JPH11279873A - 複合仮撚糸の製造方法 - Google Patents

複合仮撚糸の製造方法

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JPH11279873A
JPH11279873A JP7872298A JP7872298A JPH11279873A JP H11279873 A JPH11279873 A JP H11279873A JP 7872298 A JP7872298 A JP 7872298A JP 7872298 A JP7872298 A JP 7872298A JP H11279873 A JPH11279873 A JP H11279873A
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Hideaki Kunisada
秀明 國貞
Tsugihiko Kai
二男子 甲斐
Kakuji Murakami
確司 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 織編物に張り、腰、反発性とソフトな風合い
を付与可能にすると共に、濃染化を可能にする複合仮撚
糸の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも2本の糸条間に温度差を与
え、これら糸条A,Bを回転仮撚子9の施撚作用により
合流させて高温側の糸条Aにより低温側の糸条Bを加熱
しながら延伸仮撚りするに当たり、前記高温側糸条Aに
予め弛緩熱処理を施すようにする方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合仮撚糸の製造方
法に関し、さらに詳しくは、織編物に対し張り、腰、反
発性とソフトな風合いとを与えることができ、かつ濃染
化を可能にする複合仮撚加工糸の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、複合仮撚糸の製造方法としては、複
数本の糸特性の異なる合成繊維糸条を引き揃えて加撚域
に供給し、その加撚域で糸条を高温に加熱すると同時に
延伸及び仮撚を行うようにしていた。この方法によって
得られた複合仮撚糸は、一般に高い捲縮や高い嵩高性を
有するため、無撚または甘撚の状態のまま布帛にすると
フカツキを生ずるため、通常は中撚または強撚の撚りを
施して布帛にするのが一般的であった。
【0003】しかし、このようにして製造された織編物
は、ドレープ性には優れるものの、ジャリ感を有し、か
つ反発性に乏しいものになるため、本格的な梳毛調風合
いに達することはできなかった。このような問題の対策
として、特開平9−78385号公報等により、温度の
異なる少なくとも2本の糸条を加撚域で合流させ、高温
側の糸条により低温側の糸条を加熱して複合仮撚糸を製
造することにより、織編物にしたときに、張り、腰、反
発性とソフトな風合いとを兼ね備えさせることができる
方法が提案されている。
【0004】しかしながら、この製造方法によると、ポ
リエステル高配向未延伸糸が加熱延伸された糸条が複合
仮撚加工糸の鞘糸側に現れるため淡染化する傾向があ
り、濃染化が難しいという問題があった。このような淡
染化を解決する方法として、特開平5−171533号
公報には、ポリエステル高配向未延伸糸を弛緩熱処理し
た糸条とポリエステル高配向未延伸糸とを引き揃えて延
伸仮撚する方法が開示されている。この方法によれば、
弛緩熱処理した側の糸条を織物表面に現れるようにでき
るため濃染化は可能になるものの、両糸条とも同じ温度
で加熱しながら延伸仮撚するため捲縮が強く、布帛にし
たときにフカツキやすく、反発感に乏しいという問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の欠点を解消し、織編物に張り、腰、反発性と
ソフトな風合いを付与可能にすると共に、濃染化を可能
にする複合仮撚糸の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による複合仮撚糸の製造方法は、少なくとも2本の糸
