JPH1128334A - 排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理方法

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JPH1128334A
JPH1128334A JP9186898A JP18689897A JPH1128334A JP H1128334 A JPH1128334 A JP H1128334A JP 9186898 A JP9186898 A JP 9186898A JP 18689897 A JP18689897 A JP 18689897A JP H1128334 A JPH1128334 A JP H1128334A
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JP
Japan
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exhaust gas
carbonaceous catalyst
gas
catalyst
denitration
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JP9186898A
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Inventor
Teruo Watabe
輝雄 渡部
Hiromi Tanaka
裕実 田中
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】脱離ガスに多量のアンモニアガスが含まれるこ
とがないようにし、排ガス処理装置のコストを低くし、
占有面積を小さくする。 【解決手段】硫黄酸化物及び窒素酸化物を含有する排ガ
スを処理する排ガス処理方法に適用される。アンモニア
ガスNH3 が注入された排ガスを、炭素質触媒が充填
(てん)され、かつ、下方に移動させられる移動層反応
器12に供給し、前記炭素質触媒と接触させて脱硫及び
脱硝を行う排ガス処理工程と、前記移動層反応器12か
ら排出された炭素質触媒を、再生装置13の低温側に供
給し、該再生装置13の加熱部において加熱し、脱離ガ
スを脱離させた後、再生装置13の高温側から排出する
脱離工程とを有する。前記再生装置13に配設された分
離帯において、炭素質触媒を、表面に還元性表面化合物
が生成される温度で1時間以上滞留させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ボイラ排ガス、焼結炉排ガス、廃
棄物焼却炉排ガス等の硫黄酸化物(SOX )及び窒素酸
化物(NOX )を含有する排ガスを処理する排ガス処理
装置においては、前記硫黄酸化物の濃度が比較的低い排
ガスを、活性炭、活性コークス、活性チャー等の炭素質
触媒が充填(てん)された移動層反応器に供給し、排ガ
ス中の硫黄酸化物及び窒素酸化物を除去するようにして
いる。
【0003】図2は従来の排ガス処理装置の概念図であ
る。図において、71は炭素質触媒が充填された直交流
式の移動層反応器であり、該移動層反応器71に硫黄酸
化物及び窒素酸化物を含有する排ガスがラインL1を介
して供給される。前記排ガスは、移動層反応器71内に
おいて、約60〜180〔℃〕の処理温度、すなわち、
低温領域で炭素質触媒と接触し、そのとき、炭素質触媒
によって硫黄酸化物の除去(以下「脱硫」という。)及
び窒素酸化物の除去(以下「脱硝」という。)が行わ
れ、その後、ラインL2を介して排出される。一方、前
記炭素質触媒は、前記排ガスと接触して脱硫及び脱硝を
行った後、ラインL3を介して脱離塔72に供給され、
該脱離塔72内において再生される。その後、前記炭素
質触媒は、ラインL4を介して再び移動層反応器71に
供給される。
【0004】この場合、脱硫及び脱硝の特性を向上させ
るために、前記ラインL1において排ガスにアンモニア
