JP3197787B2 - 分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の製造方法 - Google Patents
分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の製造方法Info
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Description
れる分岐二量化アルコールのリン酸エステル(以下、
「分岐二量化アルキルリン酸」という。)の塩基性アミ
ノ酸塩の製造方法に関する。更に詳しくは、色、匂いな
どの品質に優れた分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミ
ノ酸塩の新規な製造方法に関する。
は、19世紀よりヒドロキシル化合物を五酸化リン、三塩
化ホスホリル等のリン酸化剤と反応させることにより得
られることが知られており、そのアルカリ金属塩、アル
カノールアミン塩等の塩類は、洗浄剤、繊維処理剤、乳
化剤、防錆剤、液状イオン交換体、医薬品等として幅広
い分野で利用されている。なかでも、ゲルベ反応により
得られる分岐二量化アルコールのリン酸エステルは直鎖
アルコールのリン酸エステルに比較して融点が低い、疎
水性が大きいなどの性質を有するため、電子写真現像剤
(DE2224563, Gevaert-Agfa N.V.(1972))、生体膜類似
物質の前駆体(Deroo, Pool. W., Chem. Phys. Lipid
s., 16(1), 60-70(1976))、ヘアリンス(特開昭56-772
18号公報)等の用途が知られている。
に分岐二量化アルキルリン酸のアルギニン塩は、油の種
類にかかわらず安定なゲルを形成するため、化粧品基剤
として幅広い応用が期待されている(特開昭58-180496
号公報,特開昭63-122775号公報)。
特に分岐二量化アルキルリン酸類は、化粧料、洗浄剤等
の基剤成分として重要であるため、着色や臭気のないこ
とが必要である。そのため、従来、アルキルリン酸エス
テル類を精製する種々の方法が知られている。
としては、(1)酸性リン酸エステルを脱臭処理した後、
ポリリン酸を添加する方法(特公昭60-41673号公報)、
(2)アルキルリン酸エステルに吸着剤を加えてヒ素等を
取り除く方法(特公昭62-45874号公報)、(3)アルキル
リン酸エステルのナトリウム塩又はカリウム塩を有機溶
剤から析出させて分離する方法(特公昭60-41674号公
報)、(4)炭化水素と低級アルコール−水とを用いてア
ルキルリン酸エステルから未反応のオルトリン酸を水層
に抽出除去し(特公昭63-47715号公報)、又は更に炭化
水素層に混入する低級アルコール及び水を共沸蒸留によ
り除去して(特公平2-46040号公報)再結晶ないしトッ
ピングする方法、(5)炭化水素と低級アルコール−水と
を用いてアルキルリン酸エステル塩から非イオン性化合
物を抽出除去する方法(特公平3-27558号公報)、(6)電
気透析によりアルキルリン酸から過剰のリン酸を取り除
く方法(特開昭61-129189号公報)、(7)アルキルリン酸
エステルアルギニン塩をメタノールから析出させて分離
する方法(特開昭58-180496号公報)等が提案されてい
る。
は、未反応の分岐二量化アルコール、分岐二量化アルコ
ール中の不純物、着色成分、更にはリン酸化中に副生す
る炭化水素等の非イオン性物質が含まれ、特に副生炭化
水素は色、匂い等の品質面に悪影響を及ぼすため、化粧
料等の基剤成分として用いる上での問題となっている
が、上記精製法のうち(5)以外の方法ではこの非イオン
性物質を除去することができない。また、方法(5)は非
イオン性物質を除去する方法ではあるが、分岐二量化ア
ルキルリン酸アルギニン塩のような塩基性アミノ酸塩の
場合には溶液抽出ができないため、これに適用すること
はできないという問題がある。そこで、分岐二量化アル
キルリン酸塩基性アミノ酸塩の精製には方法(7)のよう
に溶媒から析出させる方法が考えられるが、方法(7)で
は非イオン性物質を除去することができなかった。
や悪臭の原因となる非イオン性化合物を実質的に含ま
ず、香粧品、化粧品、医薬品等に使用できる高品質の分
岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の製造方法を
提供することを目的とする。
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、リン酸化反応後の粗
分岐二量化アルキルリン酸をケトン系溶媒に加え、これ
