JPH11280675A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JPH11280675A
JPH11280675A JP16007898A JP16007898A JPH11280675A JP H11280675 A JPH11280675 A JP H11280675A JP 16007898 A JP16007898 A JP 16007898A JP 16007898 A JP16007898 A JP 16007898A JP H11280675 A JPH11280675 A JP H11280675A
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JP
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scroll member
movable scroll
front head
fixed
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JP16007898A
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Susumu Makihira
進 牧平
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置自体の小型化を図ると共に、小型化によ
って生じる欠点、例えば高速運転で可動スクロールに働
く転覆力に起因するラップの摩耗を防止する。 【解決手段】 可動スクロール部材を前記フロントヘッ
ド側に付勢する付勢手段を設けたことによって、前記可
動スクロール部材を前記フロントヘッド側に押圧できる
ので、高速運転時に生じる可動スクロール部材に対する
転覆力を確実に抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、例えば車両等に
搭載される外部動力によって駆動される圧縮機であっ
て、渦巻状の固定スクロールに対して、渦巻状の可動ス
クロールが自転をしない旋回運動(以下、揺動運動とい
う)を行って、前記固定スクロール及び前記可動スクロ
ールによって画成される圧縮室の拡大・縮小を行うスク
ロール型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、特開平7−1670
67号公報及び特開平8−210274号公報に開示さ
れるスクロール型圧縮機がある。
【0003】先ず、特開平7−167067号公報に開
示されるスクロール型圧縮機は、自転防止機構を簡略化
すると共に、スクロール圧縮機自体の小型化、軽量化、
低コスト化を目的としたもので、ケーシングの内側から
突出するピンと、可動スクロールの端面から突出するピ
ンとを相互に接触させて自転防止機構を構成すると共
に、装置自体を小型化するために前記固定スクロールと
可動スクロールによって画成される圧縮室は、回転軸方
向に長く、径方向に小さく形成される。
【0004】また、前記特開平8−219053号公報
に開示されるスクロール型圧縮機は、可動スクロール
と、この可動スクロールの背面が当接する受圧壁面との
間に介在された耐摩耗リングの幅狭部をなくし耐久性を
向上させるようにしたものであるが、上述した引例と同
様に、装置自体を小型化するために前記固定スクロール
と可動スクロールによって画成される圧縮室は、回転軸
方向に長く、径方向に小さく形成される。
【0005】上述したように、車両に搭載される圧縮機
の小型化のために、スクロール圧縮機においては、可動
スクロールの揺動運動範囲を小さくすることが考慮さ
れ、また揺動運動範囲を小さくすることに対して圧縮室
の容積を確保するために、圧縮室の軸方向の長さ、いわ
ゆる固定及び可動スクロールの渦巻状の壁(以下、ラッ
プという)を高くする必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクロ
ール圧縮機のラップを高くして小型化を図ると、スクロ
ール圧縮機の高速運転時において、可動スクロールに転
覆力が発生して偏荷重がかかり、固定スクロール及び可
動スクロールのラップの摩耗を招くという欠点があっ
た。
【0007】そこで、この発明は、装置自体の小型化を
図ると共に、小型化によって生じる欠点、例えば高速運
転で可動スクロールに働く転覆力に起因するラップの摩