ガス(NH3 )が注入される(特開昭50−92858
号公報参照)。ところが、前記排ガス処理装置において
は、低温領域で脱硫及び脱硝が行われるので、該脱硝を
効率良く行うことができない。そこで、脱硝を効率良く
行うために、処理温度を200〔℃〕以上に高くするこ
とが考えられるが、その場合、炭素質触媒の一部が排ガ
ス中に存在する酸素と反応して酸化し、燃焼してしまう
ことがある。
【0005】しかも、通常、ボイラ排ガス、廃棄物焼却
炉排ガス等の排ガスの温度は、図示しないエアヒータ、
ボイラ等の出口で約150〔℃〕前後であり、焼結炉排
ガス等の排ガスの温度は、約100〔℃〕前後であるの
で、処理温度を200〔℃〕以上に高くするために予熱
を行わなければならない。そこで、約100〜150
〔℃〕の低温領域で脱硝を効率良く行うことができる排
ガス処理装置が提供されている(特公昭59−1132
9号公報参照)。
【0006】図3は従来の他の排ガス処理装置の概念図
である。図において、73は炭素質触媒が充填された直
交流式の移動層反応器から成る吸着塔、74は炭素質触
媒が充填された直交流式の移動層反応器から成る脱硝
塔、75は脱離塔、L1、L5、L6は排ガス用のライ
ン、L7〜L9は炭素質触媒用のラインである。
【0007】この場合、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含
有する排ガスは、ラインL1においてアンモニアガスが
注入されて吸着塔73に供給され、該吸着塔73内にお
いて、排ガス中の硫黄酸化物がほとんど除去される。そ
の後、排ガスは、吸着塔73からラインL5に排出さ
れ、再びアンモニアガスが注入された後、脱硝塔74に
供給される。
【0008】この場合、該脱硝塔74内において、排ガ
スは硫黄酸化物がほとんど除去された状態で炭素質触媒
と接触し、脱硝が行われるので、脱硝率を大きくするこ
とができる。したがって、約100〜150〔℃〕の低
温領域で脱硝を効率良く行うことができる。ところで、
排ガスにアンモニアガスを注入して脱硫及び脱硝を行う
方法において、排ガス中の硫黄酸化物は、炭素質触媒と
接触し、式(1)及び(2)に示すように、炭素質触媒
に吸着され、硫酸となって除去される。
【0009】 SO2 +1/2O2 +H2 O→H2 SO4 ……(1) SO3 +H2 O→H2 SO4 ……(2) そして、前記硫酸とアンモニアガスとが、式(3)及び
(4)に示すように反応(中和反応)して、アンモニウ
ム塩になる。 H2 SO4 +NH3 →NH4 HSO4 ……(3) NH4 HSO4 +NH3 →(NH4 2 SO4 ……(4) このように、前記炭素質触媒は、硫酸及びアンモニウム
塩を吸着して次第に不活化するので、脱離塔75におい
て加熱して再生する必要がある。
【0010】一方、排ガス中の窒素酸化物は、炭素質触
媒の触媒作用によってアンモニアガスと反応し、式
(5)に示すように、窒素ガス(N2 )に還元される。 NH3 +NO+1/4O2 →N2 +3/2H2 O ……(5) ここで、150〔℃〕前後又はそれ以下の処理温度で排
ガスの処理を行うと、アンモニアガスの大部分が、式
(3)及び(4)によって消費される。したがって、1
50〔℃〕前後又はそれ以下の処理温度で脱硝を行う場
合、アンモニアガスの注入量は、式(3)及び(4)の
反応によって消費される量を加えて設定する必要があ
る。
【0011】ところで、窒素酸化物の除去率を大きくす
るためにアンモニアガスの注入量を多くすると、炭素質
触媒に吸着されたアンモニアガスと二酸化硫黄(S
2 )との吸着量の比、すなわち、NH3 /SO2 のモ
ル比(0.5〜2.0)は、1前後又はそれ以上にな
る。このような炭素質触媒を脱離塔75において加熱し
て再生しても、アンモニウム塩の窒素ガスへの分解率は
低くなってしまう。なお、この場合、アンモニウム塩が
分解されてアンモニアガスに、さらに、アンモニアガス
