JPH11283259A - 光ヘッドアクチュエータの制振装置 - Google Patents
光ヘッドアクチュエータの制振装置Info
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- JPH11283259A JPH11283259A JP8202698A JP8202698A JPH11283259A JP H11283259 A JPH11283259 A JP H11283259A JP 8202698 A JP8202698 A JP 8202698A JP 8202698 A JP8202698 A JP 8202698A JP H11283259 A JPH11283259 A JP H11283259A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 制振部材をばね部材等に接触させることな
く、安定した制振効果が得られる新規な構造の光ヘッド
アクチュエータの制振装置を提供する。 【解決手段】 支持部材1にばね部材3を介して変位可
能に懸架支持した対物レンズ5を保持するレンズホルダ
4を有する光ヘッドアクチュエータに設けられ、レンズ
ホルダ4および支持部材1の一方の側に設けた硬質磁性
部材20と、この硬質磁性部材20に空隙Gを介して対
向して他方の側に設けた導電部材23とを有する制振装
置であって、硬質磁性部材20の周縁部に、該硬質磁性
部材20とは逆向きに磁化された磁性部材21を配設す
る。
く、安定した制振効果が得られる新規な構造の光ヘッド
アクチュエータの制振装置を提供する。 【解決手段】 支持部材1にばね部材3を介して変位可
能に懸架支持した対物レンズ5を保持するレンズホルダ
4を有する光ヘッドアクチュエータに設けられ、レンズ
ホルダ4および支持部材1の一方の側に設けた硬質磁性
部材20と、この硬質磁性部材20に空隙Gを介して対
向して他方の側に設けた導電部材23とを有する制振装
置であって、硬質磁性部材20の周縁部に、該硬質磁性
部材20とは逆向きに磁化された磁性部材21を配設す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンパクトディ
スク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DV
D)等の光ディスク、ミニディスク(MD)等の光磁気
ディスクのような記録媒体に対して情報の記録/再生を
行うための光ヘッドアクチュエータに用いられる制振装
置に関するものである。
スク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DV
D)等の光ディスク、ミニディスク(MD)等の光磁気
ディスクのような記録媒体に対して情報の記録/再生を
行うための光ヘッドアクチュエータに用いられる制振装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の制振装置を具える光ヘッドアクチ
ュエータとして、例えば、図10に示すようなものがあ
る。この光ヘッドアクチュエータは、いわゆる4本ワイ
ヤ支持型のムービングコイル方式のもので、支持部材1
にはほぼX方向にそれぞれ平行に延在し、例えば引き抜
き加工により形成されたCu−Be合金、Cu−P合金
等よりなる4本のばね部材3を介して、対物レンズ5を
保持したレンズホルダ4が、図示しないディスクのトラ
ックを横切るトラッキング(Y軸)方向と対物レンズ5
の光軸と平行なフォーカシング(Z軸)方向とに変位可
能に懸架支持されている。
ュエータとして、例えば、図10に示すようなものがあ
る。この光ヘッドアクチュエータは、いわゆる4本ワイ
ヤ支持型のムービングコイル方式のもので、支持部材1
にはほぼX方向にそれぞれ平行に延在し、例えば引き抜
き加工により形成されたCu−Be合金、Cu−P合金
等よりなる4本のばね部材3を介して、対物レンズ5を
保持したレンズホルダ4が、図示しないディスクのトラ
ックを横切るトラッキング(Y軸)方向と対物レンズ5
の光軸と平行なフォーカシング(Z軸)方向とに変位可
能に懸架支持されている。
【0003】また、支持部材1には、図11に詳細に示
すように、例えばFe、Ni、Coあるいはこれらを含
む合金、もしくはフェライト等よりなるコ字状の軟質磁
性ヨーク8が、その両脚部がX方向に対向して、レンズ
ホルダ4の開口部4aに侵入するように設けられ、この
軟質磁性ヨーク8の両脚部内面には、異なる磁極面が空
隙を介して対向するように、例えばNd−Fe−B合金
等よりなる硬質磁性部材2がそれぞれ設けられている。
さらに、レンズホルダ4には、その開口部4aの内面
に、トラッキングコイル6およびフォーカシングコイル
7が設けられている。
すように、例えばFe、Ni、Coあるいはこれらを含
む合金、もしくはフェライト等よりなるコ字状の軟質磁
性ヨーク8が、その両脚部がX方向に対向して、レンズ
ホルダ4の開口部4aに侵入するように設けられ、この
軟質磁性ヨーク8の両脚部内面には、異なる磁極面が空
隙を介して対向するように、例えばNd−Fe−B合金
等よりなる硬質磁性部材2がそれぞれ設けられている。
さらに、レンズホルダ4には、その開口部4aの内面
に、トラッキングコイル6およびフォーカシングコイル
7が設けられている。
【0004】ここで、フォーカシングコイル7は、ボビ
ン11に巻回して形成されており、また、トラッキング
コイル6は、ボビン11にX軸方向に突出して形成され
た複数の突起部分に、X軸周りに8の字状に巻回して二
つ形成されている。これらトラッキングコイル6および
フォーカシングコイル7を装着したボビン11は、フォ
ーカシングコイル7のY軸方向に延在する一辺の導線部
分7bと、二つのトラッキングコイル6のY軸方向に隣
接してそれぞれZ方向に延在する導線部分6aとが、二
つの硬質磁性部材2が対向する空隙に位置するようにレ
ンズホルダ4の開口部4aに嵌合して設けられている。
ン11に巻回して形成されており、また、トラッキング
コイル6は、ボビン11にX軸方向に突出して形成され
た複数の突起部分に、X軸周りに8の字状に巻回して二
つ形成されている。これらトラッキングコイル6および
フォーカシングコイル7を装着したボビン11は、フォ
ーカシングコイル7のY軸方向に延在する一辺の導線部
分7bと、二つのトラッキングコイル6のY軸方向に隣
接してそれぞれZ方向に延在する導線部分6aとが、二
つの硬質磁性部材2が対向する空隙に位置するようにレ
ンズホルダ4の開口部4aに嵌合して設けられている。
【0005】かかる構成において、二つのトラッキング
