JPH11283879A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法

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JPH11283879A
JPH11283879A JP10086625A JP8662598A JPH11283879A JP H11283879 A JPH11283879 A JP H11283879A JP 10086625 A JP10086625 A JP 10086625A JP 8662598 A JP8662598 A JP 8662598A JP H11283879 A JPH11283879 A JP H11283879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細化された粉末粒子からなるコンデンサ素
子を使用した場合でも高周波領域でのインピーダンス特
性並びに容量出現率に優れたコンデンサを得る。 【解決手段】 陽極となる弁作用金属1bからなるコン
デンサ素子1の表面に誘電体酸化皮膜1aを形成し、該
誘電体酸化皮膜1a表面に導電性高分子層を形成してな
る固体電解コンデンサにおいて、該導電性高分子層がチ
オフェンまたはその誘導体により第1の導電性高分子層
2を形成し、ピロール、アニリンまたはそれらの誘導体
により第2の導電性高分子層3を形成し、更にピロー
ル、アニリンまたはそれらの誘導体を電解重合して第3
の導電性高分子層4を形成することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性高分子化合物
を固体電解質とする固体電解コンデンサおよびその製造
方法に関するものであって、特に近年の小型化、高容量
化に伴い微細化された粉末粒子からなるコンデンサ素子
においても容量が大きく、周波数特性に優れ、かつ信頼
性にも優れた固体電解コンデンサを提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性高分子を電解コンデンサの
固体電解質に利用し、高周波領域でのインピーダンスの
低減を図った固体電解コンデンサが種々提案されてい
る。図2は従来の固体電解コンデンサの一例の断面図で
ある。陽極となる弁作用金属1bからなるコンデンサ素
子1の表面に陽極酸化により誘電体皮膜1aが形成さ
れ、その上に固体電解質となる導電性高分子層2が形成
され、その上にカーボン層5、銀層6が形成され、更に
エポキシ樹脂9で外装されている。上記コンデンサ素子
1の陽極側に陽極リード7が接続され、銀層6には陰極
リード8が接続される。
【0003】上記固体電解コンデンサの固体電解質に使
用する導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリピ
ロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びポリパラフ
ェニレン等が知られているが、そのうち、特にポリピロ
ール及びポリチオフェン、ポリアニリンは導電率が高
く、熱安定性にも優れているので、使用されることが多
い。
【0004】例えば、特開平4−48710号公報には
誘電体酸化皮膜上にまずポリピロールを化学重合により
導電性高分子層を形成した後、電解重合によりポリピロ
ールの導電性高分子層を新たに形成して2層からなる導
電性高分子層を固体電解質として用いる固体電解コンデ
ンサが開示されているが、化学重合によるポリピロール
層は均一な層の形成が困難でかつ焼結体凹部やエッチン
グピットのような微細部分には形成され難く、製品容量
が低く、インピーダンスが高いという問題があった。
【0005】また、誘電体皮膜表面にあらかじめ重合し
たポリアニリンの溶液を塗布し乾燥する方法によって、
ポリアニリンの薄膜を形成し、固体電解質とする固体電
解コンデンサが提案されている(特開平3−35516
号公報)。ところがこの方法では、ポリアニリン溶液の
粘度が高く、微細化された粉末粒子からなるタンタル焼
結体凹部やアルミニウム箔上の酸化皮膜凹部に浸透せ
ず、その結果容量が著しく小さなコンデンサしか製造で
きないという欠点があった。この方法に対してアニリン
モノマーを酸化皮膜上で重合させてポリアニリンを形成
する方法もあるが、この場合、容量規格値は満足できて
も、ポリアニリン自身の導電率がポリピロールよりも低
いため、得られたコンデンサの高周波領域でのインピー
ダンス特性はポリピロールを使用したコンデンサよりも
劣るという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微細化され
た粉末粒子からなるコンデンサ素子においても容量を大
