匂い等の点で
ほとんど問題がなくなり、高品質な分岐二量化アルキル
リン酸となることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は下記の工程(a)及び(b) 工程(a):分岐二量化アルコールをリン酸化する工程 工程(b):工程(a)で得られた粗分岐二量化アルキルリン
酸を塩基性アミノ酸で中和する工程 工程(c):工程(b)で得られた反応生成物をケトン系溶剤
に加え、分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩を
析出させて分離することにより精製し、非イオン性物質
の含有率を1重量%以下にする工程 を含むことを特徴とする分岐二量化アルキルリン酸塩基
性アミノ酸塩の製造方法。
【0010】本発明において用いられる分岐二量化アル
コールは、ゲルベ反応により得られるものであるが、炭
素数4〜15、特に炭素数6〜12のアルコールを原料とし
て得られるものが好ましい。具体的には、2-ブチルオク
タノール、2-ヘキシルデカノール、2-ヘプチルウンデカ
ノール、2-オクチルドデカノール、2-デシルテトラデカ
ノール、2-ドデシルヘキサデカノール等が挙げられ、中
でも2-ヘキシルデカノール及び2-ヘプチルウンデカノー
ルが好ましい。これらの分岐二量化アルコールは単独で
又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0011】リン酸化工程(a)におけるリン酸化反応の
方法としては、例えば、アルコールとオキシ塩化リンを
反応させて得られるモノホスホロジクリデートを加水分
解する方法(K. Sasse編:Methoden der Ofganischen C
hemie,第12/2巻,163〜164頁、及び特開昭50-64226号
公報)、アルコールにあらかじめ一定量の水を添加し、
次いで五酸化リンを反応させる方法(特公昭41-14416号
公報)、アルコールにオルトリン酸及び五酸化リンを反
応させる方法(特公昭42-6730号公報)、アルコールと
縮合リン酸(ポリリン酸)を反応させる方法(A. K. Ne
lson et al.,Inorg. Chem., 2, 775(1963)、F. B. Cla
rke et al., J. Amer. Chem. Soc., 88,4401(1966)、及
び特公昭43-26492号公報)等が挙げられ、いずれの方法
によってもよい。
【0012】例えばポリリン酸を用いてリン酸化反応を
行う場合、用いるポリリン酸は、オルトリン酸に換算し
て110〜120%、特に112〜116%の濃度のものが好まし
い。110%未満のポリリン酸では十分な反応率が得られ
ず、120%を超えるポリリン酸は粘稠で操作が困難であ
り、しかもアルキルリン酸の分解反応が併発して炭化水
素等の非イオン性物質の副生が多くなるため好ましくな
い。またその使用量は分岐二量化アルコールに対し1〜
10当量、特に2〜3当量が好ましい。
【0013】ポリリン酸によるリン酸化反応は、溶媒を
用いずに行ってもよいが、操作性の向上のために炭素数
4〜8の直鎖もしくは分岐の飽和炭化水素又は飽和環式
炭化水素、例えばn-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキ
サン等を溶媒として用いて行ってもよい。リン酸化反応
は、60〜100℃で1〜16時間行い、その後反応混合物に
対し1〜30重量%の水を加えて60〜100℃で1〜20時間
加水分解反応を行う。反応混合物は静置によって短時間
のうちに分層し、軽液層から常圧又は減圧で溶媒を留去
することにより、酸性の粗分岐二量化アルキルリン酸が
得られる。
【0014】次に、工程(b)において中和剤として用い
られる塩基性アミノ酸としては、例えばリシン、アルギ
ニン、ヒスチジン等が挙げられるが、取扱いやすさ及び
価格の点から特にアルギニンが好ましい。これらの塩基
性アミノ酸は、粉末のままで又は水溶液として使用する
ことができるが、精製の容易さから粉末で用いる方が好
ましい。
【0015】塩基性アミノ酸による中和は、例えば、工
程(a)で得られた酸性の粗分岐二量化アルキルリン酸100
重量部に対し、適当な溶媒を50〜500重量部加えた後、
塩基性アミノ酸を酸価に対して0.5〜3当量加えること
により行われる。溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒のほか、THF等
のエーテル系溶媒やジクロロメタン等のハロゲン化炭化
水素系溶媒でも数%の水分を含んでいるものであれば使
用することができる。中和反応の反応温度は70〜80℃が
好ましく、反応時間は5〜10時間が好ましい。
【0016】工程(c)では、工程(b)で得られた反応溶液
をケトン系溶剤に加えて析出させる。このときの温度は
0〜40℃、特に20〜30℃が好ましい。0℃未満では非イ
オン性物質がケトン系溶剤中に溶出しにくく、40℃を超
えるとケトン系溶剤への目的物の溶解量が多くなり、収
率が低下してしまう。