コイル6の硬質磁性部材2と対向する二つの導線部分6
aに同一方向に電流が流れるように通電すると、これら
導線部分6aには、該導線部分6aを流れる電流と硬質
磁性部材2によるX軸方向を向いた磁場との電磁相互作
用によりY軸方向の力が作用するので、これによりレン
ズホルダ4ひいては対物レンズ5をY軸方向、すなわち
図示しないディスクのトラックを横切る方向に平行に変
位させて、対物レンズ5の光軸を情報ピット列等からな
るトラック中心に追従させるトラッキング制御が可能と
なる。
コイル6の硬質磁性部材2と対向する二つの導線部分6
aに同一方向に電流が流れるように通電すると、これら
導線部分6aには、該導線部分6aを流れる電流と硬質
磁性部材2によるX軸方向を向いた磁場との電磁相互作
用によりY軸方向の力が作用するので、これによりレン
ズホルダ4ひいては対物レンズ5をY軸方向、すなわち
図示しないディスクのトラックを横切る方向に平行に変
位させて、対物レンズ5の光軸を情報ピット列等からな
るトラック中心に追従させるトラッキング制御が可能と
なる。
【0006】同様に、フォーカシングコイル7に通電す
ると、硬質磁性部材2と対向してY軸方向に延在する導
線部分7aには、該導線部分7aを流れる電流と硬質磁
性部材2によるX軸方向を向いた磁場との電磁相互作用
によりZ軸方向の力が作用するので、これによりレンズ
ホルダ4ひいては対物レンズ5をZ軸方向、すなわち図
示しないディスクの記録面と直交する方向に平行に変位
させて、対物レンズ5の焦点を情報ピット列等が形成さ
れている記録面に位置させるフォーカシング制御が可能
となる。
ると、硬質磁性部材2と対向してY軸方向に延在する導
線部分7aには、該導線部分7aを流れる電流と硬質磁
性部材2によるX軸方向を向いた磁場との電磁相互作用
によりZ軸方向の力が作用するので、これによりレンズ
ホルダ4ひいては対物レンズ5をZ軸方向、すなわち図
示しないディスクの記録面と直交する方向に平行に変位
させて、対物レンズ5の焦点を情報ピット列等が形成さ
れている記録面に位置させるフォーカシング制御が可能
となる。
【0007】ところで、上述した光ヘッドアクチュエー
タは、いわゆる平行ばね構造によりレンズホルダ4を支
持して駆動するようにしている。したがって、例えば他
の代表的な駆動方法である、レンズホルダを軸に対して
回動可能で、かつ軸方向に摺動可能に支持して駆動す
る、いわゆる軸摺動型の光ヘッドと比較して、レンズホ
ルダ4の駆動に際して軸部分で摩擦を生じることがない
ので、滑らかで分解能の高い駆動が可能となる。
タは、いわゆる平行ばね構造によりレンズホルダ4を支
持して駆動するようにしている。したがって、例えば他
の代表的な駆動方法である、レンズホルダを軸に対して
回動可能で、かつ軸方向に摺動可能に支持して駆動す
る、いわゆる軸摺動型の光ヘッドと比較して、レンズホ
ルダ4の駆動に際して軸部分で摩擦を生じることがない
ので、滑らかで分解能の高い駆動が可能となる。
【0008】しかし、他方では、振動系としてみた場
合、4本のばね部材3は撓み形状がS字状となる滑動梁
に、これらに懸架支持されたレンズホルダ4は先端付加
質量にそれぞれ対応する構成となっている。このため、
上記の利点を有する反面、外部からの振動や衝撃によっ
てY軸方向やZ軸方向、あるいはYZ合成方向への直線
的振動、さらにはX軸周りのねじれ振動として激しく振
動し易い構造となっている。
合、4本のばね部材3は撓み形状がS字状となる滑動梁
に、これらに懸架支持されたレンズホルダ4は先端付加
質量にそれぞれ対応する構成となっている。このため、
上記の利点を有する反面、外部からの振動や衝撃によっ
てY軸方向やZ軸方向、あるいはYZ合成方向への直線
的振動、さらにはX軸周りのねじれ振動として激しく振
動し易い構造となっている。
【0009】このような不所望な振動を低減するため、
通常、この種の光ヘッドアクチュエータにおいては制振
装置を設けている。例えば、図10に示す光ヘッドアク
チュエータにおいては、ばね部材3の固定端近傍に制振
部材9を充填したゲルポケット10を設けて制振装置を
構成し、その制振部材9により不所望な振動を吸収する
ようにしている。ここで、制振部材9は、例えば損失弾
性率の大きいシリコンゲル等をゲルポケット10に充填
したのち、紫外線照射、加熱等により硬化処理して形成
され、その硬さや粘度、さらには充填深さ等は、光ヘッ
ドの共振特性に応じて適宜設定される。
通常、この種の光ヘッドアクチュエータにおいては制振
装置を設けている。例えば、図10に示す光ヘッドアク
チュエータにおいては、ばね部材3の固定端近傍に制振
部材9を充填したゲルポケット10を設けて制振装置を
構成し、その制振部材9により不所望な振動を吸収する
ようにしている。ここで、制振部材9は、例えば損失弾
性率の大きいシリコンゲル等をゲルポケット10に充填
したのち、紫外線照射、加熱等により硬化処理して形成
され、その硬さや粘度、さらには充填深さ等は、光ヘッ
ドの共振特性に応じて適宜設定される。
【0010】また、従来の他の制振装置として、例え
ば、図12に示すように、ばね部材3の支持部材1側近
傍の撓み途中位置に分岐部分を形成し、この分岐部分と
本体部分とを制振部材9で連結して制振効果を得るよう
にしたものもある。すなわち、この制振装置において
は、ばね部材3に、同様の合金材料等よりなる圧延薄板
をエッチング等によりパターニングして、直線的に延在
する本体部分30と、撓み途中位置からの分岐部分31
と、支持部材1への固定位置からの分岐部分32とを形
成し、その本体部分30と分岐部分31,32とを、貼
着、滴下、印刷等により形成した同様の素材よりなる制
振部材9によって連結している。この場合もまた、制振
部材9は、紫外線照射、加熱等により硬化処理して形成
され、その硬さや粘度、形成量は、光ヘッドの共振特性
に応じて適宜設定される。
ば、図12に示すように、ばね部材3の支持部材1側近
傍の撓み途中位置に分岐部分を形成し、この分岐部分と
本体部分とを制振部材9で連結して制振効果を得るよう
にしたものもある。すなわち、この制振装置において
は、ばね部材3に、同様の合金材料等よりなる圧延薄板
をエッチング等によりパターニングして、直線的に延在
する本体部分30と、撓み途中位置からの分岐部分31
と、支持部材1への固定位置からの分岐部分32とを形
成し、その本体部分30と分岐部分31,32とを、貼
着、滴下、印刷等により形成した同様の素材よりなる制
振部材9によって連結している。この場合もまた、制振
部材9は、紫外線照射、加熱等により硬化処理して形成
され、その硬さや粘度、形成量は、光ヘッドの共振特性