条間に温度差を与え、これら糸条を回転仮撚子の施撚作
用により合流させて高温側の糸条により低温側の糸条を
加熱しながら延伸仮撚するに当たり、前記高温側糸条に
予め弛緩熱処理を施すようにすることを特徴とするもの
である。
【0007】このように糸条間に温度差を与え、高温側
の糸条により低温側の糸条を加熱しながら複合仮撚加工
することにより、単繊維の糸軸方向に不均一かつ短周期
の太細構造を有する緩やかな捲縮をもつ糸条と、細かな
捲縮構造を有する比較的収縮率の低い糸条の異なる特性
を有する複合仮撚糸を得るため、織編物にして染・仕上
げ加工したとき比較的収縮率の大きな糸条が収縮後、自
発伸長し、糸と糸との交錯点に空隙が形成され、織編物
に張り、腰、反発性と共にソフトな風合いを付与する。
また、上記複合仮撚加工を行うに当たり、高温側糸条に
弛緩熱処理を施していることにより、複合仮撚加工糸の
鞘側に現れる高温側糸条の濃染化が可能になる。
【0008】
【発明実施の形態】本発明に使用する糸条は、衣料用途
に使用可能な熱可塑性合成繊維であれば特に限定され
ず、ポリエステル系繊維やポリアミド系繊維が好ましく
用いられる。中でもポリエステル繊維が特に好ましく用
いられる。ここでいうポリエステルとは、80モル%以
上のエチレンテレフタレート単位を含有するポリエチレ
ンテレフタレート系重合体が好ましい。
【0009】また、上記エチレンテレフタレートには、
共重合成分として、例えばアジピン酸、セバシン酸、イ
ソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタリンジカ
ルボン酸等の二塩基酸類、オキシ安息香酸等のオキシ酸
類及びジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ポリエチレングリコール等のグリコール類、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸等の1種または2種以上を共重
合することができる。これらポリエステルには、酸化チ
タン等の艶消し剤、カオリナイト等の微細孔形成剤、帯
電防止剤等が少量添加されていてもよい。
【0010】また、結晶構造、配向性等の糸物性的制限
はないが、捲縮の堅牢性と加工安定性から、POY(高
配向未延伸糸)が好ましく用いられる。また、未延伸糸
を不均一に延伸した、所謂シック&シン糸も自然感付与
のため好ましく用いられる。また、糸条の繊度、単糸繊
度、断面形状、染着性、撚の有無に制限はなく、用いる
用途に応じて選択可能である。
【0011】本発明の製造方法に用いる糸条は、少なく
とも2本が必要であるが、複合糸条への特徴付与のため
に、例えば、静電性、杢感などに応じて、3本あるいは
4本以上用いることも可能である。図1は、本発明にか
かる複合仮撚糸の製造方法の一例を模式的に示した概略
図である。
【0012】図1において、糸条Aの供給原糸1a及び
糸条Bの供給原糸1bは、それぞれフィードローラー2
a及び2bから分離して供給される。糸条A及び糸条B
は、それぞれ撚合わせガイド7まで分離状態にされた
後、第3フィードローラ10との間で仮撚回転子9の施
撚作用により合流され延伸仮撚加工される。
【0013】糸条Bと合流される前の糸条Aは、第1フ
ィードローラー2aと第2フィードローラ4との間で弛
緩状態にされてリラックス用ヒーター3により弛緩熱処
理され、次いでヒーター5により糸条Bよりも高い温度
状態になるように加熱される。他方、糸条Bもヒーター
6により熱処理される。このヒーター5,6による熱処
理は、本発明において必ずしも必要とするものではな
い。また、仮撚回転子9の前に冷却板8を設けることも
できる。
【0014】仮撚加工後の複合仮撚糸は、第4フィード
ローラー12との間でオーバフィードにてインターレー
スノズル11により交絡が与えられ、2糸条間における
集束性を高めた状態にした後、パッケージ13として巻
き取られる。この場合、第1フィードローラー2a及び
2bによる供給速度は同速度であっても、異速度であっ
てもよく、供給糸及び加工糸の特性や、さらに加工の安