が分解されて窒素ガスになる。
【0012】ここで、炭素質触媒を加熱して再生したと
きにアンモニアガスが分解されて窒素ガスになるメカニ
ズムは明確ではないが、以下のように考えられる。すな
わち、炭素質触媒に吸着された硫酸及びアンモニウム塩
は、まず、式(6)〜(8)に示すように、加熱過程で
解離される。 H2 SO4 →SO3 +H2 O ……(6) (NH4 2 SO4 →NH4 HSO4 +NH3 ……(7) NH4 HSO4 →NH3 +SO3 +H2 O ……(8) その後、三酸化硫黄(SO3 )、アンモニアガス等は、
式(9)及び(10)に示すように、酸化還元反応によ
って分解されて二酸化硫黄及び窒素ガスになる。
【0013】 2/3NH3 +SO3 →SO2 +H2 O+1/3N2 ……(9) SO3 +1/2C→SO2 +1/2CO2 ……(10) 図4は炭素質触媒の特性図である。なお、図において、
横軸にアンモニアガスの注入濃度を、縦軸にモル比、脱
硝率及びアンモニアガスの窒素ガスへの分解率を採って
ある。
【0014】図において、Ln1は炭素質触媒に吸着さ
れたNH3 /SO2 のモル比を、Ln2は脱硝率を、L
n3はアンモニアガスの窒素ガスへの分解率を示す。こ
の場合、アンモニアガスの注入濃度が高くなり、NH3
/SO2 のモル比が1から大きくなるにつれて、脱硝率
は大きくなるが、アンモニアガスの窒素ガスへの分解率
は小さくなる。
【0015】このように、アンモニアガスの注入量を多
くした運転条件で使用された炭素質触媒を加熱し再生し
た場合、アンモニアガスの窒素ガスへの分解率が小さく
なり、炭素質触媒の再生に伴って発生する脱離ガスから
硫黄酸化物を回収すると、脱離ガスに多量のアンモニア
ガスが混入してしまう。この場合、回収された硫黄酸化
物から硫酸、硫黄等を副生品として得ようとしても、副
生品の純度が低くなったり、副生品を生成する装置が閉
塞(そく)したりしてしまう。
【0016】また、回収された硫黄酸化物を水洗によっ
て精製しようとすると、排水中にアンモニウム塩等が大
量に溶解してアンモニアガスに損失が生じてしまう。そ
こで、排ガスの流れを二つに分割するようにした排ガス
処理装置が提供されている(特公平1−54089号公
報参照)。図5は従来の更に他の排ガス処理装置の概念
図である。
【0017】図において、76は炭素質触媒が充填され
た直交流式の移動層反応器から成る吸着塔、77は炭素
質触媒が充填された直交流式の移動層反応器から成る脱
硝塔、78は脱離塔、L11〜L14は排ガス用のライ
ン、L15〜L17は炭素質触媒用のラインである。こ
の場合、排ガスの流れを第1、第2の排ガス流に分割
し、第1の排ガス流をラインL12を介して脱硝塔77
に、第2の排ガス流をラインL11を介して吸着塔76
にそれぞれ供給するようになっている。そして、該吸着
塔76において脱硫が、前記脱硝塔77において主とし
て脱硝が行われる。したがって、脱硝に必要なだけのア
ンモニアガスを注入することができる。
【0018】また、前記炭素質触媒は、前記脱硝塔77
の底部から排出されてラインL17を介して吸着塔76
の頂部に供給され、吸着塔76の底部から排出されてラ
インL15を介して脱離塔78の頂部に供給され、前記
脱離塔78によって加熱され再生された後、脱離塔78
の底部からラインL16を介して脱硝塔77の頂部に供
給される。
【0019】この場合、ラインL11においてはアンモ
ニアガスが注入されないので、脱離塔78には、アンモ
ニアガスの吸着量が少ない炭素質触媒が供給されること
になる。したがって、脱離塔78において炭素質触媒を
加熱し再生して硫黄酸化物を回収したときに、脱離ガス
に多量のアンモニアガスが混入することはない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の排ガス処理装置においては、吸着塔76及び脱硝塔
77が必要であるので、大型化して寸法が2倍になり、
