JPH11285279A - 弾性表面波アクチュエータ - Google Patents

弾性表面波アクチュエータ

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JPH11285279A
JPH11285279A JP10104074A JP10407498A JPH11285279A JP H11285279 A JPH11285279 A JP H11285279A JP 10104074 A JP10104074 A JP 10104074A JP 10407498 A JP10407498 A JP 10407498A JP H11285279 A JPH11285279 A JP H11285279A
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JP
Japan
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magnetic
acoustic wave
guide
permanent magnet
main surface
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Application number
JP10104074A
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English (en)
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Osamu Shinoura
治 篠浦
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニア駆動特性に優れ、外部への漏れ磁束が
少なく応用範囲の広い安価な弾性表面波アクチュエータ
を提供する。 【解決手段】 圧電基板1の主面に形成された櫛形電極
2A又は2Bに電圧を印加することで発生する弾性表面
波を駆動源とし、前記主面に接触する移動子10が永久
磁石12を有し、前記主面の反対面となる前記圧電基板
1の裏面側に、前記永久磁石12との間で磁気吸引力を
発生する軟磁性体リニア駆動ガイドとしての磁気ガイド
20を配設している。さらに、前記移動子10は軟磁性
体からなるシールド構造体としての磁気ヨーク13を有
し、磁気ヨーク13と磁気ガイド20が、共に磁気ヨー
クとして作用する少なくとも2列の平行ガイド部を成し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高トルクでかつ高
速移動が可能で位置決め精度の優れた弾性表面波アクチ
ュエータに関する。各種の精密位置決め機構を必要とす
る精密機械に使用されるが、特に磁気ディスク、光ディ
スク等の高密度円盤状の記録媒体に情報の書き込み、読
み出しを行うヘッドのトラック方向位置決めを行うマイ
クロアクチュエータに最適である。
【0002】
【従来の技術】固体の表面に発生するレイリー波は表面
波であり、その表面の1点は楕円運動を行うため、上に
載せられた物体を移動することが可能である。同様の進
行波を用いた超音波モータは既に実用化されているが駆
動周波数は数kHzであり、トルクは大きいが移動速度
は小さかった。
【0003】これに対して「神奈川科学技術アカデミー
樋口プロジェクト報告書」(1997年)に記されてい
るような弾性表面波モータとして、ニオブ酸リチウム基
板上に弾性表面波(SAW)を発生させ、磁石で荷重を
かけたスチールボールを高速で移動出来ることが報告さ
れている。これらは、従来の超音波モータに比べてはる
かに高い周波数で駆動することにより固定子と移動子の
接触回数を増加させたものである。しかし高周波駆動で
は波の振幅が非常に小さくなる。この問題を解決するた
めに移動体に小さな球を用い、固定子となる基板との接
触面積を減少させることで僅かな高さの弾性表面波振幅
による移動を可能としたものである。また永久磁石によ
る磁力を利用してプレロードをかけることで構造を簡略
化している。そして駆動方向を一方向、すなわちリニア
駆動にするために前記報告書では、幅5mmの永久磁石を
磁気ガイドとして用いている。また支点を中心として円
弧を描く動きや、ベアリングによるリニア駆動ガイドを
用いる方法、さらには2枚の基板を組み合わせたV溝ガ
イドを用いることが紹介されている。
【0004】また、MEMS98「SURFACE ACOUSTIC W
AVE LINEAR MOTOR USING SILICONSLIDER」アブストラク
ト390ページには移動子としてシリコンを微細加工し
凸部を設けたことで球移動子に比べて優れた駆動特性が
得られることが報告されている。
【0005】図7及び図8は従来の弾性表面波アクチュ
エータの1例であり、これらの図において、1は圧電基