きく維持することができ、かつ高周波領域でのインピー
ダンス特性並びに容量出現率に優れたコンデンサを得る
ことを課題としている。
【0007】更に、アルミニウム箔、あるいはタンタル
焼結体等のコンデンサ素子表面に導電性高分子層を形成
した場合、従来法では樹脂外装時の応力でコンデンサの
漏れ電流増加や、信頼性低下を生じるため、コンデンサ
素子表面に、均一な厚さの導電性高分子層を形成し、機
械的強度の向上を図ることも目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、3層の導電性
高分子化合物を固体電解質として使用することにより上
記課題を解決するもので、導電率が高いポリチオフエン
またはその誘導体により第1の導電性高分子層を形成す
る。そしてポリピロール若しくはその誘導体、またはポ
リアニリン若しくはその誘導体により第2の導電性高分
子層を形成し、更にその上に電解重合により第3の導電
性高分子層を形成する。この複合構造により機械的強度
が強く、高周波領域でのインピーダンス特性並びに容量
出現率に優れた導電性高分子層を形成することができ
る。すなわち、陽極となる弁作用金属1bからなるコン
デンサ素子1の表面に誘電体酸化皮膜1aを形成し、該
誘電体酸化皮膜1a表面に導電性高分子層を形成してな
る固体電解コンデンサにおいて、チオフェンまたはその
誘導体により第1の導電性高分子層2を形成し、次にピ
ロール若しくはその誘導体、またはアニリン若しくはそ
の誘導体による第2の導電性高分子層3を形成し、更に
ピロール若しくはその誘導体、またはアニリン若しくは
その誘導体を電解重合して第3の導電性高分子層4を形
成することを特徴とする固体電解コンデンサである。
【0009】また、上記固体電解コンデンサにおいて、
第1の導電性高分子層2が、溶媒にチオフェンまたはそ
の誘導体を溶解し、化学重合にて形成されたことを特徴
とする固体電解コンデンサの製造方法である。
【0010】さらに、上記固体電解コンデンサにおい
て、第1の導電性高分子層2が水を含有する溶媒にポリ
マー状のチオフェンまたはその誘導体を溶解し、加熱し
て形成されたことを特徴とする固体電解コンデンサの製
造方法である。
【0011】そして、上記固体電解コンデンサにおい
て、第2の導電性高分子層3が、溶媒にピロール、アニ
リンまたはそれらの誘導体を溶解し、化学重合または加
熱にて形成されたことを特徴とする固体電解コンデンサ
の製造方法である。
【0012】さらに、上記記載のチオフェンの誘導体
が、チオフェン骨格の3位、3位と4位またはS位に、
水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、ア
ルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有する
チオフェン誘導体、または3,4−アルキレンジオキシ
チオフェンであることを特徴とする固体電解コンデンサ
およびその製造方法である。
【0013】そして、上記記載のピロール誘導体が、ピ
ロール骨格の3位、3位と4位またはN位に、水酸基、
アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ
基のうち少なくとも1種を置換基として有することを特
徴とする固体電解コンデンサおよびその製造方法であ
る。
【0014】また、上記記載のアニリン誘導体が、アニ
リン骨格を有しアルキル基、フェニル基、アルコキシ
基、エステル基、チオエーテル基のうち少なくとも1種
を置換基として有することを特徴とする固体電解コンデ
ンサおよびその製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の固体電解コンデンサの細
孔内部に第1の導電性高分子層を形成するポリチオフェ
ンまたはその誘導体は、溶媒溶液中で形成され、下記
(1−a)、(1−b)の何れかの方法により重合され
る。 (1−a)重合性モノマーとプロトン酸化合物とを混合
した溶液を皮膜形成金属の多孔質体に含浸し、しかる後
に加熱処理により化学重合を行う方法 (1−b)重合終了後または重合途中のポリマーを、溶
媒に溶解させ、皮膜形成金属の多孔質体に含浸し、しか
る後に加熱処理を行う方法 導電性高分子形成後、水または酸化剤が易溶な溶媒でコ
ンデンサ素子を洗浄し、導電性に寄与しない酸化剤を除
去する。
【0016】さらにその上に、第2の導電性高分子層を
形成するポリピロール若しくはその誘導体、またはポリ
アニリン若しくはその誘導体は、下記(2−a)、(2
−b)、(2−c)、(2−d)の何れかの方法により
重合される。 (2−a)第1の導電性高分子層が形成されたコンデン
サ素子に、モノマーとプロトン酸化合物と酸化剤との混
合液を含浸し、しかる後に加熱処理により化学重合を行
