JPH11285358A - 炊き込みご飯用調味液 - Google Patents
炊き込みご飯用調味液Info
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- JPH11285358A JPH11285358A JP10090476A JP9047698A JPH11285358A JP H11285358 A JPH11285358 A JP H11285358A JP 10090476 A JP10090476 A JP 10090476A JP 9047698 A JP9047698 A JP 9047698A JP H11285358 A JPH11285358 A JP H11285358A
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- reducing sugar
- rice
- seasoning
- cooked rice
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 天然成分からなりコゲを生じにくい炊き込み
ご飯用調味液を提供する。 【解決手段】 ソルビトール等の還元糖アルコール及び
/または還元糖水飴を含有し、pHを3より大きく5よ
り小さく調整した炊き込みご飯用調味液。具材として、
細切りした野菜類や、醤油、食用油、有機酸等を加え、
レトルトパウチに入れ加熱殺菌して調味液とする。還元
糖アルコール及び/または還元糖水飴により炊飯時にコ
ゲが生じにくゝ、またpH調整により良好な保存性を有
する。
ご飯用調味液を提供する。 【解決手段】 ソルビトール等の還元糖アルコール及び
/または還元糖水飴を含有し、pHを3より大きく5よ
り小さく調整した炊き込みご飯用調味液。具材として、
細切りした野菜類や、醤油、食用油、有機酸等を加え、
レトルトパウチに入れ加熱殺菌して調味液とする。還元
糖アルコール及び/または還元糖水飴により炊飯時にコ
ゲが生じにくゝ、またpH調整により良好な保存性を有
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯前に米および
水に混ぜておくだけで、炊き込みご飯がつくれる炊き込
みご飯用調味液に関し、特に炊飯時にコゲが生じにく
く、かつ保存性が良い炊き込みご飯用調味液に関する。
水に混ぜておくだけで、炊き込みご飯がつくれる炊き込
みご飯用調味液に関し、特に炊飯時にコゲが生じにく
く、かつ保存性が良い炊き込みご飯用調味液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、炊き込みご飯は家庭や産業給
食で食事に供されており、山菜ご飯、松茸ご飯などの野
菜を主体としたものや、アサリご飯などの貝類を主体と
したものが知られている。
食で食事に供されており、山菜ご飯、松茸ご飯などの野
菜を主体としたものや、アサリご飯などの貝類を主体と
したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炊き込
みご飯においては調味料を添加して炊飯するため、炊飯
時に釜底においてご飯がコゲる問題があった。特に産業
給食のように大量に炊く場合は、炊く条件を調整するの
が非常に難しく、コゲが生じたり、逆に生炊きになった
りすることが多い。このような問題を解決するため、炊
飯時に油脂を添加する方法が提案されている。例えば特
開昭60ー49754号公報には20〜80重量%の油脂と80
〜20重量%の調味液とを乳化せしめてなる乳化型米飯
用調味料が開示されており、特開平2ー60564号公報では
10〜90%の油脂と界面活性剤と調味料とからなる炊
き込みご飯用乳化調味料が開示されている。また特開平
8ー154602には、液状油脂と界面活性剤と油溶性保存料と
を含む炊飯用油脂が開示されている。しかしながら、こ
れらはいずれも油脂類や界面活性剤を用いたものである
ので、油脂が炊飯用の水に均一に分散されず、効果が不
十分であるという不都合があった。また炊飯後、釜を洗
うときに油脂が釜に付着して落ちにくく、作業時間や労
力がかかるなどの問題があった。さらに、界面活性剤は
これらの問題をかなり解消するが、昨今の天然指向に相
容れない。
みご飯においては調味料を添加して炊飯するため、炊飯