板であり、この主面(上面)の両端部に図8の如く櫛形
電極(IDT)2A,2Bをそれぞれ形成してある。圧
電基板1の主面上には移動子としての鉄球3が載置さ
れ、圧電基板1の裏面(下面に)リニアガイドとしての
長尺板状の永久磁石4が固定配置されている。なお、鉄
球3は直径1mm、永久磁石4の幅は5mmとした。
【0006】図8の一方の櫛形電極2Aに高周波電圧を
印加することで発生する弾性表面波を駆動源としたと
き、移動子としての鉄球3は長尺板状の永久磁石4の配
置方向に沿って矢印Aの方向(基板長手方向となるY方
向)に進行する。反対側の櫛形電極2Bに電圧を印加す
ることで発生する弾性表面波を駆動源としたとき、移動
子としての鉄球3の進行方向は逆向きとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7に示す
ように移動子を1mmφの鉄球3とし、リニアガイドを幅
5mmの永久磁石4で構成したような場合には、永久磁石
の磁界分布から圧電基板1の主面上に1つの安定領域は
存在せず、鉄球3は主面上の位置B1又はB2で安定す
る。このため基板幅方向であるX方向にぶれやすい不安
定な駆動しか達成出来なかった。また移動したい長さを
共有する大きな(長尺の)永久磁石4を用いることから
高価であった。
【0008】また、支点を中心に円弧を描く機構やベア
リングによるリニア駆動ガイドは、その基本的な機構を
作製するための機械的な加工精度に限界があるととも
に、速やかな駆動は困難であった。
【0009】さらに、2枚の圧電基板を用いる機構は、
もちろん高価なものであった。
【0010】本発明は、このような事情からなされたも
のであり、リニア駆動特性、すなわち移動の直線性に優
れた安価な弾性表面波アクチュエータを提供することを
目的とする。
【0011】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、圧電体の主面に形成された櫛形電極に電
圧を印加することで発生する弾性表面波を駆動源とする
弾性表面波アクチュエータにおいて、前記主面に接触す
る移動子が永久磁石を有し、前記主面の反対面となる前
記圧電体の裏面側に、前記永久磁石との間で磁気吸引力
を発生する軟磁性体リニア駆動ガイドを配設したことを
特徴としている。
【0013】前記移動子が軟磁性体からなるシールド構
造体を有する構成にするとよい。
【0014】前記シールド構造体と前記リニア駆動ガイ
ドが、共に磁気ヨークとして作用する少なくとも2列の
平行ガイド部を有する構成であってもよい。
【0015】前記シールド構造体が、移動方向の長さL
と移動方向に直交する幅Wとの比、L/Wが0.5以上
の磁気ヨークを構成していることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る弾性表面波ア
クチュエータの実施の形態を図面に従って説明する。
【0017】図1は本発明の第1の実施の形態を示す斜
視図、図2は横断面図、図3は図2の断面図における磁
束の流れを示す。これらの図において、1は圧電体とし
ての圧電基板であり、この主面(上面)の両端部に櫛形
電極(IDT)2A,2Bをそれぞれ形成してあり、櫛
形電極2A,2Bの一方に高周波電源より電圧を印加す
ることで圧電基板1上に弾性表面波を発生させるように
なっている。櫛形電極で発生した弾性表面波は基板長手
方向であるY方向に進行する。そして、圧電基板1の主
面上に載置されていて、弾性表面波の進行路の上にある
移動子10を駆動する。
【0018】移動子10は弾性表面波駆動面、つまり前
記主面と接触するための微細な凸部を多数有する移動子
基板11と永久磁石12そして磁気シールド構造体を兼
ねた軟磁性体のコ字型磁気ヨーク13とからなってお
り、これらは相互に一体化されている。コ字型磁気ヨー
ク13は永久磁石12の上面と両端面を覆う配置であ
り、移動子基板11上に配置固定されている。
【0019】そして、圧電基板1の主面の反対面である
裏面側には軟磁性体のリニア駆動ガイドとして図4のコ
字型の磁気ガイド20が配設されている。ここで、図2
に示すようにコ字型磁気ヨーク13及びコ字型の磁気ガ
イド20は共に磁気ヨークとして作用する2列の平行ガ
イド部を有する形状であり、2列の平行ガイド部の対向
面、すなわち磁気ヨーク13及び磁気ガイド20の対向
面13a,20a同士はY方向の長さ寸法を除いて完全
に合致している(対向する先端面の幅及び配列間隔が一
致している)ことが望ましい。これらのコ字型磁気ヨー
ク13及びコ字型の磁気ガイド20は圧電基板1を挟ん
で互いに向かい合う形で設置される。
【0020】その結果、図3に示すように左右端面に磁
極を有する永久磁石12のN極からの磁束は、磁気ヨー
ク13を通り、磁気ガイド20を通過して、そして再び