定性によって適宜設定すればよい。
【0015】上記延伸仮撚加工において、第1フィード
ローラー2aから第2フィードローラー4との間で、糸
条Aを5%以上の弛緩率で弛緩熱処理すると、加工後の
糸条Aの内部構造をルーズにするため、この複合仮撚糸
を用いた織編物の表面をよりソフトにすると共に、濃染
化することが可能になる。弛緩熱処理における弛緩率が
小さいと、内部構造のルーズ化の程度が少ないためソフ
ト化や濃染化の効果が小さく、また弛緩率が大きすぎる
と糸加工の安定性が低下する。したがって、弛緩率とし
ては5%〜70%、好ましくは10%〜50%、さらに
好ましくは15%から40%に設定するのがよい。
【0016】また、弛緩熱処理する際に用いるヒーター
としては、装置、加熱時間、温度に制限はなく、目的と
する加工糸に合わせて適宜選択することが可能である
が、好ましくは、ダウサム等の熱媒または電熱等で加熱
した加熱体上を接触走行させるものや、高温雰囲気下を
実質的に非接触状態で走行させるものが好ましい。
【0017】弛緩熱処理の加熱時間としては、加工速
度、加熱温度にも依存するが、0.01〜0.5sec
が好ましい。ヒーター温度としては、接触型ヒーターの
場合は130〜220℃、非接触型ヒーターの場合は1
50〜650℃が好ましい。
【0018】さらに弛緩熱処理後の第3フィードローラ
ーまでの延伸倍率は、用いる供給原糸、弛緩率、目的の
加工糸物性に合わせて適宜設定すればよい。しかし、加
工安定性から0.7倍以上、(弛緩熱処理後の糸条Aの
破断伸度)×0.8倍以下が好ましい。さらに好ましく
は、0.95倍以上、2.2倍以下、特に好ましくは、
1.05倍以上1.85倍以上にするのがよい。
【0019】一方、糸条Bについては、第1フィードロ
ーラー2bと第3フィードローラー10との間の延伸倍
率は、用いる供給原糸、目的の加工糸物性に合わせて適
宜設定すればよいが、加工安定性から1.05倍以上、
(糸条Bの供給原糸の破断伸度)×0.8倍以下が好ま
しい。さらに好ましくは、1.1倍以上、2.2倍以下
に設定するのがよい。
【0020】本発明において、糸条Aと糸条Bに撚合わ
せガイド7までに温度差(A>B)をもたせるようにす
ることが重要である。そのため高温加熱側のヒーター5
および低温加熱側のヒーター6を適宜の温度、長さ、タ
ッチ時間に設定するようにするが、温度差(A>B)を
設定することができる限り、必ずしもヒーター5および
/または6を用いることを必要とするものではない。
【0021】高温加熱側のヒーター5及び低温加熱側の
ヒーター6は、糸条を加熱するものであれば特に限定さ
れないが、ダウサム等の熱媒や電熱等により加熱された
熱板の上に糸条を接触走行させることにより加熱するも
の、高温雰囲気中を実質的に非接触状態で走行させて糸
条を加熱するもの等を挙げることができる。
【0022】また、糸条Aと糸条Bとの間に与える温度
差としては、撚合わせガイド前において糸条温度が5℃
以上異なるようにすることが好ましい。加工糸の収縮特
性から考えて、糸条Bの温度がガラス転移点Tg以下で
あり、糸条Aの温度がガラス転移点Tg以上であること
がより好ましい。さらに生産性向上のためには、糸条B
の温度が室温で、糸条Aの温度が90℃以上であること
が特に好ましい。
【0023】温度差を有する糸条A及び糸条Bを撚合わ
せガイド7で合流させ、延伸仮撚すると、糸条Aにより
糸条Bを不均一に加熱すると共に延伸が生じるため、糸
条Bに極めて短ピッチの内部構造や繊維形状変化が生
じ、単繊維の糸軸方向に不均一かつ単周期の収縮差を生
じ、かつ緩やかな波状捲縮を呈する。また、糸条Aも弛
緩熱処理により延伸されやすくなった状態で、温度の低
い糸条Bと合流し延伸仮撚されるため、次のようにな
る。
【0024】(1)合流点付近を観察すると既に仮撚加
撚されている糸条Bのまわりに糸条Aがカバリングする
ように合流している。(2)加工上がりの糸条Aも糸条
Bと同じく単糸間に延伸ムラと細かい捲縮が生じ、糸条
Bに比べて糸長差を有する糸構造になっている。
【0025】また、後工程における熱処理、例えば精練
リラックス、乾熱セット、染色等による湿熱・乾熱処理