占有面積が大きくなるだけでなくコストが高くなってし
まう。また、排ガスの流れを第1、第2の排ガス流に分
割するようになっているので、配管系が複雑になるだけ
でなく、排ガス処理装置のコストが高くなってしまう。
【0021】さらに、吸着塔76においては脱硫だけが
行われ、脱硝が行われないので、吸着塔76を有効に利
用することができず、排ガス処理装置のコストが高くな
ってしまう。本発明は、前記従来の排ガス処理装置の問
題点を解決して、脱離ガスに多量のアンモニアガスが含
まれることがなく、コストを低くすることができ、占有
面積を小さくすることができる排ガス処理方法を提供す
ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の排
ガス処理方法においては、再生装置に配設された分離帯
において、炭素質触媒を、表面に還元性表面化合物が生
成される温度で1時間以上滞留させる。本発明の他の排
ガス処理方法においては、さらに、前記炭素質触媒の表
面に還元性表面化合物が生成される温度を450〜60
0〔℃〕にする。
【0023】本発明の更に他の排ガス処理方法において
は、さらに、前記アンモニアガスの濃度をD1〔pp
m〕とし、排ガス中の二酸化硫黄の濃度をD2〔pp
m〕とし、排ガス中の窒素酸化物の濃度をD3〔pp
m〕とし、脱硝率をη〔%〕とし、炭素質触媒に吸着さ
れたアンモニアガス及び二酸化硫黄の吸着量の比をkと
したとき、前記アンモニアガスの濃度D1を、 D1=D2・k+D3・η とし、前記比kを1〜2.5とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
実施の形態における排ガス処理装置の概念図である。図
において、12は炭素質触媒が充填された直交流式の移
動層反応器であり、該移動層反応器12に、硫黄酸化物
及び窒素酸化物を含有する排ガスがラインL21を介し
て供給される。そして、該ラインL21において前記排
ガスにアンモニアガスが注入される。
【0025】前記移動層反応器12内には炭素質触媒が
充填され、該炭素質触媒は移動層反応器12内を重力に
よって下方に移動する間に前記排ガスと接触し、その結
果、前記排ガス中の硫黄酸化物は炭素質触媒によって吸
着され、脱硫が行われる。一方、前記排ガス中の窒素酸
化物は炭素質触媒の触媒作用によってアンモニアガスと
反応し、窒素ガスに還元されて脱硝が行われる。このよ
うに、移動層反応器12内において脱硫及び脱硝が行わ
れた後、排ガスはラインL22に排出され、煙突17に
送られる。なお、排ガスの量が多い場合は、移動層反応
器12が複数個配設される。
【0026】ところで、前記移動層反応器12内の炭素
質触媒は硫黄酸化物を吸着して不活化する。そこで、前
記炭素質触媒は、移動層反応器12の底部から排出され
てラインL23を介して再生装置13の頂部に供給さ
れ、再生装置13によって加熱され再生された後、再生
装置13の底部から篩分(ふるいわけ)器14に供給さ
れ、該篩分器14において、炭素質触媒に混入したダス
ト及び触媒粉が除去された後、ラインL24を介して再
び移動層反応器12の頂部に供給される。なお、前記ラ
インL23、L24には図示しないコンベヤが配設さ
れ、該コンベヤによって炭素質触媒が搬送されるように
なっている。また、前記再生装置13において、炭素質
触媒の再生に伴って発生する脱離ガスはラインL27に
排出される。
【0027】そして、脱硫及び脱硝を行うためにそれぞ
れ移動層反応器12を配設する必要がないので、排ガス
処理装置を小型化することができ、占有面積を小さくす
ることができるだけでなく、排ガス処理装置のコストを
低くすることができる。また、排ガスの流れを第1、第
2の排ガス流に分割する必要がないので、配管系を簡素
化することができるだけでなく、排ガス処理装置のコス
トを更に低くすることができる。
【0028】さらに、一つの移動層反応器12において
脱硫及び脱硝を行うことができるので、移動層反応器1