磁気ヨーク13を通って永久磁石12のS極に至る。こ
のため磁気ヨーク13と磁気ガイド20とが対向する主
面上の位置C1,C2において磁束が集中し、強い吸引
力となり移動子10は圧電基板1に押し付けられる。か
つ駆動される際には位置C1,C2が線状磁気的ガイド
領域となるため圧電基板1幅方向であるX方向へのぶれ
が小さくなる。さらに永久磁石12からの磁束は図3の
ように閉磁路を形成しているために外部に漏れにくい。
【0021】移動子10に設けられる磁気ヨーク13
は、移動方向の長さLと移動方向に直交する幅Wとの
比、L/Wが0.5以上であり、さらにL/Wが1以上
であることが好ましい。L/Wが0.5未満ではリニア
駆動性が悪くなる。L/Wの上限値に特に制限はないが
移動子の小型化を考慮して10以下が好ましい。
【0022】この第1の実施の形態において、図1の一
方の櫛形電極2Aに高周波電圧を印加することで発生す
る弾性表面波を駆動源としたとき、移動子10はコ字型
の磁気ガイド20の配置方向に沿って矢印Dの方向(基
板長手方向となるY方向)に進行する。このとき、図3
で説明したように主面上の位置C1,C2において磁束
が集中して磁気吸引力が最大となり、つまりコ字型磁気
ヨーク13とコ字型の磁気ガイド20とが正対向してい
るときに磁気吸引力が最大で安定し、圧電基板1の幅方
向であるX方向に位置ずれが生じても元に戻す働きがあ
るため、リニア駆動性は図7の従来装置に比較して大幅
に向上することになる。なお、反対側の櫛形電極2Bに
電圧を印加することで発生する弾性表面波を駆動源とし
たとき、移動子10の進行方向は逆向きとなる。
【0023】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0024】(1) 移動子10側に永久磁石12及びコ
字型磁気ヨーク13を設け、リニア駆動ガイドとしてコ
字型の磁気ガイド20を圧電基板1を挟んで対向配置し
たので、安定した軌跡を描くリニア駆動が実現可能であ
る。すなわち駆動方向、Y方向に対し面内直角方向、X
方向のぶれの少ない駆動となる。
【0025】(2) 永久磁石12は移動子10の一部で
あるために小型のもので良く、安価である。圧電基板1
裏面に設けられる軟磁性体のコ字型の磁気ガイド20は
永久磁石に比べると遥かに安価で加工性にも優れてい
る。軟磁性体としては公知の各種材料、例えばパーマロ
イ、フェライト、ステンレス等を用いることが出来る。
【0026】(3) 永久磁石12を用いているが、軟磁
性体のコ字型磁気ヨーク13で磁気シールドされた構造
となり、外部への磁束の漏れが小さいために多くの用途
に適用可能となる。例えば、各種の精密位置決め機構、
特に磁気ディスク、光ディスク等の記録再生用ヘッドの
トラック方向位置決めを行うマイクロアクチュエータ等
に使用可能である。
【0027】図5は本発明の第2の実施の形態を示す。
この場合、移動子30は、圧電基板1の弾性表面波駆動
面、つまり主面と接触するための微細な凸部を多数有す
る移動子基板31と、上下端面に磁極を持つ永久磁石3
2と、磁気シールド構造体を兼ねた軟磁性体のコ字型磁
気ヨーク33と、永久磁石32の下端面と移動子基板3
1間に配置固定された軟磁性体の中央板状磁気ヨーク3
4とからなっており、これらは相互に一体化されてい
る。コ字型磁気ヨーク33は永久磁石32の上面と両端
面を覆う配置であり、移動子基板31上に載置固定され
ている。
【0028】そして、圧電基板1の主面の反対面である
裏面側には軟磁性体のリニア駆動ガイドとしてE型の磁
気ガイド40が配設されている。
【0029】図5に示すように、移動子30側のコ字型
磁気ヨーク33及び中央板状磁気ヨーク34の組と、E
字型の磁気ガイド20とは共に磁気ヨークとして作用す
る3列の平行ガイド部を有する形状であり、3列の平行
ガイド部の対向面、すなわち移動子側磁気ヨーク33,
34及び磁気ガイド40の対向面同士はY方向(圧電基
板長手方向)の長さ寸法を除いて完全に合致している
(対向する先端面の幅及び配列間隔が一致している)こ
とが望ましい。これらの移動子側磁気ヨーク33,34
及び磁気ガイド40は圧電基板1を挟んで互いに向かい
合う形で設置される。
【0030】この第2の実施の形態においては、移動子
側磁気ヨーク33,34及び磁気ガイド40が共に磁気
ヨークとして作用する3列の平行ガイド部を構成してお
り、圧電基板1の幅方向であるX方向へのぶれの小さな
直進性の良好な移動子30の駆動が可能となる。その他
の構成、作用効果は前述した第1の実施の形態と同様で
ある。
【0031】図6は本発明の第3の実施の形態を示す。
この場合、移動子50は、圧電基板1の弾性表面波駆動
面、つまり主面と接触するための微細な凸部を多数有す
る移動子基板51と、この移動子基板上に固定された上
下端面に磁極を持つ永久磁石52とからなっている。