に応じて適宜設定される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光ヘッドアクチュエータの制振装置にあって
は、振動するばね部材3に制振部材9を直接接触・連結
させることによって制振効果を得るようにしているた
め、以下に説明するように、光ヘッドアクチュエータの
動作を不安定にするという問題がある。
た従来の光ヘッドアクチュエータの制振装置にあって
は、振動するばね部材3に制振部材9を直接接触・連結
させることによって制振効果を得るようにしているた
め、以下に説明するように、光ヘッドアクチュエータの
動作を不安定にするという問題がある。
【0012】すなわち、図10に示したように、制振部
材9をゲルポケット10に注入して用いる構成にあって
は、ゲルポケット10内に制振部材9を所定の深さとな
るように適量を精度良く注入することが困難であり、ま
た注入充填後の硬化処理としての紫外線照射強度や加熱
温度、あるいはこれらの処理時間のばらつき等により、
架橋進度にもばらつきが生じ易い。このため、使用され
るばね部材3の相互間で充填量がばらついたり、硬度差
や粘度差が生じて、各ばね部材3の屈曲可能な長さが相
違し、これがためレンズホルダ4をフォーカシング方向
およびトラッキング方向に駆動するのに際して、それぞ
れのばね部材3の撓み量が均等でなくなり、対物レンズ
5の光軸傾斜を引き起こすことになる。
材9をゲルポケット10に注入して用いる構成にあって
は、ゲルポケット10内に制振部材9を所定の深さとな
るように適量を精度良く注入することが困難であり、ま
た注入充填後の硬化処理としての紫外線照射強度や加熱
温度、あるいはこれらの処理時間のばらつき等により、
架橋進度にもばらつきが生じ易い。このため、使用され
るばね部材3の相互間で充填量がばらついたり、硬度差
や粘度差が生じて、各ばね部材3の屈曲可能な長さが相
違し、これがためレンズホルダ4をフォーカシング方向
およびトラッキング方向に駆動するのに際して、それぞ
れのばね部材3の撓み量が均等でなくなり、対物レンズ
5の光軸傾斜を引き起こすことになる。
【0013】また、図12に示したように、ばね部材3
の本体部分と分岐部分とを制振部材9で連結する構成に
あっては、ばね部材3上に、制振部材9を所定の位置に
精度良く、適量を貼着、滴下、印刷等によって形成する
ことは極めて困難であり、また形成後の架橋進度にもば
らつきが生じ易いため、ばね部材3毎に、その形成位置
や形成量にばらつきが生じたり、硬度差等が生じ易い。
このため、同様に、各ばね部材3の屈曲可能な長さが相
違することになって、対物レンズ5の光軸傾斜を引き起
こすことになる。
の本体部分と分岐部分とを制振部材9で連結する構成に
あっては、ばね部材3上に、制振部材9を所定の位置に
精度良く、適量を貼着、滴下、印刷等によって形成する
ことは極めて困難であり、また形成後の架橋進度にもば
らつきが生じ易いため、ばね部材3毎に、その形成位置
や形成量にばらつきが生じたり、硬度差等が生じ易い。
このため、同様に、各ばね部材3の屈曲可能な長さが相
違することになって、対物レンズ5の光軸傾斜を引き起
こすことになる。
【0014】このように、対物レンズ5の光軸傾斜が生
じると、ディスクに照射したレーザースポットにサイド
ローブが生じて隣接トラックからのクロストークが生じ
易くなったり、トラックオフセットが生じて適切なトラ
ッキング制御ができなくなったり、さらに反射強度が低
下して再生信号レベルが低下する、等の現象が生じて光
ヘッドの性能としてのS/Nが低下するという問題が生
じることになる。
じると、ディスクに照射したレーザースポットにサイド
ローブが生じて隣接トラックからのクロストークが生じ
易くなったり、トラックオフセットが生じて適切なトラ
ッキング制御ができなくなったり、さらに反射強度が低
下して再生信号レベルが低下する、等の現象が生じて光
ヘッドの性能としてのS/Nが低下するという問題が生
じることになる。
【0015】さらに、これらの制振部材9は、硬化処理
終了後の遅れ反応による架橋の経年進行、硬度や損失弾
性率の経年変化等、エージング作用が大きいために、制
振性能が安定しない等の問題がある。
終了後の遅れ反応による架橋の経年進行、硬度や損失弾
性率の経年変化等、エージング作用が大きいために、制
振性能が安定しない等の問題がある。
【0016】この発明の目的は、このような従来の問題
点に着目してなされたもので、制振部材をばね部材等に
接触させることなく、安定した制振効果が得られる新規
な構造の光ヘッドアクチュエータの制振装置を提供しよ
うとするものである。
点に着目してなされたもので、制振部材をばね部材等に
接触させることなく、安定した制振効果が得られる新規
な構造の光ヘッドアクチュエータの制振装置を提供しよ
うとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、支持部材にばね部材を介して変位可能
に懸架支持した対物レンズを保持するレンズホルダを有
する光ヘッドアクチュエータに設けられ、前記レンズホ
ルダおよび前記支持部材の一方の側に設けた硬質磁性部
材と、この硬質磁性部材に空隙を介して対向して他方の
側に設けた導電部材とを有する制振装置であって、前記
硬質磁性部材の周縁部に、該硬質磁性部材とは逆向きに
磁化された磁性部材を配設したことを特徴とするもので
ある。
め、この発明は、支持部材にばね部材を介して変位可能
に懸架支持した対物レンズを保持するレンズホルダを有
する光ヘッドアクチュエータに設けられ、前記レンズホ
ルダおよび前記支持部材の一方の側に設けた硬質磁性部
材と、この硬質磁性部材に空隙を介して対向して他方の
側に設けた導電部材とを有する制振装置であって、前記
硬質磁性部材の周縁部に、該硬質磁性部材とは逆向きに
磁化された磁性部材を配設したことを特徴とするもので
ある。
【0018】この発明の一実施形態においては、前記磁
性部材を第二の硬質磁性部材をもって構成したことを特
徴とするものである。
性部材を第二の硬質磁性部材をもって構成したことを特
徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施形態について説明する。図1は、この発明の第1
実施形態の要部の構成を示すものである。この制振装置
は、例えばNd−Fe−B合金等よりなる硬質磁性部材
20と、この硬質磁性部材20に空隙Gを介して対向配
置した、例えばCu、Ag、Au、Al等よりなる導電
部材23とを有する。硬質磁性部材20は、導電部材2
3との対向方向と平行な方向に磁化されており、制振装
置の専用磁場発生源としても、光ヘッドアクチュエータ