2を有効に利用することができ、排ガス処理装置のコス
トを更に低くすることができる。また、前記再生装置1
3は向流加熱移動層から成り、熱風炉16によって発生
させられた高温の加熱ガスが供給される。そして、再生
装置13内の炭素質触媒は、前記加熱ガスによって向流
で加熱され、二酸化硫黄の脱離が行われて再生される。
そのために、熱風炉16と再生装置13とがラインL2
5、L26を介して接続され、該ラインL26には、加
熱ガスを搬送するためのブロワ15が配設される。
【0029】次に、前記移動層反応器12内の反応帯に
ついて説明する。図6は本発明の実施の形態における移
動層反応器内の反応帯を示す図である。図において、1
8は移動層反応器12(図1)内に充填された炭素質触
媒の充填層、AR1〜AR4は充填層18内に形成され
た反応帯である。この場合、反応帯AR1〜AR3にお
いて、前記式(1)及び(2)に示すように、硫黄酸化
物は硫酸になり、炭素質触媒によって吸着される。ま
た、反応帯AR4において、式(5)に示すように、窒
素酸化物は、炭素質触媒の触媒作用によってアンモニア
ガスと反応して窒素ガスに還元される。このとき、注入
されたアンモニアガスの一部は、式(3)及び(4)に
示すように、硫酸と反応してアンモニウム塩になり、消
費される。したがって、反応帯AR1において(N
4 2 SO4 が、反応帯AR2においてNH4 HSO
4 が、反応帯AR3において硫酸がそれぞれ炭素質触媒
によって吸着される。
【0030】ところで、炭素質触媒による硫黄酸化物の
吸着は、窒素酸化物のアンモニアガスによる窒素ガスへ
の還元より優先して行われるので、反応帯AR1〜AR
3は、排ガスの入口側(図における左側)に形成され
る。また、炭素質触媒は充填層18内を下方に移動する
のに伴って硫黄酸化物を吸着して飽和するので、反応帯
AR1〜AR3は、炭素質触媒の出口側(図における下
側)に近くなるほど幅が広くなる。
【0031】前記構成の充填層18において、目標の脱
硝率を達成するためには、脱硝のための反応帯AR4を
十分に確保する必要がある。そこで、移動層反応器12
において脱硫だけを行う場合より、充填層18の容積が
50〜200〔%〕以上大きくされ、かつ、炭素質触媒
の空間速度(SV)が250〜800〔H−1〕にされ
る。
【0032】また、アンモニアガスの注入量が少ない
と、アンモニアガスは反応帯AR1〜AR3で消費され
てしまい、反応帯AR4に到達せず、反応帯AR4にお
いて脱硝を行うことができなくなってしまう。そこで、
反応帯AR1〜AR3で硫黄酸化物を中和するのに必要
な分に、反応帯AR4で脱硝を行うのに必要な分を加え
た量のアンモニアガスを注入する。この場合、アンモニ
アガスの濃度をD1〔ppm〕とし、排ガス中の二酸化
硫黄の濃度をD2〔ppm〕とし、排ガス中の窒素酸化
物の濃度をD3〔ppm〕とし、脱硝率をη〔%〕とし
たとき、前記アンモニアガスの濃度D1を、 D1=D2・k+D3・η とする。なお、kはNH3 /SO2 のモル比であり、該
モル比kは1〜2.5、好ましくは1.5〜2.0とす
る。
【0033】このようにアンモニアガスの濃度D1を設
定すると、炭素質触媒を再生装置13において加熱し再
生したときに、脱離ガスに多量のアンモニアガスが混入
することはない。したがって、その分脱硝率ηを大きく
することができる。この場合、移動層反応器12から排
出される炭素質触媒における前記モル比kの平均は、
1.0〜2.0になる。
【0034】次に、再生装置13及び加熱ガスの加熱温
度特性について説明する。図7は本発明の実施の形態に
おける再生装置及び加熱ガスの加熱温度特性を示す図で
ある。この場合、再生装置13としては並流式のものが
使用され、炭素質触媒は、再生装置13の上部、すなわ
ち、低温側に形成された供給部32にシールバルブ31
を介して供給され、キャリヤガス導入部33に送られ、
該キャリヤガス導入部33においてラインL29を介し