耗を防止することのできるスクロール型圧縮機を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】したがって、この発明
は、フロントヘッドと、該フロントヘッドに外嵌してケ
ースハウジングを構成するシェルと、前記フロントヘッ
ドを貫通する貫通孔に回転自在に装着される駆動軸と、
該駆動軸の回転に伴って旋回運動を行うと共に渦巻状に
形成された可動スクロールを有する可動スクロール部材
と、前記シェルに固着されると共に前記可動スクロール
と噛合して圧縮室を画成する渦巻状の固定スクロールを
有する固定スクロール部材と、前記可動スクロール部材
と前記フロントヘッドとの間の設けられ、前記可動スク
ロール部材の自転を防止する自転防止機構とを有するス
クロール型圧縮機において、前記可動スクロール部材
を、前記フロントヘッド側に付勢する付勢手段を設けた
ことにある。
【0009】これによって、この発明によれば、可動ス
クロール部材を前記フロントヘッド側に付勢する付勢手
段を設けたことによって、前記可動スクロール部材を前
記フロントヘッド側に押圧できるので、高速運転時に生
じる可動スクロール部材に対する転覆力を確実に抑える
ことができるものである。つまり、前記転覆力に対する
転覆安全率Sは、下記する数式1によって表すことがで
きる。
【0010】
【数1】S=K|Fth+F|
【0011】尚、この数式1において、Kはスクロール
のプロファイル、運転条件によって定まる定数であり、
Fthは圧縮ガスによるスラスト力であり、Fは外力であ
る。
【0012】上記の場合、前記付勢手段を設けることに
よって、前記外力Fを増大させることができるので、転
覆安全率Sを高めることができ、よって可動スクロール
部材に働く転覆力による不具合を防止できるものであ
る。また、可動スクロール部材を前記フロントヘッド側
に押圧するようにしたことによって、可動スクロール部
材と固定スクロール部材との当接摺動部分に余分な負荷
がかかることを防止できるので、ラップの摩耗を低減す
ることができるものである。
【0013】さらに、この発明において、前記自転防止
機構は、前記可動スクロール部材の旋回運動に伴って前
記可動スクロール部材と前記フロントヘッドの間で旋回
運動する複数のボールと、前記フロントヘッドの可動ス
クロール側側面に固着され、前記各々のボールの旋回範
囲に形成された球溝を有する固定側リテーナと、前記可
動スクロール部材のフロントヘッド側側面に固着され、
前記各々のボールの旋回範囲に形成された球溝を有する
ボール保持部が形成された可動側リテーナとによって構
成されることにある。
【0014】これによって、前記ボールが、前記固定側
リテーナに形成された球溝と、前記可動側リテーナに形
成された球溝によって制限された旋回運動を行うことか
ら前記可動スクロール部材の自転を防止すると共に、前
記付勢手段による付勢力及び圧縮ガスによるスラスト力
を前記ボールによって受けることができるので、可動ス
クロール部材の揺動運動時の摩擦力を軽減できると共
に、可動スクロール部材に働く転覆力を効率よく受ける
ことができるものである。
【0015】さらに、前記付勢手段は、前記可動スクロ
ール部材側に設けられた可動側固定手段と、フロントヘ
ッド側に設けられたヘッド側固定手段との間に設けられ
るか、また、前記可動側リテーナに設けられた可動側固
定手段と、フロントヘッド側に設けられたヘッド側固定
手段との間に設けられるものであることが望ましい。
【0016】さらに、前記付勢手段は、前記可動側固定
手段と前記ヘッド側固定手段の間に設けられ、前記可動
スクロール部材を前記フロントヘッド側に引っ張る複数
の引っ張りバネである。
【0017】前記付勢手段を圧縮バネとした場合、前記
数式の外力Fが負の値となることから、転覆安全率Sを
大きくするためには、Fthを大きく上回る強力なバネが
必要となるために、装置の組み付け性が低下すると共
に、可動スクロール部材のラップが固定スクロール部材
に押し付けられるため、可動スクロール部材と固定スク
ロール部材の間に耐摩耗プレート等を介在させる必要が
生じ、さらに起動時及び運転トルクの上昇につながると
いう不具合が生じる。
【0018】これに対して、前記付勢手段として引っ張
りバネを使用した場合、前記外力FがFthと同方向とな
ることから、転覆安全率Sは強力なバネとしなくてもそ
の数値を上げることができ、組み付け性を向上させるこ
とができると共に、可動スクロール部材がフロントヘッ
ド側に引き寄せられているため、可動スクロール部材と