時に釜底においてご飯がコゲる問題があった。特に産業
給食のように大量に炊く場合は、炊く条件を調整するの
が非常に難しく、コゲが生じたり、逆に生炊きになった
りすることが多い。このような問題を解決するため、炊
飯時に油脂を添加する方法が提案されている。例えば特
開昭60ー49754号公報には20〜80重量%の油脂と80
〜20重量%の調味液とを乳化せしめてなる乳化型米飯
用調味料が開示されており、特開平2ー60564号公報では
10〜90%の油脂と界面活性剤と調味料とからなる炊
き込みご飯用乳化調味料が開示されている。また特開平
8ー154602には、液状油脂と界面活性剤と油溶性保存料と
を含む炊飯用油脂が開示されている。しかしながら、こ
れらはいずれも油脂類や界面活性剤を用いたものである
ので、油脂が炊飯用の水に均一に分散されず、効果が不
十分であるという不都合があった。また炊飯後、釜を洗
うときに油脂が釜に付着して落ちにくく、作業時間や労
力がかかるなどの問題があった。さらに、界面活性剤は
これらの問題をかなり解消するが、昨今の天然指向に相
容れない。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、天然成分からなりコゲを生じにくい炊き込みご飯用
調味液を提供することを目的とする。
で、天然成分からなりコゲを生じにくい炊き込みご飯用
調味液を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、甘味成分
として従来から食品に使われている天然原料由来の還元
糖アルコールおよび還元糖水飴がコゲを防ぐ効果を有す
ることを見いだし、本発明に至った。すなわち前記課題
は、還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、pHが3より大きく5より小さいことを特徴とする
炊き込みご飯用調味液によって解決できる。
として従来から食品に使われている天然原料由来の還元
糖アルコールおよび還元糖水飴がコゲを防ぐ効果を有す
ることを見いだし、本発明に至った。すなわち前記課題
は、還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、pHが3より大きく5より小さいことを特徴とする
炊き込みご飯用調味液によって解決できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で用いられる還元糖アルコールとしては、例え
ば、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マ
ンニトール、ラクチトール、パラチトール、オリゴ糖ア
ルコール、デキストリンアルコールなどがあるが、これ
らに限定されるものではない。本発明で用いられる還元
糖水飴は、デンプンを酵素や酸で加水分解して得られる
オリゴ糖やデキストリンの末端を水素添加して糖アルコ
ールに還元したもので、粘ちょうな物質であり、その成
分はオリゴ糖アルコール、デキストリンアルコールなど
であるが、これらに限定されるものではない。本発明の
炊き込みご飯用調味液において、還元糖アルコールおよ
び還元糖水飴は、どちらか一方を添加すればよく、両方
を添加してもよい。還元糖アルコールのみを添加する場
合、その添加量は米1kgに対して8〜140gの範囲が
好ましく、還元糖水飴のみを添加する場合は、その添加
量は米1kgに対して12〜150gの範囲が好ましい。
また還元糖アルコールおよび還元糖水飴の両方を添加す
る場合は、米1kgに対して10〜145g程度添加する
のが好ましい。還元糖アルコールおよび/または還元糖
水飴の添加量が多すぎると調味液が甘くなりすぎたり、
かえってコゲが生じ易くなり、少ないと甘味成分が少な
く香味バランスがくずれ、調味液がおいしさに欠けるも
のとなってしまう。
本発明で用いられる還元糖アルコールとしては、例え
ば、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マ
ンニトール、ラクチトール、パラチトール、オリゴ糖ア
ルコール、デキストリンアルコールなどがあるが、これ
らに限定されるものではない。本発明で用いられる還元
糖水飴は、デンプンを酵素や酸で加水分解して得られる