【0032】そして、圧電基板1の主面の反対面である
裏面側には軟磁性体のリニア駆動ガイドとして直線板状
磁気ガイド60が配設されている。
【0033】この第3の実施の形態では、直線板状磁気
ガイド60は1列のガイド部を構成していると考えるこ
とができ、永久磁石52と直線板状磁気ガイド60の対
向面同士は幅が一致していることが望ましく、移動子側
永久磁石52と磁気ガイド60は圧電基板1を挟んで互
いに向かい合う形で設置される。
【0034】この第3の実施の形態では、圧電基板1の
主面上に移動子50の安定領域が1つ存在するから、つ
まり永久磁石下端の磁極面と磁気ガイド上端面とがX方
向の位置ずれ無く正対向するときに吸引力は最大となる
ため、圧電基板1の幅方向であるX方向へのぶれの比較
的小さな移動子50の駆動が可能となる。また、移動子
50及び磁気ガイド60の構成も極めて簡素で、安価と
なる。その他の構成は前述した第1の実施の形態と同様
である。
【0035】なお、図5では3列の平行ガイド部を構成
する磁気ヨークを例示したが、さらに多くの列の平行ガ
イド部を設けることも可能である。但し、移動子の小型
化が実現困難となるため、最大でも10列程度が好まし
い。
【0036】また、移動子は圧電体(圧電基板)の上面
に設置し、リニア磁気ガイドは圧電体の下面に設置した
ように図示したが、この状態から圧電体ごと傾けたり、
上下を逆にして設置したり、あるいは移動子の移動方向
が上下方向となるように圧電体の設置面を変化させるこ
とも可能である。
【0037】本発明に用いる圧電体としては、従来弾性
表面波フィルタ用基板として知られているLiNbO3
(以下LN),LiTaO3,Bi12GeO20,Bi12
iO20,PZT,ZnO,CdS,Li2GeO3,水晶
等の単結晶材料を用いることが可能である。
【0038】櫛形電極(IDT)材料として薄膜金属を
用いる場合には、アルミニウム、アルミニウム銅合金、
クロム金合金、チタン金合金が用いられる。この金属薄
膜のパターンニングはフォトレジストを用いたフォトリ
ソグラフィ手法によりレジストマスクを形成した後、不
要部分をエッチングすることで容易に形成できる。
【0039】移動子の駆動面は微細な弾性表面波の振幅
に対応するために、微細な凸部を有することが好まし
い。すなわち多数の球体を貼り付けたり、シリコンによ
り形成された針状の突起を有する構造体とすることであ
る。このシリコンによる針状突起はシリコン基板にフォ
トリソグラフィ手法により保護マスクを形成した後にエ
ッチング処理を行うことで得ることが出来る。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、詳細に説明す
る。
【0041】実施例1 3インチ径、厚さ1mmのLN基板を用い、この上に蒸着
法によりアルミニウムを1800オングストロームの厚
さで全面に成膜した。その後、ヘキスト社ポジ型フォト
レジスト(AZタイプ)を用いてレジストミリングカバ
ーマスクを形成した。さらにイオンミリング装置により
不要部分のアルミニウムを除去した後、レジスト剥離を
行い所定の櫛形電極を基板上に形成した。櫛形電極のパ
ターンは電極幅100μm、ピッチ400μm、電極交
差幅が8mmで電極本数40本とし、2本の電極間の距離
は5/4波長とした。すなわち本アクチュエータは波長
400μm、駆動周波数10MHzの設計である。
【0042】移動子のLN基板と接触する面としては厚
さ0.5mmのシリコン基板をフォトレジストにより直径
30μmの円を90個/mm2の密度でパターニングを施
した後に、このパターニング部分以外を反応性ガス中で
ドライエッチング処理を行った。レジスト剥離後には円
形突起の高さは約5μmであった。このシリコン基板を
4mm角とし、着磁済みの長さ5mm×幅2mm×厚さ2mmの
NdFeB永久磁石に貼り付けた。さらに、PCパーマ
ロイ厚さ1mmの板をコ字型に加工し内寸2mm×5mmと
し、永久磁石にかぶせる形の磁気シールド兼磁気ヨーク
として固定した。すなわち、図1、図2で説明した移動
子10の構造とし、磁気ヨークの移動方向の長さL=5
mm、移動方向に直交する幅W=4mmで、L/W=1.2
5である。また、平行ガイド部をなす先端部の厚みT=
1mmである。
【0043】磁気ガイドには移動子と同じPCパーマロ
イ板を図4のようにコ字型に加工したものを用いた。こ
の磁気ガイドをLN基板裏面に固定した。移動子をLN
基板上に設置すると、永久磁石とLN基板背面に設けた
磁気ガイド間に吸引力が働き自動的に保持された。な
お、磁気ガイド全長Lg=30mm、高さHg=4mm、幅
Wg=4mm、各平行ガイド部の厚みTg=1mmであり、
磁気ヨーク及び磁気ガイドの対向面同士はY方向の長さ
寸法を除いて完全に合致している(対向する先端面の幅
及び配列間隔が一致している。)。