固定スクロール部材との間の摩擦力を低減する。これに
よって、余分な部材(耐摩耗板等)を介在させる必要が
なくなると共に、起動時及び運転トルクを低減
【0019】また、前記ヘッド側固定手段は、前記フロ
ントヘッド及びシェルによって挟持固定されたプレート
であることが望ましい。これによって、簡易な構造で前
記付勢手段のフロントヘッド側の一端を固定することで
きるものである。
【0020】さらに、前記引っ張りバネの両端を、球状
に形成しても良いものである。球状の形成することによ
って、可動スクロール部材の揺動運動に対して前記引っ
張りバネ端部の回動運動を円滑に行うことができるよう
になるものである。
【0021】さらに、前記引っ張りバネは、前記可動ス
クロール部材側の径を前記フロントヘッド側の径より小
さくすることが望ましい。
【0022】前記引っ張りバネの可動スクロール部材側
の部分は、前記可動スクロール部材に合わせて旋回運動
するので、旋回範囲を十分に確保できないと、可動スク
ロール部材側の端部がその周辺にあるシェル等の部材に
接触する恐れがある。そこで、前記可動スクロール部材
側の径を前記フロントヘッド側の径より小さく形成する
ことによって、前記引っ張りバネの可動スクロール側の
部分が旋回運動する際に占める旋回範囲を小さくするこ
とができるので、前記引っ張りバネの配置スペースを小
さくすることができ、装置全体の小型化が図れるもので
ある。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面により説明する。
【0024】図1で示す第1の実施の形態に係るスクロ
ール型圧縮機1は、ケースハウジング2を構成するフロ
ントヘッド3及びシェル4を有する。前記フロントヘッ
ド3は、該フロントヘッド3を貫通して形成された貫通
孔5を有し、該貫通孔5には、外部動力によって回転さ
れる駆動軸6がベアリング7,8を介して回転自在に装
着される。尚、前記ベアリング7と、前記ベアリング8
との間には、前記ケースハウジング2の内部と外部とを
遮断するシール部9が設けられる。
【0025】また、前記駆動軸6の端部には、軸方向に
この駆動軸6の中心軸に偏心して突出する偏心軸10が
形成される。この偏心軸10は、断面が長方形に形成さ
れており、ブッシュ11に形成された略長方形の装着孔
12に挿着される。このブッシュ11には、下記する可
動スクロール部材20との間の回転バランスをとるため
のバランスウェート13が嵌着され、外周面に当接する
環状の旋回ベアリング14を介して可動スクロール部材
20の軸受部21が外嵌される。
【0026】可動スクロール部材20は、前記ブッシュ
11が旋回ベアリング14を介して挿着される軸受部2
1と、前記駆動軸の軸方向の垂直な径方向に延出する可
動鏡板22と、該鏡板22に対して渦巻形状であると共
に軸方向の延出する可動側ラップ23とによって構成さ
れる。また、前記可動側ラップ23の軸方向端部には、
下記する固定スクロール部材30の固定鏡板32の内側
面35と当接摺動する部分に前記渦巻形状に沿って溝部
24が形成され、該溝部24にはテフロン等によって形
成されたチップシール25が固着されているものであ
る。
【0027】前記可動スクロール部材20と噛合して圧
縮室40を構成する固定スクロール部材30は、ネジ4
1等によって前記シェル4に固定される共に、径方向の
延出する固定鏡板32と、該鏡板に対して渦巻状である
と共に可動スクロール側に延出する固定側ラップ31と
を有する。この固定側ラップ31の軸方向端部には、前
記可動スクロール部材20の可動鏡板22の内側面26
と当接摺動する部分に渦巻形状に沿って溝部33が形成
され、該溝部33にはテフロン等によって形成されたチ
ップシール34が固着されるものである。
【0028】また、前記固定スクロール部材30の鏡板
32の略中央には、軸方向に貫通する吐出孔36が形成
され、さらに、前記固定スクロール部材30の鏡板32
の外側面37には、前記吐出孔36への逆流を防止する
逆止弁42が設けられ、この逆止弁42の外側には、こ
の逆止弁42のリフト量を制限する逆止弁保持プレート
43がネジ44等によって固定スクロール部材30に固
定されているものである。
【0029】さらにまた、前記圧縮室40は、径方向外
方において図示しない冷媒吸入パイプと連通する低圧空
間51と適宜連通すると共に、中心部分において前記吐
出孔36を介して高圧空間52と連通するものである。
尚、高圧空間52は図示しない冷媒吐出パイプと連通す