の駆動用との兼用磁場発生源としても用いることが可能
である。この実施形態では、硬質磁性部材20の導電部
材23との対向方向周りの周縁部に、Fe、Ni、C
o、あるいはこれらを含む合金もしくはフェライト等よ
りなる軟質磁性部材21Nを額縁状に配設する。
の実施形態について説明する。図1は、この発明の第1
実施形態の要部の構成を示すものである。この制振装置
は、例えばNd−Fe−B合金等よりなる硬質磁性部材
20と、この硬質磁性部材20に空隙Gを介して対向配
置した、例えばCu、Ag、Au、Al等よりなる導電
部材23とを有する。硬質磁性部材20は、導電部材2
3との対向方向と平行な方向に磁化されており、制振装
置の専用磁場発生源としても、光ヘッドアクチュエータ
の駆動用との兼用磁場発生源としても用いることが可能
である。この実施形態では、硬質磁性部材20の導電部
材23との対向方向周りの周縁部に、Fe、Ni、C
o、あるいはこれらを含む合金もしくはフェライト等よ
りなる軟質磁性部材21Nを額縁状に配設する。
【0020】かかる構成すれば、図2に示すように、軟
質磁性部材21Nは、硬質磁性部材20による磁場によ
り、該硬質磁性部材20とは逆向きに磁化されて、その
周縁部近傍の磁場を収束するように作用するので、導電
部材23を貫く磁場は、硬質磁性部材20と軟質磁性部
材21Nとの境目近傍において急激に反転することにな
る。したがって、硬質磁性部材20と導電部材23とが
相互に相対変位すると、導電部材23には大きな渦電流
が生じて、制振装置としての大きな制動力を発生するよ
うになる。
質磁性部材21Nは、硬質磁性部材20による磁場によ
り、該硬質磁性部材20とは逆向きに磁化されて、その
周縁部近傍の磁場を収束するように作用するので、導電
部材23を貫く磁場は、硬質磁性部材20と軟質磁性部
材21Nとの境目近傍において急激に反転することにな
る。したがって、硬質磁性部材20と導電部材23とが
相互に相対変位すると、導電部材23には大きな渦電流
が生じて、制振装置としての大きな制動力を発生するよ
うになる。
【0021】図3は、図1に示した制振装置を搭載した
光ヘッドアクチュエータの一例の構成を示すものであ
る。この光ヘッドアクチュエータは、支持部材1側から
ほぼX方向にそれぞれ平行に延在して、例えばCu−B
e合金、Cu−P合金等よりなる4本のばね部材3を配
設し、これらのばね部材3の自由端側に対物レンズ5を
保持したレンズホルダ4を懸架支持して、図10に示し
た従来例と同様に、対物レンズ5をトラッキング(Y
軸)方向とフォーカシング(Z軸)方向とに変位可能に
構成したものである。
光ヘッドアクチュエータの一例の構成を示すものであ
る。この光ヘッドアクチュエータは、支持部材1側から
ほぼX方向にそれぞれ平行に延在して、例えばCu−B
e合金、Cu−P合金等よりなる4本のばね部材3を配
設し、これらのばね部材3の自由端側に対物レンズ5を
保持したレンズホルダ4を懸架支持して、図10に示し
た従来例と同様に、対物レンズ5をトラッキング(Y
軸)方向とフォーカシング(Z軸)方向とに変位可能に
構成したものである。
【0022】また、支持部材1側には、図10に示した
従来例と同様に、例えばFe、Ni、Co、あるいはこ
れらを含む合金、もしくはフェライト等よりなるコ字状
の軟質磁性ヨーク8を、その両脚部がX方向に対向し
て、レンズホルダ4の開口部4aに侵入するように設け
て、この軟質磁性ヨーク8の両脚部内面に、異なる磁極
面が空隙を介して対向するように、例えばNd−Fe−
B合金等よりなる硬質磁性部材20をそれぞれ設ける
他、これらの硬質磁性部材20を制振装置用にも兼用す
るため、その各々の周縁部には軟質磁性部材21Nを設
ける。さらに、レンズホルダ4には、その開口部4aの
内面に、図10に示した従来例と同様に、樹脂等からな
るボビン11に巻装した図示しない二つのトラッキング
コイルと一つのフォーカシングコイルとを、二つのトラ
ッキングコイルのY軸方向に隣接してそれぞれZ方向に
延在する導線部分と、フォーカシングコイルのY軸方向
に延在する一辺の導線部分とが、二つの硬質磁性部材2
0が対向する空隙に位置するように嵌合して設ける他、
二つの硬質磁性部材20が対向する空隙に位置するよう
に、制振装置を構成する導電部材23を設ける。このよ
うにして、対物レンズ5の駆動装置と同一箇所に制振装
置を構成する。なお、図3では、軟質磁性ヨーク8の両
脚部内面に、それぞれ硬質磁性部材20と軟質磁性部材
21Nとを設けたが、これらは一方の脚部内面に設ける
だけでもよい。
従来例と同様に、例えばFe、Ni、Co、あるいはこ
れらを含む合金、もしくはフェライト等よりなるコ字状
の軟質磁性ヨーク8を、その両脚部がX方向に対向し
て、レンズホルダ4の開口部4aに侵入するように設け
て、この軟質磁性ヨーク8の両脚部内面に、異なる磁極
面が空隙を介して対向するように、例えばNd−Fe−
B合金等よりなる硬質磁性部材20をそれぞれ設ける
他、これらの硬質磁性部材20を制振装置用にも兼用す
るため、その各々の周縁部には軟質磁性部材21Nを設
ける。さらに、レンズホルダ4には、その開口部4aの
内面に、図10に示した従来例と同様に、樹脂等からな
るボビン11に巻装した図示しない二つのトラッキング
コイルと一つのフォーカシングコイルとを、二つのトラ
ッキングコイルのY軸方向に隣接してそれぞれZ方向に
延在する導線部分と、フォーカシングコイルのY軸方向
に延在する一辺の導線部分とが、二つの硬質磁性部材2
0が対向する空隙に位置するように嵌合して設ける他、
二つの硬質磁性部材20が対向する空隙に位置するよう
に、制振装置を構成する導電部材23を設ける。このよ
うにして、対物レンズ5の駆動装置と同一箇所に制振装
置を構成する。なお、図3では、軟質磁性ヨーク8の両
脚部内面に、それぞれ硬質磁性部材20と軟質磁性部材
21Nとを設けたが、これらは一方の脚部内面に設ける
だけでもよい。
【0023】かかる構成において、トラッキングコイル
に通電すると、そのZ軸方向に流れる電流と硬質磁性部
材20によるX軸方向を向いた磁場との電磁相互作用に
より、トラッキングコイルにはY軸方向の力が作用する
ようになり、また、フォーカシングコイルに通電する
と、そのY軸方向に流れる電流と硬質磁性部材20によ
るX軸方向を向いた磁場との電磁相互作用によりZ軸方
向の力が作用するようになる。したがって、トラッキン
グコイルにより、対物レンズ5を図示しないディスクの
トラックを横切るY軸方向と平行に変位させて、その光
軸を情報ピット列等からなるトラック中心に追従させる
トラッキング制御が可能となり、また、フォーカシング
コイルにより、対物レンズ5をディスクの記録面と直交