により、糸条Aと糸条Bとの間に収縮差、捲縮差が発現
する。これにより繊維間空隙が生じ、編織物の膨らみが
向上する。また、合流点での糸条AおよびBの糸温度を
適当な条件とすることにより、織編物中にて収縮し、芯
糸側となる糸条Bは染色・仕上げ工程の中で一旦収縮
後、自発伸長し、織物交錯点が弛むため反発感に優れた
織編物になる。
【0026】第1フィードローラー2a,2bや第3フ
ィードローラー10は、糸条速度が変化しないように安
定化させることが生産上好ましい。そのためセパレート
ローラーを用いたゴデーローラーにしたり、所謂そろば
んガイドを用いてローラーに複数回巻き付ける等の手段
を講ずることが好ましい。撚合わせガイド7は、形状、
材質等に制限はないが、糸に損傷を与えない形状で、摩
擦に強い材料であるセラミック、金属等の材料を用い、
糸掛けしやすく、糸はずれが起きにくい形状になってい
ることが望ましい。
【0027】また、冷却板8は仮撚加工により付与され
た構造を効率的に冷却・固定し、かつ、加工時の糸道規
制、振動防止等を行い、安定加工を可能にするためのも
のであるが、本発明において必ずしも必須の手段ではな
い。本発明に用いる仮撚回転子としては、外接型摩擦仮
撚装置、ベルトニップ型仮撚装置、スピンドル仮撚装置
のいずれも使用することができ、供給する糸の種類、加
工速度、設定仮撚数等の加工条件によって適宜選択すれ
ばよい。
【0028】糸の集束手段としては、インターレースノ
ズルによる乱流空気により交絡させることができるが、
実撚等を与えて集束させるようにしてもよい。また、イ
ンターレースノズルにより交絡と実撚とを併用するよう
にしてもよい。図2及び図3は、本発明による複合仮撚
糸の製造方法を実施する別の工程を示すものである。
【0029】この延伸仮撚工程では、低温側の糸条Bに
対して加熱用のヒーターが設けられておらず、また冷却
板8も設けていない。高温側の糸条Aの加熱手段には、
回転加熱体の第2フィードローラー4が使用され、ヒー
ター5の使用が省略されている。しかも、第2フィード
ローラー4は、セパレートローラーをもつゴデット型ロ
ーラーに構成されている。
【0030】このように糸条Aの加熱に回転加熱体の第
2フィードローラー4を使用し、またリラックス用ヒー
ター3として非接触式ヒーターを使用することにより、
糸との摩擦抵抗が極めて小さく、毛羽の発生が極力少な
くなるようにしているため、特に細繊度の糸条を加工す
る場合に有利となる。また、本発明においては、供給原
糸1aとして予め弛緩熱処理したものを使用することに
より、ヒーター3などの弛緩熱処理機構を省略すること
もできる。
【0031】上述した仮撚加工を実施すると、糸条Aは
撚合わせガイド7の下流で既に仮撚加撚状態にある糸条
Bのまわりにカバリングするように合流する。そのため
少なくとも糸条Aに対して撚合わせガイド7までに交絡
手段などによって集束処理すれば糸条Bに安定に巻き付
かせることができ、それよって加工張力変動を小さく
し、生産を安定させことができる。糸条Aへの交絡は撚
合わせガイド前であればどこでもよいが、特に生産効率
を考えた場合は、交絡を与えた原糸を用いたり、第1フ
ィードローラー2a前に交絡させたり、またはリラック
スヒーター3前で交絡させることが特に好ましい。交絡
処理によって、糸条に与える交絡度としては、20〜2
00の範囲が好ましい。
【0032】また、加工した複合仮撚糸には交絡を施す
ことが好ましい。このように交絡を施すことによって、
製編織等の後加工工程における作業性、ハンドリング
性、工程通過性を向上させることができる。この交絡の
頻度は特に限定されるものではなく、構成糸相互が分離
しない程度で布帛の風合い、品位に悪影響を及ぼさない
程度にするのが好ましい。
【0033】加工糸の収縮量を下げたいとき、または糸
条Aと糸条Bとの間の糸長差をさらに大きくしたい場合
または糸長差を小さくしたい場合には、第3フィードロ
ーラー10の後に適宜弛緩熱処理工程を入れるようにし
てもよい。
【0034】
【実施例】以下に実施例を説明するが、この実施例中で