るものである。
【0030】また、前記圧縮室40は、コンプレッサ自
体の小型化を達成するために前記可動スクロール部材2
0の揺動範囲を制限しており、このため圧縮容積を確保
するために軸方向に長い形状とされる。このため、前記
可動側ラップ23及び固定側ラップ31は軸方向の長さ
が長くなるように形成されている。また、前記圧縮室4
0は、前記可動側ラップ23及び固定側ラップ31によ
って径方向に画成された一対の空間によって構成され
る。
【0031】これによって、前記スクロール型圧縮機1
は、走行用エンジンやモータ等とプーリやベルトを介し
て連結されることにより、その回転力が駆動軸6に伝達
され、これに伴って前記可動スクロール部材20が固定
スクロール部材30に対して揺動運動を行う。これによ
って、前記圧縮室40が径方向外方から内方にかけて漸
次その容積を縮小する運動が繰り返されることによって
連続的な圧縮作業を行うことができるものである。
【0032】以上の構成のスクロール型圧縮機1におい
て、前記可動スクロール部材20と前記フロントヘッド
3との間には、前記可動スクロール部材20の自転防止
機構60が配されると共に、転覆防止機構70が設けら
れるものである。
【0033】自転防止機構60は、前記可動スクロール
部材20の前記軸受部21の周囲に当たる前記鏡板22
の外側面27に固着される可動側プレート61及び可動
側リテーナ62と、前記フロントヘッド3の可動スクロ
ール部材側に形成された受圧部3Aに固着される固定側
プレート64及び固定側リテーナ65と、前記可動側プ
レート61及び前記可動側リテーナ62によって形成さ
れた複数の可動側球溝63と前記固定側プレート64及
び前記固定側リテーナ65によって形成された複数の固
定側球溝66との間に介在される複数のボール67とに
よって構成される。
【0034】また、前記転覆防止機構70は、前記可動
側リテーナ62と、前記シェル4と前記フロントヘッド
3との当接固定面に挟持された固定側保持プレート71
との間を連架する複数(この実施の形態では、3本)の
引っ張りバネ72とによって構成される。
【0035】以下、前記自転防止機構60及び前記転覆
防止機構70と構成する部品の各々について詳細に説明
する。
【0036】図2に示す自転防止機構60の可動スクロ
ール部材側は、可動側プレート61と可動側リテーナ6
2によって構成される。
【0037】前記可動側プレート61は、図3に示され
るように、前記可動スクロール部材20の鏡板22の径
と略等しい外径と前記可動スクロール部材20の軸受部
21の外径と略等しい内径を有する円板であり、一対の
プレート側位置決め用穴68A、複数のねじ装着部61
A及び該ねじ装着部61Aと外周縁との間に形成された
複数の切欠溝部61Bを有するものである。尚、この実
施の形態において、前記ねじ装着部61A及びこれに連
設される切欠溝部61Bは、周方向に等間隔、つまり中
心角120度間隔で3つ形成される。また、前記プレー
ト側位置決め用穴68Aは、該可動側プレート61の方
向性を決定するために、お互いに対称でない位置に形成
されるものである。
【0038】前記可動側リテーナ62は、図4に示すも
ので、前記可動スクロール部材20の鏡版22の径と略
等しい外径と前記可動スクロール部材20の軸受部21
の外径と略等しい内径を有する円板であり、前記可動側
プレート61のねじ装着部61Aと対応する位置にねじ
装着孔62Aが形成され、さらに、前記切欠溝部61B
と対応する位置に、切欠部62B及びバネ装着孔62C
が形成されているものである。また、前記プレート側位
置決め用穴68Aと対応する位置には、リテーナ側位置
決め用穴68Bが形成される。さらに、前記ねじ装着孔
62A、切欠部62B及びバネ装着孔62Cが形成され
るそれぞれの位置の間には、複数(この実施の形態では
各々4つずつ)の円形開口部63Aが形成される。
【0039】これによって、前記可動側プレート61と
可動側リテーナ62とが、ねじ装着部61A及びねじ装
着部62Aを貫通して可動スクロール部材20に螺合す
るねじによって可動スクロール部材20に固定され、前
記円形開口部63Aの可動スクロール部材側の開口面が
前記可動側プレート61によって閉塞され、可動側球溝
63が形成される。これによって、前記ボール67の可
動スクロール部材側を回動自在に保持することができる
ものである。
【0040】また、図5に示す自転防止機構60のフロ
ントヘッド3の受圧部3A側は、固定側リテーナ65