て供給されたキャリヤガスと合流し、加熱部34に送ら
れる。該加熱部34には複数の伝熱管21が縦方向に配
設され、前記炭素質触媒は各伝熱管21内を下方に移動
する。
【0035】一方、加熱ガスは、ラインL25を介して
加熱部34の下部に供給され、加熱部34内を蛇行しな
がら伝熱管21の外側に沿って上方に移動し、加熱部3
4の上部からラインL26に排出される。したがって、
前記伝熱管21内の炭素質触媒は、下方に移動する間
に、前記加熱ガスによって加熱される。そして、炭素質
触媒は、所定の温度に加熱されると、分離帯35におい
て脱離ガスを脱離して再生される。このとき、脱離ガス
は、ラインL28を介して排出される。続いて、炭素質
触媒は、冷却部36において所定の温度に冷却され、再
生装置13の下部、すなわち、高温側に配設されたシー
ルバルブ37を介して外部に排出される。なお、前記キ
ャリヤガスは、脱離ガスが上方に逆流しないようにする
とともに、分離帯35における脱離ガスの脱離を促進す
る。
【0036】この場合、炭素質触媒は、約90〔℃〕で
供給部32に供給され、前記加熱部34内を下方に移動
しながら、加熱部34の下端において約500〔℃〕に
なり、脱離ガスを分離させた後、冷却部36の下端にお
いて約120〔℃〕になる。次に、炭素質触媒の加熱温
度と、加熱に伴って発生するガスについて説明する。
【0037】図8は本発明の実施の形態における炭素質
触媒の加熱温度とガスの発生量との関係を示す図であ
る。なお、図において、横軸に炭素質触媒の加熱温度
を、縦軸にガスの発生量を採ってある。この場合、炭素
質触媒を加熱すると、前記式(6)〜(10)の反応が
起こり、最初に水が脱離し、次に、二酸化硫黄及び二酸
化炭素が脱離した後、最後にアンモニアガスが脱離して
約450〔℃〕で脱離が終了する。そして、加熱温度が
450〔℃〕を超えると、炭素質触媒の表面の表面化合
物が分解したり、水と炭素とが反応したりすることによ
って、一酸化炭素が発生して炭素質触媒が消耗する。特
に、550〔℃〕を超えると、炭素質触媒の消耗を無視
することはできなくなる。
【0038】この場合、炭素質触媒の表面には、式(1
1)に示す反応によって表面酸化物が生成されるが、該
表面酸化物は、式(12)に示す反応によってアンモニ
アガスと反応して分解され、炭素質触媒の表面に還元性
表面化合物が生成される。該還元性表面化合物は、移動
層反応器12(図1)における排ガス処理工程におい
て、式(13)に示す反応によって排ガス中の窒素酸化
物と直接反応し、該窒素酸化物を窒素ガスに還元する。
【0039】 H2 SO4 +C→SO2 +H2 O+(C・・O) ……(11) (C・・O)+NH3 →(C・・RED) ……(12) (C・・RED)+NOx →N2 +H2 O ……(13) (C・・O):表面酸化物 (C・・RED):還元性表面化合物 なお、本発明においては、一連の脱離工程中に脱離ガス
中の分解しきれないアンモニアガスを、脱離が終了した
450〔℃〕以上の温度領域で炭素質触媒の表面の表面
酸化物の分解及び還元性表面化合物の生成に利用するこ
とによって、再生装置13から排出される脱離ガス中の
アンモニアガスの量を少なくするようにしている。その
ために、再生装置13内において450〔℃〕以上、好
ましくは500〔℃〕以上の高温領域で、炭素質触媒を
十分な時間(1時間以上)滞留させるようにしている。
なお、炭素質触媒を滞留させるために、加熱部34(図
7)内を下方に移動する炭素質触媒の速度が調整され
る。
【0040】図9は炭素質触媒の加熱温度と脱硝率との
関係を示す図である。なお、図において、横軸に炭素質
触媒の加熱温度を、縦軸に脱硝率ηを採ってある。図に
示すように、炭素質触媒を450〔℃〕以上に加熱する
と、脱硝率ηが大きくなる。これは、炭素質触媒の表面
に生成される還元性表面化合物が増加するためであると
考えられる。
【0041】次に、炭素質触媒の加熱温度とアンモニア