オリゴ糖やデキストリンの末端を水素添加して糖アルコ
ールに還元したもので、粘ちょうな物質であり、その成
分はオリゴ糖アルコール、デキストリンアルコールなど
であるが、これらに限定されるものではない。本発明の
炊き込みご飯用調味液において、還元糖アルコールおよ
び還元糖水飴は、どちらか一方を添加すればよく、両方
を添加してもよい。還元糖アルコールのみを添加する場
合、その添加量は米1kgに対して8〜140gの範囲が
好ましく、還元糖水飴のみを添加する場合は、その添加
量は米1kgに対して12〜150gの範囲が好ましい。
また還元糖アルコールおよび還元糖水飴の両方を添加す
る場合は、米1kgに対して10〜145g程度添加する
のが好ましい。還元糖アルコールおよび/または還元糖
水飴の添加量が多すぎると調味液が甘くなりすぎたり、
かえってコゲが生じ易くなり、少ないと甘味成分が少な
く香味バランスがくずれ、調味液がおいしさに欠けるも
のとなってしまう。
【0007】本発明の炊き込みご飯用調味液は、pHが
3より大きく5より小さい値、好ましくは3.5以上
4.6以下に調整される。pHが5以上では微生物、特
に一般生菌の制御が難しく、一方、pHが3以下では酸
味が強すぎて食味が落ちる。またpHが5以上になると
コゲが生じ易くなる。この炊き込みご飯用調味液のpH
を調整するために、酢酸、食酢、クエン酸、りんご酸、
グルコン酸などの酸味料が好ましく用いられるが、これ
らに限定されるものではない。
3より大きく5より小さい値、好ましくは3.5以上
4.6以下に調整される。pHが5以上では微生物、特
に一般生菌の制御が難しく、一方、pHが3以下では酸
味が強すぎて食味が落ちる。またpHが5以上になると
コゲが生じ易くなる。この炊き込みご飯用調味液のpH
を調整するために、酢酸、食酢、クエン酸、りんご酸、
グルコン酸などの酸味料が好ましく用いられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0008】また本発明の炊き込みご飯用調味液は、特
に水分活性に限定はないが、好ましくは水分活性が0.
88より小さい値となるように調整される。水分活性は
食品中の有効水分の含有量を示すもので、水分活性が
0.88以上になると微生物制御が難しくなる。この炊
き込みご飯用調味液の水分活性の調整には、食塩、砂糖
などの糖類や、肉エキスなどの調味料が用いられるが、
これらに限定されるものではない。またこれらの調味料
を用いて水分活性を0.7以下にしようとすると多量の
調味料を使用しなければならず、炊き込みご飯用調味液
の香味が損なわれるおそれがあるので、好ましくは水分
活性は0.7より大きくなるように調整される。
に水分活性に限定はないが、好ましくは水分活性が0.
88より小さい値となるように調整される。水分活性は
食品中の有効水分の含有量を示すもので、水分活性が
0.88以上になると微生物制御が難しくなる。この炊
き込みご飯用調味液の水分活性の調整には、食塩、砂糖
などの糖類や、肉エキスなどの調味料が用いられるが、
これらに限定されるものではない。またこれらの調味料
を用いて水分活性を0.7以下にしようとすると多量の
調味料を使用しなければならず、炊き込みご飯用調味液
の香味が損なわれるおそれがあるので、好ましくは水分
活性は0.7より大きくなるように調整される。
【0009】本発明の炊き込みご飯用調味液は、特に粘
度が限定されるものではないが、炊飯前の米および水に
混ぜたときの混ぜやすさ、分散のしやすさなどから、好
ましくは500cp以下が良い。本発明の炊き込みご飯
用調味液は、必須成分として還元糖アルコール及び/ま
たは還元糖水飴を含有するほか、用途や好みに応じた味
付けのための適宜の調味料等を含んでおり、また適宜の
具材を含んでいてもよい。調味料の例としては、醤油
(生、薄口、濃口など)、味噌、たんぱく加水分解物調
味料、アミノ酸、核酸系調味料、エキス類(かき、肉、
魚、酵母など)、豆板醤、酒、味醂、香辛料(トウガラ
シ、胡椒、ハーブなど)、果汁などを適宜選択して用い
ることができる。具材の例としては野菜、香辛野菜、ひ
じき、昆布等の海草、油揚げ、および肉類などを好まし
くもちいることができる。これらの具材は、必要に応じ
て適宜裁断されて用いられる。また必要に応じて、デン