から分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩を析出
させて分離することにより、炭化水素等の非イオン性物
質が効率的に除去されること、及び非イオン性物質の含
有率が1重量%以下に抑えられると、色、匂い等の点で
ほとんど問題がなくなり、高品質な分岐二量化アルキル
リン酸となることを見出し、本発明を完成した。
酸を塩基性アミノ酸で中和する工程 工程(c):工程(b)で得られた反応生成物をケトン系溶剤
に加え、分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩を
析出させて分離することにより精製し、非イオン性物質
の含有率を1重量%以下にする工程 を含むことを特徴とする分岐二量化アルキルリン酸塩基
性アミノ酸塩の製造方法。
コールは、ゲルベ反応により得られるものであるが、炭
素数4〜15、特に炭素数6〜12のアルコールを原料とし
て得られるものが好ましい。具体的には、2-ブチルオク
タノール、2-ヘキシルデカノール、2-ヘプチルウンデカ
ノール、2-オクチルドデカノール、2-デシルテトラデカ
ノール、2-ドデシルヘキサデカノール等が挙げられ、中
でも2-ヘキシルデカノール及び2-ヘプチルウンデカノー
ルが好ましい。これらの分岐二量化アルコールは単独で
又は2種以上を組合せて使用することができる。
方法としては、例えば、アルコールとオキシ塩化リンを
反応させて得られるモノホスホロジクリデートを加水分
解する方法(K. Sasse編:Methoden der Ofganischen C
hemie,第12/2巻,163〜164頁、及び特開昭50-64226号
公報)、アルコールにあらかじめ一定量の水を添加し、
次いで五酸化リンを反応させる方法(特公昭41-14416号
公報)、アルコールにオルトリン酸及び五酸化リンを反
応させる方法(特公昭42-6730号公報)、アルコールと
縮合リン酸(ポリリン酸)を反応させる方法(A. K. Ne
lson et al.,Inorg. Chem., 2, 775(1963)、F. B. Cla
rke et al., J. Amer. Chem. Soc., 88,4401(1966)、及
び特公昭43-26492号公報)等が挙げられ、いずれの方法
によってもよい。
行う場合、用いるポリリン酸は、オルトリン酸に換算し
て110〜120%、特に112〜116%の濃度のものが好まし
い。110%未満のポリリン酸では十分な反応率が得られ
ず、120%を超えるポリリン酸は粘稠で操作が困難であ
り、しかもアルキルリン酸の分解反応が併発して炭化水
素等の非イオン性物質の副生が多くなるため好ましくな
い。またその使用量は分岐二量化アルコールに対し1〜
10当量、特に2〜3当量が好ましい。
用いずに行ってもよいが、操作性の向上のために炭素数
4〜8の直鎖もしくは分岐の飽和炭化水素又は飽和環式
炭化水素、例えばn-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキ
サン等を溶媒として用いて行ってもよい。リン酸化反応
は、60〜100℃で1〜16時間行い、その後反応混合物に
対し1〜30重量%の水を加えて60〜100℃で1〜20時間
加水分解反応を行う。反応混合物は静置によって短時間
のうちに分層し、軽液層から常圧又は減圧で溶媒を留去
することにより、酸性の粗分岐二量化アルキルリン酸が
得られる。
られる塩基性アミノ酸としては、例えばリシン、アルギ
ニン、ヒスチジン等が挙げられるが、取扱いやすさ及び
価格の点から特にアルギニンが好ましい。これらの塩基
性アミノ酸は、粉末のままで又は水溶液として使用する
ことができるが、精製の容易さから粉末で用いる方が好
ましい。
程(a)で得られた酸性の粗分岐二量化アルキルリン酸100
重量部に対し、適当な溶媒を50〜500重量部加えた後、
塩基性アミノ酸を酸価に対して0.5〜3当量加えること
により行われる。溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒のほか、THF等
のエーテル系溶媒やジクロロメタン等のハロゲン化炭化
水素系溶媒でも数%の水分を含んでいるものであれば使
用することができる。中和反応の反応温度は70〜80℃が
好ましく、反応時間は5〜10時間が好ましい。
をケトン系溶剤に加えて析出させる。このときの温度は
0〜40℃、特に20〜30℃が好ましい。0℃未満では非イ
オン性物質がケトン系溶剤中に溶出しにくく、40℃を超
えるとケトン系溶剤への目的物の溶解量が多くなり、収
率が低下してしまう。
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が