するZ軸方向と平行に変位させて、その焦点を情報ピッ
ト列等が形成されている記録面に位置させるフォーカシ
ング制御が可能となる。
に通電すると、そのZ軸方向に流れる電流と硬質磁性部
材20によるX軸方向を向いた磁場との電磁相互作用に
より、トラッキングコイルにはY軸方向の力が作用する
ようになり、また、フォーカシングコイルに通電する
と、そのY軸方向に流れる電流と硬質磁性部材20によ
るX軸方向を向いた磁場との電磁相互作用によりZ軸方
向の力が作用するようになる。したがって、トラッキン
グコイルにより、対物レンズ5を図示しないディスクの
トラックを横切るY軸方向と平行に変位させて、その光
軸を情報ピット列等からなるトラック中心に追従させる
トラッキング制御が可能となり、また、フォーカシング
コイルにより、対物レンズ5をディスクの記録面と直交
するZ軸方向と平行に変位させて、その焦点を情報ピッ
ト列等が形成されている記録面に位置させるフォーカシ
ング制御が可能となる。
【0024】ここで、図3に示す光ヘッドアクチュエー
タにおいて、外部から衝撃や振動が加わると、ばね部材
3は、例えばその撓み変形の固有振動数での共振等によ
り、レンズホルダ4とともにZ軸方向やY軸方向、YZ
合成方向あるいはX軸周りの回転方向等へ大きな変位を
開始しようとする。しかし、このような現象が生じる
と、軟質磁性部材21Nを含む硬質磁性部材20側と導
電部材23側との相対位置が変化して、導電部材23を
貫通する磁場が変化することになる。この磁場の変化
は、特に、硬質磁性部材20と軟質磁性部材21Nとの
境目近傍において急激になる。
タにおいて、外部から衝撃や振動が加わると、ばね部材
3は、例えばその撓み変形の固有振動数での共振等によ
り、レンズホルダ4とともにZ軸方向やY軸方向、YZ
合成方向あるいはX軸周りの回転方向等へ大きな変位を
開始しようとする。しかし、このような現象が生じる
と、軟質磁性部材21Nを含む硬質磁性部材20側と導
電部材23側との相対位置が変化して、導電部材23を
貫通する磁場が変化することになる。この磁場の変化
は、特に、硬質磁性部材20と軟質磁性部材21Nとの
境目近傍において急激になる。
【0025】このため、硬質磁性部材20と軟質磁性部
材21Nとの境目近傍と対向する導電部材23には、磁
場の変化に誘導された特に大きな渦電流が流れ、その渦
電流と硬質磁性部材20からの磁場との電磁相互作用に
より、軟質磁性部材21Nを含む硬質磁性部材20側と
導電部材23側との相対的変位を阻止する方向に制止力
が作用することになる。しかも、このような渦電流は、
変位速度が速いほど大きくなるので、衝撃や振動が激し
く加わって急速な変位を生じるほど強い制止力となって
効果的に作用する。したがって、ばね部材3の撓み振動
のように、振幅の大きないわゆる一次振動の制振のみな
らず、さらに高次の振動やレンズホルダ4の枠振動等の
高い振動数の共振に対しても有効に制振することができ
る。
材21Nとの境目近傍と対向する導電部材23には、磁
場の変化に誘導された特に大きな渦電流が流れ、その渦
電流と硬質磁性部材20からの磁場との電磁相互作用に
より、軟質磁性部材21Nを含む硬質磁性部材20側と
導電部材23側との相対的変位を阻止する方向に制止力
が作用することになる。しかも、このような渦電流は、
変位速度が速いほど大きくなるので、衝撃や振動が激し
く加わって急速な変位を生じるほど強い制止力となって
効果的に作用する。したがって、ばね部材3の撓み振動
のように、振幅の大きないわゆる一次振動の制振のみな
らず、さらに高次の振動やレンズホルダ4の枠振動等の
高い振動数の共振に対しても有効に制振することができ
る。
【0026】図4は、図1に示した制振装置を搭載した
光ヘッドアクチュエータの他の例の構成を示すものであ
る。この光ヘッドアクチュエータは、支持部材1側から
対物レンズ5を保持するレンズホルダ4に向かって、X
Y平面と平行な面内において先狭となるように4本のば
ね部材3を延在させ、それらの先端部においてレンズホ
ルダ4を懸架支持する。
光ヘッドアクチュエータの他の例の構成を示すものであ
る。この光ヘッドアクチュエータは、支持部材1側から
対物レンズ5を保持するレンズホルダ4に向かって、X
Y平面と平行な面内において先狭となるように4本のば
ね部材3を延在させ、それらの先端部においてレンズホ
ルダ4を懸架支持する。
【0027】また、支持部材1側には、Y軸方向と平行
な方向に離間して二つのコ字状の軟質磁性ヨーク8をレ
ンズホルダ4に対して対称に配置し、その各々の外側の
脚部の内面にY軸方向に磁化された硬質磁性部材20を
設けると共に、その周縁部に軟質磁性部材21Nを設け
る。さらに、レンズホルダ4には、各軟質磁性ヨーク8
の内側の脚部に侵入させて、図示しないトラッキングコ
イルとフォーカシングコイルとを図10に示した従来例
と同様に巻装した樹脂等からなるボビン11を取り付け
ると共に、これらコイルとともに各軟質磁性ヨーク8に
設けた硬質磁性部材20と空隙を介して対向するように
導電部材23を取り付ける。このようにして、レンズホ
ルダ4の支持中心を通るZX面に関して対称な同一箇所
に、一対の対物レンズ5の駆動装置と一対の制振装置と
を設ける。
な方向に離間して二つのコ字状の軟質磁性ヨーク8をレ
ンズホルダ4に対して対称に配置し、その各々の外側の
脚部の内面にY軸方向に磁化された硬質磁性部材20を
設けると共に、その周縁部に軟質磁性部材21Nを設け
る。さらに、レンズホルダ4には、各軟質磁性ヨーク8
の内側の脚部に侵入させて、図示しないトラッキングコ
イルとフォーカシングコイルとを図10に示した従来例
と同様に巻装した樹脂等からなるボビン11を取り付け
ると共に、これらコイルとともに各軟質磁性ヨーク8に
設けた硬質磁性部材20と空隙を介して対向するように
導電部材23を取り付ける。このようにして、レンズホ
ルダ4の支持中心を通るZX面に関して対称な同一箇所
に、一対の対物レンズ5の駆動装置と一対の制振装置と
を設ける。
【0028】かかる構成において、一対の駆動装置のフ
ォーカシングコイルに通電すれば、ともにZ軸方向の駆
動力を発生して、レンズホルダ4ひいては対物レンズ5
をフォーカシング方向に平行に移動させることができ、
また、一対の駆動装置のトラッキングコイルに通電すれ
ば、相互に逆向きでX軸に平行な駆動力を発生して、レ
ンズホルダ4をZ軸に平行な軸周りに回動させて、対物
レンズ5をトラッキング方向に移動させることができ
る。
ォーカシングコイルに通電すれば、ともにZ軸方向の駆
動力を発生して、レンズホルダ4ひいては対物レンズ5
をフォーカシング方向に平行に移動させることができ、