プンなど多糖類の増粘剤、植物油脂や動物油脂などの食
用油脂、各種フレーバーなどを適宜添加してもよい。
度が限定されるものではないが、炊飯前の米および水に
混ぜたときの混ぜやすさ、分散のしやすさなどから、好
ましくは500cp以下が良い。本発明の炊き込みご飯
用調味液は、必須成分として還元糖アルコール及び/ま
たは還元糖水飴を含有するほか、用途や好みに応じた味
付けのための適宜の調味料等を含んでおり、また適宜の
具材を含んでいてもよい。調味料の例としては、醤油
(生、薄口、濃口など)、味噌、たんぱく加水分解物調
味料、アミノ酸、核酸系調味料、エキス類(かき、肉、
魚、酵母など)、豆板醤、酒、味醂、香辛料(トウガラ
シ、胡椒、ハーブなど)、果汁などを適宜選択して用い
ることができる。具材の例としては野菜、香辛野菜、ひ
じき、昆布等の海草、油揚げ、および肉類などを好まし
くもちいることができる。これらの具材は、必要に応じ
て適宜裁断されて用いられる。また必要に応じて、デン
プンなど多糖類の増粘剤、植物油脂や動物油脂などの食
用油脂、各種フレーバーなどを適宜添加してもよい。
【0010】本発明の炊き込みご飯用調味液は、還元糖
アルコール及び/または還元糖水飴、水、味付け用調味
料、および必要に応じて適宜の具材等を混合したもの
を、ビンやレトルトパウチに封入した後、加熱殺菌処理
して製造される。レトルトパウチとは、耐熱性プラスチ
ックフィルムやアルミ箔などを耐熱性接着剤によって二
層以上に積層した高性能のラミネートフィルムを用い、
熱可塑性材料の熱シールによって気密性を保つ容器であ
り、適宜のものを使用することができる。加熱殺菌処理
の条件は、好ましくは70〜110℃で1〜100分間
の加熱、さらに好ましくは85〜105℃で、10〜8
0分間の加熱である。加熱温度が高すぎる、あるいは加
熱時間が長すぎると具材が柔らかくなりすぎ、食感が悪
くなるおそれがある。また加熱温度が低すぎる、あるい
は加熱時間が短すぎると微生物制御が不完全となり、保
存中に腐敗が生じるおそれがある。他の条件が同じであ
れば加熱温度が高いほど加熱時間は短くて済む。加熱殺
菌処理の条件は、微生物制御に影響を与える他の条件
(水分活性、pH等)や処理前に食品中に存在する微生
物の数、すなわち原料の微生物的品質によっても変わ
る。加熱の方法は、周知の手法を用いることができ、制
限されるものではない。
アルコール及び/または還元糖水飴、水、味付け用調味
料、および必要に応じて適宜の具材等を混合したもの
を、ビンやレトルトパウチに封入した後、加熱殺菌処理
して製造される。レトルトパウチとは、耐熱性プラスチ
ックフィルムやアルミ箔などを耐熱性接着剤によって二
層以上に積層した高性能のラミネートフィルムを用い、
熱可塑性材料の熱シールによって気密性を保つ容器であ
り、適宜のものを使用することができる。加熱殺菌処理
の条件は、好ましくは70〜110℃で1〜100分間
の加熱、さらに好ましくは85〜105℃で、10〜8
0分間の加熱である。加熱温度が高すぎる、あるいは加
熱時間が長すぎると具材が柔らかくなりすぎ、食感が悪
くなるおそれがある。また加熱温度が低すぎる、あるい
は加熱時間が短すぎると微生物制御が不完全となり、保
存中に腐敗が生じるおそれがある。他の条件が同じであ
れば加熱温度が高いほど加熱時間は短くて済む。加熱殺
菌処理の条件は、微生物制御に影響を与える他の条件
(水分活性、pH等)や処理前に食品中に存在する微生
物の数、すなわち原料の微生物的品質によっても変わ
る。加熱の方法は、周知の手法を用いることができ、制
限されるものではない。
【0011】このようにして得られる炊き込みご飯用調
味液は、還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含
有しているので、炊飯時に釜底にコゲが生じにくい。し
たがってコゲによって味、風味、色が損なわれることな
く、品質が高い炊き込みご飯が得られるうえ、調理器具
類の後始末が容易になる。また界面活性剤等の人工添加
物を用いることなく、天然の原料から得られる還元糖ア
ルコール及び/または還元糖水飴によってコゲ防止の効
果が得られるので、消費者等に受け入れられ易く商品価
値が高い。ここで、従来の還元糖アルコールや還元糖水
飴を食品に用いた例としては、特開昭62-32856号公報