う方法 (2−b)第1の導電性高分子層が形成されたコンデン
サ素子にモノマーを含浸し、続いてプロトン酸化合物と
酸化剤との混合液に含浸し、しかる後に加熱処理により
化学重合を行う方法 (2−c)第1の導電性高分子層が形成されたコンデン
サ素子にプロトン酸化合物溶液を含浸し、続いてモノマ
ーを含浸しさらに酸化剤を含浸後、加熱処理により化学
重合を行う方法 (2−d)重合終了後または重合途中のポリマーを、溶
媒に溶解させ、第1の導電性高分子層が形成されたコン
デンサ素子に含浸し、しかる後に加熱処理を行う方法 コンデンサ素子に第2の導電性高分子層形成後、水また
は酸化剤が易溶な溶媒でコンデンサ素子を洗浄し、導電
性に寄与しない酸化剤を取り除く。
【0017】第3の導電性高分子層を形成するポリピロ
ール若しくはその誘導体、またはポリアニリン若しくは
その誘導体は、電解重合にて形成する。
【0018】固体電解質として導電性高分子層を形成し
た後、必要に応じて洗浄、乾燥を行い、その上にグラフ
ァイト層、銀塗料層を形成し公知の方法で引出し電極を
設けてコンデンサに組立てる。尚、本発明においてグラ
ファイト層及び銀塗料層は特に限定されず従来公知のも
のを使用することが出来る。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の固体電解コンデンサの基本
構造を示す断面図であり、陽極となる弁作用金属1bが
タンタル微粉末の焼結体で構成され、陽極酸化により誘
電体皮膜1aが形成されている。このタンタルペレット
1の細孔内部に固体電解質となる導電性高分子の第1層
2が形成され、この上に導電性高分子の第2層3並びに
第3層4が形成され、更にその上にカーボン層5、銀層
6が順次形成される。そして陽極リード7がタンタルペ
レットに接続され、陰極リード8が銀層6に接続され、
これらを外装エポキシ樹脂9で被覆している。
【0020】〔実施例1〕直径1.1mm、高さ1.2
mm、グラム当たりの粉末CV値(容量と化成電圧の
積)が30000μF・V/gの円柱状タンタル微粉末
焼結体素子を、0.05wt%リン酸水溶液中で20V
で陽極酸化し、洗浄及び乾燥した後、 ・エチレンジオキシチオフェン 5wt% ・p−トルエンスルホン酸鉄(III) 25wt% ・n−ブタノール 30wt% ・i−プロパノール 37wt% ・純水 3wt% からなる溶液に浸漬後50℃で10分間重合した。未反
応のモノマーと過剰の酸を水洗後、100℃で5分間乾
燥する工程を4回繰り返してポリエチレンジオキシチオ
フェンを形成した。次に ・ピロール 48wt% ・エタノール 32wt% ・純水 20wt% からなる溶液に浸漬後 ・過硫酸アンモニウム 7wt% ・p−トルエンスルホン酸 2wt% ・純水 91wt% からなる溶液に浸漬後50℃で10分間重合した。未反
応のモノマーと過剰の酸を水洗後、100℃で5分間乾
燥する工程を2回繰り返してポリピロールを形成した。
その後、形成したポリピロール層上に、ピロール2mo
l/l、ナフタレンスルホン酸0.1mol/lを含む
アセトニトリル溶液で1mAの電流を5時間通電して電
解重合によるポリピロール層を形成した。次に純水洗
浄、エタノール洗浄を行った後、100℃で5分間乾燥
した。生成したポリピロール層の上にグラファイト層、
銀塗料層を順次形成した。得られたコンデンサ素子に陽
極リードを溶接する一方、陰極リードを導電性接着剤で
接合した後、トランスファーモールドで樹脂外装して、
コンデンサを作製し、電気特性を測定した。
【0021】〔実施例2〕実施例1と同じ焼結体素子を
実施例1と同様の方法で陽極酸化し、第1の導電性高分
子層は陽極酸化した焼結体素子にバイエル社製BYTO
RON−Pを浸漬し、50℃で10分間乾燥させる工程
を4回繰り返して形成した。次いで実施例1と同じ方法
でポリピロールを化学重合並びに電解重合し、導電性高
分子層として形成した。以下、実施例1と同様の処理を
行い、リードを導出させ、トランスファーモールドで樹
脂外装してコンデンサを作製し、電気特性を測定した。
【0022】(比較例)実施例1と同じ焼結体素子を実
施例1と同様の方法で陽極酸化した後、 ・エチレンジオキシチオフェン 5wt% ・p−トルエンスルホン酸鉄(III) 25wt% ・n−ブタノール 30wt% ・i−プロパノール 40wt% からなる溶液に含浸後50℃で10分間重合した。未反
応のモノマーと過剰の酸を水洗後、100℃で5分間乾
燥する工程を5回繰り返してポリエチレンジオキシチオ
フェンを形成した。形成したポリエチレンジオキシチオ
フェン層上に、実施例1と同じ方法でポリピロールを電
解重合し、導電性高分子層として形成した。以下、実施
例1と同様にリードを導出してコンデンサを作製し、電
気特性を測定した。