ガスの分解率との関係について説明する。図10は本発
明の実施の形態における炭素質触媒の加熱温度とアンモ
ニアガスの分解率との関係を示す図である。なお、図に
おいて、横軸に炭素質触媒の加熱温度を、縦軸にアンモ
ニアガス分解率を採ってある。
【0042】図に示すように、炭素質触媒の加熱温度を
高くすると、アンモニアガスの分解率が大きくなり、4
80〔℃〕以上で分解が顕著になり、600〔℃〕で分
解が飽和する。したがって、炭素質触媒の表面に生成さ
れる還元性表面化合物、アンモニアガスの分解率、及び
炭素質触媒の消耗を考慮すると、再生装置13(図7)
における炭素質触媒の加熱温度は450〜600
〔℃〕、好ましくは500〜550〔℃〕にするとよ
い。
【0043】次に、再生装置13内の450〔℃〕以上
の高温領域において炭素質触媒を滞留させる時間、すな
わち、滞留時間とアンモニアガスの分解率との関係につ
いて説明する。図11は本発明の実施の形態における滞
留時間とアンモニアガスの分解率との関係を示す図であ
る。なお、図において、横軸に滞留時間を、縦軸にアン
モニアガス分解率を採ってある。
【0044】図に示すように、滞留時間を少なくとも1
時間以上、好ましくは2時間以上にすると、アンモニア
ガスの分解率を大きくすることができる。
【0045】
【実施例】炭素質触媒が5〔l〕充填された移動層反応
器試験装置を使用し、該移動層反応器試験装置に、酸素
を15〔%〕、水を10〔%〕、二酸化硫黄を150
〔ppm〕、窒素酸化物を220〔ppm〕それぞれ含
有する合成ガスを、3〔Nm 3 /h〕の移動速度及び1
00〔℃〕の温度で排ガスとして供給して排ガス処理工
程を行った。この場合、該排ガス処理工程において、前
記排ガスと炭素質触媒とが接触する時間を100時間に
設定し、アンモニアガスの注入量を変化させた。
【0046】また、前記移動層反応器試験装置において
二酸化硫黄を吸着した後の排ガスを再生装置試験装置に
供給し、脱離工程を行った。この場合、該脱離工程にお
いて、再生装置試験装置の加熱部における滞留時間を5
時間に設定し、加熱温度を変化させた。前記移動層反応
器試験装置及び再生装置試験装置による試験結果を表1
に示す。
【0047】
【表1】
【0048】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、再生装置に配設された分離帯において、炭素質触
媒を、表面に還元性表面化合物が生成される温度で1時
間以上滞留させる。したがって、脱離ガス中のアンモニ
アガスを、脱離が終了した炭素質触媒の表面の表面酸化
物の分解及び還元性表面化合物の生成に利用することが
できるので、再生装置から排出される脱離ガス中のアン
モニアガスの量を少なくすることができる。
【0050】また、排ガスの流れを第1、第2の排ガス
流に分割する必要がないので、配管系を簡素化すること
ができるだけでなく、排ガス処理装置のコストを低くす
ることができる。そして、脱離が終了した後の前記炭素
質触媒は、表面に還元性表面化合物が生成された状態で
移動層反応器に供給される。したがって、移動層反応器
において前記還元性表面化合物が窒素酸化物と反応し
て、窒素酸化物を窒素ガスに還元する。その結果、脱硝
率を大きくすることができる。
【0051】本発明の他の排ガス処理方法においては、
さらに、前記炭素質触媒の表面に還元性表面化合物が生
成される温度を450〜600〔℃〕にする。この場
合、再生装置において、脱離が終了した後の前記炭素質
触媒を、450〜600〔℃〕の温度で1時間以上滞留
させる。したがって、アンモニアガスの分解率を大きく
することができる。
【0052】本発明の更に他の排ガス処理方法において
は、さらに、前記アンモニアガスの濃度をD1〔pp
m〕とし、排ガス中の二酸化硫黄の濃度をD2〔pp
m〕とし、排ガス中の窒素酸化物の濃度をD3〔pp
m〕とし、脱硝率をη〔%〕とし、炭素質触媒に吸着さ
れたアンモニアガス及び二酸化硫黄の吸着量の比をkと