に、塩化カリウムを含む減塩調味料に還元麦芽糖水飴を
添加すると塩化カリウムによる苦みが緩和されることが
記載されている。しかしながらこの還元麦芽糖水飴にコ
ゲを防ぐ効果があることは開示されていない。また特開
昭62-278962号公報にはキシロビイトール等を含む還元
キシロオリゴ糖を低甘味の甘味調味料として菓子類や飲
料品に使用することが記載されている。しかしながらこ
の還元キシロオリゴ糖にコゲを防ぐ効果があることは開
示されていない。
味液は、還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含
有しているので、炊飯時に釜底にコゲが生じにくい。し
たがってコゲによって味、風味、色が損なわれることな
く、品質が高い炊き込みご飯が得られるうえ、調理器具
類の後始末が容易になる。また界面活性剤等の人工添加
物を用いることなく、天然の原料から得られる還元糖ア
ルコール及び/または還元糖水飴によってコゲ防止の効
果が得られるので、消費者等に受け入れられ易く商品価
値が高い。ここで、従来の還元糖アルコールや還元糖水
飴を食品に用いた例としては、特開昭62-32856号公報
に、塩化カリウムを含む減塩調味料に還元麦芽糖水飴を
添加すると塩化カリウムによる苦みが緩和されることが
記載されている。しかしながらこの還元麦芽糖水飴にコ
ゲを防ぐ効果があることは開示されていない。また特開
昭62-278962号公報にはキシロビイトール等を含む還元
キシロオリゴ糖を低甘味の甘味調味料として菓子類や飲
料品に使用することが記載されている。しかしながらこ
の還元キシロオリゴ糖にコゲを防ぐ効果があることは開
示されていない。
【0012】また微生物の耐熱性はpHによって大きな
影響を受け、アルカリ又は酸性に傾くにつれて微生物の
耐熱性が低下する。したがって本発明では炊き込みご飯
用調味液のpHが5より小さくなるように調整されてい
るので、一般的なレトルト処理が121℃、約8分程度
の加熱条件で行われるのに対して、比較的緩和な加熱条
件で加熱殺菌処理を行うことができる。したがって、良
好な保存性が得られると同時に、具材や調味料の過加熱
を防ぎ、優れた食感、風味を得ることができる。さら
に、レトルトパウチ内に封入された嫌気的条件におい
て、水分活性を0.88より小さくすれば、細菌類の増
殖を有効に抑えることができる。また比較的低い水分活
性でも増殖可能な酵母やかびは耐熱性が低いので、上記
範囲の加熱殺菌処理条件で微生物制御が有効になされ、
良好な保存性が得られる。
影響を受け、アルカリ又は酸性に傾くにつれて微生物の
耐熱性が低下する。したがって本発明では炊き込みご飯
用調味液のpHが5より小さくなるように調整されてい
るので、一般的なレトルト処理が121℃、約8分程度
の加熱条件で行われるのに対して、比較的緩和な加熱条
件で加熱殺菌処理を行うことができる。したがって、良
好な保存性が得られると同時に、具材や調味料の過加熱
を防ぎ、優れた食感、風味を得ることができる。さら
に、レトルトパウチ内に封入された嫌気的条件におい
て、水分活性を0.88より小さくすれば、細菌類の増
殖を有効に抑えることができる。また比較的低い水分活
性でも増殖可能な酵母やかびは耐熱性が低いので、上記
範囲の加熱殺菌処理条件で微生物制御が有効になされ、
良好な保存性が得られる。
【0013】さらにまた、本発明の炊き込みご飯用調味
液は液状であるので、使用できる調味料の種類が多く、
バラエティに富んだ味付けが可能である。またレトルト
パウチ内に充填されているので、缶詰等に比べて軽量か
つコンパクトな包装形態であり、出荷、運送、あるいは
保存に有利であるうえ、開封も容易で使い勝手が良い。
また、この調味液を使用して炊き込みご飯をつくるに
は、炊飯前に、米および水に本発明の炊き込みご飯用調
味液を加えて混合した後、通常の炊飯と同様にして加熱
炊飯を行うだけで良い。したがって調味料を調合した
り、具材を切ったりする手間が不要であるので非常に簡
便である。また液体であるので、米および水と混合する
際に混ぜ易く、調味液の分散性も良いので、味のムラが
生じ難い。そして得られた炊き込みご飯は、コゲが生じ
てないので、味、風味、色等の品質に優れたものであ
る。
液は液状であるので、使用できる調味料の種類が多く、