【0023】上記実施例1、2および比較例におけるコ
ンデンサのはんだ耐熱性試験(260℃−10秒間浸
漬)前後の容量比(C/C0、電解質溶液中の容量をC0
とする)、漏れ電流値(LC、6.3V印加1分後)お
よび100kHzでのインピーダンス(Z)を次の表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示す通り、本発明の実施例1、2は
何れも容量比、インピーダンス特性に優れ、またはんだ
耐熱性試験後も、漏れ電流の増加が少ない良好な結果を
示した。
【0026】本発明に用いられるプロトン酸化合物は、
特に限定されないが、良好な特性を持つ固体電解コンデ
ンサを得るためにはスルホン酸化合物が好ましい。たと
えば、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフ
タレンジスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ナ
フタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、2,
6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジス
ルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスル
ホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、4−ニトロ
トルエン−2−スルホン酸、m−ニトロベンゼンスルホ
ン酸、n−オクチルスルホン酸、n−ブタンスルホン
酸、n−ヘキサンスルホン酸、o−ニトロベンゼンスル
ホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、p−クロロベ
ンゼンスルホン酸、p−デシルベンゼンスルホン酸、p
−ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ペンチルベン
ゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、カンファースルホ
ン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、セチルスルホン
酸、ドデシルスルホン酸、トリクロロベンゼンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ハイドロオキシベ
ンゼンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、メタンスルホ
ン酸などがありその誘導体としては、リチウム塩、カリ
ウム塩、ナトリウム塩、銀塩、銅塩、鉄塩、アルミニウ
ム塩、セリウム塩、タングステン塩、クロム塩、マンガ
ン塩、スズ塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモ
ニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、テトラメチルア
ンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ジエチルアンモ
ニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、テトラエチルア
ンモニウム塩、エチルメチルアンモニウム塩、ジエチル
メチルアンモニウム塩、ジメチルエチルアンモニウム
塩、トリエチルメチルアンモニウム塩、トリメチルエチ
ルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、
プロピルアンモニウム塩、ジプロピルアンモニウム塩、
イソプロピルアンモニウム塩、ジイソプロピルアンモニ
ウム塩、ブチルアンモニウム塩、ジブチルアンモニウム
塩、メチルプロピルアンモニウム塩、エチルプロピルア
ンモニウム塩、メチルイソプロピルアンモニウム塩、エ
チルイソプロピルアンモニウム塩、メチルブチルアンモ
ニウム塩、エチルブチルアンモニウム塩、テトラメチロ
ールアンモニウム塩、テトラ−n−ブチルアンモニウム
塩、テトラ−sec−ブチルアンモニウム塩、テトラ−
t−ブチルアンモニウム塩、ピペリジウム塩、ピロリジ
ウム塩、モノホリニウム塩、ピペラジニウム塩、ピリジ
ニウム塩、α−ピコリニウム塩、β−ピコリニウム塩、
γ−ピコリニウム塩、キノリニウム塩、イソキノリニウ
ム塩、ピロリニウム塩、アンモニウム塩などがある。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば第
1の導電性高分子層にポリチオフェンまたはその誘導
体、第2の導電性高分子層にポリピロール若しくはその