【0017】ここで用いられるケトン系溶剤としては、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が
挙げられるが、結晶性の良さと乾燥の容易さから、特に
アセトンが好ましい。またケトン系溶剤の量は粗分岐二
量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の1〜10倍、特に
2〜5倍が好ましい。
【0018】ケトン系溶剤中に析出した結晶をろ過等の
方法で取り出し、常圧又は減圧下で乾燥することによ
り、精製分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩が
得られる。更に、非イオン性物質の除去が不十分であっ
た場合にはケトン系溶剤による洗浄と分離を繰り返して
行い、非イオン性物質の含有量を1重量%以下とする。
【0019】かくして得られた分岐二量化アルキルリン
酸塩基性アミノ酸塩は、色、匂い等の品質に優れ、化粧
品等の用途に好適に使用することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、非イオン性物質の含
有量の測定は石油エーテル抽出法により行った。色相
は、試料の10%エタノール溶液を調製し、分光光度計を
用いてエタノールを対照に波長420nm、試料セル10mmで
吸光度を測定し、その値に係数1000を乗じた値(クレッ
ト)で示した。また、匂いは官能試験で判定した。な
お、未精製のリン酸エステルについては、同量のエタノ
ールを加え、酸価に対して1当量のアルギニンを加えた
後、78℃で6時間反応させ、100Torr、60℃で溶媒を留
去し、匂いの官能試験に供した。
【0021】実施例1 市販の2-ヘキシルデカノール(新日本理化社製エヌジエ
コール160BRA)380g(1.52モル)と116%ポリリン酸27
0g(3.20モル)を、ヘキサン380g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水168gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘキシルデシルリン酸を得た。この粗
2-ヘキシルデシルリン酸中の非イオン性物質含有量は1.
6重量%であった。また、このものの色相はクレット32
で、匂いの官能評価では異臭が認められた。この酸性粗
2-ヘキシルデシルリン酸に等量のエタノールを加えて60
℃で溶解させ、アルギニン粉末265gを加えて70℃で6
時間反応させた。反応液は透明となり、これを粗2-ヘキ
シルデシルリン酸の3倍量のアセトンに加えて25℃で1
時間攪拌したところ白色の結晶が生成した。この結晶を
ろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗浄し
た後、16時間減圧乾燥して精製物を得た。得られた2-ヘ
キシルデシルリン酸アルギニン塩中の非イオン性物質量
含有量は0.3重量%であった。また、このものの色相は
クレット10で、匂いの官能評価は良好であった。
【0022】実施例2 市販の2-ヘプチルウンデカノール(三菱化学社製ダイヤ
ドール18GT)300g(1.10モル)と112%ポリリン酸289
g(3.30モル)を、ヘキサン300g中、70℃で16時間反
応させた。この反応溶液に水116gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸を得た。こ
の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオン性物質含
有量は2.6重量%であった。また、このものの色相はク
レット38で、匂いの官能評価では異臭が認められた。こ
の酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸100gを、薄膜蒸
留器中、160℃、20Torrで、水蒸気165gと100g/hrで接
触させて精製した。次いでこれに等量のエタノールを加
えて60℃で溶解させ、アルギニン粉末192gを加え70℃
で6時間反応させた。反応液は透明となり、これを粗2-
ヘプチルウンデシルリン酸の3倍量のアセトンに加えて
25℃で1時間攪拌したところ白色の結晶が生成した。こ
の結晶をろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2
回洗浄した後、16時間減圧乾燥して精製物を得た。得ら
れた2-ヘプチルウンデシルリン酸アルギニン塩中の非イ
オン性物質量含有量は0.2重量%であった。また、この
ものの色相はクレット12で、匂いの官能評価は良好であ
った。
【0023】実施例3 市販の2-ヘキシルデカノール(新日本理化社製エヌジエ
コール160BRA)300g(1.23モル)と116%ポリリン酸23
4g(2.77モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水138gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘキシルデシルリン酸を得た。この粗
2-ヘキシルデシルリン酸中の非イオン性物質含有量は1.