バラエティに富んだ味付けが可能である。またレトルト
パウチ内に充填されているので、缶詰等に比べて軽量か
つコンパクトな包装形態であり、出荷、運送、あるいは
保存に有利であるうえ、開封も容易で使い勝手が良い。
また、この調味液を使用して炊き込みご飯をつくるに
は、炊飯前に、米および水に本発明の炊き込みご飯用調
味液を加えて混合した後、通常の炊飯と同様にして加熱
炊飯を行うだけで良い。したがって調味料を調合した
り、具材を切ったりする手間が不要であるので非常に簡
便である。また液体であるので、米および水と混合する
際に混ぜ易く、調味液の分散性も良いので、味のムラが
生じ難い。そして得られた炊き込みご飯は、コゲが生じ
てないので、味、風味、色等の品質に優れたものであ
る。
【0014】(本発明の実施の態様) (1)還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、pHが3より大きく5より小さいことを特徴とする
炊き込みご飯用調味液。 (2)還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、水分活性が0.7より大きく0.88より小さい炊
き込みご飯用調味液。 (3)還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、レトルトパウチ内に充填され、70〜110℃で1
〜100分間加熱殺菌してなる炊き込みご飯用調味液。 (4)少なくとも水、調味料、および還元糖アルコール
及び/または還元糖水飴を含有し、pHが3より大きく
5より小さくなるように調整された混合液をレトルトパ
ウチ内に充填し、密封した後、70〜110℃で1〜1
00分間加熱殺菌する炊き込みご飯用調味液の製造方
法。 (5)還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、pHが3より大きく5より小さい炊き込みご飯用調
味液を、米および水に加えて混合した後、これを加熱し
て炊飯する炊き込みご飯の製造方法およびこれによって
得られた炊き込みご飯。
し、pHが3より大きく5より小さいことを特徴とする
炊き込みご飯用調味液。 (2)還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、水分活性が0.7より大きく0.88より小さい炊
き込みご飯用調味液。 (3)還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、レトルトパウチ内に充填され、70〜110℃で1
〜100分間加熱殺菌してなる炊き込みご飯用調味液。 (4)少なくとも水、調味料、および還元糖アルコール
及び/または還元糖水飴を含有し、pHが3より大きく
5より小さくなるように調整された混合液をレトルトパ
ウチ内に充填し、密封した後、70〜110℃で1〜1
00分間加熱殺菌する炊き込みご飯用調味液の製造方
法。 (5)還元糖アルコール及び/または還元糖水飴を含有
し、pHが3より大きく5より小さい炊き込みご飯用調
味液を、米および水に加えて混合した後、これを加熱し
て炊飯する炊き込みご飯の製造方法およびこれによって
得られた炊き込みご飯。
【0015】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明の効果
を明らかにする。 (実施例1)具材として、細切り人参30g、細切り牛
蒡40gをもちい、これに醤油20g、蛋白加水分解物
10g、胡麻油12g、食塩10g、味醂6g、還元糖
水飴40g、クエン酸1g、唐辛子0.1gを加え、さ
らに水を加えて200gとした。この混合液を、アルミ
積層シート(PET/ナイロン/アルミニウム/ポリプ
ロピレン)でできたパウチに入れて、熱シーラーで密封
し、90℃で30分間加熱殺菌して炊き込みご飯用調味
液を得た。
を明らかにする。 (実施例1)具材として、細切り人参30g、細切り牛
蒡40gをもちい、これに醤油20g、蛋白加水分解物
10g、胡麻油12g、食塩10g、味醂6g、還元糖
水飴40g、クエン酸1g、唐辛子0.1gを加え、さ
らに水を加えて200gとした。この混合液を、アルミ
積層シート(PET/ナイロン/アルミニウム/ポリプ
ロピレン)でできたパウチに入れて、熱シーラーで密封