また、一対の駆動装置のトラッキングコイルに通電すれ
ば、相互に逆向きでX軸に平行な駆動力を発生して、レ
ンズホルダ4をZ軸に平行な軸周りに回動させて、対物
レンズ5をトラッキング方向に移動させることができ
る。
【0029】ここで、図4に示す光ヘッドアクチュエー
タにおいても、外部から衝撃や振動が加わって、一対の
制振装置の各々において、軟質磁性部材21Nを含む硬
質磁性部材20側と導電部材23側との相対位置が変化
しようとすると、硬質磁性部材20と軟質磁性部材21
Nとの境目近傍と対向する導電部材23に、磁場の変化
に誘導された特に大きな渦電流が流れ、その渦電流と硬
質磁性部材20からの磁場との電磁相互作用により、軟
質磁性部材21Nを含む硬質磁性部材20側と導電部材
23側との相対的変位を阻止する方向に制止力が作用す
ることになる。したがって、この光ヘッドアクチュエー
タにおいても、制振作用を有効に発揮することができ
る。
タにおいても、外部から衝撃や振動が加わって、一対の
制振装置の各々において、軟質磁性部材21Nを含む硬
質磁性部材20側と導電部材23側との相対位置が変化
しようとすると、硬質磁性部材20と軟質磁性部材21
Nとの境目近傍と対向する導電部材23に、磁場の変化
に誘導された特に大きな渦電流が流れ、その渦電流と硬
質磁性部材20からの磁場との電磁相互作用により、軟
質磁性部材21Nを含む硬質磁性部材20側と導電部材
23側との相対的変位を阻止する方向に制止力が作用す
ることになる。したがって、この光ヘッドアクチュエー
タにおいても、制振作用を有効に発揮することができ
る。
【0030】以上説明した光ヘッドアクチュエータの制
振装置によれば、ばね部材3に接触することなく、強力
な制振な可能であり、しかもレンズホルダ4をフォーカ
シング方向やトラッキング方向に駆動するに際して、ば
ね部材3を均等に撓み変形させることができる。したが
って、対物レンズ5の光軸傾斜を低減することができる
ことから、レーザスポットのサイドローブの発生を有効
に防止できるので、隣接トラックからのクロストークや
トラックオフセットを有効に低減することができると共
に、反射強度の低下も有効に防止することができる。
振装置によれば、ばね部材3に接触することなく、強力
な制振な可能であり、しかもレンズホルダ4をフォーカ
シング方向やトラッキング方向に駆動するに際して、ば
ね部材3を均等に撓み変形させることができる。したが
って、対物レンズ5の光軸傾斜を低減することができる
ことから、レーザスポットのサイドローブの発生を有効
に防止できるので、隣接トラックからのクロストークや
トラックオフセットを有効に低減することができると共
に、反射強度の低下も有効に防止することができる。
【0031】また、制振装置として、安定した材料の、
硬質磁性部材20、軟質磁性部材21Nおよび導電部材
23を用いているので、経時変化が小さく、長期に亘っ
て安定した動作が可能となる。
硬質磁性部材20、軟質磁性部材21Nおよび導電部材
23を用いているので、経時変化が小さく、長期に亘っ
て安定した動作が可能となる。
【0032】図5は、第1実施形態の変形例の要部の構
成を示すものである。この制振装置は、硬質磁性部材2
0の周縁部における対向する二辺の近傍に軟質磁性部材
21Nを設けて、特定の方向、すなわち硬質磁性部材2
0と導電部材23との矢印A方向の相対変位に対して制
止力が作用するように構成したもので、その他の構成は
図1で示したものと同様である。したがって、かかる制
振装置も、例えば図3や図4に示したような光ヘッドア
クチュエータに適用することができる。なお、この場合
には、特に大きな制振を必要とする方向に矢印Aを向け
て制振装置を配設すればよい。また、必要とされる制止
力の大きさに応じて、軟磁性部材21Nを硬質磁性部材
20の周縁部の一辺にのみ設ける等、適宜設計すればよ
い。
成を示すものである。この制振装置は、硬質磁性部材2
0の周縁部における対向する二辺の近傍に軟質磁性部材
21Nを設けて、特定の方向、すなわち硬質磁性部材2
0と導電部材23との矢印A方向の相対変位に対して制
止力が作用するように構成したもので、その他の構成は
図1で示したものと同様である。したがって、かかる制
振装置も、例えば図3や図4に示したような光ヘッドア
クチュエータに適用することができる。なお、この場合
には、特に大きな制振を必要とする方向に矢印Aを向け
て制振装置を配設すればよい。また、必要とされる制止
力の大きさに応じて、軟磁性部材21Nを硬質磁性部材
20の周縁部の一辺にのみ設ける等、適宜設計すればよ
い。
【0033】図6は、この発明の第2実施形態の要部の
構成を示すものである。この制振装置は、例えばNd−
Fe−B合金等よりなる硬質磁性部材20と、この硬質
磁性部材20に空隙Gを介して対向配置した、例えばC
u、Ag、Au、Al等よりなる導電部材23とを有す
る。硬質磁性部材20は、導電部材23との対向方向と
平行な方向に磁化されており、制振装置の専用磁場発生
源としても、光ヘッドアクチュエータの駆動用との兼用
磁場発生源としても用いることが可能である。この実施
形態では、硬質磁性部材20の導電部材23との対向方
向周りの周縁部に、硬質磁性部材20とは逆向きに磁化
した例えば同質のNd−Fe−B合金その他よりなる第
二の硬質磁性部材21Kを額縁状に配設する。
構成を示すものである。この制振装置は、例えばNd−
Fe−B合金等よりなる硬質磁性部材20と、この硬質
磁性部材20に空隙Gを介して対向配置した、例えばC
u、Ag、Au、Al等よりなる導電部材23とを有す
る。硬質磁性部材20は、導電部材23との対向方向と
平行な方向に磁化されており、制振装置の専用磁場発生
源としても、光ヘッドアクチュエータの駆動用との兼用
磁場発生源としても用いることが可能である。この実施
形態では、硬質磁性部材20の導電部材23との対向方
向周りの周縁部に、硬質磁性部材20とは逆向きに磁化
した例えば同質のNd−Fe−B合金その他よりなる第
二の硬質磁性部材21Kを額縁状に配設する。
【0034】かかる構成によれば、図7に示すように、
第二の硬質磁性部材21Kは、硬質磁性部材20による
磁場とは反転した強力な磁場を形成するので、導電部材
23を貫く磁場は、硬質磁性部材20と第二の硬質磁性
部材21Kとの境目近傍においてさらに急激に反転する
ことになる。したがって、硬質磁性部材20および第二
の硬質磁性部材21Kと、導電部材23とが相互に相対
変位しようとすると、極めて大きな制止力が発生するよ
うになるので、制振装置として、さらに強力な制振作用
を発揮することができる。