誘導体、またはポリアニリン若しくはその誘電体、第3
の導電性高分子層にポリピロール若しくはその誘導体、
またはポリアニリン若しくはその誘電体とを組合わせた
3層構造の固体電解質を有する固体電解コンデンサは、
容量を大きく維持することができ、インピーダンス特性
に優れ、信頼性が良好な固体電解コンデンサを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解コンデンサの基本構造を示す
断面図である。
【図2】従来の固体電解コンデンサの断面図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 1a 誘電体酸化皮膜 1b 弁作用金属 2 導電性高分子(第1層) 3 導電性高分子(第2層) 4 導電性高分子(第3層) 5 カーボン層 6 銀層 7 陽極リード 8 陰極リード 9 エポキシ樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水口 隆 京都府京都市中京区御池通烏丸東入一筋目 仲保利町191番地の4 上原ビル3階 ニ チコン株式会社内 (72)発明者 吉見 元宏 京都府京都市中京区御池通烏丸東入一筋目 仲保利町191番地の4 上原ビル3階 ニ チコン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極となる弁作用金属(1b)からなる
    コンデンサ素子(1)の表面に誘電体酸化皮膜(1a)
    を形成し、該誘電体酸化皮膜(1a)表面に導電性高分
    子層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、 チオフェンまたはその誘導体により第1の導電性高分子
    層(2)を形成し、次にピロール若しくはその誘導体、
    またはアニリン若しくはその誘導体による第2の導電性
    高分子層(3)を形成し、更にピロール若しくはその誘
    導体、またはアニリン若しくはその誘導体を電解重合し
    て第3の導電性高分子層(4)を形成することを特徴と
    する固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の固体電解コンデンサにお
    いて、 第1の導電性高分子層(2)が、溶媒にチオフェンまた
    はその誘導体を溶解し、化学重合にて形成されたことを
    特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の固体電解コンデンサにお
    いて、 第1の導電性高分子層(2)が、水を含有する溶媒にポ
    リマー状のチオフェンまたはその誘導体を溶解し、加熱
    して形成されたことを特徴とする固体電解コンデンサの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の固体電解コンデンサにお
    いて、第2の導電性高分子層(3)が、溶媒にピロール
    若しくはその誘導体、またはアニリン若しくはその誘導
    体を溶解し、化学重合または加熱にて形成されたことを
    特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2および請求項3記載
    のチオフェンの誘導体が、チオフェン骨格の3位、3位
    と4位またはS位に、水酸基、アセチル基、カルボキシ
    ル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種
    を置換基として有するチオフェン誘導体、または3,4
    −アルキレンジオキシチオフェンであることを特徴とす
    る固体電解コンデンサおよびその製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1および請求項4記載のピロール
    誘導体が、ピロール骨格の3位、3位と4位またはN位
    に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル
    基、アルコキシル基のうち少なくとも1種を置換基とし
    て有することを特徴とする固体電解コンデンサおよびそ
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1および請求項4記載のアニリン
    誘導体が、アニリン骨格を有しアルキル基、フェニル
    基、アルコキシ基、エステル基、チオエーテル基のうち
    少なくとも1種を置換基として有することを特徴とする
    固体電解コンデンサおよびその製造方法。
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