し、90℃で30分間加熱殺菌して炊き込みご飯用調味
液を得た。
【0016】(実施例2)実施例1において、還元糖水
飴をソルビトールに置き換えた以外は実施例1と同様に
調製した。 (実施例3)実施例1において、還元糖水飴をマンニト
ールに置き換えた以外は実施例1と同様に調製した。 (実施例4)実施例1において、クエン酸の添加量を
0.6gに変更し、加熱殺菌条件を98℃、20分間と
した以外は実施例1と同様に調製した。
飴をソルビトールに置き換えた以外は実施例1と同様に
調製した。 (実施例3)実施例1において、還元糖水飴をマンニト
ールに置き換えた以外は実施例1と同様に調製した。 (実施例4)実施例1において、クエン酸の添加量を
0.6gに変更し、加熱殺菌条件を98℃、20分間と
した以外は実施例1と同様に調製した。
【0017】(比較例1〜3)比較例1は、実施例1に
おいて、還元糖水飴を砂糖に置き換え、比較例2は、実
施例1において、還元糖水飴を果糖に置き換え、比較例
3は、実施例1のクエン酸を除き、それ以外は実施例1
と同様に調製した。
おいて、還元糖水飴を砂糖に置き換え、比較例2は、実
施例1において、還元糖水飴を果糖に置き換え、比較例
3は、実施例1のクエン酸を除き、それ以外は実施例1
と同様に調製した。
【0018】(評価)上記実施例1〜3および比較例1
〜3で得られた炊き込みご飯用調味液について、炊飯時
のコゲおよび保存性について評価を行った。その結果を
下記表1および表2に示す。コゲについての評価は、釜
に米7Kgに対して調味液2Kgを入れて、業務用大型ガス
炊飯器で炊いたときの、釜底のコゲの状態を目視で評価
した。下記表1および表2においては コゲがほとんどない……○ コゲがわずかにあるが、色、匂い共問題なし……△ コゲが多く色、匂い共に問題あり…×、として示した。
また保存性の評価は、実施例および比較例で得られた調
味液入りのレチルトパウチを、35℃で3ヵ月間保存
し、レトルトパウチの膨らみを評価した。内容物に腐敗
があればレトルトパウチの膨らみが観察される。下記表
1および表2においては パウチの膨らみはなし……○、 パウチの膨らみがある……×、として示した。
〜3で得られた炊き込みご飯用調味液について、炊飯時
のコゲおよび保存性について評価を行った。その結果を
下記表1および表2に示す。コゲについての評価は、釜
に米7Kgに対して調味液2Kgを入れて、業務用大型ガス
炊飯器で炊いたときの、釜底のコゲの状態を目視で評価
した。下記表1および表2においては コゲがほとんどない……○ コゲがわずかにあるが、色、匂い共問題なし……△ コゲが多く色、匂い共に問題あり…×、として示した。
また保存性の評価は、実施例および比較例で得られた調
味液入りのレチルトパウチを、35℃で3ヵ月間保存
し、レトルトパウチの膨らみを評価した。内容物に腐敗
があればレトルトパウチの膨らみが観察される。下記表
1および表2においては パウチの膨らみはなし……○、 パウチの膨らみがある……×、として示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1および表2の結果より、実施例1〜4
はコゲがほとんどなく、調味液の保存性も良好であった
のに対して、還元糖アルコールまたは還元糖水飴に代え
て、砂糖または果糖を用いた比較例1,2ではコゲが多
く色、匂い共に問題があった。また比較例3では還元糖
水飴を添加したにもかかわらず、pHが高かったため調
味液の保存性が悪く、炊飯時にコゲがわずかに生じた。
はコゲがほとんどなく、調味液の保存性も良好であった
のに対して、還元糖アルコールまたは還元糖水飴に代え
て、砂糖または果糖を用いた比較例1,2ではコゲが多
く色、匂い共に問題があった。また比較例3では還元糖
水飴を添加したにもかかわらず、pHが高かったため調
味液の保存性が悪く、炊飯時にコゲがわずかに生じた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の炊き込みご
飯用調味液は、還元糖アルコール及び/または還元糖水
飴を含有しているので、炊飯時に釜底にコゲが生じにく
い。したがってコゲによって味、風味、色が損なわれる
ことなく、品質が高い炊き込みご飯が得られるうえ、調
理器具類の後始末が容易になる。また界面活性剤等の人