7重量%であった。また、このものの色相はクレット32
で、匂いの官能評価では異臭が認められた。この酸性粗
2-ヘキシルデシルリン酸に等量のエタノールを加えて60
℃で溶解させ、アルギニン粉末272gを加えて70℃で6
時間反応させた。反応液は透明となり、これを粗2-ヘキ
シルデシルリン酸の3倍量のアセトンに加えて25℃で1
時間攪拌したところ白色の結晶が生成した。この結晶を
ろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗浄し
た後、10時間減圧乾燥して精製物を得た。得られた2-ヘ
キシルデシルリン酸アルギニン塩中の非イオン性物質量
含有量は0.4重量%であった。また、このものの色相は
クレット10で、匂いの官能評価は良好であった。
【0024】実施例4 市販の2-ヘキシルデカノール(新日本理化社製エヌジエ
コール160BRA)300g(1.23モル)と116%ポリリン酸23
4g(2.77モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水138gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘキシルデシルリン酸を得た。この粗
2-ヘキシルデシルリン酸中の非イオン性物質含有量は1.
7重量%であった。また、このものの色相はクレット32
で、匂いの官能評価では異臭が認められた。この酸性粗
2-ヘキシルデシルリン酸に等量のエタノールを加えて60
℃で溶解させ、ヒスチジン粉末190.7gを加えて70℃で
6時間反応させた。反応液は透明となり、これを粗2-ヘ
キシルデシルリン酸の3倍量のアセトンに加えて25℃で
1時間攪拌したところ白色の結晶が生成した。この結晶
をろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗浄
した後、減圧乾燥して精製物を得た。得られた2-ヘキシ
ルデシルリン酸ヒスチジン塩中の非イオン性物質量含有
量は0.4重量%であった。また、このものの色相はクレ
ット10で、匂いの官能評価は良好であった。
【0025】実施例5 市販の2-ヘプチルウンデカノール(三菱化学社製ダイヤ
ドール18GT)70.6g(0.258モル)、75%リン酸20.3g
(0.077モル)及び五酸化リン39.3g(0.271モル)を混
合し70℃で3時間反応させた後、更に2-ヘプチルウンデ
カノール73.0g(0.266モル)を加え、3時間反応させ
た。この反応溶液に水8.74gを加え、70℃で12時間加水
分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。この反
応液にヘキサン144g及びイソプロピルアルコール27.6
gを加え、抽出軽液から溶媒分を留去し、酸性の粗2-ヘ
プチルウンデシルリン酸を得た。この粗2-ヘプチルウン
デシルリン酸中の非イオン性物質含有量は2.0重量%で
あった。また、このものの色相はクレット30で、匂いの
官能評価では異臭が認められた。この酸性粗2-ヘプチル
ウンデシルリン酸に等量のエタノールを加えて60℃で溶
解させアルギニン粉末45.0gを加え70℃で6時間反応さ
せた。反応液は透明となり、これを粗2-ヘプチルウンデ
シルリン酸の3倍量のアセトンに加えて25℃で1時間攪
拌したところ白色の結晶が生成した。この結晶をろ過し
て取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗浄した後、
減圧乾燥して精製物を得た。得られた2-ヘプチルウンデ
シルリン酸アルギニン塩中の非イオン性物質量含有量は
0.7重量%であった。また、このものの色相はクレット
9で、匂いの官能評価は良好であった。
【0026】比較例1 市販の2-ヘプチルウンデカノール(三菱化学社製ダイヤ
ドール18GT)300g(1.10モル)と116%ポリリン酸209
g(2.48モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液100gに対して水123gを加え、
70℃で10時間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を
分解した。この反応液を静置して分層し、抽出軽液から
溶媒分を留去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸
を得た。この粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオ
ン性物質含有量は2.0重量%であった。また、このもの
の色相はクレット32で、匂いの官能評価では異臭が認め
られた。この酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸に等量
のエタノールを加えて60℃で溶解させ、48%水酸化カリ
ウム水溶液129gを加え70℃で2時間反応させた。反応
液は白濁し、これを粗2-ヘプチルウンデシルリン酸の3
倍量のアセトンに加えて25℃で1時間攪拌したところ凝
集し、直径2〜5cmの白色の球形物質となった。この物
質をろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗
浄した後、5日間減圧乾燥して精製物を得た。得られた
2-ヘプチルウンデシルリン酸カリウム塩中の非イオン性
物質量含有量は2.0重量%であった。また、このものの
色相はクレット10で、匂いの官能評価では異臭が認めら
れた。
【0027】比較例2 市販の2-ヘプチルウンデカノール(三菱化学社製ダイヤ
ドール18GT)300g(1.10モル)と116%ポリリン酸209