挙げられるが、結晶性の良さと乾燥の容易さから、特に
アセトンが好ましい。またケトン系溶剤の量は粗分岐二
量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の1〜10倍、特に
2〜5倍が好ましい。
方法で取り出し、常圧又は減圧下で乾燥することによ
り、精製分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩が
得られる。更に、非イオン性物質の除去が不十分であっ
た場合にはケトン系溶剤による洗浄と分離を繰り返して
行い、非イオン性物質の含有量を1重量%以下とする。
酸塩基性アミノ酸塩は、色、匂い等の品質に優れ、化粧
品等の用途に好適に使用することができる。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、非イオン性物質の含
有量の測定は石油エーテル抽出法により行った。色相
は、試料の10%エタノール溶液を調製し、分光光度計を
用いてエタノールを対照に波長420nm、試料セル10mmで
吸光度を測定し、その値に係数1000を乗じた値(クレッ
ト)で示した。また、匂いは官能試験で判定した。な
お、未精製のリン酸エステルについては、同量のエタノ
ールを加え、酸価に対して1当量のアルギニンを加えた
後、78℃で6時間反応させ、100Torr、60℃で溶媒を留
去し、匂いの官能試験に供した。
コール160BRA)380g(1.52モル)と116%ポリリン酸27
0g(3.20モル)を、ヘキサン380g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水168gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘキシルデシルリン酸を得た。この粗
2-ヘキシルデシルリン酸中の非イオン性物質含有量は1.
6重量%であった。また、このものの色相はクレット32
で、匂いの官能評価では異臭が認められた。この酸性粗
2-ヘキシルデシルリン酸に等量のエタノールを加えて60
℃で溶解させ、アルギニン粉末265gを加えて70℃で6
時間反応させた。反応液は透明となり、これを粗2-ヘキ
シルデシルリン酸の3倍量のアセトンに加えて25℃で1
時間攪拌したところ白色の結晶が生成した。この結晶を
ろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗浄し
た後、16時間減圧乾燥して精製物を得た。得られた2-ヘ
キシルデシルリン酸アルギニン塩中の非イオン性物質量
含有量は0.3重量%であった。また、このものの色相は
クレット10で、匂いの官能評価は良好であった。
ドール18GT)300g(1.10モル)と112%ポリリン酸289
g(3.30モル)を、ヘキサン300g中、70℃で16時間反
応させた。この反応溶液に水116gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸を得た。こ
の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオン性物質含
有量は2.6重量%であった。また、このものの色相はク
レット38で、匂いの官能評価では異臭が認められた。こ
の酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸100gを、薄膜蒸
留器中、160℃、20Torrで、水蒸気165gと100g/hrで接
触させて精製した。次いでこれに等量のエタノールを加
えて60℃で溶解させ、アルギニン粉末192gを加え70℃
で6時間反応させた。反応液は透明となり、これを粗2-
ヘプチルウンデシルリン酸の3倍量のアセトンに加えて
25℃で1時間攪拌したところ白色の結晶が生成した。こ
の結晶をろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2
回洗浄した後、16時間減圧乾燥して精製物を得た。得ら
れた2-ヘプチルウンデシルリン酸アルギニン塩中の非イ
オン性物質量含有量は0.2重量%であった。また、この
ものの色相はクレット12で、匂いの官能評価は良好であ
った。
コール160BRA)300g(1.23モル)と116%ポリリン酸23
4g(2.77モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水138gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘキシルデシルリン酸を得た。この粗
2-ヘキシルデシルリン酸中の非イオン性物質含有量は1.