工添加物を用いることなく、天然の原料から得られる還
元糖アルコール及び/または還元糖水飴によってコゲ防
止の効果が得られるので、消費者等に受け入れられ易く
商品価値が高い。また本発明の炊き込みご飯用調味液は
pHが3より大きく5より小さくなるように調整されて
いるので、食味を損なうことなく微生物制御が有効にな
されており、良好な保存性を有する。
飯用調味液は、還元糖アルコール及び/または還元糖水
飴を含有しているので、炊飯時に釜底にコゲが生じにく
い。したがってコゲによって味、風味、色が損なわれる
ことなく、品質が高い炊き込みご飯が得られるうえ、調
理器具類の後始末が容易になる。また界面活性剤等の人
工添加物を用いることなく、天然の原料から得られる還
元糖アルコール及び/または還元糖水飴によってコゲ防
止の効果が得られるので、消費者等に受け入れられ易く
商品価値が高い。また本発明の炊き込みご飯用調味液は
pHが3より大きく5より小さくなるように調整されて
いるので、食味を損なうことなく微生物制御が有効にな
されており、良好な保存性を有する。
Claims (1)
- 【請求項1】 還元糖アルコール及び/または還元糖
水飴を含有し、pHが3より大きく5より小さいことを
特徴とする炊き込みご飯用調味液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10090476A JPH11285358A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 炊き込みご飯用調味液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10090476A JPH11285358A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 炊き込みご飯用調味液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11285358A true JPH11285358A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=13999644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10090476A Withdrawn JPH11285358A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 炊き込みご飯用調味液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11285358A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005176624A (ja) * | 2003-12-16 | 2005-07-07 | Hayashikane Sangyo Kk | 常温保管及び常温流通可能な養殖魚用固形飼料 |
JP2016086706A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 上野製薬株式会社 | 米飯用日持ち向上剤および米飯類の日持ち向上方法 |
-
1998
- 1998-04-02 JP JP10090476A patent/JPH11285358A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005176624A (ja) * | 2003-12-16 | 2005-07-07 | Hayashikane Sangyo Kk | 常温保管及び常温流通可能な養殖魚用固形飼料 |
JP4570866B2 (ja) * | 2003-12-16 | 2010-10-27 | 林兼産業株式会社 | 常温保管及び常温流通可能な養殖魚用固形飼料 |
JP2016086706A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 上野製薬株式会社 | 米飯用日持ち向上剤および米飯類の日持ち向上方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050607 |