と、固定側プレート64とによって構成される。
【0041】図7で示す固定側プレート64は、前記受
圧部3Aの外径及び内径と略等しい外径及び内径を有す
る円板であり、周方向に均等、この実施の形態において
は中心角120度毎に3つのプレート側切欠部64Aが
形成され、さらに位置決め用切欠部69Bが周方向にお
互いが対称でない位置に形成されている。
【0042】図6で示す固定側リテーナ65は、前記受
圧部3Aの外径及び内径と略等しい外径及び内径を有す
る円板であり、前記固定側プレート64の切欠部64A
と対応する位置にリテーナ側切欠部65Aが形成され、
さらに前記位置決め用切欠部69Bと対応する位置に位
置決め用穴69Aが形成されている。さらに、前記リテ
ーナ側切欠部65Aの各々の間には、複数(各々4つず
つ)の円形開口部66Aが形成される。
【0043】尚、前記固定側リテーナ65と固定側プレ
ート64とは、前記受圧面3Aに形成された係止溝に嵌
め込まれて固定されるものである。これによって、前記
固定側リテーナ65の円形開口部66Aの一方側の開口
面が前記固定側プレート64によって閉塞されることに
よって、固定側球溝66が形成され、前記ボール67の
フロントヘッド側を回動自在に保持するものである。以
上により、複数のボール67が前記可動側球溝63と固
定側球溝66との間で旋回運動し、前記可動スクロール
部材20が自転しようとする力を均等の受けることがで
きるので、可動スクロール部材20の自転運動を防止す
ることができるものである。
【0044】また、図5及び図8で示すように、固定側
保持プレート71は、前記フロントヘッド3とシェル4
との間で挟持されるリングであり、前記固定側リテーナ
65のリテーナ側切欠部65A及び固定側プレート64
の切欠部64Aと対応する位置の突出するバネ保持部7
1Aを有し、該バネ保持部71Aには、バネ装着用切欠
部71Bとバネ装着孔71Cとが形成されているもので
ある。
【0045】また、前記転覆防止機構70において、引
っ張りバネ72の一端は、前記可動側リテーナ62の切
欠部62Bからバネ装着孔62C側に延出して該バネ装
着孔62Cの挿入される可動側引掛部74を有し、さら
にその他端は、前記固定側保持プレート71の切欠部7
1Bからバネ装着孔71C側に延出して該バネ装着孔7
1Cに挿入される固定側引掛部73を有して、前記可動
側リテーナ62と前記固定側保持プレート71との間に
配され、前記可動スクロール部材20に対して軸方向フ
ロントヘッド側へ引き寄せる力及び径方向外方へ向かう
力が加わるように前記可動スクロール部材20を引っ張
るものである。
【0046】これによって、転覆防止機構70によって
可動スクロール部材20を前記フロントヘッド3の受圧
部3Aに対して常に所定の力で引き寄せることができる
ので可動スクロール部材20の転覆を防止することがで
きると共に、自転防止機構60自体がころがり軸受とな
ることから、可動スクロール部材20とフロントヘッド
3の受圧部3Aとの間の摺動抵抗を低減できるものであ
る。
【0047】以下、この発明の他の実施の形態について
説明するが、第1の実施の形態に係るスクロール型圧縮
機1と同一の個所及び同様の作用を奏する個所には、同
一の符号を付してその説明を省略する。図9に示す第2
の実施の形態に係るスクロール型圧縮機1は、転覆防止
機構70’を構成する引っ張りバネ72’の両端の引掛
部73’, 74’を球状としたものである。これに対応
して、可動側リテーナ62の装着部分の形状、固定側保
持プレート71の装着部分の形状、その他を若干変更す
る必要があるが、可動スクロール部材20の揺動運動に
よって旋回する引掛部分の摺動性を良好にすることがで
きるものである。
【0048】また、図10に示す第3の実施の形態に係
るスクロール型圧縮機1は、転覆防止機構70”を構成
する引っ張りバネ72”を、図12に示すような前記可
動スクロール部材20側の径が前記フロントヘッド3側
の径よりも小さい略円錐形状としたものである。
【0049】前記可動スクロール部材20が図中上部側
に位置し、且つ前記バランスウェート13が下部側に位
置する図10に示される状態においては、前記引っ張り
バネ72”の可動スクロール部材20側の端部が、前記
可動側リテーナ62と連結する引掛部74によって上部
側へ引っ張られる。この時、この引っ張りバネ72”は
可動スクロール20側の径が小さく形成されているた
め、この引っ張りバネ72”の可動スクロール20側の