したとき、前記アンモニアガスの濃度D1を、 D1=D2・k+D3・η とし、前記比kを1〜2.5とする。
【0053】この場合、移動層反応器における排ガスの
入口側において硫黄酸化物を中和するのに必要な分に、
排ガスの出口側において脱硝を行うのに必要な分を加え
た量のアンモニアガスが注入されるので、脱硝率を大き
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における排ガス処理装置の
概念図である。
【図2】従来の排ガス処理装置の概念図である。
【図3】従来の他の排ガス処理装置の概念図である。
【図4】炭素質触媒の特性図である。
【図5】従来の更に他の排ガス処理装置の概念図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態における移動層反応器内の
反応帯を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における再生装置及び加熱
ガスの加熱温度特性を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における炭素質触媒の加熱
温度とガスの発生量との関係を示す図である。
【図9】炭素質触媒の加熱温度と脱硝率との関係を示す
図である。
【図10】本発明の実施の形態における炭素質触媒の加
熱温度とアンモニアガスの分解率との関係を示す図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態における滞留時間とアン
モニアガスの分解率との関係を示す図である。
【符号の説明】
12 移動層反応器 13 再生装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄酸化物及び窒素酸化物を含有する排
    ガスを処理する排ガス処理方法において、(a)アンモ
    ニアガスが注入された排ガスを、炭素質触媒が充填さ
    れ、かつ、下方に移動させられる移動層反応器に供給
    し、前記炭素質触媒と接触させて脱硫及び脱硝を行う排
    ガス処理工程と、(b)前記移動層反応器から排出され
    た炭素質触媒を、再生装置の低温側に供給し、該再生装
    置の加熱部において加熱し、脱離ガスを脱離させた後、
    再生装置の高温側から排出する脱離工程とを有するとと
    もに、(c)前記再生装置に配設された分離帯におい
    て、前記炭素質触媒を、表面に還元性表面化合物が生成
    される温度で1時間以上滞留させることを特徴とする排
    ガス処理方法。
  2. 【請求項2】 前記炭素質触媒の表面に還元性表面化合
    物が生成される温度を450〜600〔℃〕にする請求
    項1に記載の排ガス処理方法。
  3. 【請求項3】 前記アンモニアガスの濃度をD1〔pp
    m〕とし、排ガス中の二酸化硫黄の濃度をD2〔pp
    m〕とし、排ガス中の窒素酸化物の濃度をD3〔pp
    m〕とし、脱硝率をη〔%〕とし、炭素質触媒に吸着さ
    れたアンモニアガス及び二酸化硫黄の吸着量の比をkと
    したとき、前記アンモニアガスの濃度D1を、 D1=D2・k+D3・η とし、前記比kを1〜2.5とする請求項1に記載の排
    ガス処理方法。
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CN102824809A (zh) * 2012-09-21 2012-12-19 中冶长天国际工程有限责任公司 一种吸附塔

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102824809B (zh) * 2012-09-21 2015-05-13 中冶长天国际工程有限责任公司 一种吸附塔

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