7重量%であった。また、このものの色相はクレット32
で、匂いの官能評価では異臭が認められた。この酸性粗
2-ヘキシルデシルリン酸に等量のエタノールを加えて60
℃で溶解させ、アルギニン粉末272gを加えて70℃で6
時間反応させた。反応液は透明となり、これを粗2-ヘキ
シルデシルリン酸の3倍量のアセトンに加えて25℃で1
時間攪拌したところ白色の結晶が生成した。この結晶を
ろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗浄し
た後、10時間減圧乾燥して精製物を得た。得られた2-ヘ
キシルデシルリン酸アルギニン塩中の非イオン性物質量
含有量は0.4重量%であった。また、このものの色相は
クレット10で、匂いの官能評価は良好であった。
コール160BRA)300g(1.23モル)と116%ポリリン酸23
4g(2.77モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水138gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘキシルデシルリン酸を得た。この粗
2-ヘキシルデシルリン酸中の非イオン性物質含有量は1.
7重量%であった。また、このものの色相はクレット32
で、匂いの官能評価では異臭が認められた。この酸性粗
2-ヘキシルデシルリン酸に等量のエタノールを加えて60
℃で溶解させ、ヒスチジン粉末190.7gを加えて70℃で
6時間反応させた。反応液は透明となり、これを粗2-ヘ
キシルデシルリン酸の3倍量のアセトンに加えて25℃で
1時間攪拌したところ白色の結晶が生成した。この結晶
をろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗浄
した後、減圧乾燥して精製物を得た。得られた2-ヘキシ
ルデシルリン酸ヒスチジン塩中の非イオン性物質量含有
量は0.4重量%であった。また、このものの色相はクレ
ット10で、匂いの官能評価は良好であった。
ドール18GT)70.6g(0.258モル)、75%リン酸20.3g
(0.077モル)及び五酸化リン39.3g(0.271モル)を混
合し70℃で3時間反応させた後、更に2-ヘプチルウンデ
カノール73.0g(0.266モル)を加え、3時間反応させ
た。この反応溶液に水8.74gを加え、70℃で12時間加水
分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。この反
応液にヘキサン144g及びイソプロピルアルコール27.6
gを加え、抽出軽液から溶媒分を留去し、酸性の粗2-ヘ
プチルウンデシルリン酸を得た。この粗2-ヘプチルウン
デシルリン酸中の非イオン性物質含有量は2.0重量%で
あった。また、このものの色相はクレット30で、匂いの
官能評価では異臭が認められた。この酸性粗2-ヘプチル
ウンデシルリン酸に等量のエタノールを加えて60℃で溶
解させアルギニン粉末45.0gを加え70℃で6時間反応さ
せた。反応液は透明となり、これを粗2-ヘプチルウンデ
シルリン酸の3倍量のアセトンに加えて25℃で1時間攪
拌したところ白色の結晶が生成した。この結晶をろ過し
て取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗浄した後、
減圧乾燥して精製物を得た。得られた2-ヘプチルウンデ
シルリン酸アルギニン塩中の非イオン性物質量含有量は
0.7重量%であった。また、このものの色相はクレット
9で、匂いの官能評価は良好であった。
ドール18GT)300g(1.10モル)と116%ポリリン酸209
g(2.48モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液100gに対して水123gを加え、
70℃で10時間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を
分解した。この反応液を静置して分層し、抽出軽液から
溶媒分を留去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸
を得た。この粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオ
ン性物質含有量は2.0重量%であった。また、このもの
の色相はクレット32で、匂いの官能評価では異臭が認め
られた。この酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸に等量
のエタノールを加えて60℃で溶解させ、48%水酸化カリ
ウム水溶液129gを加え70℃で2時間反応させた。反応
液は白濁し、これを粗2-ヘプチルウンデシルリン酸の3
倍量のアセトンに加えて25℃で1時間攪拌したところ凝
集し、直径2〜5cmの白色の球形物質となった。この物
質をろ過して取り出し、更に3倍量のアセトンで2回洗
浄した後、5日間減圧乾燥して精製物を得た。得られた
2-ヘプチルウンデシルリン酸カリウム塩中の非イオン性
物質量含有量は2.0重量%であった。また、このものの