第二の硬質磁性部材21Kは、硬質磁性部材20による
磁場とは反転した強力な磁場を形成するので、導電部材
23を貫く磁場は、硬質磁性部材20と第二の硬質磁性
部材21Kとの境目近傍においてさらに急激に反転する
ことになる。したがって、硬質磁性部材20および第二
の硬質磁性部材21Kと、導電部材23とが相互に相対
変位しようとすると、極めて大きな制止力が発生するよ
うになるので、制振装置として、さらに強力な制振作用
を発揮することができる。
【0035】なお、硬質磁性部材20および第二の硬質
磁性部材21Kは、別体構成としてそれぞれ個別に形成
して着磁した後に、接着や接合等の方法で組み合わせた
ものや、一体構成として磁化方向だけを反転させる着磁
処理を施したもの等、何れの構成をも採用することがで
きる。
磁性部材21Kは、別体構成としてそれぞれ個別に形成
して着磁した後に、接着や接合等の方法で組み合わせた
ものや、一体構成として磁化方向だけを反転させる着磁
処理を施したもの等、何れの構成をも採用することがで
きる。
【0036】したがって、この実施形態の制振装置を、
図3や図4に示す構成の光ヘッドアクチュエータに搭載
すれば、対物レンズ5の光軸傾斜をより確実に低減する
ことができることから、レーザスポットのサイドローブ
の発生を有効に防止できるので、隣接トラックからのク
ロストークやトラックオフセットを有効に低減すること
ができると共に、反射強度の低下もより有効に防止する
ことができる。また、制振装置として、硬質磁性部材2
0、第二の硬質磁性部材21Kおよび導電部材23と言
った安定した材料を用いているので、経時変化が小さ
く、長期に亘って安定した動作が可能なことに加え、外
部からの衝撃や振動に対して、より一層強力な制止力を
得ることができる。
図3や図4に示す構成の光ヘッドアクチュエータに搭載
すれば、対物レンズ5の光軸傾斜をより確実に低減する
ことができることから、レーザスポットのサイドローブ
の発生を有効に防止できるので、隣接トラックからのク
ロストークやトラックオフセットを有効に低減すること
ができると共に、反射強度の低下もより有効に防止する
ことができる。また、制振装置として、硬質磁性部材2
0、第二の硬質磁性部材21Kおよび導電部材23と言
った安定した材料を用いているので、経時変化が小さ
く、長期に亘って安定した動作が可能なことに加え、外
部からの衝撃や振動に対して、より一層強力な制止力を
得ることができる。
【0037】図8は、この発明の第2実施形態の変形例
の要部の構成を示すものである。この制振装置では、導
電部材23に空隙Gを介して、その幅方向に二個の硬質
磁性部材20L、20Rを対向配置すると共に、これら
硬質磁性部材20L、20Rの周縁部近傍の各三辺に、
例えば同質のNd−Fe−B合金その他よりなる第二の
硬質磁性部材21KL、21KRを配置する。ここで、
硬質磁性部材20L、20Rは、それぞれの磁化の方向
を、導電部材23との対向方向で相互に逆向きとし、第
二の硬質磁性部材21KL、21KRは、それぞれ対応
する硬質磁性部材20L、20Rとは逆向きに磁化す
る。
の要部の構成を示すものである。この制振装置では、導
電部材23に空隙Gを介して、その幅方向に二個の硬質
磁性部材20L、20Rを対向配置すると共に、これら
硬質磁性部材20L、20Rの周縁部近傍の各三辺に、
例えば同質のNd−Fe−B合金その他よりなる第二の
硬質磁性部材21KL、21KRを配置する。ここで、
硬質磁性部材20L、20Rは、それぞれの磁化の方向
を、導電部材23との対向方向で相互に逆向きとし、第
二の硬質磁性部材21KL、21KRは、それぞれ対応
する硬質磁性部材20L、20Rとは逆向きに磁化す
る。
【0038】かかる構成によれば、第二の硬質磁性部材
21KLは、硬質磁性部材20Lによる磁場とは反転し
た強力な磁場を形成し、第二の硬質磁性部材21KR
は、硬質磁性部材20Rによる磁場とは反転した強力な
磁場を形成するので、導電部材23を貫く磁場は、硬質
磁性部材20Lと第二の硬質磁性部材21KLとの境目
近傍、および硬質磁性部材20Rと第二の硬質磁性部材
21KRとの境目近傍、さらには硬質磁性部材20Lと
硬質磁性部材20Rとの境目近傍において、それぞれ急
激に反転することになる。したがって、硬質磁性部材2
0L、20Rおよび第二の硬質磁性部材21KL、21
KRと、導電部材23とが相互に相対変位しようとする
と、さらに大きな制止力が発生するようになるので、制
振装置として、さらに強力な制振作用を発揮することが
できる。
21KLは、硬質磁性部材20Lによる磁場とは反転し
た強力な磁場を形成し、第二の硬質磁性部材21KR
は、硬質磁性部材20Rによる磁場とは反転した強力な
磁場を形成するので、導電部材23を貫く磁場は、硬質
磁性部材20Lと第二の硬質磁性部材21KLとの境目
近傍、および硬質磁性部材20Rと第二の硬質磁性部材
21KRとの境目近傍、さらには硬質磁性部材20Lと
硬質磁性部材20Rとの境目近傍において、それぞれ急
激に反転することになる。したがって、硬質磁性部材2
0L、20Rおよび第二の硬質磁性部材21KL、21
KRと、導電部材23とが相互に相対変位しようとする
と、さらに大きな制止力が発生するようになるので、制
振装置として、さらに強力な制振作用を発揮することが
できる。
【0039】この変形例の制振装置においても、硬質磁
性部材20L、20Rは、制振装置の専用磁場発生源と
して、あるいは光ヘッドアクチュエータの駆動用との兼
用磁場発生源として用いることができる。また、硬質磁
性部材20Lや20R、あるいはこれらと第二の硬質磁
性部材21KLや21KRとは、それぞれ別体構成とし
てそれぞれ個別に形成して着磁した後に、接着や接合等
の方法で組み合わせたものや、一体構成として磁化方向
だけを反転させる着磁処理を施したもの等、何れの構成
をも採用することができる。さらに、図9に示すよう
に、硬質磁性部材20Lと20Rとを離間させて、例え
ば駆動用のコイルの巻線空間を確保した構成も採用する
ことができる。
性部材20L、20Rは、制振装置の専用磁場発生源と
して、あるいは光ヘッドアクチュエータの駆動用との兼
用磁場発生源として用いることができる。また、硬質磁
性部材20Lや20R、あるいはこれらと第二の硬質磁
性部材21KLや21KRとは、それぞれ別体構成とし
てそれぞれ個別に形成して着磁した後に、接着や接合等
の方法で組み合わせたものや、一体構成として磁化方向
だけを反転させる着磁処理を施したもの等、何れの構成
をも採用することができる。さらに、図9に示すよう
に、硬質磁性部材20Lと20Rとを離間させて、例え
ば駆動用のコイルの巻線空間を確保した構成も採用する