【0044】上記の状態で櫛形電極に駆動周波数10M
Hz,電圧100Vで10mSの間、駆動させ移動量M
(Y方向)とX方向の最大ぶれ量dを測定し、さらに規
格化したぶれ量 D=(d/M)×100(%)を求め
た。その結果、M=22.36mm,D=0.02%であっ
た。また移動子最上面から1mmの距離での磁界強度は2
Oeであった。
【0045】さらに、Lを変化させL/W=0.2の移
動子を用いた場合にはM=3.32mm,D=0.24%
で、移動子最上面から1mmの距離での磁界強度は1.3
Oeであった。
【0046】実施例2 次に、実施例2として同様の処理を施したLN基板背面
に幅2mmのPCパーマロイ板を磁気ガイドとして設け、
着磁済みの長さ2mm×幅2mm×厚さ2mmのNdFeB永
久磁石に直径1mmの鉄球を4個貼り付け駆動させた(図
6に近い構造とした)。この場合、M=1.34mm,D
=0.23%であった。また移動子最上面から1mmの距
離での磁界強度は750 Oeであった。
【0047】比較例 比較のために同様の処理を施したLN基板背面に幅5mm
の永久磁石を磁気ガイドとして設け、直径1mmの鉄球を
駆動させた(図7の構造とした)。この場合、M=0.
84mm,D=1.46%であった。さらに、この場合は
数回の駆動を繰り返すとD>10%となる場合があっ
た。また移動子最上面から1mmの距離での磁界強度は4
50 Oeであった。
【0048】以上の各実施例及び比較例の結果から本発
明の効果は明確である。
【0049】以上本発明の実施の形態及び実施例につい
て説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく
請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能
なことは当業者には自明であろう。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単で安価な構造で、リニア駆動特性が良好で位置決め
精度が高く、かつ耐久性に優れた実際に駆動可能な弾性
表面波アクチュエータを実現できる。また、形状も小型
にすることが可能であり、高トルクでかつ高速移動が可
能で位置決め精度の優れたマイクロアクチュエータを構
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波アクチュエータの第1
の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同正断面図である。
【図3】磁束の流れを説明する正断面図である。
【図4】第1の実施の形態で用いる磁気ガイドの斜視図
である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す正断面図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す正断面図であ
る。
【図7】従来の弾性表面波アクチュエータの正断面図で
ある。
【図8】同平面図である。
【符号の説明】
1 圧電基板 2A,2B 櫛型電極 10,30,50 移動子 11,31,51 移動子基板 12,32,52 永久磁石 13,33,34 磁気ヨーク 20,40,60 磁気ガイド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体の主面に形成された櫛形電極に電
    圧を印加することで発生する弾性表面波を駆動源とする
    弾性表面波アクチュエータにおいて、 前記主面に接触する移動子が永久磁石を有し、前記主面
    の反対面となる前記圧電体の裏面側に、前記永久磁石と
    の間で磁気吸引力を発生する軟磁性体リニア駆動ガイド
    を配設したことを特徴とする弾性表面波アクチュエー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記移動子が軟磁性体からなるシールド
    構造体を有している請求項1記載の弾性表面波アクチュ
    エータ。
  3. 【請求項3】 前記シールド構造体と前記リニア駆動ガ
    イドが、共に磁気ヨークとして作用する少なくとも2列
    の平行ガイド部を有している請求項2記載の弾性表面波
    アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記シールド構造体が、移動方向の長さ
    Lと移動方向に直交する幅Wとの比、L/Wが0.5以
    上の磁気ヨークを構成している請求項2又は3記載の弾
    性表面波アクチュエータ。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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