g(2.48モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水123gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸を得た。こ
の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオン性物質含
有量は1.6重量%であった。また、このものの色相はク
レット32で、匂いの官能評価では異臭が認められた。こ
の酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸に等量のエタノー
ルを加えて60℃で溶解させ、アルギニン粉末192gを加
え70℃で6時間反応させた。反応液は透明となり、これ
を粗2-ヘプチルウンデシルリン酸の3倍量のヘキサンに
加えて25℃で1時間攪拌したところ白色のゲルが生成し
た。このゲルをろ過して取り出し、更に3倍量のヘキサ
ンで2回洗浄した後、5日間減圧乾燥して精製物を得
た。得られた2-ヘプチルウンデシルリン酸アルギニン塩
中の非イオン性物質量含有量は1.3重量%であった。ま
た、このものの色相はクレット10で、匂いの官能評価で
は異臭が認められた。
【0028】比較例3 市販の2-ヘプチルウンデカノール(三菱化学社製ダイヤ
ドール18GT)300g(1.10モル)と116%ポリリン酸209
g(2.48モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水123gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸を得た。こ
の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオン性物質含
有量は1.6重量%であった。また、このものの色相はク
レット32で、匂いの官能評価では異臭が認められた。こ
の酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸に等量のエタノー
ルを加えて60℃で溶解させ、アルギニン粉末192gを加
え70℃で6時間反応させた。反応液は透明となり、これ
を粗2-ヘプチルウンデシルリン酸の3倍量のメタノール
に加えて25℃で1時間攪拌したところ白色のペースト状
物質が生成した。この物質をろ過して取り出し、更に3
倍量のメタノールで2回洗浄した後、5日間減圧乾燥し
て精製物を得た。得られた2-ヘプチルウンデシルリン酸
アルギニン塩中の非イオン性物質量含有量は1.4重量%
であった。また、このものの色相はクレット15で、匂い
の官能評価では異臭が認められた。
【0029】比較例4 市販の2-ヘプチルウンデカノール(三菱化学社製ダイヤ
ドール18GT)300g(1.10モル)と116%ポリリン酸209
g(2.48モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水123gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸を得た。こ
の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオン性物質含
有量は1.6重量%であった。また、このものの色相はク
レット31で、匂いの官能評価では異臭が認められた。こ
の酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸に等量のエタノー
ルを加えて60℃で溶解させ、アルギニン粉末192gを加
え70℃で6時間反応させた。反応液は透明となり、この
溶液100gを抽出容器に入れ、ヘキサン600g、イソプロ
ピルアルコール50g及び水600gを加えて攪拌したとこ
ろ、均一なゲル状の液体となり、抽出操作を行うことが
できなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、着色や悪臭の原因とな
る非イオン性化合物を実質的に含まず、香粧品、化粧
品、医薬品等に使用できる高品質の分岐二量化アルキル
リン酸塩基性アミノ酸塩が製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−180496(JP,A) 特開 昭62−135481(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/09

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程(a)〜(c) 工程(a):分岐二量化アルコールをリン酸化する工程 工程(b):工程(a)で得られた粗分岐二量化アルキルリン
    酸を塩基性アミノ酸で中和する工程 工程(c):工程(b)で得られた反応生成物をケトン系溶剤
    に加え、分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩を
    析出させて分離することにより精製し、非イオン性物質
    の含有率を1重量%以下にする工程 を含むことを特徴とする分岐二量化アルキルリン酸塩基
    性アミノ酸塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(b)で用いる塩基性アミノ酸がアル
    ギニンである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(c)で用いるケトン系溶剤がアセト
    ンである請求項1又は2記載の製造方法。
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