ことができる。
【0040】なお、以上説明した制振装置は、図3や図
4に示した光ヘッドアクチュエータに限らず、ばね部材
による懸架支持構造を有するその他の種々の光ヘッドア
クチュエータ、例えば支持部材1側に駆動用のコイルを
配設したムービングマグネット方式の光ヘッドアクチュ
エータ等にも有効に適用することができる。
4に示した光ヘッドアクチュエータに限らず、ばね部材
による懸架支持構造を有するその他の種々の光ヘッドア
クチュエータ、例えば支持部材1側に駆動用のコイルを
配設したムービングマグネット方式の光ヘッドアクチュ
エータ等にも有効に適用することができる。
【0041】
【発明の効果】この発明による制振装置によれば、硬質
磁性部材の周縁部に逆向きに磁化して磁性部材を配設
し、これら硬質磁性部材および磁性部材を空隙を介して
導電部材と対向させる構成としたので、ばね部材に接触
させることなく、強力な制振が可能となり、しかもレン
ズホルダをフォーカシング方向やトラッキング方向に駆
動するに際して、ばね部材を均等に撓み変形させること
ができる。したがって、レーザスポットのサイドローブ
の発生を有効に防止できるので、隣接トラックからのク
ロストークやトラックオフセットを有効に低減できると
共に、反射強度の低下を防止でき、光ヘッドの性能とし
てのS/Nの低下を有効に防止することができる。
磁性部材の周縁部に逆向きに磁化して磁性部材を配設
し、これら硬質磁性部材および磁性部材を空隙を介して
導電部材と対向させる構成としたので、ばね部材に接触
させることなく、強力な制振が可能となり、しかもレン
ズホルダをフォーカシング方向やトラッキング方向に駆
動するに際して、ばね部材を均等に撓み変形させること
ができる。したがって、レーザスポットのサイドローブ
の発生を有効に防止できるので、隣接トラックからのク
ロストークやトラックオフセットを有効に低減できると
共に、反射強度の低下を防止でき、光ヘッドの性能とし
てのS/Nの低下を有効に防止することができる。
【0042】また、制振装置として、硬質磁性部材、磁
性部材および導電部材といった安定した材料を用いてい
るので、経時変化が小さく、長期間に亘って安定した動
作が可能となる。
性部材および導電部材といった安定した材料を用いてい
るので、経時変化が小さく、長期間に亘って安定した動
作が可能となる。
【0043】さらに、逆向きに磁化された磁性部材を第
二の硬質磁性部材をもって構成することにより、より強
力な制振が可能となる。
二の硬質磁性部材をもって構成することにより、より強
力な制振が可能となる。
【図1】この発明の第1実施形態の要部の構成を示す斜
視図である。
視図である。
【図2】第1実施形態における動作を説明するための図
である。
である。
【図3】図1に示した制振装置を搭載した光ヘッドアク
チュエータの一例の構成を示す斜視図である。
チュエータの一例の構成を示す斜視図である。
【図4】同じく、他の例の構成を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の変形例の要部の構成を示す斜視
図である。
図である。
【図6】この発明の第2実施形態の要部の構成を示す斜
視図である。
視図である。
【図7】第2実施形態における動作を説明するための図
である。
である。
【図8】第2実施形態の変形例の要部の構成を示す斜視
図である。
図である。
【図9】同じく、第2実施形態の他の変形例の要部の構
成を示す斜視図である。
成を示す斜視図である。
【図10】従来の光ヘッドアクチュエータの制振装置を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図11】図10に示す光ヘッドアクチュエータの部分
分解斜視図である。
分解斜視図である。
【図12】従来の他の制振装置を説明するための図であ
る。
る。
1 支持部材 3 ばね部材 4 レンズホルダ 5 対物レンズ 20,20L,20R 硬質磁性部材 21N 軟質磁性部材 21K,21KL,21KR 第二の硬質磁性部材 23 導電部材
Claims (2)
- 【請求項1】 支持部材にばね部材を介して変位可能に
懸架支持した対物レンズを保持するレンズホルダを有す
る光ヘッドアクチュエータに設けられ、前記レンズホル
ダおよび前記支持部材の一方の側に設けた硬質磁性部材
と、この硬質磁性部材に空隙を介して対向して他方の側
に設けた導電部材とを有する制振装置であって、 前記硬質磁性部材の周縁部に、該硬質磁性部材とは逆向
きに磁化された磁性部材を配設したことを特徴とする光
ヘッドアクチュエータの制振装置。 - 【請求項2】 前記磁性部材を第二の硬質磁性部材をも
って構成したことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド
アクチュエータの制振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8202698A JPH11283259A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 光ヘッドアクチュエータの制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8202698A JPH11283259A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 光ヘッドアクチュエータの制振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11283259A true JPH11283259A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=13763027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8202698A Pending JPH11283259A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 光ヘッドアクチュエータの制振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11283259A (ja) |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP8202698A patent/JPH11283259A/ja active Pending
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