色相はクレット10で、匂いの官能評価では異臭が認めら
れた。
ドール18GT)300g(1.10モル)と116%ポリリン酸209
g(2.48モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水123gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸を得た。こ
の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオン性物質含
有量は1.6重量%であった。また、このものの色相はク
レット32で、匂いの官能評価では異臭が認められた。こ
の酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸に等量のエタノー
ルを加えて60℃で溶解させ、アルギニン粉末192gを加
え70℃で6時間反応させた。反応液は透明となり、これ
を粗2-ヘプチルウンデシルリン酸の3倍量のヘキサンに
加えて25℃で1時間攪拌したところ白色のゲルが生成し
た。このゲルをろ過して取り出し、更に3倍量のヘキサ
ンで2回洗浄した後、5日間減圧乾燥して精製物を得
た。得られた2-ヘプチルウンデシルリン酸アルギニン塩
中の非イオン性物質量含有量は1.3重量%であった。ま
た、このものの色相はクレット10で、匂いの官能評価で
は異臭が認められた。
ドール18GT)300g(1.10モル)と116%ポリリン酸209
g(2.48モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水123gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸を得た。こ
の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオン性物質含
有量は1.6重量%であった。また、このものの色相はク
レット32で、匂いの官能評価では異臭が認められた。こ
の酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸に等量のエタノー
ルを加えて60℃で溶解させ、アルギニン粉末192gを加
え70℃で6時間反応させた。反応液は透明となり、これ
を粗2-ヘプチルウンデシルリン酸の3倍量のメタノール
に加えて25℃で1時間攪拌したところ白色のペースト状
物質が生成した。この物質をろ過して取り出し、更に3
倍量のメタノールで2回洗浄した後、5日間減圧乾燥し
て精製物を得た。得られた2-ヘプチルウンデシルリン酸
アルギニン塩中の非イオン性物質量含有量は1.4重量%
であった。また、このものの色相はクレット15で、匂い
の官能評価では異臭が認められた。
ドール18GT)300g(1.10モル)と116%ポリリン酸209
g(2.48モル)を、ヘキサン300g中、70℃で2時間反
応させた。この反応溶液に水123gを加え、70℃で10時
間加水分解反応を行い、余剰のピロリン酸を分解した。
この反応液を静置して分層し、抽出軽液から溶媒分を留
去し、酸性の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸を得た。こ
の粗2-ヘプチルウンデシルリン酸中の非イオン性物質含
有量は1.6重量%であった。また、このものの色相はク
レット31で、匂いの官能評価では異臭が認められた。こ
の酸性粗2-ヘプチルウンデシルリン酸に等量のエタノー
ルを加えて60℃で溶解させ、アルギニン粉末192gを加
え70℃で6時間反応させた。反応液は透明となり、この
溶液100gを抽出容器に入れ、ヘキサン600g、イソプロ
ピルアルコール50g及び水600gを加えて攪拌したとこ
ろ、均一なゲル状の液体となり、抽出操作を行うことが
できなかった。
る非イオン性化合物を実質的に含まず、香粧品、化粧
品、医薬品等に使用できる高品質の分岐二量化アルキル
リン酸塩基性アミノ酸塩が製造できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の工程(a)〜(c) 工程(a):分岐二量化アルコールをリン酸化する工程 工程(b):工程(a)で得られた粗分岐二量化アルキルリン
酸を塩基性アミノ酸で中和する工程 工程(c):工程(b)で得られた反応生成物をケトン系溶剤
に加え、分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩を
析出させて分離することにより精製し、非イオン性物質
の含有率を1重量%以下にする工程 を含むことを特徴とする分岐二量化アルキルリン酸塩基
性アミノ酸塩の製造方法。 - 【請求項2】 工程(b)で用いる塩基性アミノ酸がアル
ギニンである請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 工程(c)で用いるケトン系溶剤がアセト
ンである請求項1又は2記載の製造方法。
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