部分が図中上側、即ち、前記バランスウェート13側に
突出することはない。
【0050】また、前記可動スクロール部材20が図中
下部側に位置する状態では、図11に示されるように、
前記引っ張りバネ72”の可動スクロール部材20側の
端部は下部側へ引っ張られるが、この時、この引っ張り
バネ72”の可動スクロール部材20側の部分が図中下
側、即ち、前記シェル4側に突出することはないので、
この引っ張りバネ72”を配置するためのスペースを小
さくすることができ、スクロール圧縮機1自体の小型化
が図れるものである。
【0051】尚、上述した可動スクロール部材20側の
径がフロントヘッド3側の径よりも小さい引っ張りバネ
としては、この引っ張りバネの配置スペースの形状にあ
わせて、図13に示すような中間部分がへこんだ形状の
引っ張りバネ72aや、図14に示すような中間部分が
膨らんだ形状の引っ張りバネ72b等も用いることがで
きる。
【0052】図13に示す中間部分がへこんだ形状の引
っ張りバネ72aは、旋回運動に伴う遠心力によって引
っ張りバネ72aの中間部分が外側に膨らんでも、この
中間部分がシェル4やバランスウェート13等に接触す
ることが防止できる。また、図14に示す引っ張りバネ
72bのように、その中間部分が膨らんだ形状のもので
あっても、前記可動スクロール側20の端部の径が小さ
く形成されているので、この引っ張りバネ72bの端部
がシェル4やバランスウェート13等に接触することを
防止できる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、可動スクロール部材をフロントヘッド側に引っ張る
ための引っ張りバネを設けたことによって、スクロール
型圧縮機の小型化を図る場合に問題となる可動スクロー
ル部材の転覆を防止できると共に、自転防止機構にボー
ルを使用することによって、引っ張りバネによって増加
したスラスト損失トルクを最小限に抑えることができる
ものである。また、前記可動スクロール部材をフロント
ヘッド側に引っ張ることによって、可動スクロール部材
と固定スクロール部材との軸方向の当接部分にかかる負
荷を低減できるために、当接部分の摩耗を防止すること
ができるものである。また、前記引っ張りバネの可動ス
クロール部材側の径をフロントヘッド側の径よりも小さ
くすることによって、引っ張りバネの旋回範囲を小さく
することができるので、この引っ張りバネの配置スペー
スを小さくすることができ、装置自体の小型化が図れる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態に係るスクロール
型圧縮機の断面図である。
【図2】自転防止機構の可動スクロール部材側の構造を
示した平面図である。
【図3】自転防止機構を構成する可動側プレートの平面
図である。
【図4】自転防止機構を構成する可動側リテーナの平面
図である。
【図5】自転防止機構のフロントヘッド側の構造を示し
た平面図である。
【図6】自転防止機構を構成する固定側リテーナの平面
図である。
【図7】自転防止機構を構成する固定側プレートの平面
図である。
【図8】転覆防止機構を構成する固定側保持プレートの
平面図である。
【図9】本願発明の第2の実施の形態に係るスクロール
型圧縮機の断面図である。
【図10】本願発明の第3の実施の形態に係るスクロー
ル型圧縮機の断面図である。
【図11】本願発明の第3の実施の形態に係るスクロー
ル型圧縮機において、可動側スクロールが下部側に位置
する時の引っ張りバネの状態を示す一部拡大図である。
【図12】本願発明の第3の実施の形態に係るスクロー
ル型圧縮機に使用される引っ張りバネの概略図である。
【図13】本願発明の第3の実施の形態に係るスクロー
ル型圧縮機に使用される引っ張りバネの他の形態を示す
概略図である。
【図14】本願発明の第3の実施の形態に係るスクロー
ル型圧縮機に使用される引っ張りバネの他の形態を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 スクロール型圧縮機 2 ケースハウジング 3 フロントヘッド 3A 受圧部 4 シェル 6 駆動軸 20 可動スクロール部材 30 固定スクロール部材 40 圧縮室 60 自転防止機構 61 可動側プレート 62 可動側リテーナ 63 可動側球溝 64 固定側プレート 65 固定側リテーナ 66 固定側球溝 67 ボール 70,70’,70” 転覆防止機構 71 固定側保持プレート 72,72’,72”,72a,72b 引っ張りバネ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントヘッドと、該フロントヘッドに