使用した特性値は下記の測定方法によるものである。 沸水収縮率 JIS規格L1090−1992に規定された熱水収縮
率A法(かせ収縮率)の試験法に基づき、次の式から求
めた。ただし、サンプルは98℃の浴中にすみやかに浸
し、30分間熱処理するものとする。
【0035】 沸水収縮率(%)=〔(L0 −L1 )/L0 〕×100 ただし、L0 :サンプル原長、 L1 :沸水処理後サン
プル長
【0036】実施例1 ポリエチレンテレフタレートセミダルポリマーを常法に
より溶融紡糸して得た、切断伸度188%の125デニ
ール、18フィラメントの糸条1bおよびポリエチレン
テレフタレートブライトポリマーを用い、常法により溶
融紡糸して得た、切断伸度185%の85デニール、4
8フィラメントの糸条1aを、それぞれ高配向未延伸糸
(以下、POY)として巻き取り、図1のプロセスを用
いて延伸仮撚加工を実施した。
【0037】第1フィードローラー2aを288m/
分、2bを206m/分に、第3フィードローラ10の
速度を340m/分に設定し、糸条1bは加熱しないで
室温にし、また糸条1aは300℃の非接触式ヒータ3
を用いて第2フィードローラー4との間で弛緩熱処理を
行った。ここで第2フィードローラー4の速度を206
m/分に設定し、28%の弛緩率とした。
【0038】高温糸側のヒーター5の温度を120℃と
して糸条Aを加熱し、撚合わせガイド7にて糸条Aおよ
びBを撚合わせて仮撚回転子6として三軸ツイスタを用
いて、延伸仮撚加工を行なった。次いで、第3フィード
ローラー10と第4フィードローラー12との間でイン
ターレースノズル11によって交絡を付与し、糸条の集
束性を向上させて巻き取った。
【0039】出来上がった複合仮撚糸は、糸条Bに対し
て糸条Aが糸長差を持った状態となっており、また、糸
条Aは細かい捲縮を有しており、糸条Bは、緩やかな捲
縮を有し、複合仮撚糸としては嵩高性に富んでいた。ま
た、糸条A及びBの物性を測定するために、交絡を付与
しないで巻き取り、糸条A及びBに分離して、それぞれ
糸物性を測定した。糸物性の結果を表1にまとめた。
【0040】実施例2 実施例1と同じPOYを用い、図2及び3のプロセスを
用いて延伸仮撚加工を実施した。第1フィードローラー
2aを288m/分、2bを206m/分に、第4フィ
ードローラ10の速度を340m/分に設定し、糸条1
bは加熱しないで室温にし、糸条1aはヒータ3として
300℃の非接触式ヒータを用いて、第2フィードロー
ラー4との間で弛緩熱処理を行った。ここで、第2フィ
ードローラー4はセパレートローラーを有するゴデット
型ローラーを用い、110℃に加熱し、また、速度を2
06m/分に設定し、28%の弛緩率とした。
【0041】撚合わせガイド7にて糸条AおよびBを撚
合わせ、仮撚回転子6として三軸ツイスタを用いて延伸
仮撚加工を行い、次いでインターレースノズル11によ
って交絡を付与し、糸条の集束性を向上させて巻き取っ
た。出来上がった複合仮撚糸は、実施例1とほぼ同様の
形態をとり、複合仮撚糸として嵩高性に富んでいた。ま
た、供給原糸1aと1bのそれぞれの物性を測定するた
めに、交絡を付与しないで巻き取り、それぞれ原糸1a
と1bとに分離した。糸物性の結果を表1にまとめた。
【0042】比較例 実施例1及び2と同じPOYを用い、糸条Bを弛緩熱処
理せずに、糸条Aに比べて温度が高い状態にして撚合わ
せた。すなわち、第1フィードローラー2a、リラック
ス用ヒーター3を用いず、第2フィードローラー4に原
糸1aを供給し、その他は実施例1と同じ条件にして延
伸仮撚を行った。実施例1,2と同様に糸物性を測定
し、表1にまとめた。
【0043】上記複合仮撚糸を追撚することなく、27
Gの丸編み機により2段ジャージを作製し、高温染色し
た。このニット地の風合い、染色性は表1のようにな
り、どのニット地も張り・腰・反発性と膨らみに優れた
風合いであったが、比較例に比べて実施例1、2のニッ
ト地は表面タッチがさらにソフトで濃染を示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、糸条間
に温度差を与え、高温側の糸条により低温側の糸条を加