    外嵌してケースハウジングを構成するシェルと、前記フ
    ロントヘッドを貫通する貫通孔に回転自在に装着される
    駆動軸と、該駆動軸の回転に伴って旋回運動を行うと共
    に渦巻状に形成された可動スクロールを有する可動スク
    ロール部材と、前記シェルに固着されると共に前記可動
    スクロールと噛合して圧縮室を画成する渦巻状の固定ス
    クロールを有する固定スクロール部材と、前記可動スク
    ロール部材と前記フロントヘッドとの間の設けられ、前
    記可動スクロール部材の自転を防止する自転防止機構と
    を有するスクロール型圧縮機において、 前記可動スクロール部材を、前記フロントヘッド側に付
    勢する付勢手段を設けたことを特徴とするスクロール型
    圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記自転防止機構は、前記可動スクロー
    ル部材の旋回運動に伴って前記可動スクロール部材と前
    記フロントヘッドの間で旋回運動する複数のボールと、
    前記フロントヘッドの可動スクロール側側面に固着さ
    れ、前記各々のボールの旋回範囲に形成された球溝を有
    する固定側リテーナと、前記可動スクロール部材のフロ
    ントヘッド側側面に固着され、前記各々のボールの旋回
    範囲に形成された球溝を有する可動側リテーナとによっ
    て構成されることを特徴とする請求項1記載のスクロー
    ル型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記付勢手段は、前記可動スクロール部
    材側に設けられた可動側固定手段と、フロントヘッド側
    に設けられたヘッド側固定手段との間に設けられること
    を特徴とする請求項1記載のスクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段は、前記可動側リテーナに
    設けられた可動側固定手段と、フロントヘッド側に設け
    られたヘッド側固定手段との間に設けられることを特徴
    とする請求項2記載のスクロール型圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記付勢手段は、前記可動側固定手段と
    前記ヘッド側固定手段の間に設けられ、前記可動スクロ
    ール部材を前記フロントヘッド側に引っ張る複数の引っ
    張りバネであることを特徴とする請求項1乃至4記載の
    スクロール型圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記ヘッド側固定手段は、前記フロント
    ヘッド及びシェルによって挟持固定されたプレートであ
    ることを特徴とする請求項3,4又は5記載のスクロー
    ル型圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記引っ張りバネの両端は、球状に形成
    されることを特徴とする請求項5又は6記載のスクロー
    ル型圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記引っ張りバネは、前記可動スクロー
    ル部材側の径が前記フロントヘッド側の径より小さいこ
    とを特徴とする請求項5,6及び7記載のスクロール型
    圧縮機。
JP16007898A 1998-01-30 1998-06-09 スクロール型圧縮機 Pending JPH11280675A (ja)

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JP10-33690 1998-01-30
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7261528B2 (en) * 2004-03-30 2007-08-28 Varian, Inc. Scroll pump with load bearing synchronization device

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