熱しながら複合仮撚加工することにより、単繊維の糸軸
方向に不均一かつ短周期の太細構造を有する緩やかな捲
縮をもつ糸条と、細かな捲縮構造を有する比較的収縮率
の低い糸条の異なる特性を有する複合仮撚糸を得るた
め、織編物にして染・仕上げ加工したとき比較的収縮率
の大きな糸条が収縮後、自発伸長し、糸と糸との交錯点
に空隙が形成され、織編物に張り、腰、反発性と共にソ
フトな風合いを付与する。また、上記複合仮撚加工を行
うに当たり、高温側糸条に弛緩熱処理を施していること
により、複合仮撚加工糸の鞘側に現れる高温側糸条を濃
染化可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合仮撚糸の製造方法の工程の一
例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る複合仮撚糸の製造方法の工程の他
の例を示す概略図である。
【図3】図2の工程を側面から見たときの概略図であ
る。
【符号の説明】
A 糸条(撚合わせ点にて温度の高い側の糸条) B 糸条(撚合わせ点にて温度の低い側の糸条) 1a(糸条Aの)供給原糸 1b(糸条Bの)供給原糸 2a,2b 第1フィードローラー 3 リラックス用ヒーター 4 第2フィードローラー 5,6 ヒーター 7 撚合わせガイド 9 仮撚回転子 10 第3フィードローラー 13 パッケージ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2本の糸条間に温度差を与
    え、これら糸条を回転仮撚子の施撚作用により合流させ
    て高温側の糸条により低温側の糸条を加熱しながら延伸
    仮撚するに当たり、前記高温側糸条に予め弛緩熱処理を
    施すようにする複合仮撚糸の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記糸条がポリエステル繊維である請求
    項1に記載の複合仮撚糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 延伸仮撚前の原糸が高配向未延伸糸であ
    る請求項1または2に記載の複合仮撚糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記弛緩熱処理の弛緩率が5〜70%で
    ある請求項1、2または3に記載の複合仮撚糸の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記弛緩熱処理において、ヒーター温度
    を130〜220℃にした接触型ヒーターを使用し、加
    熱時間を0.01〜0.5秒にする請求項1〜4のいず
    れかに記載の複合仮撚糸の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記弛緩熱処理において、ヒーター温度
    を150〜650℃にした非接触型ヒーターを使用し、
    加熱時間を0.01〜0.5秒にする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の複合仮撚糸の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6249098B1 (en) 1999-03-05 2001-06-19 Asmo Co., Ltd. Wiper control apparatus and method capable of variably adjusting wiper blade motion

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US6249098B1 (en) 1999-03-05 2001-06-19 Asmo Co., Ltd. Wiper control apparatus and method capable of variably adjusting wiper blade motion

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